説明

昇降装置、操作コード

【課題】耐久性に優れた操作コードを有する昇降装置を提供する。
【解決手段】支持枠と、支持枠に回転可能に支持されたプーリーと、プーリーに掛装された無端状の操作コードと、プーリーの回転によって回転される巻取軸と、巻取軸の回転によって昇降される遮蔽材とを備える昇降装置であって、操作コードは、一端及び他端を有するメインコードと、前記一端に設けられた第一の連結部と、前記他端に設けられた第二の連結部とを備え、第一の連結部と第二の連結部は、直接又は連結部材を介して互いに連結可能であり、且つ隣接する連結部又は連結部材の一方の嵌合突部を他方の嵌合孔に挿入することによって連結可能であり、前記嵌合突部は、充実体である昇降装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽材(プリーツスクリーン、ブラインド、たくし上げカーテン、スクリーン、スラットなど)を昇降させる昇降装置及びこの装置での使用に適した操作コードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
支持枠の一端に回動可能に支持されたプーリーに無端状の操作コードを掛装し、その操作コードを操作してプーリーを回転させることにより、支持枠から吊り下げられた遮光材を昇降させる昇降装置が知られている。
【0003】
このような昇降装置では、操作コードが居住者に引っかかって居住者が転倒してしまうという問題が発生しうる。このような問題を解決するために、特許文献1では、操作コードの伸長方向に急激な力が加わったときに分解する安全具を備えた操作コードが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−184456号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の安全具を備えた操作コードは、操作コードに加わる負荷が小さい場合や、操作コードに耐久性が求められていない場合には問題が少ないが、耐久性が要求される条件下では、耐久性が足りず、所定の使用回数に達するまでに操作コードが破損してしまう場合がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れた操作コードを有する昇降装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、支持枠と、前記支持枠に回転可能に支持されたプーリーと、前記プーリーに掛装された無端状の操作コードと、前記プーリーの回転によって回転される巻取軸と、前記巻取軸の回転によって昇降される遮蔽材とを備える昇降装置であって、前記昇降装置は、(1)前記操作コードの操作によって複数の遮蔽材が別々の巻取軸の回転によって昇降可能とされる複数系統昇降装置であるか、又は(2)前記プーリーに支持された駆動ギアと、前記駆動ギアの回転によって回転される被動ギアとを備え、前記巻取軸は、前記被動ギアの回転によって回転され、巻取軸の回転量に対するプーリーの回転量の比が1よりも大きいという構成であり、前記操作コードは、一端及び他端を有するメインコードと、前記一端に設けられた第一の連結部と、前記他端に設けられた第二の連結部とを備え、第一の連結部と第二の連結部は、直接又は連結部材を介して互いに連結可能であり、且つ隣接する連結部又は連結部材の一方の嵌合突部を他方の嵌合孔に挿入することによって連結可能であり、前記嵌合突部は、充実体である昇降装置が提供される。
【0008】
操作コードの操作によって複数の遮蔽材が別々の巻取軸の回転によって昇降可能とされる複数系統昇降装置では1本の操作コードで複数の遮蔽材を昇降させるので、1本の操作コードで1つの遮蔽材を昇降させる昇降装置に比べて、操作コードには複数倍の耐久性が要求される。操作コードのうち連結部が特に故障しやすいので、操作コードの耐久性を向上させるには連結部の耐久性を向上させる必要がある。また、巻取軸の回転量に対するプーリーの回転量の比が1よりも大きい昇降装置(以下、「減速型昇降装置」と称する)では、巻取軸を1回転させるためにはプーリーを1回転より多く回す必要がある。プーリーは操作コードによって回転されるので、プーリーの回転数が増えれば操作コードの連結部がプーリーを通過する回数も増える。連結部がプーリーを通過するとき、連結部は損傷を受けやすいので、減速型昇降装置では操作コードの連結部の耐久性を向上させる必要がある。
【0009】
本発明者らは、このような事情を鑑みて、特許文献1に記載の安全具を備える操作コードは複数系統昇降装置や減速型昇降装置での使用には適せず別の構成の操作コードが必要であることを見出した。また、特許文献1に記載の安全具が耐久性を有さない原因が、中空構造の嵌合突部と嵌合孔からなる嵌合構造にあることを見出した。
本発明者らは、このような知見に基づき、充実体からなる嵌合突部を嵌合孔に嵌合させた構造の操作コードが優れた耐久性を有することを見出し、本発明の完成に到った。
従って、本発明によれば、複数系統昇降装置や減速型昇降装置での使用に耐えうる耐久性を有する操作コードを備える昇降装置が提供される。
以下、本発明の種々の実施形態を説明する。以下で示す種々の実施形態は、互いに組合せ可能である。
【0010】
一例では、前記複数系統昇降装置は、前記操作コードが掛装されるプーリーと、前記プーリーの回転によって回転される第一及び第二の巻取軸と、第一の巻取軸の回転によって昇降される第一の遮蔽材と、第二の巻取軸の回転によって昇降される第二の遮蔽材とを備える。
【0011】
一例では、前記プーリーと前記第一の巻取軸の間には前記プーリーの一方向の回転を選択的に伝達する第一のクラッチユニットを備え、前記プーリーと前記第一の巻取軸の間には前記プーリーの前記一方向とは逆の方向の回転を選択的に伝達する第二のクラッチユニットを備える。
【0012】
一例では、前記嵌合突部は、前記嵌合孔を形成する材料よりも剛性が高い材料で形成されている。
【0013】
一例では、第一の連結部と第二の連結部は、直接連結可能であり、第一の連結部は、軸状の嵌合突部を有し、第二の連結部は、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を有し、前記嵌合突部に前記嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部が設けられ、前記嵌合孔に前記膨径部に係合する係止部が設けられている。
【0014】
一例では、前記膨径部は、前記嵌合突部の外周面の全周に亘って設けられている。
【0015】
一例では、前記嵌合突部は、前記嵌合孔に挿入して回動させることによって前記嵌合孔に連結可能である。
【0016】
一例では、第一の連結部と第二の連結部は、連結部材を介して互いに連結可能であり、第一の連結部と第二の連結部は、それぞれ、軸状の嵌合突部を有し、前記連結部材は、係止部を有する嵌合孔を両端に有する筒状部材であり、前記嵌合突部の先端部には、前記嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部が設けられ、前記嵌合孔には該膨径部に係合する係止部が設けられている。
【0017】
一例では、前記膨径部は、前記嵌合突部の外周面の全周に亘って設けられている。
【0018】
一例では、前記嵌合突部は、前記嵌合孔に挿入して回動させることによって前記嵌合孔に連結可能である。
【0019】
