説明

新規イソキノリン誘導体及びこれを含有する医薬

【課題】破骨細胞分化誘導抑制作用を有する化合物、及びこれを含有する医薬の提供。
【解決手段】次の一般式(1)


[式中R1及びR2はそれぞれ水素原子、又はアルキル基を示し、R3は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を示し、R4は置換基を有しても良いアルキル基、芳香環上に置換基を有しても良いアリールアルキル基、芳香環上に置換基を有しても良いヘテロアリールアルキル基、又は芳香環上に置換基を有しても良いアリールアルケニル基を示す。]
で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なイソキノリン誘導体、及び、これを含有する医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抗炎症薬や抗リウマチ薬として多くの非ステロイド性抗炎症薬が用いられている。非ステロイド性抗炎症薬は、炎症の腫れや痛みの軽減といった作用は有するものの、リウマチ等で問題となる関節炎における骨組織破壊の進行を阻止する作用は知られていない。また、骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、女性ホルモンの他ビタミンD3、ビタミンK、カルシトニン、カルシウム、及びビスフォスフォネート等が治療薬として用いられている。中でも、破骨細胞による骨吸収を直接抑制するビスフォスフォネートは、骨吸収抑制作用が強く、近年においては使用頻度が増加している。本来、破骨細胞による骨吸収は骨芽細胞による骨形成と調和が維持されているが、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、及び骨癌での骨組織破壊は、このバランスが破綻し、破骨細胞による病的骨吸収によることが示唆されている(例えば、非特許文献1〜5参照)。
【0003】
一方、破骨細胞は、骨髄の単球/マクロファージ系の細胞から分化することが知られている。従って、破骨細胞分化誘導を抑制する化合物は、骨組織破壊の防止が期待され、薬剤の有効成分として有用と思われるが、そのような化合物は知られていない。
【非特許文献1】Rodan,G.A.,and Martin,T.J.,Science,289,1508−1514(2000)
【非特許文献2】Takayanagi,H.et al.,Arthritis.Rheum.,43,259−269(2000)
【非特許文献3】Takayanagi,H.et al.,J.Clin.Invest.,104,137−46(1999)
【非特許文献4】Kong,Y.Y.et al.,Nature,402,304−9(1999)
【非特許文献5】Pettit,A.R.et al.,Am.J.Pathol.,159,1689−99(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、破骨細胞分化誘導抑制作用を有する化合物、及びこれを含有する医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記実情に鑑み、本発明者らは、破骨細胞分化誘導抑制作用を持つ化合物を探索した結果、新規な化合物である下記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体、その酸付加塩及びそれらの溶媒和物が、強い破骨細胞分化誘導抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化1】

