説明

新規イミダゾール誘導体及び医薬品としてのそれらの使用

癌及び癌関連疾患の治療のために有用である、一般式(I)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規イミダゾール誘導体及びそれらの医薬的の許容され得る塩類に関する。本化合物は、タンパク質-チロシンキナーゼインヒビター、特にc-met 及びsrcキナーゼのインヒビターであり、それ故に癌を処置するための優れた治療法である。本発明は、癌及び癌関連疾患の治療のための活性剤として、これらの新規化合物を含む医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
WO 96/18626は、2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-フェニル-5-(ピリジン-4イル)-lH-イミダゾールの誘導体であるチロシンキナーゼ及びc-metキナーゼのインヒビターを発表する(実施例5,6及び55)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらそれらは好適でないシトクロムP450相互作用を示す。この不利益を回避し、且つ良好な安定性を有すc-metキナーゼ及びsrcファミリーチロシンキナーゼの強力なインヒビターである本発明に係る化合物がここに見出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って本発明は新規の一般式(I)の化合物、
【化1】

(式中
K、Lは独立して水素;ハロゲン;アルキル;-OH;又は-O-アルキルを表し;
Xは水素;-ORl;-SR2;-S(O)R2;-S(O)2R2;-CH2-S-CH2-C(O)2-CH2-CH3;-CH2-S-(CH2)2-OH又は基A1-Qであり;
式中
A1はCl-C3-アルキレン基を表し;そして
Qは-OR1;-SR2;-S(O)R2;-S(O)2R2;-NR3R4;-NH-(CH2)2-NR3R4又はハロゲンであり;
Rlは水素;アルキル;アリル;ジメチルホスホニルメチル;2,3-エポシキ-1-プロピル;(R)-2,3-ジヒドロキシ-1-プロピル;(S)-2,3-ジヒドロキシ-1-プロピル;1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル;3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-プロピル;2-メトキシエトキシメチル;2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル又は基A1-Q1であり;及び
Qlは-O-アルキル;-CN;-C(0)2H;-C(0)2-アルキル;-C(O)-NR3R4;-S-アルキル;-S(O)-アルキル;-S(0)2-アルキルを表し、そして
Alが1,2-エチレン-又は1,3-プロピレン基である場合、Qlは-OH又は-NR3R4であり;
R3,R4は独立して水素又はアルキルを表し;或いは
窒素原子に結合しているR3及びR4は一緒になって5から7員の飽和又は不飽和環を形成し、それは非置換又はメチル基によって置換され、そしてここでは一つの追加の窒素又は酸素原子が存在し、そして残りの原子は炭素原子であり;
R2はアルキル;ジメチルホスホニルメチル;2,3-エポキシ-1-プロピル;2,3-ジヒドロキシ-1-プロピル;2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル又はA1-Q1であり;
Yはアリール又はヘテロアリール(共に非置換又は1回、2回又は3回ハロゲンにより置換され);-CH2OR5;-R5;-OR5;-NR6R7;-SR5;-S(O)R5;-S(O)2R5;-S(O)NHR5;-S(O)2NHR5;-S(O)NR6R7;-S(0)2NR6R7;-C(O)NHR5;-C(O)NR6R7;又はCNであり;
R5は水素;又は
非置換もしくはOHで置換されたアルキル;-O-アルキル又は-NR6R7であり;
但し2つのヘテロ原子は同一の炭素原子に連結しておらず;
R6、R7はそれぞれ独立して水素又はアルキルを表し;或いは
窒素原子に結合したR6及びR7は一緒になって飽和又は不飽和の5から7員環を形成し、それは非置換又はメチル基で置換され、そしてここで1つの追加の窒素又は酸素原子が存在し、そして残りの原子は炭素原子であり;
Zはハロゲン;-OH;-0-アリル;アルキル;メトキシメトキシ;(2-メトキシエトキシ)メチルオキシ;メチルチオ;エトキシメトキシ;メチレンジオキシ;エチニル;トリメチルシリルエチニル;又は-0-アルキル(ここでのアルキル基は非置換又はピリジニルで置換され);或いは
非置換又はハロゲン;ベンジルオキシ;メトキシ;エトキシ;メチレンジオキシ;-CN;-NO2;又は-C(O)2Hで置換され;そして
Nは1又は2である);並びに
それらの医薬的に許容され得る塩類に関する。
【0005】
本発明に係る化合物はプロテインキナーゼインヒビターとしての活性、特にc-metキナーゼ及びsrcファミリーチロシンキナーゼインヒビターとしての活性を示し、それ故に前記チロシンキナーゼにより仲介される疾患の治療のために有用であり得る。チロシンキナーゼのファミリーは、ペプチド及びタンパク質のチロシン残基をリン酸化することにより、細胞シグナルの調節及び細胞増殖の調節において重要な役割を果たす。不適切なチロシンキナーゼの活性化は炎症性、免疫学的、CNS疾患、又は腫瘍学的疾患、又は骨疾病を含む多様な疾病状態に関与することが公知である。例えばSusva,M.,等.,Trends Pharmacol. Sci. 21 (2000)489-495;Biscardi,J.S.,等.,Adv.Cancer Res.76(2000)61-119を参照。
【0006】
C-met突然変異は遺伝性及び特発性(sporadic)ヒト乳頭状腎細胞癌において広く発表され、そして卵巣癌、小児肝細胞癌、転移性頭部及び頸部扁平上皮癌、及び胃癌において報告された。C-metは更に非-小細胞肺癌及び小細胞性肺癌細胞の両方において、胸部、結腸及び前立腺腫瘍において、過剰に発現する。c-metは多様な腫瘍の腫瘍形成において重要な役割を果たすようであるから、多様な阻害戦略は本受容体チロシンキナーゼを治療標的にするために採用してきた。
【0007】
腫瘍成長及び侵入の阻害に関するプロテイン-チロシンキナーゼc-metの阻害の有用性は、前臨床試験で多くが文書化されて示されている(例えば:Abounader,R.,等.,J.Natl. Cancer Inst.91(1999)1548-1556;Laterra,J.,等.,Lab.Invest.76(1997)565-577;Tomioka,D.,Cancer Res.61(2001)7518-7524;Wang,R.,等.,J.Cell Biol.153(2001)1023-1033)。
【0008】
本発明の化合物は、プロテインチロシンキナーゼ、特にc-met 及びsrcファミリーキナーゼのインヒビターであり、それ故に前記キナーゼにより仲介される疾患;例えば移植による拒絶反応、炎症性腸症候群、関節リウマチ、乾癬、再狭窄、アレルギー性喘息、アルツハイマー病、パーキンソン、発作(stroke)、骨粗鬆症、癌、及び良性肥厚化の予防及び治療における活性剤として使用され得る。
【0009】
本発明の目的は、式(I)の化合物及び医薬的に許容され得る塩類、並びにそれらのエナンチオマー、上記化合物の調製、それらを含む薬物、及びそれらの製造、並びに病気、特に上記の病気及び疾病の制御又は予防における上記化合物の使用、或いは対応の薬剤の製造にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書において使用される用語"アルキル"とは、1から6個、好適には1から4個、より好適には1から3個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素を意味し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル及びそれらの異性体である。
【0011】
本明細書で使用される"Cl-C3-アルキレン"とは、1、2又は3個の炭素原子を有する2価の飽和した直鎖又は分岐した炭化水素を表す。好適には前記Cl-C3-アルキレン基は直鎖である。例えばメチレン-、エチレン-、プロピレン-又はイソプロピレン基である。
【0012】
本明細書で使用される用語"アリール"とは、6から10員の単-又は二環式、芳香族炭化水素環を言う。例えばフェニル、ナフチル、又はインデニルである。好適には当該"アリール"基はフェニルである。
【0013】
本明細書で使用される用語"ヘテロアリール"とは、5から10員の単-又は二環式の芳香族炭化水素環を意味し、ここで1個、2個又は3個、好適には1個又は2個の炭素原子が窒素、酸素又は硫黄によって代替され得る。例えばフリル、チエニル、ピロリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、インドリルである。好適には当該"ヘテロアリール"はピリジルである。
【0014】
"ハロゲン"とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0015】
本発明の態様は式(I)の化合物、
式中K、Lは共に塩素であり;
Xは水素;アルキル又は-O-アルキルであり、そのアルキル基は-OHにより置換され;
Y、Z及びnは上記定義した通りであり;及び
生理学的に許容され得るそれらの塩類である。
【0016】
本発明の他の態様は式(I)の化合物、
式中、
K、Lは共に塩素であり;
Xは水素;アルキル又は-O-アルキルであり、そのアルキル基は-OHにより置換され;
Zはハロゲン又はエチニルであり;
Yは非置換、又はハロゲン;-CH2OR5;-R5;-OR5;-NR6R7;-SR5;-S(O)R5;-S(0)2R5;-S(O)NHR5;-S(0)2NHR5;-S(O)NR6R7;-S(0)2NR6R7;-C(O)NHR5;-C(O)NR6R7;又はCNにより1回置換されたでフェニルであり;
R5は水素;又は
非置換もしくはOHで置換されたアルキルであり;-O-アルキルもしくは-NR6R7であって;但し2つのヘテロ原子は同一の炭素原子に結合されてなく;
R6、R7は独立して水素又はアルキルを表し;
nは1であり;及び
医薬的に許容され得るそれらの塩類である。
【0017】
かかる化合物の例は以下の通りである:
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ- エトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ-エトキシ)フェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-ジメチルアミノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(N-(2-ヒドロキシエチル)- スルファモイル)フェニルアミノ]-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-メチルスルフィニル(sufinyl)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(N-(2-ヒドロキシエチル)スルファモイル)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-ヒドロキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-メトキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-エトキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ-エトキシ)フェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、又は
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール。
【0018】
本発明の他の態様は、式(I)の化合物、
(式中K、Lは共に塩素であり;
Xは水素であり;
Zはハロゲンであり;
Yは-NR6R7で置換されたフェニルであり、
ここで窒素原子に結合しているR6及びR7は、一緒になって5から7員の飽和又は不飽和環を形成し、それは非置換又はメチル基によって置換され、そしてここで一つの追加の窒素又は酸素原子が存在し、そして残りの原子はC-原子であり;
nは1である);及び
医薬的に許容され得るそれらの塩類である。
【0019】
かかる化合物は、例えば:
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-モルホリノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、又は
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-モルホリノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾールである。
【0020】
本発明の他の態様は式(I)の化合物、
(式中、K、Lは共に塩素であり;
Xは水素であり;
Zはハロゲンであり;
Yは非置換又はハロゲン;-CH2OR5;-R5;-OR5;-NR6R7;-SR5;-S(O)R5;-S(0)2R5;-S(O)NHR5;-S(O)2NHR5;-S(O)NR6R7;-S(O)2NR6R7;-C(O)NHR5;-C(O)NR6R7;又はCNにより1、2又は3回置換されたヘテロアリールであり;
R5は水素;又は
非置換もしくはOH;-O-アルキル又は-NR6R7で置換されたアルキルであり;
但し2つのヘテロ原子は同一の炭素原子に結合されてなく;
R6、R7は独立して水素又はアルキルを表し;或いは
窒素原子に結合しているR6及びR7は一緒になって、5から7-員の飽和又は不飽和環を形成し、それは非置換又はメチル基によって置換され、そしてここで1つの追加の窒素又は酸素原子が存在し、そして残りの原子はC-原子であり;
nは1である)及び
医薬的に許容され得るそれらの塩である。
【0021】
本発明の他の態様は式(I)の化合物
(式中、
K、Lは共に塩素であり;
Xは水素であり;
Zはハロゲンであり;
Yは非置換又はアルキルで置換されたピリジニルであり;
nは1である)及び
医薬的に許容され得るそれらの塩である。
【0022】
かかる化合物は、例えば:
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-ピリジニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾールである。
【0023】
更に本発明の他の態様は、請求項1に係る化合物の生産のための方法であり、ここでa)一般式(VI)の化合物
【化2】

