説明

新規のセロトニンレセプターリガンドおよびそれらの使用

本発明は、新規な式3の5−HTレセプター結合薬剤を開示し、ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択さる。R〜R12は、式3の化合物のレセプター結合、レセプター選択性、組織浸透、親油性、毒性、バイオアベイラビリティおよび薬物動態のような物理化学的特性および生物学的特性を最適化するように選択される種々の置換基である。これらとしては、水素、アルキル、アシル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アリール、アミノ、アミノアルキル、アルコキシル、アリールオキシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、および他の適切な電子供与基または電子吸引基が挙げられる。RとR、RとR、またはRとRとは、必要に応じてともに結合して、縮合脂環式環または縮合複素環式環を形成し得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、新規のセロトニン(5−HT)レセプターアンタゴニストおよびそれらの潜在的な使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン、5−HT)は、多くの正常な生理学的なプロセス(例えば、血行動態、摂食、睡眠など)および病態生理学的な状態(うつ病、不安、片頭痛、高血圧などが挙げられる)において重要な役割を果たす神経伝達物質である。現在、以下の4つのセロトニンレセプターサブタイプが同定されている:5−HT、5−HT、5−HTおよび5−HT。5−HTレセプターファミリーは、さらに5−HT2Aサブタイプ、5−HT2Bサブタイプおよび5−HT2Cサブタイプに細分される。5−HTファミリーのなかでも、5−HT2Aサブタイプは、脳および末梢の両方におけるその分布および機能に関して広範に研究されている(非特許文献1)。5−HT2Cレセプターサブタイプは、脳全体に分布するが、末梢組織には分布していないことが公知である。対照的に、5−HT2Bサブタイプの分布および機能は、まだ十分には調べられていない。5−HT2Aサブタイプと5−HT2Cサブタイプとは、構造的および機能的にきわめて類似しており、このことは、一旦5−HT2Aレセプターに起因する薬理学的活性が5−HT2Cレセプターに媒介され得ることを示唆している。実際に、過去20、30年にわたって、数百種類の高親和性のセロトニンレセプター結合リガンドが発見されているのにもかかわらず、選択性の欠如が依然として存在する。これらのリガンドのいくつかはまた、他のレセプター(例えば、αアドレナリンレセプターおよびドーパミンレセプター)と交差反応することが示されている(非特許文献2)。
【0003】
本発明の化合物は、精神分裂病(および、パラノイアおよび抑うつ性(mano−depressive)の病気のような他の精神病性障害)、パーキンソン病および他の運動障害、不安(例えば、全般性不安障害、パニック発作および強迫性障害)、うつ病(例えば、セロトニン再取り込みインヒビターとセロトニン−ノルエピネフリン再取り込みインヒビターの相乗作用による)、ツレット症候群、片頭痛、自閉症、注意欠陥障害および注意欠陥過活動性障害のようなCNS障害に罹患している被験体を処置するのに使用され得る。本発明の化合物は、睡眠障害、社会恐怖、疼痛、体温調節障害、内分泌障害、尿失禁、血管痙攣、脳卒中、例えば、肥満、食欲不振および過食症のような摂食障害、性機能障害の処置、ならびにアルコール、薬物およびニコチンの禁断症状の処置にも有用であり得る。
【0004】
本発明の化合物はまた、認知機能障害の処置に有用である。したがって、本発明の化合物は、軽度認知障害(MCI)を伴う認知機能障害、アルツハイマー病および他の認知症(レヴィー小体認知症、血管性認知症および脳卒中後認知症が挙げられる)の処置に有用であり得る。外科手順、外傷性の脳損傷または脳卒中に関連する認知機能障害はまた、本発明にしたがって処置され得る。さらに、本発明の化合物は、認知機能障害が、例えば、パーキンソン病、自閉症およびADHDのような共存症である疾患の処置に有用であり得る。
【0005】
5−HT2Aおよび/または5−HT2Cはまた、精神刺激薬の行動性作用を媒介することにおいて重要であり得る。急性のコカインの運動活性化作用は、脳内注射された5−HT2A/2Cアンタゴニストによりブロックされる(非特許文献3)。サルおよびラットにおけるMETHおよびコカインの識別可能な刺激(discriminative−stimulus)作用は、5−HT2A/2Cアンタゴニスト(例えば、p−クロロフェニルアラニン)により軽減されるが、5−HT2A/2Cアゴニスト(例えば、±−1−(2,5−ジメトキシ−4−ヨードフェニル)−2−アミノプロパン(DOI))により増強される(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。ヒトのコカイン常用者において、以前のコカイン投与に関連する環境的な刺激により通常誘発される欲求は、セロトニンの前駆体であるトリプトファンの血漿レベルを低下させることによるセロトニンレベルの低下後に軽減され、そして、反復されるコカインからの短期間の禁断症状は、5−HT2A/2Cレセプターにより媒介される挙動応答および神経内分泌応答の亢進をもたらす(非特許文献7、非特許文献8)。変化についてのこの短い時間経過は、初期の禁断に伴うネガティブな気分に関連するが、薬物欲求は、初期の無快感段階(anhedonic phase)の継続期間よりもはるかに長く続く。
【0006】
5−HT伝達の低下が精神刺激に対する自覚的な経験および誘因性の動機付けを弱め得るという主題が生じている。
【0007】
【化9】