一例では、前記嵌合孔に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度は、相対的にずらされている。
【0020】
一例では、前記嵌合角度は、各嵌合突部の中心線が互いに直交する角度である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一の実施形態のプリーツスクリーンを示す正面図である。
【図2】第一の実施形態のプリーツスクリーンを示す側面図である。
【図3】第一の実施形態のプリーツスクリーンを示す平面図である。
【図4】第一の実施形態の操作装置を示す断面図である。
【図5】第一の実施形態のストッパー装置を示す断面図である。
【図6】第一の実施形態のドラムのガイド溝を示す展開図である。
【図7】(a)〜(c)は、第一の実施形態のスクリーンの昇降動作を示す説明図である。
【図8】第一の実施形態のボールチェーン示す正面図である。
【図9】第一の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。
【図10】第一の実施形態の第一の連結部材を示す正面図である。
【図11】第一の実施形態の第二の連結部材を示す断面図である。
【図12】第一の実施形態の連結部材の嵌合状態を示す断面図である。
【図13】第二の実施形態のボールチェーン示す正面図である。
【図14】第二の実施形態の連結部を示す断面図である。
【図15】第二の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。
【図16】第二の実施形態の第一の連結部材を示す正面図である。
【図17】第二の実施形態の第一の連結部材を示す平面図である。
【図18】第二の実施形態の第一の連結部材を示す側面図である。
【図19】図16におけるC−C線断面図である。
【図20】第二の実施形態の第二の連結部材を示す正面図である。
【図21】第二の実施形態の第二の連結部材を示す背面図である。
【図22】図20におけるD−D線断面図である。
【図23】図20におけるE−E線断面図である。
【図24】図22におけるF−F線断面図である。
【図25】連結部材の嵌合状態を示す断面図である。
【図26】第二の実施形態の別例を示す分解斜視図である。
【図27】第三の実施形態に係る操作コードを示す正面図である。
【図28】第三の実施形態に係る操作コードを構成する連結部を示す断面図である。
【図29】第三の実施形態に係る操作コードを構成する連結部を示す分解斜視図である。
【図30】第四の実施形態に係る操作コードの連結部を示す分解斜視図である。
【図31】図30に示す連結部の要部断面図である。
【図32】第五の実施形態操作コード示す正面図である。
【図33】第五の実施形態の連結部を示す分解斜視図である。
【図34】第六の実施形態連装型ロールブラインドの正面図である。
【図35】第六の実施形態連装型ロールブラインドの側面図である。
【図36】第六の実施形態の操作装置の断面図である。
【図37】第六の実施形態の操作装置の断面図である。
【図38】第六の実施形態の操作装置の断面図である。
【図39】第七の実施形態のギア装置の噛み合いを示す側面図である。
【図40】第七の実施形態のギア装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図1〜図7に従って説明する。本実施形態は、複数系統昇降装置に関するものであり、請求の範囲の「操作コード」はボールチェーン16であり、「複数の遮蔽材」は、上部スクリーン2及び下部スクリーン4である。上部スクリーン2は、第一の巻取軸9の回転によって昇降可能であり、下部スクリーン4は、第二の巻取軸10の回転によって昇降可能である。また、請求の範囲の「第一のクラッチユニット」は、第一の伝達クラッチ20であり、「第二のクラッチユニット」は、第二の伝達クラッチ21である。
本実施形態の複数系統昇降装置では、1本のボールチェーン16を用いて、第一及び第二の巻取軸9,10を回転させて上部スクリーン2及び下部スクリーン4を昇降させているので、ボールチェーン16には、一系統昇降装置に比べて二倍の耐久性が求められる。このため、本実施形態では、耐久性が高い連結部57を有するボールチェーン16を使用している。
【0023】
以下、本実施形態の昇降装置をさらに詳しく説明する。最初に、昇降装置について詳細に説明し、その後、ボールチェーン16について詳細に説明する。
【0024】
(複数系統昇降装置)
図1〜図7を用いて、本実施形態の複数系統昇降装置について説明する。図1〜図3に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス(支持枠)1から上部スクリーン2が吊下支持され、上部スクリーン2の下端に中間レール3が取着されている。前記中間レール3から下部スクリーン4が吊下支持され、下部スクリーン4の下端にボトムレール5が取着されている。
【0025】
前記上部スクリーン2はレース生地等の半透過性の生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものであり、下部スクリーン4は遮光性を備えた生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものである。
【0026】
前記上部スクリーン2の幅方向両側には第一及び第二の昇降コード6,7が挿通され、第一の昇降コード6の下端は前記中間レール3に取着されている。第二の昇降コード7は、中間レール3を貫通し、さらに下部スクリーン4に挿通され、下端が前記ボトムレール5に取着されている。
【0027】
前記第一及び第二の昇降コード6,7の上端部は、前記ヘッドボックス1内で支持部材8に回転可能に支持される第一及び第二の巻取軸9,10にそれぞれ巻着されている。すなわち、図3に示すように、第一及び第二の巻取軸9,10はヘッドボックス1内において前記第一及び第二の昇降コード6,7の上方位置で水平方向に並列する状態で支持部材8に回転可能に支持されている。
【0028】
そして、第一の昇降コード6の上端部が第一の巻取軸9に巻着され、第二の昇降コード7の上端部が第二の巻取軸10に巻着され、第一及び第二の昇降コード6,7は、第一及び第二の巻取軸9,10に対し互いに逆方向に巻着されている。また、第一及び第二の昇降コード6,7は、第一及び第二の巻取軸9,10の回転に基づいて、螺旋状に巻き取られ、あるいは巻戻されるようになっている。
【0029】
前記第一の巻取軸9には六角棒状の第一の駆動軸11が相対回転不能に挿通され、第二の巻取軸10には同じく六角棒状の第二の駆動軸12が相対回転不能に挿通されている。そして、第一の駆動軸11が前記第一の昇降コード6の巻取り方向に回転されると、第一の巻取軸9に第一の昇降コード6が巻き取られ、第二の駆動軸12が前記第二の昇降コード7の巻取り方向に回転されると、第二の巻取軸10に第二の昇降コード7が巻き取られるようになっている。
【0030】
前記ヘッドボックス1の一方の端部には、前記第一及び第二の駆動軸11,12を回転駆動するための操作装置13が取着されている。図4に示すように、前記操作装置13のケース14内の基端側にはプーリー15が回転可能に支持され、そのプーリー15には無端状のボールチェーン16が掛装されて下方へ垂下されている。そして、ボールチェーン16の操作によりプーリー15を回転駆動可能となっている。
