説明

新規の生物活性ペプチドをコードする単一のエキソン遺伝子

本発明は、新規の生物活性ペプチドホルモン、それらの製造方法、および、それらの使用に関する。本発明は、薬物、例えば治療用ポリペプチド、関連する標的(例えばGPCR)または薬物介入のための標的を発見するためのリガンドとして用いることができる新規の生物活性ペプチド前駆体およびそれらの塩を同定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の生物活性ペプチドホルモン、それらの製造方法、および、それらの使用に関する。本発明は、薬物、例えば治療用ポリペプチド、関連する標的(例えばGPCR)または薬物介入のための標的を発見するためのリガンドとして用いることができる新規の生物活性ペプチド前駆体およびそれらの塩を同定した。
【0002】
本発明は、新規の生物活性ペプチドホルモン、それらの製造方法、および、それらの使用に関する。より具体的には、本発明は、治療用ポリペプチド、薬物介入のための標的、関連する標的(例えば、GPCRの脱オーファン化(deorphaning))を発見するためのリガンド、または、病気をモニターするためのバイオマーカーとして用いることができる前駆タンパク質から誘導された生物活性ペプチドホルモンの同定方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの生物学的に活性なペプチドは、増殖の刺激、増殖の阻害、または、重要な代謝経路の調節のいずれかによって健康状態および病気の両方に深刻な作用を示す。
【0004】
ペプチドホルモンは、分泌線、ニューロン、腸、脳などの様々な細胞型および臓器中で前駆体として生産される。ペプチドホルモンは、最初により大きい前駆体またはプロホルモンとして合成され、輸送中にERおよびゴルジスタックを介して多数の翻訳後修飾を受ける可能性がある。続いてこれらは加工され、それらの最終目的地に輸送されて、活性物質(第一のメッセンジャー)として細胞表面受容体に結合することによって細胞の反応を開始させる。これらは、例えば糖尿病(インスリン)、血圧調節(アンギオテンシン)、貧血(エリスロポイエチン−α)、多発性硬化症(インターフェロン−β)などの生物医学的な調査の様々な分野に関連する生理学的プロセスにおいて主要な役割を果たす。
【0005】
近年のヒトゲノムの配列解析により約30,000種の遺伝子が解明されているが、これは、ヒトの生物学的プロセスの複雑さから予想された数よりもかなり少ない。これらの遺伝子の翻訳前の選択的スプライシングによって、200,000種もの一次転写物が生成する可能性がある。これらの遺伝子によってコードされたタンパク質産物が翻訳後修飾を受けることによって、機能の多様性を説明するのに求められるさらなる複雑さを示すことが現在広く認められている。
【0006】
遺伝子の発見は、典型的には計算生物学の分野に関わるものである、この計算生物学は、生物学的に機能的な配列ストレッチ、一般的にはゲノムDNAをアルゴリズムで同定することに関する。これは、特にタンパク質をコードする遺伝子を含むが、RNA遺伝子および調節領域のような他の機能的な構成要素を含んでいてもよい。種のゲノムが配列解析されたら、それらゲノムを理解することにおける最初の最も重要な工程の1つは、遺伝子の発見である。
【0007】
外因性の遺伝子を発見するシステムにおいて、メッセンジャーRNA(mRNA)またはタンパク質産物の既知の配列の形態で、外的証拠に類似した配列に関して標的ゲノムが検索される。mRNA配列の場合、転写されるはずの固有のゲノムDNA配列を誘導することが重要である。タンパク質配列の場合、可能性のあるDNAコーディング配列群は、遺伝子コードの逆翻訳により誘導することができる。ひとたび候補DNA配列が決定されたら、マッチング、完全または部分的、および、正確または不正確さについて標的ゲノムを効率的に検索できるかどうかは、アルゴリズムにかかっている。BLASTは、この目
的のために設計された広く用いられているシステムである。
【0008】
標的ゲノムの領域が、タンパク質をコードする遺伝子である多くの場合において、既知のメッセンジャーRNAまたはタンパク質産物に対する高度な類似性は、強力な証拠である。しかしながら、このアプローチを系統的に適用することは、mRNAおよびタンパク質産物の大規模な配列解析を必要とする。このように費用がかかることに加えて、複雑な生物において、どのような場合でも、その生物のゲノム中の全遺伝子の一部分だけしか発現されず、これは、多くの遺伝子に関する外的証拠は、どのような単細胞培養においても容易に得られないことを意味する。従って、複雑な生物におけるほとんどの、または、全ての遺伝子に関する外的証拠を回収するためには、数百または数千もの異なる細胞型を研究しなければならず、それはそれでさらなる困難を伴う。例えば、いくつかのヒト遺伝子は、胎芽または胎児として発達中にしか発現されない可能性がある。
これらの難点にもかかわらず、ヒト、加えて生物学において重要なその他のモデル生物(例えばマウスおよび酵母)に関する大規模な転写およびタンパク質配列データベースが作製されている。例えば、RefSeqデータベースは、多様な種由来の転写およびタンパク質配列を含むものであり、アンサンブル(Ensembl)システムは、この証拠をヒトゲノムおよびその他の数種のゲノムに対して包括的にマッピングするものである。
【0009】
多くの遺伝子に関する外的証拠を得ることにかかる本来の費用および難しさのために、非経験的な(ab initio)遺伝子の発見に頼ることも必要であり、この場合、ゲノムDNA配列が単独でタンパク質をコードする遺伝子の所定の固有の徴候に関して系統的に検索される。これらの徴候は、概して、シグナル、近くに遺伝子が存在することを示す特異的な配列、または、構成要素、タンパク質のコード配列それ自身の統計学的な特性のいずれかに分類することができる。一般的に、外的証拠は、推定の遺伝子が機能的であることをはっきりと証明するのに必要であるが、非経験的な遺伝子の発見は、遺伝子の予想として、正確に特徴付けられる可能性がある。
【0010】