【0008】
[式中R1及びR2はそれぞれ水素原子、又はアルキル基を示し、R3は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を示し、R4は置換基を有しても良いアルキル基、芳香環上に置換基を有しても良いアリールアルキル基、芳香環上に置換基を有しても良いヘテロアリールアルキル基、又は芳香環上に置換基を有しても良いアリールアルケニル基を示す。]
で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記一般式(1)で表わされる化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬を提供するものである。
【0010】
さらに、本発明は、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、又は骨癌の予防及び/又は治療薬である上記医薬を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明化合物(1)及びその酸付加塩又はこれらの溶媒和物は、強い破骨細胞分化誘導抑制作用を有し、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、骨癌等の、骨破壊又は骨再生不全を伴う疾患の予防及び/又は治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一般式(1)中、R1〜R3で示されるアルキル基としては、C1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。また、R2で示されるアルキル基のホモピペラジン上の置換位置に関しては2−位、3−位、5−位、6−位、7−位のいずれでも良いが、2−位、3−位、5−位が好ましく、2−位が特に好ましい。また、置換基の立体配置は、(S)、(R)のいずれでも良い。R1としては水素原子が好ましい。
【0013】
一般式(1)中、R3で示されるハロゲン原子としては、F、Cl、Brが挙げられる。
【0014】
一般式(1)中、R4で示されるアルキル基としては、C1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。これらのアルキル基は、置換基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のC3−C8のシクロアルキル基を有してもよい。R4で示されるアルキル基としては、エチル基、シクロプロピルメチル基が好ましい。
【0015】
一般式(1)中、R4で示されるアリールアルキル基としては、C6−C10アリール−C1−C6アルキル基が挙げられ、例えばベンジル基、ナフチルメチル基が挙げられ、このうちベンジル基が好ましい。これらのアリールアルキル基は、芳香環上に置換基を有してもよく、置換しうる基としては、1−3個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良いメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC1−C6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のC1−C6のアルコキシ基;ニトロ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;ヒドロキシ基等が挙げられ、このうちiso−プロピル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子が好ましい。
【0016】
一般式(1)中、R4で示されるヘテロアリールアルキル基としては、C6−C10ヘテロアリール−C1−C6アルキル基が挙げられ、例えばピコリル基、キノリルメチル基が挙げられ、このうちピコリル基が好ましい。これらのヘテロアリールアルキル基は、芳香環上に置換基を有してもよく、置換しうる基としては、1−3個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良いメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC1−C6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のC1−C6のアルコキシ基;ニトロ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0017】
一般式(1)中、R4で示されるアリールアルケニル基としては、C6−C10アリール−C2−C6アルケニル基、例えば、C6−C10のアリール基で置換されたビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のC2−C6のアルケニル基が挙げられ、例えば、スチリル基、シンナミル基が挙げられる。これらのアリールアルケニル基は、芳香環上に置換基を有してもよく、置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC1−C6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のC1−C6のアルコキシ基;ニトロ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;ヒドロキシ基等が挙げられるが、ハロゲン原子が好ましい。
【0018】
本発明化合物(1)の酸付加塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限されないが、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩のような有機酸の酸付加塩等を挙げることができる。
【0019】
また、本発明化合物(1)は、水和物に代表される溶媒和物の形態で存在し得るが、当該溶媒和物も本発明に含有される。
【0020】
本発明化合物(1)は、次に示す方法に従って製造することができる。
【0021】
【化2】

【0022】
〔式中R1、R2、R3、R4は前記と同じ意味を示し、Aはベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、トリチル基等のアミノ保護基を示す。また、XはCl、Br、I、メシル基等の脱離基を示す〕
【0023】
本発明の出発物質である化合物(2)は、国際公開公報WO97/28130号記載の方法あるいは類似の方法によって合成することができる。
【0024】
化合物(2)は例えばm−クロロ過安息香酸等を用いる公知の酸化反応によりN−オキシド体(3)へと変換される。化合物(3)は、例えば無水安息香酸処理の後のアルカリ処理等の公知の方法で1−OH体(4)に変換される。化合物(4)をヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ベンジルクロリド等の化合物X−R4と公知の方法で反応させて、化合物(5)を得る。化合物(5)の保護基Aを公知の方法で除去することにより、化合物(6)を得る。化合物(6)はR1が水素である本発明化合物(1)に相当するが、これを必要に応じて、さらにヨウ化メチル、ヨウ化エチル等のハロゲン化アルキル等の化合物R1−Xと公知の方法で反応させアルキル化することにより、ホモピペラジンにアルキル基が導入された化合物(1)(R1がアルキル基である本発明化合物(1))を得ることができる。
【0025】
本発明化合物(1)は、上記の方法によって得られるが、さらに必用に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段を用いて精製することができる。また必用に応じて、常法によって前記した所望の塩又は溶媒和物にすることもできる。
【0026】
前述のとおり、本発明化合物(1)、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物は、破骨細胞分化誘導抑制作用を有するので、骨破壊又は骨再生不全を伴う疾患の予防や治療に有効である。具体的な疾患としては、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、骨癌等が挙げられる。
【0027】
本発明化合物(1)、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物は、これを医薬として用いるにあたり、経口的又は非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、又は経鼻的)に投与することができる。経口投与のための形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤又は懸濁剤等が挙げられ、非経口投与のための形態としては、例えば、注射用水性剤もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、又は貼付剤等が挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等を含有することができる。また、注射剤形で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。本発明のイソキノリノン誘導体又はその塩の投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態によって異なるが、通常は成人に対して本発明化合物の有効成分量として、1日あたり約0.01〜2000mg、好ましくは0.1〜500mgを1回又は数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0028】
本発明に包含される化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。ただし、これらの化合物の具体例としては、例示のためのものであって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0029】
[製造例1]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−メチル−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0030】
【化3】

