説明

新規な2−ヘテロアリール置換インドール695

本発明は、以下の構造式(Ia):
【化1】


を有する新規な2−ヘテロアリール置換インドール誘導体、それらの前駆体、及び上記化合物の治療的使用:並びにそれらの薬学的に許容しうる塩、組成物及び使用方法に関する。さらに、本発明は、生存患者においてアミロイド沈着を画像化するために適した新規な2−ヘテロアリール置換インドール誘導体、それらの組成物、使用方法及び上記化合物を製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、インビボで脳中のアミロイド沈着を画像化して、アルツハイマー病の生前診断、さらにはアルツハイマー病治療剤の臨床的有効性を測定することを可能にする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な2−ヘテロアリール置換インドール誘導体及び上記化合物の治療的使用に関する。さらに、本発明は、生存患者におけるアミロイド沈着を画像化するために適切である新規な2−ヘテロアリール置換インドール誘導体、それらの組成物、使用方法、及び上記化合物を製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、アルツハイマー病の生体診断を可能にし、さらにアルツハイマー病治療剤の臨床的有効性を測定することを可能にする、インビボでの脳中アミロイド沈着を画像化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイド症は、1つ又はそれ以上の臓器又は体組織における蛋白質の異常沈着を特徴とする、原因不明の進行性、不治の代謝性疾患である。アミロイド蛋白は、例えば、骨髄の機能不全によって形成される。蓄積したアミロイド沈着物が正常な身体機能を障害する場合に発症するアミロイド症は、臓器不全又は死を引き起こす可能性がある。これは100万人につき約8人に発症する稀な疾患である。これは男性と女性で同等に罹患し、通常40歳以後に発症する。少なくとも15種類のアミロイド症が確認されている。各々は異なる種類の蛋白質の沈着物を伴う。
【0003】
アミロイド症の主要臨床型は、原発性全身性、続発性、及び家族性又は遺伝性アミロイド症である。アルツハイマー病を伴う別の臨床型のアミロイド症もある。原発性全身性アミロイド症は、通常50歳と60歳の間に発症する。毎年診断される約2,000の新たな症例では、原発性全身性アミロイド症は米国における本疾患の最も一般的な臨床型である。軽鎖関連アミロイド症としても知られているように、これは多発性骨髄腫(骨髄癌)に合併して発症する可能性もある。続発性アミロイド症は、慢性感染症又は炎症性疾患の結果である。またこれは、しばしば、家族性地中海熱(悪寒、衰弱、頭痛、及び回帰熱を特徴とする細菌感染症)、肉芽腫性回腸炎(小腸の炎症)、ホジキン病、ハンセン病、骨髄炎及び関節リウマチを伴う。
【0004】
家族性又は遺伝性アミロイド症は、本疾患の唯一の遺伝型である。これは大多数の人種群の構成員で発生し、各々の家族で異なるパターンの症状と臓器障害を呈する。遺伝性アミロイド症は常染色体優性と考えられ、ただ1つの欠損遺伝子のコピーが、その疾患の惹起に必要なことを意味する。家族性アミロイド症を有する親の子供は、本疾患発症の50%のリスクを有する。
【0005】
アミロイド症は体内のいずれの臓器又は器官系にも関わり得る。心臓、腎臓、胃腸系、及び神経系が最も頻繁に冒される。アミロイド蓄積の他の一般的な部位としては、脳、関節、肝臓、脾臓、膵臓、呼吸器系、及び皮膚が挙げられる。
【0006】
アルツハイマー病(AD)は、正常な日常生活活動を妨げるほど重度の知能欠如、少なくとも6か月の持続、そして出生時には存在しないことを特徴とする神経疾患である、認知症の最も一般的な臨床型である。ADは通常高齢で発症し、そして想起、推論及び計画などの認知機能の低下により特徴付けられる。
【0007】
200から400万人のアメリカ人がADに罹患し;その数は21世紀の中頃までには全年代の人口として1,400万人に増加すると予測されている。40歳代や50歳代で本疾患を発症する人の数は少ないが、ADは主に高齢者で発症する。ADは65から74歳の人全体の約3%、75から84歳の人の約20%、そして85歳以上の人の約50%に発症する。女性が長寿傾向であることを考えても、男性よりやや多い数の女性がADに罹患し、従って最大発症年齢層では女性が高めの割合である。
【0008】
脳におけるアミロイドAβ−ペプチドの蓄積は、ADの全臨床型の病理学的特徴である。脳内のアミロイドAβ−ペプチドの沈着は、ADの病理を推進する主要な作用であることが一般的に認められている(非特許文献1)。
【0009】
陽電子放出断層撮影法(PET)及び単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの画像化技術は、脳内のアミロイド沈着物の蓄積をモニタリングし、またそれをADの進行に相関させるのに有効である(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。これらの技術の応用は、脳内に容易に進入してインビボでアミロイド沈着物に選択的に結合する、放射性リガンドの開発を必要とする。
【0010】
血液脳関門を通過でき、そしてその結果診断に使用できるアミロイド結合性化合物の必要性が存在する。更に、ADプラークレベルの変化を測定することにより上記処置の効果を測定することによって、AD患者に施される治療の有効性をモニターできることが重要である。
【0011】
インビボでのアミロイド沈着物に対する高い親和性と高く速やかな脳への進入の他に、検出可能なアミロイド結合性化合物の特に注目する性質としては、正常組織への低い非特異性結合と同部位からの速やかな除去が挙げられる。これらの性質は、通常その化合物の疎水性に依存する(非特許文献4)。アミロイドプラークの画像化のために提案された低分子の中では、役立つ可能性のあるチオフラビンTのいくつかの非荷電類縁体が合成されている(非特許文献6)。異なる等比体積の複素環が、有効なアミロイド結合リガンドとして報告されている(非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9)。インドール誘導体は、アミロイド生成性ペプチドに関連する使用について以前に記載されており(特許文献1)、そしていくつかのインドール誘導体は、アミロイド画像化剤としての使用について以前に記載されている(特許文献2、特許文献3)。全脳領域にわたるアミロイド沈着物の詳細検出を可能にするのに十分な、高い信号対雑音比を得るための改善された化合物、及び薬剤治療に関連したアミロイドプラーク負荷に関する定量的研究における、改善された信頼性を提供する必要性がある。本発明は、アミロイド画像化剤としての使用及びアミロイド関連疾患の処置のための新規な2−ヘテロアリール置換インドール誘導体を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO1995017095
【特許文献2】WO04083195
【特許文献3】WO2002085903
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Hardy J及びSelkoe D.J., Science. 297: 353−356, 2002
【非特許文献2】Shoghi−Jadidら The American journal of geriatric psychiatry 2002, 10, 24
【非特許文献3】Miller, Science, 2006, 313, 1376
【非特許文献4】Coimbraら Curr. Top. Med. Chem. 2006, 6, 629;
【非特許文献5】Nordberg, Lancet Neurol. 2004, 3, 519
【非特許文献6】Mathisら J. Med. Chem. 2003, 46, 2740
【非特許文献7】Caiら J. Med. Chem. 2004, 47, 2208
【非特許文献8】Onoら J. Med. Chem. 2006, 49, 2725
【非特許文献9】Jeongら Nucl. Med. Biol. 2006, 33, 811
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の局面において、遊離塩基又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての、式Ia
【化1】

[式中、
R1は、H、ハロ、メチル、C1-5フルオロアルキル、C1-3アルキレンOC1-3アルキル、C1-3アルキレンOC1-3フルオロアルキル(fluorolkyl)、C1-3アルキレンNH2、C1-3アルキレンNHC1-3アルキル、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)2、C1-3アルキレンNHC1-3フルオロアルキル、C1-3アルキレンN(C1-3フルオロアルキル)2、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1-5フルオロアルコキシ、C1-5アルキルチオ、C1-5フルオロアルキルチオ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルコキシ、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、NHSO21-3アルキル、NHSO21-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルキル、(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルコキシ、(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)NH2、(CO)NHC1-3アルキル、(CO)NHC1-3フルオロアルキル、(CO)N(C1-3アルキル)2、(CO)N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、(CO)N(C4-6アルキレン)、(CO)N(C4-6フルオロアルキレン)、シアノ、SO2NHC1-3フルオロアルキル、ニトロ及びSO2NH2より選択され;
R2は、H、ハロ、メチル、C1-5フルオロアルキル、C1-3アルキレンOC1-3アルキル、C1-3アルキレンOC1-3フルオロアルキル(fluorolkyl)、C1-3アルキレンNH2、C1-3アルキレンNHC1-3アルキル、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)2、C1-3アルキレンNHC1-3フルオロアルキル、C1-3アルキレンN(C1-3フルオロアルキル)2、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1-5フルオロアルコキシ、C1-5アルキルチオ、C1-5フルオロアルキルチオ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルコキシ、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、NHSO21-3アルキル、NHSO21-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルキル、(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルコキシ、(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)NH2、(CO)NHC1-3アルキル、(CO)NHC1-3フルオロアルキル、(CO)N(C1-3アルキル)2、(CO)N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、(CO)N(C4-6アルキレン)、(CO)N(C4-6フルオロアルキレン)、シアノ、SO2NHC1-3フルオロアルキル、ニトロ及びSO2NH2より選択され;又は
【0015】
R1及びR2は、環:
【化2】

を共に形成し、
【0016】
Qは、Q2からQ10より選択される窒素含有芳香族複素環であり;
【化3】

ここで
Q2は1個又は2個のN原子を含有する6員芳香族複素環であり、X1、X2、X3及びX4はN又はCより独立して選択され;そしてここでX1、X2、X3及びX4の1つ又は2つがNであり、残りがCであり、そして該X1がCである場合、該CはR4で場合により置換され;そして該X2がCである場合、該CはR5で場合により置換され;
【0017】
R3は、メトキシ、C1-4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)NH2、(CO)C1-3アルコキシ、メチルチオ、C1-6フルオロアルキルチオ、SO2NH2、N(C4-6アルキレン)及びG1より選択され;
【化4】

【0018】
5は、O、NH、NC1-3アルキル及びN(CO)Ot−ブチルより選択され;
G2は、フルオロ及びヨードより選択される置換基で場合により置換されるフェニルであり;
R4はH、及びハロより選択され;
R5はH、フルオロ、ブロモ及びヨードより選択され;
R6はH、メチル及び(CH20-4CH2Fより選択され;
R7は、H、メチル、(CO)C1-4アルコキシ及び(CH20-4CH2Fより選択され;
ここで場合により、構成原子の1個又はそれ以上は検出可能な同位体である]
の化合物が提供されるが、
【0019】
ただし以下の化合物
【化5】

は除外される。
【0020】
本発明の別の局面において、R4がH、フルオロ、ブロモ及びヨードより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0021】
本発明の別の局面において、R1は、H、ハロ、メチル、C1-5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1-5フルオロアルコキシ、メチルチオ、C1-5フルオロアルキルチオ、アミノ、NHメチル、NHC1-3フルオロアルキル、N(CH3)CH3、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルコキシ、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、NHSO21-3アルキル、NHSO21-3フルオロアルキル、(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルコキシ、(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)NH2、(CO)NHC1-3フルオロアルキル、シアノ、SO2NHC1-3フルオロアルキル、ニトロ及びSO2NH2より選択され;又は
R1及びR2は環:
【化6】

