説明

昇降機用の乗場装置

【課題】通常使用時には支障を来たさないよう高い剛性を維持しつつ、火災発生時の加熱によって生じる昇降機用の乗場ドアの反りを低減し、火災発生時においてもスムースに乗場ドアの開放を実現させることのできる乗場ドアを備える昇降機用の乗場装置を提供する。
【解決手段】ドアハンガ7と乗場ドア12の間に、常温ではヤング率が200MPa以上、火災発生時においてヤング率が20GPa以下となるような材料で構成される熱変形緩衝体11を設け、熱変形緩衝体11が通常使用時では高い剛性を示し、火災発生時では柔軟となり乗場ドア12の熱膨張を吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災発生時に加熱による乗場ドアの変形を抑制し、乗場ドア外れや昇降路への熱、煙の流入量を低減するための乗場ドアを有する昇降機用の乗場装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ用の乗場装置における乗場ドアでは、火災発生時の乗場ドアへの加熱による変形を抑制する必要がある。下記特許文献1によれば、乗場ドアにおいて、高温でも開放可能な手段を用いて、乗場ドアを構成する前壁および後壁を互いに接続し、少なくとも一つの耐熱接続部を設けて、前壁や後壁の倒れを防止している。
【特許文献1】特開2001−97657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エレベータ用の乗場ドア装置においては、火災発生時には、乗場ドアの温度は加熱により上昇し、乗場ドアに熱膨張が発生する。背景技術では、乗場ドアの下端が敷居に接した後は、乗場ドアは上下方向へ伸張することができないため、乗場ドアパネルに反りが発生する課題があった。この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、通常使用時には支障を来たさないよう高い剛性を維持しつつ、火災発生時の加熱によって生じる昇降機用の乗場ドアの反りを低減し、火災発生時においてもスムースに乗場ドアの開放を実現させることのできるエレベータ用の乗場ドア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明に基づいた昇降機用の乗場装置においては、乗場ドアの上部端または下部端に、火災発生時の高温には柔らかくなるような熱変形緩衝体を取り付けている。
【発明の効果】
【0005】
この発明に基づいた昇降機用の乗場装置によれば、火災発生時に乗場ドアが熱膨張し下端がドアガイドシューに接した場合でも、高温により柔らかくなった熱変形緩衝体がドアの上下方向の伸びを吸収し、乗場ドアの反りの発生を抑制させることが可能にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明に基づいた各実施の形態における昇降機用の乗場装置について図を参照しながら説明する。なお、各実施の形態においては、乗場ドアの形式として、2枚ドアの中央開きタイプを図示しているが、2枚ドアに限定されず、3枚以上のドアを有する乗場ドアにも適用可能であり、また、中央開きタイプに限らず、片開きタイプの乗場ドアにも適用可能である。
【0007】
また、昇降機としては、乗用エレベータ、人荷用エレベータ、寝台用エレベータ、荷物用エレベータ等、その他の様々な用途に用いられる昇降機に対して、広く本発明を適用することが可能である。なお、各実施の形態における説明においては、同一または相当部分については、同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0008】
(実施の形態1)
まず、図1から図4を参照して、本実施の形態における昇降機用の乗場装置について説明する。なお、図1は本発明に基づいた実施の形態1による昇降機用の乗場装置を昇降路側から見た正面図であり、図2は図1中のII−II線矢視断面図である。図2の中において、Aは昇降路側を示し、Bは乗場側を示している(以降の図でも同様である)。また、図3は、水平断面形状における乗場ドアの寸法を示す図であり、図4は、熱変形緩衝体のヤング率の変化と乗場ドアの反り量の変化との関係を示す図である。