は式Y-NH2の化合物と反応して、式(I)の化合物を与え;置換基K、L、X、Y、Z及びnは上記の意味を有し;そしてここでの式(VI)の化合物は、一般式(V)
【化3】

により発表されたチオエーテルのスルフィド基の酸化によって得られ、
それによる式(V)の化合物は、一般式(IV)の化合物
【化4】

のN-脱酸素により得られ、
そして前記一般式(IV)の化合物は一般式(II)の化合物
【化5】

を一般式(III)の化合物
【化6】

と反応させることにより得られ、
b)前記式(I)の化合物を当該反応混合物から単離し、そして
c)所望されるならば、適宜酸又は塩基の付加により医薬的に許容され得る塩へ変える。
【0024】
一般式(I)の化合物は、100から250℃の範囲の温度で、一般式(VI)の化合物とアミンY-NH2との反応、及び当該化合物のその後の単離によって調製することがでる(式中K、L、X、Y、Z及びnは本明細書で上記定義したような意味を有す)。好適には前記アミンの化学量論的な量又は過剰量が使用される。反応はN-メチルピロリドン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はトルエン等の存在中又は不存在中で、且つ慣用の加熱もしくはマイクロウェーブ反応器中で加熱することにより、実施することができる。
【化7】

【0025】
一般式(VI)の化合物は、一般式(V)により発表されたチオエーテルのスルフィド基の酸化により得ることができる。一般式(VI)のスルホンの使用に関し、好適にはoxone(商標)が使用されるが、3-クロロ過安息香酸も作用する。
【0026】
一般式(V)
【化8】

のチオエーテルは、一般式(IV)の化合物のN-脱酸素によって得ることができる。本反応は、好適にはトリエチルアミンの存在中のブロモ酢酸エチルを用いて実施する(Somei, M., and Tsuchiya, M. , Chem. Pharm. Bull. 29 (1981) 3145-3157)。或いはこの還元は、ジメチルホルムアミド中のトリエチル亜リン酸塩の使用によって達成され得る。
【0027】
一般式(IV)の化合物は、一般式(III)の化合物と一般式(II)の化合物を反応させることにより得ることができ、式中の置換基K、L、X及びZ、並びにnは、上記定義したとおりの意味を有す。本反応は縮合であり、そして好適には、他のアルデヒドのための公知の方法を用いてアンモニアの存在中で実施する。
【化9】