真核生物、特にヒトなどの複雑な生物における非経験的な遺伝子の発見は、いくつかの理由のために極めて困難である。まず、これらのゲノムにおけるプロモーターおよびその他の調節シグナルは、原核生物よりも複雑であり、あまりよく理解されていないことが挙げられ、そのために、それら確実に認識することをより難しくしている。真核遺伝子の検索ツールによって同定されたシグナルの2つ目の典型的な例は、CpGアイランド、および、ポリ(A)テールの結合部位である。
【0011】
第二に、真核細胞によって用いられるスプライシングメカニズムは、ゲノム中の特定のタンパク質コード配列は、数種の部分(エキソン)に分割されており、非コード配列(イントロン)がその間に存在することを意味する。スプライス部位は、それ自身がその他のシグナルであり、真核遺伝子の検索ツールは、それを同定するように設計されることが多い。ヒトにおいて典型的なタンパク質をコードする遺伝子は、数多くのエキソンに分割される可能性があり、それぞれの長さは2百塩基対未満であり、そのうちいくつかは20から30もの短さである。従って、真核生物においてタンパク質をコードするDNAの周期性およびその他の既知の構成要素の特性を検出することはかなり困難である。
【0012】
原核および真核のゲノムの両方のための進んだ遺伝子の検索ツールは、典型的には、多種多様のシグナルおよび構成要素の測定からの情報を組み合わせるために、隠れマルコフモデルのような複雑な確率論的なモデルを使用している。グリマー(Glimmer)システムは、原核生物用の広く用いられている極めて正確な遺伝子の検索ツールである。真核生物の非経験的な遺伝子の比較による検索ツールは、限定的な成功しか達成されておらず;特筆すべき例は、GENSCANプログラムである。
【0013】
本発明において、ペプチドホルモン前駆体配列をコードする新規の単一のエキソン遺伝子の同定を用いて、新規の生物活性ペプチドホルモン前駆体が同定された。新規の単一のエキソン遺伝子を発見するために、ヒトゲノム(NCBI33アセンブリ、2003年7月1日)、および、マウスゲノム(NCBI30アセンブリ、2003年7月1日)、その両方を、標準的な遺伝子コードを用いて全6種のリーディングフレームに翻訳した。アミノ酸のメチオニンから始まり、長さが50〜200個のアミノ酸の配列フラグメントだけを選択した。両方の生物において密接に関連した配列を発見するために、プログラムBLASTを用いてヒトおよびマウスのセットを互いに比較した。両方の生物(ヒトおよびマウス)で見出される配列のみを選択した。分泌タンパク質に関してフィルタリングするために、シグナルP(signal P)プログラムを用いて可能性のあるシグナル配列を予想し、さらに、TMHMMプログラムによって可能性のある膜貫通領域が存在しないことを確認した。加えて、すでに説明されているタンパク質ドメイン(例えば、キナーゼドメインなど)の存在を除外するために、選択された配列に関してインタープロ(InterPro)による検索が行われた。残りの配列の新規度を、UNIPROTのような公共的に利用可能なデータベースとの配列比較によって検証した。これらのコンピューター利用による解析により、これまでに述べられたタンパク質ドメインのどれも含まない新規の分泌タンパク質が発見されたことが示された。
【0014】
一般的に理解されていることであるが、ペプチドホルモンの特徴は、それらの高い特異性、加えてそれらの極めて低濃度での有効性である。ペプチドホルモンのその他の特徴は、それらの対応するmRNAが別の組織で発現されることはわずかである点である。ペプチドホルモンの遍在的な発現パターンは、哺乳動物系ではごくまれにしか観察されない。
【0015】
ヒトの体内で8種の新規の遺伝子を転写する組織を決定するために、一般的に使用されるインビトロでの転写分析をヒト組織パネルで行った(図1〜6を参照)。特異的なプローブ/プライマーセットを用いて、対象の遺伝子をコードするmRNAを検出し定量することができる。しかしながら、注目すべきことは、遺伝子発現データは、ゲノム上の同じ遺伝子座に存在する遺伝子の転写の影響を受ける可能性があるということである。加えて、本発明において用いられる組織パネルは、包括的なものではない。
【0016】
生物活性ペプチドホルモンは、生物医学的な調査において相当数の用途があり、従って、医薬産業にとって興味深いものである。病気を治療するために、様々なペプチドホルモンが用いられている。
【0017】
それに対して、特許文献1(発明の名称:“compositions and methods for treatment of immune related diseases”)は、数種の生物活性ポリペプチド配列を開示しているが、このような配列の同定方法および使用については何も述べられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】WO2004039956
【発明の概要】
【0019】
本発明において、生物活性ペプチドホルモン前駆体をコードする新規の遺伝子が同定された。ペプチドホルモンの特徴は、それらの高い特異性、加えてそれらの極めて低濃度での有効性である。生物活性ペプチドホルモンは、生物医学的な調査において莫大な用途がある。様々なペプチドホルモンは、病気を治療したり、または、病態をモニターしたりするのに用いられる。このようなポリペプチド配列は、免疫関連の病気のための薬剤および医薬品として治療上有効な量で用いることができる。
【0020】
最も近い従来技術(WO2004039956)の利用可能性で述べられているような問題は、ヒトの病気の治療に有用な新規のホルモンのポリペプチド配列を同定することと定義できる。本発明は、動脈硬化症、炎症または制御不能な細胞分裂の危険を高める生理学的な因子を阻害することに用いることができる8種の新規のペプチドホルモン前駆体およびそれらのフラグメントを提供することによってこの問題を解決する。本発明によれば、生物医学的な調査の分野においてヒトの病気を治療するのに用いることができるホルモンのポリペプチドの新しい貯蔵装置を提供する。
【0021】
従って本発明は、配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、少なくとも1個のアミノ酸残基の欠失、置換または挿入によってそれらから誘導されたアミノ酸配列、それらのアミドもしくはエステル、または、前記ペプチドの塩に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、配列番号1に関するATAQ1におけるAC105940のmRNA発現プロファイルを示す。