を共に形成する、式Iaの化合物が提供される。
【0022】
本発明の別の局面において、R1が、H、フルオロ、ヨード、メチル、C1-5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、C1-5フルオロアルコキシ、メチルチオ、アミノ、NHメチル、NHC1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)C1-3アルコキシ及び(CO)NH2より選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0023】
本発明の別の局面において、R1がH、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0024】
本発明の別の局面において、R2が、H、フルオロ、ヨード、C1-5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、(CO)NH2、シアノ及びメチルチオより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0025】
本発明の別の局面において、R2が、H、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0026】
本発明の別の局面において、R2がHである式Iaの化合物が提供される。
【0027】
本発明の別の局面において、QがQ2である式Iaの化合物が提供される。
【0028】
本発明の別の局面において、QがQ3〜Q10より選択される式Iaの化合物が提供される。
【0029】
本発明の別の局面において、Q2は、X3及びX4がN又はCより独立して選択され、そしてX3及びX4のうち1つがNであり、そしてX1、X2、X3及びX4の残りがCであるピリジン環である、式Iaの化合物が提供される。
【0030】
本発明の別の局面において、Q2は、X2及びX4がNであり、そしてX1及びX3がCであるピリミジン環である、式Iaの化合物が提供される。
【0031】
本発明の別の局面において、Q2は、X1及びX3がNであり、そしてX2及びX4がCであるピリミジン環である、式Iaの化合物が提供される。
【0032】
本発明の別の局面において、Q2は、X3及びX4がNであり、そしてX1及びX2がCであるピリダジン環である、式Iaの化合物が提供される。
【0033】
本発明の別の局面において、Q2は、X1及びX4がNであり、そしてX2及びX3がCであるか;又はX1及びX4がCであり、そしてX3がNであるピラジン環である、式Iaの化合物が提供される。
【0034】
本発明の別の局面において、R3はメトキシ、C1-4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)NH2、(CO)C1-3アルコキシ、メチルチオ、C1-6フルオロアルキルチオ、SO2NH2、及びG1より選択され;X5はO、NH及びNメチルより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0035】
本発明の別の局面において、R3はNHメチル、(CO)NH2、(CO)メトキシより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0036】
本発明の別の局面において、R4はH及びフルオロより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0037】
本発明の別の局面において、R4はHである、式Iaの化合物が提供される。
【0038】
本発明の別の局面において、R5はH及びフルオロより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0039】
本発明の別の局面において、R5はHである、式Iaの化合物が提供される。
【0040】
本発明の別の局面において、R6はH及びメチルより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0041】
本発明の別の局面において、R6はHである、式Iaの化合物が提供される。
【0042】
本発明の別の局面において、R7はH、メチル及び(CO)C1-4アルコキシより選択される、式Iaの化合物が提供される。
【0043】
本発明の別の局面において、R7はH又は(CO)C1-4アルコキシよである、式Iaの化合物が提供される。
【0044】
本発明の別の局面において、化合物が以下である、式Iaの化合物が提供される:
【化7】

【0045】
本発明の別の局面において、1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が検出可能な同位体13Cであるか、又は1個の構成原子が18F、11C、75Br、76Br、120I、123I、125I、131I及び14Cより選択される検出可能な同位体である化合物であって、以下:
【化8】

より選択される、化合物が提供される。
【0046】
この局面の一実施態様において、1個の構成原子が検出可能な同位体11Cであるような化合物が提供される。
【0047】
本発明の別の局面において、分子の原子の1個又はそれ以上が検出可能な同位体を表す、式Iaの化合物が提供される。
【0048】
本発明の別の局面において、1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が19F及び13Cより選択される検出可能な同位体であるか、又は1個の構成原子が18F、11C、75Br、76Br、120I、123I、125I、131I及び14Cより選択される検出可能な同位体である、式Iaの化合物が提供される。
【0049】
本発明の別の局面において、1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が検出可能な同位体19Fであるか、又は1個の構成原子が18F、11C及び123Iより選択される検出可能な同位体である、式Iaの化合物が提供される。
【0050】
本発明の別の局面において、1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が検出可能な同位体19Fであるか、又は1個の構成原子が18F及び11Cより選択される検出可能な同位体である、式Iaの化合物が提供される。
【0051】
本発明の別の局面において、1個の構成原子が検出可能な同位体11Cである、式Iaの化合物が提供される。
【0052】
本発明の別の局面において、1個の構成原子が検出可能な同位体18Fである、式Iaの化合物が提供される。
【0053】
本発明の別の局面において、遊離塩基又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての、式Ib:
【化9】

[式中、
Zは、1又は2個のN原子を含有する6員芳香族複素環であり、ここでX6、X7及びX8はN又はCより独立して選択され、そして1つ又は2つのX6、X7及びX8はNであり残りはCであり、そしてX6がCである場合、該Cは場合によりR9で置換され;
R8は、OSi(G3)3、OCH2G4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R9は、H、ブロモ、フルオロ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R10は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH2、O(CH22-4G7及びNH(CH22-4G7より選択され;
R11は、OSi(G3)3、OCH2G4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R12は、H、メチル、SO2N(CH32、SO2フェニル、SO2(p−メチル)フェニル、CO2CH2CCl3、CO2(CH22Si(CH32、CO2t−ブチル、Si(G3)3、P(=S)フェニル2、及び(CH22-4G7より選択され;
G3はC1-4アルキル及びフェニルより選択され;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1-3アルコキシ、2−(C1-3アルコキシ)エトキシ、C1-3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルより選択され;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルより選択され;
IG6+は、ヨードニウム塩の構成要素を表し、ここでヨード原子は超原子価であり、そして正の形式電荷を有し、ここでG6は、メチル及びブロモより選択される1つの置換基で場合により置換されるフェニルであり;
G7は、ブロモ、ヨード、OSO2CF3、OSO2CH3及びOSO2フェニルより選択され、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換され;
式Ibに関して、以下の条件:(1)R12はHである;(2)R8、R9、R10、R11より選択される置換基のうちの1つ又はいくつかが、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、NH(CH22-4G7、O(CH22-4G7、及び(CH22-4G7より選択される官能基の1つである;
の一方又は両方が満たされる]
の化合物であって;
【0054】
ただし、以下の化合物:
【化10】

は除外される、化合物が提供される。
【0055】
本発明の別の局面において、遊離塩基又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての、式Ib
【化11】

[式中、
Zは、1又は2個のN原子を含有する6員芳香族複素環であり、ここでX6、X7及びX8はN又はCより独立して選択され、そして1つ又は2つのX6、X7及びX8はNであり残りはCであり、そしてX6がCである場合(wherein)、該Cは場合によりR9で置換され、そしてX7がCである場合(wherein)、該Cは場合によりR9で置換され、そしてX8がCである場合(wherein)、該Cは場合によりR9で置換され;
R8は、OSi(G3)3、OCH2G4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R9は、H、ブロモ、クロロ、ヨード、フルオロ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R10は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、N(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH2、O(CH22-4G7及びNH(CH22-4G7より選択され;
R11は、OSi(G3)3、OCH2G4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R12は、H、メチル、SO2N(CH32、SO2フェニル、SO2(p−メチル)フェニル、CO2CH2CCl3、CO2(CH22Si(CH32、CO2t−ブチル、Si(G3)3、P(=S)フェニル2、及び(CH22-4G7より選択され;
G3はC1-4アルキル及びフェニルより選択され;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1-3アルコキシ、2−(C1-3アルコキシ)エトキシ、C1-3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルより選択され;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルより選択され;
IG6+は、ヨードニウム塩の構成要素を表し、ここでヨード原子は超原子価であり、そして正の形式電荷を有し、ここでG6は、メチル及びブロモより選択される1つの置換基で場合により置換されるフェニルであり;
G7は、ブロモ、ヨード、OSO2CF3、OSO2CH3及びOSO2フェニルより選択され、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換され;
式Ibに関して、以下の条件:(1)R12はHである;(2)R8、R9、R10、R11より選択される置換基のうちの1つ又はいくつかが、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、NH(CH22-4G7、N(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル、O(CH22-4G7、Si(G3)3、OCH2G4、及び(CH22-4G7より選択される官能基の1つである;
の一方又は両方が満たされる]
の化合物であって;
【0056】
ただし、以下の化合物:
【化12】

は除外される、化合物が提供される。
【0057】
本発明の別の局面において、R8はHであり;R10は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ及びNH(CH22-4G7より選択され;R11は、OSi(CH32C(CH33、H、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4 アルキル)3及びN2+より選択され;R12は、H、SO2(p−メチル)フェニル、CO2(CH22Si(CH32、CO2t−ブチル、Si(CH32C(CH33及びP(=S)フェニル2より選択される、式Ibの化合物が提供される。
【0058】
本発明の別の局面において、R8はHであり;R9は、H、フルオロ及びニトロより選択され;R10は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、NH(CH22-4G7、N(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル、(CO)NH2及びO(CH22-4G7より選択され;R11は、OSi(CH32C(CH33、H、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、OCH2G4、Sn(C1-4 アルキル)3及びN2+より選択され;R12は、H、SO2(p−メチル)フェニル、CO2(CH22Si(CH32、CO2t−ブチル、Si(CH32C(CH33及びP(=S)フェニル2より選択される、式Ibの化合物が提供される。
【0059】
本発明の別の局面において、Zは、X6、X7及びX8がCであるフェニル環である、式Ibの化合物が提供される。
【0060】
本発明の別の局面において、Zは、X6及びX7がCでありそしてX8がNであるピリジン環である、式Ibの化合物が提供される。
【0061】
本発明の別の局面において、Zは、X6及びX8がCでありそしてX7がNであるピリジン環である、式Ibの化合物が提供される。
【0062】
本発明の別の局面において、Zは、X6及びX8がNでありそしてX7がCであるピリミジン環である、式Ibの化合物が提供される。
【0063】
本発明の別の局面において、以下である式Ibの化合物が提供される:
【0064】
【化13】

