説明

斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板および液晶表示装置

【課題】 階調表示と応答性の改善を両立させ、さらに高輝度表示、及び透過表示若しくは反射表示の可能な斜め電界液晶表示装置用のカラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を備える斜め電界液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 階調表示を行う通常表示と明るいダイナミック表示、透過表示若しくは反射表示が可能な斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、透明基板、この透明基板上に形成された透明導電膜、この透明導電膜上に形成された、複数の多角形画素形状の開口部を有するブラックマトリクス、このブラックマトリクスの開口部の中央に形成された第2の透明樹脂層、この透明導電膜上に形成された着色層、及びこの着色層上に形成された第1の透明樹脂層を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタ基板及びこれを備える液晶表示装置に関する。特に、本発明は、カラーフィルタ基板に配設した透明導電膜である第3電極と、アレイ基板側に設けた第1及び第2電極との間に電圧を印加することにより生じる斜め電界による液晶の駆動に最適なカラーフィルタ基板、及びこれを備える液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイなどの薄型表示装置のさらなる高画質化、低価格化および省電力化が求められている。液晶表示装置向けカラーフィルタにおいては、十分な色純度や高いコントラスト、平坦性など、より高画質表示に合わせた要求がでてきている。
【0003】
高画質液晶ディスプレイにおいて、VA(Vertically Alignment)、HAN(Hybrid-aligned Nematic)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Bend)、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)などの液晶の配向方式あるいは液晶駆動方式が提案され、それにより、広視野角・高速応答のディスプレイが実用化されている。
【0004】
液晶分子をガラスなどからなる基板面に平行に配向させる、広視野角で高速応答に対応しやすいVA方式、また、広視野角に有効なHAN方式などの液晶表示装置では、カラーフィルタの平坦性(膜厚の均一性やカラーフィルタ表面の凹凸の低減)と誘電率などの電気的特性について、さらに高いレベルが要求されている。このような高画質液晶ディスプレイでは、斜め方向の視認での着色の低減のため、液晶セル厚(液晶層の厚み)を薄くする技術が主要な課題となっている。そのような技術として、VA方式では、MVA(Multi-Domain Vertically Alignment)、PVA(Patterned Vertically Alignment)、VAECB(Vertically Alignment Electrically Controlled Birefringence)、VAHAN(Vertical Alignment Hybrid-aligned Nematic)、VATN(Vertically Alignment Twisted Nematic)等の種々の改良モードの開発が進んでいる。
【0005】
また、VA方式などの液晶の厚み方向に駆動電圧を印加する縦電界方式の液晶表示装置では、より高速の液晶応答、広い視野角技術、より高い透過率が主要な課題となっている。MVA技術は、液晶駆動の電圧印加時における液晶分子の不安定な垂直配向(初期に基板表面に対し垂直に配向している液晶が電圧印加時に倒れる方向が定まりにくいこと)の問題を解消するために、リブやスリットと呼称される液晶配向規制用構造物を複数設け、これらのリブ間に液晶ドメインを形成するとともに複数の配向方向のドメインを形成することにより、広い視野角を確保する技術である。特許文献1には、第1及び第2の配向規制構造物(リブ)を用いて液晶ドメインを形成する技術が開示されている。
【0006】
液晶が負の誘電率異方性を有する場合、具体的には、カラーフィルタなどの上に形成した2つの樹脂製のリブ間に位置する液晶分子は、駆動電圧の印加時に、例えば、平面視で、このリブに垂直な方向に倒れ、基板面に平行に配向しようとする。しかし、2つのリブ間の中央の液晶分子は、電圧印加にも関わらず倒れる方向が一義的に定まらず、スプレー配向やベンド配向をとることがある。このような液晶の配向乱れは、表示のざらつきや表示ムラにつながっていた。また、MVA方式の場合、上記問題も含め、液晶分子の倒れる量を駆動電圧で細かく制御することが難しく、中間調表示に難点があった。
【0007】
このような問題を解決するため、カラーフィルタ基板側の透明導電膜(透明電極、表示電極あるいは第3電極)と、アレイ基板側の第1及び第2の電極を用い、これらの電極に電圧が印加されることにより生ずる斜め電界により垂直配向の液晶を制御する技術が、特許文献2および特許文献3に開示されている。特許文献2では、負の誘電率異方性を有する液晶を用いており、特許文献3には、正の誘電率異方性を有する液晶が記載されている。
【0008】
特許文献2や特許文献3に示されるように、第1、第2、及び第3の電極を用い、斜め電界にて液晶配向を制御する手法は極めて有効である。斜め電界により、液晶の倒れる方向を設定することができる。また、斜め電界により液晶の倒れる量を制御しやすくなり、中間調表示に大きな効果が出てくる。
【0009】
しかし、これらの技術でも、液晶のディスクリネーション対策が不十分である。ディスクリネーションとは、意図しない液晶の配向乱れや未配向により光の透過率の異なる領域が画素(画素は、液晶表示の最小単位で、本明細書では表記の矩形画素と同義)内に生じる問題である。
【0010】
特許文献2には、ECB(電圧制御複屈折)方式に伴う画面ざらつきの改善された液晶表示装置が記載されている。この特許文献2に記載されている液晶表示装置では、画素中央のディスクリネーション固定化のため、対向電極(第3の電極)の画素中央に透明導電膜のない配向制御窓を設けている。しかし、画素周辺のディスクリネーションの改善策は開示されていない。また、画素中央のディスクリネーションの固定化はできるものの、表示電極中央の液晶の倒れが不十分であり、高透過率を期待しにくい。さらに、液晶の応答性の改善技術についても記載されておらず、カラーフィルタ技術に係わる開示もない。
【0011】
特許文献3では、透明導電膜(透明電極)上に誘電体層を積層した分、斜め電界の効果が増長され、好ましい。しかし、特許文献3の図7に示されるように電圧印加後も画素中央および画素端部には垂直配向の液晶が残り、透過率あるいは開口率の低下につながる問題がある。また、正の誘電率異方性を有する液晶を用いる場合(特許文献3には、負の誘電率異方性を有する液晶について開示されていない)、画素中央部の液晶の制御が不十分なため、透過率を向上させにくい。このため、半透過型液晶表示装置では採用しにくい技術となっている。
【0012】
通常、VA方式やTN方式などの液晶表示装置の基本的構成は、共通電極を備えたカラーフィルタ基板と、液晶を駆動する複数の画素電極(例えば、TFT素子と電気的に接続され、櫛歯状パターン状に形成された透明電極)を備えたアレイ基板とで、液晶を挟持する構成である。この構成では、カラーフィルタ上の共通電極とアレイ基板側に形成された画素電極との間に駆動電圧を印加して液晶を駆動する。画素電極やカラーフィルタ表面の共通電極としての透明導電膜は、通常、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いる。
【0013】
青色画素、緑色画素、及び赤色画素を透明導電膜上に形成したカラーフィルタの構成が、特許文献4の第2図に開示されている。また、複数のストライプ電極と正の誘電率異方性を有する液晶を用いる技術ではあるが、透明電極(透明導電膜)上にカラーフィルタを形成する技術が、上述した特許文献3(例えば、当文献の図7、図9)に記載されている。
【0014】
また、より高画質でダイナミックな表示を得るために輝度や明度を向上させる、あるいは色度範囲を拡げる技術として、赤色画素、緑色画素、及び青色画素のほかに黄色画素や白色画素を加えて4色表示とする技術が、特許文献5、特許文献6、及び特許文献7に開示されている。
【0015】
しかし、これらの技術は、既存の赤色画素、緑色画素、及び青色画素のほかに黄色あるいは白色といった別の画素を設ける必要があり、これを駆動するためのアクティブ素子(TFT)やカラーフィルタを形成するための着色層がさらに1個必要となり、工程増によるコストアップとならざるを得ない。また、黄色や強度の明るい白色表示が不要な階調表示範囲では、白色画素や黄色画素の表示を抑制する、あるいは非点灯とする必要があり、実効的な輝度アップにはつながりにくいという問題があった。また、ホワイトバランスをとるためにバックライトの色温度や異なる色の画素面積を調整する必要があった。加えて反射型表示では、いずれも黄色味が強調された表示(黄色味を抑えるため、例えば特許文献7に開示される特殊な青色フィルタが必要となる)となるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許第2947350号公報
【特許文献2】特許第2859093号公報
【特許文献3】特許第4459338号公報
【特許文献4】特公平5−26161号公報
【特許文献5】特開2010−9064号公報
【特許文献6】特許第4460849号公報
【特許文献7】特開2005−352451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされ、階調表示と応答性の改善を両立させ、さらに高輝度表示(以下ダイナミック表示)の可能な、あるいは、半透過表示の可能な斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を備える斜め電界液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、透明導電膜上に複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を配設した斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、透明基板、該透明基板上に形成された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明基板上に配設された透明導電膜、該透明導電膜上に配設され、前記開口部内の2つの透過率の異なる領域にそれぞれ区分された部分を含む着色画素、及び該着色画素を覆うように配設された第1の透明樹脂層を具備することを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板を提供する。
【0019】
本発明の第2の態様は、透明導電膜上に複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を配設した斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設され、前記開口部内の2つの透過率の異なる領域にそれぞれ区分された部分を含む着色画素、及び該着色画素を覆うように配設された第1の透明樹脂層を具備し、前記ブラックマトリクスが前記着色画素の比誘電率より高い比誘電率を有する遮光層で形成されていることを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板を提供する。
【0020】
本発明の第3の態様は、透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を具備し、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有することを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板を提供する。
【0021】
本発明の第4の態様は、透明基板、該透明基板上に形成された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明基板上に配設された透明導電膜、及び該透明導電膜上に形成された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を具備し、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有することを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板を提供する。
【0022】
第1又は第2の態様に係る斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板において、前記2つの透過率の異なる領域を、前記開口部内の透明導電膜上において、前記開口部の中心部を通る帯状の第2の透明樹脂層を覆う薄い着色層の領域と、それ以外の着色層の領域に区分することが出来る。この場合、前記第2の透明樹脂層を、前記多角形の開口部の中央を通り、かつ、該多角形の一辺と平行に配設することが出来る。また、前記第2の透明樹脂層の比誘電率を、前記着色層の比誘電率より低くすることが出来る。
