説明

断熱屋根用パネル

【課題】断熱材同士に隙間による段熱欠損を無くし、断熱性能を確保することができ、嵌合連結不良を無くし、確実に施工することができる断熱屋根用パネルを提供すること。
【解決手段】 嵌合受部14の係止凹部14fに嵌合覆い部15のフック部15bを係止した後、嵌合覆い部15のキャップ部15aで嵌合受部14を覆ってキャップ部15aを弾性変形させるとともに、嵌合受部14の突出板状片14gを弾性変形させることで、小さな力で嵌合連結することができ、嵌合不良を無くし、確実に連結する。また、表面材11に形成した嵌合受部14と嵌合覆い部15による嵌合連結が先に行われた後、断熱材12,12の端面同士が接触するようにし、断熱材12,12が大きい場合には、互いを押圧することで、断熱材12,12が小さい場合には、嵌合状態の嵌合受部14と嵌合覆い部15の間で断熱材12,12を寄せるようにすることで、断熱材12の寸法公差を吸収して当接させ、断熱欠損を無くし、断熱性能を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、断熱屋根用パネルに関し、断熱欠損を無くし断熱性能を確保するとともに、嵌合連結不良を無くし、確実に施工できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般住宅などの建築物の屋根用に断熱材と金属板の屋根材とを一体とした断熱屋根用パネルが知られており、例えば特許文献1に開示された屋根の構造に用いる屋根パネル1は、図7に示すように、上下の金属板2,3の間に断熱材4が充填され、屋根パネル1の一側端部に上側の金属板2を外方に延出させて弾性変形可能な被覆片5を設け、他側端部に上方に突出する山部6を設け、隣接する屋根パネル1,1の山部6に被覆片5で被覆するようにして連結することで屋根を構築するようになっている。
そして、上側の金属板2には、山部6の外傾斜面6aの下部に内方に向けて挿入凹部6bを設け、被覆片5の延出先端部に内方に突出して挿入凸部5aを形成し、挿入凹部6bに挿入凸部5aを挿入するとともに、山部6の内傾斜面6cの下部に形成した係止凹部6dに、被覆片5に形成した係止凸部5bを係止して屋根パネル1,1同士を連結するようになっている。
また、下側の金属板3には、山部6の下方に目地形成用突部3aを形成し、被覆片5の下方に目地形成用凹部3bを形成し、これら突部3aと凹部3bとを近接させて下方に臨む目地溝3cを形成するようになっており、断熱材4,4の傾斜した端面間には、断熱パッキン7を挟むようになっている。
【特許文献1】特開2007−231581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような上下の金属板2,3と断熱材4を一体とした屋根パネル1では、断熱材4の寸法のずれや下側の金属板3の位置ずれが発生すると、断熱材4,4同士に隙間が生じ、断熱欠損を生じ、結露発生の問題がある。
また、断熱材4,4が大きく出っ張っている場合には、挿入凹部6bに挿入凸部5aを挿入した後、係止凸部5bを係止凹部6dに挿入することができなくなる虞があるという問題がある。
さらに、嵌合連結時に被覆片6の両側を変形させて嵌合するため、嵌合が硬くなり易く、大きな嵌合力を必要とする問題もある。
【0004】
この発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、断熱材同士に隙間による段熱欠損を無くし、断熱性能を確保することができ、嵌合連結不良を無くし、確実に施工することができる断熱屋根用パネルを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来技術が有する課題を解決するこの発明の請求項1記載の断熱屋根用パネルは、 合成樹脂発泡体の断熱材の表面に金属板の表面材を設けるとともに、前記断熱材の裏面に裏面材を設け前記表面材の両端縁部に互いに嵌合連結される嵌合受部と嵌合覆い部を備えた断熱屋根用パネルであって、前記嵌合受部に、前記表面材の折り曲げ加工により間隔を開けて下方に広がる2つの内外傾斜面を形成するとともに、この内傾斜面の下端に係止凹部を形成して屋根部と連続させ、外傾斜面を前記断熱材の外側に突き出す突出板状片で構成する一方、前記嵌合覆い部に前記表面材の折り曲げ加工により前記内外傾斜面を覆うキャップ部を形成しその先端縁部に前記係止凹部に係止されるフック部を形成するとともに、前記突出板状片の先端下部に係止する係止凸部を形成して構成し、前記嵌合覆い部の前記フック部を前記嵌合受部の前記係止凹部に係止し、前記嵌合覆い部の前記キャップ部および前記突出板状片を弾性変形させて前記嵌合覆い部の前記係止凸部を当該突出板状片の先端下部に嵌合連結し前記断熱材同士の寸法公差を吸収して端面同士を当接可能に構成したことを特徴とするものである。