【0065】
本発明の別の局面において、式Iaの標識された化合物の製造方法における合成前駆体としての、式Ibの化合物の使用が提供され、ここで該標識は1つの[11C]メチル基により構成される。
【0066】
本発明の別の局面において、式Iaの標識された化合物の製造方法における合成前駆体としての、式Ibの化合物の使用が提供され、ここで該標識は1個の18F原子により構成される。
【0067】
本発明の別の局面において、式Iaの標識された化合物の製造方法における合成前駆体としての、式Ibの化合物の使用が提供され、ここで該標識は120I、1231、125I及び131Iより選択される1個の原子により構成される。
【0068】
本発明の別の局面において、式Iaの化合物を、薬学的に許容しうる担体と共に含む医薬組成物が提供される。
【0069】
本発明の別の局面において、放射標識された式Iaの化合物を、薬学的に許容しうる担体と共に含む、アミロイド沈着のインビボ画像化のための医薬組成物が提供される。
【0070】
本発明の別の局面において、被験体においてアミロイド沈着をインビボで測定する方法であって、(a)放射標識された式Iaの化合物を薬学的に許容しうる担体と共に含む、検出可能な量の、アミロイド沈着のインビボ画像化のための医薬組成物を投与する工程、及び(b):被験体におけるアミロイド沈着への化合物の結合を検出する工程を含む、方法が提供される。
【0071】
この局面の一実施態様において、該検出は、ガンマ線画像化、磁気共鳴画像化及び磁気共鳴分光法より選択される技術の群により行われる。
【0072】
この局面の別の実施態様において、該被験体は、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体からなる群より選択される疾患又は症候群を有することが疑われる。
【0073】
本発明の別の局面において、治療における使用のための、式Iaの化合物が提供される。
【0074】
本発明の別の局面において、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体の予防及び/又は処置のための医薬の製造における式Iaの化合物の使用が提供される。
【0075】
本発明の別の局面において、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体の予防及び/又は処置の方法であって、該予防及び/又は処置を必要とする、ヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の式Iaの化合物を投与することからなる、方法が提供される。
【0076】
定義
本明細書で使用されるように、単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される「アルキル」、「アルキレニル」又は「アルキレン」は、1〜12個の炭素原子を有するか、又は特定の炭素原子数が提示される場合はその特定の数が意図される、分枝鎖及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図される。例えば、「C1-6アルキル」は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキル基を表す特定の数が整数0(零)の場合、アルキル基の位置において、水素原子が置換基として意図される。例えば、「N(C0アルキル)2」は、NH2(アミノ)と同等である。アルキレニル又はアルキレン基を表す特定の数が整数0(零)の場合、アルキレニル又はアルキレン基が置換される基を連結する結合を意図する。例えば、「NH(C0アルキレン)NH2」は、「NHNH2」(ヒドラジノ)と同等である。本明細書で使用されるアルキレン又はアルキレニル基により連結される基は、アルキレン又はアルキレニル基の最初の炭素原子及び最後の炭素原子に結合されることを意味する。メチレンの場合、最初及び最後の炭素原子が同一である。例えば、「N(C4アルキレン)」、「N(C5アルキレン)」及び「N(C2アルキレン)2NH」は、ピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルとそれぞれ同等である。
【0077】
アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0078】
アルキレン又はアルキレニルの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンが挙げられるがそれらに限定されない。
【0079】
本明細書で使用される、「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、酸素架橋を経由して結合する指示された数の炭素原子を有する、上記で定義されたアルキル基を表わす。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ及びプロパルギルオキシが挙げられるが、それらに限定されない。同様に、「アルキルチオ」又は「チオアルコキシ」は、硫黄架橋を経由して結合される指示された数の炭素原子を有する、上記で定義されたアルキル基を表わす。
【0080】
本明細書で、単独で又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される「フルオロアルキル」、「フルオロアルキレン」及び「フルオロアルコキシ」は、対応するアルキル、アルキレン及びアルコキシ基の炭素に結合する1、2又は3個の水素がフッ素で置換された基を意味する。フルオロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル及び3−フルオロプロピルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0081】
フルオロアルキレンの例としては、ジフルオロメチレン、フルオロメチレン、2,2−ジフルオロブチレン及び2,2,3−トリフルオロブチレンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0082】
フルオロアルコキシの例としては、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ及び2,2−ジフルオロプロポキシが挙げられるが、それらに限定されない。
【0083】
本明細書で使用される「芳香族の」は、芳香族特性(例えば、4n+2個の非局在化電子、ここでnは整数である)を有する1つ又はそれ以上の不飽和炭素環を有し、約14個までの炭素原子を含む炭化水素基を意味する。加えて、「ヘテロ芳香族の」は、芳香族特性(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有し、窒素、酸素又は硫黄などの1つ又はそれ以上のヘテロ原子を含む、1つ又はそれ以上の不飽和環を有する基を意味する。
【0084】
本明細書で使用される用語「アリール」は、5〜14個の炭素原子から成る芳香族の環構造を意味する。5、6、7及び8個の炭素原子を含む環構造は、単環の芳香族基、例えば、フェニルであろう。8、9、10、11、12、13又は14個を含む環構造は、多環構造、例えばナフチルであろう。芳香族環は、1つ又はそれ以上の環位置において上記に記載した置換基で置換できる。用語「アリール」はまた、2つ又はそれ以上の炭素を2つの隣接する環が共有する(環は「縮合環」である)2つ又はそれ以上の環式環を有する多環系を含み、ここで少なくとも1つの環が芳香族であり、他方の環は、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/又はヘテロシクルであってもよい。用語オルト、メタ及びパラは、1,2−、1,3−及び1,4−の二置換ベンゼンにそれぞれ適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼン及びオルト−ジメチルベンゼンという名称は同意語である。
【0085】
本明細書で使用されるように、用語「シクロアルキル」は、特定数の炭素原子を有する飽和の環基を含む。これらは、縮合、又は橋架けの多環系を含んでもよい。好ましいシクロアルキルは、環構造に3〜10個の炭素原子を有し、より好ましくは、環構造に3、4、5及び6個の炭素原子を有する。例えば、「C3-6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルの様な基を意味する。
【0086】
本明細書で使用されるように、「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。「対イオン」は、例えば、クロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、スルフェート、トシレート、ベンゼンスルホネートなどの負電荷を帯びた小さい化学種を表すために使用される。
【0087】
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロシクリル」、「複素環式」又は「複素環」は、(特に指示のない限り)1、2、3、4又は5個の環原子が窒素、硫黄又は酸素から選択される、3〜20個の原子を含む飽和、不飽和又は部分飽和の、単環式、二環式又は三環式を意味し、これは特に指示のない限り、炭素又は窒素で連結され、ここで−CH2−は、場合により、−C(O)−で置き換えられ;別の指示がない限り、環窒素原子又は環硫黄原子は、場合により酸化されて、N−オキシド又はS−オキシドを形成し、又は環窒素は、場合により第四級化され;ここで、環−NHは、場合により、アセチル、ホルミル、メチル又はメシルで置換され;そして、環は場合により1つ又はそれ以上のハロで置換される。ヘテロシクリル中のS及びOの合計数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないことは理解される。該ヘテロシクリル基は、二環式又は三環式である場合、少なくとも1つの環が非ヘテロ芳香族であるならば、少なくとも1つの環が、場合により、ヘテロ芳香族又は芳香族環であってもよい。ヘテロシクリル基が単環式である場合、それは芳香族であってはならない。ヘテロシクリルの例としては、ピペリジニル、N−アセチルピペリジニル、N−メチルピペリジニル、N−ホルミルピペラジニル、N−メシルピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロフラニル及び2,5−ジオキソイミダゾリジニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0088】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリール」は、硫黄、酸素又は窒素などの少なくとも1つのヘテロ原子環員を有するヘテロ芳香族複素環を意味する。ヘテロアリール基は単環系及び多環系(例えば2、3又は4つの縮合環を有する)を含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル(すなわちピリジニル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル(すなわちフラニル)、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1、2、4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0089】
本明細書で使用されるように、語句「保護する基」又は「保護基」は、潜在的に反応性の高い官能基を、所望しない化学変換から保護する一時的な置換基を意味する。その様な保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びにそれぞれ、アルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールが挙げられる。保護基のサブグループは、求核性基(例えば、フェノール性ヒドロキシ基又はインドール環のN−H官能基)をアルキル化に対して保護し、それにより、塩基性条件下で同一分子内に存在するアミノ基の選択的N−アルキル化を可能とするものである。その様な保護基の例としては、メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、アルコキシメチル及びt−ブチルジメチルシリルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0090】
明細書で用いられる「薬学的に許容しうる」は、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応、又は他の問題もしくは合併症を起こすことなく、適度なベネフィット・リスク比に相応して、正常な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織との接触に使用するのに適している化合物、物質、組成物および/または投与形態を意味するものとして用いられている。
【0091】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容しうる塩」は、親化合物がその酸性塩又は塩基性塩を生成することにより修飾されている、開示された化合物の誘導体を意味する。薬学的に許容しうる塩の例としては、アミンの様な塩基性残基の鉱酸又は有機酸塩;カルボン酸の様な酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などが挙げられるがそれらに限定されない。薬学的に許容しうる塩としては、生成した親化合物の、例えば、非毒性の無機酸又は有機酸からの従来型の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、その様な従来型の非毒性塩としては、塩酸、リン酸などの無機酸から誘導される塩;及び乳酸、マレイン酸、クエン 酸、安息香酸、メタンスルホン酸などの有機酸から製造される塩が挙げられる。
【0092】
本発明の薬学的に許容しうる塩は、塩基性又は酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法により合成することが可能である。一般的には、その様な塩は、 これらの化合物を遊離の酸又は塩基の形態で、化学量論量の適切な塩基又は酸と、水若しくは有機溶媒中、又は両者の混合物中で反応させることにより製造する ことができる;一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルなどの非水媒体が使用される。
【0093】
本明細書で使用されるように、「インビボで加水分解可能な前駆体」は、カルボキシ基はヒドロキシ基を含む本発明の化合物の、インビボで加水分解可能な(又は切断可能な)エステルを意味する。例えば、アミノ酸エステル、メトキシメチルの様なC1-6アルコキシメチルエステル;ピバロイルオキシメチルの様なC1-6アルカノイルオキシメチルエステル;1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、アセトキシメトキシの様なC3-8シクロアルコキシカルボニルオキシC1-6アルキルエステル;又はホスホルアミド環状エステルなどがある。
【0094】
本明細書で使用されるように、「互変異性体」は、水素原子の移動によって生じる平衡状態で存在する別の構造異性体を意味する。例えば、生じた化合物がケトン及び不飽和のアルコールの両方の性質を有するケト−エノール互変異性がある。
【0095】
本明細書で使用されるように、「安定な化合物」及び「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純度での単離、そしてその後の冷所又は室温での長期保存に耐え、そして場合により有効な治療薬又は診断薬へ処方するのに十分に堅牢な化合物であることを示唆することを意味する。
【0096】
本発明の化合物は、更に、水和物及び溶媒和物を含む。
【0097】
本発明は、同位体で標識された本発明の化合物を含む。「同位体で標識された」、「放射標識された」、「標識された」、「検出可能な」又は「検出可能なアミロイドに結合する」化合物、又は「放射性リガンド」は、その1つ又はそれ以上の原子が、自然界に典型的に見出される(すなわち、「天然に存在する」)原子量又は質量数と異なる原子量又は質量数を有する原子によって置き換えられた又は置換された本発明の化合物である。一つの非限定的な例外は19Fであり、これは天然に存在する程度より高い程度まで濃縮することなくこの元素を含有する分子の検出を可能にする。本発明の化合物に組み込むことができる適切な放射性核種(すなわち、「検出可能な同位体」)としては、2H(重水素についてはDとも記載される)、3H(三重水素についてはTとも記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131Iが挙げられるが、それらに限定されない。同位体で標識された本発明の化合物は、特定用途に適切な技術を用いる検出を可能にする程度まで又はそれ以上に、検出可能な同位体を濃縮することのみが必要であることを理解すべきであり、例えば、11Cで標識された本発明の検出可能な化合物において、標識化合物の標識された基の炭素原子は、分子のほんの一部分を12C又は他の炭素同位体で構成され得る。即時の放射性標識化合物中に組み込まれる放射性核種は、その放射標識化合物の特定の用途に依存する。例えば、インビトロのプラーク(plaque)又は受容体の標識及び競合アッセイには、3H、14C、又は125Iを組み込んだ化合物が一般的には最も有用である。インビボ画像化の用途には、11C、13C、18F、19F、120I、123I、131I、75Br又は76Brが、一般的には最も有用である。
【0098】
「有効量」の例としては、インビボのアミロイド沈着を画像化するのを可能にする量、薬学的用途に対して許容される毒性及びバイオアベイラビリティレベルを生じ、かつ/又は細胞の変性及びフィブリル形成と関連のある毒性を防ぐ量が挙げられる。
【0099】
本発明はまた、アミロイド画像化剤としての放射標識2−ヘテロアリール置換インドール誘導体、及びそれらから上記誘導体が製造される合成前駆体化合物を提供する。
【0100】
使用の方法
本発明の化合物は、動物又はヒトの脳を含む臓器又は身体領域における1つ又はそれ以上のアミロイド沈着の存在、位置及び/又は量を決めるために使用することがで きる。アミロイド沈着は、限定されないが、Aβの沈着物を含む。アミロイド沈着の時系列を追跡することができるように、本発明の化合物は更に、アミロイ ド沈着を疾患、障害又は状態に関連する臨床症状の発症と相関させるために使用することができる。本発明の化合物は、最終的に、AD、家族性AD、ダウン症 候群、アミロイド症及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体のようなアミロイド沈着を特徴とする疾患、障害又は状態を治療し、そして診断するために使用することができる。
【0101】
本発明の方法は、患者の臓器又は身体領域、好ましくは脳におけるアミロイド沈着物の存在と位置を決定する。本方法は、「検出可能な化合物」と呼ばれる本発明のアミロイド結合化合物、又は薬学的に許容しうるその水溶性塩を含有する医薬組成物の検出可能量を患者に投与することを含む。「検出可能量」とは、投与される検出可能な化合物の量が、アミロイドへの化合物の結合の検出を可能にするのに十分であることを意味する。「画像化有効量」とは、投与される検出可能な化合物の量が、アミロイドへの化合物の結合の画像化を可能にするのに十分であることを意味する。