【0023】
第1又は第2の態様に係る斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板において、前記透明導電膜が、前記多角形の開口部の中央を通り、かつ、該多角形の一辺と平行な、線状のスリットを有するものとすることが出来る。
【0024】
第1〜第4のいずれかの態様に係る斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板において、前記多角形の開口部を、平面視で長方形とすることが出来る。また、前記多角形の開口部を、長辺と短辺を有する四角形とし、かつ、長辺方向の中央付近で平面視で“くの字”状に折れ曲がったものとすることが出来る。更に、前記多角形の開口部を、平面視で平行四辺形とし、かつ、同一色の着色画素のそれぞれ1/2が2種類の異なる傾斜角度の平行四辺形で構成することが出来る。
【0025】
また、前記複数の着色画素を、赤色画素、緑色画素、及び青色画素の3色から構成し、液晶を駆動する周波数で測定した、前記着色画素のそれぞれの比誘電率を2.9から4.4の範囲内とするとともに、前記赤色画素、緑色画素、及び青色画素の平均比誘電率に対してそれぞれの着色画素の比誘電率を±0.3の範囲内とすることが出来る。更に、前記複数の着色画素を、赤色画素、緑色画素、及び青色画素の3色から構成し、液晶を駆動する周波数で測定した、前記着色画素のそれぞれの比誘電率の大きさを、赤色画素>緑色画素>青色画素の関係とすることが出来る。これらの場合、前記緑色画素の主たる色剤を、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料とすることが出来る。
【0026】
本発明の第5の態様は、以上のカラーフィルタ基板と、液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設したアレイ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置であって、前記アレイ基板が、液晶を駆動するために異なる電位が印加される第1電極及び第2電極を、平面視で前記カラーフィルタ基板の着色画素それぞれに対応して備えていることを特徴とする斜め電界液晶表示装置を提供する。
【0027】
このような斜め電界液晶表示装置において、前記第1電極と、前記第2電極および前記透明導電膜である第3電極との間に駆動電圧を印加したときに、前記開口部に対応する液晶の領域における液晶分子は、前記開口部の中心を通り、平面視で2分する直線に関し線対称である逆方向に倒れるように動作することが出来る。また、前記開口部に対応する液晶の領域において、液晶を駆動する電圧を印加したときの液晶分子の倒れる方向を、平面視で開口部中心から4つの異なる領域に区分することが出来る。
【0028】
これらの場合、前記第1電極が、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンを有し、前記第2電極が、絶縁層を介して前記第1電極の下に配設された櫛歯状パターンを有し、かつ前記第2電極が、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている構成とすることが出来る。また、平面視で前記第2の透明樹脂層が配設される位置に、前記アレイ基板上に前記第1電極が配設されていない構成とすることが出来る。更に、平面視で前記第2の透明樹脂層が配設される位置に、前記アレイ基板上に光反射膜を配設することが出来る。
【0029】
本発明の第6の態様は、透明基板、該透明基板上に形成された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明基板上に配設された透明導電膜、及び該透明導電膜上に形成された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を備え、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有するカラーフィルタ基板と、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンである第1電極、絶縁層を介して配設され、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている櫛歯状パターンである第2電極を備えるアレイ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置を提供する。
【0030】
本発明の第7の態様は、透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を備え、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有するカラーフィルタ基板と、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンである第1電極、絶縁層を介して配設され、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている櫛歯状パターンである第2電極を備えるアレイ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置を提供する。
【0031】
本発明の第8の態様は、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンである第1電極、絶縁層を介して配設され、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている櫛歯状パターンである第2電極を備えるアレイ基板と、透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素、該着色画素を覆うように配設された第1の透明樹脂層、及び該第1の透明樹脂層上に、画素の中心から対称に、かつ平面視で画素中心に最近接する前記第2電極の内側に前記第2電極の櫛歯状パターンと平行に配置された、透明導電膜からなる1組の線状導体を備えるカラーフィルタ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置を提供する。
【0032】
以上において、前記第1電極及び第2電極を、可視域で透明な導電性金属酸化物により構成することが出来る。また、前記液晶が負の誘電率異方性を有するものとすることが出来る。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、階調表示と応答性の改善を両立させた液晶表示装置用のカラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を備える液晶表示装置が提供される。特に、ディスクリネーションを解消した高い透過率の液晶表示装置を提供できる。本発明の一実施態様によると、色バランスを崩さずに、また、TFT素子を増やすことなく、特に明るさを強調して躍動感ある表示を可能とする液晶表示装置用カラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を備える液晶表示装置を提供することができる。
【0034】
また、本発明の一実施態様によると、半透過型や反射型の液晶表示に適用した場合にも、黄色味を帯びることなく色バランスの良い反射型表示を可能とする液晶表示装置が提供される。
【0035】
更に、本発明の一態様によると、白画素や黄色画素など画素をふやすことなく、ダイナミックで明るい表示を得ることができるため、通常の階調表示時に白画素の場合のような死画素(dead pixel)がなく、さらに液晶の透過率を低下させるディスクリネーションを解消し、従来より明るい表示を可能とする液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の、液晶の動作を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の、液晶の動作を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の、液晶の動作を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の、液晶の動作を説明する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を備える液晶表示装置の断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【図20】本発明の実施形態に適用できる第1電極の平面視でのパターン形状の例を示す図。
【図21】本発明の実施形態に適用できる第1電極の平面視でのパターン形状の例を示す図。
【図22】本発明の実施形態に適用できる第1電極の平面視でのパターン形状の例を示す図。
【図23】画素開口部が平行四辺形である場合の画素配列及び第1電極のパターン形状を示す図である。
【図24】反射偏光板を用いた半透過型液晶表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0038】
本発明の第1の実施形態に係る斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板は、
が、2つの透過率の異なる領域にそれぞれ区分された部分を含むことを特徴とする。この2つの透過率の異なる領域、透明導電膜上の画素領域の中央部に形成された透明樹脂層(第2の透明樹脂層)及び/又は透明導電膜の画素領域の中央部に形成されたスリットにより区分される。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。図1において、透明基板10a上に所定の画素領域を区分する開口部を有するブラックマトリクス5が形成され、このブラックマトリクス5を含む透明基板10a上に透明導電膜3が形成されている。この透明導電膜3上の画素領域の中央であって、ブラックマトリクス5の開口部の長手方向に、第2の透明樹脂層8が形成されている。
【0040】
それぞれの画素領域に、緑色画素14、赤色画素15、及び青色画素16からなる着色層が形成され、それらの上に第1の透明樹脂層7が形成されて、カラーフィルタ基板10が構成される。なお、参照符号6は、着色層の重畳部を示す。
【0041】
ひとつの画素領域の開口部は、図1に示すように、同じ透過率の領域である領域A61、領域A’63と、異なる透過率の領域である領域B62に分けることができる。透過率を異ならせる手段としては、この2種類の透過率の異なる領域で色材である有機顔料の濃度を変えること、あるいは、領域B62におけるように膜厚の一部を透明樹脂層8で置き換えることが挙げられる。また、たとえば、着色画素の領域B62に相当する部分にあらかじめ凹部を設けて透明樹脂で埋め、平坦化する手法でも良い。この2種類の透過率の異なる領域は、たとえば ±0.3μm以内の膜厚差で平坦化することが望ましい。
【0042】
着色層重畳部6の画素領域表面からの高さHは、後述する液晶の配向(液晶の傾き)制御に影響する高さである0.5μmから2μmの範囲内であることが望ましい。
【0043】
図2は、図1に示すカラーフィルタ基板10の第1の変形例で、ブラックマトリクス5の形成前に透明基板10a上に透明導電膜3が形成されている例を示す。図3は、図1に示すカラーフィルタ基板10の第2の変形例で、図2に示すカラーフィルタ基板10において、第2の透明樹脂層8が形成されておらず、透明導電膜3にスリット18が形成されている例を示す。図4は、図1に示すカラーフィルタ基板10の第3の変形例で、図1に示すカラーフィルタ基板10において、第2の透明樹脂層8が形成されておらず、透明導電膜3にスリット18が形成されている例を示す。図5は、図1に示すカラーフィルタ基板10の更にまた他の変形例で、図1に示すカラーフィルタ基板10において、第2の透明樹脂層8とともに、スリット18が形成されている例を示す。
【0044】
本発明の一実施形態は、初期配向が垂直配向の液晶を用い、ノーマリブラック表示の液晶表示装置を主たる対象とし、カラーフィルタ基板と、TFTなどの液晶駆動素子が形成されたアレイ基板とを対向させ、それらの間に液晶層を挟持する形で貼り合わせて構成される液晶表示装置を前提とする。従って、本実施形態に係る技術は、初期配向が垂直配向で、電圧印加時に基板面方向に倒れる液晶を用いる液晶表示装置に適用することができる。加えて、本実施形態では、アレイ基板側に設けられた画素電極である第1電極、及びこの第1電極とは電位の異なる第2電極に対し、第3電極である透明導電膜をカラーフィルタ基板に配設した電極構成において生じる斜め電界を活用するものである。
【0045】
第1電極および第2電極は、櫛歯状などの線状のパターン形状に形成することができる。これら第1電極と第2電極のパターンの長手方向は、ブラックマトリクスの多角形の開口部(以下、たんに画素と表記することがある)に形成される一つの画素内で2つ、あるいは、4つ以上の方向に分けることもできる。本実施態様の一例である図6あるいは図14の液晶表示装置の模式断面図に示すように、第1電極の線状パターンの幅方向から、第2電極の線状パターンをはみ出させることができる。はみ出し部2aは、後に詳述するが、液晶17への駆動電圧印加後の液晶の倒れる方向(液晶表示時の配向方向)を設定する作用がある。カラーフィルタ基板側の表面に近い液晶は、第1電極から透明導電膜である第3電極の方向への斜め電界を活用する。この斜め電界による液晶の倒れる方向を、前記のはみ出し部2aの方向に合わせることで、画素内ひとつの液晶ドメインの液晶を同一方向に高速で倒すことができる。この液晶ドメインをひとつの画素内に2つ、あるいは4つ以上形成することで、広い視野を確保できる。