【0006】
また、この発明の請求項2記載の断熱屋根用パネルは、請求項1記載の構成に加え、 前記嵌合覆い部の前記係止凸部を、前記表面材の前記屋根部より上方に形成するとともに、当該係止凸部の下端と屋根部との間に前記断熱材同士の当接端面より遠方に雨水をガイドするガイド傾斜面を形成してなること特徴とするものである。
【0007】
さらに、この発明の請求項3記載の断熱屋根用パネルは、請求項1または2記載の構成に加え、前記嵌合受部の前記内外傾斜面の間隔よりもこの内外傾斜面に対応する前記嵌合覆い部の前記キャップ部の間隔を大きくして前記断熱材の寸法公差の吸収を可能に構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1記載の断熱屋根用パネルによれば、合成樹脂発泡体の断熱材の表面に金属板の表面材を設けるとともに、前記断熱材の裏面に裏面材を設け前記表面材の両端縁部に互いに嵌合連結される嵌合受部と嵌合覆い部を備えた断熱屋根用パネルで、前記嵌合受部に、前記表面材の折り曲げ加工により間隔を開けて下方に広がる2つの内外傾斜面を形成するとともに、この内傾斜面の下端に係止凹部を形成して屋根部と連続させ、外傾斜面を前記断熱材の外側に突き出す突出板状片で構成する一方、前記嵌合覆い部に前記表面材の折り曲げ加工により前記内外傾斜面を覆うキャップ部を形成しその先端縁部に前記係止凹部に係止されるフック部を形成するとともに、前記突出板状片の先端下部に係止する係止凸部を形成して構成し、前記嵌合覆い部の前記フック部を前記嵌合受部の前記係止凹部に係止し、前記嵌合覆い部の前記キャップ部および前記突出板状片を弾性変形させて前記嵌合覆い部の前記係止凸部を当該突出板状片の先端下部に嵌合連結し前記断熱材同士の寸法公差を吸収して端面同士を当接可能に構成したので、嵌合受部の係止凹部に嵌合覆い部のフック部を係止した後、嵌合覆い部のキャップ部で嵌合受部を覆ってキャップ部を弾性変形させるとともに、嵌合受部の突出板状片を弾性変形させることで、小さな力で嵌合連結することができ、嵌合不良を無くし、確実に連結することができる。また、表面材に形成した嵌合受部と嵌合覆い部による嵌合連結が先に行われた後、断熱材の端面同士が接触することになり、断熱材が大きい場合には、互いを押圧することで、断熱材が小さい場合には、嵌合状態の嵌合受部と嵌合覆い部の間で断熱材を寄せるようにすることで、断熱材の寸法公差を吸収して当接させることができ、断熱欠損を無くし、断熱性能を確保することができる。
【0009】
また、この発明の請求項2記載の断熱屋根用パネルによれば、前記嵌合覆い部の前記係止凸部を、前記表面材の前記屋根部より上方に形成するとともに、当該係止凸部の下端と屋根部との間に前記断熱材同士の当接端面より遠方に雨水をガイドするガイド傾斜面を形成したので、係止凸部を屋根部より高く形成し、屋根部との間にガイド傾斜面を形成することで、断熱屋根用パネルを縦葺き状態で嵌合連結して屋根を構成する場合でも、軒先の断熱材同士が当接する目地部分の雨掛かりを目地部分から離すようにガイドすることができ、目地部分への雨掛かりを極力抑えることができる。
【0010】
さらに、この発明の請求項3記載の断熱屋根用パネルによれば、前記嵌合受部の前記内外傾斜面の間隔よりもこの内外傾斜面に対応する前記嵌合覆い部の前記キャップ部の間隔を大きくして前記断熱材の寸法公差の吸収を可能に構成したので、嵌合受部の内外傾斜面の間隔よりもキャップ部の対応する間隔を大きくすることで、嵌合連結状態で嵌合受部に対して嵌合覆い部のキャップ部を間隔の差に対応して移動することができ、断熱材の寸法が小さい場合に断熱材同士を当接するように寄せることができ、一層確実に断熱材の寸法公差を吸収して断熱欠損を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2はこの発明の断熱屋根用パネルの一実施の形態にかかり、図1(a)は横断面図、図1(b)は嵌合連結部の拡大断面図、図2は嵌合連結工程の説明図である。