【0028】
本発明の更なる態様は、一般式(II)の化合物の使用であり、式中の置換基K、L及びXは、上記方法において発表したような一般式(I)の化合物を製造するために上記定義したような意味を有する。
【0029】
式(I)は2-フェニル-4-フェニル-5-(4-ピリミジニル)-lH-イミダゾールを表し、それは2-フェニル-5-フェニル-4-(4-ピリミジニル)-lH-イミダゾールの互変異体である。両互変異体は同じ構造を表し、それらの命名は同義に使用してよく、そして両互変異体は本発明の一部である。
【0030】
一般式(I)の化合物は、1つ又はいくつかのキラル中心を含むことができ、そしてラセミ体又は任意に活性の形態に存在することができる。当該ラセミ化合物は公知の方法によりエナンチオマーに分離することができる。例えば、結晶化により分離され得るジアステレオマー塩は、任意に活性酸、例えばD-又はL-酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸又はカンファースルホン酸等との反応により、ラセミ混合物から形成される。或いはエナンチオマーの分離は、商業的に入手され得るキラルHPLC-相上のクロマトグラフィーを用いることによっても達成され得る。
【0031】
本発明に係る化合物は、それらの医薬的に許容され得る塩類の形態で存在してよい。本明細書上記で使用された用語"医薬的に許容され得る塩"とは、式(I)の化合物の生物学的効果及び特質を保持する慣用の酸付加塩又は塩基付加塩を言い、そして適宜非毒性の有機酸もしくは無機酸、又は有機塩基もしくは無機塩基から形成される。酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及び硝酸等から由来するもの、及び有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸等から由来するものを含む。塩基付加塩の例は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム及び、水酸化第4級アンモニウム、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムから由来するものを含む。医薬化合物(例えば、薬物)の塩への化学修飾は、化合物の改善した物質的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性を得るための、薬化学において周知技術である(例えばAnsel,H.,等., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 6th ed.,(1995), pp.196及び1456-1457を参照)。
【0032】
src-ファミリーチロシンキナーゼ及びc-metキナーゼに関するインヒビターとしての本発明に係る化合物の安定性は以下のアッセイを用いることによって評価され得る。
【0033】
SRC-Iインヒビター-アッセイパラメーター:
【0034】
反応混合物:
ATP 5μM
ペプチド (Ro +Jal33-Ro):10μM
Jal33-Ro 196 nM
Ro 9.8 uM
PT66 230ng/ml
【0035】
アッセイ緩衝剤: 4 mMMgCl2
2 mM TCEP
50 mM HEPES
0,1 % Tween 20
pH 7.3
【0036】
酵素: 2.5U/ml
インヒビター: 最大25μM
最小0.42 nM
【0037】
材料:
Eu-ラベル化ホスホチロシン抗体 :-Lck Cisbio Mab PT66-K、
-Src EG & G Wallac PT66 Eu-W1024
(全て商業的に入手可能)。
ペプチド:Ro:NH2-A-E-E-E-I-Y-G-E-F-E-A-K-K-K-K-CONH2
及びJal33-Ro:Jal33-G-アミノカプリル酸-A-E-E-E-I-Y-G-E-F-E-A-K-K-K-K-CONH2、ここでJal33は、LightCycler-Red 640-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルである;
ここでの両ペプチドはZinsser SMP350ペプチドシンセサイザーでの最適化した固相ペプチド合成プロトコール(Merrifield,Fed.Proc.Fed.Amer.Soc.Exp.Biol.21(1962)412)により合成された。簡潔には、当該ペプチドは、側鎖官能基に依存している、一時的なピペリジン不安定性Fmoc-及び永続する酸不安定性tert-Bu-、BOC-及びOtert-Bu-基によりそれぞれ保護される20倍過剰なアミノ酸を繰り返し結合させることにより、160 mg (22.8μmol スケール)のRink-Linker修飾したポリスチレン固相を会合させた。基質(substrate)配列AEEEIYGEFEAKKKKはスペーサーアミノ酸、アミノカプリル酸及びグリシンと共にN-末端に付加的に取り付けられた。N-末端の開裂後、なお結合している一時的な保護基及び保護されたペプチドは、1.5倍量のLightCycler-Red 640-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Roche Diagnostics GmbHより購入)及びトリエチルアミンでラベルした。3時間後、青色の樹脂の溶出液が無色になるまで、樹脂をジメチルホルムアミド及びイソプロパノールで洗浄した。完全に保護及びラベルしたペプチドを固相から除去し、そして80%のトリフルオロ酢酸、10%のエタンジチオール、5%のチオアニソール及び5%の水の混合物での処理により永続的な保護基から放出した。基質は最終的に前段階の逆相HPLC精製により単離された。当該精製は12.2 mgのRP-HPLC単一ピークの純粋な青色の材料(lyophilisate)を産した。同一性はMALDI質量分析により証明された[2720.0]。
【0038】
酵素:Upstate Lck(p56lck、活性)、Upstate Src(部分的に精製したp60C-srC)をUBIから購入した。
【0039】
時間分解蛍光アッセイ:リーダー:Perkin Elmer、Wallac Viktor 1420-040マルチラベルカウンター;液体ハンドリングシステム:Beckman Coulter、Biomek 2000。
【0040】
ATP、Tween 20、HEPESをRoche Molecular Biochemicalsから購入し、MgCl2及びMnCl2をMerck Eurolabから購入し、TCEPをPierce、から購入し、384ウェル低容量蛍光プレートをFalconから購入した。
【0041】
アッセイの説明:
最初に当該酵素を15分間、15℃で、水性溶液中で、本発明に係るインビヒターに相当する量を前培養する。その後、リン酸化反応はATP、ペプチド及びPT66を含む反応混合物を付加し、その後、振動することにより開始される。本反応の進行は、適宜ウェルプレートリーダー中で時間分解蛍光分光法を用いて迅速にモニターされる。
【0042】
IC50-値は、非線形性曲線フィット(エクセルフィット)を用いることによる反応速度から得ることができる。
【表1】

【0043】
C-met-インヒビターアッセイ:
アッセイ原理
C-metは典型的なチロシンキナーゼであり、転移、増殖/アポトーシス及び腫瘍の血管形成に関与する。当該アッセイは、ホスホチロシン特異的抗体を用いてc-metのリン酸化を測定する、ELISAタイプアッセイである。
【0044】
高い含有量のc-metが知られているヒト結腸腺癌HT29の細胞溶解物は、抗-hHGF受容体抗体(抗-hHGFR)を経由してマイクロタイタープレート(MTP)のウェルと結合する。c-metのATP-リン酸化反応は、ホスホ-チロシンマウスIgG及びPODラベル化ヤギ抗-マウスIgG検出システムを用いることによって、試験化合物の存在又は不存在を検出する。古典的なPOD基質TMBを使用する450 nm/620nmでの吸収は、酵素活性を算出するために使用される。
【0045】
材料:
プレート:96-ウェルポリスチレンプレート(NUNC)ストレプトアビジンを覆ったマイクロタイタープレート
細胞株/溶解物:HT29 (ATCC HTB-38)、ヒト結腸線癌(コンフルエンス:2.5x105細胞/cm2)PBSで洗浄し、そして溶解緩衝剤で10分間、氷上で培養した。上澄みを収集し、そしてTBSで希釈した。溶解物は液体窒素中でショック凍結させて、-80℃で貯蔵した)
試薬(特に断わりのない限り、全ての処理溶液は4℃に保つ):
抗-hHGFR検出ストック溶液:50μg/ml(R&D Systems,Cat.No.BAF 358)
抗体最終濃度:1μg/ml
p-Tyr(PY99)マウスストック溶液:200μg/ml(Santa Cruz Biotechnology,モノクローナルIgG2b Cat. No. SC-7020)最終濃度:0.2μg/ml
ヤギ-抗-マウスIgG:2 ml(BIO RAD、Cat.No.170-6516)(H+L)-HRP結合;最終濃度:1: 2000
遮断剤:Roche Diagnostics GmbH, Cat. No.1112589、TBS中のELISA用溶出液1:10
ATP:アデノシン-5'-3リン酸、ストック溶液10 mM、ストック溶液lOmM(Roche Diagnostics GmbH, Cat. No.127531)最終濃度:40μM
TBS:Tris-緩衝生理食塩水, 50 mM TRIS pH 7.5 (Roche Diagnostics GmbH, Cat. No.708976),150mMNaCI (SIGMA, Cat. No. S-3014)
洗浄緩衝剤TBS-T:トリス-緩衝化生理食塩水、50 mM TRIS pH 7.5 150mM NaCl、0.5%のTween20キナーゼ緩衝剤を含む:
トリス-緩衝化生理食塩水、50 mM TRIS pH 7.5、100 mM NaCl、60 mM MgCl2(SIGMA Chemical Company, Cat. No. M-1028)
溶解緩衝剤:50 mM TRIS pH 7.5、1% Nonidet P40(Roche Diagnostics GmbH, Cat. No. 1754599)、0.5%デオキシコール酸(SIGMA Chemical Company, Cat.No.D-6750)最終濃度を含む:1mM 1mM PMSFショック溶液70 mM(Roche Diagnostics GmbH, Cat. No.837091 40μ1/ml Complete (Roche Diagnostics GmbH, Cat. No.1836145)最終濃度:40μl/ml
TMB:テトラメチルベンジジン(Intergen Company, Cat. No. 91000)
サンプル:DMSO(-20℃で貯蔵)中10 mM、室温で解凍
【0046】
手順:
1.遮断剤中の50μlの抗-hHGFR検出抗体をアッセイプレートへ付加し(最終濃度lμg/ml)、アッセイプレートを60分間、室温で、MTPシェーカー上で培養する。
2.アッセイプレートから抗-hHGFR検出抗体溶液を除去する。
3.250μlの遮断剤をウェルごとにアッセイプレートへ付加し、アッセイプレートを20 時間、4℃で培養する。
4.アッセイプレートから遮断剤を除去する。
5.50μlのHT29溶解物を付加し、アッセイプレートを180分、4℃で、MTPシェーカー上で培養する。
6.アッセイプレートを2×200μlのTBS緩衝剤でウェルごとに洗浄する。
7.40μlのキナーゼ緩衝剤中の0.2%DMSOをアッセイプレートに付加する。
8.40μlのサンプル溶液(キナーゼ緩衝剤中に溶解した-最終濃度22.5μM)を付加する。9.MTP中にサンプルを溶かす(1:3の比率)。
10.キナーゼ緩衝剤(200μM)中に溶解した10μlのATPをサンプルへ付加する(最終濃度40μM ATP)。陽性コントロール:40μlのキナーゼ緩衝剤+10μlの200μM ATPを付加する。陰性コントロール:ATPなしで、40μlのキナーゼ緩衝剤+10μlのキナーゼ緩衝剤を付加する。60分、室温、MTPシェーカー上でアッセイプレートを培養する。
11.アッセイプレートを2×200μlのTBS緩衝剤で洗浄し、そして2×200μlの遮断剤でウェルごとに洗浄する。
12.遮断剤中の50μlのP-Tyr(PY99)マウスモノクローナルIgG2bをアッセイプレートに付加し(最終濃度200 ng/ml)、アッセイプレートを一晩4℃で、MTPシェーカー上で培養する。
13.アッセイプレートを2×200μ1のTBS緩衝剤で洗浄し、そしてウェルごとに2×200μlの遮断剤で洗浄する。
14.50μ1のヤギ抗-マウスIgG(H+L)-HRP結合を遮断剤中に付加し(1:2000比率)、アッセイプレートを60分、室温で、MTPシェーカー上で培養する。
15.アッセイプレートを6×200μlのTBS-T緩衝剤でウェルごとに洗浄する。
16.50μlのTMB溶液を付加し、30分、室温で、MTPシェーカー上で培養し、25μlの1M H2SO4を付加する。
17.450nm/620nmでの最適密度(E)を測定する。
18.以下のように%阻害を算出する:
1-[(Eサンプル−E陰性コントール)/(E陽性コントロール−E陰性コントロール)×100]。
【0047】
【表2】

