説明

新規な9−デオキソ−9−ジヒドロ−9A−アザ−9A−ホモエリスロマイシンA9A,11−環状カルバメート誘導体

本発明は、一般式(I)


(式中、R1は、個別的に、水素、ヒドロキシル又は式(II)


の基を表し、Xは、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xは、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-Arを表すか、又は、Xは、個別的に、
(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、(CH2)nは、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれた原子O、S又はNを含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arは、個別的に、原子O、S又はNの0〜3個を有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから独立的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-
C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;或いは、R1はR2と共にケトンを表し、
2は、個別的に、水素を表すか、又は、R1と共にケトンを表すか、又は、R3と共にエーテルを表し、R3は、個別的に、ヒドロキシル、式-OXの基を表すか、又は、R2と共にエーテルを表し、R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表し、R5は、個別的に、水素又はヒドロキシル保護基を表す)で表される、新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体、抗菌活性を有する他のマクロライド系化合物の合成のための中間体、その製造方法、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物、医薬組成物の調製方法及び菌の感染症の治療のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマクロライド系抗生物質のクラスからの新規な化合物に関する。特に、本発明は9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートのクラスからの3-デクラジノシル(3-decladinosyl)誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩、その水和物、その製造方法、その医薬組成物の調製及びその抗生物質としての使用又は他のマクロライド系抗生物質の製造のための中間体としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マクロライドは広範囲の感染症を処置するための周知の薬剤である。エリスロマイシンA(McGuire;Antibiot.Chemother.,1952;2:281)は、40年以上の間、グラム陽性菌、一部のグラム陰性菌、ある種のレジオネラ、ミコプラスマ、クラミジア及びヘリコバクターによって惹起される呼吸器及び頚部の感染症の治療のための安全でかつ効果的な薬剤と考えられてきた。エリスロマイシンのC-9ケトンの酸化とその後のベックマン転位及び還元により、9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA、アグリコン環中に組込まれた9a-アミノ基を有する最初の15員マクロライド系抗生物質が得られる(Kobrehel G. et al.,U.S.4,328,334 5/1982)。
【0003】
エリスロマイシンのC-6 ヒドロキシル基のO-メチル化により、クラリスロマイシン
(clarithromycin)(6-O-メチル-エリスロマイシンA)が得られる(Morimoto S. et al.
J.Antibiotics, 1984,37,187)。エリスロマイシンAと比較して、クラリスロマイシンはより安定であり、グラム陽性菌株に対して増大した生体内活性を示す(Kirst H.A. et al. Antimicrob.Agents and Chemother.,1989,1419)。
【0004】
同様の方法で、9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン Aとベンジルオキシカルボニルクロライドとの反応により、2’-O,(3’,9a-di-N)-トリス(ベンジルオキシカルボニル)-誘導体を経て、対応の9a,11-環状カルバメート及びその12-O-メチル-及び12、4”-ジ-O-メチル誘導体(Kobrehel G. et al., J. Antibiotics, 1993, 46,
1239)が合成された。
【0005】
14員マクロライドについての最近の研究により新しいタイプのマクロライド系抗生物質、即ち、ケトライドの発見がもたらされたことはよく知られている。酸性の弱い媒体中においてさえその安定性が低いことが知られている中性糖のL-クラジノースの代わりに、これらの化合物はC-3位にケト基を有する(Agouridas C. et al., EP 596802 Al
5/1994, Le Matrett O.,FR 2697524 AI 5/94)。ケトライドはMLS(マクロライド、リンコサミド及びストレプトグラミン B)誘発-耐性生物に対して著しく良好な活性を示す
(Jamjian C., Antimicrob. Agents Chemother.,1997,41,485)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩、その水和物、その調製のための方法及び中間体及び医薬製剤の調製及び適用方法をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は
i) 新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物;
ii) 新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物の製造方法;
iii) 新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物の抗生物質としての使用;又は
iv) 新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物の、他のマクロライド系抗生物質の合成のための中間体としての使用;
に関する。
【0008】
本発明の主題は、一般式(I)

(R1は、個別的に、水素、ヒドロキシル又は式(II)

