説明

新規のフェノールアミン類およびカテコールアミン類ならびにそのプロドラッグ

本発明は、式Iの新規のフェノールアミンおよびカテコールアミン、その調製の方法、それらを含有する医薬組成物、療法におけるその使用、ならびに、PET用またはSPECT用のリガンドとして放射性標識された形態でのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しいフェノールアミン類およびカテコールアミン類ならびにin vivoでそれらを形成するためのプロドラッグ誘導体、ならびにその調製の方法、それらを含有する医薬組成物、ならびに療法におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化に伴い、神経変性疾患の有病率が高まってきている。典型的には50〜80歳の間に発症する1つの特定の神経変性疾患は、パーキンソン病(PD)である。PDは、振戦、ならびに、歩行、運動および協調の困難を特徴とする脳の障害である。
【0003】
パーキンソン病は、脳の黒質の緻密帯中のドパミン含有ニューロンの進行性劣化が原因で生じるようである。ドパミン(DA)は化学的神経伝達物質であり、脳細胞はこれを利用して、活動電位を伝達し、末梢筋の運動を制御または調節する。ドパミン含有ニューロンが失われると、体が利用できるドパミンの量が減少する。この過程は神経細胞機能を妨げ、そのため、活動電位は適切に伝達されず、その結果、筋肉の制御および機能が失われると考えられる。
【0004】
現時点では、PDの公知の治療法は存在しない。治療は、ドパミンをLドパ(代謝されてドパミンとなる)に置き換えるか、またはドパミン受容体を刺激する化学物質を投与するか、主にそのいずれかにより、PD症状を制御することを典型的に目的としている。こうした受容体は、D1型受容体およびD2型受容体という2つの大きなクラスに分類される。前者はD1受容体およびD5受容体に分けられ、D2受容体ファミリーは、D2受容体、D3受容体およびD4受容体から成る。
【0005】
PDの主要な療法は全て、中脳ドパミン作動性の進行性神経変性により失われるDAによる緊張を回復するものである。Lドパは安価で有効な薬物であるが、PKプロファイルが不良であることから、運動障害および他の応答変動の原因となる。選択的なD2作動薬(例えばプラミペキソール)は、運動障害を生じさせることがより少なく、PDの好ましい第一選択治療である。
【0006】
一定のヒドロキシル化(フェノール類またはカテコール類)フェニルエチルアミン類(そのものとして、または半剛直/剛直な環系の一部を形成する)は、少なくとも動物モデルにおいて、有用なドパミン作動活性を有することが知られている。しかし、経口での生体利用率が低いかまたは全くないことから、その臨床使用は限られている。臨床的には、アポモルヒネが使用される[臨床経験については、例えば、Mansonら、Brain、124、331頁(2001)(非特許文献1)およびNeef and van Laar、Clin. Pharmacokinet.、37、257頁(1999)(非特許文献2)を参照のこと]。例えば、鼻腔内用および舌下用の製剤を使用するなど、代替的なアポモルヒネ送達戦略を用いたいくつかの臨床試験が進行中であるが、こうした試みは、PDの臨床治療の選択肢が得られる結果には未だ至っていない[全般的な考察については、Stacy and Factor(編)、Neurology、62(補遺4)、S1頁(2004)(非特許文献3)およびNeef and van Laar、Clin. Pharmacokinet.、37、257頁(1999)(非特許文献2)を参照のこと]。
【0007】
DA受容体作動薬は、DA自己受容体だけでなくシナプス後DA受容体も活性化することが可能である。例えば、アポモルヒネを低用量で投与した場合には自己受容体刺激の効果が優勢であると思われるが、高めの用量では、シナプス後受容体刺激が増すことにより、DA伝達が低下する効果の方が大きい。低用量のアポモルヒネ(例えば)のヒトにおける抗精神病効果および抗運動障害効果は、このDA受容体作動薬の自己受容体刺激特性による可能性がある。この知識体系から、中枢のDA自己受容体への選択性が高いDA受容体刺激薬は、精神障害を治療する上で有益であろうということが示唆される。
【0008】
ドパミン作動性のターンオーバーを増加させることが有益と考えられる疾患としては、老人性疾患ならびに運動緩徐が挙げられる。DA受容体刺激薬は、うつ状態の患者において有効と考えられ、食欲抑制剤として肥満の治療において使用することができる。DA受容体刺激薬は、微細脳機能障害(MBD)、ナルコレプシー、ならびに統合失調症の陰性症状および認知症状を改善できる。不穏下肢症候群および周期性四肢運動障害は、DA作動薬で臨床的に治療される他の適応症である[考察については、Lesage and Hening、Seminars in Neurology、24、249頁(2004)(非特許文献4)を参照のこと]。加えて、性的不能および勃起機能不全も、DA作動薬を用いた治療により改善される傾向がある(男女両方において)。これに関して言えば、アポモルヒネを臨床的に使用すると、舌下投与の際、男性の勃起機能不全が改善されることは、注目すべきである。
【0009】
ハンチントン病[1T15遺伝子の5’末端に位置するトリヌクレオチド反復(CAG)の伸張が原因の神経変性障害]においてLドパおよびD2作動薬プラミペキソールを用いた療法の臨床試験により、有望な結果が示されていることから、ハンチントン病の治療は、本発明の化合物のもう1つの潜在的な用途である。CAGトリヌクレオチド反復の伸張が原因の他の神経変性障害も、本発明の化合物により治療可能であり得る。
【0010】
DAは、心血管系および腎臓系の調節に関与していることから、腎不全および高血圧症は、本発明の化合物のさらなる適応症と考えることができる。
【0011】
さらに、DA受容体作動薬は、高プロラクチン血症の治療において、血中のプロラクチン量を低下させるために使用される[最近の総説については、Chanson, P.ら、Annales d'Endocrinologie、68(2〜3)、113頁(2007)(非特許文献5)を参照のこと]。そのようなDA受容体作動薬の一例は、選択的D2作動薬キナゴリド(Norprolac(登録商標))である。したがって、高プロラクチン血症も、本発明の化合物の追加的な適応症と考えることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Mansonら、Brain、124、331頁(2001)
【非特許文献2】Neef and van Laar、Clin. Pharmacokinet.、37、257頁(1999)
【非特許文献3】Stacy and Factor(編)、Neurology、62(補遺4)、S1頁(2004)
【非特許文献4】Lesage and Hening、Seminars in Neurology、24、249頁(2004)
【非特許文献5】Chanson, P.ら、Annales d'Endocrinologie、68(2〜3)、113頁(2007)
【非特許文献6】Journal of Pharmaceutical Science、66、2〜19頁(1977)
【非特許文献7】Nozulak, J.、Vigouret, J. M.、Jaton, A. L.、Hofmann, A.、Dravid, A. R.、Weber, H. P.、Kalkman, H. O.、Walkinshaw, M. D.、J. Med. Chem.、1992、35、480〜489頁
【非特許文献8】Protective Groups in Organic Synthesis、T. W. Greene and P. G. M. Wuts、Wiley Interscience、(1991)、ISBN 0471623016
【非特許文献9】「SMART and SAINT, Area Detector Control and Integration Software」、Version 5.054、Bruker Analytical X-Ray Instruments Inc.、Madison、USA、(1998)
【非特許文献10】Sheldrick、「SADABS, Program for Empirical Correction of Area Detector Data」、Version 2.03、University of Gottingen, Germany (2001)
【非特許文献11】Sheldrick、「SHELXTL, Structure Determination Programs」、Version 6.12、Bruker Analytical X-Ray Instruments Inc.、Madison、USA、(2001)
【非特許文献12】Ungerstedt、Arbuthnott、Brain Res.、24、485頁(1970)
【非特許文献13】Setler、Sarau、Zirkle、Saunders、Eur. J. Pharmacol.、50(4)、419頁(1978)
【非特許文献14】Ungerstedt、Herrera-Marschitz、Jungnelius、Stahle、Tossman、Zetterstrom、「Advances in Dopamine Research」(Kohsaka編)中、Pergamon Press、Oxford、219頁(1982)
【非特許文献15】Arnt、Hytell、Psychopharmacology、85(3)、346頁(1985)
【非特許文献16】Sonsalla、Manzino、Heikkila、J. Pharmacol Exp. Ther.、247(1)、180頁(1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、単独で薬剤として使用できる新しいフェノールアミン類もしくはカテコールアミン類、または、in vivoで代謝されてドパミン受容体リガンドである遊離カテコールアミン類もしくはフェノールアミン類になる、その対応するアルコキシ誘導体、アシルオキシ誘導体およびメチレンジオキシ誘導体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、一態様では、本発明は、式I:
【0015】
【化1】