【0046】
液晶表示装置のTFTを、シリコンで形成しても良いが、例えば酸化物半導体で形成することにより、画素の開口率を向上できる。酸化物半導体TFTの代表的なチャネル材料には、IGZOと呼ばれるインジウム、ガリウム、亜鉛の複合金属酸化物が例示できる。
【0047】
尚、本実施形態に適用できる液晶の中では、誘電率異方性が負の液晶であって初期配向が垂直である液晶を好適に適用できる。この場合、垂直配向膜を用いるものの、本実施形態に係る技術により、光配向やラビングなどの配向処理を省略できる。後述するが、本実施形態では、従来のVA(垂直配向)で必要であった89度などの厳密なチルト角制御が不要であり、90度の初期垂直配向の液晶を使用できる。また、初期垂直配向の場合、初期水平配向の液晶表示装置と異なり、液晶表示装置の両面あるいは片面に貼付される偏光板や位相差板の光軸合わせが厳しいものでなくなる。初期垂直配向の場合、電圧無印加時のリタデーションは0nmであり、例えば偏光板の遅相軸とのズレが多少あっても光漏れが発生しにくく、ほぼ完全な黒表示を得ることができる。初期水平配向の液晶では、偏光板との数度の光軸ずれがあると光漏れが発生し、液晶表示装置コントラストの観点で不利である。
【0048】
本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタ基板、及びそれに対向して配置されるアレイ基板上の液晶の動作を、図6、図7、図8、及び図9を参照して説明する。
【0049】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の模式断面図である。初期垂直配向である液晶は、ブラックマトリクス5と着色層重畳部6のショルダー近傍の液晶分子17aを除いてカラーフィルタ基板10表面及びアレイ基板20表面で垂直に配向している。図7はその部分拡大図である。液晶分子17aは、着色層重畳部6のショルダーでの初期配向状態でチルトが付与され、斜めに配向している。
【0050】
図8に示すように、画素電極である第1電極1に電圧が印加されると、液晶分子17aは第1電極1から共通電極である第3電極23の方向に向く電気力線30aに垂直になろうとして、矢印方向に倒れ始め、カラーフィルタ基板10の表面近傍の液晶分子は、ショルダー近傍の液晶分子17aの倒れが面方向に伝搬して基板面の水平方向に倒れていく。さらに、画素中央の第1電極1から離れた液晶分子17e,17fは、同様に第1電極1からの電気力線30e,30fの方向に垂直になろうとして傾く。しかしながら、液晶分子17e,17fは、第1電極1からやや遠い位置にあり、この距離に対応して傾きの角度は小さくなる。図9は、液晶分子の最終的な配向状態を図9に示す。なお、図中、符号2cは、第2電極(共通電極)を示す。
【0051】
一方、アレイ基板20側に接する液晶分子は、画素電極である第1電極1と共通電極である第2電極2の近傍、特に第2電極2のはみ出し部上の液晶分子17g,17hは、電気力線30g,30hに垂直になろうとして、電圧印加直後に瞬時に大きく倒れる。液晶分子17g,17hの動作が速い理由は、第1電極1と第2電極2の距離が極めて近いため、これら液晶分子は最も強い電場に置かれるためである。液晶分子17g,17hの動作をトリガーとして、ショルダー近傍の液晶分子17aなどの動きとほぼ同期して画素(厳密にはひとつの液晶ドメイン)内の液晶は同一方向に一斉に倒れる。ただし、前記したように、第3電極3上の液晶で、かつ、第1電極1から離れた位置の液晶分子の傾斜角は小さくなる。
【0052】
なお、はみ出し部上の液晶分子の倒れを方向付けしやすくするために、第1電極の端部にテーパを付与する、第1電極の膜厚を厚くする、第1電極下部の絶縁層の一部をエッチングし、絶縁層を薄くする、などの加工を付加することもできる。
【0053】
液晶への駆動電圧印加後、図6に示すように画素中心から対称に配設した第1電極1、第2電極2、第3電極3により、図8に示すように、液晶17は対称に倒れる。この対称性により液晶表示時の視野角を拡げることができる。
【0054】
図6に示す通常表示領域は、第1電極と第3電極に印加される電圧の高さにより階調表示を行う。ダイナミック表示領域は、通常表示領域より高い電圧にて光透過を始める。図8では、第2の透明樹脂層8上の薄い着色層の部分19を光が透過することによって、より明るい表示を行うことができる。すなわち、より高い電圧の駆動により、明るいダイナミック表示が可能となる。
【0055】
図10は、図1に示すカラーフィルタ基板10を用いた液晶表示装置の模式断面図を示す。この液晶表示装置の液晶分子の動作も、以上説明した液晶表示装置と同様である。
【0056】
本発明の第3の実施態様である半透過型の液晶表示装置の模式断面図を、図11に示した。図11に示した液晶表示装置のアレイ基板30は、画素中央にアルミニウム合金薄膜による光の反射膜21を具備している。光反射膜は、電気的に独立している。
【0057】
透過領域での液晶表示は、前記 図6、図7に示す通常表示領域と同じく、透過での通常の階調表示領域である。反射表示領域は、この領域の液晶分子の傾きを調整して透過領域のリタデーション(Δnd)を、透過領域のリタデーションの略半分とすることで、外光を利用した反射表示が可能となる。反射表示領域における液晶28は、第1電極1から遠い位置にあることにより、印加電圧変化に伴う液晶分子の配向変化が緩やかとなる。液晶分子の配向変化が急峻な透過表示領域の差を利用して、透過光と反射光の印加電圧依存性を相似形にすることができる。このため、反射表示と透過表示を同一の駆動条件にて、高コントラストで、かつ、階調反転のない良好な液晶表示が得られる。本実施態様では、反射領域に必要な液晶のセル厚調整層(透過領域の液晶の厚みに対して1/2とする厚み調整層)を不要とすることができる。
【0058】
次に、本発明の第4の実施態様に係る液晶表示装置のカラーフィルタ基板の透明導電膜に形成されたスリット(透明導電膜の形成のない細線状の開口部)の作用について、図12、図13、図14、図15、及び図16を参照して説明する。図14から図16は、図11の部分拡大図であり、カラーフィルタ基板40上と、アレイ基板50上のそれぞれ液晶の動作説明図である。
【0059】
図12及び図13は、本発明の第4の実施形態に係わる液晶表示装置の模式断面図である。はみ出し電極構成の第1電極1と第2電極2が、画素中心から対称に配設されている。カラーフィルタ基板40の画素中央には紙面に垂直方向に透明導電膜の形成のないスリット18が形成されている。
【0060】
図14及び図15により、カラーフィルタ基板面近傍の液晶17の配向及び操作を説明する。図14に示すように、電圧無印加時には液晶17は、液晶分子17aを除いてカラーフィルタ基板10面に垂直配向している。図15に示すように、第1電極1及び第3電極3間に電圧が印加されると、着色層重畳部6のショルダー近傍の液晶分子17aは、電気力線41aに垂直になろうと矢印方向に倒れ始める。画素中央のスリット18近傍の液晶17fは、電気力線41fに垂直になろうと矢印方向に倒れ始める。これら液晶をトリガーとして、カラーフィルタ基板面側の液晶は画素中心からそれぞれ反対の対称な方向に倒れることになる。
【0061】
図16及び図17により、アレイ基板面近傍の液晶17の配向及び操作を説明する。図16は、初期垂直配向の液晶を図示している。図17は、電圧印加後に、第1電極1と第2電極のはみ出し部2a上で倒れ始める液晶分子17g,17h,17iを示している。アレイ基板側では、これら液晶をトリガーとして、一斉に画素中心からそれぞれ反対の対称な方向に倒れることになる。
【0062】
図18及び図19は、第1の透明樹脂層7の、画素中心近傍に1組の線状導体4を配設したカラーフィルタ基板60を用いた本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置を説明する部分拡大図である。図19に電圧印加後の液晶分子の動作を示す。画素中心近傍の液晶分子17fは、前記した図17での液晶分子17fより迅速に大きく矢印方向に傾く。線状導体4が、第1電極1により近い位置に形成されているため、図19の液晶分子17fは、より高い電場に置かれるため、応答が速くなる。なお、図18及び図19では、第3電極である透明導電膜3にスリットが形成されているが、形成されていなくてもよい。なお、前記した実施態様において、第1電極と第2電極の重なり部2bは補助容量として使用できる。
【0063】
ここで、本明細書における技術用語について、簡単に説明する。
【0064】
ブラックマトリクスとは、液晶表示のコントラストをアップさせるため、表示の最小単位である絵素の周囲、あるいは絵素の両辺に配設される遮光性のパターンである。遮光層とは、透明樹脂に遮光性の顔料を分散させた遮光性の塗膜であり、一般に感光性を付与され、露光・現像を含むフォトリソグラフィの手法によりパターン形成することにより得られる。
【0065】
着色層とは、有機顔料を透明樹脂に分散した着色組成物の塗膜を指す。着色層を公知のフォトリソグラフィの手法にてブラックマトリクスの一部と重畳するようにパターン形成したものを着色画素と呼ぶ。着色画素の実効的な大きさは、ブラックマトリクスの開口部とほぼ同じになる。
【0066】
向かい合う辺が平行である多角形は、例えば、長方形などの四角形、平行四辺形、六角形、図20(b)に示されるような画素の中央で折れ曲がった多角形などを示すことができる。
【0067】
本実施形態では、誘電率異方性が負である液晶を用いることができる。例えば、誘電率異方性が負の液晶として、室温付近で複屈折率が0.1程度であるネマチック液晶を用いることができる。液晶層の厚みは特に限定する必要はないが、本実施形態で実効的に用いることの可能な液晶層のΔndは、透過表示領域あるいは透過表示において おおよそ250nmから500nmの範囲である。前記した反射表示領域での液晶分子の傾きを調整して、半反射部の液晶層のΔndの平均を1/2の125nmから250nmとすることができる。本発明は、水平配向の液晶を適用することもできる。初期水平配向の液晶の場合、駆動電圧印加によって基板面から垂直方向に液晶が立ち上がり、光が透過することになる。本発明に、誘電率異方性が正であり、初期水平配向液晶を適用することも技術的には可能である。しかし、初期水平配向を確保するために、液晶の配向方向を一義的に決定するために配向膜へのラビングなどの配向処理が必要となる。初期配向が垂直である液晶の場合、ラビング処理や光配向処理を省略できる。この観点から、本発明では、垂直配向の液晶の適用が好ましい。
【0068】
本実施形態に係る液晶表示装置のアレイ基板側の第1電極1及び第2電極2の材料は、上述したITOなどの導電性の金属酸化物を用いることができる。あるいは、金属酸化物より導電性の高い金属を採用することができる。さらに、反射型や半透過型の液晶表示装置の場合には、第1電極1及び第2電極2のいずれかにアルミニウム、アルミニウム合金の薄膜を用いても良い。
【0069】
図6等に示すように、第1電極1、第2電極2、及びアクティブ素子の金属配線などは、窒化ケイ素(SiNx)や酸化ケイ素(SiOx)などの絶縁層22を介して形成する。絶縁層22の膜厚は、液晶の駆動条件によるため特に規定するものでないが、例えば100nmから600nmの範囲より選ぶことができる。図7では、TFT素子やTFT素子に接続される金属配線は図示を省略した。
【0070】
なお、導電性金属酸化物であるITOとの低コンタクト性を有するアルミニウム合金の単層によりゲート配線及びソース配線をそれぞれで形成する技術は、例えば、特開2009−105424号公報に開示されている。なお、第1電極上にさらに絶縁層を積層することは、液晶駆動時の液晶の焼き付き(電荷の偏りや蓄積が影響)の緩和効果があり、好ましい。また、アルミニウム合金の薄膜などで光の反射膜を、図11に示すように配設しても良い。反射膜は電気的に独立させても良いし、第1電極と接続するアクティブ素子のほかに、反射膜と接続するアクティブ素子を別に形成し異なる電圧を印加することもできる。
【0071】
櫛歯状の電極パターンは、2μmから20μmの幅の線状導体を電気的に2本以上連繋してあれば良く、その連繋部分は片側あるいは両側の何れかでよい。櫛歯状パターンの間隔は、およそ3μmから100μmの範囲で 液晶セル条件、液晶材料に合わせて選択すれば良い。櫛歯状パターンの形成密度やピッチ、電極幅は ひとつの画素内で変更して形成できる。第2電極2は、たとえば図6等に示すように、第1電極1の電極幅の一方向にはみ出させて形成できる。はみ出させる方向は、画素中心から線対称あるいは点対称となる。はみ出し量は、用いる液晶材料や駆動条件、液晶セル厚みなどのディメンションで種々調整することができる。はみ出し部分は、1μmから5μmの小さい量でも十分である。重なり部分は、液晶駆動に係わる補助容量として用いることができる。
【0072】
なお、第2電極2のずれ(以下、第1電極1と第2電極2のはみ出し構成を、単に、はみ出し電極構成と呼ぶことがある)の方向は、矩形画素中央から点対称あるいは線対称で、逆の方向であるのが望ましい。また、平面視で、第1の透明樹脂層7に向かう方向とは反対の方向にはみ出させたパターンであることが望ましい。
