説明

新規な有機電界発光化合物及びこれを使用する有機電界発光素子

【課題】優れた色純度、優れた発光効率及び著しく向上された素子寿命を有する有機電界発光素子を実現可能な新規の電界発光化合物、およびこれを使用する電界発光素子を提供する。
【解決手段】有機電界発光化合物及びこれを電界発光層5に使用する有機電界発光素子であり、有機電界発光化合物は下記化学式1または化学式2により表される。


有機電界発光化合物は発光効率が良好であり、材料の寿命特性が優秀であるため、高色純度、高輝度及び長寿命のOLEDをその化合物から製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機電界発光化合物(organic electroluminescent compound)及びこれを電界発光層に使用する有機電界発光素子(organic electroluminescent device)に関する。詳しくは、本発明による有機電界発光化合物は下記化学式1または化学式2により表される化合物であることを特徴とする:
【0002】
【化1】

【0003】
前記化学式1及び化学式2において、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C3−C60)シクロアルキル、(C4−C60)トリシクロアルキル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、スピロビフルオレニル、ハロゲン、シアノ、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルを表し;前記R及びRのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、トリシクロアルキル、ビシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、シアノ、(C6−C60)アリール、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキルおよび(C6−C60)アリール(C1−C60)アルコキシから選ばれた1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
Ar乃至Arは、互いに独立して、N、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリールを表すが、ただし前記Ar乃至Arのヘテロアリールがピリジルを表す場合には、Ar、Ar、Ar及びArのうちの少なくとも2つはピリジルを表す。
【背景技術】
【0004】
高効率かつ長寿命の有機電界発光素子の開発において最も重要な要素は、高性能の電界発光材料の開発である。現在の電界発光材料の開発の側面からみて、緑色電界発光材料は、赤色または青色電界発光材料に比べ、優れた電界発光特性を示している。しかしながら、従来の緑色電界発光材料は、大型で低消費電力のパネルの製造を達成するには、依然として数々の問題点を有している。実際の効率及び寿命の側面において、緑色の場合、多様な種類の電界発光材料が今まで報告されている。これらは、赤色または青色電界発光材料に比べ、2〜5倍の電界発光特性を示してはいるものの、赤色または青色電界発光材料の特性の改善によって、緑色電界発光材料の開発がさらに取り組まれている。一方、緑色材料の素子寿命の向上が未だ不十分なので、長寿命の緑色電界発光材料が著しく必要とされている。
【0005】
緑色蛍光材料としては、クマリン誘導体(化合物D)、キナクリドン誘導体(化合物E)、DPT(化合物F)などが知られている。化合物Dは、現在まで最も広く使われているクマリン誘導体である、C545Tの構造である。概して、Alqを数%〜数十%程度の濃度でホストとして使用して、これらの材料がドーピングされて、電界発光素子を形成する。
【0006】
【化2】

【0007】
特開2001−131541号は、アントラセンの2番と6番位置のそれぞれにジアリールアミノ基が直接置換されている下記の化合物Gにより表されるビス(2,6−ジアリールアミノ)−9,10−ジフェニルアントラセン誘導体を開示する。
【0008】
【化3】

【0009】
正孔輸送層のための化合物を開示する特開2003−146951号は、アントラセンの9番と10番位置にフェニル基を有する化合物を単に記載するが、2番と6番位置のそれぞれにジアリールアミノ基が直接置換されている化合物に言及していない。特開2003−146951号が、劣った発光効率を有するという化合物H(アントラセン環の2番と6番位置にそれぞれジアリールアミノ基が直接置換されている)の問題点を指摘したことからみて、特開2003−146951号の発明は、アントラセンの9番と10番位置にフェニル置換基を有する化合物以外の化合物を認識していないことが理解される。
一方、特開2004−91334号においては、下記の化合物J
【0010】
【化4】

【0011】
で表される有機電界発光化合物が、アントラセン基にジアリールアミノ基が直接置換されているにもかかわらず、前記ジアリールアミノ基のアリール基をジアリールアミノ基でさらに置換することにより、従来の化合物の発光効率の低下を克服し、イオン化ポテンシャルが低く、優れた正孔輸送を示すことを示唆している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−131541号公報
【特許文献2】特開2003−146951号公報
【特許文献3】特開2004−91334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記特開2004−91334号で示唆された(正孔輸送層として適用した)化合物は、アミン官能基が多いことにより低下したイオン化ポテンシャルを示し、正孔輸送特性を増大させる問題を克服したものの、アミン官能基の過多により、正孔輸送層としての駆動寿命が短縮されるという問題を示している。
本発明者らは、アントラセンの9番と10番位置にアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アダマンチル、ビシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはスピロビフルオレニルを導入すると共に、2つの5員もしくは6員のヘテロアリールで置換されたアミノ基をアントラセンの2番と6番位置のそれぞれまたは2番と7番位置のそれぞれに直接置換することが、著しく向上された電界発光特性を化合物にもたらすことを見いだし、本発明を完成した。
したがって、本発明者らは、前記の問題点を解決するために鋭意努力した結果、優れた色純度、優れた発光効率及び著しく向上された素子寿命を有する有機電界発光素子を実現可能な新規の電界発光化合物を開発した。
【0014】
本発明の目的は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アダマンチル、ビシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはスピロビフルオレニル基が、アントラセンの9番と10番位置に導入されていると共に、5員もしくは6員のヘテロアリール置換基を2つ有するアミノ基が、アントラセンの2番と6番位置または2番と7番位置に直接置換されている新規の有機電界発光化合物を提供することである。
本発明のまた他の目的は、前記の有機電界発光化合物の1種以上と共に、アントラセン誘導体及びベンズ[a]アントラセン誘導体から選ばれる1種以上の化合物を電界発光ホストとして使用する電界発光領域を含有する有機電界発光素子を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、色純度に優れ、高い発光効率、および素子の寿命が非常に良好な有機電界発光化合物を提供することであり、並びに前記の新規な有機電界発光化合物を含有した有機電界発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、新規な有機電界発光化合物及びこれを電界発光層に使用する有機電界発光素子に関する。詳しくは、本発明による有機電界発光化合物は、下記化学式1または化学式2で表されるものであることを特徴とする:
【化5】