【0102】
本発明は、磁気共鳴分光法(MRS)若しくは画像化法(MINI)、又は陽電子放出断層撮影法(PET)若しくは単光子放出コンピュータ断層撮影法 (SPECT)などのガンマ線画像化などの非侵襲的神経画像化技術と併用して、インビボでアミロイド沈着を定量するために使用される、アミロイドプローブを 用いる。「インビボ画像化」又は「画像化」という用語は、本明細書に記載されているような標識化へテロアリール置換インドール誘導体の検出を可能にする、いずれの方法も指す。ガンマ線画像化では、検査する臓器又は領域から放出される放射線が測定され、全結合としてか、または1つの組織における全結合を、同じインビボ画像化手順の間の同じ被検体の別の組織における全結合に標準化した(例えば、それで割ることによって)比として表わされる。インビボでの全結合は、大過剰の、標識されていないこと以外は化学的に同一の化合物と共に同一量の標識された化合物の第2の注入による補正の必要のない、インビボ画像化技術により組織に検出される全シグナルとして定義される。「被験体」とは哺乳動物、好ましくはヒトであり、最も好ましくは認知症が疑われるヒトである。
【0103】
インビボ画像化の目的のために、利用可能な検出装置のタイプは、所定の標識を選択する場合の重要な要因となる。例えば、放射性同位体及び19Fは、本発明の方法におけるインビボ画像化に特に適している。使用する装置のタイプは、放射性核種又は安定同位体の選択に指針を与えるであろう。例えば、選択した放射性核種は、所定の型の装置で検出可能な減衰様式を有する必要がある。
【0104】
別の考慮すべき事項は、放射性核種の半減期に関する。半減期は、その標的による最大取り込みの時点でもそれが検出可能な程度に十分長いべきであるが、一方宿主が有害照射を持続しない程度に十分短くなければならない。本発明の放射標識された化合物はガンマ線画像化を用いて検出することができ、その場合は適切な波長の放出ガンマ線照射が検出される。ガンマ線画像化の方法には、SPECT及びPETが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、SPECT検出では、選択された放射標識は微粒子放射を欠くが、140〜200keVの範囲の多数のフォトンを生成する。
【0105】
PET検出に関して、放射標識は18F又は11Cのような陽電子放出放射性核種であり、これらは崩壊してPETカメラにより検出される2種のガンマ線を形成する。
【0106】
本発明において、アミロイド沈着のインビボ画像化及び定量に有用なアミロイド結合化合物/プローブが作製される。これらの化合物は、磁気共鳴分光法 (MRS)又は画像化法(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)、及び単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの非侵襲的神経画像技術と併用して使用されるべきである。本発明に従って、2−ヘテロアリール置換インドール誘導体類は、当該分野で公知の一般的な有機化学的技法により、MRS/MRI用に19F又は13Cで標識することができる。本化合物を、当該分野で周知でありそしてFowler, J.及びWolf, A.によりPositron Emisssion
Tomography and Autoradiography 391−450 (Raven Press, 1986)に記載されている技法によりPET用に18F、11C、75Br、76Br、又は120Iで放射標識してもよい。本化合物をSPECT用に、当該分野で公知の幾つかの技法のいずれかにより、123I及び131Iで放射標識してもよい。例えば、Kulkarni, Int. J. Rad. Appl. & Inst. (Part B) 18: 647 (1991)を参照されたい。本化合物をテクネチウム−99m(99mTc) などの既知の金属放射標識で放射標識してもよい。そのような金属イオンを結合するリガンドを導入するための置換基の修飾は、放射標識の当業者による過度の実験なしに達成することができる。この金属放射標識された化合物は、次いでアミロイド沈着を検出するのに使用できる。 Tc−99mの放射標識された誘導体の製造は、当該分野で周知である。例えば、Zhuang et al., Nuclear Medicine & Biology 26(2):217−24, (1999); Oya et al., Nuclear Medicine & Biology 25(2) :135−40, (1998)、及びHom et al., Nuclear Medicine & Biology 24(6):485−98, (1997)を参照されたい。加えて、本化合物は、当業者に周知の方法により、インビトロ及び死後のサンプルにおけるアミロイドプラークの検出のために、3H、14C及び125Iで標識してもよい。さらに、本発明の蛍光性化合物は、蛍光検出に基づく周知の技術を使用することによるインビトロ及び死後のサンプル中に存在するプラークの検出のために使用され得る。
【0107】
本発明の方法は、インビボ画像化及び分光法の目的のために、核磁気共鳴分光法により検出可能な同位体を用いても良い。磁気共鳴分光法に特に有用な元素としては、19F及び13Cが挙げられる。
【0108】
本発明の目的に適切な放射性同位体としては、ベータ線エミッター、ガンマ線エミッター、ポジトロンエミッター、及びX線エミッターが挙げられる。これらの放射性同位体には、120I、123I、131I、125I、18F、11C、75Br、及び76Brが含まれる。本発明によれば、磁気共鳴画像化法(MRI)又は分光法(MRS)で用いるのに適切な安定同位体には、19F及び13Cが含まれる。生検又は死後組織のホモジネートにおけるアミロイドの、インビトロ定量用の適切な放射性同位体には、125I、14C、及び3Hが含まれる。好ましい放射標識は、PETインビボ画像化で用いられる11C及び18Fであり、SPECT画像化での使用には123Iであり、MRS/MRIには19Fであり、そしてインビトロ研究用には3H又は14Cである。しかしながら、診断プローブを可視化するいずれの従来の方法も、本発明に従って利用可能である。
【0109】
本発明の化合物は、当業者に公知のいずれの手段で投与しても良い。例えば、動物への投与は、局所性又は全身性でもよく、そして経口、非経口、吸入スプ レーで、局所に、経直腸、経鼻、口腔、経膣、又は埋め込みリザーバー経由でもよい。本明細書で用いられる用語「非経口」は、皮下、静脈内、動脈 内、筋肉内、腹腔内、クモ膜下、心室内、胸骨内、頭蓋内、及び骨内注射及び注入技法を含む。
【0110】
正確な投与プロトコールは、患者の年齢、体重、全体的な健康、性別及び食事を含む種々の因子によって変動する;特定の投与手順の決定は、当業者には決まり切ったものであろう。
【0111】
本発明の化合物の約0.001μg/kg/日から約10,000mg/kg/日のオーダーの用量レベルが、本発明の方法には有用である。1つの実施態様で は、用量レベルは約0.001μg/kg/日から約10g/kg/日である。別の実施態様では、用量レベルは約0.01μg/kg/日から約 1.0g/kg/日である。更に別の実施態様では、用量レベルは約0.1mg/kg/日から約100mg/kg/日である。
【0112】
あらゆる特定の患者の具体的な用量レベルは、用いた特定の化合物の活性及び毒性の可能性;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別及び食事;投与の時間;排泄速度;薬剤併用;及び投与形態を含む種々の因子に依存して変動する。典型的には、インビトロ用量−効果の結果は、患者管理のための適正用量に関する有用な手引きを提供する。動物モデルでの検討も有用である。適正量レベルを決定するための検討事項は当該分野で周知であり、通常の診療医師の技量の範囲内である。
【0113】
薬剤送達のタイミング及び順序を規制するいずれの公知の投与レジメンも使用してよく、また本発明の方法において処置を達成するために、必要に応じて反復してもよい。
【0114】
レジメンは、更なる治療薬による前処置及び/又は同時投与を含んでもよい。
【0115】
一実施態様において、本発明の化合物は、アミロイド沈着によって特徴付けられる疾患、障害又は状態を有することが疑われ、又はこれらを発症する危険性がある動物に投与される。例えば、その動物は高齢のヒトであってもよい。
【0116】
別の実施態様において、前駆体として有用な、化合物及びそれらの製造のための方法が提供される。このような前駆体は、アミロイド画像化剤としての放射標識された2−ヘテロアリール置換インドール誘導体に至る標識された分子フラグメントの組み込みのために合成出発物質として使用され得る。
【0117】
アミロイド沈着をインビトロで検出するための方法
本発明は更に、(i) 体組織を、組織内のあらゆるアミロイド沈着物に結合するであろう本発明の化合物の有効量と接触させること;及び(ii) 組織内のアミロイド沈着物へのその化合物の結合を検出すること;を含む、インビトロでアミロイド沈着物を検出する方法を提供する。
【0118】
その結合は当該分野で公知のいかなる手段によっても検出することができる。検出手段の例としては、明視野、蛍光、レーザー共焦点及び交差偏光顕微鏡などの顕微鏡技法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
医薬組成物
本発明は更に、(i)有効量の少なくとも1つの本発明の化合物;及び(ii)薬学的に許容しうる担体;を含む医薬組成物を提供する。
【0120】
本組成物は、1つ又はそれ以上の更なる薬学的に許容しうる成分(1種又はそれ以上の湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、滑沢剤、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、防腐剤、界面活性剤、着色剤、着香剤(flavorant)、甘味剤及び治療薬が挙げられるがこれらに限定されない)を含んでいてよい。
【0121】
本組成物は、(1)例えば、水薬(水溶液若しくは非水溶液又は懸濁液)、錠剤(例えば、口腔、舌下又は全身吸収を対象とする)、ボーラス、散剤、顆粒 剤、舌塗布用ペースト剤、ゼラチン硬カプセル、ゼラチン軟カプセル、口腔スプレー剤、乳剤及びマイクロエマルジョンなどの経口投与、(2)例えば、滅菌溶 液、懸濁剤又は徐放性製剤などの皮下、筋肉内、静脈内又は硬膜外注射による非経口投与;(3)例えば、皮膚適用のクリーム剤、軟膏剤、制御放出パッチ又は スプレー剤などの局所適用;(4)例えば、ペッサリー、クリーム剤又は泡沫剤などの腟内又は直腸内投与;(5)舌下投与;(6)眼内投与;(7)経皮投与;又は(8)経鼻投与;のために固形、液体、ゲル又は懸濁液の形態に製剤化することができる。
【0122】
一実施態様において、本組成物は静脈内投与用に製剤化され、またその担体は液体及び/又は栄養補液を含む。別の実施態様において、本組成物はインビボで アミロイドに特異的に結合することができ、脳血液関門を通過でき、適切な用量レベルで非毒性であり及び/又は十分な薬効持続を有する。更に別の実施態様に おいて、本組成物は、NaClを含むリン酸緩衝液のmL当たり、約10mgのヒト血清アルブミン及び約0.0005から500mgまでの本発明の化合物を 含む。
【0123】
本発明はさらに、式Iaの化合物、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物を提供する。
【0124】
本発明はさらに、治療有効量の式Iaの化合物を患者に投与することからなる、患者におけるAβ関連病理を処置又は予防する方法を提供する。
【0125】
本発明はさらに、医薬としての使用について本明細書中で記載される化合物を提供する。
【0126】
本発明はさらに、医薬の製造について本明細書中で記載される化合物を提供する。
【0127】
式Ia及びIbのいくつかの化合物は、不斉中心(stereogenic centres)及び/又は幾何異性体中心(E−異性体及びZ−異性体)を有し得、そして本発明は全ての上記の光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、アトロプ異性体及び幾何異性体を包含することが理解されるべきである。
【0128】
本発明は、本明細書において以前に定義される式Iaの化合物、さらにそれらの塩の使用に関する。 医薬組成物における使用のための塩は薬学的に許容しうる塩であるが、他の塩が式Iaの化合物の製造において有用であり得る。
【0129】
本発明の化合物は、薬剤として使用することができる。幾つかの実施態様において、本発明は、薬剤として使用するための、式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、互変異性体若しくはインビボで加水分解可能な前駆体を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、Aβ関連病理を処置又は予防するための薬剤として使用のための、本明細書に記載の化合物を提供する。幾つかの更なる実施態様において、Aβ関連病変はダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知機能障害随伴疾患、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶喪失、アルツハイマー病に伴う注意欠陥症状、アルツハイマー病に伴う神経変性、混合血管性認知症、変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、パーキンソン病に伴う認知症、進行性核上麻痺又は皮質基底変性である。
【0130】
製造方法
本発明はまた、式Ia及びIbの化合物を、遊離の塩基、酸、又はそれらの塩として製造する方法に関する。その方法の以下の記述を通して、必要に応 じて、有機合成の分野における当業者により容易に理解できる方法によって、種々の反応物及び中間体に適切な保護基が付加され、その後でそれらから脱離されることは理解されるべきである。その様な保護基を用いる従来の手順、並びに適切な保護基の例は、例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」, T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley−Interscience, New York (1999)に記載されている。化学的操作によるある基又は置換基から別の基又は置換基への転換は、最終生成物に至る合成経路でのあらゆる中間体又は最終生成物に対して実施することが可能であり、その合成経路において、転換の可能な様式は、分子が保持している他の官能基の、その転換で用いられるその 段階での条件又は試薬に対する固有の不適合性のみに限定されるということも、また理解すべきである。その様な固有の不適合性、及び適切な転換及び合成工程を適切な順序で実施することによりその不適合性を回避する方法は、有機合成分野における当業者により容易に理解されるであろう。転換の例は以下に示されており、記載された転換が、転換を例示する一般的な基又は置換基のみに限定されないことを理解すべきである。他の適切な転換に関する参考文献及び説明は、「March's Advanced Organic Chemistry」, 5th ed., M. B. Smith, J. March, John Wiley & Sons (2001)又は「Organic Synthesis」 2nd ed., M. B. Smith, McGraw−Hill, (2002)に見られる。他の適切な反応の参考文献及び説明は、有機化学の教本、例えば、「Advanced Organic Chemistry」, March 4th ed. McGraw Hill (1992) 、又は「Organic Synthesis」, Smith, McGraw Hill, (1994)に記載されている。中間体及び最終生成物を精製する技法としては、例えば、カラム又は回転板上での順相及び逆相クロマトグラフィー、再結晶化、蒸留、及び液−液又は固−液抽出が挙げられ、これらは当業者に容易に理解されるであろう。置換基及び基の定義は、別に定義される場合を除いて、式Ia及びIbに示す通 りである。用語「室温」及び「周囲温度」は、特に指示のない限り、16〜25℃の間の温度を意味する。用語「還流」は、特に指示のない限り、使用溶媒に関して、指定溶媒の沸点又はそれより若干高い温度を用いることを意味する。マイクロ波は反応混合物を加熱するために用いることができると理解される。用語「フラッシュクロマトグラフィー」又は「フラッシュカラムクロマトグラフィー」は、シリカゲル上で、移動相として有機溶媒又はその混合物を用いた分取クロマトグラフィーを意味する。
【0131】
略語
Ac アセテート;
atm 気圧;
aq. 水性;
Boc t−ブトキシカルボニル;
DBU 1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン;
DMA N,N−ジメチルアセトアミド;
DME 1,2−ジメトキシエタン;
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
DMSO ジメチルスルホキシド;
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;
EtOAc 酢酸エチル;
EtOH エタノール;
Et2O ジエチルエーテル;
h 時間;
hep ヘプタン;
hex ヘキサン;
MeCN アセトニトリル;
MeOH メタノール;
o.n. 終夜;
Pd(dba)2 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0);
Pd(dppf)Cl2 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II);
Pd(PPh3)2Cl2 ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム;
prep. HPLC 分取HPLC;
PTSA p−トルエンスルホン酸;
r.t. 室温;
r.m. 反応混合物;
sat. 飽和;
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム;
TFA トリフルオロ酢酸;
THF テトラヒドロフラン;
Tos トシレート
OTf トリフルオロメタンスルホネート
【0132】
中間体の製造
式II及び式IIIの化合物は、式Ia及びIbの化合物の製造における有用な中間体である。インドール類の合成は周知であり、適切な例は有機化学のテキストブック、例えば「March’s Advanced Organic Chemistry」、5th ed.、M. B. Smith、J. March、John Wiley & Sons (2001)又は、Organic Chemistry、Clayden、Greeves、Warren、Wothers (2001)に記載される。式II及びIIIの化合物は市販されているか、又は市販の化合物若しくは文献に記載される化合物から製造することができる。例えば、Y1、Y2、R1、R2、R3、R4、R5のうち1つ又はそれ以上が式IIの定義にも式IIIの定義にも対応しない化合物は、置換基又は基を変換又は導入することにより式II又はIIIの化合物の製造に使用することができる。そのような例を以下に示す:
【化14】