[式中、
・Xは存在しないかまたは酸素であり
(− Xが酸素であるとき、RおよびRは、水素;C〜Cアルカノイル;フェニルアセチルもしくはベンゾイルなどのC〜C10アリール−C〜Cアルカノイルから独立に選択されるか;または、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、
− Xが存在しないとき、Rは、水素;C〜Cアルキル;C〜Cアルカノイル;フェニルアセチルまたはベンゾイルなどのC〜C10アリール−C〜Cアルカノイルから選択され;そしてRは水素である)、
・Rは、水素;メチル、エチル、n−プロピル、シクロプロピルメチル、アリルまたはプロパルギルなどのC〜Cアルキル;シクロプロピルおよびシクロブチルなどのC〜Cシクロアルキル;ヒドロキシエチルなどのヒドロキシアルキル;3−フルオロ−n−プロピルおよび2−フルオロエチルなどのC〜Cフルオロアルキルから成る群から選択され、
・Rは、水素;メチルなどのC〜Cアルキル;ベンジルなどのC〜C10アリール−C〜Cアルキル;1−イミダゾリルメチルなどのヘテロアリール−C〜Cアルキル;ジメチルアミノメチルなどのジ(C〜Cアルキル)アミノ−C〜Cアルキル;メチルチオメチルなどのC〜Cアルキルチオ−C〜Cアルキル;ヒドロキシメチルなどのC〜Cヒドロキシアルキル;およびフルオロメチルなどのC〜Cハロアルキルから成る群から選択され、ここで、C〜C10アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、フッ素、臭素または塩素などのハロゲン;メチルなどのC〜Cアルキル;メトキシなどのC〜Cアルコキシ;またはフェニルから選択される置換基で置換されていてもよい]
の化合物、ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体および薬学上許容可能な付加塩およびその多形形態に関する。
【0016】
特定の一実施形態では、本発明は、実質的に純粋な単独のエナンチオマーまたは単独のジアステレオマーの形態の式Iの化合物に関する。
【0017】
別の特定の実施形態では、本発明は、エナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物または実質的に純粋な多形の形態の式Iの化合物に関する。
【0018】
特定の一実施形態では、本発明は、トランス縮合環系を有する式Iの化合物に関する。
【0019】
本発明の別の実施形態では、RおよびRは両方とも水素であり、X、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0020】
本発明の別の実施形態では、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、X、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0021】
本発明の別の実施形態では、RおよびRの少なくとも一方は、C〜Cアルカノイル、フェニルアセチルまたはベンゾイルであり、X、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0022】
本発明の別の実施形態では、Rは水素であり、X、R、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0023】
本発明の別の実施形態では、Rは、C〜Cアルカノイル、フェニルアセチルまたはベンゾイルであり、X、R、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0024】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素であり、X、R、R、Rは先に定義のとおりである。
【0025】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、X、R、R、Rは先に定義のとおりである。
【0026】
本発明の別個の一実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはn−プロピルなどのC〜Cアルキルであり、X、R、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0027】
本発明の別個の一実施形態では、Xは酸素であり、R、R、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0028】
本発明の別の実施形態では、Xは存在せず、R、R、RおよびRは先に定義のとおりである。
【0029】
本発明の別個の一実施形態では、Rはヘテロアリール−C〜Cアルキルであり、ここで、ヘテロアリール基はピラゾールまたは置換ピラゾールである。本発明のさらなる一実施形態では、Rはヘテロアリール−C〜Cアルキルであり、ここで、ヘテロアリール基はイミダゾールである。本発明の別の実施形態では、Rはヘテロアリール−C〜Cアルキルであり、ここで、ヘテロアリール基は1,2,4−トリアゾールである。
【0030】
本発明の別個の一実施形態では、式Iの化合物は、実質的に純粋なエナンチオマーの形態である。別の実施形態では、式Iの化合物は、実質的に純粋なジアステレオマーの形態である。
【0031】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素であり、式Iの化合物は、実質的に純粋な(4aR,10aR)−エナンチオマーの形態である。
【0032】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素であり、式Iの化合物は、実質的に純粋な(4aS,10aS)−エナンチオマーの形態である。
【0033】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2R,4aR,10aR)−エナンチオマーの形態である。
【0034】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2S,4aR,10aR)−エナンチオマーの形態である。
【0035】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2R,4aS,10aS)−エナンチオマーの形態である。
【0036】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2S,4aS,10aS)−エナンチオマーの形態である。
【0037】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、式Iの化合物は、実質的に純粋な(6aR,10aR)−エナンチオマーの形態である。
【0038】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、式Iの化合物は、実質的に純粋な(6aS,10aS)−エナンチオマーの形態である。
【0039】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2R,6aR,10aR)−エナンチオマーの形態である。
【0040】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2R,6aS,10aS)−エナンチオマーの形態である。
【0041】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2S,6aR,10aR)−エナンチオマーの形態である。
【0042】
本発明の別個の一実施形態では、Rは水素ではなく、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、式Iの化合物は、実質的に純粋な(2S,6aS,10aS)−エナンチオマーの形態である。
【0043】
本発明のさらなる実施形態では、式Iの化合物は、遊離塩基、その互変異性体または薬学上許容可能なその酸付加塩のいずれかとして、以下の特定の化合物の中から選択される。当該化合物はそれぞれ、本発明の個々の実施形態を構成する:
(4aR,10aR)−9−メトキシ−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−9−メトキシ−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−エチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−4−エチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−アリル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−4−アリル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−シクロ−プロピルメチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−2−イミダゾール−1−イルメチル−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メトキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
((2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イルメチル)−ジメチルアミン;
(2R,4aR,10aR)−2−フルオロメチル−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−エチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−エチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−アリル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−アリル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aS,10aS)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aS,10aS)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−メチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−イミダゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−メトキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−ジメチルアミノメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−フルオロメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aS,10aS)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aS,10aS)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−8,9−ジオール;
(6aR,10aR)−7−メチル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン;
(6aR,10aR)−7−エチル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン;および
(6aR,10aR)−7−n−プロピル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン。
【0044】
さらなる一態様では、本発明は、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の、医薬としての使用を提供する。
【0045】
式Iの化合物は、遊離塩基もしくは薬学上許容可能な酸付加塩のいずれかとして、またはその医薬組成物の形態で、任意の適当な方式、例えば、経口、口腔、舌下、非経口または腸管外の方式で投与してもよく、この化合物は、当該投与に適した任意の形態、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、液剤もしくは分散剤の形態で経口用として、例えば経皮パッチの形態で非経口用として、または、注射用の分散剤もしくは液剤の形態で腸管外用として、提供してもよい。一実施形態では、式Iの化合物は、固形の医薬体(pharmaceutical entity)の形態で、適切には錠剤またはカプセル剤として投与される。
【0046】
式Iの化合物は、多種多様な有機酸および無機酸と共に薬学上許容可能な酸付加塩を形成する。そのような塩も、本発明の態様を構成する。
【0047】
式Iの化合物の薬学上許容可能な酸付加塩は、当技術分野で周知のような薬学上許容可能な酸から形成される。そのような塩としては、Journal of Pharmaceutical Science、66、2〜19頁(1977)(非特許文献6)に列挙されている薬学上許容可能な塩が挙げられ、当業者には公知である。そのような塩を形成するために使用される無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸などが挙げられる。脂肪族モノカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸およびヒドロキシアルカンジオン酸(hydroxyalkandioic acid)、芳香族酸、脂肪族および芳香族のスルホン酸などの有機酸から誘導される塩を使用してもよい。したがって、そのような薬学上許容可能な塩としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、α−ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,4−ジカルボン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、テラフタル酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、ナフタレン−1,5−スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩などが挙げられる。
【0048】
固形の医薬組成物の調製の方法も、当技術分野で周知である。したがって、錠剤は、活性成分を通常の佐剤、増量剤および希釈剤と混合し、次いで簡便な打錠機中でこの混合物を圧縮することにより調製できる。佐剤、増量剤および希釈剤の例は、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、乳糖、マンニトール、ソルビトール、タルカム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、乳糖、ゴムなどを含む。活性成分と適合することを条件に、着色剤、アロマ、保存剤など任意の他の佐剤または添加剤を使用してもよい。
【0049】
とりわけ、本発明による錠剤組成物は、混合物中の式Iの化合物を慣用的な佐剤または希釈剤と共に直接圧縮することにより調製できる。あるいは、式Iの化合物の湿式造粒物(wet granulate)または溶融造粒物(慣用的な佐剤または希釈剤と共に混合物中に入っていてもよい)を錠剤の圧縮用に使用してもよい。
【0050】
式Iの化合物の注射用液剤は、活性成分および使用可能な添加剤を注射用の溶媒、好ましくは滅菌水の一部に溶解し、この溶液を所望の体積に調節し、この溶液を滅菌し、適当なアンプルまたはバイアル中に充填することにより調製できる。等張化剤、保存剤、酸化防止剤、可溶化剤など当技術分野で慣用的に使用される任意の適当な添加剤を加えてもよい。あるいは、例えば遊離塩基としての活性成分を、消化性または非消化性の油、その混合物または類似物に溶解して、活性成分を長期間にわたり放出することが可能な筋肉内用デポー組成物を調製してもよい。
【0051】
経皮パッチなどの経皮的な用途において使用するための式Iの化合物の医薬組成物は、皮膚を通る活性成分の通過を容易にするために浸透活性剤を場合により含有してもよい。
【0052】
本発明の特定の一実施形態では、治療上有効量の式I(式中、X=酸素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、Rは先に定義のとおりである)の化合物を薬学上許容可能な担体または希釈剤と共に含む医薬組成物が提供される。
【0053】
本発明の別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物と薬学上許容可能な担体または希釈剤とを含む医薬組成物(式中、X=酸素であり、RおよびRはフェニルアセチルまたはベンゾイルなどのC〜Cアルカノイルまたはアリール−C〜Cアルカノイルであり、Rは先に定義のとおりである)が提供される。
【0054】
本発明の別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物と薬学上許容可能な担体または希釈剤とを含む医薬組成物(式中、X=酸素であり、RおよびRは両方とも水素であり、Rは先に定義のとおりである)が提供される。
【0055】
本発明の別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物と薬学上許容可能な担体または希釈剤とを含む医薬組成物(式中、Xは存在せず、Rは水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルカノイル、およびフェニルアセチルまたはベンゾイルなどのアリール−C〜Cアルカノイルから選択され、Rは水素である)が提供される。
【0056】
別の本発明の特定の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物と薬学上許容可能な担体または希釈剤とを含む、経皮、経鼻、口腔、筋肉内、非経口または皮下の投与など非経口投与用の医薬組成物が提供される。
【0057】
本発明の特定の一実施形態では、実質的に純粋なジアステレオ異性体または実質的に純粋なエナンチオマーの形態である治療上有効量の式Iの化合物と薬学上許容可能な担体または希釈剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0058】
さらなる一態様では、本発明は、パーキンソン病およびハンチントン病などの神経変性障害の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0059】
さらなる一態様では、本発明は、精神病、性的不能、腎不全、心不全、高プロラクチン血症または高血圧症の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0060】
別の態様では、本発明は、哺乳動物における認知障害の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。特定の一実施形態では、本発明は、統合失調症、パーキンソン病、AIDS認知症などの認知症、不安障害、加齢に関連する記憶障害、うつ病、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害(ADHD)および心的外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される障害または疾患に関連する認知障害の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0061】
またさらなる一態様では、本発明は、不穏下肢症候群(RLS)または周期性四肢運動障害(PLMD)の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0062】
異なる一態様では、本発明は、哺乳動物における、運動障害、運動低下(poverty of movement)、歩行障害または企図振戦の治療用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0063】
さらなる一態様では、本発明は、パーキンソン病およびハンチントン病などの神経変性障害の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0064】
さらなる一態様では、本発明は、精神病、性的不能、腎不全、心不全、高プロラクチン血症または高血圧症の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0065】
別の態様では、本発明は、哺乳動物における認知障害の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。特定の一実施形態では、本発明は、統合失調症、パーキンソン病、AIDS認知症などの認知症、不安障害、加齢に関連する記憶障害、うつ病、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害(ADHD)および心的外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される障害または疾患に関連する認知障害の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0066】
またさらなる一態様では、本発明は、不穏下肢症候群(RLS)または周期性四肢運動障害(PLMD)の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0067】
また別の態様では、本発明は、哺乳動物における、運動障害、運動低下、歩行障害または企図振戦の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0068】
独立の態様では、本発明は、経口投与用または非経口投与用の医薬を製造するための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用を提供する。
【0069】
本発明は、さらに、パーキンソン病およびハンチントン病などの神経変性障害に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、治療上有効量の式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩を該哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0070】
別の態様では、本発明は、さらに、精神病、性的不能、腎不全、心不全、高プロラクチン血症または高血圧症に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、治療上有効量の式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩を該哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0071】
さらなる一態様では、本発明は、認知障害に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、有効量の式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩を該哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0072】
本発明は、さらに、不穏下肢症候群(RLS)または周期性四肢運動障害(PLMD)に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、治療上有効量の式Iの化合物または薬学上許容可能なその付加塩を該哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0073】
本発明は、さらに、運動障害、運動低下、歩行障害または企図振戦に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、治療上有効量の式Iの化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩を該哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0074】
本発明の特定の一実施形態では、哺乳動物はヒト対象である。
【0075】
式Iの化合物の治療上有効量は、遊離塩基としての式(I)の化合物の1日用量として計算した場合、適切には0.01〜125mg/日の間、より適切には0.05〜100mg/日の間、例えば、好ましくは0.1〜50mg/日の間である。
【0076】
特定の一実施形態では、式Iの化合物の1日用量は1〜10mg/日の間である。
【0077】
別の実施形態では、式Iの化合物の1日用量は約1mg/日未満である。
【0078】
別個の一実施形態では、式Iの化合物の1日用量は約0.1mg/日である。
【0079】
さらなる一実施形態では、本発明は、0.001mg〜125mgの式Iの化合物を含む経口組成物を提供する。
【0080】
さらなる一実施形態では、本発明は、0.001mg〜0.1mgの式Iの化合物を含む経口組成物を提供する。
【0081】
さらなる一実施形態では、本発明は、0.01mg〜1mgの式Iの化合物を含む経口組成物を提供する。
【0082】
さらなる一実施形態では、本発明は、0.1mg〜10mgの式Iの化合物を含む経口組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】(+)−(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩(例5d2)の結晶構造を示す。絶対配置は、「重い」塩素原子の異常散乱により決定。
【図2】(2R,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩(例5j)の結晶構造を示す。
【図3】トルエン−4−スルホン酸(2R,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イルメチルエステル(中間体VB)の結晶構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0084】
置換基の定義
本発明において使用する場合、用語「C〜Cアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和炭化水素を指す。そのような基の例としては、メチル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチルおよびn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
本発明において使用する場合、用語「C〜Cアルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和炭化水素を指す。そのような基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、1−ブチルおよび2−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
用語「C〜Cアルカノイル」は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状のアルカノイル基を指し、その例としては、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基などが挙げられる。
【0087】
用語「C〜Cアルコキシ」は、1〜6個の炭素原子を有し酸素上に空の原子価(open valency)を有する直鎖状または分枝状の飽和アルコキシ基を指す。そのような基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、2−メチル−ペントキシおよびn−ヘキシロキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
用語「C〜Cアルキルチオ」は、1〜6個の炭素原子を有しイオウ上に空の原子価を有する直鎖状または分枝状の飽和アルキルチオ基を指す。そのような基の例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
用語「C〜C10アリール」は、6〜10個の環炭素原子を含有する単環式または多環式の芳香族基、および部分的に飽和したその変形を指す。限定するものとみなされるべきではないが、典型例は、フェニル、インデニル、インダニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルを含む。
【0090】
用語「C〜C10アリール−C〜Cアルカノイル」は、先に定義したとおりのC〜Cアルカノイルで、先に定義したとおりのC〜C10アリール基と結合しているものを指す。限定するものとみなされるべきではないが、典型例は、ベンゾイルおよびフェニルアセチルを含む。
【0091】
用語「C〜C−C〜C10アリール」は、先に定義したとおりのC〜C基で、先に定義したとおりのC〜C10アリール基と結合しているものを指す。
【0092】
用語「C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルキル」は、先に定義したとおりのC〜Cアルキルチオ基で、先に定義したとおりのC〜Cアルキル基と結合しているものを指す。そのような基の例としては、メチルチオメチルおよびエチルチオメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
用語「ヘテロアリール基」は、単環式または多環式の芳香族基(最大10個の環原子を含有し、そのうち1〜4個はN、OまたはSから選択され、残りの原子は炭素であり、このとき、N、OまたはSから選択される環原子は、1つまたは2つ以上の環中に位置していてもよい)、および、部分的に飽和したその変形を指す。限定するものとみなされるべきではないが、典型例は、ピリジル、チエニル、フリル、インドリル、ピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリン、イソキノリン、ナフチリジル、ジヒドロキノリニル、クロメニル、チオクロメニル、ベンゾキノリニルおよびアクリジニルを含む。
【0094】
用語「C〜Cアルキル−ヘテロアリール」は、先に定義したとおりのヘテロアリール基で、先に定義したとおりのC〜Cアルキル基と結合しているものを指す。
【0095】
本発明の化合物は、全て、少なくとも2つのキラル中心(下にで示す)を含むトランス縮合モルホリンであるが、Hとは異なるRを有する本発明の化合物は、第3のキラル中心(下に*で示す)も有する。
【0096】
【化2】

【0097】
とRとが縮合していないとき、本発明の化合物の環原子は、以下のように番号付けされる:
【0098】
【化3】

【0099】
とRとが縮合してメチレン基を形成するとき、本発明の化合物の環原子は、以下のように番号付けされる:
【0100】
【化4】

【0101】
本発明の化合物は、2=8通りの異なるエナンチオマー体で存在することができ、そのうち(R,R)および(S,S)のトランス縮合モルホリン誘導体のみが本発明に含まれる。すなわち:
【0102】
【化5】

【0103】
式Iの化合物は、経口で活性のあるアポモルヒネとして挙動することが見出されていることから、ドパミン作動性のターンオーバーの増加に好都合に応答するパーキンソン病および他の疾患/障害の治療に関して潜在的に有用となる。
【0104】
式I(式中、X=酸素である)の化合物は、in vitroでの肝細胞アッセイにおいて、共通のカテコールアミン親化合物(式中、RおよびRは両方とも水素である)に代謝可能であることが見出された:
【0105】
【化6】

【0106】
特定の代謝経路は、置換パターンにより異なり、未だ完全には理解されていない。したがって、式I(式中、X=酸素であり、RおよびRはC〜CアルカノイルおよびC〜C10−アリール−C〜Cアルカノイルなどのエステル基である)の化合物の場合、代謝は、エステル基の加水分解に相当する。式I(式中、X=酸素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成する)の化合物の場合、カテコールアミンへの変換は、メチレン基の酸化を経て、おそらくはそれに次ぐ加水分解ステップにより生じる。
【0107】
本発明の特定の一実施形態は、統合失調症に関連する認知障害の状態にある哺乳動物において認知を向上させるための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその付加塩の使用に関する。本発明の別の実施形態では、この状態は、パーキンソン病に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、AIDS認知症などの認知症に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、不安障害に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、加齢に関連する記憶障害に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、とりわけ高齢者における大うつ病などのうつ病に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、ベンゾジアゼピンの使用に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、三環系抗鬱薬の使用に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、アルツハイマー病に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、注意欠陥多動性障害(ADHD)に関連するものである。本発明の別の実施形態では、この状態は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連するものである。
【0108】
別の実施形態では、本発明は、大うつ病、双極性障害または不安などのうつ状態を患っている哺乳動物の治療のための、式Iの化合物または薬学上許容可能なその付加塩の使用に関する。
【0109】
本発明は、さらに、画像化用リガンド(imaging ligand)、とりわけPET用およびSPECT用リガンドとして、または、したがって前駆体として使用するための式Iの化合物に関する。所望の放射性標識は、PET用またはSPECT用リガンドの前駆体を、[11C]ヨウ化メチル、[11C]メチルトリフレートなどの11C−標識反応体を含む放射性標識反応体と反応させることにより導入できる。この化合物は、H、18Fまたは123Iで標識してもよい。したがって、本発明の特定の一実施形態では、放射性標識された式Iの化合物であって、放射性標識が11C、H、18Fまたは123Iから選択される化合物が提供される。
【0110】
放射性標識された式I(式中、RおよびRは両方とも水素である)の化合物は、放射性リガンドとしてとりわけ好ましい。
【0111】
特定の一実施形態では、本発明は、放射性標識された式I(式中、X=酸素であり、RおよびRは両方とも水素であり、Rは3−(18F)−フルオロプロピルまたは2−(18F)−フルオロエチルである)の化合物に関する。
【0112】
別の特定の実施形態では、本発明は、放射性標識された式I(式中、Xは結合であり、Rは水素であり、Rは、3−(18F)−フルオロプロピル、2−(18F)−フルオロエチル、(11CH)−、(11CHCH)−または(11CHCHCH)−から選択される)の化合物に関する。
【0113】
好ましい一実施形態では、本発明は、放射性標識された式I(式中、X=酸素であり、RおよびRは両方とも水素であり、Rはn−プロピルであり、Rは、11C、Hおよび18Fから選択される放射標識を含む)の化合物に関する。一実施形態では、Rは、3−(18F)−フルオロプロピル、2−(18F)−フルオロエチル、(11CH)−、(11CHCH)−または(11CHCHCH)−から選択される。
【0114】
さらなる実施形態は、式Iの化合物の遊離塩基またはその塩またはその医薬組成物および本明細書に記載のとおりの使用であって、式Iの化合物のトランス−ジアステレオマー過剰率が、少なくとも10%(トランス−ジアステレオマー過剰率10%は、当該混合物中におけるジアステレオ異性体のトランス対シス比率が55:45であることを意味する)、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%である遊離塩基またはその塩またはその医薬組成物および使用に関する。本明細書中で使用する場合、用語「シス」および「トランス」は、専ら、モルホリン環を式Iの化合物の中心環と結び付ける2個の炭素(下にで印す)の立体配置に関する:
【0115】
【化7】