【0031】
前記プーリー15には歯車15aが一体に形成され、その歯車15aに前記ケース14に回転可能に支持された伝達歯車17が噛み合わされている。従って、プーリー15が回転されると、伝達歯車17が回転される。
【0032】
前記伝達歯車17には、同伝達歯車17の径方向両側において前記ケース14に回転可能に支持された一対の第一及び第二のクラッチ歯車18,19が噛み合わされている。そして、前記伝達歯車17が回転されると、第一及び第二のクラッチ歯車18,19が同方向に回転される。
【0033】
前記ケース14の先端側には、同一構成の第一及び第二の伝達クラッチ20,21が収容され、その第一及び第二の伝達クラッチ20,21の入力軸22が前記第一及び第二のクラッチ歯車18,19の中心部に嵌着されている。従って、前記第一及び第二のクラッチ歯車18,19が回転されると、第一及び第二の伝達クラッチ20,21の入力軸22が同方向に回転されるようになっている。
【0034】
前記第一及び第二の伝達クラッチ20,21は、入力軸22の一方向の回転のみを各出力軸23に伝達する公知の機能を備え、伝達する回転方向は互いに逆方向である。そして、第一の伝達クラッチ20の出力軸23に前記第一の駆動軸11の端部が嵌着され、第二の伝達クラッチ21の出力軸23に前記第二の駆動軸12の端部が嵌着されている。
【0035】
このような構成により、ボールチェーン16を例えば図2に示す矢印A方向に操作すると、第二の駆動軸12のみが回転されて、第二の巻取軸10が第二の昇降コード7の巻取り方向に回転される。
【0036】
また、ボールチェーン16を図2に示す矢印B方向に操作すると、第一の駆動軸11のみが回転されて、第一の巻取軸9が第一の昇降コード6の巻取り方向に回転される。
前記第一及び第二の駆動軸11,12は、前記ヘッドボックス1の中間部においてストッパー装置24に挿通されている。このストッパー装置24は、前記中間レール3若しくはボトムレール5の引き上げ操作の後にボールチェーン16を手放したとき、中間レール3及びボトムレール5の自重降下を防止する公知の作用をなす。
【0037】
前記ストッパー装置24の具体的構成を説明すると、前記ストッパー装置24のケース25は前記ヘッドボックス1内に固定され、図5に示すように、二つの円筒部26a,26bが形成されている。そして、前記円筒部26a,26b内には第一のドラム27及び第二のドラム28が回転可能に保持されている。なお、第一及び第二のドラム27,28は円筒部26a,26bに対し互いに逆方向から挿入可能となっている。
【0038】
前記第一のドラム27には前記第一の駆動軸11が相対回転不能に挿通され、前記第二のドラム28には前記第二の駆動軸12が相対回転不能に挿通されている。そして、第一のドラム27は第一の駆動軸11と一体に回転し、第二のドラム28は第二の駆動軸12と一体に回転するようになっている。
【0039】
前記円筒部26a,26bの内周面には、断面半円形のスライド溝29が前記第一及び第二の駆動軸11,12の軸方向に沿ってそれぞれ形成され、そのスライド溝29内に鋼球で形成されるクラッチボール30が同スライド溝29に沿って移動可能に支持されている。
【0040】
前記第一及び第二のドラム27,28の外周面には、前記クラッチボール30を案内する断面半円形のガイド溝31が形成されている。そして、第一及び第二のドラム27,28が回転されると、前記クラッチボール30はスライド溝29に沿って移動しながら、ガイド溝31に沿って周回する。
【0041】
前記第一及び第二のドラム27,28のガイド溝31は同一構成であり、前記ケース25に対し左右方向に入れ替えて取着することにより、第一及び第二のドラム27,28の回転方向の違いに対応している。前記第一のドラム27について、前記ガイド溝31の構成を図6に示す展開状態で説明する。
【0042】
図6において、中間レール3が下降する方向に第一のドラム27が回転されるとき、前記クラッチボール30はガイド溝31に沿って相対的に矢印C方向に移動する。また、中間レール3が上昇する方向に第一のドラム27が回転するとき、前記クラッチボール30はガイド溝31に沿って相対的に矢印D方向に移動する。
【0043】
前記第一のドラム27の周面の両側部には下降溝32a,32bが形成され、中央部には上昇溝33が形成されている。前記上昇溝33には、クラッチボール30が上昇溝33内に位置する状態で第一のドラム27が中間レール3の下降方向に回動されるとき、僅かな回転の後にクラッチボール30の移動を阻止する係止部34が連通して形成されている。係止部34は周方向等間隔に4箇所形成されている。
【0044】
また、クラッチボール30が係止部34に係合している状態から、第一のドラム27が中間レール3の上昇方向に回動されるとき、クラッチボール30は前記下降溝32a,32bのいずれかに案内される。
【0045】
前記下降溝32a,32bには、クラッチボール30が下降溝32a,32bのいずれかに位置している状態から、第一のドラム27が中間レール3の上昇方向に回動されるとき、クラッチボール30を上昇溝33に案内する戻り溝35が周方向等間隔に4箇所形成されている。
【0046】
このような第一のドラム27を備えたストッパー装置24の動作を説明すると、ボールチェーン16の操作により第一の駆動軸11が第一の昇降コード6の巻取り方向に回転されて中間レール3が引き上げられるとき、クラッチボール30は上昇溝33内を矢印D方向に相対移動している。
【0047】
中間レール3を所望高さまで引き上げた後、ボールチェーン16を手放すと、中間レール3の重量によりクラッチボール30は上昇溝33内を矢印C方向に移動して、係止部34に係合する。すると、クラッチボール30の矢印C方向の移動が阻止されて、第一のドラム27の回転が阻止され、中間レール3の自重降下が阻止される。
【0048】
この状態から、ボールチェーン16を操作して中間レール3を僅かに引き上げると、クラッチボール30は係止部34から下降溝32a,32bのいずれかに移動する。この状態でボールチェーン16を手放すと、クラッチボール30は下降溝32a,32bのいずれかを矢印C方向へ周回する状態となり、中間レール3が自重降下する。
【0049】
また、中間レール3が下限まで下降した後、あるいは下降動作中にボールチェーン16を中間レール3の引き上げ方向に操作すると、クラッチボール30は下降溝32a,32bのいずれかから戻り溝35を経て上昇溝33に移動する。そして、クラッチボール30が上昇溝33内を矢印D方向に周回して、中間レール3が引き上げられる。
【0050】
前記ストッパー装置24では、第二のドラム28の動作により、ボトムレール5の昇降動作に対し、中間レール3の昇降動作に対する機能と同様な機能を備えている。
図1及び図3に示すように、前記ストッパー装置24の側方において、前記第一及び第二の駆動軸11,12はガバナー装置36,37にそれぞれ挿通されている。各ガバナー装置36,37は、前記第一及び第二の駆動軸11,12の回転速度を所定値以下に抑制して、中間レール3及びボトムレール5の自重降下時の下降速度を所定速度以下に抑制する。
【0051】
前記ヘッドボックス1の他方の端部には、前記第二の巻取軸10からの第二の昇降コード7の最大巻戻し量を設定して、前記ボトムレール5の下限位置を設定する下限リミット装置38が配設されている。
【0052】