【0048】
結果として式(I)の化合物、及び医薬的に許容され得る式(I)の化合物の塩類は、薬として、例えば医薬品の形態で使用することができる。医薬品は経口、例えば錠剤、コート錠、糖衣錠、ハード及びソフトゼラチンカプセル、溶液、エマルション、又はサスペンションの形態で投与され得る。しかしながら当該投与は経直腸、例えば坐薬の形態、非経口、例えば注射液の形態でも有効であり得る。
【0049】
式(I)の化合物は、医薬品の生産のための医薬的に不活性な無機又は有機担体と共に処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、例えば錠剤、コート錠、糖衣錠及びハードゼラチンカプセルのための担体等に使用することができる。ソフトゼラチンカプセルのための適した担体は、例えば、ベジタブルオイル、ワックス、脂肪,半-固体及び液体ポリオール等である。しかしながら、ソフトゼラチンカプセルの場合、担体でない天然の活性成分に依存することが通常必要とされる。溶液及びシロップの製品のために適した担体は、例えば水、ポリオール、グリセロール、ベジタブルオイル等である。坐薬のために適した担体は、例えば、天然又は固化(hardened)オイル、ワックス、脂肪、半-液体又は液体ポリオール等である。
【0050】
更に医薬品は、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩類、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤を含むことができる。それらは更に他の医薬的に価値のある物質も含むことができる。
【0051】
好適な医薬品は以下の手順を用いて獲得した:
1.特注で作製されたチューブGL 25,4 cm(ビーズがチューブの半分を満たす)の中で4.0gの重さのガラスビーズを量る。
2.50 mgの化合物を付加し、反射鏡(spatulum)及び渦巻きにより分散させる。
3.2 mlのゼラチン溶液(ビーズ重量:ゼラチン溶液=2:1)加え、渦を巻く。
4.光防護のためにアルミ箔でキャップ及びラップする。
5.粉砕のためにカウンターバランスを調製する。
6.4時間、20/sで、Retschミル中で粉砕する(いくつかの物質に関し、24時間まで、30/s)。
7.フィルターホルダー上に2相のフィルター(100μm)を有すビーズから懸濁物を抽出し、400gを2分間遠心分離することにより受容バイアルを連結させる。
8.抽出物を移動させ、シリンダーを測定する。
9.少量ずつ(ここでは1 mlずつ)、最終容量に達するまで、又は抽出物が透明になるまで繰り返し洗浄する。
10.ゼラチンを最終容量まで充填し、そして均質化する。
【0052】
上記調製では、1から10μmの粒子径を有し、且つ経口適用に適する式(I)の化合物のマイクロサスペンションを産する。
【0053】
更に好適な本発明に係る化合物の医薬品は、以下のような湿式造粒による錠剤である。
【表3】

【0054】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、そして純水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適した粉砕装置を通して圧迫する。
4.品目5を付加し、そして3分間混合し;適した圧迫で圧縮する。
【0055】
更なる他の好適な医薬品は、以下の手順による本発明に係る化合物を含むカプセル製品である。
【表4】