【0009】
この昇降機用の乗場装置は、壁3Aには、エレベータかご(図示省略)との乗場側出入り口1が各階に設けられており、乗場側出入り口1の周囲には、縦枠4と上枠5とからなる三方枠2が設けられている。また、出入り口1の下側の床3Bの上には、敷居14が設けられている。上枠5にはハンガケース6が固定されている。また、ドアレール8がハンガケース6に固定されている。
【0010】
乗場ドア12は、主として側部と上部とがコ字型に折り曲げられた板金製品からなり、その上部は、ボルト等の締結具16により熱変形緩衝体11とドアハンガ7とが固定されている。ドアハンガ7にはローラ9が回転可能に固定されている。乗場ドア12が、駆動装置(図示省略)により水平方向に移動可能なように、ローラ9はドアレール8上に載置されている。
【0011】
ドアレール8の下方には、アップスラストローラ10が、ドアハンガ7に固定されており、乗場ドア12がドアレール8から脱落するのを防いでいる。乗場ドア12の下端には、ガイドシュー13が固定されている。このガイドシュー13が、敷居14に設けられたシュー溝15に嵌め込められることで、台車や人の衝突による乗場ドア12の前後方向の移動を制限し、乗場ドア12のドアレール8からの脱落を防止している。
【0012】
エレベータに採用される昇降ドアにおいては、乗場側Bで火災が発生した場合、乗場ドア12が加熱される。乗場ドア12を加熱した熱は、ドアハンガ7、ガイドシュー13にも伝えられる。たとえば、ISO834(コンクリートの耐火試験法)では、火災発生時を模擬した加熱温度曲線が定められている。
【0013】
この耐火試験法によれば、加熱温度は、火災発生から60分後には945°C、120分後には1049°Cにまで温度上昇することが明記されている。鋼板製の乗場ドアの場合、乗場側BをISO834の加熱温度曲線に準じて加熱試験を実施した結果、60分後の昇降路側Bの温度は約700°Cであった。乗場側Bの温度と昇降路側Aの温度との平均温度の値を乗場ドアの平均温度とすれば、乗場ドアの平均上昇温度は約800°Cになる。
【0014】
熱変形緩衝体11を有さない背景技術における乗場ドアでは、加熱により乗場ドア12が上下方向に伸びる。上方向の乗場ドア12の伸びは、アップスラストローラ10がドアレール8に接することで制限される。下方向の乗場ドア12の伸びは、乗場ドア12の下端が敷居14に接することで制限される。その結果、乗場ドア12の上下への伸びは、ドアレール8および敷居14に接することで制限され、その後は、乗場ドア12に反り変形が発生することになる。
【0015】
たとえば、上述の乗場ドアの加熱温度を参考にして、板厚2mm、高さが2m、水平断面形状が図3に示される形状の鋼板製の乗場ドアを考えた場合、平均上昇温度が約800°C、鋼板の線膨張係数14×10−6/°Cから、乗場ドアの上下方向の伸びは、800°C×2000mm×14×10−6/°C=22.4mmとなる。
【0016】
このとき、温度条件として乗場側Bの温度945°C、昇降路側Aの温度700°Cを付与し、拘束条件としてドアハンガ7の上部端を拘束し、乗場ドア12の下部端と敷居14の間隔をたとえば1mmとして、乗場ドア12が1mm延びた後に拘束される条件で、乗場ドア12の最大反り量を有限要素法で計算すると64mmであった。
【0017】
本実施の形態1における昇降機用の乗場装置よれば、上記のような拘束条件下であっても、乗場ドア12の上部端とドアハンガ7との間に熱変形緩衝体11が設けられていることにより、乗場ドア12の熱変形による伸びを、熱変形緩衝体11が収縮変形することによって吸収することができるため、乗場ドア12の反り変形量を低減させることができる。
【0018】
たとえば上述の解析において、上下方向の伸びとほぼ同じ厚さである20mmのアルミニウム合金製の熱変形緩衝体11を想定する。アルミニウム合金のヤング率を2GPaと設定し、上述と同様の解析を行なう。その結果、乗場ドア12の最大反り量は約1/2の35mmまで低減できた。
【0019】