【0116】
本発明のトランスジアステレオ異性体は、(R,R)または(S,S)のいずれかの立体配置を常に有するが、シスジアステレオ異性体(こちらは本発明に含まれない)は、(R,S)または(S,R)のいずれかの立体配置を有する。
【0117】
さらなる実施形態は、式Iの化合物の遊離塩基またはその塩またはその医薬組成物および本明細書に記載のとおりの使用であって、式Iの化合物のエナンチオマー過剰率が、少なくとも10%(例えば、(4aR,10aR)立体配置を有する式Iの化合物の場合のエナンチオマー過剰率10%は、当該混合物中における(4aR,10aR)−エナンチオマーと(4aS,10aS)−エナンチオマーとの間の比率が55:45であることを意味する)、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%である遊離塩基またはその塩またはその医薬組成物および使用に関する。
【0118】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物であって、カテコール部分が、in vivoで代謝されて遊離カテコールアミンを生じることができるメチレンジオキシ(MDO)プロドラッグ誘導体としてマスクされている化合物に関する:
【0119】
【化8】

【0120】
したがって、本発明はさらに、式I(式中、X=酸素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成する)の化合物に関する。
【0121】
別の態様では、本発明は、式I(カテコール部分が、in vivoで開裂されて遊離カテコールアミンを生じることもできるジエステル誘導体としてマスクされている)の当該化合物(X=酸素であり、RおよびR=アセチルである場合について以下に例示する)に関する:
【0122】
【化9】

【0123】
本発明は、式I(式中、RおよびRは2つの異なる置換基である)の化合物の非対称性ジエステル誘導体をさらに含む。
【0124】
本発明はさらに、式I(式中、X=酸素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、Rは、水素、メチル、エチルおよびn−プロピルから成る群から選択される)の化合物の実質的に純粋なトランスジアステレオ異性体に関する。
【0125】
本発明はさらに、式I(式中、X=酸素であり、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、Rは、水素、メチル、エチルおよびn−プロピルから成る群から選択される)の化合物の実質的に純粋な(6aR,10aR)エナンチオマーに関する。
【0126】
独立の実施形態では、本発明は、式I(式中、X=酸素であり、Rは、水素、メチル、エチルおよびn−プロピルから成る群から選択され、RおよびRの少なくとも一方はC〜Cアルカノイルであるか、またはRおよびRの少なくとも一方はベンゾイルであるか、またはRおよびRの少なくとも一方はフェニルアセチルである)の化合物に関する。
【0127】
本発明はさらに、式I(式中、X=酸素であり、Rは、水素、メチル、エチルおよびn−プロピルから成る群から選択され、RおよびRの少なくとも一方はピバロイルなどのC〜Cアルカノイルであるか、またはRおよびRの少なくとも一方はベンゾイルであるか、またはRおよびRの少なくとも一方はフェニルアセチルである)の実質的に純粋なトランスジアステレオ異性体に関する。
【0128】
本発明はさらに、式I(式中、X=酸素であり、Rは、水素、メチル、エチルおよびn−プロピルから成る群から選択され、RおよびRの少なくとも一方はピバロイルなどのC〜Cアルカノイルであるか、またはRおよびRの少なくとも一方はベンゾイルであるか、またはRおよびRの少なくとも一方はフェニルアセチルである)の実質的に純粋な(4aR,10aR)エナンチオマーに関する。
【0129】
本発明に関する場合、とりわけ、本明細書中で開示する医薬的な使用については、式(I)の化合物が実質的にエナンチオマー的またはジアステレオマー的に純粋であると特定するときには、該化合物は立体化学的に比較的純粋であると理解される。好ましくは、エナンチオマー過剰率またはジアステレオマー過剰率は、少なくとも60%、少なくとも70%、より好ましくは、少なくとも80%(エナンチオマー過剰率80%は、例えば、当該混合物中における(4aR,10aR)対(4aS,10aS)の比率が90:10であることを意味する)、少なくとも90%、少なくとも96%、または好ましくは少なくとも98%である。
【0130】
一般的な合成方法
スキーム1は、Xは存在せず、RおよびR=Hである場合の本発明の化合物の調製を示すものである。
【0131】
【化10】

【0132】
公知のラセミ体のトランス−3−アジド−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール[Nozulak, J.、Vigouret, J. M.、Jaton, A. L.、Hofmann, A.、Dravid, A. R.、Weber, H. P.、Kalkman, H. O.、Walkinshaw, M. D.、J. Med. Chem.、1992、35、480〜489頁(非特許文献7)](化合物1)から出発して、アジド基を還元すると、対応するトランス・アミノアルコールが得られ、これを塩化クロロアセチルでアシル化する。次いで、塩基性条件下で閉環を行い、その後アミド還元およびBoc保護を行うと、純粋なジアステレオマーとしてのキー化合物6が得られる。化合物6をクロマトグラフィーより分離してから脱保護すると、2種類のエナンチオマー6Aおよび6Bが得られる。
【0133】
マーカッシュ1Aの調製:化合物6Aから出発して、いくつかの方法により、(4aR,10aR)立体配置を有する本発明の化合物を調製できる。化合物6AをLAHで還元すると、マーカッシュ1A(式中、R=CHである)が生成される。あるいは、BOC基を酸で開裂してもよい。次いで、例えば、ヨウ化アルキルまたは臭化アルキルを用いたN−アルキル化により、マーカッシュ1Aを調製できる。もう1つの方法は、二級アミンのアシル化に次いで、例えばLAHで還元を行うことである。3つ目の方法は、(1−エトキシシクロプロピル)−オキシ]トリメチルシランなどのアルデヒド、ケトンまたはケトン代理物質(surrogate)を用いた還元的アミノ化である。
【0134】
マーカッシュ2Aの調製:マーカッシュ2Aの調製の一例は、マーカッシュ1Aのメトキシ基の開裂で構成される。メトキシ基の開裂の1つの方法は、THF中にて高温でL−セレクトリドを用いることによる。別の方法には、DMA中にて高温でチオフェノールおよびKFを用いた処理がある。
【0135】
化合物6Bから出発して、(4aS,10aS)立体配置を有する本発明の化合物を同様に調製できる。
【0136】
スキーム2は、本発明の化合物(式中、Xは存在せず、Rは水素とは異なる)の調製を示すものである。
【0137】
【化11】

【0138】
純粋なエナンチオマー化合物7Aは、化合物5から調製される化合物6Aについて記載したものと同様の様式で、化合物2から生成される。化合物7Aは、例えば、BOC基を酸で開裂し、次いで塩化ベンゾイルでアシル化してから中間体アミドをLAH還元することにより、化合物8Aに変換できる。R−(−)−エピクロロヒドリンを用いた化合物8Aのアルキル化に次いで希薄NaOH中で煮沸すると、化合物9Aおよび化合物10Aが両方とも得られ、これはクロマトグラフィーにより分離することができる。
【0139】
マーカッシュ4Aおよびマーカッシュ5Aの調製:
マーカッシュ3Aは、化合物9Aから調製できる[例えば、Protective Groups in Organic Synthesis、T. W. Greene and P. G. M. Wuts、Wiley Interscience、(1991)、ISBN 0471623016(非特許文献8)に記載されているようなベンジル基の水素化分解による]。次に、結果として得られる化合物11Aから、マーカッシュ1Aについて前述した要領でマーカッシュ3Aを調製する。マーカッシュ4Aは、例えば、塩化トシルと反応させ、次いで脱離基を求核剤で置換することにより、マーカッシュ3Aから調製できる。この求核剤は、例えば、アルコキシド、アルキルチオレートまたはアミンであってもよい。マーカッシュ5Aは、マーカッシュ2Aについて記載したようなL−セレクトリドを用いるか、または例えばDMA中にて高温でチオフェノールおよびKFを用いることで、マーカッシュ4Aから調製できる。
【0140】
マーカッシュ6A、マーカッシュ7Aおよびマーカッシュ8Aは、化合物10Aから化合物12Aを経由して同様に調製できる。
【0141】
化合物7Bから出発して、(4aS,10aS)立体配置を有する本発明の化合物を同様に調製できる。
【0142】
【化12】

【0143】
マーカッシュ3Aおよび6A(式中、R=n−プロピルである)(中間体IIIAおよびIIA)は、スキーム3に示すように化合物7Aからも調製できる。BOC基を酸で開裂し、次いで塩化プロピオニルでアシル化してから中間体アミドをLAH還元すると、化合物14Aが生成される。化合物14AをR−(−)−エピクロロヒドリンまたはS−(+)−エピクロロヒドリンでアルキル化し、次いで希薄NaOH中で煮沸すると、中間体IIAとIIIAとの混合物が得られる。これら2種類のジアステレオマーは、クロマトグラフィーにより分離できる。
【0144】
化合物7Bから出発して、(4aS,10aS)立体配置を有する本発明の化合物を同様に調製できる。
【0145】
【化13】

【0146】
マーカッシュ9Aおよびマーカッシュ10Aの調製:化合物6Aから出発して、例えば、THF中にて高温でL−セレクトリドを用いてメトキシ基を開裂して化合物15Aを生成させることにより、マーカッシュ9Aおよびマーカッシュ10Aを調製できる。本明細書に記載のとおりの適切な条件下でパラホルムアルデヒドおよびグリニャール試薬を用いて、この材料を化合物16Aに転換できる。デーキン酸化により中間体VIが得られ、これを、例えば、ブロモクロロメタン、および、適当な溶媒中の塩基を用いることにより、中間体VIIに変換できる。次いで、化合物6Aからのマーカッシュ1Aの調製について記載した方法により、マーカッシュ9Aおよびマーカッシュ10Aを調製できる。
【0147】
マーカッシュ11A、12A、13Aおよび14Aは、同様の様式で調製できる。
【実施例】
【0148】
実験の部
方法の概要
大気圧光イオン化を装備したPE Sciex API 150EX装置および島津LC−8A/SLC−10A LCシステムでLC/MS分析データを入手した。UV(254nm)およびELSDトレースを積分することにより、純度を決定した。MS装置はAPPI源を装備したPESciex(API)製のもので、陽イオンモードで運転した。UVトレースの保持時間(RT)を、分単位で表す。溶媒Aは、水中の0.05%TFAから成るものであり、溶媒Bは、アセトニトリル中の0.035%TFAおよび5%水から成るものであった。いくつか異なる方法を用いた:
方法25:API 150EXおよび島津LC10AD/SLC−10A LCシステム。カラム:dC−18 4.6×30mm、3μm(Atlantis、Waters)。カラム温度:40℃。勾配:イオン対形成を用いた逆相。流速:3.3mL/分。注入体積:15マイクロL。勾配:A中の2%Bから100%Bに2.4分かけた後、A中の2%Bを0.4分間。合計通液時間:2.8分。
方法101:API 150EXおよび島津LC8/SLC−10A LCシステム。カラム:C−18 4.6×30mm、3.5μm(Symmetry、Waters)。カラム温度:60℃。勾配、イオン対形成を用いた逆相。流速:3.3mL/分。注入体積:15マイクロL。勾配:A中の10%Bから100%Bに2.4分かけた後、A中の10%Bを0.4分間。合計通液時間:2.8分。
方法102:API 150EXおよび島津LC8/SLC−10A LCシステム。カラム:dC−18 4.6×30mm、3μm(Atlantis、Waters)。カラム温度:40℃。勾配、イオン対形成を用いた逆相。流速:3.3mL/分。注入体積:15マイクロL。勾配:A中の2%Bから100%Bに2.4分かけた後、A中の2%Bを0.4分間。合計通液時間:2.8分。
方法111:API 150EXおよび島津LC8/SLC−10A LCシステム。カラム:C−18 4.6×30mm、3.5μm(Symmetry、Waters)。カラム温度:60℃。勾配、イオン対形成を用いた逆相。流速:3.3mL/分。注入体積:10マイクロL(カラム上に1マイクロLを注入)。勾配:A中の10%Bから100%Bに2.4分かけた後、A中の10%Bを0.4分間。合計通液時間:2.8分。
方法350:API300およびWaters UPLCシステム。カラム:Acquity UPLC BEH C−18 2.1×50mm、1.7μm(Waters)。カラム温度:60℃。流速:1.2mL/分。注入体積:1マイクロL。勾配:A中の10%Bから100%Bに1分。次に、0.15分でA中の10%B。合計通液時間:1.15分。
【0149】
標準的なParr震盪器(水素圧1〜3バール)を用いて、水素化反応を実施した。
【0150】
特に言及しない限り、用語「クロマトグラフィー」は、HPLC、「シリカゲル・クロマトグラフィー」または「キラルSFC」を指す。
【0151】
キラルカラムを搭載したBerger SFCマルチグラム(multigram)II装置で、典型的には、超臨界COと溶出剤としての多様な調整剤との混合物を用いて「キラルSFC」を実施した。
【0152】
同じ装置で、大気圧化学イオン化を用いて、分取用HPLC精製を実施した。カラム:50×20mm YMC ODS−A、粒子サイズ5μm。方法:7分で80%Aから100%B、流速22.7mL/分での直線勾配溶出。分流MS検出により画分収集を実施した。
【0153】
用語「シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)」は、以下の意味を有する:精製対象の化合物を、少量のDCMに通常は溶解して、シリカゲルが予め充填してあるカラム上に載せ、EtOAcとヘプタンとの混合物を用いて、アイソクラチック法、または、ヘプタン中の0〜100%のEtOAcなどの勾配のいずれかで溶出した。シリカゲルを担持した使用カラムの一例は、「ISOLUTE SPE COLUMNS」[例えば、International sorbent technology製の20g FLASH Si 70mL]である。あるいは、シリカゲルでプレコーティングされたアルミニウム・プレート[例えばMerck60F254]上で実施する標準的なTLC分析による化合物同定と共に、シリカゲル[例えばMachery−Nagel60M、0.04〜0.063mm、230〜400メッシュ]を用いて伝統的な手動のクロマトグラフィーによる精製を実施した。UVランプ(254nm)を用いた照明によるか、または10%硫酸水溶液(250mL)中のモリブデン酸アンモニウム(6.25g)およびセリウム(IV)硫酸塩(2.5g)溶液中に浸漬した後でチャーリング(charring)することにより、化合物を可視化した。
【0154】
密封されたマイクロ波反応器用バイアル中でマイクロ波加速反応を実施した。実験は、Personal Chemistry製のSmith Synthesizerで実施した。
【0155】
用語「凍結乾燥した」は、WWR International製のChrist Alpha 2−4LSC装置を用いて材料を凍結乾燥させることを指す。
【0156】
用語「乾燥した(NaSO)」および「乾燥した(MgSO)」は、乾燥状のNaSOまたはMgSOをそれぞれ加え、次いで適切な長さの時間にわたり撹拌して、効果的な乾燥プロセスを確実にすることにより、有機層から水を除去することを指す。次に、濾過により固形物を除去し、濾液を、典型的には真空濃縮する(以下を参照のこと)。
【0157】
用語「真空濃縮した」は、以下の意味を有する:標準的な回転式蒸発装置を減圧下で用いて、混合物から揮発性成分を除去した。用語「40℃で真空乾燥させた」は、オイルポンプに接続された、40℃に加熱された標準的な真空オーブンを使用することを指す。用語「真空乾燥させた」は、オイルポンプに直接接続されたフラスコ中に乾燥対象の材料を十分な長さの時間にわたって入れて揮発性成分を除去する乾燥プロセスを指す。
【0158】
X線結晶構造の決定を以下のように実施した。クライオストリーム窒素ガス冷却システムを用いて、化合物の結晶を120Kに冷却した。CCD面積高感度検出器(CCD area sensitive detector)付きのSiemens SMARTプラットフォーム回折計でデータを収集した。直接法により構造を解析し、全てのデータのFに対する全行列最小二乗法(full−matrix least−squares)により精密化した。構造中の水素原子は、電子密度差マップ中で見出すことができた。水素以外の原子を異方的に精密化した。全ての水素原子は、O−H=0.84Å、C−H=0.99〜1.00Å、N−H=0.92〜0.93Åのライディング・モデル(riding model)を用いた算出位置にあった。全ての水素原子について、熱パラメーターを固定した[U(H)=結合している原子については1.2U]。Flack x−パラメーターは0.0(1)〜0.05(1)の範囲であり、絶対構造が正しいことが示唆される。データ収集、データ処理および吸収に用いたプログラムは、SMART、SAINTおよびSADABSであった[「SMART and SAINT, Area Detector Control and Integration Software」、Version 5.054、Bruker Analytical X-Ray Instruments Inc.、Madison、USA、(1998)(非特許文献9)、Sheldrick、「SADABS, Program for Empirical Correction of Area Detector Data」、Version 2.03、University of Gottingen, Germany (2001)(非特許文献10)を参照のこと]。構造解析および分子グラフィックスには、プログラムSHELXTL[Sheldrick、「SHELXTL, Structure Determination Programs」、Version 6.12、Bruker Analytical X-Ray Instruments Inc.、Madison、USA、(2001)(非特許文献11)を参照のこと]を使用した。
【0159】
本発明の中間体の調製
本発明のさらなる態様を構成する以下の中間体は、本発明の化合物の調製に有用である:
【0160】
【化14】