【0056】
製造手順
1.品目1、2及び3を適したミキサー中で30分間混合する。
2.品目4及び5を付加し、そして3分間混合する。
3.適したカプセル中に充填する。
【0057】
患者に投与される本発明に伴う化合物の投与量は、広範囲の中で変化させてよく、そしてそれぞれ特定の場合における個別の要求に調整する必要もあるだろう。一日投与量は単回投与又は分割投与として投与されてよく、そして更に、上限は、指定される一日投与量が見出された場合に上回ることができる。
【0058】
従って本発明の目的は、1つ以上の式(I)の化合物を、医薬的に許容され得る賦形剤と一緒に含む医薬組成物である。
【0059】
本発明の他の目的は、腫瘍成長の阻害のための上記のような医薬組成物である。
【0060】
更に本発明の他の目的は、癌を処置するための式(I)の化合物の使用である。
【0061】
本発明の更に他の目的は、式(I)の化合物のc-met-又はsrcチロシンキナーゼにより仲介される疾患を処置するための医薬の製造のための使用である。
【0062】
本発明の更に他の目的は、式(I)の化合物の腫瘍成長の阻害のための医薬の製造のための使用である。
【0063】
以下の実施例及び調製は本発明を説明するが、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0064】
A 置換された2,6-ジクロロベンズアルデヒドの合成
【0065】
実施例Al
2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(Al)
3,5-ジクロロトリイソプロピルシリルオキシベンゼンの調製(Al.1)
3.0Lの乾燥CH2C12中の200 gの3,5-ジクロロフェノール及び330 mlの2,6-ルチジンの溶液へ400 gのトリイソプロピルシリルトリフレートを0℃で、1時間以内で付加し、そして当該混合物を更に3 時間、この温度で攪拌した。1.0Lの水で加水分解した後、有機層を飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして乾燥物へと蒸発させた(70℃/80 mbar)。残留物を石油エーテル中に採取し、そしてSiGelを通して濾過し、360 g(92%)のAl.lを無色のオイルとして得た。
【0066】
1H-NMR (250 MHz, CDC13)δ = 1.03-1.15 (m, 18 H, CH3) ; 1.16-1.35 (m, 3H CH); 6.73-6.80 (m, 2 H, CHarom.); 6.92-6.98 (m, 1 H, CHarom)
13C-NMR (62.9 MHz, CDC13)δ = 12.7 (CH); 18.0 (CH3); 119.0, 121.6 (CHarom.) ; 135.2, 157.4(Carom.)
【0067】
2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(Al)及び2,6-ジクロロ-4-トリイソプロピルシリルオキシ-ベンズアルデヒドの調製(Al.2)
【0068】
2.6 Lの乾燥テトラヒドロフラン440 ml中の360 gのAl.l溶液へn-BuLi (ヘキサン中2.7 M)を窒素下で-65℃未満の温度を保ち付加した。2時間、-70℃で攪拌した後、120 mlの乾燥ジメチルホルムアミドを-65℃未満の温度を保ちながら付加した。当該混合物を一晩かけて室温まで暖めた。700mlの4 M HClを付加した後、当該混合物を1時間、室温で激しく攪拌した。その後、相を分離し(固体NaClの付加を必要としてよい)、そして有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で減圧した。トルエン/テトラヒドロフランからの沈殿の再結晶では、154 g (70%)のAlを産した。融点229-230℃。
【0069】
1H-NMR (250 MHz,DMSO-D6)δ = 6.94 (s, 2 H,CHarom.) ; 10.25 (s,1 H,CH=O), 11.46 (s (br), 1 H, OH)
13C-NMR (62.9 MHz,DMSO-D6)δ= 117.0(CHarom) ; 120.7, 137.8, 162.1(Carom.) ;187. 2(CH=O)
【0070】
実施例A2
2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルベンズアルデヒド(A2)
3,5-ジクロロ(トリイソプロピルシリルオキシメチル)ベンゼン(A2.1)の調製
実施例Al.1で発表したものと類似の反応であるが、3,5-ジクロロベンジル型アルコールによる出発では、同様の収率で無色のオイルとして標題の化合物を得た。
【0071】
1H-NMR (250 MHz,CDC13)δ = 0.96-1.25 (m, 21 H,i-Pr) ; 4.78 (s, 2H,OCH2) ; 7.23 (s, 2H,CHarom.)
13C-NMR (62.9 MHz,CDC13)δ= 12.1 (CH); 18.1(CH3) ; 64.0(OCH2) ; 124.2, 127.0(Caroms) ; 134.9, 145.3(Carom)
【0072】
2,6-ジクロロ-4-(トリイソプロピルシリルオキシメチル)ベンズアルデヒドの調製(A2.2)
220 mlの乾燥テトラヒドロフラン中の70 gのA2.1の溶液へ131 mlのn-BuLi(ヘキサン中1.6 M)を窒素下で、-70℃未満の温度を維持して付加した。45分間、-75℃で攪拌した後、28 mlの乾燥ジメチルホルムアミドを-65℃未満の温度を維持しながら付加した。当該混合物を追加的に30分間、-75℃で攪拌し、そしてその後、0℃へ3時間暖めた。2時間後、0℃で、150 mlの氷水及び150 mlのエーテルを付加した。当該相を分離し、そして水性層を100 mlのエーテルで抽出した。組合せた有機層を水性NaClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして乾燥物へと蒸発させた。収率:氷状態で固化した淡茶色のオイルとして73 g(95%)のA3.2。
【0073】
1H-NMR (250 MHz, CDC13)δ = 1.03-1.28 (m, 21 H, i-Pr) ; 4.82 (s, 2H, OCH2) ; 7.37 (s, 2 H, CHarom) ; 10.48 (s, 1 H, CH=O)
13C-NMR (62.9 MHz, CDC13)δ = 12.0 (CH); 18.1 (CH3) ; 63.6 (OCH2) ; 126.8 (Carom.H) ; 128. 6,137. 2,149.0 (Carom.) ;188.8(CH=O)
【0074】
2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルベンズアルデヒド(A2)の調製
1100 mlのエタノール中の65 g (0.18 mol)のA2.2の溶液に、50℃で、180 mlの0.25 N HClを付加し、そして当該混合物を6時間、85℃で攪拌した。エタノールを真空中で除去したらすぐに、産物を沈殿させた。700 mlの酢酸エチル/石油エーテル(2:1)を付加し、そして有機層を水と水性NaClで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。当該溶液を約100 gへ減少させて、そして200 mlの暖かい石油エーテルを付加し、そしてすぐに50℃に暖めた。一晩で室温状態にした後、沈殿したA2をろ過し、そして石油エーテル/酢酸エチル(15:1)で洗浄した。収率:24.3 g (66%)。カラムクロマトグラフィーによる母液の精製は、更に4 gのA2(融点109-110℃)を産した。
【0075】
1H-NMR (250 MHz, CDC13)δ = 1.99 (t, 4.4 Hz, 1 H, OH); 4.74 (d, 4.4 Hz, 2H, OCH2) ; 7.40 (s, 2 H, CHarom.) ; 10.48 (s, 1 H, CH=O)
13C-NMR (62.9 MHz, CDC13)δ = 63.4 (OCH2) ; 127.5 (CaromH) ; 129.2, 137.4, 147.9 (Carom.) ; 188. 7 (CH=O)
【0076】
実施例A4
メチル(3,5-ジクロロ-4-ホルミルフェノキシ)アセテート(A4)の調製
6 mlの乾燥アセトン中の382 mg(2.0 mmol)のAl、337 mg(2.2 mmol)のメチルブロモアセテート及び387 mg(2.8 mmol)の炭酸カリウムの混合物を2時間、60℃で攪拌した。ろ過及び溶媒の除去後、残渣をSiGel(ヘキサン/酢酸エチル4:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率:508 mg (97%)A4、無色固体。
【0077】
1H-NMR (250 MHz,DMSO-D6)δ = 3.72 (s, 3 H, CH3) ; 5.04 (s, 2 H, CH2) ; 7.28 (s, 2H, CHarom) ; 10.29 (s, 1 H,CH=O)。
13C-NMR (62.9 MHz, DMSO-D6)δ = 52.1 (CH3), 65.2 (CH2) ; 116.5 (CHarom.) ; 123.1, 137.5, 161.1 (Carom) ; 168.3 (C=O) ; 187.8 (CH=O)。
【0078】
B "Weinreb"-タイプアミドの合成
実施例B1
3-ブロモ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(B1)
650 mlの乾燥ジクロロメタン中の48.9 g (0.491 mol)のN,O-ジメチルヒドロキシルアミンハイドロクロライド及び140.0 ml(1.00 mol)のトリエチルアミンの氷冷溶液へ100.0 g(0.447 mol)の3-ブロモベンゾイルクロライドを30分かけて付加した。30分間追加の攪拌をした後、370mlの水を付加し、その後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空中での分画蒸留は、101.4 g(93%)のB1を産した。無色のオイルとして、沸点114-129℃/0.07 mbar。
MS: 246 (API+)
【0079】
1H-NMR (250 MHz,CDC13) :δ = 3.35 (s, 3H, NCH3), 3.56 (s, 3H, OCH3), 7.27 (t,1H, 5-H), 7.58 (m, 1H, 4-H), 7.60 (m, 1H, 6-H), 7.82 (t,1H, 2-H)。
【0080】
実施例B2
3-クロロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(B2)
実施例B1で発表したものと類似の反応であるが、3-クロロベンゾイルクロライドでの出発はB2を産する。
MS: 200 (API+)
【0081】
実施例B3
4-クロロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(B3)
実施例B2で発表したものと類似の反応であるが、4-クロロベンゾイルクロライドでの出発はB3を産した。
MS: 200 (API+)
【0082】
実施例B4
3-ヨード-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(B4)
実施例B1で発表したものと類似の反応であるが、3-ヨードベンゾイルクロライドでの出発はB4を産した。
MS: 292 (API+)C
【0083】
"エナンチオマー"の合成
実施例Cl
1-(3-ブロモフェニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-エタノン(Cl)
【0084】
19.8ml(140 mmol)のジイソプロピルアミンを250 mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させて-75℃に冷却し、そして87.6 mlのn-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中1.6 M、140 mmol)を20分かけて付加した。15分、-75℃で攪拌した後、80 mlの乾燥テトラヒドロフラン中の13.1 g(93 mmol)の2-メチルチオ-4-メチルピリミジンの溶液を、30分以内に-75℃で付加し、そして当該混合物を更に15分攪拌した。その後、25.1 g (103 mmol)のBlの溶液を30分以内で、-75℃で付加した。当該混合物を室温まで暖め、そして600 mlの酢酸エチル/水(1:1)を注いだ。水性相を50 mlの酢酸エチルで抽出し、そして組合せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空での溶媒の除去は、23.3 g (77%)のClを産生した。融点98-101℃。
【0085】
MS: M = 325 (ESI+), M = 323 (ESI-)。
1H-NMR (250 MHz, CDCl3: "エノール" (75%)δ = 2.62 (s, 3H, SCH3), 5.97 (s, 1H, CH=C), 6.66 (s, 1H, 5-H-ピリミジン), 8.34 (d, 1H, 6-H-ピリミジン), 14.7 (s, 1H, OH)。
【0086】
"ケト"(25%)δ = 2.52 (s, 3H,SCH3), 4.35 (s, 2H,CH2), 6.97 (d, 1H, 5-H- ピリミジン), 8.46 (d, 1H, 6-H-ピリミジン)。
【0087】
実施例C2
1-(3-クロロフェニル)-2- (2-メチルチオピリミジン-4-イル)-エタノン(C2)
実施例C1で発表したものと類似の反応であるが、B2での出発はC2を産した。
MS : 279 (API+)
【0088】
実施例C3
1-(4-クロロフェニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-エタノン(C3)
実施例C1で発表したものと類似の反応であるが、B3での出発はC3を産した。
MS: 279 (API+)
【0089】
実施例C4
1-(3-ヨードフェニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-エタノン(C4)
実施例C1で発表したものと類似の反応であるが、B4での出発はC4を産した。
MS: 371 (API+)
【0090】
実施例C5
1-(3-トリメチルシリルエチニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-エタノン(C5)