【0031】
4−(tertブトキシカルボニル)−1−[4−メチルイソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(1.00g)をクロロホルム(18mL)に溶解し、m−クロロ過安息香酸(1.70g)を加えた。混合物を室温で15時間攪拌し減圧濃縮し、反応液に10%硫酸ナトリウム水溶液(25mL)を加え室温で1時間撹拌後クロロホルム(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル-ヘキサンから結晶化し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:1.226g(m−クロロ安息香酸を含む)
【0032】
[製造例2]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0033】
【化4】

【0034】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−メチル−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(188mg)の水(2mL)懸濁液にシアン化ナトリウム(105mg)を加え、撹拌しながらベンゾイルクロリド(134mg)を滴下した。室温で4時間撹拌し、クロロホルム(40mL)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:65mg(41%)
【0035】
[製造例3]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−エチル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0036】
【化5】

【0037】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(254mg)のN,N−ジメチルホルマミド(4mL)溶液を氷−食塩で冷却しながら60%NaH(40mg)を加え、そのまま20分間撹拌し、ヨウ化エチル(50μL)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、氷水を加え1M−HClで酸性とした後酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒;クロロホルム−アセトン=9:1)で精製し、標記化合物を微褐色不定形晶として得た。
収量:137mg(51%)
【0038】
[実施例1]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−エチル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0039】
【化6】

【0040】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−エチル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(137mg)のメタノール(5mL)溶液に4M塩酸の酢酸エチル溶液(0.8mL)を加えて75℃で1時間還流した。冷却後反応液を減圧下乾固し標記化合物を微紅色粉末として得た。
収量:65mg(55%)
M/Z:349[M+
【0041】
[製造例4]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0042】
【化7】

【0043】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(159mg)と炭酸カリウム(106mg)とをN,N−ジメチルホルマミド(3mL)に懸濁し、クロロメチルシクロプロパン(71mg)を加えた。混合物を100℃で2時間撹拌し、冷却後水(15mL)を加えて酢酸エチル(60mL)で抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=1:2)で精製し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:126mg(70%)
【0044】
[実施例2]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0045】
【化8】

【0046】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(113mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:63mg(45%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:0.38−0.52(m,4H),1.20−1.32(m,1H),2.08−2.20(m,2H),2.51(s,3H),3.13−3.30(m,4H),3.55−3.65(m,2H),3.72−3.88(4H,m),7.56(d,1H,J=0.98Hz),7.63(t,1H,J=7.8Hz),7.96(dd,1H,J=7.8Hz,1.5Hz),8.64(dd,1H,J=8.1Hz,1.5Hz).
【0047】
[製造例5]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0048】
【化9】

【0049】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(10.71g)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:11.47g
【0050】
[製造例6]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0051】
【化10】

【0052】
テトラエチルアンモニウムクロリド(3.54g)と酢酸カリウム(3.57g)の水(32mL)溶液に(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(3.29g)を懸濁し、ベンゾイルクロリド(4.20g)のトルエン(48mL)溶液を滴下した。混合物を室温で70分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(40mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−アセトン=50:1→クロロホルム−アセトン=30:1→クロロホルム−メタノール=30:1→クロロホルム−メタノール=15:1)で精製し、標記化合物を淡黄色結晶性粉末として得た。
収量:2.58g(81%)
【0053】
[製造例7]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0054】
【化11】

【0055】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(151mg)とクロロメチルシクロプロパン(95mg)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:120mg(71%)
【0056】
[実施例3]
(S)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0057】
【化12】

【0058】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(120mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:80mg(74%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:0.40−0.55(m,4H),1.17(d,3H,J=6.6Hz),1.20−1.34(m,1H),1.95−2.10(m,2H),3.00−3.70(m,6H),3.75−3.90(2H,m),4.30−4.45(m,1H),7.76(t,1H,J=7.8Hz),8.04(d,1H,J=9.0Hz),8.19(dd,1H,J=7.8Hz,1.2Hz),8.59(d,1H,J=9.3Hz).
【0059】
[製造例8]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−3−メチルホモピペラジンの合成:
【0060】
【化13】