前記化学式1及び化学式2において、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C3−C60)シクロアルキル、(C4−C60)トリシクロアルキル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、スピロビフルオレニル、ハロゲン、シアノ、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルを表し;前記R及びRのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、トリシクロアルキル、ビシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、シアノ、(C6−C60)アリール、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキルおよび(C6−C60)アリール(C1−C60)アルコキシから選ばれた1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
Ar乃至Arは、互いに独立して、N、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリールを表すが、ただし前記Ar乃至Arのヘテロアリールがピリジルを表す場合には、Ar、Ar、Ar及びArのうちの少なくとも2つがピリジルを表す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は有機発光ダイオード(OLED)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、電界発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAl陰極8を含有する、本発明のOLEDの断面図を示す。
【0018】
及びRの「ヘテロアリール」の用語は、芳香族環骨格原子としてN、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子、および残りの芳香族環骨格原子としての炭素原子を含むアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5もしくは6員の単環式へテロアリール、または1つ以上のベンゼン環と縮合されている多環式へテロアリールであってよく、部分的に飽和されていてもよい。へテロアリール基は、そのヘテロ原子が酸化されるかまたは第4級化されることができ、N−オキシドおよび第4級塩を形成できる2価アリール基を含みうる。具体的な例として、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルなどの単環式へテロアリール基;ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニルおよびベンゾジオキソリルなどの多環式へテロアリール基;並びにこれらの相応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)、およびこれらの第4級塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
Ar乃至Arの「ヘテロアリール」の用語は、5もしくは6員の芳香族環骨格原子としてのN、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子、並びに残りの芳香族環骨格原子としての炭素原子を含むアリール基を意味する。ヘテロアリールは5もしくは6員の単環式へテロアリールであってよく、部分的に飽和されていてもよい。具体的な例として、フリル、チオフェニル、ピロリル、ピラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルが挙げられる。
【0020】
用語「アルキル」、「アルコキシ」及び「アルキル」部分を含む他の置換基は、直鎖のものであっても、分岐鎖のものであってもよい。
【0021】
本明細書に記載される用語「アリール」は、1つの水素原子の除去により芳香族炭化水素から誘導された有機基を意味する。各環は4〜7個、好ましくは5〜6個の環原子を含む単環または縮合環系を含む。用語「アリール」は単結合で連結されている複数のアリール基も包含する。具体的な例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニルおよびフルオランテニルが挙げられるが、これに限定されない。
【0022】
ナフチルは1−ナフチルまたは2−ナフチルであってよく;アントリルは1−アントリル、2−アントリルまたは9−アントリルであってよく;フルオレニルは1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニルまたは9−フルオレニルであってよい。
【0023】
本明細書に記載される「(C1−C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子を有してもよく、1〜20個の炭素原子を有してもよく、または1〜10個の炭素原子を有してもよい。「(C6−C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子を有してもよく、6〜20個の炭素原子を有してもよく、または6〜12個の炭素原子を有してもよい。「(C3−C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子を有してもよく、4〜20個の炭素原子を有してもよく、または4〜12個の炭素原子を有してもよい。「(C3−C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子を有してもよく、3〜20個の炭素原子を有してもよく、または3〜7個の炭素原子を有してもよい。「(C2−C60)アルケニルまたはアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子を有してもよく、2〜20個の炭素原子を有してもよく、または2〜10個の炭素原子を有してもよい。
【0024】
本発明による化学式1または化学式2の有機電界発光化合物は、従来の発明で予測できなかった、その化合物から得られる緑色電界発光素子の発光効率、およびその素子寿命を最大化するというその新しい概念の構造により特徴づけられる。
本発明による化学式1または化学式2の有機電界発光化合物は、ホストとドーパントとの間の効率的なエネルギー伝達メカニズムを示す構造を選択したもので、このことは電子密度分布の改善に基づいて、確実な高効率の電界発光特性を実現させうる。本発明による新規な化合物の構造は、単なる緑色電界発光についてだけではなく、青色から赤色に至る領域で高効率の電界発光特性をチューニングすることもできる骨格を提供することができる。Alqのような電子伝導性の大きいホスト材料を使用する概念を超えて、本発明は、正孔伝導性と電子伝導性の適切なバランスを有するホストを適用することにより、既存の材料が有していた初期効率の低下及び短い寿命などの問題を克服し、各カラーにおいて高効率及び長寿命を有する高性能の電界発光特性を確保する。
【0025】
化学式1または化学式2において、R及びRは、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、ベンジル、エテニル、フェニルエテニル、エチニル、フェニルエチニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、オクタヒドロ−1H−インデニル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、4−ペンチルビシクロ[2.2.2]オクチル、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、トリシクロ[5.3.1.1]ドデシル、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデシル、アダマンチル、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデシル、トリシクロ[4.4.1.11,5]ドデシル、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ、チオモルホリノ、スピロビフルオレニル、フルオロ、シアノ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(tert−ブチル)シリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリルまたはトリフェニルシリルを表し;前記フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、またはベンゾオキサゾリルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、フルオロ、シアノ、フェニル、ナフチル、9,9−ジメチル−9H−フルオレニル、9,9−ジフェニル−9H−フルオレニル、アントリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(tert−ブチル)シリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、トリフェニルメチルおよびトリフェニルメトキシから選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよい。
【0026】
化学式1または化学式2において、Ar乃至Arは、互いに独立して、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、フラザニル、チエニル、テトラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニルまたはテトラジニルを表し;それらは、好ましくは、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1,2,3−チアジアゾル−4−イル、1,2,3−チアジアゾル−5−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,5−チアジアゾル−2−イル、1,3,5−チアジアゾル−4−イル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾル−4−イル、1,2,3−オキサジアゾル−5−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,3,5−オキサジアゾル−2−イル、1,3,5−オキサジアゾル−4−イル、2−フラニル、3−フラニル、3−フラザニル、2−チエニル、3−チエニル、1H−テトラゾル−5−イル、1H−テトラゾル−1−イル、2H−テトラゾル−5−イル、2H−テトラゾル−2−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル、2H−1,2,3−トリアゾル−2−イル、2H−1,2,3−トリアゾル−4−イル、2H−1,2,3−トリアゾル−5−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、1,2,3−トリアジン−4−イル、1,2,3−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,3,4−テトラジン−5−イルおよび1,2,3,5−テトラジン−4−イルから選ばれる。
【0027】
本発明による有機電界発光化合物は、具体的に下記の化合物で例示できるが、下記の化合物に限定されるものではない。
【0028】
【化6】