【0073】
櫛歯状電極のパターンは、平面視でV字状や斜め方向でも良い。あるいは、第1電極1および第2電極2は、図22に示すように、1/4画素単位で90°ずつ向きを変えた櫛歯状パターンでも良い。それによって、液晶を駆動する電圧を印加したときに、平面視で点対称に4つの動作に区分され、矩形画素の表示領域は、4つの動作領域に区分される。この場合、櫛歯状電極は、矩形画素の中心線に対し、45°の方向に傾斜させることが出来る。これら電極パターンは、画素中心から見て点対称もしくは線対称であることが望ましい。第1電極1および第2電極2の本数、電極ピッチ、電極幅は適宜選択できる。
【0074】
以上の実施形態に適用できる第1電極1の平面視パターン形状の例を図20、図21、図22に示した。第1電極1には液晶を駆動する電圧を印加するが、第2電極2、カラーフィルタ基板側に配設される透明導電膜3である第3電極は、共通の電位(コモン)とすることができる。なお、図20、図21、図22において、参照符号25は、ブラックマトリクス5の開口部(多角形の着色画素)を示し、9は、液晶分子が倒れる方向を示す。
【0075】
上記した本実施形態に係る技術的特徴のうち、はみ出し電極構成に係る液晶の動作やその作用をまとめれば、以下のようになる。
【0076】
(1)液晶は負の誘電率異方性の液晶を用い、初期配向は垂直であり、従来必要であった配向処理を省略できる。
【0077】
(2)視野角拡大のための液晶のドメイン形成は、はみ出し電極構成が担う。はみ出し電極区構成をひとつの画素の中で2つの方向、あるいは4つ以上の方向とすることで、液晶へ駆動電圧印加後の液晶ドメイン形成ができ、視野角拡大が可能となる。
【0078】
(3)カラーフィルタ基板側の液晶は、初期配向垂直であるが、液晶への駆動電圧印加時の斜め電界を液晶の倒れ(電圧印加後の液晶の配向方向)に用いる。
【0079】
(4)カラーフィルタ基板側の液晶の倒れと前記はみ出し電極構成のはみ出し方向を合わせることができるため、液晶のディスクリネーションを減少させ、しかも高速、高透過率の液晶表示が可能となる。
【0080】
これら液晶の動作とその作用は、本明細書に示す実施形態及び実施例では共通している。
【0081】
本実施形態において、着色層の比誘電率は、比較的重要な特性であるものの、着色剤として添加する有機顔料の透明樹脂に対する比率(カラーフィルタとしての色再現)によってほぼ一義的に決定されるため、着色層の比誘電率を大きく変化させることは困難である。換言すれば、着色層中の有機顔料の種類や含有量は、液晶表示装置として必要な色純度から設定され、それによって、着色層の比誘電率もほぼ決まることになる。なお、有機顔料の比率を高くして着色層を薄膜化することで、比誘電率を4以上とすることが可能である。また、透明樹脂として高屈折率材料を用いることで、若干の比誘電率をアップすることができる。有機顔料を用いた着色層の比誘電率は、概ね2.9から4.5の範囲に入る。後述する実施例での着色層あるいは遮光層の比誘電率は、Solartron社製インピーダンスアナライザ1260型を用い、電圧3Vの条件にて、120、240、480Hzの周波数で測定した。測定試料は、アルミニウム薄膜による導電膜をパターン形成したガラス基板上に着色層あるいは遮光層を塗布・硬膜し(膜厚は後述の実施例と同じ)、さらに この着色層の上にアルミニウム薄膜による導電膜パターンを形成したものである。以下、着色層の比誘電率を、着色画素の比誘電率と言うことがある。
【0082】
カラーフィルタの着色画素の比誘電率は、液晶表示での色むらや光漏れを避けるために異なる色の着色画素間の比誘電率の値を±0.3以内にすることができる。本発明に係わる駆動方式やFFS(Fringe-Field Switching)方式の液晶表示装置において、着色画素間の比誘電率の差が0.8あるいは1.0を超えると液晶表示での色むらや光漏れが生じることがある。
【0083】
着色画素の比誘電率は、以下の実施例で詳述するが、本発明者らの検討結果、色剤である有機顔料の選択及び顔料比率、母材の樹脂また分散材ほかの材料選択により4.4以下に抑えることができる。後述するように、緑色画素の有機顔料にはハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料よりハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料の方が好ましい。後者を緑色画素の主たる色剤とすることで緑色画素の比誘電率を小さくでき、赤色画素と青色画素の持つ比誘電率の値に揃えやすい。あるいは、液晶駆動において液晶の立ち上がりが光の短波長側(青色画素)で速く、長波長側(赤色画素)で遅い場合に、着色画素の比誘電率の大きさを光の波長の順に調整することもできる。
【0084】
なお、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を緑色画素の主たる色材とするとは、2種以上の顔料を混合して用いる場合に、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料の添加量がもっとも多いことを意味する。
【0085】
また、液晶表示装置として用いる液晶の誘電率異方性Δεの値より、カラーフィルタ構成部材の比誘電率の値を小さくすることで、液晶駆動に支障ない条件を提供できる。カラーフィルタの着色画素の形成には、通常 感光性のアクリル樹脂を用いる。一般にアクリル樹脂など透明樹脂の比誘電率は およそ2.8前後である。本発明者らの検討結果、有機顔料の分散系である着色画素の比誘電率の下限はおおよそ2.9であった。ブラックマトリクスの形成に用いる遮光層は、黒色色剤であるカーボンの透明樹脂への添加量により その比誘電率を6以上、たとえば16に設定できる。遮光層の色剤を全て有機顔料とした場合、その比誘電率を4.4以下の小さな値にすることができる。
【0086】
高コントラストで広視野角の代表的液晶駆動方式であるIPS(横電界方式)やFFS方式の液晶表示装置では、高速応答のため、あるいは駆動電圧のしきい値を下げるために誘電率異方性が4.5前後の液晶を用いることが多い。これらの液晶を本発明の実施形態に適用する場合、カラーフィルタ構成での着色層や透明樹脂層の比誘電率は、4.4以下であることが望ましい。少なくとも、もちいる液晶の誘電率異方性の値と同等であれば、第1電極と第3電極間の電場形成に支障の少ないカラーフィルタを提供できる。垂直配向で誘電率異方性が負の液晶の場合、その駆動条件によっては信頼性に影響するため、誘電率異方性の絶対値が3.8以下の液晶を選択することがある。本発明のカラーフィルタ構成での着色層や透明樹脂層の比誘電率は、3.8以下であることは、より好ましい。なお、第1及び第2の透明樹脂層として、低比誘電率の樹脂材料を用いることでカラーフィルタの画素として見かけ上の比誘電率を、着色層単体より低いものとすることができる。
【0087】
以下に、以上説明した実施形態に係るカラーフィルタ基板に用いることが可能な透明樹脂及び有機顔料等について例示する。
【0088】
(透明樹脂)
遮光層あるいは着色層の形成に用いる感光性着色組成物は、顔料分散体に加え、さらに、多官能モノマー、感光性樹脂ないし非感光性樹脂、重合開始剤、溶剤等を含有する。感光性樹脂及び非感光性樹脂など、本発明の実施形態に用いることの可能な透明性の高い有機樹脂を総称して透明樹脂と呼ぶ。
【0089】
透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。熱可塑性樹脂としては、例えば、 ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させてなるものを用いてもよい。
【0090】
(アルカリ可溶性樹脂)
以上の実施形態に用いる遮光層、光散乱層、着色層、セルギャップ規制層の形成には、フォトリソグラフィによるパターン形成可能な感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。これらの透明樹脂は、アルカリ可溶性を付与された樹脂であることが望ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はない。例えば、エポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂等が挙げられる。中でもエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、特に、エポキシアクリレート系樹脂やノボラック系樹脂が好ましい。
【0091】
(アクリル樹脂)
以上の実施形態に採用可能な透明樹脂の代表として、以下のアクリル系樹脂が例示できる。
【0092】
アクリル系樹脂は、単量体として、例えば(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートペンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエーテル基含有(メタ)アクリレート;及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等を用いて得た重合体が挙げられる。
【0093】
なお、以上挙げた単量体は、単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。さらに、これら単量体と共重合可能なスチレン、シクロヘキシルマレイミド、及びフェニルマレイミド等の化合物との共重合体でもよい。
【0094】
また、例えば(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を共重合し、得られた共重合体と、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基及び不飽和二重結合を含有する化合物とを反応させることや、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートの重合体、又はそれとその他の(メタ)アクリレートとの共重合体に、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸含有化合物を付加させることによっても、感光性を有する樹脂を得ることができる。
【0095】
さらに、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート等のモノマーの、水酸基を有する重合体に、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基及びエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることによっても、感光性を有する樹脂を得ることができる。
【0096】
また、上述したように、複数の水酸基を有するヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合体と多塩基酸無水物を反応させて、共重合体にカルボキシル基を導入し、カルボキシル基を有する樹脂を得ることが出来る。カルボキシル基を有する樹脂の製造方法は、この方法のみに限るものではない。
【0097】
上記の反応に用いる酸無水物の例として、例えばマロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、及びトリメリト酸無水物等が挙げられる。
【0098】
上述したアクリル系樹脂の固形分酸価は、20〜180mgKOH/gであることが好ましい。酸価が20mgKOH/gより小さい場合には、感光性樹脂組成物の現像速度が遅すぎて現像に要する時間が多くなり、生産性に劣る傾向となる。また、固形分酸価が180mgKOH/gより大きい場合には、逆に現像速度が速すぎて、現像後でのパターンハガレやパターン欠けの不具合が生じる傾向となる。
【0099】
さらに、上記アクリル系樹脂が感光性を有する場合、このアクリル樹脂の二重結合当量は100以上であることが好ましく、より好ましくは100〜2000であり、最も好ましくは100〜1000である。二重結合当量が2000を越える場合には十分な光硬化性が得られない場合がある。
【0100】
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーの例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0101】
また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0102】
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)-N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、
カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;チタノセン系化合物等が挙げられる。感度向上には、オキシム誘導体類(オキシム系化合物)が有効である。これらは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0103】
(増感剤)
光重合開始剤と増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル−9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
【0104】