【0061】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−3−メチルホモピペラジン(1.49g)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を濃桃色粉末として得た。
収量:1.64g
【0062】
[製造例9]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−3−メチルホモピペラジンの合成:
【0063】
【化14】

【0064】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−3−メチルホモピペラジン(1.63g)を製造例6と同様に処理し、標記化合物を黄褐色粉末として得た。
収量:658mg
【0065】
[製造例10]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−3−メチルホモピペラジンの合成:
【0066】
【化15】

【0067】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−3−メチルホモピペラジン(163mg)とクロロメチルシクロプロパン(150mg)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を淡黄色不定形晶として得た。
収量:135mg(74%)
【0068】
[実施例4]
(S)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−3−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0069】
【化16】

【0070】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シクロプロピルメチル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−3−メチルホモピペラジン(135mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を黄色粉末として得た。
収量:86mg(73%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:0.35−0.60(m,4H),1.27(d,3H,J=6.6Hz),2.16(m,2H),3.05−3.20(m,1H),3.20−3.90(m,9H),7.74(t,1H,J=7.8Hz),8.04(d,1H,J=8.8Hz),8.12(d,1H,J=7.3Hz),8.59(d,1H,J=8.5Hz).
【0071】
[製造例11]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0072】
【化17】

【0073】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(イソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(552mg)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量:750mg
【0074】
[製造例12]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0075】
【化18】

【0076】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(750mg)を製造例6と同様に処理し、標記化合物を無色プリズム晶として得た。
収量:390mg(63%,2ステップ)
【0077】
[製造例13]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0078】
【化19】

【0079】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(126mg)と炭酸カリウム(85mg)とをアセトニトリル(2mL)に懸濁し、ベンジルブロミド(63mg)を加えた。混合物を90℃油浴中で10時間撹拌し、反応液にクロロホルム(2mL)を加えてセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=2:1)で精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:111mg(72%)
【0080】
[実施例5]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0081】
【化20】

【0082】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(109mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:69mg(73%)
1H−NMRデータ(400MHz,MeOH−d4)δppm:2.08−2.18(m,2H),3.32−3.38(m,4H),3.52(t,2H,J=6.2Hz),3.68(t,2H,J=5.2Hz),5.26(s,2H),7.25−7.39(m,6H),7.61(d,1H,J=7.8Hz),7.67(t,1H,J=7.8Hz),8.28(d,1H,J=7.8Hz),8.64(d,1H,J=7.8Hz).
【0083】
[製造例14]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−フルオロベンジル)イソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0084】
【化21】

【0085】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(130mg)と4−フルオロベンジルクロリド(55mg)とを製造例13と同様に処理し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:64mg(39%)
【0086】
[実施例6]
1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−フルオロベンジル)イソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0087】
【化22】

【0088】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−フルオロベンジル)イソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジン(62mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:40mg(74%)
1H−NMRデータ(400MHz,MeOH−d4)δppm:2.08−2.18(m,2H),3.32−3.38(m,4H),3.52(t,2H,J=6.1Hz),3.68(t,2H,J=5.2Hz),5.23(s,2H),7.07(t,2H,J=8.8Hz),7.37(d,1H,J=7.8Hz),7.38−7.45(m,2H),7.63(d,1H,J=7.8Hz),7.67(t,1H,J=7.8Hz),8.28(dd,1H,J=7.8Hz,1.4Hz),8.64(d,1H,J=8.0Hz).
【0089】
[製造例15]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロベンジル)イソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0090】
【化23】

【0091】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(130mg)と4−クロロベンジルブロミド(79mg)とを製造例13と同様に処理し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:68mg(40%)
【0092】
[実施例7]
1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロベンジル)イソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0093】
【化24】