一般的なアルミニウム合金の融点は600°C〜700°Cであり、上述の解析条件では、乗場ドア12の温度が700°Cを超えているため、熱変形緩衝体11の一部は融点を超えてヤング率が2GPa以下であると考えられることから、実際は更なる反り量の低減効果があると推定される。
【0020】
乗場ドア12の最大反り量を約1/2に低減することで、三方枠2との隙間を約1/2に減らすことができ、熱の乗場側Bから昇降路A側への流入量を従来構造より低減することが可能である。同時に、火災の乗場側Bから昇降路A側への延焼、乗場ドア外れも防止することができる。
【0021】
乗場ドア12の反り量の低減効果とヤング率の効果との関係を調べるため、上述の計算条件を用いて、熱変形緩衝体11のヤング率を変化させたときの乗場ドア12の反り量の変化を図4に示した。これによると、火災時のヤング率が20GPa以下において、特に顕著な反り量の低減効果が期待できる。なお、反り量の比率とは、熱変形緩衝体11のヤング率を適当な値に設定したときの反り量を、熱変形緩衝体11を設けない場合の反り量で除した数値である。
【0022】
火災発生時の乗場ドア12の平均温度として、これまで800°Cを例として説明してきたが、実際は乗場ドア12の構成や火災発生時からの経過時間によって異なる。しかし、乗場ドア12の使用環境を考えると、通常使用時は室温(約20°C〜約27°C付近)であるため、乗場ドア平均温度が100°Cを越えるような状況であれば、間違いなく火災発生時であると言える。
【0023】
また、ISO834において、加熱温度は、火災発生から60分後には945°C、120分後には1049°Cにまで温度上昇することを考えると、熱変形緩衝体11の効果を期待する上限温度としては、乗場ドア平均温度は、1000°C程度が適切であると考える。すなわち、乗場ドア平均温度が100°C〜1000°Cで、上述のヤング率を有すれば良い。
【0024】
熱変形緩衝体11の乗場ドア12の厚み方向の幅を、乗場ドア12の幅と同程度かあるいは多少薄い厚みとする。なお、図2にドアの幅(W)を点線で示した。ドアハンガ7は、通常、乗場ドア12の幅の1/10程度の幅の鋼板で形成される。したがって、熱変形緩衝体11の厚み方向の幅は、ドアハンガ7の板厚(通常は数mm程度)の10倍程度に設定できる。
【0025】
熱変形緩衝体11の曲げ剛性は、断面2次モーメントに反比例するため、熱変形緩衝体11の幅の3乗に比例し、数mmの板厚を有するドアハンガ7の1000倍程度になる。ドアハンガ7で使用される鋼板のヤング率はおおよそ200GPaであるため、その1/1000の200MPa以上のヤング率を常温で有する材料であれば、従来構造と同等の剛性を維持でき、通常の使用時におけるドアへの外部荷重、たとえば台車や人の衝突による乗場ドア12の変形、また乗場ドア12の開閉時の耐振動性や慣性力による変形に対しては影響を与えない。
【0026】
常温〜100°C以下は火災でない可能性があり、また乗場ドア12の反りの発生がほとんど生じない温度であるので、この温度範囲で熱変形緩衝体11は、ヤング率200MPa以上であることが望ましい。
【0027】
上記のような条件を満たす熱変形緩衝体11の材料としては、銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金、はんだ、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics,FRP)、エポキシ樹脂やナイロン等で難燃性を有したプラスチック材料が考えられる。これらの材料も温度が100°C〜1000°Cでヤング率が20GPa以下となるので、熱変形緩衝体11に用いることができる。
【0028】
また、熱抵抗緩衝体11が乗場ドア12の反りの低減効果を最大限に発揮するためには、熱抵抗緩衝体11のドア高さ方向の厚みを、火災発生時のドア温度と、ドア高さと、ドア材質の線膨張係数との積以上にするとよい。上述の計算例の場合は、22mm以上とすると良い。ただし、熱変形緩衝体11の厚みが上述の数値より薄くても、乗場ドア12は熱変形緩衝体11の厚みだけ上下方向に伸びることができるため、熱変形緩衝体11が無い場合より反りを低減できる。