ミアンセリン(1)およびミルタゼピン(mirtazepine)(2)は、抗うつ薬として現在使用されている強力な5−HTレセプターアンタゴニストである。さらに、ミアンセリンは、最近、先のコカイン使用に起因する行動感作(behavioral sensitization)を逆転することが示され、5−HTレセプターアンタゴニストは、以前に感作期間を経験したコカイン常用者を処置するのに有用であることが示唆されている(非特許文献9)。しかしながら、表1に示されるように、
【0008】
【表1】

これらの化合物は、5−HT2A/2Cレセプターに対して高い選択性を示さない。レセプター選択性は、薬物開発のための重要な検討材料である。なぜなら、薬物の副作用は、しばしば、リガンドの非選択性に起因するからである。それゆえ、当該分野において、セロトニンレセプターにより媒介される多くの正常な生理学的プロセスおよび病理学的なプロセスを処置するのに有効な薬物を開発するために、強力かつきわめて選択的な5−HT2A/2Cレセプターリガンドを開発する必要性が存在する。
【0009】
過去20,30年で、多くのミアンセリン(1)およびミルタゼピン(2)のアナログが調製された(1977年、van der Burg,W.J.に対する、発明の名称「Tetracyclic compounds」の特許文献1、非特許文献10)が、これらの全ては、2つのフェニル環(6位〜9位および11位〜14位)、中央のメチレン(10位)またはピペラジンの窒素(2位)における置換から誘導された。また、10位は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子により置換され、それぞれ対応するオキサザピンアナログ、ジアゼピンアナログおよびチアゼピンアナログを与え、これらは、強力な薬理学的特性を示す。驚くべきことに、単純なアルキル基(例えば、メチルまたはエチル)によっても1位、3位または4位が置換されたリガンド1のアナログおよびリガンド2のアナログを開示する、公開された研究は存在しない。5−HTサブタイプの構造は類似性が高いので、経験的データおよび分子モデリング方法に関する当該分野の現状から、推測的に与えられるリガンド選択性を予測することは不可能である。コアのリガンド構造のほんのわずかな変化が、選択性にかなりの変化をもたらし得ることは可能である。したがって、本発明の目的は、選択性の高い5−HTレセプターリガンドを開発する目的のために、1位、3位または4位に適切な置換基を有するコア構造1およびコア構造2を探索することである。
【特許文献1】米国特許第4,062,848号明細書
【非特許文献1】Van Wijngaarden,Iら、The concept of selectivity in 5−HT receptor research.Eur.J Pharmacol.1999,188,301−312
【非特許文献2】Peroutka,S.J.およびSnyder,S.H、Multiple serotonin receptors:Differential binding of [3H]5−hydroxytryptamine,[3H]lysergic acid diethylamide,[3H]spiroperidol,Mol.Pharmacol.Rev.1979;16,687−699
【非特許文献3】(McMahon,L.R.ら、Differential regulation of of the mesoaccumbens circuit by serotonin 5−hydroxytryptamine(5−HT)2A and (5−HT)2C receptors.J.Neurosci.2001,21,7781−7787).
【非特許文献4】Tran−Nguyen,L.T.ら、Serotonergic depletion attenuates cocaine−seeking behavior in rats.Psychopharmacology(Berl)1999,146,60−66
【非特許文献5】Schama,K.F.ら、Serotonergic modulation of the discriminative−stimulus effects of cocaine in squirrel monkeys.Psychopharmacology(Berl)1997,132,27−34
【非特許文献6】Munzar,P.ら、Effects of various serotonin agonists,antagonists,and uptake inhibitors on the discriminative−stimulus effects of methamphetamine in rats.J.Pharmacol.Exp.Ther.1999,291,239−250
【非特許文献7】Satel,H.L.ら、Tryptophan depletion and attenuation of cue−induced craving for cocaine.Am.J.Psychiatry 1995,152,778−783
【非特許文献8】Braumann,M.H.ら、Alterations in serotonergic responsiveness during cocaine withdrawal in rats:similarities to major depression in humans.Society of Biological Psychiatry 1998,44,578−591
【非特許文献9】Davidson,C.ら、5−H2receptor antagonists given in the acute withdrawal from daily cocaine injections can reverse established sensitization.Eur.J.Pharmacol.2002,255−263
【非特許文献10】S.M.Berge,S.M.ら、J.Pharmaceutical Sciences 1977,66,1−最終頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
したがって、本発明は、以下の式3の新規のリガンドを開示する:
【0011】
【化10】

ここで、Xは−CHまたは−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択される。R〜R12は、式3の化合物のレセプター結合、レセプター選択性、組織浸透、親油性、毒性、バイオアベイラビリティおよび薬物動態のような物理化学的特性および生物学的特性を最適化するように選択される種々の置換基である。これらとしては、水素、アルキル、アシル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アリール、アミノ、アミノアルキル、アルコキシル、アリールオキシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、および他の適切な電子供与基または電子吸引基が挙げられる。RとR、RとR、またはRとRとは、必要に応じてともに結合して、縮合脂環式環または縮合複素環式環を形成し得る。RとR、RとR、またはRとRとはまた、必要に応じてともに結合して、スピロ炭素環式環またはスピロ複素環式環を形成し得る。本発明の化合物は、CNS障害(薬物嗜癖、不安およびうつ病などが挙げられる)の処置に有用であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明は、以下の式3の新規のリガンドに関する:
【0013】
【化11】