の基を表し、Xは、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xは、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-Arを表すか、又は、Xは、個別的に、
(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、(CH2)nは、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれた原子O、S又はNを含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arは、個別的に、0〜3個の原子O、S又はNを有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから独立的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-
C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;
或いは、R1はR2と共にケトンを表し、
2は、個別的に、水素を表すか、又は、R1と共にケトンを表すか、又は、R3と共にエーテルを表し、
3は、個別的に、ヒドロキシル、式-OXの基を表すか、又は、R2と共にエーテルを表し、
4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表し、
5は、個別的に、水素又はヒドロキシル保護基を表す)で表される、新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及び水和物である。
【0009】
<ヒドロキシル保護基>という用語は、合成の際の望ましくない副反応をブロックするためのベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、アセチル又は置換シリル基を包含するが、これらに限定されるものではない(T. H. Green及びP. G. Wuts, Protective
Groups in Organic Synthesis, 3版, ニューヨーク, John Wiley & Sons, 1999)。
【0010】
1、R2、R3、R4、R5及びXが前記した意義を有する一般式(I)の化合物は本明細書に記載される方法で調製し得る。この製造方法(この方法も本発明の目的である)は工程図1及び2に例示されている。
【0011】

【0012】

【0013】
本発明の主題である化合物の合成のための工程図1に記載の出発化合物は、Kobrehl G等の U.S.特許 4,328,334号、5/1982(一般式1の化合物)及びA. Denis及びC. Agouridasの Bioorg.Med.Chem.Lett.1998,8,2427の報文及びKobrehl G. et al., J.Antibiotics
1993,46,1239の報文(化合物2及び3)に記載の方法で調製し得る。
【0014】
工程1
本発明の最初の工程は、一般式3(式中、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R4及びXは前記の意義を有する)の化合物(工程図2)を、強酸、好ましくは
0.25-1.5Nの塩酸を使用して、水と低級アルコール、好ましくはメタノール、エタノール又はイソプロパノールとの混合物中で、10-30時間、室温で加水分解することにより、一般式4(式中、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R5は水素を表し、
4及びXは前記の意義を有する)の化合物(工程図2)を調製することからなる。
【0015】
工程2
工程1で得られた3-デクラジノシル誘導体を2’-位のヒドロキシル基の選択的アシル化にかける。アシル化は反応に対して不活性な溶剤中で、無機塩基又は有機塩基の存在下、0〜30℃の温度で、4個までの炭素原子を有するカルボン酸の塩化物又は無水物、好ましくは無水酢酸を使用して行われ、式4の2’-O-アシル誘導体(式中、R5はヒドロキシル保護基、好ましくはアセチルを表し、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R4及びXは前記の意義を有する)を得る。
【0016】
適当な塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミンが使用される。適当な不活性溶剤としては塩化メチレン、ジクロロエタン、アセトン、ピリジン、酢酸エチル、テトラヒドロフランが使用される。
【0017】
場合により、工程2からの2’-O-アセチル誘導体は、反応に対して不活性な溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、無機塩基又は有機塩基の存在下、0〜30℃の温度で3−100時間、式 Y-COO-R’のカルボン酸の混合無水物(式中、Yは、個別的に、水素又は前記で定義したXを表し、R’はピバロイル、p-トルエンスルホニル、イソブトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はイソプロポキシカルボニル基のごとき混合無水物の調製に通常使用される基を表す)と反応させて、式5(工程図2)(式中、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R5はアセチル基を表し、R4及びXは前記の意義を有する)の化合物を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、式5(式中、R5は水素を表し、
3、R4及びXは前記した意義を有する)の化合物を製造する;
【0018】
場合により、R3が式-OXの基を表し、他の全ての置換基が工程2で記載した意義を有する工程2からの2’-O-アセチル誘導体を、触媒としてのジメチルスルホキシド及びピチジニウム トリフルオロアセテートの存在下、不活性有機溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、10℃〜室温までの温度で、N、N-ジメチルアミノプロピル-3-エチル-カルボジイミドを使用して、改変されたモファット-プフィッツナー(Moffat-Phitzner)法に従ってアグリコン環のC-3位のヒドロキシル基の酸化にかけて、式6(式中、R3は式-OXの基を表し、R5はアセチル基を表し、置換基R4及びXは前記の意義を有する)の化合物(工程図2)を製造する。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、式6(式中、R3は水素を表し、他の全ての置換基は前記の意義を有する)の化合物を製造する。別法として、C-3ヒドロキシル基をデッス マルチン(Dess Martin)過沃素化試薬(periodinane reagent)を使用して酸化することができる。
【0019】
場合により、R3がヒドロキシル基を表し、他の全ての置換基が工程2に記載した意義を有する工程2からの2’-O-アセチル誘導体を、式6の化合物を得るために述べた酸化にかけて、R5がアシル基を表し、R4が前記の意義を有する、式7によって表される3,6-ヘミケタール構造を有する化合物を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、R5が水素を表し、R4が前記した意義を有する式7の化合物を製造する;
【0020】
場合により、R3がヒドロキシルを表し、他の全ての置換基が工程2で述べた意義を有する工程2からの2’-O-アセチル誘導体を、不活性有機溶剤、好ましくはピリジン中で、室温〜溶剤の還流温度で、10〜50時間、位置3上のヒドロキシル基を良好な脱離性基に変換するのに適当な脱水剤、好ましくはメチルスルホニル無水物と接触させる。ついで、形成された中間体を、不活性有機溶剤、好ましくはテトラヒドロフラン中で、10℃〜室温の範囲の温度で、適当な薬剤、好ましくは水素化ナトリウムを使用して除去反応にかけて、R5がアセチルを表し、R4が前記の意義を有する式8の3,6-環状エーテルを製造する。ついで、形成された化合物を低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、R5が水素を表し、R4が前記の意義を有する式8の化合物を製造する。
【0021】
同様に本発明の主題である薬理学的に許容される付加塩は一般式(I)の新規化合物と、少なくとも等モル量の塩酸、沃化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、クエン酸、ステアリン酸、ジャンタリック酸(jantaric acid)、エチジャンタリック酸(ethyjantaric acid)、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及び他の酸のごとき適当な無機酸又は有機酸とを反応に対して不活性な溶剤中で反応させることにより調製される。付加塩はろ過(付加塩が溶剤に不溶性の場合)、沈殿、溶剤の蒸発又は凍結乾燥により単離し得る。
【0022】
本発明を以下の実施例により例示するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0023】
実施例1
3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(5.18g)の96%エタノール(150ml)中の溶液に0.25N 塩酸(50ml)を添加し、反応混合物を室温で48時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、CHCl3(150ml)を添加した;混合物のpHは約1.2であった。層を分離させ、水性層をCHCl3で2回以上抽出した。水性層のpHを9.5に調節しついでCHCl3で3回抽出した。pH 9.5の一緒にした有機抽出物を塩水で洗浄し、
K2CO3上で乾燥し、蒸発させて、3.96gの表題化合物を得た。この生成物は、場合により、
CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:9:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製できた。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数定数を有する表題化合物を得た。
【0024】