図2に示すように、前記第一及び第二の昇降コード6,7の挿通位置において、前記上部スクリーン2及び下部スクリーン4の背面側にはピッチ保持コード39が配設されている。このピッチ保持コード39は、上部スクリーン2と下部スクリーン4の折り目のピッチを一定にするように動作する。
【0053】
次に、上記のように構成されたプリーツスクリーンの動作を説明する。ボールチェーン16を矢印A方向に引き下げると、第二の駆動軸12のみが回転されて第二の巻取軸10に第二の昇降コード7が巻き取られ、ボトムレール5が引き上げられる。そして、ボトムレール5を所望高さまで引き上げた後ボールチェーン16を手放すと、ストッパー装置24の自重降下防止動作により、ボトムレール5が所望高さに保持される。
【0054】
この状態から、ボールチェーン16を矢印A方向に引いた後に手放すと、ストッパー装置24の自重降下防止動作が解除され、ボトムレール5が自重降下する。
ボールチェーン16を矢印B方向に引き下げると、第一の駆動軸11のみが回転されて第一の巻取軸9に第一の昇降コード6が巻き取られ、中間レール3が引き上げられる。そして、中間レール3を所望高さまで引き上げた後ボールチェーン16を手放すと、ストッパー装置24の自重降下防止動作により、中間レール3が所望高さに保持される。
【0055】
この状態から、ボールチェーン16を矢印B方向に引いた後に手放すと、ストッパー装置24の自重降下防止動作が解除され、中間レール3が自重降下する。
図7(a)に示すように、中間レール3が昇降範囲の中間に保持され、ボトムレール5が下限近傍に位置する状態からボトムレール5を引き上げるとき、同図(b)に示すように、ボトムレール5が中間まで引き上げられると、ボトムレール5が中間レール3を押し上げる状態となる。
【0056】
次いで、ボトムレール5をさらに引き上げると、ボトムレール5とともに中間レール3が押し上げられ、同図(c)に示すように、ボトムレール5及び中間レール3を上限まで引き上げた状態でボールチェーン16を手放すと、ボトムレール5及び中間レール3がヘッドボックス1の直下に保持される。
【0057】
この状態から、ボールチェーン16を矢印A方向に引いて手放すと、ストッパー装置24のボトムレール5の自重降下防止動作が解除されるため、ボトムレール5が自重降下する。
【0058】
このとき、中間レール3はボトムレール5とともに自重降下し、図7(b)に示す高さまで下降した後は、ストッパー装置24の中間レール3に対する自重降下防止動作が機能して、中間レール3が当該高さに保持される。
【0059】
上記のように構成されたプリーツスクリーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)共通のボールチェーン16の操作により、中間レール3及びボトムレール5を独立して昇降操作することができる。
(2)中間レール3及びボトムレール5を独立した自重降下動作により容易に下降操作することができる。
(3)ボトムレール5の引き上げ操作を行うとき、ボトムレール5で中間レール3を押し上げながら引き上げることができる。従って、ボトムレール5を引き上げることにより、中間レール3を一括して引き上げることができる。
(4)一括して引き上げたボトムレール5及び中間レール3を、ストッパー装置24の動作により所望の位置に保持することができる。
(5)ボトムレール5及び中間レール3を一括して引き上げた後、ボトムレール5を自重降下させるとき、ボトムレール5及び中間レール3を一括して下降させることができる。そして、ストッパー装置24の動作により、中間レール3の自重降下動作をボトムレール5による押し上げ開始位置で自動的に停止させることができる。
【0060】
(ボールチェーン)
次に、ボールチェーン16の具体的構成を図8〜図12に従って説明する。
図8に示すように、前記ボールチェーン16はポリエステルのメインコード55上に等間隔に合成樹脂のボール56が成形されている。各ボール56はメインコード55の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール56がメインコード55に対し移動不能に固着されている。
【0061】
前記メインコード55の両端部は、連結部57で連結されて無端状のボールチェーン16が構成される。図9に示すように、前記連結部57は第一の連結部材58と第二の連結部材59とで構成されている。
【0062】
前記第一の連結部材58は、図10に示すように、前記メインコード55と同一材質の連結コード60の一端に前記ボール56の半分よりやや大きい形状の半球部(半部)20がアウトサート成形され、他端には第一の嵌合部62がその先端まで充実体となるようにアウトサート成形されている。半球部61と第一の嵌合部62の間隔は、前記ボール56の間隔と同一である。
【0063】
また、図9に示すように、第一の嵌合部62はその先端から基端まで前記連結コード60が埋め込まれるように充実体でアウトサート成形されているため、第一の嵌合部62と連結コード60との接合強度が十分に確保される。図10は、前記連結コード60が第一の嵌合部62の先端近傍まで埋め込まれている場合を示す。このような場合には、嵌合突部63の圧縮方向の強度を確保することが容易となる。
【0064】
前記半球部61及び第一の嵌合部62は、前記ボール56と同一材質で前記連結コード60の両端部に形成される。
前記第一の嵌合部62の基端部は、前記ボール56の端部と同様な半球状に形成され、第一の嵌合部62の先端部には、丸軸状の嵌合突部63が形成されている。前記嵌合突部63は、先端部にフランジ状の膨径部63aが形成され、その膨径部63aの外形は半球状の基端部の最大径より小さい径となっている。また、膨径部63aの先端側角部には面取り63bが形成されて、膨径部63aを嵌合孔67に容易に嵌合可能となっている。
【0065】
そして、前記第一の嵌合部62は、前記連結コード60の他端に一体に成形される。また、前記半球部61と同様に成形した後、嵌合突部63を切削により形成してもよい。
前記第二の連結部材59は、図11に示すように、前記メインコード55と同一材質の連結コード64の一端に前記ボール56の半分の形状の半球部65が形成され、他端には第二の嵌合部66が形成されている。半球部65と第二の嵌合部66の間隔は、前記ボール56の間隔と同一である。
【0066】
前記半球部65及び第二の嵌合部66は、前記ボール56と同一材質で前記連結コード64の両端部にアウトサート成形される。
前記第二の嵌合部66の基端部は、前記ボール56の端部と同様な半球状に形成され、第二の嵌合部66の先端部には、嵌合孔67が形成されている。そして、嵌合孔67の奥部の径が開口部の径より大きく形成されて、図12に示すように、前記嵌合突部63の膨径部63aを弾性的に嵌合し、かつ保持可能となっている。
【0067】
また、嵌合孔67の深さは第二の嵌合部66の長さの半分以下で形成され、前記嵌合突部63は嵌合孔67の深さに等しい長さで突出されている。
嵌合突部63を保持する嵌合孔67の保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン16に作用する通常の引張り力では嵌合突部63と嵌合孔67の嵌合が外れることがないように設定されている。また、ボールチェーン16に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、合成樹脂の弾性により嵌合突部63と嵌合孔67の嵌合が外れるようになっている。