【0133】
1) Y1がB(Oアルキル)2又はB(OH)2である式IIの化合物の製造:
対応するクロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフレートから、例えばビス(ピナコラト)ジボラン又はジアルコキシボラン類を試薬として使用し、パラジウム触媒下で、例えばPdCl2(dppf)、又はトリシクロヘキシルホスフィンを加えたPd(dba)2を触媒として使用して、化学量論量の塩基(例えばKOAc及びNEt3)と共に、溶媒(例えばDMSO、DMF、DMA、THF又はジオキサン)中にてr.t.から80℃の温度でのパラジウム触媒ボリル化により、あるいは続けて酸性加水分解を行う(Ishiyamaら Tetrahedron 2001、57、9813; Murataら J. Org. Chem. 2000、65、164)。
【0134】
2) Y1がハロゲンである式IIの化合物の製造:
a) インドールの2位におけるハロゲン化は、例えばBoc2Oを用いてインドールをN保護し、続いてBuLi及びI2で処理して2−ヨード−インドールを得ることにより達成することができる (Royら Tetrahedron Lett. 2005、46、1325−1328)。
b) 活性化及びN保護基としてBuLi次いでCO2を使用するKatritzkys法(Katritzkyら Tetrahedron Lett. 1985、26、5935−5938)、続いて ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモ−テトラクロロエタン又は1,2−ジヨードエタンのような求電子剤を導入することによる(Bergmanら J. Org. Chem.、1992、57、2495−2497)。
【0135】
式Ia及びIbの非標識化合物の製造方法
式Ia及びIbの化合物の製造方法の非限定的な例を以下に示す:
1) 中間体II及びIIIのパラジウム触媒クロスカップリングによる製造:
a) 式IIIの中間体のハロゲン化アリール若しくは擬ハライド(例えばY2=クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフレート)の、式IIのボロン酸若しくはボロン酸エステル(例えばY1=B(OH)2又はB(Oアルキル)2)、又は式IIのスタンナン類(例えばY1=Sn(n−Bu)3)を用いたパラジウム触媒Suzukiカップリング又はStilleカップリング。Pd(dppf)Cl2のようなパラジウム触媒を溶媒(例えばDMF又はTHF)中にて例えば80℃の温度で使用し得る。(Kothaら Tetrahedron 2002、58、9633−9695;Suzuki J. Organomet. Chem. 1999、576、147−168;Fugamiら Top. Curr. Chem. 2002、219、87−130.)
b) パラジウム触媒Suzukiカップリング又はStilleカップリング反応はまた、Y1をY2と交換された場合、すなわち式IIのインドール部分がハロゲンを有し、ボロン酸又はボロン酸エステルが式IIIの中間体に結合する場合にも行うことができるだろう。
【0136】
式Iaの標識された化合物の製造方法
一般に、標識されていない試薬又は中間体からの式Iaの標識されていない化合物の組み立てに使用される同じ合成反応を、対応する標識された試薬又は中間体を使用することにより検出可能な同位体の類似した組み込みに使用することができる。
【0137】
特に標識が比較的短い半減期を有する同位体(例えば11C)である場合、式Iaの化合物への合成の最終段階で標識を導入することが好ましい。この導入を最後の合成工程として行うことが最も好ましい。
【0138】
長寿命又は非放射性の同位体で標識されたいくつかの有用な試薬、シントン又は中間体(例えば[2/3H]H2、[2/3H]CH3I、[13/14C]CH3I、[13/14C]CN-、[13/14C]CO2を含む)が市販されており、必要な場合は従来の合成方法によりさらに合成によって変換することができる。比較的より短い寿命の同位体、例えば11C及び18Fで標識された試薬は、サイクロトロンによって生成され、続いて適切に捕捉され、そして場合により所望の試薬を得るためにさらに合成操作される。標識された試薬及び中間体の生成及び合成操作、並びにより複雑な標識された分子の合成のためのこれらの中間体の使用及び化学は、放射合成及び標識の当業者に周知であり、そして文献で概説されている(Langstroemら Acta Chem. Scand.
1999、53、651)。追加の参考文献については、例えばハロゲンでの標識について: Aliら
Synthesis 1996、423;PET用途のための標識についてはAntoni G.、Kihlberg T.、及び
Langstroem B. (2003) Handbook of nuclear chemistry、Vertes A.、Nagy S.、及びKlenscar Z.編、Vol. 4、119−165;3Hでの標識についてはSaljoughianら Synthesis 2002、1781;14Cでの標識についてはMcCarthyら Curr. Pharm. Des. 2000、6、1057を参照のこと。
【0139】
本明細書で定義される式Iaの化合物の標識に有用な検出可能な同位体としては、PETにおける使用には: 11C、18F、75Br、76Br及び120I、SPECTにおける使用には: 123I及び131I、MRI用途には: 19F及び13C、インビトロ及び死後サンプルにおける検出には: 3H、14C及び125Iが挙げられる。標識に最も有用な同位体は11C、18F、123I、19F、3H及び14Cである。
【0140】
以下は、式Iaの標識された化合物の製造方法に関する非限定的な説明である:
ヒドロキシ−、アミノ−又はアミノアルキル基を有する式Ia及びIbの化合物は、それぞれ標識されたアルキル化剤、例えば、(例えばSolbachら Applied Radiation and Isotopes 2005、62、591及びMathisら J. Med. Chem. 2003、46、2740に記載されるような)[11C]ヨウ化メチル若しくは[11C]メチルトリフレート、又は[3H]−ヨウ化メチル、若しくは[14C]−ヨウ化メチルを用いたO−アルキル化及びN−アルキル化のための有用な前駆体である。
【0141】
例えば、R1及びR2の一方がヒドロキシ(他方が水素)である式Iaの化合物、又はR8及びR11の一方がヒドロキシ(他方が水素)である式Ibの化合物、又は標識のための構成前駆体。このような前駆体を塩基性条件下(例えば炭酸カリウムの存在下)、溶媒(例えばDMSO)中にて[11C]ヨウ化メチルで処理する場合、N−求核試薬(例えばアミノ、アミノメチル又はインドールN−H官能基)の存在下で、脱保護後の酸素原子の比較的高い反応に起因して選択的O−アルキル化が起こり、従ってOH基がO[11C]CH3基に変換されている式Ia及びIaの化合物が形成される。R8又はR11が(例えばTBDMSで)保護されたヒドロキシ基であり、X8がNであり、そしてR10がヒドロキシである式Ibの化合物は、11C−ヨウ化メチルの使用により塩基としてのAg2CO3の存在下でOアルキル化により標識するための有用な前駆体である(Shinzo K. Synth Comm 2006、36、1235)。
【0142】
N−アルキル化による11C−メチル基の選択的導入による標識に最も好ましい前駆体は、存在する競合求核性官能基(例えばヒドロキシ又はインドールN−H官能基)のアルキル化の反応性がより低いか又は適切な保護基でブロックされている化合物である。保護基の機能は、この状況では、求核性官能基をアルキル化から保護することであり、好ましくは、所望のN−アルキル化が促進される非水性塩基性条件下で安定であるべきであるが、その任務を達成した後で他の手段により容易に除去されるべきである。このような保護基、及びそれらの導入及び除去の方法は当業者に周知である。競合するアルキル化に対する芳香族ヒドロキシ基の保護に有用な保護基の例としては、限定されないが、メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、アルコキシメチル及びt−ブチルジメチルシリルが挙げれられる。アルキル化後のこのような保護基の除去は、当業者に周知であり、これらとしては、シリルベースの保護基(例えばt−ブチルジメチルシリル)の場合、例えばフッ化物イオン源(例えばTBAF)での処理、又は適切な溶媒中の塩基性条件下(例えばDMSO中KOHの存在下室温)における水での処理が挙げられる。競合するアルキル化に対するインドールN−H官能基の保護に有用な保護基の例としては、限定されないが、SO2N(CH32、SO2(p−メチル)フェニル、CO2CH2CCl3、CO2(CH22Si(CH32、t−ブチルジメチルシリル及びP(=S)フェニル2が挙げられる。芳香族ヒドロキシ官能基、及びインドールN−H官能基がアルキル化に対して同時保護される場合、t−ブチルジメチルシリルのような1つの保護基を使用するか、又は1つの脱保護試薬の使用により実験室での一工程で両方の官能基を同時に脱保護することを可能にする2つの異なる保護基を使用することが好ましい。
【0143】
芳香族アミノ基を有する式Ia及びIbの化合物は、最初のジアゾ化(すなわち、アミノ基をN2+部分に変換する)と、適切な場合その後の対応するトリアジン誘導体への変換、続いて標準的反応に従う標識された求核試薬での処理により標識するために有用な前駆体である。このようにして導入され得る検出可能な同位体としては、限定されないが、18F、75Br、123I、125I及び131Iが挙げられ、例えばZhuら J. Org. Chem. 2002、67、943;Maedaら J. Label Compd Radiopharm 1985、22、487;Berridgeら J. Label Compd Radiopharm 1985、22、687;Suehiroら J. Label Compd Radiopharm 1987、24、1143;Strouphauerら Int. J. Appl. Radiat. Isot. 1984、35、787;Kortyleviczら J. Label Compd Radiopharm 1994、34、1129;Khalajら J. Label Compd Radiopharm 2001、44、235 and Rzeczotarskiら J. Med. Chem. 1984、27、156に記載される。
【0144】
芳香族トリアルキルスズ基を有する式Ibの化合物において、標識された試薬でのハロゲン化により、例えばStaelensら J. Label Compd Radiopharm 2005、48、101;Hockeら Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004、14、3963;Zhuangら J. Med. Chem. 2003、46、237;Fuechtnerら Appl. Rad. Isot. 2003、58、575及びKaoら J. Label Compd Radiopharm 2001、44、889に記載されるように、トリアルキルすず基の置換が生じる。例えばLidstroemら J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1997、2701及びTarkiainenら J. Label Compd Radiopharm 2001、44、1013に記載されるように、同じ前駆体はまた、対応する11C−標識されたケトン類及びメチル誘導体へのパラジウム触媒変換に有用である。次にトリアルキルすず置換化合物は、好ましくは対応するハライド又は擬ハライド(例えばトリフレート)から、パラジウムを触媒として使用する周知の方法により、対応するジスタンナンとの反応において製造される。この方法論が使用される場合、トリアルキルすず基は好ましくはトリメチルすず又はトリブチルすずである。
【0145】
芳香族トリアルキルスズ基(好ましくはnBu3Sn)を有し、X6は炭素であり、X7又はX8は窒素(他方は炭素)であり、そしてR10がメチルアミノ、ジメチルアミノ又はメトキシである式Ibの化合物は、例えばZhuangら Nucl. Med. Biol. 2001、28、887に記載される方法に従って、標識されたヨージドの存在下で酸化的条件下でのヨード脱スタンニルによる123I又は125Iでの標識に適した前駆体である。
【0146】
前駆体中の複素環式置換基のいずれか1つが、芳香族求核置換に適した脱離基である場合、標識された求核試薬(例えばハロゲン化物又はシアニド)は、例えばZhangら Appl.
Rad. Isot. 2002、57、145に記載されるように、標識された式Iaの化合物を生じるような置換により導入することができる。置換が起こる芳香族環は、容易な反応のために好ましくは比較的電子欠乏性であり、それ故シアノ、カルバルデヒド又はニトロのような電子吸引性活性化基で置換される必要があるかもしれない。求核芳香族置換と密接な関係があり、当業者に周知である有用な反応としては、例えばMusacioら J. Label Compd Radiopharm 1997、34、39及びAnderssonら J. Label Compd Radiopharm 1998、41、567にそれぞれ記載されるように、標識されたヨード−原子の導入のための化学量論量の銅塩の使用、及び11C−標識シアノ基の導入のためのパラジウム触媒の使用が挙げられる。また、18F−原子は、Karramkam、M.ら J. Labelled Compd. Rad. 2003、46、979に記載されるように、例えばDMSO中マイクロ波照射下でK[18F]−K222を使用することにより導入され得る。脱離基が位置している芳香族環がベンゼンと比較してより電子欠乏性である場合(例えば2−ハロピリジン類及びピリミジン類)、一般的に、求電子芳香族置換が起こるために活性化基を使用する必要はない。
【0147】
QがQ2である式Iaの化合物、並びにR3及びR10がそれぞれ、脱離基フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、又はスルホネートエステルのいずれかであり、そしてX2及びX4のいずれか又は両方、並びにX6及びX8のいずれか又は両方が窒素である式Ibの化合物は、求核芳香族置換を経由して標識するために適した前駆体である。消費されていない前駆体から標識された反応生成物を容易にクロマトグラフィーで分離するために、標識された求核試薬との反応により導入される基と化学的に異なる脱離基を使用することがさらに好ましい。
【0148】
R8又はR11が保護されている(例えばTBDMS)ヒドロキシ基(他は水素)であり、R12はHではなく、そしてR10がO(CH2)2OTos又はNH(CH2)2OTosである式Ibの化合物は、形式的な脱離基OTos-の求核置換のための求核性18F源として、kryptofix 2.2.2−[18F]フルオリド錯体(Schirrmacherら J. Labelled Compd. Rad. 2001、44、627)又は[18F]フッ化テトラブチルアンモニウムのいずれかをCH3CN中加熱下で使用すること(Hamacherら Appl. Radiat. Isotopes 2002、 57、853)によるフッ素での標識に有用な前駆体である。使用され得る他の適切な脱離基は当業者に周知であり、限定されないが、ブロモ、ヨード、OSO2CF3、OSO2CH3及びOSO2フェニルが挙げられる。
【0149】
R8がHであり、R11がOSi(G3)3又はOCH2G4であり、R10がN(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル又はCONH2であり、そしてR9がニトロ、N(CH3)3+、ブロモ、ヨード、クロロである式Ibの化合物は、形式的な脱離基R9の求核置換のための求核性18F源としてのkryptofix 2.2.2−[18F]フルオリド錯体(F. Dolle、Curr. Pharm. Design 2005、11、3221−3235)を使用することによりフッ素標識するための有用な前駆体である。
【0150】
適切な前駆体の官能基変換により式Iaの標識された化合物を製造するための、当業者に周知のさらなる有用な方法としては、[11C]、[14C]、又は[3H]塩化アシルを用いたアミンのN−アシル化、芳香族塩化物、臭化物又はヨウ化物のパラジウム触媒[11C]又は[14C]シアノ化、[3H]H2の存在下での適切なハロゲン化物の3Hへの遷移金属触媒置換、及び[11/14C]COを用いたパラジウム触媒カルボニル化(Perryら Organometallics 1994、13、3346)が挙げられる。
【実施例】
【0151】
化合物実施例
以下は本発明の化合物の多数の非限定的例である。前駆体だけではなくそれ故そのように示される、以下に例示される化合物又はそれらの非標識類縁体は全て、本明細書中に記載される競合結合アッセイにおいて20μM未満のIC50を示す。
【0152】
一般的方法
使用される全ての溶媒は分析用等級であり、通常は市販の無水溶媒を反応に使用した。反応は典型的に窒素又はアルゴンの不活性雰囲気下で行った。
【0153】
1HスペクトルはZ軸グラジエントを用いる3mmフローインジェクションSEI 1H/D−13Cプローブヘッドを備え、サンプル注入用にBEST 215リキッドハンドラーを使用するBruker
av400 NMR分光計で、プロトンについては400MHzで操作して記録するか、又はZ軸グラジエントを備えた5mm 4−核プローブヘッドを備えたBruker DPX400 NMR分光計でプロトンについては400MHzで操作して記録した。
【0154】
実施例中に具体的に示されなければ、1Hスペクトルは溶媒としてDMSO−d6中で400MHzにて記録した。残留溶媒シグナルを参照として使用した。以下の参照シグナルを使用した:DMSO−d6の中央の線δ2.50; CD3ODの中央の線 δ 3.31; CDCl3 d 7.26。スペクトルがCDCl3及びCD3ODの混合物で記録される場合、参照は3.31ppmに設定した。全ての化学シフトはデルタスケール(δ)上のppmであり、そしてシグナルの微細分裂(s:シングレット、d: ダブレット、t: トリプレット、q: カルテット、m: マルチプレット、br: ブロードシグナル)は記録に表れるとおりである。
【0155】
3HスペクトルはZ軸グラジエントを用いる5mm 3H/1H SEXプローブヘッドを備えたBruker DRX600 NMR分光計でトリチウムについては640 MHz、プロトンについては600 MHzで記録した。1Hデカップリング3Hスペクトルを、サンプルをCD3ODに溶解して記録した。3H NMRスペクトルの参照については、Al−Rawiら J. Chem. Soc. Perkin Trans. II 1974, 1635における記載に従って、3Hと1Hとの間のラーモア周波数比 (1.06663975)を用いて1Hスペクトル中の内部TMSの周波数をかけ算することにより計算したゴースト参照周波数(ghost reference frequency)を使用した。
【0156】
質量スペクトルは、Alliance 2795又はAcquityシステム(LC)、Waters PDA 2996、及びELS検出器(Sedex 75)から構成されるWaters LCMS並びにZMDシングル四重極又はZQ質量分析計で記録した。質量分析計は、ポジティブ又はネガティブイオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源(ES)を備えていた。キャピラリ電圧は3kVであり、そしてコーン電圧は30Vであった。質量分析計はm/z 100−600の間を0.7スキャン時間でスキャンした。カラム温度を40℃(Alliance)又は65℃(Acquity)に設定した。線形グラジエントを100% A (A:5% MeCN中10mM NH4OAc)で開始して100% B (B:MeCN)で終了して適用した。使用したカラムは1.0mL/分(Alliance)で実行するX−Terra MS C8, 3.0×50; 3.5μm (Waters)、又は1.2mL/分で実行するAcquity UPLCTM BEH C8 1.7 μm 2.1×50mmであった。
【0157】
分取クロマトグラフィー(分取HPLC)を2つのWaters自動精製HPLCのいずれかで行った: (1) ダイオードアレー検出器及びXTerra MS C8カラム、19×300mm、10μmを備えたもの。(2) ESIを用いて操作するZQ質量分光計検出器で構成され、ポジティブモードで3kVのキャピラリ電圧及び30Vのコーン電圧にてフラクション収集を決定するために混合トリガー(mixed triggering)(UV及びMSシグナル)を使用するもの。カラム: XBridgeTM Prep C8 5μm OBDTM 19×100mm。MeCN/(95:5 0.1M NH4OAc:MeCN)を用いるグラジエントを20又は25mL/分の流量で使用した。
【0158】
マイクロ波加熱を、2450MHzで連続照射を生じるCreator, Initiator又はSmith Synthesizer単一モードマイクロ波キャビティで行った。
【0159】
化合物及び前駆体
以下は本発明の化合物の多数の非限定的な実施例である。以下に例示される化合物又はそれらの対応する非標識類縁体(前駆体だけではなく以下の実施例において中間体であると示される)は全て、本明細書に記載される競合結合アッセイにおいて20μM未満のIC50を示す。
【0160】
実施例1
5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン
【化15】