【0025】
実施例2
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例1からの3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(3.0g,4.98ミリモル)のCH2Cl2(100ml)中の溶液に、NaHCO3(1.09g,13.0ミリモル)と無水酢酸(0.62ml,6.57ミリモル)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO3溶液を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物を飽和NaHCO3溶液及び水で洗浄し、蒸発させて、下記の下記の物理−化学定数を有する表題化合物を得た。
【0026】

【0027】
実施例3
3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
方法 A:
12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.8g)の96%エタノール(50ml)中の溶液に0.25N 塩酸(15ml)を添加し、反応混合物を室温で48時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、CHCl3(50ml)を添加した;混合物のpHは約0.75であった。層を分離させ、水性層をCHCl3で2回以上抽出した。水性層のpHを9.5に調節しついでCHCl3で3回抽出した。pH 9.5の一緒にした有機抽出物を塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて、0.69gの表題化合物を得た。この生成物は、場合により、CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:9:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製できた。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物を得た。
【0028】

【0029】
方法 B:
4”,12-ジ-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.45g)を、方法 Aで述べたと同様の方法で、pH9.5で、96%エタノール(25ml)と0.25N HCl(10ml)の混合物中で加水分解することにより表題化合物(0.26g)を得た。
【0030】
実施例4
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例3からの3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.6g,0.972ミリモル)の
CH2Cl2(25ml)中の溶液に、NaHC03(0.22g,2.62ミリモル)と無水酢酸(0.125g,1.33ミリモル)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。実施例2と同様の方法で分離を行い、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.55g)を得た。
【0031】