増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、0.1質量部から60質量部の量を含有させることができる。
【0105】
(エチレン性不飽和化合物)
上述した光重合開始剤は、エチレン性不飽和化合物と共に用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。中でも、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部との現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。また、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
【0106】
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド;スチレン等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、例えば、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0107】
上記光重合性開始剤、増感剤、及びエチレン性不飽和化合物は、後述する位相差層の形成に用いられる重合性液晶化合物を含む組成物に加えても良い。
【0108】
(多官能チオール)
感光性着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
【0109】
これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールは、感光性着色組成物中に、顔料100質量部に対して、好ましくは0.2〜150質量部、より好ましくは0.2〜100質量部の量で用いることができる。
【0110】
(貯蔵安定剤)
感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
【0111】
(密着向上剤)
感光性着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
【0112】
(溶剤)
感光性着色組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤等の溶剤が配合される。また、本実施形態に用いる組成物がカラーフィルタの着色層である場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いることができる。溶剤は、着色組成物中に、顔料100質量部に対して、800質量部から4000質量部、好ましくは1000質量部から2500質量部で含有させることができる。
【0113】
(有機顔料)
赤色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272、279等を用いることができる。
【0114】
黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
【0115】
青色顔料としては、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Blue 15:6が好ましい。
【0116】
紫色顔料として、例えば、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Violet 23が好ましい。
【0117】
緑色顔料としては、例えば、C.I. Pigment Green 1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等を用いることができ、これらの中では、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料であるC.I. Pigment Green 58が好ましい。
【0118】
以下、C.I. Pigmentの顔料種の記載において、単にPB(Pigment Blue)、PV(Pigment Violet)、PR(Pigment Red)、PY(Pigment Yellow)、PG(Pigment Green)などと省略して記載することがある。
【0119】
(遮光層の色材)
遮光層あるいはブラックマトリクス含まれる遮光性の色材は、可視光波長領域に吸収を有することにより遮光機能を示す色材である。本実施形態において遮光性の色材には、例えば、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。有機顔料については、前記した有機顔料が採用できる。なお、遮光性成分は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、これら色材の表面による樹脂被覆による高体積抵抗化、逆に、樹脂の母材に対して色材の含有比率を上げて若干の導電性を付与することによる低体積抵抗化を行っても良い。しかし、こうした遮光性材料の体積抵抗値は、およそ1×10〜1×1015Ω・cmの範囲であるので、透明導電膜の抵抗値に影響するレベルではない。同様に、遮光層の比誘電率も色材の選択や含有比率でおよそ3〜11の範囲で調整できる。遮光層、第1の透明樹脂層、着色層の比誘電率は、液晶表示装置の設計条件や液晶の駆動条件にあわせて調整できる。
【0120】
(分散剤・分散助剤)
顔料分散剤として高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。中でも、特に窒素原子を含有するグラフト共重合体からなる分散剤が、顔料を多く含む本実施形態に用いる遮光性感光性樹脂組成物に対しては、現像性の点で好ましい。
【0121】
これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbik(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
【0122】
分散助剤としては、例えば色素誘導体等を用いることができる。色素誘導体としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもキノフタロン系が好ましい。
【0123】
色素誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。これらの中では、スルホン酸基が好ましい。また、これら置換基は、一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
【0124】
色素誘導体の具体例としては、フタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。
【0125】
以上の分散助剤及び色素誘導体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
【0126】
以下、本発明の種々の実施例について説明する。
【0127】
[実施例1]
図1に示すカラーフィルタ基板10を、以下のようにして製造した。
【0128】
〔ブラックマトリクスの形成〕
(ブラックマトリクス形成用分散液)
カーボン顔料#47(三菱化学社製)20質量部、高分子分散剤BYK-182(ビックケミー社製)8.3質量部、銅フタロシアニン誘導体(東洋インキ製造社製)1.0質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71質量部を、ビーズミル分散機にて攪拌して、カーボンブラック分散液を作製した。
【0129】
(ブラックマトリクス形成用フォトレジスト)
遮光層の材料としてブラックマトリクス形成用レジストを、以下の材料を使用して作製した。
【0130】
カーボンブラック分散液:顔料#47(三菱化学社製)
透明樹脂:V259-ME(新日鐵化学社製)(固形分56.1質量%)
光重合性モノマー:DPHA(日本化薬社製)
開始剤:OXE-02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
OXE-01(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
エチル-3-エトキシプロピオネート
レベリング剤:BYK-330(ビックケミー社製)
以上の材料を、以下の組成比で混合攪拌し、ブラックマトリクス形成用レジスト(固形分中の顔料濃度:約20%)とした。
【0131】
カーボンブラック分散液 3.0質量部
透明樹脂 1.4質量部
光重合性モノマー 0.4質量部
光重合開始剤 OXE−01 0.67質量部
光重合開始剤 OXE−02 0.17質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 14質量部
エチル-3-エトキシプロピオネート 5.0質量部
レベリング剤 1.5質量部
(ブラックマトリクス形成条件)
無アルカリガラスである透明基板1上に、上記ブラックマトリクス形成用レジストをスピンコートし、乾燥させ、膜厚1.5μmの塗膜を作製した。かかる塗膜を100℃で3分間、乾燥した後、ブラックマトリクスのパターン幅(ブラックマトリクスの画線幅に相当)24.5μm開口を有する露光用フォトマスクを用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて、200mJ/cm照射した。
【0132】
次に、2.5%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間現像し、現像後よく水洗し、さらに乾燥した後、230℃で60分加熱処理してパターンを硬膜させてブラックマトリクス5を形成した。ブラックマトリクス5の画線幅は、約24μmであり、長方形画素の周囲(4辺)に形成した。後述する透明導電膜面からのブラックマトリクス画線端部の傾斜角度は約45度とした。
【0133】
〔透明導電膜の成膜〕
次に、スパッタリング装置を用いて、ITO(インジウム・スズの金属酸化物薄膜)からなる透明導電膜3(第3電極)を0.14μmの膜厚で形成した。
【0134】
〔第2の透明樹脂層の形成〕
(樹脂Aの合成)
セパラブルフラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート686質量部、グリシジルメタクリレート332質量部、アゾビスイソブチロニトリル6.6質量部を加え、窒素雰囲気下において80℃で6時間加熱し、樹脂溶液を得た。
【0135】
次に、得られた樹脂溶液に、アクリル酸168質量部、メトキノン0.05質量部、トリフェニルフォスフィン0.5質量部を加え、空気を吹き込みながら100℃で24時間加熱し、アクリル酸付加樹脂溶液を得た。
【0136】
更に、得られたアクリル酸付加樹脂溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物186質量部を加え、70℃で10時時間加熱し、樹脂A溶液を得た。
【0137】
(感光性樹脂液Aの調製)
以下の組成にて、ネガ型の感光性樹脂液Aを調製した。
【0138】
樹脂A 200質量部
光重合性モノマー
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20質量部
光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア907)
10質量部
溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
280質量部
上記感光性樹脂溶液Aおよび第2の透明樹脂層のパターン(開口部)を有するフォトマスクを使用し、公知のフォトリソグラフィの手法にて第2の透明樹脂層8を形成した。第2の透明樹脂層8の膜厚は1.3μmとし、線幅20μmにて画素の中央、かつブラックマトリクス開口部の長手方向に形成した。
【0139】
〔着色画素の形成〕
《着色層形成用分散液》
着色層に分散する有機顔料として、以下のものを使用した。
【0140】
赤色用顔料:C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B-CF」)、C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
緑色用顔料:C.I.Pigment Green 58(DIC社製)、C.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y-5688」)
青色用顔料:C.I.Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リアノールブルーES」)
C.I.Pigment Violet 23(BASF社製「バリオゲンバイオレット5890」)
以上の顔料を用いて、赤色、緑色、及び青色の各色分散液を作製した。
【0141】
<赤色分散液>
赤色顔料:C.I.Pigment Red 254 18質量部
赤色顔料:C.I.Pigment Red 177 2質量部
アクリルワニス(固形分20質量%) 108質量部
上記の組成の混合物を均一に攪拌した後、ガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、5μmフィルタで濾過して赤色顔料分散液を作製した。
【0142】
<緑色分散液>
緑色顔料:C.I.Pigment Green 58 16質量部
緑色顔料:C.I.Pigment Yellow 150 8質量部