【0161】
a) 5−フルオロ−2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化16】

1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−フルオロインドール−2−ボロン酸 (1mmol), 5−ブロモピリジン−2−メチルアミン(1mmol)、Pd(dppf)Cl2 (0.05mmol)及び2M Na2CO3(水溶液)(1.5mL)をTHF/水 5:1 (10mL)中で20mLマイクロ波バイアル中にて混合した。この反応混合物を 120℃でマイクロ波反応器中にて15分間攪拌した。水を加え、溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc グラジエント)により精製して表題中間体(114mg)を得た; MS m/z (M+H) 342。
【0162】
b.) 5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン (表題化合物)
5−フルオロ−2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル(114mg, 0.33mmol)をDCM(10.0mL)で希釈し、そしてTFA(1.0mL)をゆっくりと加えた。この混合物を20℃で15時間撹拌した。NaHCO3(sat. aq.)(50mL)を加えた後EtOAcを加えた。分離した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCにより精製して表題化合物(40mg)を得た。1H NMR δ ppm 11.39 (s, 1 H) 8.50 (d, 1 H) 7.82 (dd, 1 H) 7.31 (dd, 1 H) 7.20 (dd, 1 H) 6.78−6.93 (m, 1 H) 6.71 (d, 1 H) 6.65 (d, 1 H) 6.53 (d, 1 H) 2.82 (d, 4 H); MS m/z (M+H) 242。
【0163】
実施例2
2−(6−カルバモイルピリジン−3−イル)−5−フルオロ−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化17】

1−(tert−ブトキシカルボニル)5−フルオロインドール−2−ボロン酸(1mmol)、5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド(1mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.05mmol)及び2M Na2CO3 (aq.) (1.5mL)溶液を20mLマイクロ波バイアル中にてTHF/水 5:1(10mL)中で混合した。反応混合物を120℃でマイクロ波反応器にて15分間攪拌した。水を加え、そして溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して粗製混合物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc グラジエント)により精製して表題化合物(200mg)を得た。1H NMR δ ppm 8.75 (s, 1 H) 8.12−8.23 (m, 2 H) 8.07−8.13 (m, 2 H) 7.68 (br. s., 1 H) 7.48 (dd, 1 H) 7.15−7.32 (m, 1 H) 6.92 (s, 1 H) 1.30 (s, 9 H); MS m/z (M+H) 356。
【0164】
実施例3
5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化18】