ここで、Xは−CHまたは−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択される。R、R、R〜R、R10およびR11は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;シアノ;カルボキシル;C〜C10アシル;C〜C10ヒドロキシアルキル;C〜C10アルコキシカルボニル(alkxoylcarbonyl);非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル、ただし、R、R、R〜R、R10およびR11の全てが水素ではない。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;C〜C10ヒドロキシアルキル;C〜C10アルコキシカルボニルアルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。RおよびRは、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニル。RとR、RとR、またはRとRとは、必要に応じてともに結合して、縮合脂環式環または縮合複素環式環を形成し得る。RとR、RとR、またはRとRとはまた、必要に応じてともに結合して、スピロ炭素環式環またはスピロ複素環式環を形成し得る。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、以下の式4に代表される:
【0015】
【化12】

ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択さる。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。Rは、以下からなる群より選択される:C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。R、R10およびR11は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。RおよびRは、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニル。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態は、式4に代表され、ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択される。RおよびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシルフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より独立して選択される。Rは、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択される。R、R10およびR11は、水素である。RおよびRは、水素またはヒドロキシルである。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態は、以下の式5に代表される:
【0018】
【化13】

ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択される。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。Rは、以下からなる群より選択される:C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。R、R10およびR11は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。RおよびRは、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニル。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態は、式5に代表され、ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択される。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシルフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジル。Rは、以下からなる群より選択される:C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジル。R、R10およびR11は、水素である。RおよびRは、水素またはヒドロキシルである。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態は、以下の式6に代表される:
【0021】
【化14】

ここで、mおよびnは、1〜4で独立して変動する。Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択される。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。R10およびR11は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。RおよびRは、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニル。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態は、式6に代表され、ここで、mおよびnは、1〜4で独立して変動する。Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択される。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジル。RおよびRは、水素またはヒドロキシルである。R10およびR11は、水素である。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態は、以下の式7に代表される:
【0024】
【化15】

ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択される。Rは、以下からなる群より選択される:C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。R、R10およびR11は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;ならびに、非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキル。RおよびRは、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニル。
【0025】
本発明の別の好ましい実施形態は、式7に代表され、ここで、Xは−CH−または−N−である。Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択される。Rは、以下からなる群より独立して選択される:C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジル。R、R10およびR11は、水素である。RおよびR12は、以下からなる群より独立して選択される:水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシルフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジル。RおよびRは、水素またはヒドロキシルである。
【0026】
式4に属する化合物は、以下のスキーム1に概説される方法にしたがって合成され得る。
【0027】
【化16】

重要な中間体、すなわち2,4,5−三置換ピペラジン誘導体10は、以下の3つの工程による、2つの出発物質であるN−アルキルアミノ酸8aおよびアリールグリシン9の縮合により調製され得る:2つのアミノ酸の混合された無水物による結合(mixed anhydride coupling)、併発的な脱保護およびジケトピペラジン誘導体への閉環、ならびにボラン試薬によるジアミドの還元。数種類のアリールグリシン誘導体が、市販されている(フェニルグリシンの場合)か、または周知のStreckerアミノ酸合成を使用して芳香族アルデヒドから容易に合成され得るかのいずれかである。同様に、数種類のN−アルキルアミノ酸が、市販されているか、または対応するN−アシルアミノ酸のt−ブチルエステルのジボラン還元により調製され得る。さらに、ピペラジン10を一般式4に属するリガンド12へ変換することは、米国特許出願[12](この全体が、参考として本明細書に援用される)に記載される手順により達成され得る。
【0028】
式5に属する化合物もまた、スキーム1に概説される方法とほとんど同一な方法により合成され得る(非環式アミノエステル8aを1−(N−アルキル)アミノシクロアルカンカルボン酸8bと置き換えた以外は、全ての他の出発物質および試薬は同一である)。
【0029】
【化17】

数種類の1−(N−アルキル)アミノシクロアルカンカルボン酸誘導体が、市販されているか、または周知のStreckerアミノ酸合成を使用してシクロアルカノンから容易に合成され得るかのいずれかである。
【0030】
式6に属する化合物は、以下のスキーム2に概説される方法により合成され得る。
【0031】
【化18】

重要な中間体、すなわち2,4,6−三置換ピペラジン誘導体15は、以下の3つの工程による、2つの出発物質であるα−ブロモカルボン酸13およびN−Boc−N−アルキルアミノ−1−アリールエチレンジアミン14の縮合により調製され得る:一保護された(monoprotected)ジアミンおよびα−ブロモカルボン酸の混合された無水物による結合、併発的な脱保護およびラクタム誘導体への閉環、ならびにボラン試薬によるこのラクタムの還元。一保護されたジアミン14は、以下の2つの工程により、N−t−Boc−アリールグリシンから調製され得る:N−t−Boc−アリールグリシンとアルキルアミンとの混合された無水物による結合、それに続くボラン試薬によるこのアミドの選択的還元。多くのα−ブロモカルボン酸が市販されているが、これらはまた、対応するカルボン酸の臭素化により調製され得る。15を一般式6に属するリガンド16へ変換することは、スキーム1に概説される手順と同一な手順により達成され得る。
【0032】
式7に属する化合物は、以下のスキーム3に概説される方法にしたがって合成され得る。
【0033】
【化19】