【0032】
実施例5
3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
方法 A
12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.00g,1.27ミリモル)の96%エタノール(50ml)中の溶液に2N 塩酸(20ml)を添加し、反応混合物を室温で48時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、CHCl3(50ml)を添加した;混合物のpHは約1.0であった。層を分離させ、水性層をCHCl3で2回以上抽出した。水性層のpHを9.5に調節しついでCHCl3で3回抽出した。pH 9.5の一緒にした有機抽出物を塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得、この生成物を、CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:9:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.71g)を得た。
【0033】

【0034】
方法 B
4”,12-ジ-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.00g)を、方法 Aで述べたと同様の方法で、pH9.5で、96%エタノール(50ml)と2N HCl(10ml)の混合物中で加水分解することにより表題化合物(0.76g)を得た。
【0035】
実施例6
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例5からの3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.00g,1.59ミリモル)の
CH2Cl2(50ml)中の溶液に、NaHCO3(0.67g,7.98ミリモル)と無水酢酸(O.18ml,1.90ミリモル)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。実施例2と同様の方法で単離を行って
、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(1.05g)を得た。
【0036】

【0037】
実施例7
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-
9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(2.83g,4.39ミリモル)のCH2Cl2(50ml)中の溶液に、ジメチルスルホキシド(4.08ml,5.32ミリモル)とN,N-ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(5.05g,26.34ミリモル)を添加した。反応混合物を15℃に冷却し、ついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウムトリフルオロアセテート(5.01g,20.21ミリモル)のCH2Cl2(10ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に2時間撹拌した。反応混合物にNaClの飽和水溶液(25ml)を添加し、
pHを9.5に調節した。層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物を塩水、NaHCO3及び水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物2.5gを得た。
【0038】

【0039】
実施例8
3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例7からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(2.5g)のMeOH
(50ml)中の溶液を室温で24時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残渣(2.26g)をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:9:1.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(2.06g)を得た。
【0040】

【0041】
実施例9
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例4からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.55g,0.44ミリモル)のCH2Cl2(10ml)中の溶液に、ジメチルスルホキシド(0.82ml,11.54ミリモル)とN,N-ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(1.0g,5.22ミリモル)を添加した。反応混合物を15℃に冷却し、ついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウムトリフルオロアセテート(1.0g,5.17ミリモル)のCH2Cl2(5ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に2時間撹拌し、ついで実施例7と同様の方法で単離を行って下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.55g)を得た。
【0042】

【0043】
実施例10
3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例9からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.55g)のMeOH(20ml)中の溶液を室温で24時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残渣(0.45g)を
CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:9:1.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.251g)を得た。
【0044】

【0045】
実施例11
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例6からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート (0.34g,
0.51ミリモル)のCH2Cl2(10ml)中の溶液に、ジメチルスルホキシド(0.54ml,7.60ミリモル)とN,N-ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(0.58g,3.03ミリモル)を添加した。反応混合物を15℃に冷却し、ついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウムトリフルオロアセテート(0.59g,3.05ミリモル)のCH2Cl2(5ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に2時間撹拌し、ついで実施例9と同様の方法で単離を行って下記の物理−化学的定数を有する表題化合物(0.32g)を得た。
【0046】

【0047】
実施例12
3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例11からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール 12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.32g)のMeOH(20ml)中の溶液を室温で24時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残渣(0.30g)を
CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:9:1.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.17g)を得た。
【0048】

【0049】
実施例13
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-メシル 9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.21g,1.88ミリモル)のピリジン(60ml)中の溶液に、無水メチルスルホニル(1.176g,6.75ミリモル)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2(50ml)に溶解させた。
【0050】
NaHCO3の飽和水溶液(50ml)を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する粗生成物1.8gを得た。
【0051】

【0052】
実施例14
3-デクラジノシル-3,6-環状エーテル 9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例13からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-メシル 9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.00g,1.38ミリモル)の
DMF/THF(30ml/10ml)中の溶液に、鉱油中のNaHの懸濁液(60%)(0.22g,5.53ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液(50ml)中に注入し、EtOAc(50ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.73gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(60ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物
(0.65g)を得た。
【0053】

【0054】
実施例15
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-メシル 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例4からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.553g,
0.81ミリモル)のピリジン(60ml)中の溶液に、無水メチルスルホニル(0.507g,2.91ミリモル)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌し、ついで、実施例13と同様の方法で分離して、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.573g)を得た。
【0055】