【0068】
この嵌合孔67は、前記連結コード64の他端に半球部65と同様な半球部を形成し、その半球部の先端中央部を切削によりくり貫いて形成される。そして、嵌合突部63を嵌合孔67に嵌合した状態では、図8及び図12に示すように、前記第一及び第二の嵌合部の外形が前記ボール56と同一形状となるように形成される。
【0069】
前記嵌合孔67の深さは、前記第二の嵌合部66の長さの半分より浅く形成され、前記第二の嵌合部66の基端部は充実体となる。従って、第二の嵌合部66内に埋め込まれる連結コード64の長さを十分確保できるようになっている。
【0070】
前記第一及び第二の連結部材58,59の半球部61,65は、前記メインコード55の両端に形成された半球部56aに固着されて、前記ボール56と同一形状のボールが形成される。そして、前記嵌合突部63を嵌合孔67に嵌合すると、無端状のボールチェーン16が形成される。
【0071】
このように構成されたボールチェーン16では、前記ボールチェーン16のメインコード55及び前記連結部57の連結コード60,64の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン16はプーリー15に対し制限なく周回可能である。
【0072】
上記のように構成されたボールチェーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)ボールチェーン16のメインコード55及び前記連結部57の連結コード60,64の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン16をプーリー15に対し制限なく周回させて、スラットの昇降操作を行うことができる。
(2)ボールチェーン16に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、連結部57の嵌合突部63と嵌合孔67の嵌合が外れる。従って、ボールチェーン16の無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン16を切断して居住者の安全を確保し、かつボールチェーン16が掛装されるプーリー15等の損傷を未然に防止するフェイルセーフ機能を備えることができる。
(3)連結部57の嵌合突部63と嵌合孔67の嵌合が外れた後は、嵌合突部63を嵌合孔67に再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン16として容易に再生することができる。
(4)半球状の第一の嵌合部62に形成した丸軸状の嵌合突部63を、その先端まで充実体とし、半球状の第二の嵌合部66に穿設した嵌合孔67に嵌合する構成としたので、嵌合突部63を嵌合孔67に保持する保持力を確保することができる。
(5)膨径部63aの先端部に設けた面取り63bにより、膨径部63aを嵌合孔67に容易に嵌合することができるとともに、嵌合孔67への膨径部63aの嵌合時における嵌合孔67の開口部の破損を防止することができる。
(6)第二の嵌合部66内に埋め込まれる連結コード64の長さを十分確保することができるので、第二の嵌合部66と連結コード64の接合力を十分に確保することができる。
(7)図9に示すように、第一の嵌合部62はその先端から基端まで前記連結コード60が埋め込まれるように充実体でアウトサート成形されているため、第一の嵌合部62と連結コード60との接合強度を十分に確保することができる。
(8)第二の嵌合部66と連結コード64との接合距離は、第二の嵌合部66の長さの半分以上を確保しているので、連結コード64にアウトサート成形される第二の嵌合部66と連結コード64との接合強度を確保することができる。
【0073】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・嵌合突部63は、嵌合孔67を形成する材料(例えば樹脂)よりも剛性が高い材料(例えば金属)で形成してもよい。この場合、耐久性がさらに高くなる。
・本実施形態では、嵌合突部63と嵌合孔67は、弾性的に嵌合させているが、第二の実施形態に示すように、嵌合突部63を嵌合孔67に挿入した状態で第一及び第二の連結部材58,59を相対回転させることによって嵌合突部63と嵌合孔67を嵌合させる構成にしてもよい。この場合、嵌合突部63と嵌合孔67の嵌合作業及び嵌合の解除作業が容易になる。
・半球部56aと半球部61,65の接合面を、半球部56aと半球部61,65の軸心に対し斜めとして、接合面の面積を増大させるようにしてもよい。
【0074】
(第二の実施形態)
以下、この発明を具体化した第二の実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、第一の実施形態と同様の複数系統昇降装置に関するものであり、ボールチェーン16の構成を除いて第一の実施形態と同様である。以下、本実施形態のボールチェーン16の構成について説明する。
【0075】
(ボールチェーン)
ボールチェーン16の具体的構成を図13〜図25に従って説明する。
【0076】
図13に示すように、前記ボールチェーン16はポリエステルのメインコード55上に等間隔に合成樹脂のボール56が成形されている。各ボール56はメインコード55の表面上に成形機で長球状の充実体を成形したものであり、各ボール56がメインコード55に対し移動不能に固着されている。前記メインコード55の両端部は、連結部57で連結されて無端状のボールチェーン16が構成される。
【0077】
図14及び図15に示すように、連結部57は同一構成の2つの第一の連結部材41を筒状の第二の連結部材42で連結した構成である。
前記第一の連結部材41は、図16に示すように、前記メインコード55と同一材質の連結コード60の一端に前記ボール56の半分の形状の半球部61が形成され、他端には第一の嵌合部43が形成されている。前記半球部61と第一の嵌合部43との間に前記ボール56と同形状のボール44が固着され、前記第一の嵌合部43とボール44との間隔及びボール44と半球部61との間隔は、前記ボール56の間隔と同一である。
【0078】
前記半球部61及び第一の嵌合部43は、前記ボール56,44と同一の合成樹脂で前記連結コード60の両端部に成形される。
前記第一の嵌合部43の基端部は、前記ボール56の端部と同様な半球状に形成され、第一の嵌合部43の先端部には、丸軸状の嵌合突部45が形成されている。
【0079】
前記嵌合突部45の先端部の外周面上には、図15〜図18に示すように、丸軸の中心に対し線対称状に膨径部46が形成され、その膨径部46の中間には断面半円状の係止凹部47がそれぞれ形成されている。また、前記膨径部46の先端側及び基端側には面取り54が形成されている。
【0080】
前記嵌合突部45の基端部には、図15及び図19に示すように、丸軸の径方向に突出する回動規制部48が中心に対し線対称状に形成されている。また、各回動規制部48は、前記丸軸の中心に対し前記係止凹部47から周方向に45度隔てた位置に形成される。
【0081】
前記第二の連結部材42は、前記第一の嵌合部43及びボール56,44と同一の合成樹脂で円筒状に成形され、図20及び図21に示すように、両側の開口部49a,49bは前記嵌合突部45の膨径部46を含む先端部を挿入可能とした俵形に形成されている。また、開口部49a,49bは、その俵形の方向が円筒の中心に対し互いに90度回転した形状となっている。