【0029】
【化7】

【0030】
【化8】

【0031】
【化9】

【0032】
【化10】

【0033】
【化11】

【0034】
【化12】

【0035】
【化13】

【0036】
【化14】

【0037】
【化15】

【0038】
【化16】

【0039】
【化17】

【0040】
【化18】

【0041】
【化19】

【0042】
【化20】

【0043】
【化21】

【0044】
【化22】

【0045】
【化23】

【0046】
前記構造において、R及びRは、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、ベンジル、エテニル、フェニルエテニル、エチニル、フェニルエチニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、オクタヒドロ−1H−インデニル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、4−ペンチルビシクロ[2.2.2]オクチル、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、トリシクロ[5.3.1.1]ドデシル、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデシル、アダマンチル、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデシル、トリシクロ[4.4.1.11,5]ドデシル、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ、チオモルホリノまたはスピロビフルオレニルを表し;
前記フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、またはベンゾオキサゾリルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、フルオロ、シアノ、フェニル、ナフチル、9,9−ジメチル−9H−フルオレニル、9,9−ジフェニル−9H−フルオレニル、アントリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(tert−ブチル)シリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、トリフェニルメチルおよびトリフェニルメトキシから選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよい。
【0047】
より詳細には、本発明による有機電界発光化合物は、具体的に下記の化合物で例示できるが、下記の化合物に限定されるものではない。
【0048】
【化24】

【0049】
【化25】

【0050】
【化26】

【0051】
【化27】

【0052】
【化28】

【0053】
【化29】

【0054】
【化30】

【0055】
【化31】

【0056】
【化32】

【0057】
【化33】

【0058】
【化34】

【0059】
本発明による有機電界発光化合物は下記反応式1または反応式2に示される手順に従って製造されうる。
【0060】
【化35】

【0061】
上記反応式1及び2において、R、R、Ar、Ar、Ar及びArは、化学式1及び2におけるように定義される。
【0062】
また、本発明は、化学式1または化学式2により表される有機電界発光化合物の1種以上を含む有機太陽電池を提供する。
【0063】
また、本発明は、第1の電極;第2の電極;及び前記第1の電極と第2の電極との間に設けられる少なくとも1つの有機層;とを含んでなる有機電界発光素子であって、前記有機層が、化学式1または化学式2により表される1種以上の有機電界発光化合物を含む、有機電界発光素子を提供する。
【0064】
本発明による有機電界発光素子は、有機層が電界発光層を含み、前記電界発光層が化学式1または化学式2により表される1種以上の化合物を電界発光ドーパントとして、および1種以上のホストを含むことにより特徴づけられる。
【0065】
本発明による電界発光素子に適用されるホストは特に限定されないが、好ましくは下記化学式3または4で表される化合物から選択される:
【0066】
【化36】

【0067】
前記化学式3及び4において、
は(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)へテロアリーレンを表し;
はアントラセニレンを表し;
Ar11乃至Ar14は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルおよび(C6−C60)アリールから選ばれ;前記Ar11乃至Ar14のシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれた1種以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、重水素、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
b、c、d及びeは、互いに独立して、0〜4の整数を表す。
【0068】
化学式3または4により表されるホストは、下記化学式5〜7のものにより表される誘導体によって例示されうる。
【0069】
【化37】

【0070】
化学式5乃至7において、
301及びR302は、互いに独立して、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1つ以上のへテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキルまたは(C3−C60)シクロアルキルを表し、前記R301及びR302のアリールまたはヘテロアリールは、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、重水素、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
303乃至R306は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルまたは(C6−C60)アリールを表し、前記R303乃至R306のヘテロアリール、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
B及びDは、互いに独立して、化学結合を表すか、または重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールおよびハロゲンから選択された1種以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリーレンを表し;
Ar10及びAr30は、下記構造から選択されるアリールまたは(C4−C60)ヘテロアリールを表し、前記Ar10及びAr30のアリールまたはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリールおよび(C4−C60)ヘテロアリールから選ばれた1種以上の置換基によって置換されてよく:
【0071】
【化38】

【0072】
前記Ar20は(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンから選択され、好ましくはフェニレン、ナフチレン、アントリレン、フルオレニレン、フェナントリレン、テトラセニレン、ナフタセニレン、クリセニレン、ペンタセニレン、ピレニレン、ヘテロアリーレンおよび下記構造式によって表される化合物から選ばれ;前記Ar20のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールおよびハロゲンから選択された1種以上の置換基によって置換されてよく;
【0073】
【化39】

【0074】
311乃至R314は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表すか、またはそのそれぞれは隣接した置換基と、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
321乃至R324は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールもしくはハロゲンを表すか、またはそのそれぞれは隣接した置換基と、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができる。
【0075】
電界発光層は、発光が起こる層を意味し、それは単層でも、2以上の層が積層されて構成される複数層でもよい。本発明の構成にしたがって、ホスト−ドーパントの混合物が使用される場合には、化学式1または化学式2により表される電界発光化合物を単に使用する素子と比較して、本発明の電界発光ホストによる発光効率の著しい改善を確認することができた。これは、2〜5重量%のドーピング濃度で達成されうる。本発明によるホストは、既存の他のホスト材料に比べ、より高い正孔および電子伝導性、並びに物質のすぐれた安定性を示し、発光効率だけではなく、素子寿命も改善させる。
【0076】
したがって、化学式3〜7のものにより表される化合物を電界発光ホストとして使用することは、本発明の化学式1または化学式2の有機電界発光化合物の電子的欠点を有意に補完するといえる。
【0077】
化学式3〜7のものにより表されるホスト化合物は、下記化合物で例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
【化40】