【0056】
実施例16
3-デクラジノシル-3,6-環状エーテル 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-
9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例15からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-メシル 12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.487g,
0.66ミリモル)のDMF/THF(12ml/4ml)中の溶液に、鉱油中のNaHの懸濁液(60%)(0.107g,
2.68ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液(50ml)中に注入し、EtOAc(50ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.43gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(60ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.30g)を得た。
【0057】

【0058】
実施例17
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-メシル 12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例6からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.55g、0.82ミリモル)のピリジン(30ml)中の溶液に、無水メチルスルホニル(0.512g,2.94ミリモル)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌し、ついで、実施例13と同様の方法で分離して、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.607g)を得た。
【0059】

【0060】
実施例18
3-デクラジノシル-3,6-環状エーテル 12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例17からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-メシル 12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.450g,
0.60ミリモル)のDMF/THF(12ml/4ml)中の溶液に、鉱油中のNaHの懸濁液(60%)(0.097g,
2.42ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液(50ml)中に注入し、EtOAc(50ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.45gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(60ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物(0.35g)を得た。
【0061】

【0062】
実施例19
3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
4-ニトロフェニル酢酸(0.644g、3.55ミリモル)の無水CH2Cl2(15ml)中の溶液に、TEA
(0.504ml,3.55ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.469ml,3.55ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.966ml,11.94ミリモル)と、実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.70g,1.08ミリモル)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液とを添加し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。NaHCO3の飽和水溶液(30ml)を添加し、層を分離させた。水性層をCH2Cl2で2回以上抽出した。一緒にした有機抽出物を塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.70gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.30gを得た。
【0063】

【0064】
実施例20
3-デクラジノシル-3-O-(4-アミノフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-
9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例19からの3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.20g,0.26ミリモル)の濃酢酸(25ml)中の溶液にPtO2xH2O(0.12g、0.52ミリモル)を添加し、反応混合物を約30バールの水素圧下、室温で2時間撹拌した。触媒をろ過し、洗浄し、液体を蒸発させた。残渣をCH2Cl2(30ml)に溶解し、水(30ml)を添加し、混合物のpHを9.5に調節した。層を分離させ、有機層をNaHCO3の飽和水溶液で2回抽出した。有機層をK2CO3上で乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、これをCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物
0.13gを得た。
【0065】

【0066】
実施例21
3-デクラジノシル-3-O-(4-フルオロフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
4-フルオロフェニル酢酸(0.360g、2.35ミリモル)の無水CH2Cl2(15ml)中の溶液に、TEA
(0.360ml,2.35ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.390g,2.35ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.696ml,7.91ミリモル)と、実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.50g,0.71ミリモル)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液とを添加し、反応混合物を0℃で4時間、更に、室温で20時間撹拌した。反応混合物を実施例19で述べた方法で分離して、0.45gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.24gを得た。
【0067】

【0068】
実施例22
3-デクラジノシル-3-O-(4-メトキシフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
4-メトキシフェニル酢酸(0.390g、2.35ミリモル)の無水CH2Cl2(15ml)中の溶液に、TEA
(0.360g,2.35ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.390g,2.35ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.696ml,7.91ミリモル)と、実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.50g,0.71ミリモル)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液とを添加し、反応混合物を0℃で4時間、更に、室温で44時間撹拌した。反応混合物を実施例19で述べた方法で分離して、0.45gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.37gを得た。
【0069】

【0070】
実施例23
3-デクラジノシル-3-O-(ベンジル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
フェニルプロピオン酸(0.231g、1.55ミリモル)の無水CH2Cl2(10ml)中の溶液に、TEA
(0.216ml,1.55ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.201ml,1.55ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.414ml,3.41ミリモル)と、実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.20g,0.31ミリモル)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液と、4-(ジメチルアミ ノ)ピリジン(0.038ml,0.31ミリモル)とを添加し、反応混合物を還流温度で10時間撹拌した。反応混合物を実施例19で述べた方法で分離して、0.35gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.10gを得た。
【0071】

【0072】
実施例24
3-デクラジノシル-3-O-(ピリジルチオ)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
4-ピリジルチオ酢酸 (0.59g、1.55ミリモル)の無水CH2Cl2(20ml)中の溶液に、TEA
(0.216ml,1.55ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.201ml,1.55ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.828ml,6.82ミリモル)と、実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.20g,0.31ミリモル)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液と、4-(ジメチルアミ ノ)ピリジン(0.038ml,0.31ミリモル)とを添加し、反応混合物を還流温度で10時間撹拌した。反応混合物を実施例19で述べた方法で分離して、0.37gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、24時間室温で撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.09gを得た。
【0073】