【0161】
IAおよびIBの中間体の調製
【0162】
【化15】

【0163】
ラセミ体のトランス−3−アミノ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール(化合物2)。
化合物1(6.17g、Nozulakら[Nozulak, J.、Vigouret, J. M.、Jaton, A. L.、Hofmann, A.、Dravid, A. R.、Weber, H. P.、Kalkman, H. O.、Walkinshaw, M. D.、J. Med. Chem.、1992、35、480〜489頁(非特許文献7)]により記載された要領で調製)を99%EtOH(280mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下で10%Pd/C(617mg)を加えた。この混合物を、室温、H圧2.5バールで3時間水素化した。Celiteを通して粗混合物を濾過し、濃縮し、真空乾燥させると、白色の固形物としての化合物2が得られた。収量:5.24g。
【0164】
【化16】

【0165】
ラセミ体のトランス−2−クロロ−N−3−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アセトアミド(化合物3)。
THF(14mL)中のClAcCl(2.90mL)を、THF(260mL)およびEtN(6.30mL)中の化合物2(5.22g)の撹拌溶液に、0℃で2〜3分間かけて加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。EtOAc(500mL)および1M HCl(500mL)を加え、水(500mL)で有機層を抽出した。水層を合わせたものをEtOAc(500mL)で抽出した。有機層を合わせたものをブライン(500mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空濃縮すると、淡黄色の固形物としての化合物3が7.57g得られた。
【0166】
【化17】

【0167】
ラセミ体のトランス−9−メトキシ−4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−4H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−3−オン。(化合物4)。
60%NaH分散系(1.29g)およびTBAI(1.05g)をTHF(46mL)に懸濁させた[硬い固形物が形成され、これを刻んで小片にした]。THF(300mL)中の化合物3(7.57g)を20分かけて滴加した。この混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この溶液を真空濃縮し、残留物をDCMに溶解して氷冷水で洗浄した。有機層を1M HClで洗浄し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc)後、無色の固体としての化合物4が2.83g得られた。
【0168】
【化18】

【0169】
ラセミ体のトランス−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン(化合物5)。
THF(15mL)中の1M LAHを、THF(83mL)中の化合物4(1.61g)の撹拌混合物に滴加した。この混合物を室温で3時間撹拌した。この溶液を氷冷水でクエンチし、EtOを加えた。水層をEtOで抽出した。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空濃縮すると、黄色の油としての化合物5が得られた。この材料を次のステップでそのまま使用した。
【0170】
【化19】

【0171】
ラセミ体のトランス−9−メトキシ−2,3,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物6)。
先のステップで得られた化合物5をTHF(70mL)に溶解し、EtN(1.45mL)およびBocO(1.52g)を加えてから、この混合物を室温で3日間撹拌した。この溶液を真空濃縮すると、シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)による精製後、淡黄色の油としての化合物6が1.45g得られた。
【0172】
【化20】

【0173】
ラセミ体のトランス−9−メトキシ−2,3,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルの分離(化合物6を化合物6Aおよび6Bに分離)。
Chiralpak AD 21.2×250mmカラムを装備したBerger SFCマルチグラムII装置でのキラルSFCにより、化合物6(1.38g)を分離した。溶媒系:CO/EtOH/EtNH(70:29.9:0.1)。方法:一定勾配、流速50mL/分。UV230nm検出により画分収集を実施した。早く溶出してくるエナンチオマー(4aS,10aSエナンチオマー、化合物6B):白色の固形物として0.622g。融点=89〜90℃。α+190.1(C=0.25,MeOH)。遅く溶出してくるエナンチオマー(4aR,10aRエナンチオマー、化合物6A):白色の固形物として0.633g。融点=89〜90℃。α−184.8(C=0.25,MeOH)。誘導体(例5d2)のX線結晶学的方法により、立体中心の立体配置を決定した。
【0174】
【化21】

【0175】
(4aR,10aR)−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン塩酸塩(中間体IA)。
MeOH(11mL)中の化合物6A(545mg)の撹拌溶液に、HCl(14mL、EtO中5M)を加えた。45分間の撹拌後、この混合物を真空濃縮した。収量:白色の固形物としての中間体IAが418mg。融点(分解)>280℃、LC/MS:ELSD:99.6%、UV:99.2%、MH:220.2。NMRデータは、中間体IBについて報告したデータと同一。元素分析C1317NO・HClの計算値:C、61.05;H、7.09;N、5.48。実測値:C、60.93;H、7.26;N、5.42。
【0176】
【化22】

【0177】
(4aS,10aS)−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン塩酸塩(中間体IB)。
MeOH(11mL)中の化合物6B(543mg)の撹拌溶液にHCl(14mL、EtO中5M)を加えた。45分間の撹拌後、この混合物を真空濃縮した。収量:白色の固形物としての中間体IBが436mg。融点(分解)>280℃、LC/MS:ELSD:98.7%、UV:93.7%、MH:220.2。H NMR(500MHz,DMSO) δ 2.40(dd,1H)、3.00〜3.20(br m,4H)、3.30(m,1H)、3.75(s,3H)、3.90(m,2H)、4.00(dd,1H)、6.75(d,1H)、6.80(d,1H)、7.15(t,1H)、9.75(b,1H)。13C NMR(DMSO) δ:157.0、133.3、127.6、121.6、120.8、108.6、73.2、63.1、55.7、54.3、43.2、31.4、29.1。元素分析C1317NO・HClの計算値:C、61.05;H、7.09;N、5.48。実測値:C、61.11;H、7.25;N、5.41。
【0178】
中間体IIA、IIIA、IVA、VA、VIおよびVIIの調製。
【0179】
【化23】

【0180】
ラセミ体のトランス−3−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物7)。
化合物2(7.36g)をTHF(175mL)に溶解し、EtN(7.7mL)およびBocO(7.74g)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により粗生成物を精製すると、白色の固形物としての化合物7が6.90g得られた。
【0181】
【化24】

【0182】
ラセミ体のトランス−3−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの分離(化合物7を化合物7Aおよび7Bに分離)。
Chiralpak AD 21.2×250mmカラムを装備したBerger SFCマルチグラムII装置でのキラルSFCにより、化合物7(13g)を分離した。溶媒系:CO/EtOH/EtNH(70:29.9:0.1)。方法:一定勾配、流速50mL/分。UV230nm検出により画分収集を実施した。早く溶出してくるエナンチオマー(2S,3Sエナンチオマー、化合物7B):白色の固形物として5.14g。融点=161〜162℃。遅く溶出してくるエナンチオマー(2R,3Rエナンチオマー、化合物7A):白色の固形物として5.17g。融点=161〜162℃。
【0183】
【化25】

【0184】
(2R,3R)−3−ベンジルアミノ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(化合物8A)。
MeOH(35mL)中の化合物7A(5.10g)の撹拌溶液にHCl(70mL、EtO中5M)を加えた。室温で一晩撹拌後、この混合物を真空濃縮した。収量:白色の固形物としての(2R,3R)−3−アミノ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールの塩酸塩が4.09g。この材料3.84gをTHF(140mL)中に懸濁させ、EtN(4.6mL)および塩化ベンゾイル(2.58g)を加えた。この混合物を室温で3.5時間一晩撹拌してから、EtOAc(400mL)および2M HCl(300mL)を加えることによりクエンチした。有機相をブラインで洗浄し、真空濃縮した。この材料(4.63g)に5℃でLAH(THF中1M、20mL)を加えた。この反応混合物を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で1200秒間かけて100℃に加熱してから、含水NaSOを加えることによりクエンチした。ジエチルエーテル(60mL)およびTHF(60mL)を加えることによりこの溶液を希釈してから、乾燥NaSOを通して濾過し、真空濃縮した。収量:白色の固形物としての化合物8Aが3.69g。
【0185】
【化26】

【0186】
((2S,4aR,10aR)−4−ベンジル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(化合物9A)および((2R,4aR,10aR)−4−ベンジル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(化合物10A)。
1,2−DCE(5mL)中に懸濁させた化合物8A(1.42g)の撹拌溶液に、R−(−)−エピクロロヒドリン(1.95mLをヘプタン10mL中に溶解)を加えた。この反応混合物を115℃で一晩環流した。溶媒を蒸発させて除去し、シリカゲル・クロマトグラフィー(ヘプタン中の10〜50%EtOAc)により残留物を精製した。この中間体の収量:1.60g、LC/MS(m102):1.15分(MH376.1)、ELSD99%、UV76%。この中間体(1.60g)に2M NaOH(50mL)を加え、この溶液を130℃で一晩環流し、室温に冷却してからTHF(75mL)を加えることによりクエンチした。相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により粗生成物を精製すると、白色の固形物としての化合物9A(速く溶出してくる異性体)0.457gおよび白色の固形物としての化合物10A(遅く溶出してくる異性体)0.340gが得られた。
【0187】
【化27】

【0188】
((2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(化合物11A)。
化合物9A(447mg)をEtOH(56mL)に溶解した。10%Pd/C(110mg)を加え、この溶液を一晩水素化した。触媒を濾過して除去し、溶媒を蒸発させて除去した。化合物11Aの収量:316mg。
【0189】
【化28】

【0190】
((2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(中間体IIIA)。
DMF(6.3mL)中の化合物11A(316mg)の撹拌溶液に、KCO(369mg)、次いでn−ヨウ化プロピル(0.11mL)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから、EtOAc(40mL)およびブライン(25mL)を加えることによりクエンチした。有機相をさらなるブラインで洗浄し、溶媒を蒸発させて除去した。シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により粗生成物を精製すると、中間体IIIAが196mg得られた。
【0191】
【化29】

【0192】
トルエン−4−スルホン酸(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イルメチルエステル(中間体VA)。
ピリジン(3mL)中の中間体IIIA(160mg)の撹拌溶液にTsCl(160mg)を加えた。この反応混合物を室温で5時間撹拌してから、水(0.2mL)を加えることによりクエンチした。20分後、EtOAc(25mL)およびNaHCO飽和水溶液(10mL)を加えた。有機相を飽和NaHCO(10mL)で洗浄してからブラインで洗浄し、溶媒を蒸発させて除去すると、固形物としての中間体VAが187mg得られた。LC/MS(方法101):RT1.12分、ELSD98.4%、UV73.5%。MH:446.7。
【0193】
【化30】

【0194】
((2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(化合物12A)。
この材料は、化合物11Aについて記載したものと同様の様式で化合物10A(340mg)から調製した。収量:288mg。
【0195】
【化31】

【0196】
((2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(中間体IIA)を、中間体IIAについて記載したものと同様の様式で化合物12Aから調製した。収量:149mg。
【0197】
【化32】

【0198】
トルエン−4−スルホン酸(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イルメチルエステル(中間体IVA)。
この材料は、中間体VAについて記載したものと同様の様式で中間体IIAから調製した。収量:238mg。LC/MS(方法101):RT1.09分、ELSD98%、UV65%。MH:446.7。
【0199】
【化33】

【0200】
(2R,3R)−3−アミノ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(化合物13A)。
MeOH(100mL)中の化合物7A(7.19g)の撹拌溶液に、HCl(99mL、EtO中2M)を加えた。2時間撹拌した後、この溶液を濾過すると、白色の固形物としての化合物13Aが得られた。収量:5.05g。LC/MS(方法350):RT0.32分、ELSD97.0%、UV100%。MH:194.1。α−105.5(C=0.25,MeOH)H NMR(500MHz,DMSO) δ:2.41(dd,1H)、2.95(dd,1H)、3.09〜3,17(m,3H)、3.77(s,3H)、3.87(m,1H)、5.75(1,1H)、6.71(d,1H)、6.79(d,1H)、7.13(t,1H)、8.32(s,3H)。13C NMR(DMSO) δ:157.0、133.8、127.3、122.7、120.7、108.3、67.2、55.7、52.3、32.6、31.9。
【0201】
【化34】

【0202】
(2S,3S)−3−アミノ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(化合物13B)。
この材料は、化合物13Aについて記載したものと同様の様式で化合物7B(7.44g)から合成した。収量:白色の固形物としての化合物13Bが5.34g。LC/MS(方法350):RT0.32分、ELSD100%、UV100%。MH:194.1。α+104.6(C=0.25,MeOH)。NMRデータは、化合物13Aについて報告したデータと同一。
【0203】
【化35】

【0204】
(2R,3R)−8−メトキシ−3−n−プロピルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(化合物14A)。
THF(15mL)およびEtN(1.80mL)中に化合物13A(1.50g)を懸濁させ、塩化プロピオニル(0.60mL)を加えた。この溶液を20分間撹拌した。室温での撹拌下でLAH(THF中1M、10mL)を滴加し、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中でこの反応混合物を1200秒間90℃に加熱した。この反応を含水NaSOでクエンチした。この混合物をTHF(50mL)で希釈し、乾燥NaSOで濾過し、真空濃縮した。収量:油としての化合物14Aが1.21g。LC/MS(方法350):RT0.40分、ELSD100%、UV100%。MH:235.9。H NMR(500MHz,CDCl) δ0.89(t,J=7,6Hz,3H)、1.43〜1.52(m,2H)、2.37〜2.51(m,3H)、2.61〜2.68(m,1H)、2.74〜2.80(m,1H)、3.14(dd,J=4.93,J=16.0,1H)、3.22〜3.29(dd,J=16.9,J=5.9,1H)、3.56〜3.63(m,1H)、3.73(s,1H)、6.60(d,J=8.05,1H)、6.62(d,J=7.89,1H)、7.03(t,J=7.86,1H)。13C NMR(500MHz,CDCl) δ:157.7 136.4、127.0、123.8、121.2、107.7、71.0、59.8、55.7、49.5、35、7、32.1、24.1、12.2。
【0205】
【化36】

【0206】
(2S,3S)−8−メトキシ−3−n−プロピルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(化合物14B)。
この材料は、化合物13B(1.15g)から合成した。収量:油としての化合物14Bが960mg。LC/MS(方法350):RT0.40分、ELSD99.2%、UV100%。MH:235.9。
【0207】
【化37】