【0079】
【化41】

【0080】
【化42】

【0081】
【化43】

【0082】
【化44】

【0083】
【化45】

【0084】
【化46】

【0085】
本発明の有機電界発光素子は、化学式1または化学式2により表される有機電界発光化合物と共に、アリールアミン系化合物およびスチリルアリールアミン系化合物から選ばれた1種以上の化合物をさらに含むことができる。アリールアミン系化合物またはスチリルアリールアミン系化合物の例として、下記化学式8により表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0086】
【化47】

【0087】
前記化学式8において、Ar21及びAr22は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、モノもしくはジ−(C6−C60)アリールアミノ、モノもしくはジ−(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選ばれた1つ以上のへテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキルまたは(C3−C60)シクロアルキルを表すか、またはAr21とAr22は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
eが1である場合には、Ar23は(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造式
【0088】
【化48】

【0089】
のものにより表される置換基を表し;
eが2である場合には、Ar23は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレンまたは下記構造
【0090】
【化49】

【0091】
から選択される置換基を表し;
式中、Ar24及びAr25は、互いに独立して、(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
201乃至R203は、互いに独立して、水素、ハロゲン、重水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールを表し;
fは1〜4の整数であり、gは0または1の整数であり;
前記Ar21及びAr22のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル、または前記Ar23のアリール、ヘテロアリール、アリーレンもしくはヘテロアリーレン、または前記Ar24及びAr25のアリーレンもしくはヘテロアリーレン、またはR201乃至R203のアルキルもしくはアリールは、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた1つ以上のへテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、モノもしくはジ−(C1−C60)アルキルアミノ、モノもしくはジ−(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよい。
【0092】
前記アリールアミン系化合物またはスチリルアリールアミン系化合物は、より具体的に下記の化合物で例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
【化50】

【0094】
本発明の有機電界発光素子において、有機層は、化学式1または化学式2により表される有機電界発光化合物と共に、元素の周期表の第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタン系列金属、並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選ばれる1種以上の金属をさらに含むことができる。有機層は、電界発光層及び電荷発生層(charge generating layer)を同時に含むことができる。
【0095】
本発明は、化学式1または化学式2の化合物を含む有機電界発光素子をサブピクセルとして、並びに、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、Au及びAgからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含むサブピクセルの1つ以上を同時に並列にパターニングして含む、独立発光方式のピクセル構造を有する電界発光素子を実現することができる。
【0096】
また、有機電界発光素子は、有機層が前記有機電界発光化合物と共に、500nm以下の波長の電界発光ピークを有する化合物および560nm以上の波長の電界発光ピークを有する化合物から選ばれる1種以上の化合物を同時に含む有機ディスプレイであってよい。500nm以下の波長の電界発光ピークを有する化合物または560nm以上の波長の電界発光ピークを有する化合物は、下記化学式9〜15のものにより表される化合物によって例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0097】
【化51】

【0098】
化学式9において、Mは、元素の周期表の第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第13族、第14族、第15族及び第16族金属から選ばれ、リガンドL、L及びLは、互いに独立して、下記構造から選ばれる:
【0099】
【化52】

【0100】
式中、R61乃至R63は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールまたはハロゲンを表し;
64乃至R79は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、(C2−C30)アルケニル、(C6−C60)アリール、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、SF、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、シアノまたはハロゲンを表し;前記R70およびR76は隣接した置換基と(C2−C12)アルキレンまたは(C2−C12)アルケニレンで連結されて縮合環または多重縮合環を形成することができ;前記R64乃至R79のアルキル、シクロアルキル、アルケニルもしくはアリール、またはR70およびR76からアルキレンもしくはアルケニレンで形成された前記縮合環または多重縮合環は、重水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールおよびハロゲンから選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
80乃至R83は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、または(C1−C60)アルキル置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールを表し;
84及びR85は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールもしくはハロゲンを表すか、またはR84とR85は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;前記R84及びR85のアルキルもしくはアリール、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンでそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C30)アルキルシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル及び(C6−C60)アリールから選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
86は、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C5−C60)ヘテロアリールまたはハロゲンを表し;
87乃至R89は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールまたはハロゲンを表し、前記R86乃至R89のアルキルまたはアリールは、ハロゲンまたは(C1−C60)アルキルによってさらに置換されてよく;
【0101】
Zは
【化53】

【0102】
を表し、R101乃至R112は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、ハロゲン、(C6−C60)アリール、シアノ、もしくは(C5−C60)シクロアルキルを表すか、またはR101乃至R112のそれぞれは、隣接した置換基とアルキレンもしくはアルケニレンで連結されて、(C5−C7)スピロ環もしくは(C5−C9)縮合環を形成することができ、またはそのそれぞれはR67もしくはR68とアルキレンもしくはアルケニレンで連結されて、(C5−C7)縮合環を形成することができる。
【0103】
【化54】

【0104】
化学式10において、R91乃至R94は、互いに独立して、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表すか、またはそのそれぞれは隣接した置換基と、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
前記R91乃至R94のアルキルもしくはアリール、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル及び(C6−C60)アリールから選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよい。
【0105】
【化55】