【0074】
実施例25
3-デクラジノシル-3-O-アセチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例2からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.2150g,0.321ミリモル)のピリジン(6.0ml,79.0ミリモル)の溶液に無水酢酸(3.0ml,31.6ミリモル)を添加し,反応混合物を60℃で10時間撹拌した。反応混合物を氷水(50ml)中に注入し、CH2Cl2(50ml)を添加し、層を分離させた。水性層をCH2Cl2で2回以上抽出した。一緒にした有機層を
NaHCO3の飽和水溶液、塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させた。得られた生成物を
MeOH(50ml)に溶解し、室温で24時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンからの結晶化により精製して、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.12gを得た。
【0075】

【0076】
実施例26
3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
4-ニトロフェニル酢酸(1.100g、6.11ミリモル)の無水CH2Cl2(25ml)中の溶液に、TEA
(0.867ml,6.11ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.807ml,6.11ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(1.655ml,20.45ミリモル)と、実施例4からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(1.220g,1.85ミリモル)の無水CH2Cl2(10ml)中の溶液とを添加し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。反応混合物を実施例19で述べた方法で分離して、1.1gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、室温で24時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.78gを得た。
【0077】

【0078】
実施例27
3-デクラジノシル-3-O-(4-アミノフェニル)アシル-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例26からの3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-12-O-メチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
(0.120g,0.15ミリモル)の濃酢酸(25ml)中の溶液にPtO2xH2O(0.07g、0.31ミリモル)を添加し、反応混合物を約20バールの水素圧下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を実施例20と同様の方法で分離した。CH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.068gを得た。
【0079】

【0080】
実施例28
3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
4-ニトロフェニル酢酸(0.440g、2.45ミリモル)の無水CH2Cl2(20ml)中の溶液に、TEA
(0.342ml,2.45ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ピバリロイル
(0.327ml,2.45ミリモル)を添加し、反応混合物を同一の温度で30分間撹拌した。反応混合物にピリジン(0.660ml,8.24ミリモル)と、実施例6からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-3-オキシ-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート(0.550g,0.817ミリモル)の無水CH2Cl2(10ml)中の溶液とを添加し、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。反応混合物を実施例19で述べた方法で分離して、0.7gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解し、室温で24時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.5からなる系を使用して、シリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーからの均一なフラクションを混合し、蒸発させて表題化合物を得、これをCH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.28gを得た。
【0081】

【0082】
実施例29
3-デクラジノシル-3-O-(4-アミノフェニル)アシル-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
実施例28からの3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-12-O-エチル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメート
(0.150g,0.19ミリモル)の濃酢酸(25ml)中の溶液にPtO2xH2O(0.086g、0.38ミリモル)を添加し、反応混合物を約20バールの水素圧下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を実施例20と同様の方法で分離した。CH2Cl2:ジエチルエーテル:n-ヘキサンから結晶化させて、下記の物理−化学定数を有する表題化合物 0.084gを得た。
【0083】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

(式中、R1は、個別的に、水素、ヒドロキシル又は式(II)