【図2】図2は、配列番号3に関するATAQ1におけるAC005291のmRNA発現プロファイルを示す。
【図3】図3は、配列番号4に関するATAQ1におけるAC090617のmRNA発現プロファイルを示す。
【図4】図4は、配列番号5に関するATAQ1におけるAC114684のmRNA発現プロファイルを示す。
【図5】図5は、配列番号7に関するATAQ1におけるAC063920のmRNA発現プロファイルを示す。
【図6】図6は、配列番号8に関するATAQ1におけるAC074389のmRNA発現プロファイルを示す。
【図7】図7は、配列番号1に関するアミノ酸配列の一覧を示す。
【図8】図8は、配列番号2に関するアミノ酸配列を示す。
【図9】図9は、配列番号3に関するアミノ酸配列を示す。
【図10】図10は、配列番号4に関するアミノ酸配列を示す。
【図11】図11は、配列番号5に関するアミノ酸配列を示す。
【図12】図12は、配列番号6に関するアミノ酸配列を示す。
【図13】図13は、配列番号7に関するアミノ酸配列を示す。
【図14】図14は、配列番号8に関するアミノ酸配列を示す。
【図15】図15は、配列番号9に関するヌクレオチド配列を示す。
【図16】図16は、配列番号10に関するヌクレオチド配列を示す。
【図17】図17は、配列番号11に関するヌクレオチド配列を示す。
【図18】図18は、配列番号12に関するヌクレオチド配列を示す。
【図19】図19は、配列番号13に関するヌクレオチド配列を示す。
【図20】図20は、配列番号14に関するヌクレオチド配列を示す。
【図21】図21は、配列番号15に関するヌクレオチド配列を示す。
【図22】図22は、配列番号16に関するヌクレオチド配列を示す。
【図23】図23は、配列番号1に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図24】図24は、配列番号1に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図25】図25は、配列番号1に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図26】図26は、配列番号2に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図27】図27は、配列番号2に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図28】図28は、配列番号2に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図29】図29は、配列番号3に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図30】図30は、配列番号3に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図31】図31は、配列番号3に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図32】図32は、配列番号4に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図33】図33は、配列番号4に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図34】図34は、配列番号4に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図35】図35は、配列番号5に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図36】図36は、配列番号5に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図37】図37は、配列番号5に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図38】図38は、配列番号6に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図39】図39は、配列番号6に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図40】図40は、配列番号6に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図41】図41は、配列番号7に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図42】図42は、配列番号7に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図43】図43は、配列番号7に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【図44】図44は、配列番号8に関するヌクレオチドのプローブの配列を示す。
【図45】図45は、配列番号8に関するヌクレオチドのフォワードプライマーの配列を示す。
【図46】図46は、配列番号8に関するヌクレオチドのリバースプライマーの配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖について述べている:
MYWMALRRISTLGSRWLGLSRVLLFRASKASFTFLSLRFSLSVAARRRSTDTDFLLHTLHAHGRHWPGQCSGVPSPLSSRGPGASGLRVSSVRS。
【0024】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MGSGCARARLGLLSWLAASSGSEDALASSISVKLALELAEVAWSEGDEAEGLAPWLSPLVQGRDSGEDREQLEAACLKRGSWAGAGKARELSPTAPKWLEEAEERLTLRSIPL。
【0025】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MLLAMSSISIFSSLFSFSSFCFTRCRLSICSPSSATLSACFFLRVAAVASCCRVASSRSLRIFWNSASLFLFISIWAEVAPLASSSLSLISSSSLARSERCFSILALSVCSASISSSSS