【0106】
化学式13において、リガンドL11及びL12は、互いに独立して下記構造から選ばれる:
【0107】
【化56】

【0108】
は2価または3価の金属であり;
が2価の金属である場合にはyは0であり、Mが3価の金属である場合にはyは1であり;
Qは、(C6−C60)アリールオキシまたはトリ(C6−C60)アリールシリルを表し、前記Qのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールによってさらに置換されてよく;
XはO、SまたはSeを表し;
環Aは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジンまたはキノリンを表し;
環Bは、ピリジンまたはキノリンを表し、かつ環Bは、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル置換基を有するもしくは有しないフェニルまたはナフチルによってさらに置換されてよく;
201乃至R204は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルもしくは(C6−C60)アリールを表すか、またはそのそれぞれは隣接した置換基と、(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて縮合環を形成することができ、前記ピリジンもしくはキノリンは、R201と化学結合をなして縮合環を形成することができ;
前記環A、もしくは前記R201乃至R204のアリール基は、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたはアミノ基によってさらに置換されてもよい。
【0109】
【化57】

【0110】
化学式14において、Ar41及びAr42は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、モノもしくはジ−(C6−C60)アリールアミノ、モノもしくはジ−(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選ばれた1つ以上のへテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、または(C3−C60)シクロアルキルを表すか;またはAr41とAr42は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
iが1である場合には、Ar43は、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造式
【0111】
【化58】

【0112】
のものにより表されるアリール基を表し;
iが2である場合には、Ar43は、(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレンまたは下記構造式
【0113】
【化59】

【0114】
のものにより表されるアリーレンを表し;
式中、Ar44及びAr45は、互いに独立して、(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
211乃至R213は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールを表し;
jは1〜4の整数であり、kは0または1の整数であり;
前記Ar41及びAr42のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル;前記Ar41とAr42からアルキレンもしくはアルケニレンで形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環;前記Ar43のアリール、ヘテロアリール、アリーレンもしくはヘテロアリーレン、または前記Ar44及びAr45のアリーレンもしくはヘテロアリーレン;またはR211乃至R213のアルキルもしくはアリールは、ハロゲン、重水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、モノもしくはジ−(C1−C60)アルキルアミノ、モノもしくはジ−(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、 (C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、(C6−C60)アリールオキシカルボニル、(C1−C60)アルコキシカルボニルオキシ、(C1−C60)アルキルカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールオキシカルボニルオキシ、(C1−C60)アルキルカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよい。
【0115】
【化60】

【0116】
化学式15において、R601乃至R604は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた1つ以上のへテロ原子を含む5員または6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、(C6−C60)アリールオキシカルボニル、(C1−C60)アルコキシカルボニルオキシ、(C1−C60)アルキルカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールオキシカルボニルオキシ、(C1−C60)アルキルカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR601乃至R604のそれぞれは隣接した置換基と、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
前記R601乃至R604のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または隣接した置換基と縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンで連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は、ハロゲン、重水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、(C6−C60)アリールオキシカルボニル、(C1−C60)アルコキシカルボニルオキシ、(C1−C60)アルキルカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールオキシカルボニルオキシ、(C1−C60)アルキルカルボニルオキシ、(C6−C60)アリールカルボニルオキシ、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選ばれた1種以上の置換基によってさらに置換されてよい。
【0117】
500nm以下の波長の電界発光ピークを有する化合物または560nm以上の波長の電界発光ピークを有する化合物は、下記化合物で例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
【化61】

【0119】
【化62】

【0120】
【化63】

【0121】
【化64】

【0122】
【化65】

【0123】
【化66】

【0124】
【化67】

【0125】
【化68】

【0126】
【化69】

【0127】
【化70】

【0128】
【化71】

【0129】
【化72】

【0130】
本発明の電界発光素子において、カルコゲナイド(chalcogenide)層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択された1以上の層(以下、「表面層」とも称する)を、電極の対の少なくとも一方側の内側表面上に配置することが好ましい。特に、EL媒体層(EL medium layer)の陽極表面上にケイ素及びアルミニウム金属のカルコゲナイド(酸化物を含む)層を配置し、EL媒体層の陰極表面上に金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、駆動の安定性が得られうる。
カルコゲナイドの例には、好ましくは、SiO(1≦x≦2)、AlO(1≦x≦1.5)、SiON、SiAlONなどが挙げられる。金属ハロゲン化物の例には、好ましくは、LiF、MgF、CaF、希土類金属のフッ化物などが挙げられる。金属酸化物の例には、好ましくは、CsO、LiO、MgO、SrO、BaO、CaOなどが挙げられる。
【0131】
本発明の電界発光素子において、このようにして製造された電極の対の少なくとも一方の表面に、電子輸送化合物と還元性(reductive)ドーパントとの混合領域、または正孔輸送化合物と酸化性(oxidative)ドーパントとの混合領域を配置することも好ましい。これにより、電子輸送化合物はアニオンに還元されるので、この混合領域からEL媒体への電子の注入及び輸送が容易になる。更に、正孔輸送化合物が酸化されてカチオンを形成するので、この混合領域からEL媒体への正孔の注入及び輸送が容易になる。好ましい酸化性ドーパントとしては、種々のルイス酸及びアクセプター(acceptor)化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【0132】
本発明による有機電界発光化合物は、高い発光効率、並びに材料の優れた色純度及び寿命特性を有するので、本発明による有機電界発光化合物は、優れた駆動寿命を有する有機発光ダイオード(OLED)を製造するために使用されうるという長所がある。
【0133】
最良の形態
本発明による有機電界発光化合物、その製造、およびそれから製造された素子の発光特性に関して、代表的な化合物を参照することにより本発明がさらに説明されるが、これらの実施例は本発明のよりよい理解および実施態様の例示のためだけに提供されるのであり、何らかの手段によって本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0134】
製造例
[製造例1]化合物213の製造
【化73】