アクリルワニス(固形分20質量%) 102質量部
上記の組成の混合物に対して、赤色顔料分散液と同様の作製方法を用いて、緑色顔料分散液を作製した。
【0143】
<青色分散液>
青色顔料:C.I.Pigment Blue 15 50質量部
青色顔料:C.I.Pigment Violet 23 2質量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバース20000」) 6質量部
アクリルワニス(固形分20質量%) 200質量部
上記の組成の混合物に対して、赤色顔料分散液と同様の作製方法を用いて、青色顔料分散液を作製した。
【0144】
《着色画素形成》
下記表1に示す配合組成の着色画素形成用カラーレジストを用いて、着色層を形成した。
【表1】

【0145】
着色層の形成は、まず、図1に示すように、ブラックマトリクス5、透明導電膜3、及び第2の透明樹脂層8が形成された基板1上に、赤色画素形成用カラーレジストをスピンコートにより仕上り膜厚が2.5μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、着色画素形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を300mJ/cmの照射量で照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色の着色画素15を、第2の透明樹脂層8と重なるように画素領域上に形成した。その後、230℃で30分焼成した。
【0146】
なお、フォトマスクとしては、第2の透明樹脂層8上の薄い着色層の膜厚が、露光・現像後およそ1.3μmとなり、画素全体が硬膜後略平坦になるように、第2の透明樹脂層8に相当する位置にハーフトーン部を設けたものを用いた。以下の緑色画素及び青色画素形成用のフォトマスクも同様に、画素中央部にハーフトーン部を設けたものを用いた。
【0147】
次に、緑色画素形成用レジストも同様にスピンコートにより仕上り膜厚が2.5μmとなるよう、かつ、第2の透明樹脂層8を覆うように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、赤色画素15と隣接した位置にパターンが形成されるように、フォトマスクを通して露光し、現像することで、緑色画素14を形成した。なお、本実施例を含め、カラーフィルタ基板の製造は、周知のフォトリソグラフィ技術を用いるものである。
【0148】
さらに、赤色、緑色と同様にして、青色画素形成用レジストについても仕上り膜厚が2.5μmで赤色画素、緑色画素と隣接した青色画素16を得た。これで、基板1上に、赤、緑、青3色の着色画素が形成された。その後、230℃で30分間熱処理して硬膜した。
【0149】
〔第1の透明樹脂層の形成〕
(樹脂Bの合成)
1リットル容の5つ口フラスコに、n-ブチルメタクリレート75g、メタクリル酸30g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート25g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを仕込み、窒素雰囲気下でAIBNを2g添加し、80〜85℃で8時間反応させた。さらに、この樹脂の不揮発分が20重量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで調製し、樹脂Bの溶液(アルカリ可溶性樹脂B)を得た。
【0150】
(樹脂塗布液B)
第1の透明樹脂層形成用の樹脂塗布液Bとして以下の材料を作成した。
【0151】
シクロヘキサノン32g、ジエチレングリコールジメチルエーテル38gをサンプル瓶に入れた。攪拌しながら、エポキシ樹脂;ESF-300(新日鐡化学社製)13g、脂環式多官能エポキシ樹脂;EHPE3150(ダイセル化学工業社製)7g、脂環式エポキシ樹脂;セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)5gを加え、完全に溶解させた。引き続き、酸無水物;無水トリメリット酸を3.0g加え、十分に攪拌溶解した後に、シランカップリング剤(チッソ社製S−510)1.2g、界面活性剤(住友スリーエム社製;フロラードFC−430)0.11gを加えて十分に攪拌した。これをろ過して、樹脂塗布液Bを得た。
【0152】
着色層14,15,16上に樹脂塗布液Bを塗布し、90℃で120秒間プレベークを行い、所定の部位露光し、現像し、さらに230℃で30分焼成することで、第1の透明樹脂層7を形成し、カラーフィルタ基板10が得られた。
【0153】
ブラックマトリクス5、透明導電膜3、着色層14,15,16及び第1の透明樹脂層7の重畳部である着色層重畳部6の高さHは、画素内の第1の透明樹脂層8の表面からの差として0.7μmとした。本実施例の透明導電膜3のブラックマトリクス5上に配設されている部分は、液晶表示装置としたときに画素電極である第1電極との電極間距離を小さくできるため、これら電極間にある液晶の動作を速くできるという利点がある。
【0154】
〔実施例2〕
図2は、実施例2に係るカラーフィルタ基板10を示す。本実施例に係るカラーフィルタ基板10は、図2に示すように、ブラックマトリクス5と透明導電膜3の形成順序を変えた構成であり、用いる材料、工程に係わる技術は実施例1と同じである。
【0155】
実施例2の着色層重畳部6では、液晶表示装置としたときに画素電極である第1電極との電極間距離がブラックマトリクス5が透明導電膜3上に配設されている分、実施例1と比較して遠くなる。しかし、ブラックマトリクス5が、遮光層の色剤に比誘電率の高いカーボンを用いていることで電圧の低下を補うことができる。
【0156】
〔実施例3〕
実施例3について、図3を参照して説明する。
【0157】
図3に示すように、無アルカリガラスである透明基板1上にスパッタリング装置を用いて、ITO(インジウム・スズの金属酸化物薄膜)からなる透明導電膜3(第3電極)を0.14μmの膜厚にて室温でアモルファス状態に形成した。室温で形成されたアモルファスITO膜は、精細なパターンを形成しやすい。
【0158】
次いで、画素中央の長手方向に9μm幅の線状の遮光パターンを有するフォトマスクを用い、公知のフォトリソグラフィの手法にて、ITO膜に8μm幅のスリット18を形成した。スリット18は、ITO膜の形成のない開口パターンである。なお、ITO膜のスリットは、強度のレーザー光を用いた直接的な加工でも形成できる。
【0159】
次に、下記に示すブラックマトリクス形成用レジスト2を用いて、ブラックマトリクス5を形成し、次いで、以下に示すカラーレジストを用いて着色層14,15,16を形成し、更に実施例1と同じ材料を用いて第1の透明樹脂層7を形成し、図3に示すカラーフィルタ基板10を得た。
【0160】
[黒色顔料2の調製]
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、ビーズミル分散機にて攪拌して、カーボンブラック分散液を作製した。
【0161】
カーボン顔料(三菱化学社製#47) 20部
分散剤 8.3部
(ビックケミー社製「Disperbyk−161」)
銅フタロシアニン誘導体(東洋インキ製造社製) 1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 71部
[ブラックマトリクス形成用レジスト2の調製]
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して黒色着色組成物3を得た。
【0162】
黒色顔料2 25.2部
アクリル樹脂溶液 18部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサーアクリレート
(東亜合成(株)製「M−402」) 5.2部
光重合開始剤 1.2部
(チバガイギー社製「IRGACURE OXE 02」)
増感剤 0.3部
(保土ヶ谷化学工業(株)製 「EAB−F」)
レベリング剤 0.1部
(ビックケミー社製「Disperbyk−163」
シクロヘキサノン 25部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 25部
本実施例で用いた赤色画素、緑色画素、青色画素用形成レジストのそれぞれ分散液及びカラーレジストの組成を以下に示す。
【0163】
[赤色顔料2の調製]
下記組成の混合物を用い、赤色顔料1と同様の方法で赤色顔料2の分散体を作製した。
【0164】
赤色顔料:C.I.Pigment Red 254 11部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 9部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 2部
アクリルワニス(固形分20質量%) 108部。
【0165】
[赤色組成物2の調製]
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色組成物を得た。
【0166】
赤色顔料2 42部
アクリル樹脂溶液 18部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサーアクリレート 4.5部
(東亜合成(株)製「M−402」)
光重合開始剤 1.2部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製 「EAB−F」) 2.0部
シクロヘキサノン 32.3部。
【0167】
[緑色顔料2の調製]
下記組成の混合物を用い、緑色顔料1と同様の方法で緑色顔料2の分散体を作製した。
【0168】
緑色顔料:C.I.Pigment Green 58 10.4部
(大日本インキ化学工業(株)製「Phthalocyanine Green A1 10」)
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150 3.2部
(ランクセス社製「E4GN−GT」)
黄色顔料:C.I.Pigment Yellow 138 7.4部
分散剤(ビックケミー社製「Disperbyk−163」) 2部
アクリルワニス(固形分20質量%) 66部。
【0169】
[緑色組成物2の調製]
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで 濾過して赤色着色組成物を得た。
【0170】
緑色顔料2 46部
アクリル樹脂溶液 8部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサーアクリレート
(東亜合成(株)製「M−402」) 4部
光重合開始剤
(チバガイギー社製「IRGACURE OXE 02」) 1.2部
光重合開始剤 3.5部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB−F」) 1.5部
シクロヘキサノン 5.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部。
【0171】
[青色顔料2の調製]
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して青色顔料の分散体を作製した。
【0172】
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15:6
(東洋インキ製造(株)製「リオノールブルーES」 49.4部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 6部
アクリルワニス(固形分20質量%) 200部
この分散体に、下記紫色染料粉体を添加し、よく攪拌し、青色顔料2を得た。
【0173】
紫色染料:NK−9402、(株)林原生物化学研究所製」 2.6部
[青色組成物2の調製]
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して青色着色組成物を得た。
【0174】
青色顔料2 16.5部
アクリル樹脂溶液 25.3部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサーアクリレート
(東亜合成(株)製「M−402」) 1.8部
光重合開始剤 1.2部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 25部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部。
【0175】
〔各色塗膜の比誘電率〕
実施例3および実施例1で用いたそれぞれカラーレジストを前記した比誘電率測定用試料(着色塗膜の膜厚は2.8μmとした)に加工し、インピーダンスアナライザを用いて比誘電率を測定した。
【0176】
測定周波数の値とともに比誘電率の値を下記表2に示した。
【表2】

【0177】
実施例1、実施例2、実施例3で用いた緑色レジストの顔料には、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料(臭素化数14.1)を用いた。なお、この顔料を旧来用いられているハロゲン化銅フタロシアニン緑色顔料に置き換えた緑色層の比誘電率は、4.5となり、上記表1に示す赤色層の比誘電率より0.9高く、第3電極上に赤色画素、緑色画素、青色画素を配設して均一なカラー表示を行う上で支障がある。比誘電率4.5の緑色画素を用いた場合、赤色画素と青色画素の液晶層と、緑色画素の液晶層が異なる電場と異なるため、同一の液晶駆動電圧では微妙な階調のシフトが生じやすい。前記したように、異なる着色画素の比誘電率の差をそれら画素の平均比誘電率に対して±0.3以内にすることが好ましい。