の基を表し、Xは、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xは、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-Arを表すか、又は、Xは、個別的に、
(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、(CH2)nは、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれた原子O、S又はNを含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arは、個別的に、原子O、S又はNの0〜3個を有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから独立的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-
C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;
或いは、R1はR2と共にケトンを表し、
2は、個別的に、水素を表すか、又は、R1と共にケトンを表すか、又は、R3と共にエーテルを表し、
3は、個別的に、ヒドロキシル、式-OXの基を表すか、又は、R2と共にエーテルを表し、
4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表し、
5は、個別的に、水素又はヒドロキシル保護基を表す)で表される、新規な9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及び水和物。
【請求項2】
1がヒドロキシルを表し、R2とR5は相互に同一でありかつ水素を表し、R3が、個別的に、ヒドロキシルを表すか又は式-OXの基を表し、Xが、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xが、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xが、個別的に、
(CH2)n-Arを表すか、又は、Xが、個別的に、(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、
(CH2)nが、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれたO、S又はN原子を含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arが、個別的に、原子O、S又はNの0〜3個を有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから個別的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
4が水素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
4がメチル基を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
4がエチル基を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
1は、式(II)の基を表し、Xは、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xは、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-Arを表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、(CH2)nは、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれた原子O、S又はNを含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arは、個別的に、原子O、S又はNの0〜3個を有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから個別的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2
NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;R2とR5は相互に同一でありかつ水素を表し、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NO2置換フェニルを表し、R4は水素を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NO2置換フェニルを表し、R4はメチル基を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NO2置換フェニルを表し、R4はエチル基を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NH2置換フェニルを表し、R4は水素を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NH2置換フェニルを表し、R4はメチル基を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項12】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NH2置換フェニルを表し、R4はエチル基を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項13】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-ハロゲン置換フェニルを表し、R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項14】
ハロゲンは弗素を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
ハロゲンは塩素を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
ハロゲンは臭素を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
ハロゲンは沃素を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-OMe置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項19】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-OH置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項20】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NH2C1置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項21】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-NHC2ジアルキル置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項22】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-SO2NH2置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項23】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは2であり、Arは4-CN置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項24】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは3であり、Arは非置換フェニルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項25】
1は式(II)の基を表し、Xは(CH2)n-Arを表し、nは3であって、1個の組込まれたS原子を含有し、Arはピリジルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項26】
1は式(II)の基を表し、Xはメチル基を表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項27】
1とR5は相互に同一でありかつ水素を表し、R2はR3と共にエーテルを表し、R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
4は水素を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
4はメチル基を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
4はエチル基を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
4はプロピル基を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項32】
4はビニル基を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項33】
4はアリル基を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項34】
1はヒドロキシルを表し、R2はR3と共にエーテルを表し、R5は水素を表し、R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
4は水素を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
4はメチル基を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
4はエチル基を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
4はプロピル基を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項39】
4はビニル基を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項40】
4はアリル基を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項41】
1はR2と共にケトを表し、R3は式-OXの基を表し、R5は水素を表し、R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項42】
4は水素を表す、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
4はメチル基を表す、請求項41に記載の化合物。
【請求項44】
4はエチル基を表す、請求項41に記載の化合物。
【請求項45】
4はプロピル基を表す、請求項41に記載の化合物。
【請求項46】
4はビニル基を表す、請求項41に記載の化合物。
【請求項47】
4はアリル基を表す、請求項41に記載の化合物。
【請求項48】
a) 式3の出発化合物(工程図1)を、水と低級アルコール、好ましくはメタノール、エタノール又はイソプロパノールとの混合物中で、強酸、好ましくは0.15−1.5Nの塩酸を使用して、10−30時間、室温で加水分解して、一般式(I)の化合物(式中、R1はヒドロキシルを表し、R2とR5は相互に同一でありかつ水素を表し、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、Xは、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xは、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-Arを表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、(CH2)nは、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれた原子O、S又はNを含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arは、個別的に、原子O、S又はNの0〜3個を有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2
NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから個別的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、
-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;R4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表す)を製造し、ついで、この化合物を
b) 反応に対して不活性な溶剤中で、無機塩基又は有機塩基の存在下、0〜30℃の温度で、好ましくは4個までの炭素原子を有するカルボン酸の塩化物又は無水物、好ましくは無水酢酸を用いるアシル化により、2’-位のヒドロキシル基の選択的アシル化にかけて、好ましくはアセチル基を形成させて、R1はヒドロキシルを表し、R2は水素を表し、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R5はアセチル基を表し、R4及びXは a)で前記した意義を有する一般式(I)の2’-O-アシル誘導体を製造し、ついで、この化合物を、場合により、
c) 反応に対して不活性な溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、無機塩基又は有機塩基の存在下、0〜30℃の温度で3−100時間、式Y-COO-R’のカルボン酸の混合無水物(式中、
Yは水素又は前記で定義したXを表し、R’はピバロイル、p-トルエンスルホニル、イソブトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はイソプロポキシカルボニル基のごとき混合無水物の調製に通常使用される基を表す)と反応させて、R1は一般式(II)の基を表し、
2は水素を表し、R3は、個別的に、ヒドロキシル又は式-OXの基を表し、R5はアセチル基を表し、R4及びXは前記した意義を有する一般式(I)の化合物を製造する;ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、R5は水素を表し、R3、R4及びXは前記した意義を有する一般式(I)の化合物を製造する;か又は、場合により、
c2) R3が式-OXの基を表し、残りの置換基が前記した意義を有する場合には、触媒としてのジメチルスルホキシド及びピチジニウム トリフルオロアセテートの存在下、不活性有機溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、10℃〜室温までの温度で、N、N-ジメチルアミノプロピル-3-エチル-カルボジイミドを使用する改変されたモファット-プフィッツナー
(Moffat-Phitzner)法に従ってアグリコン環のC-3位のヒドロキシル基を酸化して、R1がR2と共にケトンを表し、R3は式-OXの基を表し、R5はアセチル基を表し、置換基R4及びXは前記した意義を有する一般式(I)の化合物を製造する;ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、R5は水素を表し、他の全ての置換基は前記した意義を有する一般式(I)の化合物を製造する;か又は、場合により
c3) R3がヒドロキシルを表し、残りの置換基がb)で定義した意義を有する場合には、工程c2)からの一般式(I)の化合物を得るために述べた酸化にかけ、R1はヒドロキシルを表し、R2はR3と共にエーテルを表し、R5はアセチルを表し、R4は前記の意義を有する一般式(I)によって与えられる3,6-ヘミケタール構造を有する化合物を得る;ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、R5は水素を表し、他の全ての置換基は前記した意義を有する一般式(I)の化合物を製造する;か又は、場合により
c4) R3がヒドロキシを表し、残りの置換基がb)で定義した意義を有する場合には、不活性有機溶剤、好ましくはピリジン中で、室温〜溶剤の還流温度で、10〜50時間、位置3上のヒドロキシル基を良好な脱離性基中に変換するのに適当な脱水剤、好ましくはメチルスルホニル無水物と接触させる;ついで、形成された中間体を、不活性有機溶剤、好ましくはテトラヒドロフラン中で、10℃〜室温の範囲の温度で、適当な薬剤、好ましくは水素化ナトリウムを使用して除去反応にかけて、R1は水素を表し、R2はR3と共にエーテルを表し、R5はアセチルを表し、R4は前記の意義を有する一般式(I)の3,6-環状エーテルを製造する;ついで、形成された化合物を低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度で脱保護にかけて、R5は水素を表し、他の全ての置換基は前記した意義を有する一般式(I)の化合物を製造する;ことからなる、一般式(I):