【0135】
化合物Aの製造
3−アミノピリジン 20g(212.5mmol)、2−ブロモピリジン 31.09ml(318.7mmol)、Pd(dba) 3.8g(4.25mmol)、Pcy(トリシクロヘキシルホスフィン)2.38(8.50mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 61.28(637.61mmol)、およびトルエン500mLを反応容器に入れて、混合物を110℃で12時間攪拌した。反応混合物を常温に冷却し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して、化合物A 10g(27.48%)を得た。
【0136】
化合物Bの製造
2−ブロモナフタレン 44.1g(270.7mmol)を乾燥テトラヒドロフラン溶媒(500mL)に溶解し、これにn−ブチルリチウム(n−ヘキサン中の2.5M溶液)(130.0mL、324.9mmol)を−78℃で徐々に滴下添加した。1時間攪拌した後、2,7−ジクロロアントラセン−9,10−ジオン 30.0g(108.3mmol)を添加して、温度を徐々に室温まで高めながら、この混合物を攪拌した。17時間後、これに水を添加し、得られた混合物を30分間攪拌した。混合物を酢酸エチル 500mLで抽出し、有機層を水500mLで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で蒸留し、乾燥して、化合物B 21.3g(47.8mmol)を得た。
【0137】
化合物Cの製造
化合物B 21.3g(47.8mmol)、ヨウ化カリウム 31.7g(191.2mmol)、ジ亜リン酸ナトリウム(sodium hydrophosphite)40.5g(382.4mmol)、および酢酸300mLを反応容器に入れて、混合物を120℃で還流下で攪拌した。15時間後に、水500mLを添加し、得られた混合物を1時間攪拌した。減圧下で濾過して集めた沈殿物を水300mLで3回、アセトン300mLで1回洗浄した後、乾燥して化合物C 12.5g(30.4mmol)を得た。
【0138】
化合物213の製造
化合物C 12.5g(30.4mmol)、化合物A 15.4g(91.2mmol)、酢酸パラジウム 0.34g(1.52mmol)、トリブチルホスフィン 0.6g(3.0mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 9.3g(97.3mmol)、およびトルエン250mLを反応容器に入れて、混合物を窒素雰囲気下で還流下で攪拌した。8時間後、反応混合物を室温に冷却した後、酢酸エチル400mLで抽出した。抽出物を減圧下で乾燥し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:n−ヘキサン=5:1)で精製して、目的化合物(化合物213)9.2g(44%)を得た。
【0139】
[製造例2]化合物2589の製造
【化74】

【0140】
化合物Aの製造
3−アミノピリジン 20g(212.5mmol)、2−ブロモピリジン 31.09mL(318.7mmol)、Pd(dba) 3.8g(4.25mmol)、Pcy(トリシクロヘキシルホスフィン)2.38(8.50mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 61.28(637.61mmol)、およびトルエン500mLを反応容器に入れて、混合物を110℃で12時間攪拌した。常温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸留した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して、化合物A 10g(27.48%)を得た。
【0141】
化合物Bの製造
2−ブロモナフタレン 44.1g(270.7mmol)を乾燥テトラヒドロフラン溶媒500mLに溶解した後、−78℃でそれにn−ブチルリチウム(n−ヘキサン中の2.5M溶液)130.0mL(324.9mmol)を徐々に適加した。1時間攪拌した後、これに2,6−ジブロモアントラセン−9,10−ジオン 30.0g(108.3mmol)を添加して、得られた混合物を、温度を徐々に室温に高めながら攪拌した。17時間後、水を添加し、混合物を30分間攪拌して、酢酸エチル500mLで抽出した。抽出物を水500mLで洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で蒸留し、乾燥させて化合物B 21.3g(47.8mmol)を得た。
【0142】
化合物Cの製造
化合物B 7.0g(14.51mmol)、ヨウ化カリウム(KI)9.64g(58.06mmol)、およびリン酸二水素ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)9.24g(87.12mmol)を酢酸150mLに溶解し、その溶液を還流下で攪拌した。14時間後に、反応混合物を25℃に冷却した後、水酸化ナトリウム溶液200mLを添加してこの混合物を中和した。この混合物を水400mLで洗浄した後、ジクロロメタン溶媒300mLで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、フィルタ濾過し、溶媒を減圧下で除去した。このようにして得られた化合物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン=1/100)で精製して、化合物C 4.49g(10.0mmol)を得た。
【0143】
化合物2589の製造
化合物C 7g(11.89mmol)、化合物A 6.1g(35.69mmol)、Pd(OAc) 0.13g(0.59mmol)、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(トルエン中50%)0.58mL(1.18mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 4.57g(47.56mmol)、およびDMF100mLを反応容器に入れて、混合物を140℃で12時間攪拌した。常温に冷却したあと、この混合物に蒸留水100mLを添加し、生成した固体を減圧下で濾過した。濾過で得られた固体をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製して、化合物2589 (3.7g、40.47%)を得た。
【0144】
製造例1および2と同じ手順に従って、下記表1および表2に示される有機電界発光化合物(化合物1〜4752)を製造した。そのH NMR及びMS/FABデータが表3に示される。
【0145】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0146】
【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0147】
【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0148】
【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【0149】
【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【0150】
【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【0151】
【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【0152】
【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【0153】
【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【0154】
【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【0155】
【表51】

【表52】

【表53】

【表54】

【表55】

【0156】
【表56】

【表57】

【表58】

【表59】

【表60】

【0157】
【表61】

【表62】

【表63】

【表64】

【表65】

【0158】
【表66】

【表67】

【表68】

【表69】

【表70】

【0159】
【表71】

【表72】

【表73】

【表74】

【表75】

【0160】
【表76】

【表77】

【表78】

【表79】

【表80】

【0161】
【表81】

【表82】

【表83】

【表84】

【表85】

【0162】
【表86】

【表87】

【表88】

【表89】

【表90】

【0163】
【表91】

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【0164】
【表96】

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【表100】

【0165】
【表101】

【表102】

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【表104】

【表105】

【0166】
【表106】

【表107】

【表108】

【表109】

【表110】

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【表111】

【表112】

【表113】

【表114】

【表115】

【0168】
【表116】

【表117】

【表118】

【表119】

【表120】

【0169】
【表121】

【表122】

【表123】

【表124】

【表125】

【0170】
【表126】

【表127】

【表128】

【表129】

【表130】

【0171】
【表131】

【表132】

【表133】

【表134】

【0172】
【表135】

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【表139】

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【0173】
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【表143】