SMRA。
【0026】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MATSWAGSAAPPASAAKSVVGTRPSRPGGPRSAWRRRRATLAAWTGPARAATATTTRAAARRPVAARTPARLAATSRATHARTWPMASPRASVTTCTCAFRAARASPALSS。
【0027】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MPRSAPRAAAAPARAPAAAAVACACCPNSAPDFFMVCGGHVRSLAGKRLFSSPPRPACSGPNDLRSSGVSGGAVRPAARTRRRAQGEVEEEASCGEKGRRTAERMGPVAAARAGLDAAWARRCEVPKVTTIPTRQPRAPARPGAPRRI。
【0028】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MPKWRLAWPKQTRASSCGLSLPSISCASSCSASRNGGDRCSLRTTTTRHTR。
【0029】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MSVWTFLKCRGNSSLLKNLLQVKVKAELLLLCLLVTHSLWSSTWSPPGVAAVRSASTVPEENCSGSKLYVCVAKSMNSPSMLLDSEMTWPLSSLSKAHWRVVLMRSDLGRSSTVIPKSEVSTALCSLGLQLNMASPSRARFPQ。
【0030】
本発明のその他の実施態様は、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチドに関する:
MASAAGEPFSMYLASAAAALCTPTASARKARGLRTEPLDEVLARGGPAASTLWCRCRLWPKASLYPGARKPCLAASGSDSSTSGGSATDTGPDLTPWKEVDSDLSASMQLLMIWLTLSTSLAMVEISATELWLSGPGRPSSQSLRSGGSPVRTSM。
【0031】
また本発明の実施態様は、配列番号1〜8で示されるアミノ酸配列またはそれらのアミド、エステルまたはそれらの塩を含むポリペプチド鎖をコードする、配列番号9〜16に記載のヌクレオチド塩基配列を含むDNAも提供する。
【0032】
本発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号9に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0033】
本発明は、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる段落1で説明されているポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする、配列番号10に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0034】
本発明のその他の実施態様は、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号11に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0035】
本発明のその他の実施態様は、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号12に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0036】
本発明のその他の実施態様は、配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号13に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0037】
本発明のその他の実施態様は、配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号14に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0038】
本発明のその他の実施態様は、配列番号7に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号15に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0039】
本発明のその他の実施態様は、配列番号8に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩をコードする配列番号16に記載のヌクレオチド塩基配列からなるDNAに関する。
【0040】
本発明は、ポリペプチドの製造方法に関し、ここにおいて前記方法は、アミノ酸を提供する工程、固相または液相合成によって該アミノ酸を合成する工程、ポリペプチドを抽出する工程、該ポリペプチドを精製する工程を含む。
【0041】
また本発明は、ペプチド、前駆体またはそれらの塩の製造方法も提供し、本方法は、アミノ末端を構成するアミノ酸またはペプチド、および、カルボキシル末端を構成するアミノ酸またはペプチドを縮合させること(それに続いて、任意に分子内ジスルフィド結合を形成してもよい)を含む。
【0042】
本発明の実施態様は、活性物質として、ポリペプチド鎖、または、それらの前駆体、または、製薬上許容できるアミド、エステルもしくは塩を含む医薬組成物を提供し、ここにおいて前記ポリペプチド鎖は、配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列からなる。
【0043】
また本発明は、活性物質として、ポリペプチド鎖、または、それらの前駆体、または、製薬上許容できるアミド、エステルもしくは塩を含む医薬組成物の使用にも関し、ここにおいて前記ポリペプチド鎖は、配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列からなり、さらに、治療用ポリペプチド、薬物介入のための標的、関連する標的を発見するためのリガンド、病気をモニターするためのバイオマーカーとして用いることができる。