(式中、R1は、個別的に、水素、ヒドロキシル又は式(II)

の基を表し、Xは、個別的に、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基を表すか、又は、Xは、個別的に、少なくとも1個の、組込まれたO、S又はN原子を含有するC1−C6アルキル基を表すか、又は、Xは、個別的に、(CH2)n-Arを表すか、又は、Xは、個別的に、
(CH2)n-ヘテロシクロアルキルを表し、(CH2)nは、個別的に、アルキルを表し、n は、組込まれた原子O、S又はNを含むか又は含むことなしに、1〜10であり、Arは、個別的に、原子O、S又はNの0〜3個を有する、かつ、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキルから個別的に選ばれた1〜3個の基で置換されているか又は置換されていない、5−10員単環式又は二環式芳香族環を表し、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和された3−10員の単環又は二環系であって、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2、アミノ-C1-
C3-アルキル又はアミノ-C1-C3-ジアルキル、CN、SO2NH2、C1-C3-アルキル、-C(O)-、COOHから独立的に選ばれた1〜4個の基で置換されているか又は置換されていない環系を表し、この環系は、3−8員の単環式又は二環式環を包含しており、そしてこれらの環は組込まれたO、S又はN原子を含有するか又は含有していない非芳香族環に連結された6員芳香族環又はヘテロ芳香族環を包含している;
或いは、R1はR2と共にケトンを表し、
2は、個別的に、水素を表すか、又は、R1と共にケトンを表すか、又は、R3と共にエーテルを表し、
3は、個別的に、ヒドロキシル、式-OXの基を表すか、又は、R2と共にエーテルを表し、
4は、個別的に、水素、C1−C4アルキル基又はC2-C4アルケニル基を表し、
5は、個別的に、水素又はヒドロキシル保護基を表す)で表される、9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン A 9a,11-環状カルバメートの3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及び水和物の製造方法。


【公表番号】特表2006−503064(P2006−503064A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539263(P2004−539263)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/HR2003/000051
【国際公開番号】WO2004/029067
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(504378294)プリバ−イストラツイヴアツキー インスティテュト デイ.オー.オー (17)
【Fターム(参考)】