【0094】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロベンジル)イソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジン(66mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:46mg(70%)
1H−NMRデータ(400MHz,MeOH−d4)δppm:2.08−2.18(m,2H),3.32−3.38(m,4H),3.52(t,2H,J=6.2Hz),3.68(t,2H,J=5.2Hz),5.24(s,2H),7.32−7.40(m,5H),7.62(d,1H,J=7.8Hz),7.67(t,1H,J=7.8Hz),8.28(dd,1H,J=7.8Hz,1.4Hz),8.64(d,1H,J=8.1Hz).
【0095】
[製造例16]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0096】
【化25】

【0097】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(215mg)とベンジルクロリド(70mg)とを製造例13と同様に処理し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:213mg
【0098】
[実施例8]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0099】
【化26】

【0100】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(213mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を無色プリズム晶として得た。
収量:100mg(50%)
1H−NMRデータ(400MHz,D2O)δppm:1.99−2.19(m,2H),2.25(s,3H),3.20−3.42(m,6H),3.55−3.65(m,2H),4.19(s,2H),7.05−7.17(m,6H),7.30(t,1H,J=7.8Hz),7.51(dd,1H,J=7.7Hz,1.2Hz),8.29(dd,1H,J=8.1Hz,1.2Hz).
【0101】
[製造例17]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−メチル−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−5−メチルホモピペラジンの合成:
【0102】
【化27】

【0103】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)−5−メチルホモピペラジン(122mg)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量:129mg
【0104】
[製造例18]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)−5−メチルホモピペラジンの合成:
【0105】
【化28】

【0106】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−メチル−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−5−メチルホモピペラジン(129mg)を製造例6と同様に処理し、標記化合物を淡黄色不定形晶として得た。
収量:72mg(56%)
【0107】
[製造例19]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−5−メチルホモピペラジンの合成:
【0108】
【化29】

【0109】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)−5−メチルホモピペラジン(72mg)とベンジルブロミド(24μL)とを製造例13と同様に処理し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量:58mg(67%)
【0110】
[実施例9]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−5−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0111】
【化30】

【0112】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−5−メチルホモピペラジン(58mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:43mg(84%)
M/Z:425[M+
【0113】
[製造例20]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0114】
【化31】

【0115】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(2.58g)とベンジルブロミド(3.02g)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量:1.85g(50%)
【0116】
[実施例10]
(S)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0117】
【化32】

【0118】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(4.16g)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
収量:3.05g(83%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.17(d,3H,J=6.6Hz),2.00(br,2H),3.00−3.70(m,6H),4.37(br,1H),5.18(s,2H),7.28−7.37(m,5H),7.77(t,1H,J=8.1Hz),8.12(d,1H,J=9.0Hz),8.18(dd,1H,J=7.8Hz,1.2Hz),8.59(dd,1H,J=8.3Hz,1.0Hz).
【0119】
[製造例21]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−フルオロベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0120】
【化33】

【0121】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(365mg)と4−フルオロベンジルクロリド(360mg)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量:378mg(83%)
【0122】
[実施例11]
(S)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−フルオロベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0123】
【化34】

【0124】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−フルオロベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(172mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
収量:92mg(61%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.16(d,3H,J=6.8Hz),2.00(br,2H),3.08−3.61(m,6H),4.36(br,1H),5.16(s,2H),7.18(t,2H,J=8.8Hz),7.45(dd,2H,J=8.8Hz,5.6Hz),7.77(t,1H,J=8.1Hz),8.15(d,1H,J=8.8Hz),8.18(d,1H,J=6.8Hz),8.58(d,1H,J=9.0Hz).
【0125】
[製造例22]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0126】
【化35】

【0127】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(160mg)と4−クロロベンジルブロミド(230mg)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:165mg(81%)
【0128】
[実施例12]
(S)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0129】
【化36】

【0130】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(155mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
収量:130mg(94%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.17(d,3H,J=6.8Hz),1.93−2.09(m,2H),3.00−3.75(m,6H),4.25−4.45(m,1H),5.16(s,2H),7.34−7.48(m,4H),7.70(t,1H,J=8.1Hz),8.14(d,1H,J=8.8Hz),8.18(d,1H,J=7.8Hz),8.58(d,1H,J=8.1Hz).
【0131】
[製造例23]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−イソプロピルベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0132】
【化37】