出発物質17は、米国特許[12](参考として本明細書に援用される)に記載される方法により調製され得る。α−ブロモ酸クロリド18による、17のアミンのアシル化、それに続くこのアミドのBischler−Napieralski環化、および生じるイミンの還元により、三環系アミン19を得る。ブロモアセチルクロリドによるアミン19のアシル化、一級アミン20による、このジブロミドのアルキル化、および、ジボランまたは水素化アルミニウムリチウムのいずれかによる、このラクタムの還元により、一般式7に属するリガンド21を得る。
【0034】
本発明の化合物は、キラル中心が存在する場合はいつでも、単一の立体異性体または鏡像異性体およびジアステレオマーの混合物として存在し得る。個々の立体異性体は、当該分野において周知の方法により単離され得る:ジアステレオマーは、標準的な精製方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィ)によって分離され得、そして鏡像異性体は、分割またはキラルなカラムを使用するクロマトグラフィのいずれかによって分離され得る。
【0035】
本発明の薬学的組成物は、活性な薬学的成分と生理的に許容できる希釈剤、キャリアおよびアジュバントなどとを一緒に含み得る。句「薬学的に受容可能な」は、確かな医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー性応答などを伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適切であり、かつ合理的な利益/危険性比で釣り合う処方物を意味する。薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知であり、Bergeら[13](これは、参考として本明細書に援用される)により記載される。代表的な塩としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、クロリド、ブロミド、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンフルスルホン酸塩、グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ニコチン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオネート)、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミトレイン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩およびエチルアンモニウム塩など。
【0036】
本発明の薬学的組成物は、固体形態、液体形態または蒸気形態で、腸内または非経口的に、ヒトおよび他の動物に投与され得る。腸内経路としては、経口投与、直腸投与、局所投与、頬内投与および膣内投与が挙げられる。非経口経路としては、静脈内注射または静脈内注入、筋内注射または筋内注入、腹腔内注射または腹腔内注入、基質内注射または基質内注入、および皮下注射または皮下注入が挙げられる。この組成物はまた、標的部位での局所送達のためのカテーテル、冠状動脈内ステント(細かいワイヤメッシュからなる管状のデバイス)、または生分解性ポリマーにより送達され得る。
【0037】
活性化合物は、無菌条件下で、任意の必要とされる保存剤、賦形剤(exipient)、緩衝剤または噴霧剤と一緒に薬学的に受容可能なキャリアと混合される。眼科用処方物、眼用軟膏、粉末および溶液はまた、本発明の範囲内であるように企画される。薬学的処方物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者に対する所望の治療応答を達成するように変動され得る。選択される投薬量レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、処置されている状態の重症度、および処置されている患者の以前の病歴に依存する。しかしながら、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも低いレベルで化合物の用量を開始し、最適な治療効果が達成されるまで用量を徐々に増大させることは、当該分野の技術の範囲内である。ヒトまたは下等動物に投与される本発明の化合物の一日の総用量は、一日あたり、1kgあたり、約0.0001mg〜約1000mgの範囲であり得る。経口投与の目的のために、より好ましい用量は、一日あたり、1kgあたり、約0.001mg〜約5mgの範囲内であり得る。所望される場合、有効な一日用量は、投与の目的のために、複数回用量に分割されてもよく、その結果、単回用量組成物は、一日用量を構成する、そのような量またはその約数を含んでもよい。
【0038】
句「治療有効量」の本発明の化合物は、あらゆる医療処置に適用可能な合理的な利益/危険性比で、障害を処置するのに十分な量の化合物を意味する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の一日の全体的な用法は、確かな医療判断の範囲内で、主治医により決定されることが理解される。任意の特定の患者に対する特定の治療有効用量レベルは、種々の因子(処置されている障害;障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、食事;投与の回数;投与経路、および使用される特定の化合物の排出速度、ならびに処置期間が挙げられる)に依存する。医療的に必要とされる場合、本発明の化合物はまた、他の薬物と組み合わせて投与され得る。
【0039】
非経口注射に適する組成物は、生理的に受容可能な、無菌の水性または非水性の溶液、分散物、懸濁物またはエマルジョン、および無菌の注射可能な溶液または分散物へ再構成するための無菌の粉末を含み得る。適切な水性および非水性のキャリア、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセロールなど)、植物油(例えば、オリーブ油)、注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)およびこれらの適切な混合物が挙げられる。これらの組成物はまた、アジュバント(例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤)も含み得る。微生物の活動の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールおよびソルビン酸など)により確保され得る。等張剤(例えば、糖類および塩化ナトリウムなど)を含むことも望ましくあり得る。
【0040】
活性化合物に加えて、懸濁物は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタ水酸化物(metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などのような懸濁剤を含み得る。注射可能な薬学的形態の延長された吸収は、吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することによってもたらされ得る。適切な流動性は、例えば、コーティング物質(例えば、レシチン)の使用、分散物の場合、必要とされる粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持され得る。いくつかの場合において、薬物の効果を延長するために、皮下注射または筋内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。このことは、水溶性の乏しい結晶性物質または非晶質物質の液体懸濁物を使用することによって達成され得る。それゆえ、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、この速度は今度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の遅延された吸収は、油性ビヒクル中に薬物を溶解または懸濁させることによって達成される。
【0041】
注射可能な蓄積形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に、薬物のマイクロカプセル化(microencapsule)マトリクスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。蓄積注射可能な処方物はまた、身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を包括することによって調製される。注射可能な処方物は、例えば、細菌保持(bacterial−retaining)フィルターによる濾過によってか、または使用直前に、滅菌水または他の無菌の注射可能な媒体中に溶解または分散させることができる無菌の固体組成物の形態で滅菌剤を取り込むことによって、滅菌され得る。
【0042】
局所投与のための投薬形態としては、粉末、スプレー、軟膏および吸入剤が挙げられる。経口投与のための固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、粉末および顆粒が挙げられる。このような固体投薬形態において、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な、薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/またはa)賦活剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース,グルコース、マンニトールおよびケイ酸);b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア);c)湿潤剤(humectant)(例えば、グリセロール);d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ポテトデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム);e)溶液抑制剤(retarding agent)(例えば、パラフィン);f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物);g)湿潤剤(wetting agent)(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール);h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、ならびにi)滑沢剤(例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物)と混合され得る。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。同様な型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量のポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する軟充填ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセルにおいて、賦活剤として使用され得る。錠剤、糖剤、カプセル、丸剤および顆粒の固体投薬形態は、コーティングおよび外皮(例えば、腸溶性コーティングおよび薬学的な処方分野において周知の他のコーティング)により調製され得る。これらは、必要に応じて、不透明化剤を含み得、そしてまた、腸管の特定の部分において、必要に応じて遅延様式で、活性成分のみを放出するか、または活性成分を優先的に放出するような組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質および蝋が挙げられる。活性化合物はまた、適切である場合、1つ以上の上記の賦形剤を含む、マイクロカプセル化形態であり得る。
【0043】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、液体投薬形態は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油(germ oil)、オリーブ油、ヒマシ油および胡麻油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにこれらの混合物)のような、当該分野で通常使用される不活性希釈剤を含み得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤)を含み得る。
【0044】
直腸投与または膣内投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物と適切な非刺激性賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤蝋(suppository wax))とを混合することによって調製され得る坐剤である。これは、室温で固体であるが、体温で液体であり、それゆえ直腸腔または膣腔において融け、活性化合物を放出する。
【0045】
本発明はまた、1つ以上の非毒性の薬学的に受容可能なキャリアと一緒に処方された本発明の化合物を含む薬学的組成物を提供する。本発明の化合物はまた、リポソームの形態で投与され得る。当該分野において公知であるように、リポソームは、一般的にリン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体に分散される、単層状または多層状の水和した液晶により形成される。リポソームを形成し得る、あらゆる非毒性の生理的に受容可能かつ代謝可能な脂質が使用され得る。リポソーム形態での本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤および賦形剤などを含み得る。好ましい脂質は、別個またはともに使用される、天然のリン脂質および合成リン脂質、ならびにホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当該分野[xx](これは、参考として本明細書に援用される)において公知である。
【0046】
本発明の化合物はまた、薬学的に受容可能な「プロドラッグ」の形態で患者に投与され得る。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に受容可能なプロドラッグ」は、確かな医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー性応答などを伴わずに、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適切であり、合理的な利益/危険性比で釣り合い、かつ意図される使用に有効である、本発明の化合物のプロドラッグ、および可能である場合、本発明の化合物の両性イオン形態を表す。本発明のプロドラッグは、インビボで、例えば、血中における加水分解によって、上記の式の親化合物へ急速に変換され得る。徹底した考察が、HiguchiおよびStella[14](これは、参考として本明細書に援用される)により提供される。
【0047】
続く実施例は、本発明の好ましい実施形態および有用性を記載するが、特許請求の範囲において別に示されない限り、本発明を限定することを意味しない。記載は、非限定的な説明として意図される。なぜなら、多くの改変が、記載を考慮することで当業者に明らかになるからである。本明細書に記載される本発明の組成物、操作および方法への変更は、特許請求の範囲に規定される本発明の概念および範囲から逸脱することなくなされ得る。
【実施例】
【0048】
(実施例1:リガンド22の合成(スキーム1.R、RおよびRは−Hであり、Rは−CHである))
【0049】
【化20】