【0012】
この断熱屋根用パネル10は、例えば縦葺き屋根材用として用いられるものであり、金属薄板の表面材11と、中間部のポリウレタン等の合成樹脂発泡体などを充填発泡させた断熱材12と、クラフト紙の裏面材13とを一体に積層し、表面材11の両端縁部には、互いに嵌合連結することができる嵌合受部14と、嵌合覆い部15が形成され、嵌合受部14を嵌合覆い部15で覆うようにして互いを連結できるとともに、中間部が屋根部16とされ、例えば中央に略台形状の突出部16aが形成されて構成されている。
なお、屋根部16は、例えば図3(a)に示すように、平坦面16bとされたり、同図(b)に示すように、波形状16cに形成されるほか、屋根のデザインなどを考慮して適宜決定される。
【0013】
この断熱屋根用パネル10では、金属薄板の表面材11の一端縁部に形成される嵌合受部14は、中央部に幅広の釘打溝14aを備え、釘打溝14aの両側にそれぞれ折り曲げ加工された略台形状の内側土手14bと略台形状の外側土手14cとが形成されて構成され、内側土手14bの内傾斜面14dと外側土手14cの外傾斜面14eとが間隔をあけて下方に広がる2つの内外傾斜面を構成している。 なお、ここでの内側や外側は、パネルに対する内側や外側を示す(以下、同じ)。
そして、内側土手14bの内傾斜面14dの下端に、外側に水平に窪み傾斜面を介して屋根部16に連続する係止凹部14fが形成してある。
外側土手14cの外傾斜面14eは断熱材12の外側に突き出す突出板状片14gとされ、上端で支持された片持ち状態とされ、断熱材12が充填されずに金属板のみとされ、容易に弾性変形できるようにしてある。
【0014】
この嵌合受部14を覆う表面材11の他端縁部に形成される嵌合覆い部15は、外側土手14cの外傾斜面14eおよび上面、内側土手14bの上面および内傾斜面14dを囲むように形成されたキャップ部15aを備え、このキャップ部15aの先端部(外側端部)に内側土手14bの下端の係止凹部14fに係止するフック部15bが略水平に突き出すように形成してある。
また、キャップ部15aの内側端部には、外側土手14cの外傾斜面14eである突出板状片14gの先端下部に係止する係止凸部15cが略逆V字状にパネル外側に突き出すように形成され、屋根部16との間にゆるい傾斜面と急な傾斜面とからなるガイド傾斜面17を介して連続するようになっており、これにより係止凸部15cが屋根部16の最も低い部分より上方に位置するようになっている。
【0015】
このような表面材11の両端部の嵌合受部14と嵌合覆い部15と屋根部16の裏面側には、断熱材12が充填され、クラフト紙などの裏面材13で覆われており、嵌合受部14の外側土手14cの外傾斜面14eの上端から嵌合覆い部15の係止凸部15cの先端までの間に断熱材12が充填され、突出板状片14gおよびキャップ部15aの裏面側には、断熱材12が充填されないようになっている。
【0016】
また、この嵌合受部14と嵌合覆い部15では、嵌合受部14の内外傾斜面14d,14eの間隔L1よりもこの内外傾斜面に対応する嵌合覆い部15のキャップ部15aの間隔L2を大きくしてあり、これにより、嵌合連結状態で嵌合受部14に対して嵌合覆い部15のキャップ部15aを間隔L1,L2の差に対応して移動することができ、断熱材12の寸法が小さい場合に断熱材12,12同士を当接するように寄せることができ、断熱材12の寸法公差を吸収して断熱欠損を無くすことができるようにしてある。
【0017】
この断熱屋根用パネル10の表面材11としては、例えば表面処理鋼板、亜鉛・ニッケル合金をめっきした鋼板、アルミ・亜鉛合金をめっきした鋼板、ステンレスで鋼板をクラッドしたクラッド鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、鋼板でゴム,合成樹脂フィルムをクラッドした制振板等をあげることができ、これらの平板に限らず、エンボス加工、リシン塗装、ほうろう加工などを施したものであっても良い。
【0018】
また、断熱材12としては、通常、合成樹脂発泡体が用いられ、特にポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム等が用いられるほか、グラスウール、シージングインシュレーションボード、発泡石膏、石膏、ロックウール、セメント、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ALCなどが用いることもできる。