【0208】
中間体IIAおよび中間体IIIA。1,2−DCE(3.2mL)中に溶解した化合物14A(751mg)の撹拌溶液に、S−(+)−エピクロロヒドリン(1.22mL)を加えた。この反応混合物を120℃で一晩環流し、真空濃縮した。NaOH(8.7mL、2M)を残留物に加え、この混合物を130℃で一晩環流した。この溶液を室温に冷却させてから、THF(17.5mL)を加えた。有機相をブライン(5mL)で洗浄し、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(ヘプタン中の0〜100%EtOAcを使用)により2種類の異性体を分離すると、速く溶出してくる異性体((2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(中間体IIIA)116mg:LC/MS:ELSD:100.0%、UV:90.4%、MH291.8。H NMR(500MHz,CDCl) δ0.87(t,J=7.48,3H)、1.38〜1.59(m,2H)、2.09〜2.15(m,1H)、2.30〜2.40(m,1H)、2.59(dd,J=15.86,J=11.69,1H)、2.65(dd,J=11.87,J=3.99,1H)、2.99(d,J=11.81,1H)、3.11(t,J=5.59,1H)、3.14(t,J=5.14,1H)、3.74(s,3H)、3.83〜3.92(m,2H)、4.07〜4.14(m,2H)、6.60(d,J=8.21,1H)、6.63(d,J=7.86,1H)、7.04(t,J=8.03,1H)。13C NMR(500MHz,CDCl) δ:157.5 135.5、127.1、123.4、121.1、107.7、72.4、72.3、67.0、60.9、55、7、55.1、53.2、33.9、30.7、19.1、12.3 および遅く溶出してくる異性体((2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イル)−メタノール(中間体IIA)76mg、LC/MS:ELSD:100.0%、UV:100.0%、MH291.8、Rt=0.41。H NMR(500MHz,CDCl) δ0.85(t,J=7,3Hz,3H)、1.45〜1.59(m,2H)、2.24〜2.32(m,3H)、2.43(dd,J=16.9,J=10.6,1H)、2.60(dd,J=11.8,J=15.4,1H)、2.73(m,1H)、2.79(d,J=11.18,1H)、3.10〜3.19(m,2H)、3,55(dd,J=6.35,J=11.64,1H)、(3.58〜3.66(m,2H)、3.74(s,3H)、3.78(bs,1H)、6.61(d,J=8.21,1H)、6.66(d,J=7.92,1H)、7.05(t,J=7.88,1H)。13C NMR(500MHz,CDCl) δ:157.5 135.8、127.1、123.4、121.2、107.7、76.9、76.0、64.7、60.9、55、7、55.6、53.4、33.9、30.1、18.7、12.4が得られた。
【0209】
前述の条件下で、化合物14A(1.1g)およびR−(−)−エピクロロヒドリン(1.76ml)から中間体IIAおよびIIIAを調製した。収量:中間体IIIAが338mg、中間体IIAが247mg。
【0210】
中間体IIBおよびIIIBの調製。
エナンチオマー7Aについて記載したものと同様の、S−(+)−エピクロロヒドリンを用いた様式で、いくつかのステップにて、化合物7Bから中間体IIBおよびIIIBを調製した。エナンチオマー14Aについて記載したものと同様の、S−(+)−エピクロロヒドリンまたはR−(−)−エピクロロヒドリンのいずれかを用いた様式で、化合物14Bから中間体IIBおよびIIIBも調製した。
【0211】
中間体IVBおよびVBの調製。
エナンチオマーについて記載したものと同様の様式で、中間体IIBおよびIIIBから中間体IVBおよびVBを調製した。
【0212】
中間体VIおよびVIIの調製
【0213】
【化38】

【0214】
(4aR,10aR)−9−ヒドロキシ−2,3,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物15A)。
化合物6A(901mg)にL−セレクトリド(13.5mL、THF中1M)を室温で加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波反応器用バイアル中で110℃にて6時間加熱した。さらなるL−セレクトリド(1.5mL、THF中1M)を加え、この溶液を110℃で1時間加熱した。この黄色の溶液を氷/水混合物(45mL)および飽和NaHCO(45mL)中に注いだ。この混合物をEtO(3×90mL)で抽出した。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc/ヘプタン)により粗生成物を精製すると、白色の固形物としての化合物15Aが530mg得られた。
【0215】
【化39】

【0216】
(4aR,10aR)−8−ホルミル−9−ヒドロキシ−2,3,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物14A)。
化合物15A(375mg)を乾燥トルエン(4mL)に溶解した。真空濃縮によりトルエンを除去し、さらなるトルエン(20mL)を加えた。臭化エチルマグネシウム(0.45mL、EtO中3M)を室温で滴加し、この溶液を15分間撹拌した。溶媒のおよそ1/4を真空濃縮により除去し、パラホルムアルデヒド(95mg)、次いでHMPA(0.21mL)を加えた。この溶液を90℃で2.5時間撹拌してから、密封されたマイクロ波反応器用バイアル中に注射器を用いて移し、0.5時間かけて120℃に加熱した。この溶液を室温で3日間維持した。この溶液を飽和NHCl(30mL)とEtO(120mL)とに分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により粗生成物を精製すると、白色の固形物としての化合物16Aが230mg得られた。
【0217】
【化40】

【0218】
(4aR,10aR)−8,9−ジヒドロキシ−2,3,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体VI)。
MeOH(3.4mL)中の化合物16A(225mg)の溶液を脱気した。1M NaOH(0.67mL)および35%H(0.28mL)を滴加し、この赤色の溶液を室温で10分間撹拌した。HCl(10mL、EtO中2M)とMeOH(20mL)との混合物を加えると、この溶液は黄色くなった。EtO(30mL)およびブライン(5mL)を直ちに加えた。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮すると、茶色の粉末としての中間体VIが得られた。
【0219】
【化41】

【0220】
(6aR,10aR)−6,6a,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体VII)。
中間体VI(60mg)、CsCO(33mg)およびCHBrCl(48mg)およびDMF(1mL)を、密封されたマイクロ波反応器用バイアル中で0.5時間かけて110℃に加熱した。さらなるCHBrCl(DMF0.2mL中33mg)を加え、この混合物を0.5時間かけて110℃に加熱した。シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により反応混合物を精製した。収量:中間体VIIが18mg。
【0221】
本発明の化合物の調製
本明細書中で開示する本発明を、以下の非限定的な例によりさらに例証する。
例1
【0222】
1a1.(4aR,10aR)−9−メトキシ−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0223】
【化42】

【0224】
化合物6Aを乾燥THF(5mL)に溶解した。LAH(THF中1M、1.5mL)を室温で滴加し、この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で15分間かけて90℃に加熱した。室温に冷却した後、MeOH(0.3mL)および氷冷水(10mL)をゆっくり加え、生成物をEtO(3×20mL)で抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、例1a1が得られた。収量:107mg。TLC:Rf=0.19(EtOAc)。
【0225】
1a2.(4aS,10aS)−9−メトキシ−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0226】
【化43】

【0227】
化合物6B(160mg)から出発して、例えば1a1について記載した手順に従うと、例1a2が得られた。収量:78mg。
例2
【0228】
2a1.(4aR,10aR)−4−エチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0229】
【化44】

【0230】
DMF(9mL)中の中間体IA(0.39mmol)の撹拌溶液に、KCO(1.50mmol)およびヨウ化エチル(2.2mmol)を加える。この混合物を55℃で3時間撹拌する。水(20mL)を加え、生成物をEtO(3×10mL)中に抽出する。有機相を合わせたものをブラインおよび飽和NHClで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、例2a1が得られる。
【0231】
2a2.(4aS,10aS)−4−エチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0232】
【化45】

【0233】
DMF(9mL)中の中間体IB(0.39mmol)の撹拌溶液に、KCO(1.50mmol)およびヨウ化エチル(2.2mmol)を加える。この混合物を55℃で3時間撹拌する。水(20mL)を加え、生成物をEtO(3×10mL)中に抽出する。有機相を合わせたものをブラインおよび飽和NHClで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、例2a2が得られる。
【0234】
2b1.(4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0235】
【化46】

【0236】
DMF(9mL)中の中間体IA(100mg、0.39mmol)の撹拌溶液に、KCO(176mg、1.50mmol)およびn−ヨウ化プロピル(375mg、2.2mmol)を加えた。この混合物を55℃で3時間撹拌した。水(20mL)を加え、生成物をEtO(3×10mL)中に抽出した。有機相を合わせたものをブラインおよび飽和NHClで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、白色の固形物としての例2b1が得られた。収量:93mg。LC/MS(方法25):RT0.58分、ELSD100%、UV92%。TLC:Rf=0.51(EtOAC)
【0237】
2b2.(4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0238】
【化47】

【0239】
中間体IB(100mg)から出発して、例えば2b1について記載した手順に従うと、例2b2が得られた。収量:102mg。LC/MS(方法25):RT0.60分、ELSD100%、UV93%。TLC:Rf=0.51(EtOAc)。
【0240】
2c1.(4aR,10aR)−4−アリル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0241】
【化48】

【0242】
DMF(10mL)中の中間体IA(115mg)の撹拌溶液に、KCO(202mg)および臭化アリル(300mg)を加えた。この混合物を55℃で5時間撹拌した。水(20mL)および飽和NaHCO(10mL)を加え、生成物をEtO(3×20mL)中に抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、白色の固形物としての例2c1が得られた。収量:117mg。LC/MS(方法25):RT0.97分、ELSD97%、UV48%。MH:260.3。
【0243】
2c2.(4aS,10aS)−4−アリル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0244】
【化49】

【0245】
中間体IB(115mg)から出発して、例えば2c1について記載した手順に従うと、例2c2が得られた。収量:117mg。LC/MS(方法25):RT0.97分、ELSD98%、UV47%。MH:260.3。
【0246】
2d1.(4aR,10aR)−4−シクロ−プロピルメチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0247】
【化50】

【0248】
DMF(9mL)中の中間体IA(100mg)の撹拌溶液に、KCO(176mg)および臭化アリル(292mg)を加えた。この混合物を55℃で3時間撹拌した。水(20mL)および飽和NaHCO(10mL)を加え、生成物をEtO(3×20mL)中に抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮すると、白色の固形物としての例2d1が得られた。収量:107mg。LC/MS(方法25):RT0.72分、ELSD100%、UV92%。MH:274.3。
【0249】
2d2.(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0250】
【化51】

【0251】
中間体IB(100mg)から出発して、例えば2d1について記載した手順に従うと、例2d2が得られた。収量:107mg。LC/MS(方法25):RT0.72分、ELSD99%、UV90%。MH:274.1。
例3
【0252】
3a.(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0253】
【化52】

【0254】
DMF中の1.2.4−トリアゾール(11mg)およびNaH(60%油分散系、4mg)の撹拌溶液に、室温で中間体IV(21mg)を加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で30分間かけて100℃に、次いで30分間かけて130℃に加熱した。室温に冷却した後、EtOAc(5mL)を加え、有機相をブライン(2×5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc中の0〜30%MeOH)により粗生成物を精製した。収量:清澄な油としての例3aが6mg。LC/MS(方法101):RT0.69分、ELSD100%、UV55%。MH:343.2
【0255】
3b.(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0256】
【化53】

【0257】
中間体IVA(21mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、例3bが得られた。LC/MS(方法111):RT0.59分、ELSD100%、UV100%。MH:343.1。
【0258】
3c.(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0259】
【化54】

【0260】
中間体VAから出発して、例えば3dについて記載した手順に従うと、例3cが得られる。
【0261】
3d.(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0262】
【化55】

【0263】
MeOH(0.6mL)中のKOH(20mg)の撹拌懸濁液に、S−メチルイソチオ尿素硫酸塩(25mg)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌し、中間体IVA(21mg)を加えた。この溶液を65℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、1,2−DCE(4mL)を加え、有機相を水(2mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。HPLCにより粗生成物を精製した。収量:清澄な油としての例3dが5mg。LC/MS(方法101):RT0.84分、ELSD100%、UV70%。MH:322.1
【0264】
3e.(2R,4aR,10aR)−2−イミダゾール−1−イルメチル−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0265】
【化56】

【0266】
中間体IVA(21mg)およびイミダゾール(11mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、例3eが得られた。収量:10mg。LC/MS(方法111):RT0.49分、ELSD100%、UV79%。MH:342.3。
【0267】
3f.(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メトキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0268】
【化57】

【0269】
MeOH(0.4mL)中の中間体IVA(11mg)の撹拌溶液に、ナトリウムメトキシド(MeOH中5M、0.1mL)を加える。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で15分間かけて100℃に加熱する。室温に冷却した後、EtOAc(1mL)を加え、有機相をブライン(0.5mL)で洗浄する。クロマトグラフィーにより相を分離し、粗生成物を精製する。
【0270】
3g.((2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イルメチル)−ジメチル−アミン
【0271】
【化58】

【0272】
MeOH(0.4mL)中の中間体IVA(11mg)の撹拌溶液に、ジメチルアミン(0.1mL、MeOH中8M)を加える。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で30分間かけて120℃に加熱する。室温に冷却した後、EtOAc(1mL)を加え、有機相をブライン(0.5mL)で洗浄する。クロマトグラフィーにより相を分離し、粗生成物を精製する。
【0273】
3h.(2R,4aR,10aR)−2−フルオロメチル−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0274】
【化59】

【0275】
中間体IVA(11mg)にTBAF(THF中1M、0.5mL)を加える。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で15分間かけて100℃に加熱する。室温に冷却した後、EtOAc(1mL)を加え、有機相をブライン(0.5mL)で洗浄する。クロマトグラフィーにより相を分離し、粗生成物を精製する。
【0276】
3i.(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン
【0277】
【化60】

【0278】
THF(0.5mL)中の中間体IVA(11mg)の撹拌溶液に、LAH(THF中1M、0.5mL)を加える。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で15分間かけて100℃に加熱する。室温に冷却した後、EtOAc(1mL)を加え、有機相をブライン(0.5mL)で洗浄する。クロマトグラフィーにより相を分離し、粗生成物を精製する。
【0279】
3j1.
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン塩酸塩
【0280】
【化61】

【0281】
中間体IVA(42mg)およびピラゾール(19mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、例3j1が得られた。HCl(2mL、EtO中2M)を加え、揮発性成分を真空中で除去すると、白色の固形物としての例3j1がもたらされた。収量:20mg。LC/MS(方法350):RT0.41分、ELSD100%、UV100%。MH:342.1。元素分析C2028Cl・2HOの計算値:C、58.00;H、7.73;N、10.14。実測値:C、58.47;H、7.39;N、10.04。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.95(t,J=7,34Hz,3H)、1.63〜1.81(m,2H)、2.39(dd,J=16.71,J=10.83,1H)、2.90〜3.06(mm,2H)、3.07〜3.19(m,2H)、3.30〜3.40(m,3H)、3.48(dd,J=16.03,J=5.34,1H)、3.65(s,1H)3.76(s,3H)、4.08〜4.16(m,1H)、4.29(dd,J=14.32,J=6.74,1H)、4.39(dd,J=14.32,J=4.29,1H)、4.43〜4.49(m,1H)、6.28(t,J=2.04,1H)、6.76(d,J=7.93,1H)、6.82(d,J=8.21,1H)、7.17(t,J=8.00,1H)、7.50(d,J=1.89,1H)、7.74(d,J=2.23,1H)。
【0282】
3j2.
(2S,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン塩酸塩
【0283】
【化62】