【0029】
また、熱変形緩衝体11が融点を超えた場合に、液体状となった熱変形緩衝体11の材料が昇降路側に垂れるおそれがある。このような懸念を解消するために、図5から図7に示す乗場ドア12の改良が考えられる。なお、図5から図7は、液体状となった熱変形緩衝体11の材料が昇降路側に垂れるおそれを解消するための構造の一例を示す第1から第3の図である。
【0030】
まず、図5に示す構造は、熱変形緩衝体11と乗場ドア12との間に、L字型金具17を介在させている。図6に示す構造では、ドアハンガ7に熱変形緩衝体11を覆う垂下壁7aを設けている。図7に示す構造では、乗場ドア12の上端部に、熱変形緩衝体11を覆う起立壁12aを設けている。このような構造を採用することで、熱変形緩衝体11が融点を超えた場合に、液体状となった熱変形緩衝体11の材料が昇降路A側に垂れるのを防ぎ、かご側ドアや周辺機器の破損を防ぐことができる。
【0031】
(実施の形態2)
次に、図8を参照して、本実施の形態における昇降機用の乗場装置について説明する。なお、図8は本発明に基づいた実施の形態2による昇降機用の乗場装置の乗場ドアの上端部の構造を示す拡大縦断面図である。
【0032】
上記実施の形態1では熱変形緩衝体11を単一材料で構成したが、本実施の形態における熱変形緩衝体11Aは、ヤング率の温度依存性が異なる複数の材料を厚さ方向に組み合わせたものである。
【0033】
図8においては、約200℃でヤング率が20GPa以下のはんだ11a、約700°Cでヤング率が20GPa以下のアルミニウム合金11bを組み合わせたものである。この構成によれば、火災発生の初期段階で、乗場ドア12の平均温度が比較的低い場合から、はんだ11aのヤング率が低下し、乗場ドア12の反り量の低減効果が期待できる。
【0034】
また、一般的には、ヤング率の小さい柔らかい材料ほど応力緩和が発生しやすいとされており、乗場ドア12、ドアハンガ7と熱変形緩衝体11の締結力が緩み、ドア開閉時に振動することが懸念される。本実施の形態で構成した場合、はんだのみの単一材料で構成された実施の形態1の場合と比較して、応力緩和が発生しにくい、信頼性の高い構造が得られる。
【0035】
(実施の形態3)
次に、図9を参照して、本実施の形態における昇降機用の乗場装置について説明する。なお、図9は本発明に基づいた実施の形態3による昇降機用の乗場装置の乗場ドアの下端部の構造を示す拡大縦断面図である。
【0036】
上記実施の形態1および実施の形態2では、ドアハンガ7と乗場ドア12との間に熱変形緩衝体11,11Aを設けたが、本実施の形態においては、乗場ドア12の下部端とドアシュー13の間に熱変形緩衝体11Bを設けている。
【0037】
乗場ドア12の下部端は、通常使用時の剛性や耐振動性に与える影響が少なく、常温でのヤング率が実施の形態1より低い材料も使用できる。乗場ドア12の鋼板の厚み方向の幅(W)は、ドアハンガ7の幅と同等かそれより薄く、乗場ドア12の鋼板は、乗場ドア12の幅の1/20程度の幅の鋼板で形成されることが多い。したがって、熱変形緩衝体11Bのドアの厚み方向の幅は、乗場ドア12の板厚の20倍程度に設定できる。
【0038】
熱変形緩衝体11Bの曲げ剛性は、断面2次モーメントに反比例するため、熱変形緩衝体11Bの幅の3乗に比例する。したがって、熱変形緩衝体11Bの曲げ剛性は、乗場ドア12の曲げ剛性の8000(203)倍程度になる。乗場ドア12に使用される鋼板のヤング率はおおよそ200GPaであるため、その1/8000の25MPa以上のヤング率を常温〜100℃の領域で有する材料を熱変形緩衝体11Bに用いれば、従来構造と同等の剛性を維持できる。
【0039】
このような条件を満たす熱変形緩衝体11Bの材料として、実施の形態1で挙げた材料に加え、エラストマーも、本実施の形態では熱変形緩衝体11Bに用いることができる。また、本実施の形態の場合も上記実施の形態1の場合と同様に、熱変形緩衝体11Bのドアの高さ方向の幅は火災発生時の乗場ドア温度と、乗場ドア高さと、乗場ドア材質の線膨張係数との積以上とすると望ましい。ただし、熱変形緩衝体11Bの厚みがその数値より薄くても乗場ドア12のそりを軽減する効果は発揮できる。