【0019】
また、裏面材13としては、ライナー紙、クラフト紙、板紙、炭酸カルシウム紙などの紙、あるいはこれらの紙にアルミニウムや鉄、ステンレス鋼などの金属箔をラミネートしたものやこれらの金属などを蒸着したものや金属板などを用いることもできる。
【0020】
このような断熱屋根用パネル10は、例えば多数の成形ローラで構成された表面材成形機で金属板の表面材11の中央部に略台形状の突出部16aの成形を施すとともに、幅方向両端縁部に嵌合受部14および嵌合覆い部15を曲げ加工して成形する一方、この表面材11を表裏反転させて略樋状の部分にポリウレタン等の合成樹脂発泡体などの断熱材12を吐出ノズルで充填し、この断熱材12を覆うように裏面材供給機から繰り出して裏面材13を取付けてダブルコンベアで表裏面と両側面を押さえて連続製造され、所定の長さ毎に切断装置で切断することで製造される。
【0021】
このように構成した断熱屋根用パネル10では、図2に示すように、まず最初の断熱屋根用パネル10を所定の位置に配置した後、嵌合受部14の釘打溝14aにゴムパッキンおよびワッシャが介在された釘またはビス18を打ち込んで固定し、次いで隣接する断熱屋根用パネル10の嵌合覆い部15で釘またはビスで固定された嵌合受部14を覆うようにして嵌合連結する。
すなわち、断熱屋根用パネル10を斜めに傾けてフック部15bを嵌合受部の14の係止凹部14fに係止した後、断熱屋根用パネル10がほぼ水平になるようにして嵌合受部14の外側土手14cの外傾斜面14eの突出板状片14gに嵌合覆い部15の係止凸部15cが接触するようにし、この状態で嵌合覆い部15のキャップ部15aを踏み込むようにする。
【0022】
すると、図4に示すように、嵌合覆い部15のキャップ部15aが下に凸状に弾性変形するとともに、嵌合受部14の突出板状片14gが弾性変形して内側に倒れるようになって嵌合覆い部15の係止凸部15cが嵌合受部14の突出板状片14gを乗り越えることができ、これにより、係止凸部15cが突出板状片14gの下側に係止されて隣接する断熱屋根用パネル10,10同士が嵌合連結状態となる。
これにより、嵌合連結の際に、嵌合覆い部15のキャップ部15aが弾性変形するのに加え、嵌合受部14の突出板状片14gも弾性変形するので、嵌合に必要な力が小さくて良く、簡単に 施工することができる。
【0023】
さらに、断熱屋根用パネル10を必要に応じて水平状態となるように押えた後、嵌合受部14の釘打溝14aを釘18で固定する。
このような釘18での固定およびキャップ部15aの係止とキャップ部15aの踏み込みとの2段階の動作の嵌合連結を繰り返して屋根材としての断熱屋根用パネル10の施工が行われ、屋根材の取り付けと断熱材の取り付けが完了する。
【0024】
このような断熱屋根用パネル10、10では、例えば図5(a)に示すように、断熱材12の寸法が大きい場合であっても、嵌合受部14と嵌合覆い部15との嵌合連結が断熱材12、12の端面同士の接触前に行われることで、嵌合連結ができなくなることがなく、嵌合連結状態のまま断熱材12、12の端面同士を突き付けるように押えることで、断熱材12、12を当接させて取り付けることができる。
また、断熱材12の寸法が小さい場合であっても、図5(b)に示すように、嵌合受部14の内外傾斜面14d,14eの間隔L1よりもキャップ部15aの対応する間隔L2を大きくしてあるので、嵌合連結状態で嵌合受部14に対して嵌合覆い部15のキャップ部15aを間隔の差に対応して移動することができ、断熱材12,12同士を当接するように断熱屋根用パネル10を寄せることができる。
これらにより、断熱材12、12に寸法の大小があっても、端面同士を当接させて施工することができ、確実に断熱材12,12の寸法公差を吸収して断熱欠損を無くすことができる。
【0025】
また、この断熱屋根用パネル10では、嵌合覆い部15のキャップ部15aの内側端部に、係止凸部15cが略逆V字状にパネル外側に突き出すように形成され、この係止凸部15cと屋根部16との間にゆるい傾斜面と急な傾斜面とからなるガイド傾斜面17が形成してあるので、図6に示すように、風などで雨水が係止凸部15cに吹き寄せられることがあってもそのまま滞留せずガイド傾斜面17によって断熱屋根用パネル10、10の目地部19より遠方に雨水をガイドすることができ、目地部19への雨掛かりを極力減少させることができる。