2−(6−カルバモイルピリジン−3−イル)−5−フルオロ−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル (0.48mmol)をDCM(10.0mL)中で希釈し、そしてTFA(1.0mL)をゆっくりと加えた。この混合物を20℃で15h撹拌した。NaHCO3 (sat. aq.) (50mL)を加え、続いてEtOAcを加えた。分離した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCにより精製して表題化合物(64mg)を得た。1H NMR δ ppm 11.70 (br. s., 1 H) 9.09 (d, 1 H) 8.30 (dd, 1 H) 8.07 (d, 1 H) 7.37 (d, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 7.08 (d, 1 H) 6.83 (dd, 1 H) 3.90 (s, 3 H) 3.77 (s, 3 H); MS m/z (M-H) 254。
【0165】
実施例4
5−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン
【化19】

【0166】
a) 5−メトキシ−2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化20】

1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メトキシインドール−2−ボロン酸 (2mmol)、5−ブロモピリジン−2−メチルアミン(2mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.10mmol)及び2M Na2CO3(aq.)(3mL)を20mLマイクロ波バイアル中にてTHF/水 5:1 (10mL)中で混合した。この反応混合物を120℃でマイクロ波反応器にて15分間攪拌した。水を加え、そしてこの溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAcグラジエント)により精製して表題中間体(256mg)を得た。 1H NMR δ ppm 8.04 (d, 1 H) 7.94 (d, 1 H) 7.43 (dd, 1 H) 7.08 (d, 1 H) 6.89 (dd, 1 H) 6.64 (d, 1 H) 6.53 (s, 1 H) 6.50 (d, 1 H) 3.78 (s, 3 H) 2.80 (d, 3 H) 1.36 (s, 9 H); MS m/z (M+H) 354。
【0167】
b) 5−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン (表題化合物)
5−メトキシ−2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル (0.64mmol)をDCM(10.0mL)中で希釈し、そしてTFA (1.0mL)をゆっくりと加えた。この混合物を20℃で15h撹拌した。NaHCO3(sat. aq.) (50mL)を加え、続いてEtOAcを加えた。分離した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCにより精製して生成物(101mg)を得た。1H NMR δ ppm
11.12 (s, 1 H) 8.47 (d, 1 H) 7.79 (dd, 1 H) 7.22 (d, 1 H) 6.96 (d, 1 H) 6.60−6.75 (m, 2 H) 6.57 (d, 1 H) 6.52 (d, 1 H) 3.74 (s, 3 H) 2.81 (d, 3 H); MS m/z (M+H) 254。
【0168】
実施例5
5−(1H−インドール−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化21】

【0169】
a) 2−(6−カルバモイルピリジン−3−イル)−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化22】

1−(tert−ブトキシカルボニル)インドール−2−ボロン酸 (1mmol)、5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド(1mmol)、Pd(dppf)Cl2 (0.05mmol)及び2M Na2CO3(1.5mL)水溶液をTHF/水 5:1 (10mL)中20mLマイクロ波バイアル中で混合した。反応混合物を120℃でマイクロ波反応器で15分間攪拌した。水を加え、そしてこの溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAcグラジエント)により精製して表題中間体 (172mg)を得た。MS m/z (M+H) 338。
【0170】
b) 5−(1H−インドール−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド(表題化合物)
2−(6−カルバモイルピリジン−3−イル)−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.51mmol)をDCM(10.0mL)中で希釈し、そしてTFA(1.0mL)をゆっくりと加えた。混合物を20℃で15h撹拌した。NaHCO3(sat. aq.) (50mL)を加え、続いてEtOAcを加えた。分離した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCにより精製して表題化合物(56mg)を得た。1H NMR δ ppm 11.80 (s, 1 H) 9.13 (d, 1 H) 8.39 (dd, 1 H) 7.95−8.19 (m, 2 H) 7.53−7.72 (m, 2 H) 7.45 (d, 1 H) 7.11−7.26 (m, 2 H) 6.90−7.09 (m, 1 H); MS m/z (M+H) 238。
【0171】
実施例6
6−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−ニコチン酸メチル
【化23】

【0172】
a) 5−メトキシ−2−[5−(メトキシカルボニル)ピリジン−2−イル]−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化24】

1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メトキシインドール−2−ボロン酸 (2mmol)、6−ブロモ−ニコチン酸 メチルエステル(2mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.10mmol)及び2M Na2CO3(aq.)(3mL)を20mLマイクロ波バイアル中にてTHF/水 5:1 (10mL)中で混合した。この反応混合物を120℃でマイクロ波反応器中15分間攪拌した。水を加え、そして溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して粗製混合物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAcグラジエント)で精製して表題中間体(397mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 8.99−9.21 (m, 1 H) 8.38 (dd, 2 H) 7.93 (d, 2 H) 7.80−7.89 (m, 2 H) 7.20 (d, 1 H) 6.97−7.11 (m, 2 H) 3.92 (s, 3 H) 3.81 (s, 3 H) 1.27 (s, 9 H); MS m/z (M+H) 383。
【0173】
b) 6−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−ニコチン酸メチル(表題化合物)
5−メトキシ−2−[5−(メトキシカルボニル)ピリジン−2−イル]−1H−インドール−1−カルボン酸tert−ブチル(1.04mmol)をDCM(15.0mL)中で希釈し、そしてTFA(1.5mL)をゆっくりと加えた。この混合物を20℃で15h撹拌した。NaHCO3(sat. aq.)(50mL)を加え、続いてEtOAcを加えた。分離した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCにより精製して表題化合物(153mg)を得た。 1H NMR δ ppm 11.70 (br. s., 1 H) 9.09 (d, 1 H) 8.30 (dd, 1 H) 8.07 (d, 1 H) 7.37 (d, 1
H) 7.22 (s, 1 H) 7.08 (d, 1 H) 6.83 (dd, 1 H) 3.90 (s, 3 H) 3.77 (s, 3 H); MS m/z (M+H) 283。
【0174】
実施例7
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−5−オール
【化25】

5−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(0.34mmol)をDCM(3mL)中に0℃でアルゴン雰囲気下で分散させた。DCM中1M BBr3(1.3mL)をゆっくりと加え、そして混合物を0℃で20分間攪拌した。氷浴を外して混合物を2h撹拌した。この溶液に水を滴下し、続いてNaHCO3(sat. aq.)を滴下した。水層をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCで精製して表題化合物(15mg)を得た。1H NMR δ ppm 10.96 (s, 1 H) 8.56 (s, 1 H) 8.45 (d, 1 H) 7.77 (dd, 1 H) 7.12 (d, 1 H) 6.77 (d, 1 H) 6.62 (d, 1 H) 6.40−6.58 (m, 3 H) 2.81 (d, 3 H); MS m/z (M+H) 240。
【0175】
実施例8
6−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−イル)−ニコチン酸メチルエステル
【化26】

6−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−ニコチン酸メチル (200mg, 0.71mmol)をDCM(5mL)中に0℃でアルゴン雰囲気下にて分散させた。DCM中BBr3 1M(3.0mL)をゆっくりと加え、そしてこの混合物を0℃で20分間攪拌した。氷浴を外し、そしてこの混合物を2時間撹拌した。水を溶液に滴下し、続いてNaHCO3の飽和水溶液を滴下した。水層をEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。粗生成物を分取HPLCにより精製して表題化合物(9mg)を得た。1H NMR δ ppm 11.55 (s, 1 H) 8.93−9.22 (m, 1 H) 8.79 (s, 1 H) 8.28 (dd, 1 H) 8.04 (d, 1 H) 7.27 (d, 1 H) 7.12 (d, 1 H) 6.88 (d, 1 H) 6.71 (dd, 1 H) 3.90 (s, 3 H); MS m/z (M+H) 269。
【0176】
生物学的実施例
以下の化合物を比較化合物として使用し、そしてこれらの化合物は、以下の文章中ではそれらの示された対応する名称で呼ばれる。
【化27】

【0177】
本発明の化合物を、以下のアッセイ/実験/研究の1つ又はいくつかにおいて試験した:
競合結合アッセイ
競合結合を、384ウェルのFBフィル タープレートでpH7.5のリン酸緩衝液中2.7nMの[3H]PIB(又はそのように記載されている場合は別の3H 標識放射性リガンド)で合成Aβ1〜40を用いて、最初はDMSO中に溶解した種々の濃度の非放射性化合物を添加することによって実施した。結合混合物を室温で30分間インキュベートした後減圧濾過し、続いて1%Triton−X100で2回洗浄した。その後シンチレーション液を、フィルタープレート上に回収したAβ1〜40に添加し、そして結合した残存放射性リガンド([3H]PIB又は別の3H−標識化放射性リガンド)の活性を、PerkinElmer社の1450 Microbetaを用いて測定した。
【0178】
解離実験
解離実験を96ウェルのポリプロピレン深ウェルプレートで実施した。pH7.5リン酸緩衝液中2μMのヒト合成Aβ1〜40微小線維、又は対照として緩衝液単独を、9nMの本発明の3H−標識された放射性リガンドと4時間室温でインキュベートした。解離は、pH7.5のリン酸緩衝液中4%DMSO中で、同体積の本発明の非標識化合物又は対照化合物(10μM)を、種々の時点で添加することによって開始した。インキュベーションの終了時点でAβ1〜40微小線維になお結合していた放射活性を、 0.1%Triton−X100を含有する洗浄緩衝液を用いてBrandel装置にて濾過後に、FBフィルター上で検出した。
【0179】
インビボラット脳内進入試験
i.v.投与後の脳曝露を、カセット投与を用いてラット脳で測定した。4つの異なる化合物を投与した後、投与後2分後と30分後に血漿及び脳をサンプリングした。30分後に対する2分後の脳中濃度の比、及び2分後に脳で観測された値の総注射用量のパーセンテージを算出した。化合物濃度は、エレクトロスプレー・タンデム質量分析計に連結した逆相液体クロマトグラフィーによる、蛋白質沈殿血漿試料の分析によって決定した。
【0180】
死後のヒトAD脳とトランスジェニックマウス脳におけるアミロイドプラークへの結合
スライドに取り付けられたAPP/PS1トランスジェニックマウス由来の脳切片(10μm)を外側中隔のレベルで採取した(ブレグマ+0.98mm;Paxinos and Franklin, 2001を参照)。2名のAD患者と1名の対照被験者由来のヒト大脳皮質切片(7μm)を、オランダ組織バンクから取得した。
【0181】
切片を、1μMのPIBの存在下又は不在下にて室温で30分間50mMのTrisHCl(pH7.4)中にてプレインキュベートした。切片をPIB(1μM)の有り又は無しの条件下にて、トリチウム標識した化合物(1nM)を含む緩衝液に移して、そして室温で30分間インキュベートした。インキュベーションを、緩衝液中(1℃)3回の10分間の連続洗浄によって終了させ、次いで蒸留水(1℃)で迅速洗浄した。切片をファンの前で風乾した。乾燥した切片と プラスチックのトリチウム標準(Amersham microscales−3H)は、カセット内のホスホイメージプレート (Fuji)に併置され一夜曝露された。翌朝、イメージプレートをFuji撮像装置(BAS 2500)でBASリーダーソフトウェアを用いて現像した。得られた画像をAidaソフトウェアを用いてTIFフォーマットへ変換し、Adobe Photoshop (v 8.0)で最適化し、そしてImage−J(NIH)を用いて定量した。データはExcelを用いて統計的に解析した。
【0182】
インビボでの化合物投与後のAPP/PS1マウス脳への結合
実験未使用の覚醒マウスを拘束し、尾静脈を介して本発明のトリチウム標識した化合物か又はトリチウム標識した対照化合物を静脈内注入した。実験の一様式では、動物をイソフルオランで急速麻酔し、そして化合物の投与(1mCi)後20分に断首した。別の様式の実験では、マウスに1mCiの化合物を投与し、そして麻酔して投与後20分、40分又は80分の時点で断首した。脳を摘出して粉末ドライアイスで凍結した。低温保持装置を用いて線条体のレベルで前頭面において脳を切片化(10μm)し、超凍結顕微鏡スライド上に解凍して載せ、更に風乾した。
【0183】
その後、インビボ投与後に結合したリガンドの画像化を最適化するために設計された方法を使用した。非結合放射活性レベルを選択的に低減するために、切片の半分を 冷却(1℃)したトリス緩衝液(50mM、pH7.4)中で洗浄処理し(3×10分)、次いで冷却(1℃)した脱イオン水中で急速洗浄した。切片をその後ファンの前で風乾した。洗浄した切片及び非洗浄切片並びにトリチウム標準を、ホスホイメージプレート(Fuji)に曝露した。ホスホイメージプレートを富士フイ ルムのBAS 2500撮像装置でBASリーダーソフトウェアを用いて現像した。
【0184】
生物学的実施例1
新規な2−ヘテロアリール置換インドール誘導体のAβアミロイド微小線維に対するインビトロでの特異的結合の特徴付け
特異的結合(bindning)を、本明細書に記載される競合結合アッセイに従って決定した。競合結合アッセイ([3H]PIBを放射性リガンドとして使用する)において決定された本発明の化合物のIC50を表1に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての、式Ia
【化1】