【0040】
また、本実施の形態においても、上記実施の形態2の場合と同様に、ヤング率の温度依存性が異なる複数の材料を厚さ方向に組み合わせたものを用いることが可能である。
【0041】
また、ドアハンガ7と乗場ドア12との間に熱変形緩衝体を設ける場合(実施の形態1,2)、および、乗場ドア12の下部端とドアシュー13の間に熱変形緩衝体を設ける場合(実施の形態3)について説明しているが、乗場ドア12の上下端部の両方に、熱変形緩衝体を設ける構成を採用することも可能である。
【0042】
以上、今回開示された上記各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に基づいた実施の形態1による昇降機用の乗場装置を昇降路側から見た正面図である。
【図2】図1中のII−II線矢視断面図である。
【図3】乗場ドアの水平断面形状における寸法を示す図である。
【図4】熱変形緩衝体のヤング率の変化と乗場ドアの反り量の変化との関係を示す図である。
【図5】液体状となった熱変形緩衝体の材料が昇降路側に垂れるおそれを解消するための構造の一例を示す第1の図である。
【図6】液体状となった熱変形緩衝体の材料が昇降路側に垂れるおそれを解消するための構造の一例を示す第2の図である。
【図7】液体状となった熱変形緩衝体の材料が昇降路側に垂れるおそれを解消するための構造の一例を示す第3の図である。
【図8】本発明に基づいた実施の形態2による昇降機用の乗場装置の乗場ドアの上端部の構造を示す拡大縦断面図である。
【図9】本発明に基づいた実施の形態3による昇降機用の乗場装置の乗場ドアの下端部の構造を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 乗場側出入り口、2 三方枠、3A 壁、3B 床、4 縦枠、5 上枠、6 ハンガケース、7 ドアハンガ、8 ドアレール、9 ローラ、10 アップスラストローラ、11,11A,11B 熱変形緩衝体、11a はんだ、11b アルミニウム合金、12 乗場ドア、13 ガイドシュー、14 敷居、15 シュー溝、16 締結具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機の乗場に設けられる乗場ドアと、
前記乗場ドアの上部端を吊り下げるドアハンガと、
前記乗場ドアの下部端に設置されたドアガイドシューと、
前記乗場ドアを開閉させるための開閉機構と、を備え、
前記乗場ドアの上部端と前記ドアハンガとの間に熱変形緩衝体を設けた、昇降機用の乗場装置。
【請求項2】
前記熱変形緩衝体は、常温から100°C以下の温度範囲でヤング率が200MPa以上であり、100°Cより高く1000°C以下の温度範囲のいずれかの温度でヤング率が20GPa以下となる材料からなる、請求項1に記載の昇降機用の乗場装置。
【請求項3】
昇降機の乗場に設けられる乗場ドアと、
前記乗場ドアの上部端を吊り下げるドアハンガと、
前記乗場ドアの下部端に設置されたドアガイドシューと、
前記乗場ドアを開閉させるための開閉機構と、を備え、
前記乗場ドアの下部端と前記ドアガイドシューとの間に、熱変形緩衝体を設けた、昇降機用の乗場装置。
【請求項4】
前記熱変形緩衝体は、常温から100°C以下の温度範囲でヤング率が25MPa以上であり、100°Cより高く1000°C以下の温度範囲のいずれかの温度でヤング率が20GPa以下となる材料からなる、請求項3に記載の昇降機用の乗場装置。
【請求項5】
前記熱変形緩衝体は、ヤング率の温度依存性が異なる複数の材料を厚さ方向に重ねた構造を有する、請求項1から4のいずれかに記載の昇降機の乗場装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−190806(P2009−190806A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30471(P2008−30471)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】