【0284】
中間体IVB(42mg、0.09mmol)およびピラゾール(19mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、例3j2が得られた。HCl(2mL、EtO中2M)を加え、揮発性成分を真空中で除去すると、白色の固形物としての例3j2がもたらされた。収量:16.1mg。LC/MS(方法350):RT0.41分、ELSD100%、UV100%。MH:342.1。元素分析C2028Cl・6HOの計算値:C、49.40;H、8.23;N、8.64。実測値:C、49.13;H、7.34;N、8.46。H NMRデータは、例えば3j1について報告したデータと同一。
【0285】
3k1.
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン塩酸塩
【0286】
【化63】

【0287】
中間体VA(42mg)およびピラゾール(19mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、油としての例3k1が得られた。HCl(2mL、EtO中2M)を加え、揮発性成分を真空中で除去すると、白色の固形物としての例3k1がもたらされた。収量:33mg。LC/MS(方法350):RT0.41分、ELSD100%、UV100%。MH:342.1。元素分析C2028Cl・3.5HOの計算値:C、54.42;H、7.90;N、9.52。実測値:C、54.35;H、7.57;N、9.25。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.95(t,J=7,34Hz,3H)、1.67〜1.82(m,2H)、2.33(dd,J=16.80,J=10.21,1H)、2.99〜3.08(mm,2H)、3.32〜3.52(m,7H)、3.77(s,3H)、4.35〜4.42(m,1H)、4.44〜4.51(m,1H)、4.69(dd,J=14.29,J=6.06,1H)、5.13(dd,J=14.33,J=9.29,1H)、6.27(t,J=1.87,1H)、6.78(d,J=7.60,1H)、6.82(d,J=7.98,1H)、7.18(t,J=7.78,1H)、7.50(d,J=1.70,1H)、7.92(d,J=2.08,1H)。
【0288】
3k2.
(2R,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン塩酸塩
【0289】
【化64】

【0290】
中間体VB(42mg)およびピラゾール(19mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、油としての例3k2が得られた。HCl(2mL、EtO中2M)を加え、揮発性成分を真空中で除去すると、白色の固形物としての例3k2がもたらされた。収量:20mg。LC/MS(方法350):RT0.41分、ELSD100%、UV100%。MH:342.1。元素分析C2028Cl・2.5HOの計算値:C、56.79;H、7.88;N、9.94。実測値:C、56.99;H、7.49;N、9.90。H NMRデータは、例えば3k1について報告したデータと同一。
【0291】
3l.
(2R,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0292】
【化65】

【0293】
中間体IVA(42mg)およびピラゾール(28mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、白色の固形物としての例3lが13mg得られた。LC/MS(方法350):RT0.60分、ELSD100%、UV100%。MH:376.3。H NMR(500MHz,CDCl) δ1.05(t,J=7,20Hz,3H)、1.69〜1.83(m,1H)、1.88〜2.04(m,1H)、2.50(dd,J=17.01,J=10.40,1H)、2.57(dd,J=18.94,J=9.44,1H)、2.90(bs,2H)、3.21(dd,J=15.56,J=4.75,1H)、3.29(t,J=11.30,1H)、3.37(dd,J=17.08,J=6.31,1H)、3.54(d,J=11.18,1H)、3.67(t,J=13.14,1H)、3.84(s,3H)、4.29〜4.41(m,2H)、4.55〜4.66(m,1H)、4.91(d,J=8.33,1H)、6.69(d,J=7.74,1H)、6.72(d,J=8.17,1H)、6.82(d,J=8.21,1H)、7.15(t,J=8.00,1H)、7.44(s,1H)、7.52(s,1H)。13C NMR(500MHz,CDCl) δ:157.3 138.6、132.3、129.6、128.0、121.4、121.0、111.0、108.4、73.7、70.6、62.3、55.8、54.9、54.6、52.4、30.1、29.9、16.4、11.6。
【0294】
3m.(2S,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0295】
【化66】

【0296】
中間体VA(42mg)およびピラゾール(28mgl)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、油としての例3mが得られた。収量:43mg。LC/MS(方法350):RT0.58分、ELSD100%、UV100%。MH:376.1。
H NMR(500MHz,CDCl) δ1.08(bs,3H)、1.73(bs,1H)、1.99(bs,1H)、2.51(dd,J=9.25,J=16.47,1H)、2.97〜3.44(m,7H)、3.83(s,3H)、3.94(m,1H)、4.51(bs,1H)、4.80(bs,1H)、5.57(bs,1H)、6.72(d,J=8.21,2H)、7.17(bs,1H)、7.52(s,1H)、8.23(s,1H)。13C NMR(500MHz,CDCl) δ:157.3 138.3、132.3、131.2、128.1、121.2、121.0、110.9、108.4、69.5、68.5、62.9、55.8、55.5、51.7、49.2、30.1、29.8、16.5、11.8。
【0297】
3n.
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0298】
【化67】

【0299】
中間体IVA(42mg)および3−フェニルピラゾール(39mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、油としての例3nが得られた。収量:60mg。LC/MS(方法350):RT0.67分、ELSD99.9%、UV71.5%。MH:418.1。
【0300】
3o.
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン
【0301】
【化68】

【0302】
中間体VA(42mg)および3−フェニルピラゾール(39mg)から出発して、例えば3aについて記載した手順に従うと、油としての例3oが得られた。収量:66mg。LC/MS(方法350):RT0.67分、ELSD91.9%、UV79.7%。MH:418.1。
例4
【0303】
4a1.(4aR,10aR)−4−エチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0304】
【化69】

【0305】
THF(5mL)中の化合物6A(577mg)の溶液に、L−セレクトリド(THF中1M、18mL)を室温で滴加した。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で6時間かけて100℃に加熱した。0℃に冷却した後、氷冷水(125mL)および飽和NaHCO(50mL)をゆっくり加え、生成物をEtO(3×75mL)で抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィーにより残留物を精製すると、白色の固形物としての(4aR,10aR)−9−ヒドロキシ−2,3,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルが得られた。収量:297mg。融点:203〜205℃。この材料141mgをMeOH(4mL)に溶解し、HCl(EtO中5M)を加えた。この溶液を室温で45分間撹拌し、真空濃縮した。残留物を無水EtOH(2.3mL)に溶解した。NaCNBH(129mg)、酢酸(0.3mL)およびアセトアルデヒド(122mg)を加え、この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で15分間かけて90℃に加熱した。0℃に冷却した後、氷冷水(25mL)および飽和NaHCO(10mL)をゆっくり加え、生成物をEtO(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。クロマトグラフィーにより粗生成物を精製すると、49mgが得られた。生成物をMeOH(1mL)に溶解し、HCl(1.5mL、EtO中5M)を加えた。生成されたHCl塩を単離し、真空乾燥させた。例4a1の収量:白色の固形物として38mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.66分、ELSD99%、UV100%。MH:234.1。H NMR(500MHz,DMSO) δ1.25(t,3H)、2.40(dd,1H)、3.05〜3.20(br m,4H)、3.35〜3.50(m,3H)、4.00〜4.10(br m,3H)、6.60(d,1H)、6.65(d,1H)、7.00(t,1H)、9.55(s,1H)、11.45〜11.55(b,1H)。元素分析C1419NO・HClの計算値:C、61.31;H、7.53;N、5.11。(1/4H2O)実測値:C、61.69;H、7.57;N、5.12。α:−116.6(C=0.5,DMSO)。
【0306】
4a2.(4aS,10aS)−4−エチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0307】
【化70】

【0308】
化合物6B(191mg)から出発して、例えば4a1について記載した手順に従うと、例4a2が得られた。収量:白色の固形物として73mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.66分、ELSD99%、UV100%。MH:234.1。H NMR 例4a1に報告したデータと同じデータ。元素分析C1419NO・HClの計算値:C、61.31;H、7.53;N、5.11。実測値:C、61.97;H、7.55;N、5.13。α+122.2(C=0.5,DMSO)。
例5
【0309】
5a1.(4aR,10aR)−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0310】
【化71】

【0311】
L−セレクトリド(THF中1M、4.6mL)を室温で例1a1(107mg)に滴加した。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で6時間かけて100℃に加熱した。0℃に冷却した後、氷冷水(25mL)および飽和NaHCO(10mL)をゆっくり加え、生成物をEtO(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィーにより粗生成物を精製した。遊離塩基をMeOH(1mL)に溶解し、EtO(1.5mL)中の5M HClを用いてHCl塩として析出させた。収量:白色の固形物としての例5a1が49mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):ELSD:99.0%、UV:100.0%、MH:220.3。H NMR(500MHz,DMSO) δ2.40(dd,1H)、2.85(s,3H)、3.05〜3.20(br m,2H)、3.25(m,1H)、3.35〜3.50(br m,2H)、3.95〜4.05(br m,3H)、6.60(d,1H)、6.65(d,1H)、7.00(t,1H)、9.55(s,1H)、11.30〜11.40(b,1H)。元素分析C1317NO・HClの計算値:C、61.05;H、7.09;N、5.48。実測値:C、60.46;H、7.18;N、5.28。α−122.9(C=0.5,DMSO)。
【0312】
5a2.(4aS,10aS)−4−メヒル(Mehyl)−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0313】
【化72】

【0314】
例1a2(78mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5a2が得られた。収量:白色の固形物として50mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.56分、ELSD99%、UV100%。MH:220.2。H NMR例5a1に報告したデータと同じデータ。元素分析C1419NO・HClの計算値:C、61.05;H、7.09;N、5.48。実測値:C、60.49;H、7.16;N、5.31。α+117(C=0.5,DMSO)。
【0315】
5b1.(4aR,10aR)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0316】
【化73】

【0317】
例2b1(102mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5b1が得られた。収量:白色の固形物として61mg。融点(分解)>300℃、LC/MS(方法25):RT0.56分、ELSD100%、UV98%。MH:248.2。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.95(t,3H)、1.73(m,2H)、2.40(dd,1H)、3.00(m,1H)、3.10〜3.20(br m,4H)、3.35〜3.50(br m,2H)、4.05(m,3H)、6.60(d,1H)、6.65(d,1H)、7.00(t,1H)、9.55(s,1H)、11.30〜11.40(b,1H);元素分析C1521NO・HCl・0.25HOの計算値:C、62.48;H、7.88;N、4.86。実測値:C、62.71;H、7.99;N、5.05。α−109.3(C=0.5,DMSO)。
【0318】
5b2.(4aS,10aS)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0319】
【化74】

【0320】
例2b2(102mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5b2が得られた。収量:白色の固形物として60mg。融点(分解)>300℃、H NMRデータは、例えば5b1について報告したデータと同一。元素分析C1521NO・HCl・0.25HOの計算値:C、62.48;H、7.88;N、4.86。実測値:C、62.67;H、7.78;N、5.00。α+111.4(C=0.5,DMSO)。
【0321】
5c1.(4aR,10aR)−4−アリル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0322】
【化75】

【0323】
例2c1(117mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5c1が得られた。収量:白色の固形物として28mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.74分、ELSD99%、UV96%。MH:246.2。H NMR(500MHz,DMSO) δ2.40(dd,1H)、3.10〜3.20(br m,3H)、3.40(m,1H)、3.45(dd,1H)、3.75(m,1H)、4.00〜4.10(br m,4H)、5.55(d,1H)、5.65(d,1H)、6.05(m,1H)、6.60(d,1H)、6.65(d,1H)、7.00(t,1H)、9.55(s,1H)、11.65〜11.75(b,1H)。元素分析C1519NO・HCl・0.25HOの計算値:C、62.93;H、7.22;N、4.89。実測値:C、62.53;H、7.48;N、4.71。α−115.4(C=0.5,DMSO)。
【0324】
5c2.(4aS,10aS)−4−アリル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0325】
【化76】

【0326】
例2c2(117mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5c2が得られた。収量:白色の固形物として22mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.75分、ELSD99%、UV95%。MH:246.3。H NMR例5c1に報告したデータと同じデータ。元素分析C1521NO・HCl・0.25HOの計算値:C、61.96;H、7.28;N、4.82。実測値:C、62.26;H、7.51;N、4.57。α+118.4(C=0.5,DMSO)。
【0327】
5d1.(4aR,10aR)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0328】
【化77】

【0329】
例2d1(107mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5d1が得られた。収量:白色の固形物として79mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.80分、ELSD99%、UV98%。MH:260.2。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.45(m,2H)、0.65(m,2H)、1.15(m,1H)、2.40(dd,1H)、3.05〜3.20(br m,3H)、3.25(m,1H)、3.35〜3.45(br m,2H)、3.70(d,1H)、4.00〜4.10(br m,3H)、6.60(d,1H)、6.65(d,1H)、7.00(t,1H)、9.55(s,1H)、11.10〜11.20(b,1H)。α−109.5(C=0.5,DMSO)。
【0330】
5d2.(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール塩酸塩
【0331】
【化78】

【0332】
例2d2(107mg)から出発して、例えば5a1について記載した手順に従うと、例5d2が得られた。収量:白色の固形物として73mg。融点(分解)>280℃、LC/MS(方法25):RT0.77分、ELSD99%、UV96%。MH:260.2。H NMR例5d1に報告したデータと同じデータ。元素分析C1621NO・HClの計算値:C、64、48;H、7.52;N、4.70。(1/8 HO)実測値:C、64.32;H、7.66;N、4.64。α+114.9(C=0.5,DMSO)。
【0333】
2つの立体中心の絶対配置(図1を参照のこと)を決定するために、例5d2の化合物をX線分析にかけた。
【0334】
5e1.(2R,4aR,10aR)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0335】
【化79】

【0336】
中間体IIA(20mg)に、L−セレクトリド(THF中1M、0.75mL)を加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で8時間かけて120℃に加熱した。室温に冷却した後、氷冷水(0.3mL)および飽和NaHCO(1mL)をゆっくり加えた。この溶液のpHを希薄HClで約8.5に調節した。生成物を1,2−DCE(2×5mL)中に抽出した。有機相を合わせたものをブラインで洗浄し、真空濃縮した。シリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc中の0〜30%MeOH)により、さらにHPLCにより、粗生成物を精製した。5e1の収量:清澄な油として3.7mg。LC/MS(方法101):RT0.47分、ELSD:100%、UV:96%、MH=278.2。
【0337】
5e2.(2S,4aS,10aS)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0338】
【化80】

【0339】
中間体IIB(12mg)から出発して、例えば5e1について記載した手順に従うと、例5e2が得られた。収量:清澄な油として5.0mg。LC/MS(方法101):RT0.47分、ELSD98%、UV92%。MH=278.2。
【0340】
5f1.(2S,4aR,10aR)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0341】
【化81】

【0342】
中間体IIIA(25mg)から出発して、例えば5e1について記載した手順に従うと、例5f1が得られた。収量:清澄な油として5.8mg。LC/MS(方法101):RT0.47分、ELSD100%、UV92%。MH=278.2。
【0343】
5f2.(2R,4aS,10aS)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0344】
【化82】

【0345】
中間体IIIB(25mg)から出発して、例えば5e1について記載した手順に従うと、例5f2が得られた。収量:清澄な油として4.3mg。LC/MS(方法101):RT0.47分、ELSD100%、UV88%。MH=278.2。
【0346】
5g.(2S,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0347】
【化83】

【0348】
例3a(6mg)に、L−セレクトリド(THF中1M、1mL)を加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で6時間かけて100℃に加熱した。室温に冷却した後、少量の含水NaSOをゆっくり加えた。この溶液をTHF(2mL)により希釈し、乾燥NaSOを通して濾過した。溶媒を蒸発させて除去し、HPLCにより残留物を精製した。例5gの収量:清澄な油として4.3mg。LC/MS(方法101):RT=0.43分。ELSD:100%、UV:93%、MH=329.4。
【0349】
5h.(2R,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0350】
【化84】