【0044】
本発明はまた、配列番号1〜8で定義されるアミノ酸配列のうち少なくとも1種を含む、心臓血管疾患、ホルモン産生腫瘍を治療または予防するための物質、ホルモン分泌阻害剤、腫瘍増殖阻害剤の製造における本発明のペプチド、前駆体または塩の使用を提供する。
【0045】
また本発明の実施態様は、配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列を含む段落1に記載のポリペプチド鎖、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩に対する抗体も提供する。本発明の抗体は、体液または組織のようなサンプル中に存在する本発明のポリペプチドを検出することにも使用できる。また、精製中に各分画中の本発明のポリペプチドを検出したり、または、試験細胞中の本発明のポリペプチドの挙動を解析したりするための、本発明のポリペプチドを精製するための抗体のカラムを製造するためにも使用できる。
【0046】
本明細書で用いられる用語「ポリペプチド」は、共有結合で連結されたアミノ酸からなるあらゆるポリマーを意味するものと解釈され、この用語は、全長タンパク質の部分またはフラグメントもその範囲内に含み、このような部分またはフラグメントとしては、例えば、ペプチド、オリゴペプチド、および、少なくとも2個のアミノ酸からなるより短いペプチド配列、より具体的には、少なくとも約5個またはそれより多くのアミノ酸残基からなるより短いペプチド配列が挙げられる。
【0047】
用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合で連結された1個またはそれ以上のアミノ酸を含む全ての成分を含む。加えて、この用語は修飾されたアミノ酸のポリマーもその範囲内に含み、このようなポリマーとしては、翻訳後修飾されたアミノ酸が挙げられ、例えば、これらに限定されないが、塩基性ペプチド主鎖を効果的に改変するグリコシル化、リン酸化、アセチル化および/または硫酸化反応などの化学修飾によって翻訳後修飾されたアミノ酸が挙げられる。従って、ポリペプチドは、天然に存在するタンパク質から誘導されてもよく、具体的には、CNBrまたはプロテアーゼのような試薬を用いた、例えば、なかでもトリプシンまたはキモトリプシンを用いた化学的または酵素的な切断により全長タンパク質から誘導されてもよい。あるいは、このようなポリペプチドは、周知のペプチド合成方法を用いて化学合成により誘導したものでもよい。また、アミノ酸配列の変異体(本明細書では、ポリペプチド変異体と称する)も「ポリペプチド」の定義の範囲内である。これらは、天然に存在するアミノ酸配列中に、前記ポリペプチドの少なくとも1つの必須の特性(例えばその生物活性)を変更しないような1種またはそれ以上の、好ましくは保存的な、アミノ酸置換、欠失または挿入を含んでいてもよい。このようなポリペプチドは、化学的なポリペプチド合成によって合成してもよい。保存的アミノ酸置換は当業界公知である。例えば、天然型のタンパク質の1個またはそれ以上のアミノ酸残基を、類似の電荷、サイズまたは極性を有するアミノ酸残基で保存的に置換することができ、この場合、得られたポリペプチドは、本明細書において説明されているような機能的な能力を保持している。このような置換を作製するルールは周知である。より具体的には、保存的アミノ酸置換は、一般的に、それらの側鎖において関連するアミノ酸群内で起こるものである。遺伝学的にコードされたアミノ酸は、一般的に、4つのグループに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リシン、アルギニン、および、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、および、トリプトファン;および、(4)電荷を有さない極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、および、チロシン。また、フェニルアラニン、チロシン、および、トリプトファンも、芳香族アミノ酸として一緒に分類される。いずれかの具体的なグループ内での1またはそれ以上の置換、例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリンでの置換、あるいは、アスパラギン酸のグルタミン酸での置換、または、スレオニンのセリンでの置換、または、その他のあらゆるアミノ酸残基の構造的に関連するアミノ酸残基での置換は、一般的に、得られたポリペプチドの機能に有意ではない作用しか示さないと予想される。
【0048】
自然には存在しないような修飾を受けたアミノ酸配列の変異体も「ポリペプチド」の定義の範囲内であり、このような修飾としては、例えば、これらに限定されないが、アミドおよび非アミド結合による保護、カルボキシル化、および、誘導体化、加えて共有結合および非共有結合の修飾が挙げられる。
その機能性ドメインに相当するアミノ酸配列が存在するためにその生物活性が予想可能なペプチドも、用語「ポリペプチド」の定義の範囲に含まれる。また、そのアミノ酸配列の解析によってその生物活性を予想することができなかったペプチドも用語「ポリペプチド」に包含される。
【0049】
アミノ酸は、アミン官能基とカルボン酸官能基との両方を含むあらゆる分子である。アミノ酸残基は、アミノ酸単量体を連結させてタンパク質鎖にするペプチド結合、化学結合の形成中に水分子(窒素側からのH+、および、カルボン酸側からのOH-)が失われた後に残ったアミノ酸成分である。各タンパク質は、それ自身固有のアミノ酸配列を有しており、これは一次構造として知られている。アルファベットの文字が様々な方法で繋がって
エンドレスの様々な言葉を形成することができるのと同じように、アミノ酸は、様々な配列で一緒に連結して、多様なタンパク質を形成することができる。各タンパク質の固有の形状が、体内でのそれらの機能を決定する。
【0050】
前駆体とは、その他の、通常はより活性な、または、成熟した物質が形成される物質である。タンパク質前駆体は、翻訳後修飾によって活性型に変換することができる不活性なタンパク質(またはペプチド)である。タンパク質に関する前駆体の名称は、接頭語としてproまたはpreproが付けられることが多い。前駆体は、後に生じるタンパク質がもしかすると有害な可能性があるが、緊急的に、および/または、大量に利用可能にする必要があるような場合、生物によって利用されることが多い。