【0133】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(150mg)と4−イソプロピルベンジルクロリド(172mg)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を淡褐色不定形晶として得た。
収量:155mg(80%)
【0134】
[実施例13]
(S)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−イソプロピルベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0135】
【化38】

【0136】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−イソプロピルベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンを実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:66mg(77%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.05−1.40(m,9H),1.99(br,2H),2.75−2.95(m,1H),3.00−3.15(m,1H),3.15−3.50(m,3H),3.50−3.70(m,2H),4.30−4.45(m,1H),5.13(s,2H),7.22(d,2H,J=8.1Hz),7.30(d,2H,J=8.3Hz),7.76(t,1H,J=8.1Hz),8.10(d,1H,J=8.8Hz),8.17(d,1H,J=7.8Hz),8.58(d,1H,J=8.1Hz).
【0137】
[製造例24]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(2−トリフルオロメチルベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0138】
【化39】

【0139】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−ホモピペラジン(150mg)と2−(トリフルオロメチル)ベンジルクロリド(200mg)とを製造例4と同様に処理し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:188mg(92%)
【0140】
[実施例14]
(S)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(2−トリフルオロメチルベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0141】
【化40】

【0142】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(2−トリフルオロメチルベンジル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(188mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:177mg(70%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.20(d,3H,J=6.59Hz),2.02(br,2H),3.00−3.80(m,6H),4.39(br,1H),5.39(s,2H),7.04(d,1H,J=8.1Hz),7.50−7.63(m,2H),7.77−7.83(m,2H),8.08(d,1H,J=8.8Hz),8.22(d,1H,J=7.6Hz),8.57(d,1H,J=8.1Hz).
【0143】
[製造例25]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(3−ピコリル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0144】
【化41】

【0145】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(140mg)と3−ピコリルクロリド塩酸塩(160mg)とを製造例4と同様に反応させ、標記化合物を淡褐色油状物として得た。
収量:52mg(31%)
【0146】
[実施例15]
(S)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(3−ピコリル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0147】
【化42】

【0148】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(3−ピコリル)−4−フルオロイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(52mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡褐色粉末として得た。
収量:26mg(53%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.16(d,3H,J=6.8Hz),2.00(br,2H),3.00−3.18(m,2H),3.18−3.35(m,2H),3.35−3.50(m,1H),3.50−3.62(m,2H),5.29(d,2H,J=2.4Hz),7.65^7.70(m,2H),8.13−8.27(m,3H),8.56(d,1H,J=8.1Hz),8.71(d,1H,J=4.1Hz),8.86(s,1H).
【0149】
[製造例26]
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0150】
【化43】

【0151】
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(1.61g)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:1.45g(87%)
【0152】
[製造例27]
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0153】
【化44】

【0154】
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フルオロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(157mg)を製造例6と同様に処理し、標記化合物を黄色不定形晶として得た。
収量:1.57g
【0155】
[製造例28]
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0156】
【化45】

【0157】
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン(250mg)とベンジルクロリド(180mg)を製造例4と同様に処理し、標記化合物を淡褐色不定形晶として得た。
収量:122mg(75%)
【0158】
[実施例16]
(R)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0159】
【化46】

【0160】
(R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(122mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:86mg(83%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.16(d,3H,J=6.8Hz),2.00(br,2H),3.00−3.70(m,6H),4.37(br,1H),5.18(s,2H),7.25−7.37(m,5H),7.74−7.79(m,1H),8.12(d,1H,J=9.0Hz),8.18(dd,1H,J=7.8Hz,1.2Hz),8.59(d,1H,J=8.1Hz).
【0161】
[製造例29]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−3−メチルホモピペラジンの合成:
【0162】
【化47】

【0163】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−フルオロイソキノリン−5−スルホニル)−3−メチルホモピペラジン(200mg)とベンジルブロミド(280mg)とを製造例4と同様に反応させ、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量:181mg(75%)
【0164】
[実施例17]
(S)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−3−メチルホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0165】
【化48】