工程1.無水塩化メチレン(50mL)中のN−Boc−フェニルグリシン(20mmol)およびトリエチルアミン(50mmol)の溶液を攪拌して、0℃まで冷却する。次に、イソブチルクロロホルメート(21mmol)を、内部温度が0℃〜5℃に維持されるような速度でこの混合物に加える。攪拌を、約0℃で45分間続ける。その後、アラニンt−ブチルエステル(20mmol)を加え、全混合物を周囲温度で4時間攪拌する。続いて、反応混合物を水上に注ぎ、有機層を分離し、5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄する。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下でエバポレートし、保護されたペプチドを得る。
【0050】
工程2.工程1からの残渣を、トリフルオロ酢酸(TFA)(10mL)で処理し、周囲温度で15分間攪拌し、そして還流下で2時間加熱する。反応混合物を水上に注ぎ、塩化メチレンで抽出する。有機層を分離し、5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水で洗浄する。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下でエバポレートし、ジケトピペラジン中間体を得る。
【0051】
工程3.無水テトラヒドロフラン(20mL)中の、工程2からのジケトピペラジン誘導体の溶液を不活性雰囲気下で攪拌し、0℃まで冷却する。その後、水素化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中の1M溶液)の溶液を注意深く加える。添加後、この溶液を還流下で4時間加熱する。その後、反応混合物を不活性雰囲気下で0℃まで冷却し、水を滴下して非常に注意深く処理し、過剰な還元剤を分解させる。分解を完了させた後、溶液を無水硫酸ナトリウムで処理し、周囲温度で1時間保持し、そして濾過した。濾液を減圧下でエバポレートし、粗フェニルピペラジン中間体9を得る(ここで、RおよびRは−Hであり、Rは−CHである)。中間体9の精製は、クロマトグラフィまたは再結晶により達成し得る。
【0052】
工程3−6.工程2からのフェニルピペラジン中間体9を、米国特許[12](この全体が、参考として本明細書に援用される)に記載される4工程手順によって最終的なリガンド11へ変換する。全ての他のR置換誘導体を、他の天然のdアミノ酸エステルまたはlアミノ酸エステル(例えば、バリン、ロイシンおよびフェニルアラニンなど)を使用して、同一の様式で調製し得る。
【0053】
(実施例2:リガンド23の合成(スキーム1.RおよびRは−CHであり、RおよびRは−Hである))
【0054】
【化21】