【0082】
前記第二の連結部材42の内部には、前記嵌合突部45の先端部を回動可能とする径を備えた円形孔(嵌合孔)50が形成されている。そして、開口部49aの俵形の短軸方向の開口縁には、前記膨径部46の円形孔50からの抜けを妨げる係止部51a,51bがそれぞれ形成され、開口部49bの俵形の短軸方向の開口縁には、前記膨径部46の円形孔50からの抜けを妨げる係止部51c,51dがそれぞれ形成されている。
【0083】
図22及び図23に示すように、前記係止部51a〜51dと前記円形孔50の境界部には面取り53が設けられ、前記嵌合突部45が円形孔50から引き抜かれるとき、前記面取り53,面取り54の作用により、前記係止部51a〜51dの損傷を防止するようになっている。
【0084】
また、前記係止部51a,51cの内側において、前記円形孔50の内周面には前記係止凹部47に係合する係止突部52がそれぞれ形成されている。
前記第一の連結部材41と第二の連結部材42とを連結するには、第一の嵌合部43の嵌合突部45を第二の連結部材42の開口部49aに挿入し、第一の嵌合部43を第二の連結部材42に対し時計方向に90度回動する。すると、嵌合突部45の係止凹部47が円形孔50内の係止突部52に係合し、回動規制部48が開口部49aの俵形の角部から隣の角部まで移動して、図25に示すように位置決めされる。
【0085】
また、第二の連結部材42の他方の開口部49bにも同様に第一の連結部材41を挿入して90度回動させて位置決めする。すると、図14に示すように、第二の連結部材42を介して第一の連結部材41が連結される。
【0086】
この状態では、各第一の連結部材の嵌合突部45の膨径部46が第二の連結部材42の係止部51a〜51dに係合して、第二の連結部材42の円形孔50内に保持される。
この保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン16に作用する通常の引張り力では、嵌合突部45が第二の連結部材42から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン16に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、第二の連結部材42の合成樹脂の弾性により、嵌合突部45の膨径部46により第二の連結部材42の開口部49a,49bが押し広げられて、嵌合突部45が第二の連結部材42から外れるようになっている。
【0087】
また、第二の連結部材42の両側に第一の嵌合部43を嵌合した状態での外形形状は、前記ボール56と同一形状となるように形成されている。
前記第一の連結部材41の半球部61は、前記メインコード55の両端に形成された半球部56aに固着されて、前記ボール56と同一形状のボールが形成される。そして、前記第一の連結部材41を第二の連結部材42で連結すると、無端状のボールチェーン16が形成される。
【0088】
このように構成されたボールチェーン16では、前記ボールチェーン16のメインコード55及び前記連結部57の連結コード60の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン16はプーリー15に対し制限なく周回可能である。
【0089】
上記のように構成されたボールチェーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)ボールチェーン16のメインコード55及び前記連結部57の連結コード60の全長に亘って同一形状のボールが同一間隔で形成される。従って、ボールチェーン16をプーリー15に対し制限なく周回させて、スラットの昇降操作を行うことができる。
(2)ボールチェーン16に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したとき、連結部57の第一の連結部材41のいずれかと第二の連結部材42の嵌合が外れる。従って、ボールチェーンの無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かったとき、ボールチェーン16を連結部57で分離させて居住者の安全を確保し、かつボールチェーン16が掛装されるプーリー15等の損傷を未然に防止することができる。
(3)連結部57の嵌合が外れた後は、第一の連結部材41と第二の連結部材42を再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン16として容易に再生することができる。
(4)嵌合突部45を第二の連結部材42の開口部49a,49bに挿入して90度回動させることにより、嵌合突部45を第二の連結部材42に嵌合する構成とした。従って、嵌合突部45を第二の連結部材42に嵌合するための操作力は、第一の実施形態に比して軽微としながら、嵌合突部45を第二の連結部材42に保持する保持力を十分に確保することができる。
(5)第二の連結部材42で連結される第一の連結部材41は、その嵌合突部45が互いに90度ずれた状態で保持されている。従って、各嵌合突部45に引張り力が作用するとき、各嵌合突部45の膨径部46が第二の連結部材42の開口部49a,49bを互いに90度ずれた方向に押し広げるように動作するため、保持力を確保することが容易である。
(6)面取り53により、前記嵌合突部45が円形孔50から引き抜かれるとき、前記係止部51a〜51dの損傷を防止することができる。
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・嵌合突部45は、第二の連結部材42を形成する材料(例えば樹脂)よりも剛性が高い材料(例えば金属)で形成してもよい。この場合、耐久性がさらに高くなる。
・半球部56aと半球部61,65の接合面を、半球部56aと半球部61,65の軸心に対し斜めとして、接合面の面積を増大させるようにしてもよい。
・第二の連結部材42内の面取り53に代えて、断面直角状の段差としてもよい。
・図26に示すように、第一の嵌合部43の嵌合突部45には、その外周面の全周に亘って膨径部46を設け、その嵌合突部45を前記第二の連結部材42の開口部49a,49bに嵌合するようにしてもよい。
【0090】
(第三の実施形態)
以下、この発明を具体化した第三の実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、第一の実施形態と同様の複数系統昇降装置に関するものであり、ボールチェーン16の代わりに操作用コード98が用いられている点を除いて第一の実施形態と同様である。以下、本実施形態の操作用コード98の構成について説明する。
【0091】
(操作用コード)
操作用コード98の具体的構成を図27〜図29に従って説明する。
【0092】
図27は、本発明の実施の形態に係る操作用コード98を示す正面図である。図28は、操作用コード98を構成する連結部57を示す断面図である。図29は、操作用コード98を構成する連結部57を示す分解斜視図である。
【0093】