【0351】
例3b(12mg)から出発して、例えば5gについて記載した手順に従うと、例5hが得られた。収量:白色の油として1.7mg。LC/MS(方法111):RT0.44分、ELSD100%、UV100%。MH=329.5。
【0352】
5i.(2S,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0353】
【化85】

【0354】
例5iは、例5gの調製について記載した方法を用いて例3cから調製できる。
【0355】
5j.(2R,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0356】
【化86】

【0357】
例3d(2.3mg)から出発して、例えば5gについて記載した手順に従うと、例5jが得られた。収量:清澄な油として0.8mg。LC/MS(方法350):RT0.43分、ELSD100%、UV100%。MH=308.3。
【0358】
2つの立体中心の絶対配置(図1を参照のこと)を決定するために、例5jの塩酸塩の化合物をX線分析にかけた。
【0359】
5k.(2S,4aR,10aR)−2−メチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0360】
【化87】

【0361】
中間体IVA(3.9mg)から出発して、例えば5gについて記載した手順に従うと、例5kが得られた。収量:清澄な油として1.4mg。LC/MS(方法111):RT0.43分、ELSD84%、UV62%。MH=262.1。
【0362】
5l.(2R,4aR,10aR)−2−イミダゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0363】
【化88】

【0364】
例3e(10mg)から出発して、例えば5gについて記載した手順に従うと、例5lが得られた。収量:清澄な油として5.8mg。LC/MS(方法350):RT0.29分、ELSD100%、UV100%。MH=328.0。
【0365】
5m.(2R,4aR,10aR)−2−メトキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0366】
【化89】

【0367】
例5mは、例5gの調製について記載した方法を用いて例3fから調製できる。
【0368】
5n.(2S,4aR,10aR)−2−ジメチルアミノメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0369】
【化90】

【0370】
例5nは、例5gの調製について記載した方法を用いて例3gから調製できる。
【0371】
5o.(2R,4aR,10aR)−2−フルオロメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0372】
【化91】

【0373】
例5oは、例5gの調製について記載した方法を用いて例3hから調製できる。
例6
【0374】
6a1.(2R,4aR,10aR)−2−ピラゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0375】
【化92】

【0376】
例3j1(27mg、0.08mmol)をDMA(2.5mL)に溶解し、KF(9mg、0.16mmol)およびチオフェノール(0.04mL、0.40mmol)を加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で1時間かけて210℃に加熱した。室温に冷却した後、シリカゲル・クロマトグラフィー(ヘプタン中の溶出剤0〜100%EtOAc、EtOAc中の0〜10%MeOH)により、次いでHPLCにより、粗生成物を精製した。収量:油としての6a1が7.5mg。LC/MS(方法350):RT0.40分、ELSD99.9%、UV100%。MH:328.0。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.96(t,J=7,27Hz,3H)、1.54〜1.67(m,1H)、1.70〜1.82(m,1H)2.41(dd,J=16.92,J=10.69,1H)、2.51(bs,1H)、2.85(t,J=13.90,2H)、2.97〜3.14(m,2H)、3.34〜3.71(m,3H)、3.92〜3.99(m,1H)、4.25〜4.42(m,3H)、6.29(s,1H)、6.60(dd,J=7.45,1H)、6.66(d,J=7.66,1H)、6.99(t,J=7.89,1H)、7.51(s,1H)、7.75(d,J=1.53,1H);HRMS C1926[M+H]計算値328.2020、実測値328.2011。
【0377】
6a2.(2S,4aS,10aS)−2−ピラゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0378】
【化93】

【0379】
例3j2から出発して、例えば6a1について記載した手順に従うと、例6a2が得られた。収量:油として8.0mg。LC/MS(方法350):RT0.41分、ELSD100%、UV100%。MH:328.0。H NMR例6a1に報告したデータと同じデータ。HRMS C1926[M+H]計算値328.2020、実測値328.2020。
【0380】
6b1.(2S,4aR,10aR)−2−ピラゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0381】
【化94】

【0382】
例3k1から出発して、例えば6a1について記載した手順に従うと、例6b1が得られた。収量:油として12mg。LC/MS(方法350):RT0.39分、ELSD99.4%、UV100%。MH:328.0。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.77(t,J=7,27Hz,3H)、1.41〜1.62(m,2H)、2.14(dd,J=16.67,J=10.24,1H)、2.31(bs,1H)、2.77〜2.94(m,3H)、3.19〜3.32(m,4H)、3.38(d,J=13.28,3H)、4.15(dd,J=16.23,J=10.05,1H)、4.22〜4.34(m,2H)、4.70(dd,J=14.11,J=9.45 1H)、6.09(s,1H)、6.43(dd,J=7.62,1H)、6.48(d,J=7.99,1H)、6.81(t,J=7.62,1H)、7.31(s,1H)、7.63(s,1H);HRMS C1926[M+H]計算値328.2020、実測値328.2016。
【0383】
6b2.(2R,4aS,10aS)−2−ピラゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0384】
【化95】

【0385】
例3k2(40mg)から出発して、例えば6b2について記載した手順に従うと、例6b2が得られた。収量:油として7mg。LC/MS(方法350):RT0.40分、ELSD100%、UV100%。MH:328.0。H NMR例6a2に報告したデータと同じデータ。HRMS C1926[M+H]計算値328.2020、実測値328.2012。
【0386】
6c.(2R,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0387】
【化96】

【0388】
例3l(8mg、0.02mmol)をDMA(0.7mL)に溶解し、KF(2mg、0.04mmol)およびチオフェノール(0.01mL、0.11mmol)を加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で1時間かけて220℃に加熱した。室温に冷却した後、溶媒を蒸発させて除去し、シリカゲル・クロマトグラフィーにより、次いでHPLCにより、残留物を精製した。収量:白色の固形物としての例6cが2.6mg。LC/MS(方法350):RT0.48分、ELSD100%、UV100%。MH:362.4。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.95(t,J=7,26Hz,3H)、1.55〜1.68(m,1H)、1.69〜1.81(m,1H)、2.40(dd,J=16.60,J=10.62,1H)、2.51(bs,1H)、2.82〜3.05(m,2H)、3.10(dd,J=16.71,J=5.83,1H)、3.25〜3.72(m,2H)、3.95(d,J=5.99,1H),(dd,J=15.78,J=10.27,1H)、4.24〜4.40(m,3H)、4.44〜4.50(m,1H)、6.60(d,J=7.67,1H)、6.66(d,J=7.67,1H)、6.99(t,J=7.82,1H)、7.61(s,1H)、7.99(s,1H);9.66(bs,1H)。HRMS C1925Cl[M+H]計算値362.1630、実測値362.1628。
【0389】
6d.(2S,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0390】
【化97】

【0391】
例3m(26mg)から出発して、例えば6cについて記載した手順に従うと、例6dが得られた。収量:白色の固形物としての化合物6dが6.4mg。LC/MS(方法350):RT0.47分、ELSD100%、UV100%。MH:362.4。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.96(t,J=7,27Hz,3H)、1.57〜1.81(m,2H)、2.32(dd,J=16.32,J=10.42,1H)、2.51(bs,1H)、2.93〜3.06(m,3H)、3.42〜3.60(bs,4H)、4.30(dd,J=15.78,J=10.27,1H)、4.39(dd,J=14.50,J=4.50,1H)、4.44〜4.50(m,1H)、4.89(dd,J=14.32,J=10.32 1H)、6.63(d,J=7.67,1H)、6.67(d,J=7.67,1H)、7.00(t,J=7.82,1H)、7.61(s,1H)、8.10(s,1H);9.67(bs,1H)。HRMS C1925Cl[M+H]計算値362.1630、実測値362.1624。
【0392】
6e.(2R,4aR,10aR)−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0393】
【化98】

【0394】
例3n(60mg、0.14mmol)をDMA(0.7mL)に溶解し、KF(16mg、0.28mmol)およびチオフェノール(0.07mL、0.70mmol)を加えた。この溶液を、密封されたマイクロ波プロセス用バイアル中で1時間かけて220℃に加熱した。室温に冷却した後、溶媒を蒸発させて除去し、クロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン中の0〜100%EtOAc)により、次いでHPLCにより、残留物を精製した。収量:油としての例6eが15.6mg。LC/MS(方法350):RT0.57分、ELSD99.5%、UV85.6%。MH:404.3。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.79(t,J=7,16Hz,3H)、1.57〜1.69(m,1H)、1.70〜1.84(m,1H)、2.44(dd,J=16.74,J=10.37,1H)、2.51(bs,2H)、2.55(s,1H)、2.87(dd,J=14.88,J=12.08,1H)、3.00〜3.09(m,1H)、3.12(dd,J=16.57,J=6.15,1H)(s,1H)3.73(d,J=12.23,3H)、3.99(m,1H)、4.31〜4.48(m,3H)、6.61(d,J=7.60,1H)、6.67(d,J=8.00,1H)、6.77(d,J=2.13,1H)、6.99(t,J=7.74,1H)、7.31(t,J=7.27,1H)、7.41(t,J=7.55,1H)、7.79〜7.83(m,3H)、9.67(bs,1H)。HRMS C2530[M+H]計算値404.2333、実測値404.2339。
【0395】
6f.(2S,4aR,10aR)−2−(4−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オールトリフルオロ酢酸塩
【0396】
【化99】

【0397】
例3o(66mg)から出発して、例えば6eについて記載した手順に従うと、例6fが得られた。収量:油として4.9mg。LC/MS(方法350):RT0.58分、ELSD100%、UV88.7%。MH:404.3。H NMR(500MHz,DMSO) δ0.79(t,J=7,22Hz,3H)、1.39〜1.65(m,2H)、2.16(dd,J=16.74,J=10.37,1H)、2.32(bs,2H)、2.36(s,1H)、2.80〜2.98(m,3H)、3.11〜3.47(m,3H)、4.10〜4.30(m,1H)、4.31〜4.40(m,1H)、4.76(dd,J=15.23,J=11.56 3.58,1H)、6.45(d,J=7.82,1H)、6.49(d,J=7.48,1H)、6.57(d,J=2.25,1H)、6.82(t,J=7.80,1H)、7.12(t,J=7.33,1H)、7.22(t,J=7.62,2H)、7.62(d,J=7.33,2H)、7.73(d,J=1.89,1H)、9.43(bs,1H)。HRMS C2530[M+H]計算値404.2333、実測値404.2330。
例7
【0398】
7 (4aR,10aR)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−8,9−ジオールトリフルオロ酢酸塩
【0399】
【化100】

【0400】
MeOH(1mL)中の中間体VI(16mg)の撹拌溶液に、HCl(1.5mL、EtO中2M)を加えた。この溶液を室温で15分間撹拌してから、真空濃縮した。残留物をMeOH(1mL)中に懸濁させた。プロピオンアルデヒド(18mg)、NaCNBH(18mg)およびAcOH(1滴)を加え、この溶液を室温で0.5時間撹拌した。さらなるNaCNBH(18mg)を加え、この溶液を2分間かけて40℃まで穏やかに加熱した。粗混合物を真空濃縮し、HPLCにより残留物を精製した。例7の収量:油として4mg。LC/MS(方法102):RT0.59分、ELSD100%、UV89.3%。MH:264.1。
例8
【0401】
8a (6aR,10aR)−7−メチル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセントリフルオロ酢酸塩
【0402】
【化101】

【0403】
マイクロ波反応器用バイアル中で、室温にて中間体VII(9mg)にLAH(1mL、THF中1M)を加えた。バイアルを密封し、マイクロ波照射下でこの混合物を90℃で0.5時間撹拌した。この反応を含水NaSOの添加によりクエンチした。乾燥NaSOを通してこの懸濁液を濾過し、濾液を真空濃縮した。HPLCにより残留物を精製した。例8aの収量:油として1.4mg。LC/MS(方法102):RT0.75分、ELSD100%、UV90.6%。MH:248.1。
【0404】
8b (6aR,10aR)−7−エチル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセントリフルオロ酢酸塩
【0405】
【化102】

【0406】
MeOH(1.5mL)中の中間体VII(3mg)の撹拌溶液に、HCl(1.5mL、EtO中2M)を加えた。この溶液を室温で5分間撹拌してから、これを真空濃縮した。残留物をDMF(0.5mL)に溶解し、KCO(22mg)およびヨードエタン(30マイクロL)を加えた。この懸濁液を70℃で0.25時間撹拌してから水(5mL)中に注ぎ、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機抽出物を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させた(NaSO)。粗混合物を真空濃縮し、HPLCにより残留物を精製した。例8bの収量:油として0.8mg。LC/MS(方法101):RT0.52分、ELSD100%、UV90.0%、MH:262.2。
【0407】
8c (6aR,10aR)−7−n−プロピル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセントリフルオロ酢酸塩
【0408】
【化103】