【0178】
以上のように、本発明に係るカラーフィルタ基板は、各色が均一な比誘電率で、かつ、低い比誘電率の着色層を第3電極である透明導電膜上に具備するため、第1電極と第3電極間に均一な電場形成が可能となり、液晶表示品質を高いものにできる。
【0179】
ブラックマトリクスは、第3電極上にこれを形成する構成では、比誘電率が高いことで着色重畳部6のショルダーに位置する液晶分子への印加電圧を伝えやすいので、好ましい。実施例1で示したブラックマトリクス上に第3電極を積層する構成は、ショルダーに位置する液晶分子への作用が強くなり、好ましい。
【0180】
〔実施例4〕
図4を参照して実施例4を説明する。
【0181】
無アルカリガラスである透明基板1上に、実施例1で用いたブラックマトリクス形成用レジストをスピンコートし、乾燥させ、膜厚1.5μmの塗膜を作製した。かかる塗膜を100℃で3分間、乾燥した後、ブラックマトリクスとしてパターン幅(ブラックマトリクスの画線幅に相当)24.5μm開口のある露光用のフォトマスクを用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて200mJ/cm照射した。現像後よく水洗し、さらに乾燥した後、230℃で60分加熱処理してパターンを硬膜させて透明基板上にブラックマトリクス5を形成した。なお、ブラックマトリクスの開口部形状は、図20(b)に示すような“くの字”状の多角形とし、ブラックマトリクス5の画線幅は、約24μmであり、多角形画素の開口部周囲に形成した。
【0182】
次に、ブラックマトリクス5を形成した基板1上にスパッタリング装置を用いて、ITO(インジウム・スズの金属酸化物薄膜)からなる透明導電膜3(第3電極)を0.14μmの膜厚にて室温でアモルファス状態に形成した。室温で形成したアモルファスITO膜は、精細なパターンを形成しやすいという利点がある。
【0183】
次に、画素長手方向の中央に“くの字”状の9μm幅の線状の遮光パターンのあるフォトマスクを用い、公知のフォトリソグラフィの手法にて、ITO膜に8μm幅の“くの字”状スリット18を形成した。スリット18は、ITO膜の形成のない開口パターンである。
【0184】
次に、実施例3で用いた赤色レジスト、緑色レジスト、青色レジストを用い、公知のフォトリソグラフィの手法にて、上記ブラックマトリクス5の多角形の開口部に、それぞれ“くの字”状パターンを2.8μmの膜厚で形成した。
【0185】
さらに、第1の透明樹脂層7を0.7μmの膜厚で形成して、カラーフィルタ基板10を得た。
【0186】
〔実施例5〕
図5を参照して実施例5を説明する。
【0187】
無アルカリガラスである透明基板1上に、実施例1で用いたブラックマトリクス形成用レジストをスピンコートし、乾燥させ、膜厚1.5μmの塗膜を作製した。かかる塗膜を100℃で3分間、乾燥した後、ブラックマトリクスとしてパターン幅(ブラックマトリクスの画線幅に相当)24.5μm開口のある露光用のフォトマスクを用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて200mJ/cm照射した。現像後よく水洗し、さらに乾燥した後、230℃で60分加熱処理してパターンを硬膜させて透明基板上にブラックマトリクス5を形成した。なお、ブラックマトリクスの開口部形状は、図20(b)に示すような“くの字”状の多角形とし、ブラックマトリクス5の画線幅は、約24μmであり、多角形画素の開口部周囲に形成した。
【0188】
次に、ブラックマトリクス5を形成した基板1上にスパッタリング装置を用いて、ITO(インジウム・スズの金属酸化物薄膜)からなる透明導電膜3(第3電極)を0.14μmの膜厚にて室温でアモルファス状態に形成した。室温で形成したアモルファスITO膜は、精細なパターンを形成しやすいという利点がある。
【0189】
次に、画素長手方向の中央に“くの字”状の幅9μmの線状の遮光パターンのあるフォトマスクを用い、公知のフォトリソグラフィの手法にて、ITO膜に8μm幅の“くの字”状スリット18を形成した。スリット18は、ITO膜の形成のない開口パターンである。
【0190】
次に、感光性樹脂溶液Aを用い、第2の透明樹脂層の“くの字”状パターン(開口部)を有するフォトマスクを使用し、公知のフォトリソグラフィの手法にて第2の透明樹脂層8を形成した。第2の透明樹脂層8の膜厚は1.3μmとし、線幅20μmにて画素の中央部、かつブラックマトリクス開口部の長手方向、中央に形成した。
【0191】
次に、実施例3で用いた赤色レジスト、緑色レジスト、青色レジストを用い、公知のフォトリソグラフィの手法にて、上記ブラックマトリクス5の多角形の開口部に、それぞれ“くの字”状パターンを2.8μmの膜厚で形成した。
【0192】
さらに、第1の透明樹脂層7を0.7μmの膜厚で形成して、カラーフィルタ基板とした。
【0193】
〔実施例6〕
図6に示すように、実施例5に係るカラーフィルタ基板10とTFTのアクティブ素子を形成したアレイ基板20を貼り合わせ、間に負の誘電率異方性の液晶17を封入し、さらに両面に偏光板(図示せず)を貼付して、液晶表示装置とした。カラーフィルタ基板10及びアレイ基板20の液晶17に面する側には、あらかじめ垂直配向膜を塗布し、形成してある。なお、アクティブ素子の形成されたアレイ基板20には、図20(b)で示した“くの字”状の櫛歯状電極1,2が形成されている。
【0194】
なお、垂直配向用の配向膜は、図示を省略した。MVAやVATNなどの垂直配向の液晶表示装置に必要な厳密な配向処理(例えば、チルト角89°とし、複数ドメインを形成するための複数方向の配向処理)は実施せず、ほぼ90°の垂直配向とした。
【0195】
第1電極1は、アレイ基板20のアクティブ素子(TFT)と電気的に接続される。第2電極及び第3電極は共通電位(コモン)である共通電極とした。図6における、平面視でブラックマトリクス5の下部に位置する櫛歯状電極2cも共通電極である。
【0196】
〔実施例7〕
図23は、画素開口部が平行四辺形である場合の画素配列を示す部分平面図である。
【0197】
図23(a)は、R、G、Bの3色の着色画素の配列を示し、図23(b)及び図23(c)は、傾斜角の異なる2種類の画素の開口部25を図示した。これら画素での液晶は、1/2画素単位で、それぞれ異なる液晶の倒れる方向9となる。また、平行四辺形の傾きの異なる画素、例えば図23(b)及び図23(c)であわせて4つの異なる液晶の倒れる方向を設定でき、視野角の広い液晶表示装置を提供できる。
【0198】
〔実施例8〕
図12に示すように、実施例3に係るカラーフィルタ基板10とTFTのアクティブ素子を形成したアレイ基板20を貼り合わせ、両基板間に負の誘電率異方性の液晶17を封入し、さらに両面に偏光板を貼付して、液晶表示装置とした。カラーフィルタ基板10及びアレイ基板20の表面には、あらかじめ垂直配向膜を塗布し、形成してある。なお、なお、アクティブ素子の形成されたアレイ基板20には、図21(b)で示した長方形開口部の長辺に平行な櫛歯状電極1,2が形成されている。
【0199】
垂直配向用の配向膜は、図示を省略した。MVAやVATNなどの垂直配向の液晶表示装置に必要な厳密な配向処理(例えば、チルト角89°とし、複数ドメインを形成するための複数方向の配向処理)は実施せず、ほぼ90°の垂直配向とした。
【0200】
〔実施例9〕
図13に示すカラーフィルタ基板40を、以下のように製造した。
【0201】
透明基板1a上に実施例1と同じブラックマトリクス形成用レジストを用い、ブラックマトリクス5を形成した。このブラックマトリクス5を形成した透明基板1a上に、スパッタリング装置を用いてITOからなる透明導電膜3を形成した後、実施例3と同じ工程でITO膜にスリットを形成し、第3電極とした。
【0202】
次いで、実施例3と同様に、赤色画素15、緑色画素14、青色画素16、及び第1の透明樹脂層7を形成して、カラーフィルタ基板10とした。 なお、緑色組成物及び青色組成物は実施例3と同じカラーレジストを用いたが、赤色画素15の形成には、下記の赤色組成物3を用いた。それぞれ着色層の膜厚は、2.5μmとした。
【0203】
[赤色顔料3の調製]
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料3の分散体を作製した。
【0204】
赤色顔料:C.I.Pigment Red 254 8部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 12部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 2部
アクリルワニス(固形分20質量%) 108部。
【0205】
[赤色組成物3の調製]
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで 濾過して赤色着色組成物を得た。
【0206】
赤色顔料3 45部
アクリル樹脂溶液 18部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサーアクリレート 4.5部
(東亜合成(株)製「M−402」)
光重合開始剤 1.2部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB−F」) 2.0部
シクロヘキサノン 32.3部
下記表3に示すように、それぞれ着色層の比誘電率の大きさを、赤色画素>緑色画素>青色画素の関係とした。
【表3】

【0207】
上記カラーフィルタ基板10と、実施例8と同様の構成のアレイ基板20とで負の誘電率異方性の液晶を挟持する形で貼り合わせ、偏光板・位相差板を貼付して、液晶表示装置とした。カラーフィルタ基板及びアレイ基板の表面には、あらかじめ垂直配向膜を塗布した。
【0208】
この液晶表示装置を駆動したところ、各色画素が、同一の駆動電圧にてほぼ同じ立ち上がりを示し、均質で良好な表示を得ることができた。
【0209】
〔実施例10〕
図18あるいは図19に示すようにカラーフィルタ基板60とTFTのアクティブ素子を形成したアレイ基板50を貼り合わせ、両基板間に負の誘電率異方性の液晶17を封入し、さらに両面に偏光板を貼付して、液晶表示装置とした。カラーフィルタ基板及びアレイ基板の表面には、あらかじめ垂直配向膜を塗布、形成した。アレイ基板60は、実施例6と同じ開口部・櫛歯電極形状のアレイ基板とした。
【0210】
カラーフィルタ基板60は、実施例4のカラーフィルタ基板に、さらに 線状導体4を透明導電膜で形成したものを用いた。線状導体4は、画線幅6μmでその離間幅は8μmとした。第3電極3と線状導体4及び第2電極2は、いずれも共通電極(コモン)として用いる。
【0211】
なお、線状導体4形成を形成したため、液晶駆動の観点からは、図18あるいは図19に示すスリット18は、形成しなくても良い。
【0212】
〔実施例11〕
本実施例に係る液晶表示装置を図11に示す。
【0213】
カラーフィルタ基板10は、実施例5のカラーフィルタ基板と同じものを用いた。
【0214】
アレイ基板30は、平面視 第2の透明樹脂層8と同じ位置に アルミニウム合金薄膜による光の反射膜21を形成した。反射膜21は、電気的に独立し、電圧は印加されない。
【0215】
図11に示したように、液晶への駆動電圧印加時に 反射表示領域の液晶28は、透過表示領域の液晶と異なる傾斜角を持つ。反射表示領域の液晶28のリタデーションを、おおよそ透過領域のリタデーションの半分とすることで反射表示を行うことが可能となる。また、本実施例では断面視で反射表示領域と透過表示領域に段差がなく、段差に起因する表示特性の低下(たとえば光漏れ)を発生させない。
【0216】
〔実施例12〕
本実施例に係る液晶表示装置を図24に示す。この実施例は、反射偏光板を用いた半透過型液晶表示装置である。反射偏光板としては、例えば、特許第4177398号公報に記載されているようなものを用いることができる。
【0217】
本実施例に用いたカラーフィルタ基板10は、例えば、図4に示す実施例4のカラーフィルタ基板である。アクティブ素子(TFT)の形成されたアレイ基板20は、例えば、図22で示した櫛歯状電極を有するアレイ基板とした。
【0218】
カラーフィルタ基板10及びアレイ基板20を対向して配置し、間に誘電率異方性が負である液晶17を介在させて貼り合わせた。カラーフィルタ基板10の液晶17と反対側には、光学補償層31a及び偏光板32aが配置されている。また、アレイ基板20の液晶17と反対側には、偏光板32b、光拡散層33a、反射偏光板34、光学補償層31b、プリズムシート35、光拡散層33b、導光板36、光反射板37が順次配設されている。導光板36には、光源、例えばLED光源38が取付けられている。
【0219】
LED光源38としては、RGB個別発光素子であることが望ましいが、擬似白色LEDであってもよい。また、LEDの代わりに、従来汎用されている冷陰極線管や蛍光灯を用いてもよい。LED光源38としてRGB個別発光素子を用いた場合には、それぞれの発光強度を色ごとに個別に調整することができるので、最適な色表示を行うことが可能である。また、立体画像表示や視野角制御に適用することもできる。表示画面のエリア制御でバックライトの明るさを調整してコントラストを向上させる技術であるローカルデミングの手法は、LED光源に適用しやすく、本発明に係わる通常表示領域とダイナミック表示領域を併用することで従来にない画質向上を得ることができる。ローカルデミングの手法は、RGB個別発光のLED光源を、図24に示すようなエッジライト方式でなく液晶表示装置裏面に配置する直下型のバックライト方式の方が、さらに細かいエリア制御で高画質表示ができる。