図27に示すように、操作用コード98は、メインコード55の両端部が連結部57で連結されて無端状に形成される。メインコード55は円柱状の形状をしており、その両端が先細りの形状となっている。メインコード55は、たとえば、ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。ただし、メインコード55は、その材料が所定以上の強度を有する熱可塑性樹脂であれば、特に制限されるものではなく、ポリエステル樹脂以外の樹脂、ポリアミド樹脂から成るものとしても良い。また、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂などで形成された中芯をポリエステル樹脂で編み込まれた外皮コードで被覆したものでも良い。この構成とすると、中芯により操作用コード98の直線性が確保されるとともに、伸び方向の耐久性が確保できる。
【0094】
図28および図29に示すように、連結部57は、一対の第一の連結部材41を、両者の間に設置される第二の連結部材42で連結した構成である。この3つの部材が形成される連結部57は、円柱状であり、その外径、すなわち横方向への外径Mがメインコード55の最大径Pより小さくなるように形成されている。ただし、連結部57の外径Mは、メインコード55の最大径Pと同じとなるように形成されても良い。連結部57が上述のように形成されるため、操作用コード98を操作して、プーリーを正逆方向に回転させるとき、横方向への外径Mがメインコード55の最大径Pと同じかまたは小さくなるように形成されている操作用コード98の連結部57は、プーリーケースの内側へ接触する恐れがほとんどない。また、プーリーの周面に形成された凹部に連結部57が引っ掛かる恐れを減少する。その結果、操作用コード98のスムーズな周回が可能となる。また、連結部57の縦方向の長さは、メインコード55の最大径Pに対して1.2倍以上2.5倍以下の長さになるように形成されている。たとえば、メインコード55の最大径Pが5.5mmとする場合、連結部57の長さを7mmとしても良い。このため、連結部57がプーリーケースの内側に当たることなくよりスムーズにプーリーを回転することができる。
【0095】
また、熱可塑性樹脂から構成されているメインコード55の両端部の先細りとなる部分の先端には、それぞれ、第一の連結部材41を嵌合するためのフランジ部81が設けられている。この実施の形態では、図28に示すように、フランジ部81は、先細りとなる先端側の最も小径となる部分より大径で、最大径Pより小径となるようにリング状に形成されている。このフランジ部81は、第一の連結部材41との接合強度を十分に確保するためのものであり、その強度を十分に確保することができれば、フランジ部81の形状は、特に限定されることなく、歯車状などの形状であっても良い。また、フランジ部81の外径R1は、メインコード55の最小径R2より1.05〜1.3倍の間になるように形成されている。このR1/R2の値は、1.1〜1.2とするのがフランジ部81の形成のしやすさおよび第一の連結部材41とのアウトサート成形の強度の面から好ましい。
【0096】
第一の連結部材41を、メインコード55の両端部の先端に取り付ける方法については、種々の方法が採用できる。たとえば、まず、メインコード55の両端部の先端を圧縮した状態で熱をかけ、用意した金型によりメインコード55の先端にリング状のフランジ部81を形成する。そして、当該フランジ部81を覆うように係止部99を有する第一の連結部材41がアウトサート成形される。このようなアウトサート成形を行うと、メインコード55の両端部は、第一の連結部材41に対して高い接合強度にて固定される。ただし、第一の連結部材41をメインコード55と一体化する方法は、上述した方法に限らない。たとえば、予め係止部99を有する第一の連結部材41を形成し、メインコード55の両端部に形成したフランジ部81を第一の連結部材41に嵌合しても良い。
【0097】
また、図28に示すように、メインコード55には、それぞれのフランジ部81とメインコード55の最大径Pとなる部分との間が各フランジ部81に近づくに従い、徐々にその直径が細くなるような縮径部80が形成されている。このため、メインコード55の両端部は、連結部57を構成する第一の連結部材41と結合しやすくなると共に、その連結部57の横方向への外径Mをメインコード55の最大径Pと同じかまたは小さくすることが容易となる。
【0098】
本実施形態の連結部57の嵌合構造は、第二の実施形態と同じであり、連結部57については、第二の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0099】
(第四の実施形態)
以下、この発明を具体化した第四の実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、第三の実施形態に類似しており、操作用コード98の連結部57の構成において異なっている。
本実施形態では、連結部57は、メインコード55のフランジ部81と係合する係止部を有する第一の連結部材58と、メインコード55のフランジ部81と係合する係止部を有する第二の連結部材59とで構成される。第一の連結部材58と第二の連結部材59の嵌合構造は、第二の実施形態と同じである。また、第一の連結部材58及び第二の連結部材59をメインコード55に固定する方法は、第三の実施形態と同じである。
本実施形態によれば、第三の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0100】
(第五の実施形態)
以下、この発明を具体化した第五の実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、第四の実施形態に類似しており、操作用コード98の構成において異なっている。以下、本実施形態の操作用コード98の構成について説明する。
【0101】
(操作用コード)
操作用コード98の具体的構成を図32〜図33に従って説明する。
図32に示すように、操作用コード98はメインコード55の両端部が連結部57で連結されて無端状に形成される。前記メインコード55は、ポリエステルやナイロン等で形成された中芯68aをポリエステルで編み込まれた外皮コード68bで被覆したものであり、中芯68aにより操作用コード98の直線性が確保されるとともに、伸び方向の耐久性が確保されている。
【0102】
前記連結部57の具体的構成を図32〜図33に従って説明する。図33に示すように、前記連結部57は第一の連結部材58と第二の連結部材59とで構成されている。前記第一の連結部材58は、前記中芯68aと同一材質の連結コード60の一端に第一の嵌合部62が合成樹脂で成形されている。第一の嵌合部62の構成は、第一の実施形態と同じである。
【0103】
前記第二の連結部材59は、前記連結コード60と同様な連結コード64の一端に前記第一の嵌合部62と同一材質で第二の嵌合部66が成形されている。第二の嵌合部66の構成は第一の実施形態と同じである。前記嵌合孔67は、連結コード64に第二の嵌合部66を形成し、その第二の嵌合部66の先端中央部を切削によりくり貫いて形成される。
【0104】
前記第一及び第二の連結部材58,59をメインコード55に取着するには、図32に示すように、メインコード55の両端部の中芯68aを除去して軸心部に空間を形成し、その空間に前記第一及び第二の連結部材58,59の連結コード60,64をそれぞれ挿入する。この状態で外皮コード68b及び連結コード60,64を縫製すると、第一及び第二の連結部材58,59がメインコード55に取着される。
【0105】