【0051】
本発明のポリペプチド、前駆体またはそれらの塩は、ホルモン活性を有する。それゆえに、本発明のポリペプチド、前駆体および塩は、薬物、例えば治療用ポリペプチド、関連する標的(例えばGPCR)を発見するためのリガンド、薬物介入のための標的(例えば、モノクローナル抗体など、受容体フラグメントのための標的)、病気をモニターするためのバイオマーカー(体液中のペプチドフラグメントを検出することができるツール抗体と組み合わせて)、プロテインキナーゼ阻害剤および基質、T細胞エピトープ、受容体結合部位のペプチドミモトープ、発現レベルを測定することができるバイオマーカーとして有用である。
本発明のペプチドまたは前駆体をコードするDNAは、例えば、遺伝子治療、または、心臓血管疾患、ホルモン産生腫瘍、糖尿病、胃潰瘍などの治療または予防のための物質、ホルモン分泌阻害剤、腫瘍増殖阻害剤、神経系の活性化剤などとして有用である。さらに、本発明のDNAは、心臓血管疾患、ホルモン産生腫瘍、糖尿病、胃潰瘍などのような病気の遺伝子診断のための物質として有用である。
【0052】
ベクターは、細胞へDNAのような遺伝物質を運搬するための運搬体である。例えば、具体的にはDNAが細胞の形質転換に用いられる場合、DNAそれ自身がベクターとみなされることもある。この意味で、ベクターは、DNAコンストラクト、例えば複製起点を含むプラスミドまたは細菌人工染色体である。適切な複製開始点は、細胞に細胞の染色体と共にコンストラクトをコピーさせ、そのコンストラクトはその後代に受け継がれる。ベクターで形質転換した単細胞は、細胞の培養物全体に増殖すると予想され、これらの細胞はいずれも、ベクター、加えてコンストラクト内に結合した全ての遺伝子を含む。精製技術によって細胞からコンストラクトを抽出することができるために、ベクターでの形質転換は、少数のDNA分子をより大量の分子にする方法の一つである。ベクターとしては、大腸菌(E.coli)から誘導されたプラスミド(例えば、pBR322、pBR325、pUC12、pUC13)、枯草菌(Bacillus subtilis)から誘導されたプラスミド(例えば、pUB110、pTP5、pC194)、酵母から誘導されたプラスミド(例えば、pSH19、pSH15)、バクテリオファージ、例えば[ラムダ]ファージ、加えて動物ウイルス、例えばレトロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどが挙げられる。
【0053】
本発明のペプチド、前駆体または塩に対する抗体は、本発明のペプチド、前駆体または塩を特異的に認識することができる。また、精製中に各分画中の本発明のポリペプチドを検出したり、または、試験細胞中の新規のポリペプチドの挙動を解析したりするための、本発明のポリペプチドを精製するための抗体のカラムを生産するためにも使用できる。従ってこれらは、試験溶液中で本発明のペプチドまたは等価体を分析することにも使用できる。
【実施例】
【0054】
結果
1.0 コンピュータープログラムの説明:
1.1 シグナルPバージョン2.0
目的:このプログラムをカットオフスコア0.98で用いて可能性のあるシグナル配列を検出した。シグナルPバージョン2.0によって、異なる生物由来のアミノ酸配列におけるシグナルペプチドの切断部位の存在および位置を予想した:この方法は、数種の人工神経回路網および隠れマルコフモデルの組み合わせに基づいて、切断部位の予想、および、シグナルペプチド/非シグナルペプチドの予想も含む。
【0055】
1.2 TMHMMバージョン2.0
目的:このプログラムを用いて、タンパク質配列中の可能性のある膜貫通領域を定義した。TMHMMバージョン2.0は、タンパク質中の膜貫通ヘリックスを予想するために用いられる。N末端領域中の予想されたTMセグメントは、場合によってはシグナルペプチドになることもある。
【0056】
1.3 ProPバージョン1.0
目的:このプログラムを用いて、タンパク質配列中の可能性のある切断部位を検出した。スコア0.09を用いた。このプログラムは、神経回路網一式を用いて真核性のタンパク質配列におけるアルギニンおよびリシンプロペプチド切断部位を予想するものである。フューリン特異的な予想がデフォルトである。一般的な前駆タンパク質のコンバターゼ(PC)の予想を行うことも可能である。このプログラムは、シグナルペプチドの切断部位の存在および位置を予想するシグナルPプログラムと統合されている。
【0057】
1.4 インタープロスキャン(InterProScan)と組み合わせたインタープロバージョン12
インタープロは、既知のタンパク質で見出された同定可能な特徴を未知のタンパク質配列に適用することができる、タンパク質ファミリー、ドメインおよび機能的な部位のデータベースである。1.5インタープロScanは、アミノ酸配列をインタープロデータベースと比較するのに用いられるプログラムである。
【0058】
1.6 BLASTバージョン2.2.9
ベーシック・ローカル・アライメント・サーチ・ツール(Basic Local Alignment Search Tool;BLAST)は、配列間の局所的な類似性を示す領域を発見するものである。このプログラムは、ヌクレオチドまたはタンパク質配列を配列データベースと比較し、マッチングの統計的有意性を計算する。BLASTを用いて、配列間の機能的な関係および進化の関係を推論したり、加えて、遺伝子ファミリーに属するもの同定を補助したりすることができる。BLASTは、それが生産するアライメントの統計的有意性を決定するために、カーリン−アルチュール(Karlin−Altschul)の統計を使用する。基本のアルゴリズムは、多数の方法で実施することができ、さらに、様々なコンテキスト、例えば、直鎖状のDNAおよびタンパク質配列データベース検索、モチーフ検索、遺伝子同定検索に適用することができ、さらに、長いDNA配列における複数の類似性領域の解析にも適用することができる。その柔軟性および数学的な解析の取り扱いやすさに加えて、BLASTは、現存する匹敵する感度の配列比較ツールよりも一桁高いレベルで速い。
【0059】