【表144】

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【0174】
【表146】

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【表156】

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【0177】
【表161】

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【表173】

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【0180】
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【表178】

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【0181】
【表181】

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【表183】

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【0182】
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【表187】

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【表190】

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【0184】
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【表197】

【表198】

【表199】

【表200】

【0185】
【表201】

【表202】

【表203】

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【表205】

【0186】
【表206】

【表207】

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【0187】
【表211】

【表212】

【表213】

【表214】

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【0188】
【表216】

【表217】

【表218】

【表219】

【表220】

【0189】
【表221】

【表222】

【表223】

【表224】

【表225】

【0190】
【表226】

【表227】

【表228】

【表229】

【表230】

【0191】
【表231】

【表232】

【表233】

【表234】

【表235】

【0192】
【表236】

【表237】

【表238】

【表239】

【表240】

【0193】
【表241】

【表242】

【表243】

【表244】

【表245】

【0194】
【表246】

【表247】

【表248】

【表249】

【表250】

【0195】
【表251】

【表252】

【表253】

【表254】

【表255】

【0196】
【表256】

【表257】

【表258】

【表259】

【表260】

【0197】
【表261】

【表262】

【表263】

【表264】

【表265】

【0198】
【表266】

【表267】

【表268】

【0199】
【表269】

【表270】

【表271】

【表272】

【表273】

【0200】
【表274】

【表275】

【表276】

【表277】

【0201】
【表278】

【表279】

【表280】

【表281】

【0202】
[実施例1]本発明の有機電界発光化合物を使用することによるOLEDの製造
本発明による電界発光化合物を用いてOLED素子を製造した。
まず、OLED用ガラス(三星−コーニング社製造)(1)から調製された透明電極ITO薄膜(15Ω/□)(2)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール、蒸留水を順に使用して超音波洗浄を行い、使用するまでイソプロパノール中で保管した。
次に、真空蒸着装置の基体フォルダにITO基体を備え付け、真空蒸着装置のセル内に4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)(この構造は下に示される)を入れて、次いで、チャンバー内の真空度が10−6torrに至るまで排気した。セルに電流を適用して2−TNATAを蒸発させ、それによりITO基体上に60nm厚の正孔注入層(3)を蒸着した。
【0203】
【化75】

【0204】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)(この構造は下に示される)を入れて、セルに電流を適用してNPBを蒸発させ、それにより正孔注入層上に20nm厚の正孔輸送層(4)を蒸着した。
【0205】
【化76】

【0206】
正孔注入層および正孔輸送層を形成した後、電界発光層を次のようにして蒸着した。真空蒸着装置の一方のセルに、ホストとしてH−62(この構造は下に示される)を入れて、他方のセルには、ドーパントとして本発明による化合物(化合物2717)を入れた。二つの物質を異なる速度で蒸発させ、ホストを基準に2〜5重量%でドーピングすることにより、正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層(5)を蒸着した。
【0207】
【化77】

【0208】
次いで、電子輸送層(6)としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III) (Alq)(この構造は下に示される)を20nmの厚さで蒸着し、電子注入層(7)としてリチウムキノレート(Liq)(この構造は下に示される)を1〜2nmの厚さで蒸着した。その後、別の真空蒸着装置を用いてAl陰極(8)を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0209】
【化78】

【0210】
OLEDの製造に使用されたそれぞれの材料は、10−6torr下の真空昇華で精製した後に、電界発光材料として使用された。
【0211】
[比較例1]従来の電界発光材料を使用することによるOLEDの製造
実施例1に記載されるのと同様の手順に従って、正孔注入層(3)および正孔輸送層(4)を形成した後、前記真空蒸着装置の一方のセルにジナフチルアントラセン(DNA)を入れて、他のセルにDSA−Ph(その構造は下に示される)を入れた。二つのセルを共に加熱し、2〜5重量%の蒸着率でDSA−Phを蒸着させて、正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層(5)を形成した。
【0212】
【化79】

【0213】
次いで、実施例1と同様の手順に従って、電子輸送層(6)および電子注入層(7)を蒸着した後、別の真空蒸着装置を使用して、その上にAl陰極(8)を150nm厚で蒸着し、OLEDを製造した。
【0214】
[比較例2]従来の電界発光材料を使用することによるOLEDの製造
実施例1に記載されるのと同様の手順に従って、正孔注入層および正孔輸送層を形成した後、前記真空蒸着装置の他のセルに、電界発光ホスト材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)−アルミニウム(III)(Alq)を入れて、一方、他のセルにクマリン545T(Coumarin 545T;C545T)を入れた。二つの物質を異なる速度で蒸発させてドーピングし、それにより正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層を蒸着した。ドーピング濃度は、Alq基準で1〜3重量%が好ましい。
【0215】
【化80】

【0216】
次いで、実施例1と同様の手順に従って、電子輸送層および電子注入層を蒸着した後、別の真空蒸着装置を使用して、Al陰極を150nm厚で蒸着し、OLEDを製造した。
【0217】
[実施例2]製造されたOLEDの電界発光特性
本発明による有機EL化合物(実施例1)または従来のEL化合物(比較例1および2)を含むOLEDの発光効率を5,000cd/mで測定した。そして、その結果が表4に示される。
【0218】
【表282】

【0219】
表4に認められうるように、本発明の有機EL化合物を使用する青色OLEDは、比較例1のDNA:DSA−Phを使用するものに匹敵する発光効率を示したが、比較例1のDNA:DSA−Phを使用するものと比較してより良好な色純度を示し、「発光効率/Y」の値(これは、量子効率と類似する傾向を有する)が従来の材料の素子よりもより高かったことが認められる。特に、化合物2717は、従来の電界発光材料と比較して約40%以上増強された「発光効率/Y」の値を示した。
また、本発明のEL材料が緑色電界発光素子に適用された場合、表4に認められうるように、本発明の素子は従来のAlq:C545T(比較例2)を使用する素子と比較して、2倍を超える発光効率を示した。
【0220】
以上のように、本発明の有機電界発光化合物は高効率の青色または緑色の電界発光材料として使用可能である。さらに、この化合物をドーパント材料として使用する電界発光素子は、色純度において著しい向上を示した。色純度と発光効率の両方の向上というこれらの結果は、本発明のEL材料の有利な特性を示すものである。
【符号の説明】
【0221】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電界発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Al陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1または化学式2により表される有機電界発光化合物:
【化1】