表題化合物の合成を、工程1において、アラニンt−ブチルエステルを、N−メチルアラニンt−ブチルエステルに置き換える点を除いて、実施例1に記載されるリガンドの合成と同一な様式で達成し得る。全ての他のRおよびR置換誘導体を、他の天然のdN−アルキルアミノ酸エステルまたはlN−アルキルアミノ酸エステル(例えば、N−アルキルバリン、N−アルキルロイシンおよびN−アルキルフェニルアラニンなど)を使用して、同一の様式で調製し得る。
【0055】
(実施例3:スピロリガンド24の合成(RおよびRは−Hである))
【0056】
【化22】

表題化合物の合成を、工程1において、アラニンt−ブチルエステルを、t−ブチル1−アミノシクロペンタンカルボキシレートに置き換える点を除いて、実施例1に記載されるリガンドの合成と同一な様式で達成し得る。全ての他のスピロ誘導体を、他のα−アミノ置換炭素環式カルボン酸またはα−アミノ置換複素環式カルボン酸(例えば、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノピペリジン(aminopiperdine)−4−カルボン酸および3−アミノテトラヒドロフラン(aminotetahydrofuran)−3−カルボン酸など)を使用して、同一の様式で調製し得る。
【0057】
(実施例5:リガンド25の合成(スキーム2.R、RおよびRは−Hであり、Rは−CHである))
【0058】
【化23】

工程1.塩化メチレン(50mL)中のN−t−Boc−1−フェニル−1,2−ジアミノエタン(20mmol)と水(50mL)中の炭酸ナトリウム(30mmol)との二相性混合物を激しく攪拌し、氷浴中で10℃〜15℃まで冷却する。次に、2−ブロモプロピオニルクロリド(22mmol)を、内部温度が約15℃で維持されるような速度で混合物に滴下する。添加した後、攪拌を周囲温度で約2時間続ける。その後、有機層を分離し、5%塩酸および水で洗浄する。それから、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過する。そして濾液を減圧下でエバポレートし、保護されたアミドを得る。
【0059】
工程2.工程1からの残渣をトリフルオロ酢酸(TFA)(10mL)で処理し、周囲温度で30分間攪拌する。反応混合物を水上に注ぎ、塩化メチレンで抽出する。有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過する。そして濾液を減圧下でエバポレートし、ブロモアミン中間体を得る。
【0060】
工程3.工程2からのブロモアミン誘導体(10mmol)とグリム(20mL)中の微細に粉砕された無水炭酸カリウム(20mmol)との混合物を攪拌し、還流下で4時間加熱する。その後、反応混合物を熱いまま濾過し、濾液を減圧下でエバポレートし、粗ラクタムを得る。これをクロマトグラフィもしくは再結晶で精製するか、またはそのまま次の工程で使用してもよい。
【0061】
工程4.無水テトラヒドロフラン(20mL)中の工程3からのラクタム誘導体(10mmol)を不活性雰囲気下で攪拌し、0℃まで冷却する。その後、水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中1M、10mL)を注意深く添加する。添加後、溶液を還流下で4時間加熱する。その後、反応混合物を不活性雰囲気下で0℃まで冷却し、水を滴下して非常に注意深く処理し、過剰な還元剤を分解させる。分解を完了させた後、溶液を無水硫酸ナトリウムで処理し、周囲温度で1時間保持し、そして濾過した。濾液を減圧下でエバポレートし、粗フェニルピペラジン中間体14を得る(ここで、RおよびRは−Hであり、Rは−CHである)。粗中間体14をクロマトグラフィまたは再結晶により精製する。
【0062】
工程5−8.工程4からのフェニルピペラジン中間体14を、米国特許[12](この全体が、参考として本明細書に援用される)に記載される4工程手順によって最終的なリガンド15へ変換する。
【0063】
(実施例6:リガンド26の合成(スキーム2.RおよびRは−CHであり、RおよびRは−Hである))
【0064】
【化24】