【0220】
以上説明した本発明の実施形態に係る液晶表示装置によると、カラーフィルタ基板やアレイ基板の配向処理を軽減することができ、かつ、液晶の応答性を改善することができる。また、凸部24や凹部23、第1電極(画素電極)1や第2電極2を設ける構成により、液晶のディスクリネーションを軽減し、液晶表示を向上させることができる。
【0221】
また、カラーフィルタの有効表示画素を覆うように透明導電膜を積層した構成とすることができるため、副次的効果として、IPS(横電界で液晶を駆動する)やFFS(櫛歯状電極のフリンジに生じる電界で液晶を駆動する)方式と異なり、外部電場の影響を受けにくい液晶表示装置を提供することができる。
【0222】
なお、本実施形態に係る液晶表示装置の矩形画素は、その画素中心から第1の透明樹脂層で線対称もしくは点対称の1/2画素あるいは1/4画素に区分できるが、TFT素子を一画素に2個あるいは4個形成し、TFT素子ごとに異なる電圧を印加する駆動方式をとることにより、視角調整や立体画像表示が可能となる。
【符号の説明】
【0223】
1・・・第1電極
2,2c・・・第2電極
3・・・第3電極
4・・・線状導体
5・・・ブラックマトリクス
6・・・着色層重畳部
7・・・第1の透明樹脂層
8・・・第2の透明樹脂層
9・・・液晶の倒れる方向
10,40,60・・・カラーフィルタ基板
14・・・緑色画素
15・・・赤色画素
16・・・青色画素
17・・・液晶
18・・・スリット
20,30,50・・・アレイ基板
21・・・反射膜
25・・・開口部
28・・・反射表示領域の液晶。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明導電膜上に複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を配設した斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、
透明基板、該透明基板上に形成された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明基板上に配設された透明導電膜、該透明導電膜上に配設され、前記開口部内の2つの透過率の異なる領域にそれぞれ区分された部分を含む着色画素、及び該着色画素を覆うように配設された第1の透明樹脂層を具備することを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項2】
透明導電膜上に複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を配設した斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、
透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設され、前記開口部内の2つの透過率の異なる領域にそれぞれ区分された部分を含む着色画素、及び該着色画素を覆うように配設された第1の透明樹脂層を具備し、前記ブラックマトリクスが前記着色画素の比誘電率より高い比誘電率を有する遮光層で形成されていることを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項3】
透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を具備し、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有することを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項4】
透明基板、該透明基板上に形成された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明基板上に配設された透明導電膜、及び該透明導電膜上に形成された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を具備し、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有することを特徴とする斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項5】
前記2つの透過率の異なる領域が、前記開口部内の透明導電膜上において、前記開口部の中心部を通る帯状の第2の透明樹脂層を覆う薄い着色層の領域と、それ以外の着色層の領域に区分されることを特徴とする請求項1又は2に記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項6】
前記第2の透明樹脂層が、前記多角形の開口部の中央を通り、かつ、該多角形の一辺と平行に配設されることを特徴とする請求項5に記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項7】
前記第2の透明樹脂層の比誘電率が、前記着色層の比誘電率より低いことを特徴とする請求項5および請求項6に記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項8】
前記透明導電膜が、前記多角形の開口部の中央を通り、かつ、該多角形の一辺と平行な、線状のスリットを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項9】
前記多角形の開口部が、平面視で長方形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項10】
前記多角形の開口部が、長辺と短辺を有する四角形であり、かつ、長辺方向の中央付近で平面視で“くの字”状に折れ曲がっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項11】
前記多角形の開口部が、平面視で平行四辺形であり、かつ、同一色の着色画素の画素数のそれぞれ1/2が2種類の異なる傾斜角度の平行四辺形で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項12】
前記複数の着色画素が、赤色画素、緑色画素、及び青色画素の3色から構成され、液晶を駆動する周波数で測定した、前記着色画素のそれぞれの比誘電率が2.9から4.4の範囲内にあるとともに、前記赤色画素、緑色画素、及び青色画素の平均比誘電率に対してそれぞれの着色画素の比誘電率が±0.3の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項13】
前記複数の着色画素が、赤色画素、緑色画素、及び青色画素の3色から構成され、液晶を駆動する周波数で測定した、前記着色画素のそれぞれの比誘電率の大きさが、赤色画素>緑色画素>青色画素の関係にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項14】
前記緑色画素の主たる色剤が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項12又は13に記載の斜め電界液晶表示装置用カラーフィルタ基板。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のカラーフィルタ基板と、液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設したアレイ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置であって、前記アレイ基板が、液晶を駆動するために異なる電位が印加される第1電極及び第2電極を、平面視で前記カラーフィルタ基板の着色画素それぞれに対応して備えていることを特徴とする斜め電界液晶表示装置。
【請求項16】
前記第1電極と、前記第2電極および前記透明導電膜である第3電極との間に駆動電圧を印加したときに、前記開口部に対応する液晶の領域における液晶分子は、前記開口部の中心を通り、平面視で2分する直線に関し線対称である逆方向に倒れるように動作することを特徴とする請求項15に記載の斜め電界液晶表示装置。
【請求項17】
前記開口部に対応する液晶の領域において、液晶を駆動する電圧を印加したときの液晶分子の倒れる方向が、平面視で開口部中心から4つの異なる領域に区分されることを特徴とする請求項15に記載の斜め電界液晶表示装置。
【請求項18】
前記第1電極が、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンを有し、前記第2電極が、絶縁層を介して前記第1電極の下に配設された櫛歯状パターンを有し、かつ前記第2電極が、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ていることを特徴とする請求項15又は16に記載の斜め電界液晶表示装置。
【請求項19】
平面視で前記第2の透明樹脂層が配設される位置に、前記アレイ基板上に前記第1電極が配設されていないことを特徴とする請求項15又は16に記載の斜め電界液晶表示装置。
【請求項20】
平面視で前記第2の透明樹脂層が配設される位置に、前記アレイ基板上に光反射膜が配設されていることを特徴とする請求項15又は16に記載の斜め電界液晶表示装置。
【請求項21】
透明基板、該透明基板上に形成された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明基板上に配設された透明導電膜、及び該透明導電膜上に形成された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を備え、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有するカラーフィルタ基板と、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンである第1電極、絶縁層を介して配設され、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている櫛歯状パターンである第2電極を備えるアレイ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置。
【請求項22】
透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、及び該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素を備え、前記透明導電膜は、前記開口部の中央部であって、前記開口部の長手方向の辺と平行な線状のスリットを有するカラーフィルタ基板と、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンである第1電極、絶縁層を介して配設され、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている櫛歯状パターンである第2電極を備えるアレイ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置。
【請求項23】
液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンである第1電極、絶縁層を介して配設され、平面視で開口部を2分する中心から離れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ている櫛歯状パターンである第2電極を備えるアレイ基板と、透明基板、該透明基板上に形成された透明導電膜、該透明導電膜上に配設された、対向する辺が平行である多角形の開口部を有するブラックマトリクス、該ブラックマトリクス上及び前記開口部内の透明導電膜上に配設された、複数色の対向する辺が平行である多角形の着色画素、該着色画素を覆うように配設された第1の透明樹脂層、及び該第1の透明樹脂層上に、画素の中心から対称に、かつ平面視で画素中心に最近接する前記第2電極の内側に前記第2電極の櫛歯状パターンと平行に配置された、透明導電膜からなる1組の線状導体を備えるカラーフィルタ基板とを、液晶を間に介在させて対向させて貼り合わせてなる斜め電界液晶表示装置。
【請求項24】
前記第1電極及び第2電極が、可視域で透明な導電性金属酸化物からなることを特徴とする請求項15、16、21、22、及び23のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置。
【請求項25】
前記液晶が負の誘電率異方性を有することを特徴とする請求項15、16、21、22、及び23のいずれかに記載の斜め電界液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−128234(P2012−128234A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280285(P2010−280285)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】