上述したこれら全てのプログラムは、パブリックドメインのインターネットより入手可能である。
【0060】
本発明のホルモンペプチドの生物学的な役割を、発現プロファイル試験を用いて試験した(図1〜6)。数種の組織に関して、ホルモンペプチドの存在が個々の配列に応じて異なっていることが実証された。異なる組織における本発明に係るホルモンペプチドの差異
的な発現は、それらの重要な生物学的な役割に関する強力な指標とみなされる。1種または数種の本発明のホルモンペプチドの量を増加させたり、または、減少させたりしてそれらホルモンペプチドの濃度を調節することによって、低濃度または高濃度の1種または数種のこのようなホルモンペプチドを必要とする病気(例えば、心臓血管疾患、代謝病、精神疾患、癌、ウイルス、細菌または酵母によって引き起こされる感染など)の治療に強い影響を与える可能性がある。
【0061】
2.0 発現プロファイル
2.1)組織発現解析を行うこと
組織発現解析をTaqMan遺伝子発現解析を用いて行った。
【0062】
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、医療および生物学系の研究所において、例えば遺伝性疾患の検出、遺伝的指紋の同定、感染症の診断、遺伝子クローニング、起源の試験、および、DNAのコンピューター解析などの様々な業務の利用される標準的な技術である。
【0063】
定量PCRは、PCR産物の量を(好ましくはリアルタイムで)迅速に測定するために用いられており、従って、開始時のDNA、cDNAまたはRNA量を定量的に測定するための間接的な方法である。これは、一般的に、配列が存在するか、または、存在しないのか、さらにその配列が存在する場合、サンプル中のコピー数がどれだけなのかを決定する目的で使用される。
【0064】
本発明において遺伝子発現試験に用いられるプロトコールの説明:
サンプルの調製:
試験された組織からのRNAサンプルを、様々な業者から購入した。
【0065】
DNアーゼによる消化:
全ての製品を、アンビオン(Ambion)から購入した。DNA非含有のDNアーゼ処理を行い、除去試薬(1906)を用いた。RNA(50μg)を用いて、製造元のプロトコールに従ってDNアーゼによる消化を行った。
【0066】
cDNA合成:
アプレラ(Applera)から、cDNAに関する製品の逆転写酵素キット(N8080234)、RNアーゼ阻害剤(N8080119)を購入した。RNA(10μg)からcDNA合成を行った。
【0067】
TaqMan反応の設定:
PCR関連製品をアプレラから購入した。各反応に、TaqManユニバーサルPCRマスターミックス(TaqMan Universal PCR Master Mix)(4305719)を用いた。標的フォワードプライマー、標的リバースプライマー、標的プローブを、各遺伝子それぞれに関してFAMで標識した(プライマー配列を示す表を参照)。ABI Prism7900(アプレラ)を用いて以下のPCR条件下でPCRを行った:50℃で2分間、95℃で10分間、95℃で15秒を40サイクル、および、60℃で1分間。PCRは、標準化のための内因性コントロールとしてB2Mを用いて、マルチプレックスPCRとして設定した。
【0068】
2.3)配列番号1に記載のペプチド配列をコードする遺伝子(図7)に関して、以下の発現プロファイルが得られた。同様にこれらの結果を図1にも示す(ただし違う様式で):
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
2.4)配列番号2に記載のペプチド配列をコードする遺伝子(図8)に関して、以下の発現プロファイルが得られた。同様にこれらの結果を図2にも示す(ただし違う様式で):
【0072】
【表3】

【0073】
【表4】

【0074】
2.5)配列番号3に記載のペプチド配列をコードする遺伝子(図9)に関して、以下の発現プロファイルが得られた。同様にこれらの結果を図3にも示す(ただし違う様式で):
【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
2.6)配列番号4に記載のペプチド配列をコードする遺伝子(図10)に関して、以下の発現プロファイルが得られた。同様にこれらの結果を図4にも示す(ただし違う様式で):
【0078】
【表7】

【0079】
【表8】

【0080】
2.7)配列番号5に記載のペプチド配列をコードする遺伝子(図11)に関して、以下の発現プロファイルが得られた。同様にこれらの結果を図5にも示す(ただし違う様式で):
【0081】
【表9】

【0082】
【表10】

【0083】
2.8)配列番号6に記載のペプチド配列をコードする遺伝子(図12)に関して、以下の発現プロファイルが得られた。同様にこれらの結果を図6にも示す(ただし違う様式で):
【0084】
【表11】

【0085】
【表12】

【0086】
参考文献:
Henrik Nielsen, Jacob Engelbrecht, Soren Brunak and Gunnar von Heijne “Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites”Protein Engineering, 10:1-6, 1997.
A. Krogh, B. Larsson, G. von Heijne and E. L. L. Sonnhammer.“Predicting transmembrane protein topology with a hidden Markov model: Application to complete genomes”Journal of Molecular Biology, 305(3):567-580, January 2001.
Peter Duckert, Soren Brunak and Nikolaj Blom,“Prediction of proprotein convertase cleavage sites”Protein Engineering, Design and Selection: 17: 107-112, 2004.
Strand, F.L. Neuropeptides: Regulators of physiological processes. (1999) MIT
Press.