表題化合物の合成を、工程1において、N−t−Boc−1−フェニル−1,2−ジアミノ−エタンをN−t−Boc−1−N−メチル−1,2−ジアミノエタンに置き換える点を除いて、実施例5に記載されるリガンドの合成と同一な様式で達成し得る。全ての他のRおよびR置換誘導体を、他のα−ブロモ酸クロリドおよびN−t−Boc−1−N−アルキル−1,2−ジアミノエタンを使用して、同一の様式で調製し得る。
【0065】
(実施例7:リガンド27の合成(スキーム2.Rは−CHであり、R、RおよびRは−Hである))
【0066】
【化25】

工程1.塩化メチレン(50mL)中の3−アミノ−2−ベンジルピリジン(20mmol)と水(50mL)中の炭酸ナトリウム(30mmol)との二相性混合物を激しく攪拌し、氷浴中で10℃〜15℃まで冷却する。次に、2−ブロモプロピオニルクロリド(22mmol)を、内部温度が約15℃で維持されるような速度で混合物に滴下する。添加した後、攪拌を周囲温度で約2時間続ける。その後、有機層を分離し、5%塩酸および水で洗浄する。それから、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過する。そして濾液を減圧下でエバポレートし、3−N−(ブロモアセチル)アミノ−2−ベンジル−ピリジンを得る。
【0067】
工程2.工程1からのブロモ誘導体(10mmol)の溶液と無水かつエタノールを含まないクロロホルム(20mL)中のオキシ塩化リン(phosphoros oxychloride)(12mmol)とを攪拌し、還流下で16時間加熱する。冷却後、反応混合物を飽和炭酸水素塩溶液に注ぐ。続いて、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下でエバポレートし、粗イミンを得る。これを、クロマトグラフィまたは再結晶によって精製する。
【0068】
工程3.エタノール(15mL)中の工程2からのイミン(10mmol)の溶液を水素化ホウ素ナトリウム(10mmol)で処理し、周囲温度で4時間攪拌する。反応混合物を水上に注ぎ、塩化メチレンで抽出する。次に、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過する。そして濾液を減圧下(室温)でエバポレートし、粗アミンを得る。分子内アルキル化を防ぐために、このアミンを直ちに次の工程に使用する。
【0069】
工程4.塩化メチレン(50mL)中の工程3からのアミン(20mmol)と水(50mL)中の炭酸ナトリウム(30mmol)との二相性混合物を激しく攪拌し、氷浴中で10℃〜15℃まで冷却する。次に、2−ブロモアセチルクロリド(21mmol)を、内部温度が約15℃で維持されるような速度で混合物に滴下する。添加した後、攪拌を周囲温度で約2時間続ける。その後、有機層を分離し、5%塩酸および水で洗浄する。それから、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過する。そして濾液を減圧下でエバポレートし、粗ジブロミドを得る。これを、クロマトグラフィまたは再結晶によって精製する。
【0070】
工程5.グリム(20mL)中の工程2からのジブロミド(10mmol)と炭酸アンモニウム(20mmol)との混合物を攪拌し、還流下で6時間加熱する。その後、反応混合物を熱いまま濾過し、濾液を減圧下でエバポレートし、粗ラクタムを得る。これをクロマトグラフィもしくは再結晶で精製する。
【0071】
工程6.無水テトラヒドロフラン(20mL)中の工程5からのラクタム誘導体(10mmol)の溶液を不活性雰囲気下で攪拌し、0℃まで冷却する。その後、水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中1M、10mL)を注意深く加える。添加後、溶液を還流下で4時間加熱する。その後、反応混合物を不活性雰囲気下で0℃まで冷却し、水を滴下して非常に注意深く処理し、過剰な還元剤を分解させる。分解を完了させた後、溶液を無水硫酸ナトリウムで処理し、周囲温度で1時間保持し、そして濾過した。濾液を減圧下でエバポレートし、粗リガンド27を得る。これをクロマトグラフィまたは再結晶により精製する。
【0072】
(実施例8.リガンド28の合成(スキーム2.RおよびRは−CHであり、RおよびRは−Hである))
【0073】
【化26】

表題化合物の合成を、工程4において、炭酸アンモニウムをメチルアミンに置き換える点を除いて、実施例7に記載されるリガンドの合成と同一な様式で達成し得る。全ての他のRおよびR置換誘導体を、工程1において他のα−ブロモ酸クロリド、および工程4において任意の一級アルキルアミンまたはアニリンを使用して、同一の様式で調製し得る。
【0074】
【表2】