[式中、
R1は、H、ハロ、メチル、C1-5フルオロアルキル、C1-3アルキレンOC1-3アルキル、C1-3アルキレンOC1-3フルオロアルキル、C1-3アルキレンNH2、C1-3アルキレンNHC1-3アルキル、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)2、C1-3アルキレンNHC1-3フルオロアルキル、C1-3アルキレンN(C1-3フルオロアルキル)2、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1-5フルオロアルコキシ、C1-5アルキルチオ、C1-5フルオロアルキルチオ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルコキシ、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、NHSO21-3アルキル、NHSO21-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルキル、(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルコキシ、(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)NH2、(CO)NHC1-3アルキル、(CO)NHC1-3フルオロアルキル、(CO)N(C1-3アルキル)2、(CO)N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、(CO)N(C4-6アルキレン)、(CO)N(C4-6フルオロアルキレン)、シアノ、SO2NHC1-3フルオロアルキル、ニトロ及びSO2NH2より選択され;
R2は、H、ハロ、メチル、C1-5フルオロアルキル、C1-3アルキレンOC1-3アルキル、C1-3アルキレンOC1-3フルオロアルキル、C1-3アルキレンNH2、C1-3アルキレンNHC1-3アルキル、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)2、C1-3アルキレンNHC1-3フルオロアルキル、C1-3アルキレンN(C1-3フルオロアルキル)2、C1-3アルキレンN(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1-5フルオロアルコキシ、C1-5アルキルチオ、C1-5フルオロアルキルチオ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルコキシ、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、NHSO21-3アルキル、NHSO21-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルキル、(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルコキシ、(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)NH2、(CO)NHC1-3アルキル、(CO)NHC1-3フルオロアルキル、(CO)N(C1-3アルキル)2、(CO)N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、(CO)N(C4-6アルキレン)、(CO)N(C4-6フルオロアルキレン)、シアノ、SO2NHC1-3フルオロアルキル、ニトロ及びSO2NH2より選択され;又は
R1及びR2は、環:
【化2】

を共に形成し、
Qは、Q2からQ10より選択される窒素含有芳香族複素環であり;
【化3】

ここで
Q2は1個又は2個のN原子を含有する6員芳香族複素環であり、X1、X2、X3及びX4はN又はCより独立して選択され;そしてここでX1、X2、X3及びX4の1つ又は2つがNであり、残りがCであり、そして該X1がCである場合、該CはR4で場合により置換され;そして該X2がCである場合、該CはR5で場合により置換され;
R3は、メトキシ、C1-4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)NH2、(CO)C1-3アルコキシ、メチルチオ、C1-6フルオロアルキルチオ、SO2NH2、N(C4-6アルキレン)及びG1より選択され;
【化4】

5は、O、NH、NC1-3アルキル及びN(CO)Ot−ブチルより選択され;
G2は、フルオロ及びヨードより選択される置換基で場合により置換されるフェニルであり;
R4はH、フルオロ、ブロモ及びヨードより選択され;
R5はH、フルオロ、ブロモ及びヨードより選択され;
R6はH、メチル及び(CH20-4CH2Fより選択され;
R7は、H、メチル、(CO)C1-4アルコキシ及び(CH20-4CH2Fより選択され;
ここで場合により、構成原子の1個又はそれ以上は検出可能な同位体である]
の化合物であって、
ただし以下の化合物
【化5】

は除外される、化合物。
【請求項2】
R1は、H、ハロ、メチル、C1-5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1-5フルオロアルコキシ、メチルチオ、C1-5フルオロアルキルチオ、アミノ、NHメチル、NHC1-3フルオロアルキル、N(CH3)CH3、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルコキシ、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、NHSO21-3アルキル、NHSO21-3フルオロアルキル、(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)C1-3アルコキシ、(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)NH2、(CO)NHC1-3フルオロアルキル、シアノ、SO2NHC1-3フルオロアルキル、ニトロ及びSO2NH2より選択され;又は
R1及びR2は環:
【化6】

を共に形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1は、H、フルオロ、ヨード、メチル、C1-5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、C1-5フルオロアルコキシ、メチルチオ、アミノ、NHメチル、NHC1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルコキシ、(CO)C1-3アルコキシ及び(CO)NH2より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Rlは、H、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシより選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R2は、H、フルオロ、ヨード、C1-5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、(CO)NH2、シアノ及びメチルチオより選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
R2は、H、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシより選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R2はHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
QはQ2である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Qは、Q3〜Q10より選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Q2はピリジン環であり、ここでX3及びX4はN又はCより独立して選択され、X3及びX4のうちの1つはNであり、そしてX1、X2、X3及びX4の残りはCである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
Q2はピリミジン環であり、ここでX2及びX4はNであり、そしてX1及びX3はCである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
Q2はピリミジン環であり、ここでX1及びX3はNであり、そしてX2及びX4はCである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Q2はピリダジン環であり、ここでX3及びX4はNであり、そしてX1及びX2はCである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Q2はピラジン環であり、ここでX1及びX4はNであり、そしてX2及びX3はCであり;又はX1及びX4はCであり、そしてX2及びX3はNである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
R3は、メトキシ、C1-4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1-3アルキル、NHC1-3フルオロアルキル、N(C1-3アルキル)2、N(C1-3アルキル)C1-3フルオロアルキル、NH(CO)C1-3アルキル、NH(CO)C1-3フルオロアルキル、(CO)NH2、(CO)C1-3アルコキシ、メチルチオ、C1-6フルオロアルキルチオ、SO2NH2、及びG1より選択され;ここでX5は、O、NH及びNメチルより選択される、請求項10〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
R3は、NHメチル、(CO)NH2、(CO)メトキシより選択される、請求項10〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
R4はH及びフルオロより選択される、請求項10〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
R4はHである、請求項10〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
R5はH及びフルオロより選択される、請求項10〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
R5はHである、請求項10〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
R6はH及びメチルより選択される、請求項10〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
R6はHである、請求項10〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
R7は、H、メチル及び(CO)C1-4アルコキシより選択される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
R7はH又は(CO)C1-4アルコキシである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
化合物が:
【化7】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が検出可能な同位体13Cであるか、又は1個の構成原子が18F、11C、75Br、76Br、120I、123I、125I、131I及び14Cより選択される検出可能な同位体である化合物であって:
【化8】

より選択される、化合物。
【請求項27】
1個の構成原子が検出可能な同位体11Cである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
分子の1個又はそれ以上の原子が検出可能な同位体を表す、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が19F及び13Cより選択される検出可能な同位体であるか、又は1個の構成原子が18F、11C、75Br、76Br、1201、1231、1251、131I及び14Cより選択される検出可能な同位体である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が検出可能な同位体19Fであるか、又は1個の構成原子が18F、11C及び123Iより選択される検出可能な同位体である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
1〜6個の構成原子が検出可能な同位体3Hであるか、又は1〜3個の構成原子が検出可能な同位体19Fであるか、又は1個の構成原子が18F及び11Cより選択される検出可能な同位体である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
1個の構成原子が検出可能な同位体11Cである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
1個の構成原子が検出可能な同位体18Fである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
遊離塩基又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての、式Ib
【化9】

[式中、
Zは、1又は2個のN原子を含有する6員芳香族複素環であり、ここでX6、X7及びX8はN又はCより独立して選択され、そして1つ又は2つのX6、X7及びX8はNであり残りはCであり、そしてX6がCである場合、該Cは場合によりR9で置換され、そしてX7がCである場合、該Cは場合によりR9で置換され、そしてX8がCである場合、該Cは場合によりR9で置換され;
R8は、OSi(G3)3、OCH2G4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R9は、H、ブロモ、フルオロ、クロロ、ヨード、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R10は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、N(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH2、O(CH22-4G7及びNH(CH22-4G7より選択され;
R11は、OSi(G3)3、OCH2G4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+及びニトロより選択され;
R12は、H、メチル、SO2N(CH32、SO2フェニル、SO2(p−メチル)フェニル、CO2CH2CCl3、CO2(CH22Si(CH32、CO2t−ブチル、Si(G3)3、P(=S)フェニル2、及び(CH22-4G7より選択され;
G3はC1-4アルキル及びフェニルより選択され;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1-3アルコキシ、2−(C1-3アルコキシ)エトキシ、C1-3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルより選択され;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルより選択され;
IG6+は、ヨードニウム塩の構成要素を表し、ここでヨード原子は超原子価であり、そして正の形式電荷を有し、ここでG6は、メチル及びブロモより選択される1つの置換基で場合により置換されるフェニルであり;
G7は、ブロモ、ヨード、OSO2CF3、OSO2CH3及びOSO2フェニルより選択され、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換され;
式Ibに関して、以下の条件:(1)R12はHである;(2)R8、R9、R10、R11より選択される置換基のうちの1つ又はいくつかが、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、Sn(C1-4アルキル)3、N(CH33+、IG6+、N2+、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、NH(CH22-4G7、N(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル、O(CH22-4G7、Si(G3)3、OCH2G4、(CH22-4G7より選択される官能基の1つである;
の一方又は両方が満たされる]
の化合物であって;
ただし、以下の化合物:
【化10】

は除外される、化合物。
【請求項35】
R8はHであり;R9はH、フルオロ及びニトロより選択され;R10は、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、NH(CH22-4G7、N(CH3)CHO、N(CH3)COCH3、N(CH3)CO2−t−ブチル、(CO)NH2及びO(CH22-4G7より選択され;R11は、OSi(CH32C(CH33、H、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、OCH2G4、Sn(C1-4アルキル)3及びN2+より選択され;R12は、H、SO2(p−メチル)フェニル、CO2(CH22Si(CH32、CO2t−ブチル、Si(CH32C(CH33及びP(=S)フェニル2より選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
Zは、X6、X7及びX8がCである6員芳香族複素環である、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項37】
Zは、X6及びX7がCであり、そしてX8がNであるピリジン環である、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項38】
Zは、X6及びX8がCであり、そしてX7がNであるピリジン環である、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項39】
Zは、X6及びX8がNであり、そしてX7がCであるピリミジン環である、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項40】
化合物が:
【化11】

である、請求項34に記載の化合物。
【請求項41】
請求項28又は34に記載の標識された化合物の製造方法における合成前駆体としての
、請求項34〜40のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、該標識が1つの[11C]メチル基により構成される、使用。
【請求項42】
請求項29又は35に記載の標識された化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項34〜40のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、該標識が1個の18F原子により構成される、使用。
【請求項43】
請求項27又は31に記載の標識された化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項34〜40のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、該標識が120I、1231、125I及び131Iより選択される1個の原子により構成される、使用。
【請求項44】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物を、薬学的に許容しうる担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項45】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の放射標識された化合物を、薬学的に許容しうる担体と共に含む、アミロイド沈着のインビボ画像化のための医薬組成物。
【請求項46】
被験体においてアミロイド沈着をインビボで測定する方法であって、(a)検出可能な量の請求項45に記載の医薬組成物を投与する工程、及び(b):被験体におけるアミロイド沈着への化合物の結合を検出する工程を含む、方法。
【請求項47】
該検出が、ガンマ線画像化、磁気共鳴画像化及び磁気共鳴分光法より選択される技術の群により行われる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
被験体が、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体からなる群より選択される疾患又は症候群を有することが疑われる、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
治療における使用のための、請求項1〜25のいずれか1項において定義される化合物。
【請求項50】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体の予防及び/又は処置のための医薬の製造における、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項51】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子の同型接合体の予防及び/又は処置の方法であって、該予防及び/又は処置を必要とする、ヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物を投与することからなる、方法。

【公表番号】特表2010−520275(P2010−520275A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552640(P2009−552640)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050242
【国際公開番号】WO2008/108729
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】