260 mlの乾燥THF中の16.3 g(44.0 mmol)のC4の溶液へ、10℃で、窒素下で、1.5 gの(2.2 mmol)ビス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム-II-クロライド、900 mg(4.7 mmol)のヨウ化銅(I)、12 ml(85 mmol)のトリメチルシリルアセチレン及び30mlのジイソプロピルアミンを付加し、そして当該混合物を攪拌し、そして引き続き室温に暖めた。室温で、一晩攪拌した後、260 mlの水を付加して、そして当該混合物を2回エーテルで抽出した。有機層を分離して、乾燥させて、そして乾燥物へと蒸発させた。SiGel(イソ-ヘキサン/酢酸エチル3:1)上での残渣のカラムクロマトグラフィーは、12.5g(83%)のC5を産した。
MS: 341 (API+)
【0091】
D "ケトオキシム"の合成
実施例Dl
1-(3-ブロモフェニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-2-ヒドロキシイミノ-エタノン(D1)
12.75 g(39.5 mmol)のClを173 mlの氷酸(glacial acid)、136 mlのテトラヒドロフラン及び17 mlの水の混合物中に溶解した。5℃に冷却後、25 mlの水中の3.24 g (47.0 mmol)の亜硝酸ナトリウムの溶液を付加し、温度を5℃から10℃に維持した。冷却を外し
、そして当該混合物を6時間、室温で攪拌した。真空で溶媒を除去した後、320 mlの水と320 mlの酢酸エチルを付加した。pHを3 N NaOHで8に調整した。相を分離し、そして水性層を50 mlの酢酸エチルで抽出した。組合せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を真空中で除去した。残渣をジエチルエーテルで処理し、ろ過しそして乾燥させた。
【0092】
収率:8.33 g(60%)のD1、融点156-158℃。
MS: M = 352 (ESI+)、M = 340 (ESI-)。
1H-NMR (250 MHz, D6-DMSO):δ= 2.20 (s, 3H, SCH3), 7.54 (t, 1H, 5-H-BrPh), 7.66 (d, 1H, 5-H-ピリミジン), 7.81 (m, 1H), 7.92 (m, 2H), 8.70 (d, 1H, 6-H- ピリミジン), 12.9 (s, 1H, OH)。
【0093】
実施例D2
1-(3-クロロフェニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-2-ヒドロキシイミノ-エタノン(D2)
【0094】
実施例D1で発表したものと類似の反応であるが、C2での出発はD2を88%の収率で産した。
MS:308 (API+)
【0095】
実施例D3
1-(4-クロロフェニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-2-ヒドロキシイミノ-エタノン(D3)
実施例D1で発表したものと類似の反応であるが、C3での出発はD3を76%の収率で産した。
MS:308 (API+)
【0096】
実施例D4
1-(3-トリメチルシリルエチニル)-2-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-2-ヒドロキシイミノ-エタノン(D4)
【0097】
実施例D1で発表したものと類似の反応であるが、C5での出発はD4を54%の収率で産した。融点140-145℃。
MS 370 (API+), 368 (API-)
【0098】
E "N-ヒドロキシイミダゾール"の合成
実施例E1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E1.1)
【0099】
27.9 g(79.3 mmol)のD1、14.6 g(83.2 mmol)の2,6-ジクロロベンズアルデヒド及び61.0 g(793 mmol)の酢酸アンモニウムを550 mlの氷酸(glacial acid)中に溶解させ、そして100℃で150分間攪拌した。氷酸を真空中で蒸留し、そして残渣を酢酸/水で処理し、そして濃縮した水性アンモニアでpH8にした。沈殿物をろ過し、酢酸エチルで洗浄し、そして乾燥させて、24.8 g(62%)のE1を産した。融点251-253℃。水性層を酢酸エチルで抽出し、そして組合せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空中で溶媒を除去し、そしてジエチルエーテルで処理し、更に8.9 g(22%)のEl.lを産した。
MS: M = 509 (API+), 507 (API-)
【0100】
実施例E2.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E2.1)
【0101】
実施例E1.1で発表したものと類似の反応であるが、D2での出発はE2.1を85%の収率で産した。
MS: M = 465 (API+), 463 (API-)
【0102】
実施例E2.2
2- (2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオ-ピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E2.2)
【0103】
実施例E1.1で発表したものと類似の反応であるが、D2及びA2での出発はE2.2を67%の収率で産した。
MS : M = 495 (API+), 493 (API-)
【0104】
実施例E2.3
2-(2,6-ジクロロ-4-[メトキシカルボニルメトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E2.3)
【0105】
実施例E1.1で発表したものと類似の反応であるが、D2及びA2での出発はE2.3を98%の収率で産した。
MS : M = 553 (ESI+), 551 (ESI-)
【0106】
実施例E3.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E3.1)
【0107】
実施例E1.1で発表したものと類似の反応であるが、D3での出発はE3.1を96%の収率で産した。
MS : M = 465 (API+), 463 (API-)
【0108】
実施例E4.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-トリメチルシリルエチニルフェニル)-5-(2-メチルチオ-ピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E4.1)
【0109】
実施例E1.1で発表したものと類似の反応であるが、D4での出発はE4.1を61%の収率で産した。
MS : M = 525 (API+), 523 (API-)
【0110】
実施例E4.2
2-(2,6-ジクロロ-4-[メトキシカルボニルメトキシ]フェニル)-4-(3-トリメチルシリルエチニルフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-ヒドロキシ-イミダゾール(E4.2)
【0111】
実施例E1.1で発表したものと類似の反応であるが、D4及びA4での出発はE4.2を80%の収率で産した。
MS : M = 541 (ESI+), 539 (ESI-)
【0112】
F "N-Hイミダゾール"の合成
実施例F1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F1.1)
78.1 g(130 mmol)のE1.1、59.8 g(391 mmol)のメチルブロモアセテート及び181.6 ml (1.3 mol)のトリエチルアミンを3.35Lのメタノール中に溶解させ、そして60℃で一晩攪拌した。真空で溶媒を除去後、残渣を酢酸エチル/水の間に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、乾燥物へと蒸発させて、残渣をジイソプロピルエーテルで処理し、ろ過し、そして乾燥させた。収率: 44.1 g (69%)のF1、融点183-186℃。
【0113】
MS: M = 493 (ESI+), M = 491 (ESI-)
1H-NMR (250 MHz, D6-DMSO):δ= 2.18(s, 3H,SCH3), 7.43(t,1H, Ar-H), 7.5-7.8(m, 5H, Ar-H), 7.87 (s,1H, 2-H-BrPh), 8.56 (d, 1H, 6-H-ピリミジン), 13.4(s,1H, OH)。
【0114】
実施例F2.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F2.1)
【0115】
実施例F1.1で発表したものと類似の反応であるが、E2.1での出発はF2.1を64%の収率で産した。
MS : M = 449 (API+), 447 (API-)
【0116】
実施例F2.2
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F2.2)
【0117】
実施例F1.1で発表したものと類似の反応であるが、E2.2での出発はF2.2を98%の収率で産した。
MS : M = 479 (API+), 477 (API-)
【0118】
実施例F2.3
2-(2,6-ジクロロ-4-[メトキシカルボニルメトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F2.3)
【0119】
実施例F1.1で発表したものと類似の反応であるが、E2.3での出発はF2.3を定量的収率で産した。
MS: M = 535 (ESI+)
【0120】
実施例F2.4
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオ-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F2.4)
【0121】
窒素下にある50 mlの乾燥THF中の2.30 g(4.3 mmol)のF2.3の溶液へLiAlH4(THF中1M)をF2.3がHPLCでもはや検出できなくなるまで付加した。0.4 mlの水で加水分解し、そして溶媒を除去した後、残渣をALOX(酢酸エチル)に基づくカラムクロマトグラフィーにより精製し、52%のF2.4を産した。
MS : M = 507 (API+)
【0122】
実施例F3.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F3.1)
【0123】
実施例F1.1で発表したものと類似の反応であるが、E3.1での出発はF3.1を80%の収率で産した。
MS : M = 449 (API+), 447 (API-)
【0124】
実施例F4.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F4.1)
【0125】
実施例F1.1で発表したものと類似の反応であるが、E4.1での出発はF4.1を99%の収率で産した。
MS : M = 437 (API+), 435 (API-)
【0126】
実施例F4.2
2-(2,6-ジクロロ-4-[メトキシカルボニルメトキシ]フェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-メチルチオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F4.1)
【0127】
実施例F1.1で発表したものと類似の反応であるが、E4.2での出発はF4.2を定量的収率で産した。
MS: M = 523 (ESI-)
【0128】
実施例F4.3
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-メチル-チオピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(F4.3)
【0129】
実施例F2.4で発表したものと類似の反応であるが、F4.2での出発はF4.3を55%収率で産した。
MS: M = 495 (ESI-)
【0130】
G "N-H-イミダゾールスルホン"の合成
実施例G1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-5-(2-メタンスルホニルピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G1.1)
【0131】
2.15 L中のメタノール中の44.3 g(90.0 mmol)のF1.1の溶液へ1.7Lの水中の116.2 g(189 mmol)のoxone(商標)の溶液を付加した。5時間室温で攪拌後、メタノールを蒸留し、残渣を酢酸エチルで採取し、飽和した水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、乾燥物へと蒸発させた。SiGel(n-ヘプタン/酢酸エチル、勾配3:1から1:1)での残渣のクロマトグラフィーは34.1g(72%)のGl.lを産した。融点231-233℃。
MS: M = 525 (ESI+), M = 523 (ESI-)。
【0132】
1H-NMR(250 MHz, CDCl3):第一の互変異体(57%)δ = 3.35 (s, 3H, CH3), 7.3-7.7 (m, 6H, Ar-H), 7.84 (t, 1H, 2-H-Br-Ph), 8.64 (d, 1H, 6-H-ピリミジン), 11.2 (s, 1H, NH)。
第二の互変異体(43%)δ = 2.92 (s, 3H, CH3), 7.3-7.7 (m, 5H, Ar-H), 7.74 (t, 1H, 2-H-Br-Ph), 8.23 (d,1H, 5-H-ピリミジン), 8.81(d,1H, 6-H-ピリミジン), 10.4 (s, 1H, NH)。
【0133】
実施例G2.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メタンスルホニルピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G2.1)
【0134】
実施例G1.1で発表したものと類似の反応であるが、F2.1での出発はG2.1を89%の収率で産した。
MS : M = 481 (API+), 479 (API-)
【0135】
実施例G2.2
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メタン-スルホニル-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G2.2)