【0409】
MeOH(1.5mL)中の中間体VII(9mg)の撹拌溶液に、HCl(1.5mL、EtO中2M)を加えた。この溶液を室温で1.5時間撹拌してから、これを真空濃縮した。残留物をDMF(1mL)に溶解し、KCO(45mg)および1−ヨードプロパン(0.055mL)を加えた。この懸濁液を70℃で1時間撹拌してから、水(5mL)中に注ぎ、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮し、HPLCにより残留物を精製した。例8cの収量:白色の固形物として4.6mg。LC/MS(方法102):RT0.92分、ELSD100%、UV95.2%。MH:276.3。
【0410】
使用する略語および化学薬品リスト
以下の略語を使用する。この項では、使用する化学薬品もその商業的供給源と併せて概説する(標準的な溶媒については含まれない)。
【0411】
AcOH=酢酸。臭化アリル(例えばFluka05870)。α=比旋光度。BocO=Boc無水物/ジ−t−ブチルジカーボネート(例えばAldrich19,913−3)。ブライン=塩化ナトリウムの飽和水溶液。BSA=ウシ血清アルブミン。cAMP=環状アデノシン一リン酸。CHBrCl=ブロモクロロメタン(Aldrich13,526−7)。CHI=ヨウ化メチル/ヨードメタン(例えばAldrich28,956−6)。CHO細胞=チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞。ClAcCl=塩化クロロアセチル(例えばAldrich10,449−3)。CsCO=炭酸セシウム(Aldrich441902)。臭化シクロ−プロピルメチル/(ブロモメチル)−シクロ−プロパン(Aldrich24,240−3)。DA=ドパミン。D1=ドパミンD1受容体。D2=ドパミンD2受容体。D3=ドパミンD3受容体。D4=ドパミンD4受容体。D5=ドパミンD5受容体。DCM=ジクロロメタン/塩化メチレン。DMF=ジメチルホルムアミド。DMSO=ジメチルスルホキシド。Lドパ=(レボ)−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン。EC50=ベースラインと当該化合物についての最大応答との間の中間の応答を誘導するのに必要な濃度。ELSD=蒸発光散乱検出。EtN=トリエチルアミン。EtNH=ジエチルアミン。EtOAc=酢酸エチル。99%EtOH=無水エタノール。臭化エチルマグネシウム(EtO中の3M溶液として使用。例えばAldrich18,987−1)。EtO=ジエチルエーテル。[(1−エトキシ−シクロ−プロピル)−オキシ]トリメチルシラン(Aldrich332739)。35%H=過酸化水素の35%水溶液(例えばAldrich34,988−7)。FSB=ウシ胎仔血清。h=時間。HCl=塩化水素の水溶液(例えばAldrich45,518−0など市販のEtO溶液と明記されない場合)。HMPA=ヘキサメチル亜リン酸トリアミド。HRMS=高分解能質量分析。i=イソ。IBMX=3−i−ブチル−1−メチルキサンチン。i.d.=内径。1−ヨードプロパン(例えばAldrich17,188−3)。KCO=炭酸カリウム(例えばAldrich20,961−9)。KMnO=過マンガン酸カリウム(例えばAldrich39,912−4)。KO=ノックアウト。LC/MS=高速液体クロマトグラフィー/質量分析計。LAH=水素化リチウムアルミニウム(1M THF溶液として使用。例えばAldrich21,277−6)。L−セレクトリド=リチウムトリ−s−ブチルボロヒドリド(1M THF溶液として使用。Aldrich17,849−7)。MDO=メチレン−ジ−オキシ。MED=最小有効量。MEDネモナプリド=ネモナプリドの存在下での最小有効量。MeOH=メタノール。塩化メトキシアセチル(例えばAldrich M965−3)。min=分。MBD=微細脳機能障害。n=正常な。NaCNBH=シアノ水素化ホウ素ナトリウム(例えばAldrich15,615−9)。NaH=水素化ナトリウム(60%分散系として使用。例えばAldrich45,291−2)。1M/9M NaOH=水酸化ナトリウムの1M/9M水溶液。NaOMe=ナトリウムメトキシド(メタノール中の約5M溶液として使用。例えばAldrich15,625−6)。6−OHDA=6−ヒドロキシドパミン。PBS=リン酸緩衝生理食塩水(0.02Mリン酸ナトリウム緩衝液に0.15M塩化ナトリウムを加えたもの、pHは7.4に調節)。PD=パーキンソン病。PFC=前前頭皮質。Pd/C=活性炭担持パラジウム(例えばAldrich20,569−9)。PK=薬物動態学的な。PLMD=周期性四肢運動障害。プロピオンアルデヒド(例えばAldrich58,812−4)。RLS=不穏下肢症候群。rt=室温。RT=保持時間。飽和NaHCO=炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液。飽和NHCl=塩化アンモニウムの飽和水溶液。SC=皮下の。SFC=超臨界フラッシュ・クロマトグラフィー。tert=第三級の。TBAI=テトラ−n−ブチルアンモニウムヨウ化物(例えばAldrich14,077−5)。TFA=トリフルオロ酢酸。THF=テトラヒドロフラン(4Å分子篩で乾燥させたもの)。UV=紫外線純度(ultraviolet purity)(別に記載がない限り254nm)。
【0412】
薬理学的試験
D1 cAMPアッセイ
化合物が、ヒト組換えD1受容体を安定に発現するCHO細胞においてD1受容体介在性のcAMP形成を刺激または阻害のいずれかをする能力を、以下のように測定した。実験3日前、11000細胞/ウェルの濃度で細胞を96ウェル・プレート中に播種した。実験当日、予熱済のG緩衝液(PBS(リン酸緩衝生理食塩水)中の1mM MgCl、0.9mM CaCl、1mM IBMX(3−i−ブチル−1−メチルキサンチン))中で細胞を1回洗浄し、30nM A68930とG緩衝液中で希釈した試験化合物との混合物(拮抗作用)またはG緩衝液中で希釈した試験化合物(作動作用)100マイクロLを加えることにより、アッセイを開始した。細胞を37℃で20分間インキュベートし、S緩衝液(0.1M HClおよび0.1mM CaCl)100マイクロLを加えることにより反応を停止させ、プレートを4℃で1時間置いた。N緩衝液(0.15M NaOHおよび60mM NaOAc)68マイクロLを加え、プレートを10分間振とうさせた。60mM 酢酸ナトリウム(pH6.2)40マイクロLを含有するcAMP FlashPlates(DuPont NEN)に反応物60マイクロlを移し、ICミックス(50mM酢酸ナトリウム(pH6.2)、0.1%アジ化ナトリウム、12mM CaCl、1%BSA(ウシ血清アルブミン)および0.15マイクロCi/mL 125I−cAMP)100マイクロLを加えた。4℃で18時間インキュベーションした後、プレートを1回洗浄し、Wallac TriLux計数器で計数した。
【0413】
D2 cAMPアッセイ
化合物が、ヒトD2受容体を形質移入したCHO細胞においてD2受容体介在性のcAMP形成阻害を刺激または阻害のいずれかをする能力を、以下のように測定した。実験3日前、8000細胞/ウェルの濃度で細胞を96ウェル・プレート中に播種した。実験当日、予熱済のG緩衝液(PBS中の1mM MgCl、0.9mM CaCl、1mM IBMX)中で細胞を1回洗浄し、1マイクロMキンピロール、10マイクロMフォルスコリンとG緩衝液中の試験化合物との混合物(拮抗作用)またはG緩衝液中の10マイクロMフォルスコリンと試験化合物との混合物(作動作用)100マイクロLを加えることにより、アッセイを開始した。細胞を37℃で20分インキュベートし、S緩衝液(0.1M HClおよび0.1mM CaCl)100マイクロLを加えることにより反応を停止させ、プレートを4℃で1時間置いた。N緩衝液(0.15M NaOHおよび60mM 酢酸ナトリウム)68マイクロLを加え、プレートを10分間振とうさせた。60mM NaOAc(pH6.2)40マイクロLを含有するcAMP FlashPlates(DuPont NEN)に反応物60マイクロLを移し、ICミックス(50mM NaOAc(pH6.2)、0.1%アジ化ナトリウム、12mM CaCl、1%BSAおよび0.15マイクロCi/ml 125I−cAMP)100マイクロLを加えた。4℃で18時間インキュベーションした後、プレートを1回洗浄し、Wallac TriLux計数器で計数した。
【0414】
D1/D2の精査
ドパミン作動薬は、D1様受容体、D2様受容体のいずれか、またはその両方で活性を有する場合がある。本発明者らは、両方の受容体タイプを刺激し回転を誘導する能力について化合物を評価するために、片側性の6−OHDA病変を有するラットにおける回転応答(rotation response)を用いた[Ungerstedt、Arbuthnott、Brain Res.、24、485頁(1970)(非特許文献12)、Setler、Sarau、Zirkle、Saunders、Eur. J. Pharmacol.、50(4)、419頁(1978)(非特許文献13)、Ungerstedt、Herrera-Marschitz、Jungnelius、Stahle、Tossman、Zetterstrom、「Advances in Dopamine Research」(Kohsaka編)中、Pergamon Press、Oxford、219頁(1982)(非特許文献14)]。実験は、当該化合物について回転を誘導する最小有効用量(MED)を決定することから成る。一旦MEDを決定したら、第2の実験を実施して、ネモナプリド遮断を克服するための、化合物のMED(MEDネモナプリド)を決定した。ネモナプリドは、D2様受容体を遮断するD2様拮抗薬であることから、観察されるいずれの回転もD1様受容体での活性に依存することになろう。最後に、一旦MEDネモナプリドがわかったら、MEDネモナプリド用量を用い、D1様拮抗薬SCH23390単独、D2様拮抗薬ネモナプリド単独の効果を、最後に、SCH23390とネモナプリドとを用いた併用治療の効果を観察する第3の実験を行う。この第3の実験は、両方の受容体での化合物の活性を確認するものであるが、その理由は、いずれかの拮抗薬単独では試験化合物により誘導される回転応答を部分的に阻害できるだけであるのに対し、併用治療ではラットにおける全ての回転が完全に遮断されるからである[Arnt、Hytell、Psychopharmacology、85(3)、346頁(1985)(非特許文献15)、Sonsalla、Manzino、Heikkila、J. Pharmacol Exp. Ther.、247(1)、180頁(1988)(非特許文献16)]。このモデルは、混合型のD1様/D2様作動薬のための原理実証用化合物(proof−of−principle compound)としてアポモルヒネを使用して検証した。
【0415】
D5アッセイ
改変型pEXJベクターを用いて、ヒトD5(hD5)発現コンストラクトを作製した。無差別な(promiscuous)ヒトGα16Gタンパク質(CHO−Ga16)を発現する安定な細胞株は、(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)から購入した。10%FSB、1%L−グルタミンおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を含有するHAMS F−12培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中で、37℃、5%CO下で細胞を培養した。アッセイ48時間前、リポフェクタミン・プラス法(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いてCHO−Ga16細胞にhD5受容体DNAを一時的に形質移入し、血清およびP/S不含培地中で1日間成長させた。アッセイ24時間前、ポリ−D−リシンで前処理した黒色壁面でクリア・ベースの384ウェル・プレート(Becton Dickinson、USA)中に、1ウェル当たり10,000細胞の密度でhD5形質移入CHO−Ga16細胞を播種した。次に、1.5%FBS、1%L−グルタミンおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を含有するHAMS F−12細胞培養培地中で、37℃、5%CO下で細胞を培養した。
【0416】
in vitroでの肝細胞アッセイ
凍結保存でプールされた雄ラット肝細胞(Sprague Dawley)および10名のドナー(男女)由来のプールされたヒト肝細胞を、In Vitro Technologies Inc.、BA、USAから購入した。細胞は37℃、水浴中で解凍し、生細胞を計数し、96ウェル・プレート(各ウェルは、それぞれラットおよびヒトの肝細胞について250,000および500,000細胞/mLを含有する)中の5mM Hepes緩衝液を加えたダルベッコ変法イーグル培地(高グルコース)中に合計100マイクロLで播種した。15分間プレ・インキュベーションした後にインキュベーションを開始し、ラットについては0分、5分、15分、30分および60分、ヒト肝細胞については0分、30分、60分、90分および120分の時点で停止させた。インキュベーションは、10%1M HClを含有する等体積の氷冷アセトニトリルを加えることにより停止させた。遠心分離に続いて、上澄み20マイクロLをHPLCカラムAtlantis dC18 3マイクロm、150×2.1mm i.d.(Waters、MA、USA)上で注入した。移動相は以下の組成を有するものであった:A:5%アセトニトリル、95%H0、3.7ml/l 25%NH水溶液、1.8mL/Lギ酸。移動相B:100%アセトニトリルおよび0.1%ギ酸。流速は0.3ml/分であった。勾配は、5分〜20分でBが0%から75%になるようにし、Q−TOFマイクロ質量分析計(Waters、MA、USA)を用いて溶出液を分析した。正確な質量測定値、および、一致する保持時間を示す合成標準との比較により、生成物/代謝産物の形成を確認した。
【0417】
放射性リガンド結合アッセイの結果
先に例証したヒトD1受容体およびD2受容体いずれかでの本発明における大部分の化合物についてのEC50値を測定したところ、約5.0μM以下であった。この化合物の多くについての結合親和性を測定したところ、約1.0μM以下であった。いくつかの化合物についての結合親和性を測定したところ、約500nM以下であった。いくつかの化合物についての結合親和性を測定したところ、100nM以下であった。
【0418】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造I
【化1】

[式中、
・Xは存在しないかまたは酸素であり
(− Xが酸素であるとき、RおよびRは、水素、C〜Cアルカノイル、C〜C10アリール−C〜Cアルカノイルから独立に選択されるか、または、RとRとは縮合してメチレン(CH)基を形成し、
− Xが存在しないとき、Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルカノイル、C〜C10アリール−C〜Cアルカノイルから選択され、そしてRは水素である)、
・Rは、水素、C〜Cアルキル、アリル、プロパルギル、C〜Cシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、C〜Cハロアルキルから成る群から選択され、
・Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜C10アリール−C〜Cアルキル、ヘテロアリール−C〜Cアルキル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルキル、C〜CヒドロキシアルキルおよびC〜Cハロアルキルから成る群から選択され、
ここで、C〜C10アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシから選択される置換基で置換されていてもよい]
を有する化合物、ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体および薬学上許容可能な付加塩およびその多形形態。
【請求項2】
Xが酸素であり、そしてR、R、RおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが存在せず、そしてR、R、RおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRが両方とも水素であり、そしてRおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
とRとが縮合してメチレン(CH)基を形成し、そしてRおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
およびRの少なくとも一方が、C〜Cアルカノイル、フェニルアセチルまたはベンゾイルであり、そしてRおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
が水素であり、そしてR、RおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項3に記載の化合物。
【請求項8】
が、C〜Cアルカノイル、フェニルアセチルまたはベンゾイルであり、そしてR、RおよびRが請求項1に定義されるとおりである、請求項3に記載の化合物。
【請求項9】
が水素である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項10】
が水素ではない、請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項11】
がC〜Cアルキルである、請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項12】
が、メチル、エチルまたはn−プロピルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記ヘテロアリール基が、ピラゾリル、イミダゾリルおよび1,2,4−トリアゾリルから選択される、請求項1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項14】
が水素であり、実質的に純粋な(4aR,10aR)−エナンチオマーであることをさらに特徴とする、請求項2〜4のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項15】
が水素ではなく、実質的に純粋な(2R,4aR,10aR)−エナンチオマーであることをさらに特徴とする、請求項2〜4のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項16】
が水素ではなく、実質的に純粋な(2S,4aR,10aR)−エナンチオマーであることをさらに特徴とする、請求項2〜4のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項17】
が水素であり、実質的に純粋な(6aR,10aR)−エナンチオマーであることをさらに特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項18】
が水素ではなく、実質的に純粋な(2R,6aR,10aR)−エナンチオマーであることをさらに特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項19】
が水素ではなく、実質的に純粋な(2S,6aR,10aR)−エナンチオマーであることをさらに特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項20】
以下:
(4aR,10aR)−9−メトキシ−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−9−メトキシ−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−エチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−4−エチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−アリル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−4−アリル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−シクロ−プロピルメチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−9−メトキシ−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−2−イミダゾール−1−イルメチル−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メトキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
((2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−2−イルメチル)−ジメチルアミン;
(2R,4aR,10aR)−2−フルオロメチル−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−メチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aS,10aS)−9−メトキシ−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−9−メトキシ−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2R,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(2S,4aR,10aR)−9−メトキシ−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン;
(4aR,10aR)−4−エチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−エチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−メチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−アリル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−アリル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aS,10aS)−4−シクロ−プロピルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aS,10aS)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aS,10aS)−2−ヒドロキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−メチルスルファニルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−メチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−イミダゾール−1−イルメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−メトキシメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−ジメチルアミノメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−フルオロメチル−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aS,10aS)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aS,10aS)−4−n−プロピル−2−ピラゾール−1−イルメチル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−(4−クロロ−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2R,4aR,10aR)−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(2S,4aR,10aR)−2−(3−フェニル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−9−オール;
(4aR,10aR)−4−n−プロピル−3,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロ−2H−ナフト[2,3−b][1,4]オキサジン−8,9−ジオール;
(6aR,10aR)−7−メチル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン;
(6aR,10aR)−7−エチル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン;および
(6aR,10aR)−7−n−プロピル−6a,7,8,9,10a,11−ヘキサヒドロ−6H−1,3,10−トリオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]アントラセン
から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学上許容可能なその付加塩。
【請求項21】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物と薬学上許容可能な担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項22】
哺乳動物における神経変性障害を治療するための医薬を製造するための、請求項1〜20のいずれか一つに記載の化合物または薬学上許容可能なその酸付加塩の使用。
【請求項23】
前記神経変性障害がパーキンソン病である、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記神経変性障害がハンチントン病である、請求項22に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−525893(P2011−525893A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515379(P2011−515379)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057928
【国際公開番号】WO2009/156458
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】