【0166】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−フルオロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]−3−メチルホモピペラジン(181mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
収量:129mg(81%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.26(d,3H,J=6.6Hz),2.15(br,2H),3.00−3.20(m,1H),3.20−3.80(m,6H),5.18(s,2H),7.29−7.37(m,5H),7.75(t,1H,J=8.1Hz),8.12(d,1H,J=8.8Hz),8.58(d,1H,J=8.1Hz),8.59(d,1H,J=8.1Hz).
【0167】
[製造例30]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−クロロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0168】
【化49】

【0169】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−クロロイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(783mg)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を無色不定形晶として得た。
収量705mg
【0170】
[製造例31]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−クロロイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0171】
【化50】

【0172】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−クロロ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(740mg)を製造例6と同様に処理し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:133mg
【0173】
[製造例32]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−クロロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0174】
【化51】

【0175】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−クロロイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(133mg)とベンジルブロミド(180mg)とを製造例4と同様に反応させ、標記化合物を黄色不定形晶として得た。
収量:105mg(66%)
【0176】
[実施例18]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−クロロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0177】
【化52】

【0178】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−クロロイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(100mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
収量:76mg(86%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:2.12(br,2H),3.26−3.74(m,8H),5.21(s,2H),7.31−7.37(m,5H),7.74(t,1H,J=8.1Hz),8.06(d,1H,J=7.6Hz),8.14(s,1H),8.62(d,1H,J=7.8Hz).
【0179】
[製造例33]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−ブロモ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0180】
【化53】

【0181】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(769mg)を製造例1と同様に処理し、標記化合物を黄色アモルファスとして得た。
収量:938mg(m−クロロ安息香酸を含む)
【0182】
[製造例34]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0183】
【化54】

【0184】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−ブロモ−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(200mg)を製造例6と同様に処理し、標記化合物を白色アモルファスとして得た。
収量:106mg(53%)
【0185】
[製造例35]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−ブロモイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0186】
【化55】

【0187】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1ヒドロキシ−4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(47mg)とベンジルブロミド(50mg)とを製造例13と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:63mg(>q)
【0188】
[実施例19]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−ブロモイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0189】
【化56】

【0190】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−ベンジル−4−ブロモイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(63mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量35mg(69%、2ステップ)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:2.13−2.24(m,2H),3.35−3.43(m,4H),3.61(t,2H,J=6.3Hz),3.79(t,2H,J=5.3Hz),5.23(s,2H),7.25−7.39(m,5H),7.71(t,1H,J=7.9Hz),7.96−8.00(m,2H),8.68(d,1H,J=7.9Hz).
【0191】
[製造例36]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シンナミル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0192】
【化57】

【0193】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(46mg)とシンナミルブロミド(53mg)とを製造例4と同様に反応させ、標記化合物を淡褐色油状物として得た。
収量35mg(60%)
【0194】
[実施例20]
1−[(1,2−ジヒドロ−2−シンナミル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0195】
【化58】

【0196】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[(1,2−ジヒドロ−2−シンナミル−4−メチルイソキノリン−1−オン)−5−スルホニル]ホモピペラジン(35mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を白色結晶性粉末として得た。
収量:22mg(79%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:2.06−2.20(m,2H),2.62(s,3H),3.20−3.30(m,4H),3.55−3.65(m,2H),3.73−3.83(m,2H),4.75(d,2H,J=5.9Hz),6.43(dt,1H,J=15.9Hz,6.1Hz),6.62(d,1H,J=16.1Hz),7.20−7.36(m,3H),7.38−7.48(m,2H),7.54(s,1H),7.65(t,1H,J=7.8Hz),7.98(dd,1H,J=7.8Hz,1.2Hz),8.66(dd,1H,J=8.1Hz,1.2Hz).
【0197】
[製造例37]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロシンナミル)−4−メチルイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0198】
【化59】

【0199】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(1−ヒドロキシ−4−メチルイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(211mg)と4−クロロシンナミルブロミド(103mg)とを製造例3と同様に反応させ、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量:155mg(54%)
【0200】
[実施例21]
1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロシンナミル)−4−メチルイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0201】
【化60】