【0136】
実施例G1.1で発表したものと類似の反応であるが、F2.2での出発はG2.2を62%の収率で産した。
MS : M = 511 (API+), 509 (API-)
【0137】
実施例G2.3
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-メタン-スルホニル-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G2.3)
【0138】
実施例G1.1で発表したものと類似の反応であるが、F2.4での出発はG2.3を78%の収率で産した。
MS: M = 539 (ESI-)
【0139】
実施例G3.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-メタンスルホニルピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G3.1)
【0140】
実施例G1.1で発表したものと類似の反応であるが、F3.1での出発はG3.1を87%の収率で産した。
MS : M =481 (API+), 479 (API-)
【0141】
実施例G4.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-メタンスルホニルピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G4.1)
【0142】
実施例G1.1で発表したものと類似の反応であるが、F4.1での出発はG4.1を98%の収率で産した。
MS: M = 469 (API+)
【0143】
実施例G4.2
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-メタン-スルホニルピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(G4.2)
【0144】
実施例G1.1で発表したものと類似の反応であるが、F4.3での出発はG4.2を65%の収率で産した。
MS : M = 529 (ESI+), 527 (ESI-)
【0145】
H "N-H-イミダゾール フェニルアミノピリミジン"の合成
実施例H1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ-エトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H1.1)
【0146】
1.0 mlの乾燥N-メチルピロリドン中の、117 mg (0.22 mmol)のG1.1、140 mg(0.67 mmol)の4-(2-ジエチルアミノエトキシ)アニリン、及び60μl(0.78 mmol)のトリフルオロ酢酸の溶液を140℃に、18時間加熱した。RP18 (メタノール-水-勾配)での予備的スケールのHPLC/MSによる精製は、39 mg(27%)の純粋なH1.1を産した。
MS : M = 653 (API+), 651 (API-)
【0147】
実施例H2.1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ-エトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.1.1)
【0148】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G2.1での出発はH2.1.1を51%の収率で産した。
MS : M = 609 (API+), 607 (API-)
【0149】
実施例H2.1.2
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.1.2)
【0150】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G2.1及び4-(2-ヒドロキシエトキシ)アニリンでの出発はH2.1.1を26%の収率で産した。
MS : M = 554 (API+), 552 (API-)
【0151】
実施例H2.1.3
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-ジメチルアミノフェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.1.3)
【0152】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G2.1及び4-ジメチルアミノ-アニリンでの出発はH2.1.3を14%の収率で産した。
MS : M = 537 (API+), 535 (API-)
【0153】
実施例H2.1.4
2-(2, 6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-モルホリノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.1. 4)
【0154】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G2.1及び4-モルホリノ-アニリンでの出発はH2.1.4を22%の収率で産した。
MS : M = 579 (API+), 577 (API-)
【0155】
実施例H2.1.5
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(N-(2-ヒドロキシエチル)- スルファモイル)フェニルアミノ]-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.1.5)
【0156】
0.2 mlのN-メチルピロリドン中の150 mg(0.31 mmol)のG2.1、135 mg(0.62 mmol)の4-アミノ-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン-スルホンアミド及びジオキサン(4 M)中の156μ1(0.62 mmol)のHClの溶液を窒素下で、100℃で、17時間加熱した。当該反応混合物を水とNa2CO3で処理し、そして酢酸エチルで抽出した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ、クロロホルム/メタノール95:5)は6%のH2.1.5を産した。
MS: M =617 (ESI+), 615 (ESI-)
【0157】
実施例H2.2.1
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.2.1)
【0158】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G2.2での出発はH2.2.1を30%の収率で産した。
MS : M = 637 (API+), 635 (API-)
【0159】
実施例H2.2.2
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.2.2)
【0160】
0.1 mlの乾燥N-メチル-ピロリドン中の50 mg(0.1 mmol)のG2.2及び23 mg(0.15 mmol)の4-(2-ヒドロキシエトキシ)アニリンの溶液を窒素下で、1日、140℃で加熱した。反応混合物を水で処理し、そして酢酸エチルで抽出した。RP18での予備的スケールのHPLC/MSによる精製(メタノール-水-勾配)は5%のH2.2.2.を産した。
MS: M=580 (API-)
【0161】
実施例H2.3.1
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.3.1)
【0162】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G2.3での出発はH2.3.1を62%の収率で産した。
MS : M = 669 (ESI+)
【0163】
実施例H2.3.2
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-メチルスルフィニル(sufinyl)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.3.2)
【0164】
0.1 mlの乾燥N-メチル-ピロリドン中の、80mg(0.15 mmol)のG2.3、47 mg (0.3 mmol)の4-(メタンスルフィニル)アニリン及びジエチルエーテル(2 M) 中の152μ1(0.3 mmol)のHClの溶液を窒素下で、140℃で一晩加熱した。反応混合物を水、飽和した水性Na2CO3で処理し、そして酢酸エチルで抽出した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ、n-ヘプタン/酢酸エチル勾配)は、6%のH2.3.2.を産した。
MS: M =618 (ESI+)
【0165】
実施例H2.3.3
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(N-(2-ヒドロキシエチル)-ulfamoyl)フェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H2.3.3)
【0166】
実施例H2.1.5で発表したものと類似の反応であるが、G2.3での出発はH2.3.3を4%の収率で産した。
MS : M = 677 (ESI+), 675 (ESI-)
【0167】
実施例H3.1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H3.1.1)
【0168】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G3.1での出発はH3.1.1を45%の収率で産した。
MS : M = 609 (API+), 607 (API-)
【0169】
実施例H3.1.2
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-モルホリノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H3.1.2)
【0170】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G3.1及び4-モルホリノアニリンでの出発はH3.1.2を31%の収率で産した。
MS : M = 579 (API+), 577 (API-)
【0171】
実施例H3.1.3
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-ヒドロキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H3.1.3)
【0172】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G3.1及び4-ヒドロキシアニリンでの出発はH3.1.3を59%の収率で産した。
MS : M = 510 (API+), 508 (API-)
【0173】
実施例H3.1.4
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-メトキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H3.1.4)
【0174】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G3.1及び4-メトキシアニリンでの出発はH3.1.4を7%の収率で産した。
MS : M = 524 (API+), 522 (API-)
【0175】
実施例H3.1.5
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-エトキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H3.1.5)
【0176】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G3.1及び4-エトキシアニリンでの出発はH3.1.5を34%の収率で産した。
MS : M = 538 (API+), 536 (API-)
【0177】
実施例H3.1.6
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-ピリジニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H3.1.6)
【0178】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G3.1及び4-アミノピリジンを、240℃で10分間、マイクロウェーブ反応器中で加熱した出発は、H3.1.6を33%の収率で得た。
MS : M = 493 (API+)
【0179】
実施例H4.1.1
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ-エトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H4.1.1)
【0180】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G4.1での出発はH4.1.1を37%の収率で産した。
MS: M = 597 (API+), 595 (API-)
【0181】
実施例H4.1.2
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H4.1.2)
【0182】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G4.1及び4-(2-ヒドロキシエトキシ)アニリンでの出発はH4.1.2を29%の収率で産した。
MS : M = 542 (API+), 540 (API-)
【0183】
実施例H4.2
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール(H4.2)
【0184】
実施例H1.1で発表したものと類似の反応であるが、G4.2での出発はH4.2を23%の収率で産した。
MS: M = 657 (ESI+)
【0185】
参考文献
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Wang, R.,等.,J. Cell Biol. 153 (2001) 1023-1033
WO 96/18626