前記化学式1及び化学式2において、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C3−C60)シクロアルキル、(C4−C60)トリシクロアルキル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、スピロビフルオレニル、ハロゲン、シアノ、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルを表し;
前記R及びRのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、トリシクロアルキル、ビシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、シアノ、(C6−C60)アリール、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキルおよび(C6−C60)アリール(C1−C60)アルコキシから選ばれた1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
Ar乃至Arは、互いに独立して、N、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリールを表すが、ただし前記Ar乃至Arのヘテロアリールがピリジルを表す場合には、Ar、Ar、Ar及びArのうちの少なくとも2つがピリジルを表す。
【請求項2】
及びRが、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、ベンジル、エテニル、フェニルエテニル、エチニル、フェニルエチニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[4.1.1]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、オクタヒドロ−1H−インデニル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、4−ペンチルビシクロ[2.2.2]オクチル、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、トリシクロ[5.3.1.1]ドデシル、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデシル、アダマンチル、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデシル、トリシクロ[4.4.1.11,5]ドデシル、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ、チオモルホリノ、スピロビフルオレニル、フルオロ、シアノ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(tert−ブチル)シリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリルまたはトリフェニルシリルを表し;
前記フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、またはベンゾオキサゾリルが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、フルオロ、シアノ、フェニル、ナフチル、9,9−ジメチル−9H−フルオレニル、9,9−ジフェニル−9H−フルオレニル、アントリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(tert−ブチル)シリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、トリフェニルメチルおよびトリフェニルメトキシから選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよい、請求項1に記載の有機電界発光化合物。
【請求項3】
Ar乃至Arが、互いに独立して、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1,2,3−チアジアゾル−4−イル、1,2,3−チアジアゾル−5−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,5−チアジアゾル−2−イル、1,3,5−チアジアゾル−4−イル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾル−4−イル、1,2,3−オキサジアゾル−5−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,3,5−オキサジアゾル−2−イル、1,3,5−オキサジアゾル−4−イル、2−フラニル、3−フラニル、3−フラザニル、2−チエニル、3−チエニル、1H−テトラゾル−5−イル、1H−テトラゾル−1−イル、2H−テトラゾル−5−イル、2H−テトラゾル−2−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル、2H−1,2,3−トリアゾル−2−イル、2H−1,2,3−トリアゾル−4−イル、2H−1,2,3−トリアゾル−5−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、1,2,3−トリアジン−4−イル、1,2,3−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,3,4−テトラジン−5−イルおよび1,2,3,5−テトラジン−4−イルを表す、請求項2に記載の有機電界発光化合物。
【請求項4】
第1の電極;第2の電極;及び前記第1の電極と第2の電極との間に設けられる少なくとも1つの有機層;とを含んでなる有機電界発光素子であって、
前記有機層が、下記化学式1または化学式2により表される有機電界発光化合物と、下記化学式3または4により表される化合物から選ばれる1種以上のホストとを含む、有機電界発光素子:
【化2】

(前記化学式1及び化学式2において、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C3−C60)シクロアルキル、(C4−C60)トリシクロアルキル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、スピロビフルオレニル、ハロゲン、シアノ、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルを表し;
前記R及びRのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、トリシクロアルキル、ビシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、シアノ、(C6−C60)アリール、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキルおよび(C6−C60)アリール(C1−C60)アルコキシから選ばれた1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
Ar乃至Arは、互いに独立して、N、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリールを表すが、ただし前記Ar乃至Arのヘテロアリールがピリジルを表す場合には、Ar、Ar、Ar及びArのうちの少なくとも2つがピリジルを表す):
【化3】

(前記化学式3および化学式4において、
は(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)へテロアリーレンを表し;
はアントラセニレンを表し;
Ar11乃至Ar14は、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルおよび(C6−C60)アリールから選ばれ;
前記Ar11乃至Ar14のシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、重水素、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれた1種以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、重水素、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
b、c、d及びeは、互いに独立して、0〜4の整数を表す)。
【請求項5】
有機層が、アリールアミン系化合物およびスチリルアリールアミン系化合物からなる群から選ばれた1種以上の化合物を含む、請求項4に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
有機層が、元素の周期表の第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタン系列金属、並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選ばれる1種以上の金属を含む、請求項4に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
500nm以下の波長の電界発光ピークを有する化合物および560nm以上の波長の電界発光ピークを有する化合物から選ばれる1種以上を含む有機電界発光ディスプレイである、請求項4に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
有機層が電界発光層及び電荷発生層を含む、請求項4に記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
電極の対のうちの一方または両方の電極の内側表面上に、還元性ドーパントと有機物質との混合領域、または酸化性ドーパントと有機物質との混合領域が配置されている、請求項4に記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
下記化学式1または化学式2によって表される有機電界発光化合物を含む有機太陽電池:
【化4】

(前記化学式1及び化学式2において、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C3−C60)シクロアルキル、(C4−C60)トリシクロアルキル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、スピロビフルオレニル、ハロゲン、シアノ、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルを表し;
前記R及びRのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、トリシクロアルキル、ビシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、シアノ、(C6−C60)アリール、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキルおよび(C6−C60)アリール(C1−C60)アルコキシから選ばれた1種以上の置換基によってさらに置換されてよく;
Ar乃至Arは、互いに独立して、N、O及びSから選ばれる1乃至4つのヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリールを表すが、ただし前記Ar乃至Arのヘテロアリールがピリジルを表す場合には、Ar、Ar、Ar及びArのうちの少なくとも2つがピリジルを表す)。

【図1】
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【公開番号】特開2009−215559(P2009−215559A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−83395(P2009−83395)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】