【0075】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式4:
【化1】

の化合物であって、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニル(alkxoylcarbonyl)で置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、ならびに、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択される、
化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択され、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
Xは−N−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
Xは−N−であり、
Yは、−NR12であり、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
Xは−CH−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項6】
式5:
【化2】

の化合物であって、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、ならびに、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択される、
化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物であって、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択され、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項8】
請求項6に記載の化合物であって、ここで、
Xは−N−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項9】
請求項6に記載の化合物であって、ここで、
Xは−N−であり、
Yは、−NR12であり、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項10】
請求項6に記載の化合物であって、ここで、
Xは−CH−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項11】
式6:
【化3】

の化合物であって、ここで、
mおよびnは、1〜4で独立して変動し、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択され、ならびに、
10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択される、
化合物。
【請求項12】
請求項11に記載の化合物であって、ここで、
mおよびnは、1〜4で独立して変動し、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択され、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より独立して選択され、
およびRは、水素またはヒドロキシルであり、ならびに、
10およびR11は、水素である、
化合物。
【請求項13】
請求項11に記載の化合物であって、ここで、
mおよびnは、1〜4で独立して変動し、
Xは−N−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
およびRは、水素またはヒドロキシルであり、ならびに、
10およびR11は、水素である、
化合物。
【請求項14】
請求項11に記載の化合物であって、ここで、
mおよびnは、1〜4で独立して変動し、
Xは−N−であり、
Yは、−NR12であり、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より独立して選択され、
およびRは、水素またはヒドロキシルであり、ならびに、
10およびR11は、水素である、
化合物。
【請求項15】
請求項11に記載の化合物であって、ここで、
mおよびnは、1〜4で独立して変動し、
Xは−CH−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
およびRは、水素またはヒドロキシルであり、ならびに、
10およびR11は、水素である、
化合物。
【請求項16】
式7:
【化4】

の化合物であって、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、ならびに、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択される、
化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の化合物であって、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−および−S−からなる群より選択され、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項18】
請求項16に記載の化合物であって、ここで、
Xは−N−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項19】
請求項16に記載の化合物であって、ここで、
Xは−N−であり、
Yは、−NR12であり、
およびR12は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項20】
請求項16に記載の化合物であって、ここで、
Xは−CH−であり、
Yは−CR1011であり、
は、水素、C〜C10アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、
は、C〜C10アルキル、フェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、およびハロベンジルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素であり、ならびに、
およびRは、水素またはヒドロキシルである、
化合物。
【請求項21】
治療手順を実行する方法であって、該方法は、式4:
【化5】

の薬学的に受容可能な組成物(compostion)の有効量を投与する工程を包含し、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、ならびに、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択される、
方法。
【請求項22】
前記治療手順が薬物嗜癖を有する患者を処置する工程を包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記治療手順が不安を有する患者を処置する工程を包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記治療手順がうつ病を有する患者を処置する工程を包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
治療手順を実行する方法であって、該方法は、式5:
【化6】

の薬学的に受容可能な組成物の有効量を投与する工程を包含し、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、ならびに、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択される、
方法。
【請求項26】
前記治療手順が薬物嗜癖を有する患者を処置する工程を包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記治療手順が不安を有する患者を処置する工程を包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記治療手順がうつ病を有する患者を処置する工程を包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
治療手順を実行する方法であって、該方法は、式6:
【化7】

の薬学的に受容可能な組成物の有効量を投与する工程を包含し、ここで、
mおよびnは、1〜4で独立して変動し、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択され、ならびに、
10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択される、
方法。
【請求項30】
前記治療手順が薬物嗜癖を有する患者を処置する工程を包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記治療手順が不安を有する患者を処置する工程を包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記治療手順がうつ病を有する患者を処置する工程を包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
治療手順を実行する方法であって、該方法は、式7:
【化8】

の薬学的に受容可能な組成物の有効量を投与する工程を包含し、ここで、
Xは−CH−または−N−であり、
Yは、−CR1011、−NR12、−O−、−S−、−SO−および−SO−からなる群より選択され、
およびR12は、水素;C〜C10アルキル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、C〜C10アシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、
は、C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より選択され、
、R10およびR11は、水素;C〜C10アルキル;C〜C10アルコキシルカルボニル;非置換のC〜C10アリールまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリール;非置換のC〜C10アリールアルキルまたは、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、シアノ、ハロ、トリハロアルキル、カルボキシル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、およびC〜C10アルコキシルカルボニルで置換されたC〜C10アリールアルキルからなる群より独立して選択され、ならびに、
およびRは、水素、C〜C10アルキル、ヒドロキシル、C〜C10アルコキシル、C〜C10ヒドロキシアルキル、アミノ、C〜C10アルキルアミノ、C〜C10ジアルキルアミノ、カルボキシル、およびC〜C10アルコキシルカルボニルからなる群より独立して選択される、
方法。
【請求項34】
前記治療手順が薬物嗜癖を有する患者を処置する工程を包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記治療手順が不安を有する患者を処置する工程を包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記治療手順がうつ病を有する患者を処置する工程を包含する、請求項33に記載の方法。

【公表番号】特表2008−509925(P2008−509925A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525806(P2007−525806)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/028653
【国際公開番号】WO2006/020817
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(502022025)オメロス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】