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物
【化1】

(式中
K、Lは独立して水素;ハロゲン;アルキル;-OH;もしくは-O-アルキル;を表し、
Xは水素;-OR1;-SR2;-S(O)R2;-S(O)2R2;-CH2-S-CH2-C(O)2-CH2-CH3;-CH2-S-(CH2)2-OHもしくは基A1-Qであり;ここで
A1はC1-C3-アルキレン基を表し;そして
Qは-OR1;-SR2;-S(O)R2;-S(O)2R2;-NR3R4;-NH-(CH2)2-NR3R4又はハロゲンであり;
R1は水素;アルキル;アリル;ジメチルホスホニルメチル;2,3-エポキシ-1-プロピル;
(R)-2,3-ジヒドロキシ-1-プロピル;(S)-2,3-ジヒドロキシ-1-プロピル;1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル:3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-プロピル;2-メトキシエトキシメチル;2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルもしくは基A1-Q1であり;そして
Qlは-O-アルキル;-CN;-C(O)2H;-C(O)2-アルキル;-C(O)-NR3R4;-S-アルキル;-S(O)-アルキル;-S(O)2-アルキルを表し;そしてAlが1,2-エチレン-又は1,3-プロピレン基を表す場合、Qlは-OH又は-NR3R4であり;
R3、R4は独立して水素もしくはアルキルを表し;又は
窒素原子に結合しているR3及びR4は一緒になって5から7員の飽和又は不飽和環を形成し、それは非置換もしくはメチル基によって置換され、そしてここでは1つの追加の窒素原子又は酸素原子が存在し、そして残りの原子は炭素原子であり;
R2はアルキル;ジメチルメチルホスホニルメチル;2,3-エポキシ-1-プロピル;2,3-ジヒドロキシ-l-プロピル;2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル又はAl-Qlであり;
Yはアリールもしくはヘテロアリールであり、共に非置換、又はハロゲン;-CH2OR5;-R5;-OR5;-NR6R7;-SR5;-S(O)R5;-S(0)2R5;-S(O)NHR5;-S(O)2NHR5;-S(O)NR6R7;-S(O)2NR6R7;-C(O)NHR5;-C(O)NR6R7;もしくはCNで1回、2回もしくは3回置換され;
R5は水素;又は非置換もしくはOHで置換されたアルキル;-O-アルキルもしくは-NR6R7であり;但し2つのヘテロ原子は同一の炭素原子と結合せず;
R6、R7は 独立して水素もしくはアルキルを表し;又は
窒素原子と結合したR6及びR7は、一緒になって5から7員の飽和もしくは不飽和環を形成し、それは非置換もしくはメチル基で置換されており、そしてここで一つの追加の窒素もしくは酸素原子が存在し、そして残りの原子は炭素原子であり;
Zはハロゲン;-OH;-0-アリル;アルキル;メトキシメトキシ;(2-メトキシエトキシ)メチルオキシ;メチルチオ;エトキシメトキシ;メチレンジオキシ;エチニル; トリメチルシリルエチニル;又は
-0-アルキルであり、ここでのアルキル基は非置換もしくはピリジニルで置換され ;又は
非置換又はハロゲン;メトキシ;エトキシ;メチレンジオキシ;-CN;-NO2;もしくは-C(0)2Hで置換されたベンジルオキシであり;そして
nは1又は2である);及び
医薬的に許容され得るそれらの塩類。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物
(式中、
K、Lが共に塩素であり;
Xが水素;アルキル又は-0-アルキルであり、当該アルキル基は-OHで置換され;
Y、Z及びnは請求項1で定義された通りである);及び
生理学的に許容され得るそれらの塩類。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物
(式中
K、Lは共に塩素であり;
Xは水素;アルキル又は-O-アルキルであり、当該アルキル基は-OHで置換され;
Zはハロゲン又はエチニルであり;
Yはフェニルであり、非置換又はハロゲン;-CH2OR5;-R5;-OR5;-NR6R7;-SR5;-S(O)R5;-S(O)2R5;-S(O)NHR5;-S(0)2NHR5;-S (O)NR6R7;-S(O)2NR6R7;-C(O)NHR5;-C(O)NR6R7;もしくはCNにより1回置換されたフェニルであり;
R5は水素;又は非置換もしくはOH;-O-アルキルもしくは-NR6R7で置換されたアルキルであり;但し2つのヘテロ原子は同一の炭素原子に結合しておらず;
R6、R7は独立して水素又はアルキルを表し;
Nは1である)及び
及び医薬的に許容され得るそれらの塩類。
【請求項4】
下記のいずれかである、請求項3に係る化合物:
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ- エトキシ)フェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ-エトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-ジメチルアミノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(N-(2-ヒドロキシエチル)- スルファモイル)フェニルアミノ]-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2- ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2- ヒドロキシエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-メチルスルフィニル-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-(N-(2-ヒドロキシエチル)-スルファモイル)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-メトキシフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-エトキシフェニルアミノ] ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノ- エトキシ)フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、又は
2-(2,6-ジクロロ-4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)-4-(3-エチニルフェニル)-5-(2-[4-(2-ジエチルアミノエトキシ)-フェニルアミノ]ピリミジン-イル)-N-H-イミダゾール。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の化合物
(式中
K、Lは共に塩素であり;
Xは水素であり;
Zはハロゲンであり;
Yは-NR6R7で置換されたフェニルであり、ここで
窒素原子に結合するR6及びR7は一緒になって5から7員の飽和もしくは不飽和環を形成し、それは非置換もしくはメチル基で置換され、そしてここでは一つの追加の窒素又は酸素原子が存在し、そして残りの原子はC原子であり;
nは1である)及び
医薬的に許容され得るそれらの塩類。
【請求項6】
下記のいずれかである、請求項5に記載の化合物:
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-モルホリノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール、又は
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-5-(2-[4-モルホリノフェニルアミノ]ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾール。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物
(式中、
K、Lは共に塩素であり;
Xは水素であり;
Zはハロゲンであり;
Yはヘテロアリールであり、非置換もしくはハロゲン;-CH2OR5;-R5;-OR5;-NR6R7;-SR5;-S(O)R5;-S(O)2R5;-S(O)NHR5;-S(0)2NHR5;-S(O)NR6R7;-S(O)2NR6R7;-C(O)NHR5;-C(O)NR6R7;もしくはCNで1、2、又は3回置換され;
R5は水素;又は
非置換もしくはOH;-0-アルキルもしくは-NR6R7で置換されたアルキルであり;但し2つのヘテロ原子は同一の炭素原子に結合しておらず;
R6、R7は独立して水素もしくはアルキルを表し;又は
窒素原子に結合するR6及びR7は一緒になって5から7員の飽和又は不飽和環を形成し、それは非置換もしくはメチル基で置換され、そしてここでは一つの追加の窒素又は酸素原子が存在し、そして残りの原子はC-原子であり;
nは1である)及び
医薬的に許容され得るそれらの塩類である。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物
(式中、
K、Lは共に塩素であり;
Xは水素であり;
Zはハロゲンであり;
Yは非置換もしくはアルキルで置換されたピリジニルであり;
nは1である)及び
医薬的に許容され得るそれらの塩類。
【請求項9】
2-(2,6-ジクロロフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-5-(2-[4-ピリジニルアミノ]-ピリミジン-4-イル)-N-H-イミダゾールである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物の製造方法であって、
a)一般式(VI)の化合物
【化2】

を式Y-NH2の化合物と反応させて、式(I)の化合物を与え;当該置換基K、L、X、Y、Z及びnは請求項1で与えた意味を有し;そして当該式(VI)の化合物は、一般式(V)
【化3】

により発表されるチオエーテルのスルフィド基の酸化により得られ、それによる当該式(V)の化合物は、一般式(IV)
【化4】

の化合物のN-脱酸素により得られ、そして前記一般式(IV)の化合物は一般式(II)の化合物
【化5】

を一般式(III)の化合物
【化6】

と反応させることにより得られ、そして
b)前記式(I)の化合物を当該反応混合物から単離し、そして
c)所望されるならば、適宜酸又は塩基を付加することにより医薬的に許容され得る塩に変換する、方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の1つ以上の化合物を、医薬的に許容され得る賦型剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項12】
腫瘍成長を阻害するための請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
癌を処置するための請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
c-met-又はsrcチロシンキナーゼにより仲介される疾患の治療のための医薬の製造のための請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
腫瘍成長の阻害のための医薬の製造のための、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−508344(P2007−508344A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534696(P2006−534696)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011598
【国際公開番号】WO2005/040154
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】