Anderson, N.L. & Anderson, N.G. The human plasma proteome: history, character,
and diagnostic prospects. Mol. Cell. Proteomics, 2002 Nov;1(11): 845-67
Mulder NJ, Apweiler R, Attwood TK, Bairoch A, Bateman A, Binns D, Bradley P, Bork P, Bucher P, Cerutti L, Copley R, Courcelle E, Das U, Durbin R, Fleischmann W, Gough J, Haft D, Harte N, Hulo N, Kahn D, Kanapin A, Krestyaninova M, Lonsdale D, Lopez R, Letunic I, Madera M, Maslen J, McDowall J, Mitchell A, Nikolskaya AN, Orchard S, Pagni M, Ponting CP, Quevillon E, Selengut J, Sigrist CJ, Silventoinen V, Studholme DJ, Vaughan R, Wu CH. InterPro, progress and status in 2005. Nucleic Acids Res. 2005 Jan 1;33(Database issue):D201-5。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列、または、少なくとも1個のアミノ酸残基の欠失、置換または挿入によってそれらから誘導されたアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖、それらのアミドもしくはエステル、または、前記ペプチドの塩。
【請求項2】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MYWMALRRISTLGSRWLGLSRVLLFRASKASFTFLSLRFSLSVAARRRSTDTDFLLHTLHAHGRHWPGQCSGVPSPLSSRGPGASGLRVSSVRS。
【請求項3】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MGSGCARARLGLLSWLAASSGSEDALASSISVKLALELAEVAWSEGDEAEGLAPWLSPLVQGRDSGEDREQLEAACLKRGSWAGAGKARELSPTAPKWLEEAEERLTLRSIPL。
【請求項4】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MLLAMSSISIFSSLFSFSSFCFTRCRLSICSPSSATLSACFFLRVAAVASCCRVASSRSLRIFWNSASLFLFISIWAEVAPLASSSLSLISSSSLARSERCFSILALSVCSASISSSSSSMRA。
【請求項5】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MATSWAGSAAPPASAAKSVVGTRPSRPGGPRSAWRRRRATLAAWTGPARAATATTTRAAARRPVAARTPARLAATSRATHARTWPMASPRASVTTCTCAFRAARASPALSS。
【請求項6】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MPRSAPRAAAAPARAPAAAAVACACCPNSAPDFFMVCGGHVRSLAGKRLFSSPPRPACSGPNDLRSSGVSGGAVRPAARTRRRAQGEVEEEASCGEKGRRTAERMGPVAAARAGLDAAWARRCEVPKVTTIPTRQPRAPARPGAPRRI。
【請求項7】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MPKWRLAWPKQTRASSCGLSLPSISCASSCSASRNGGDRCSLRTTTTRHTR。
【請求項8】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MSVWTFLKCRGNSSLLKNLLQVKVKAELLLLCLLVTHSLWSSTWSPPGVAAVRSASTVPEENCSGSKLYVCVAKSMNSPSMLLDSEMTWPLSSLSKAHWRVVLMRSDLGRSSTVIPKSEVSTALCSLGLQLNMASPSRARFPQ。
【請求項9】
以下のアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド鎖:MASAAGEPFSMYLASAAAALCTPTASARKARGLRTEPLDEVLARGGPAASTLWCRCRLWPKASLYPGARKPCLAASGSDSSTSGGSATDTGPDLTPWKEVDSDLSASMQLLMIWLTLSTSLAMVEISATELWLSGPGRPSSQSLRSGGSPVRTSM。
【請求項10】
配列番号1〜8で示されるアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド鎖、または、それらのアミド、それらのエステルまたは塩をコードする、配列番号9〜16に記載
のヌクレオチド塩基配列を含むDNA。
【請求項11】
請求項1または2に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号9に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項12】
請求項1または3に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号10に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項13】
請求項1または4に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号11に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項14】
請求項1または5に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号12に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項15】
請求項1または6に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号13に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項16】
請求項1または7に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号14に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項17】
請求項1または8に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号15に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項18】
請求項1または9に記載のポリペプチド鎖をコードする配列番号16に記載のヌクレオチド塩基配列からなる、請求項10に記載のDNA。
【請求項19】
組換えベクターを製造するための請求項10〜18に記載のDNAの使用であって、前記組換えベクターは:
1.請求項10〜18のいずれか一項に記載のDNA
2.請求項19(a)に記載の組換えベクターを宿主細胞に導入すること、
を含む、上記使用。
【請求項20】
請求項1に記載のポリペプチドの製造方法であって、前記方法は:
i)前記アミノ酸を提供する工程、
ii)固相または液相合成によって前記アミノ酸を合成する工程、
1.ポリペプチドを抽出する工程、
iii)前記ポリペプチド精製する工程、
を含む、上記方法。
【請求項21】
アミノ末端を構成するアミノ酸またはペプチド、および、カルボキシル末端を構成するアミノ酸またはペプチドを縮合させること、それに続いて、任意に分子内のジスルフィド結合を形成することを含む、請求項1に記載のペプチド、前駆体またはそれらの塩の製造方法。
【請求項22】
活性物質として、ポリペプチド鎖、または、それらの前駆体、または、製薬上許容できるアミド、エステルもしくは塩を含む医薬組成物であって、前記ポリペプチド鎖は、配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列からなる、上記組成物。
【請求項23】
活性物質として、ポリペプチド鎖、または、それらの前駆体、または、製薬上許容できるアミド、エステルもしくは塩を含み、ここにおいて前記ポリペプチド鎖は、配列番号1
〜8に記載のアミノ酸配列からなり、動脈硬化症、炎症、または、制御不能な細胞分裂の危険を高める生理学的な因子を変化させることができる、請求項21に記載の医薬組成物の使用。
【請求項24】
配列番号1〜8に記載のアミノ酸配列、または、それらのアミド、エステルもしくはそれらの塩を含む、請求項1に記載のポリペプチド鎖に対する抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公表番号】特表2010−512763(P2010−512763A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541837(P2009−541837)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010842
【国際公開番号】WO2008/074424
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】