【0026】
この断熱屋根用パネル10によれば、屋根材となる表面材11と断熱材12が一体とされ、嵌合受部14および嵌合覆い部15も一体構造としてあるので、部品点数が少なく、施工性が良く、断熱材を別体とする場合のような断熱材が飛散することもない。さらに、断熱屋根用パネル10を釘18で固定するだけで良く、取付け用の吊り子やタイトフレームなどの金具や治具などを必要としないので、簡単に施工することができる。
また、この断熱屋根用パネル10では、断熱材12が屋根材である表面材11と一体のため、雨音が響くことがなく、剛性も高くなり、釘18による固定ピッチを大きくしたり、野地板を省いて施工することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の断熱屋根用パネルの一実施の形態にかかり、(a)は横断面図、(b)は嵌合連結部の拡大断面図である。
【図2】この発明の断熱屋根用パネルの一実施の形態にかかる嵌合連結工程の説明図である。
【図3】それぞれこの発明の断熱屋根用パネルの他の一実施の形態にかかる横断面図である。
【図4】この発明の断熱屋根用パネルの一実施の形態にかかる嵌合連結工程における弾性変形の説明図である。
【図5】それぞれこの発明の断熱屋根用パネルの一実施の形態にかかる嵌合連結工程における断熱材の寸法公差の吸収の説明図である。
【図6】この発明の断熱屋根用パネルの一実施の形態にかかる雨水のガイド状態の説明図である。
【図7】従来の屋根パネルの連結状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 断熱屋根用パネル
11 表面材
12 断熱材
13 裏面材
14 嵌合受部
14a 釘打溝
14b 内側土手
14c 外側土手
14d 内傾斜面
14e 外傾斜面
14f 係止凹部
14g 突出板状片
15 嵌合覆い部
15a キャップ部
15b フック部
15c 係止凸部
16 屋根部
16a 突出部
16b 平坦面
16c 波形状
17 ガイド傾斜面
18 釘またはビス
19 目地部
L1 内外傾斜面の間隔
L2 キャップ部の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体の断熱材の表面に金属板の表面材を設けるとともに、前記断熱材の裏面に裏面材を設け前記表面材の両端縁部に互いに嵌合連結される嵌合受部と嵌合覆い部を備えた断熱屋根用パネルであって、
前記嵌合受部に、前記表面材の折り曲げ加工により間隔を開けて下方に広がる2つの内外傾斜面を形成するとともに、この内傾斜面の下端に係止凹部を形成して屋根部と連続させ、外傾斜面を前記断熱材の外側に突き出す突出板状片で構成する一方、
前記嵌合覆い部に前記表面材の折り曲げ加工により前記内外傾斜面を覆うキャップ部を形成しその先端縁部に前記係止凹部に係止されるフック部を形成するとともに、前記突出板状片の先端下部に係止する係止凸部を形成して構成し、
前記嵌合覆い部の前記フック部を前記嵌合受部の前記係止凹部に係止し、前記嵌合覆い部の前記キャップ部および前記突出板状片を弾性変形させて前記嵌合覆い部の前記係止凸部を当該突出板状片の先端下部に嵌合連結し前記断熱材同士の寸法公差を吸収して端面同士を当接可能に構成したことを特徴とする断熱屋根用パネル。
【請求項2】
前記嵌合覆い部の前記係止凸部を、前記表面材の前記屋根部より上方に形成するとともに、当該係止凸部の下端と屋根部との間に前記断熱材同士の当接端面より遠方に雨水をガイドするガイド傾斜面を形成してなること特徴とする請求項1記載の断熱屋根用パネル。
【請求項3】
前記嵌合受部の前記内外傾斜面の間隔よりもこの内外傾斜面に対応する前記嵌合覆い部の前記キャップ部の間隔を大きくして前記断熱材の寸法公差の吸収を可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の断熱屋根用パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−263957(P2009−263957A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113694(P2008−113694)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】