【0202】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[[1,2−ジヒドロ−2−(4−クロロシンナミル)−4−メチルイソキノリン−1−オン]−5−スルホニル]ホモピペラジン(155mg)を実施例1と同様に処理し、標記化合物を淡褐色結晶性粉末として得た。
収量:78mg(57%)
1H−NMRデータ(400MHz,DMSO−d6)δppm:2.13−2.16(m,2H),2.62(s,3H),3.25−3.34(m,2H),3.59−3.62(m,2H),3.78−3.80(m,2H),4.75(d,2H,J=5.6Hz),6.46(de,1H,J=15.9Hz,6.1Hz),7.37(d,2H,J=8.5Hz),7.46−7.53(m,3H),7.65(t,1H,J=7.8Hz),7.98(dd,1H,J=7.8Hz,1.4Hz),8.66(d,1H,J=6.8Hz).
【0203】
[試験例1]
(破骨細胞分化誘導に対する作用)
破骨細胞の調整は池田らの方法に準じて行なった(J.Clin.Invst.114;475−484(2004))。すなわち、C57B1/6マウスより両後肢の大腿骨から得た骨髄細胞をα−MEM培地(10%FBS含有)で懸濁し、4×105cells/mLに調製した。この細胞懸濁液を0.5mLずつ48 well plateに播種し、100倍濃度の化合物を最終濃度0.1、1μMになるように5μL添加した。更に培養液で調製した100倍濃度のM−CSF(最終濃度10ng/mL)及びsRANKL(最終濃度50ng/mL)を最終濃度になるように5μL添加した。その後37℃、5%CO2インキュベーター内で細胞を培養し、培養3日目に培地交換を行った。このときに上記と同じ方法で100倍濃度の化合物、M−CSF(最終濃度10ng/mL)、sRANKL(最終濃度50ng/mL)を新たに添加し、さらに4日間培養後、TRAP染色(Sigma)を行なった。TRAP染色によって赤く染まった多核(3個以上)の細胞を破骨細胞とみなし、2視野の破骨細胞数を測定した。薬物無添加群の阻害率を0%とし、破骨細胞数0個のときの阻害率を100%とし各化合物の阻害率を求めた。結果を表1に示す。表1より本発明の化合物群は破骨細胞分化誘導を強く抑制することがわかった。
【0204】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1)
【化1】

[式中R1及びR2はそれぞれ水素原子、又はアルキル基を示し、R3は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を示し、R4は置換基を有しても良いアルキル基、芳香環上に置換基を有しても良いアリールアルキル基、芳香環上に置換基を有しても良いヘテロアリールアルキル基、又は芳香環上に置換基を有しても良いアリールアルケニル基を示す。]
で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
一般式(1)において、R1及びR2がそれぞれ水素原子、又はC1−C6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基であり;R3が水素原子、C1−C6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はハロゲン原子であり;R4が置換基としてC3−C8のシクロアルキル基を有してもよいC1−C6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、置換基として芳香環上にハロゲン原子で置換されても良いC1−C6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、C1−C6のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、若しくはヒドロキシ基を有してもよいC6−C10アリール−C1−C6アルキル基若しくはC6−C10ヘテロアリール−C1−C6アルキル基、又は置換基として芳香環上にC1−C6のアルキル基、C1−C6のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子若しくはヒドロキシ基を有しても良いC6−C10アリール−C2−C6アルケニル基である請求項1記載の化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
一般式(1)において、R1及びR2がそれぞれ水素原子、又はメチル基であり、R3が水素原子、メチル基、又はハロゲン原子であり、R4がエチル基、シクロプロピルメチル基、置換基としてiso−プロピル基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を有しても良いベンジル基若しくはピコリル基、又は置換基として芳香環上にハロゲン原子を有しても良いシンナミル基である請求項1記載の化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
【請求項5】
リウマチ、骨粗鬆症、パジェット病、又は骨癌の予防及び/又は治療薬である請求項4記載の医薬。

【公開番号】特開2007−223999(P2007−223999A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50364(P2006−50364)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(599118539)株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 (8)
【Fターム(参考)】