そして、嵌合突部63を嵌合孔67に嵌合すると、前記第一及び第二の連結部材58,59が連結されて連結部57が形成され、図32に示すように、無端状の操作用コード98が形成される。
【0106】
上記のように構成された操作用コード98は、第一の実施形態と同じ連結構造を有しており、第一の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0107】
(第六の実施形態)
以下、この発明を具体化した第六の実施形態を図34〜図38に従って説明する。本実施形態は、複数系統昇降装置に関するものであり、請求の範囲の「操作コード」はボールチェーン16であり、「複数の遮蔽材」は、室内側のスクリーン70a及び室外側のスクリーン70bである。スクリーン70aは、巻取軸71aの回転によって昇降可能であり、スクリーン70bは、巻取軸71bの回転によって昇降可能である。
【0108】
図34に示すように、連装型ロールブラインド82は窓の上方壁面等の取付面に複数の取付ブラケット83を介して支持枠84が固定される。
【0109】
前記支持枠84の一端には支持ブラケット85が取着され、他端には支持ブラケットを兼ねる操作装置86が取着される。そして、支持ブラケット85と操作装置86との間に二本の巻取軸71a,71bが回転可能に支持され、各巻取軸71a,71bからそれぞれスクリーン70a,70bが吊下支持されている。
【0110】
前記巻取軸71a,71bは、上下に所定の間隔を隔てて支持され、図35に示すように、下方に支持される巻取軸71bは上方に支持される巻取軸71aより室外側にオフセットされて支持される。そして、前記巻取軸71aから室内側にスクリーン70aが垂下され、前記巻取軸71bから室外側にスクリーン70bが垂下されている。前記スクリーン70bは厚地の生地で構成され、前記スクリーン70aは薄地の生地で構成される。
【0111】
前記操作装置86からボールチェーンにてなる無端状のボールチェーン16が垂下されている。図35において、室内側に垂下されるボールチェーン16を下方へ、すなわち矢印A方向へ引くと、操作装置86の作用により、巻取軸71aがスクリーン下降方向へ回転されて、スクリーン70aが下降する。また、室外側に垂下されるボールチェーン16を下方へ、すなわち矢印B方向へ引くと、操作装置86の作用により、巻取軸71bがスクリーン下降方向へ回転されて、スクリーン70bが下降する。
【0112】
巻取軸71a,71bは、ドライブシャフト72a,72bによって回転駆動される。ドライブシャフト72a,72bは、コイル状のフリースプリング73a,73b内に配置されている。
図38に示すように、プーリー15に設けられた係合部74がフリースプリング73bに設けられた係合端75bに当接するので、フリースプリング73bが縮径される方向にプーリー15が回転されるとフリースプリング73bが縮径されてドライブシャフト72bと一体に回転される。一方、フリースプリング73bが拡径される方向にプーリー15が回転されるとフリースプリング73bが拡径されてドライブシャフト72bは回転されない。これらの構成によって、プーリー15の一方向の回転が選択的に巻取軸71bに伝達されるように構成されているので、本実施形態では、これらの構成が請求の範囲の「第二のクラッチユニット」である。
【0113】
また、プーリー15の回転は第一の伝達歯車76を介して第二の伝達歯車77に伝達される。プーリー15と第二の伝達歯車77の回転方向は同じである。第二の伝達歯車77に設けられた係合部78がフリースプリング73aに設けられた係合端75aに当接するので、フリースプリング73aが縮径される方向にプーリー15が回転されるとフリースプリング73aが縮径されてドライブシャフト72a,と一体に回転される。一方、フリースプリング73aが拡径される方向にプーリー15が回転されるとフリースプリング73aが拡径されてドライブシャフト72a,は回転されない。これらの構成によって、プーリー15の一方向の回転が選択的に巻取軸71aに伝達されるように構成されているので、本実施形態では、これらの構成が請求の範囲の「第一のクラッチユニット」である。
フリースプリング73aが縮径される回転方向は、フリースプリング73bとは逆になっている。従って、巻取軸71a,71bにはプーリーの互いに異なる方向の回転が伝達される。
【0114】
本実施形態の複数系統昇降装置のより詳細な説明は、特許第3282981号に記載されている通りである。
【0115】
本実施形態の複数系統昇降装置では、1本のボールチェーン16を用いて、巻取軸71a,71bを回転させてスクリーン70a,70bを昇降させているので、ボールチェーン16には、一系統昇降装置に比べて二倍の耐久性が求められる。このため、本実施形態では、耐久性が高い連結部57を有するボールチェーン16を使用している。
【0116】
本実施形態の複数系統昇降装置で使用可能なボールチェーン16の構成は、第一及び第二の実施形態で示した通りである。また、本実施形態では、ボールチェーン16の代わりに第三及び第四の実施形態で示したような操作用コード98も使用可能である。
【0117】
第一の実施形態〜第六の実施形態においては、1本の操作コードで2つの遮蔽材を昇降させる実施形態を用いて本発明の説明を行ったが、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されるものではない。2つの遮蔽材を昇降させる構成や遮蔽材の構成は、第一の実施形態〜第六の実施形態で説明したもの以外にも、例えば、特許第4119692号において説明されているような、一本の操作コードで、複数の遮蔽材(前側生地2a,後側生地2b)が別々の巻取軸(巻取軸7a,7b)の回転によって昇降可能とされているものであってもよい。また、一本の操作コードで3つ以上の遮蔽材を昇降させるものであってもよい。
【0118】
(第七の実施形態)
以下、この発明を具体化した第七の実施形態を図39及び図40に従って説明する。本実施形態は、減速型昇降装置に関するものである。本実施形態では、図示しないヘッドボックス(支持枠)の右端部に図40に示す操作ケース左側から装着され、請求の範囲の「プーリーに支持された駆動ギア」は、プーリー15に支持された駆動ギア79(歯数が14)であり、「巻取軸を回転される被動ギア」は、昇降ギア80(歯数が29)である。駆動ギア79を回転させると、その回転力が第一の伝達ギア81a(歯数が19)及び第二の伝達ギア81b(歯数が14)を介して昇降ギア80に伝達される。昇降ギア80は、第二の伝達ギア81bより歯数が多く、第一の伝達ギア81aは駆動ギア79より歯数が多くいので、駆動ギア79に対する昇降ギア80のギア比は1よりも大きい。昇降ギア80の回転により、図示しない出力軸を介して遮蔽材を昇降させる巻取軸が回転される。プーリーは、直径は28mmであり、図示しない巻取軸の直径は19.8mmであり、第一の実施形態〜第五の実施形態で示したような、操作コードによって回転される。
このような構成の昇降装置では、プーリー15に掛装された操作コードを操作してプーリー15を回転させると、駆動ギア79が回転し、それによって昇降ギア80が回転する。駆動ギア79と昇降ギア80のギア比が1:1であれば、駆動ギア79の1回転に対して昇降ギア80が1回転するが、本実施形態では、駆動ギア79に対する昇降ギア80のギア比が1よりも大きいので、駆動ギア79を1回転させたときの昇降ギア80の回転は1回転に満たない。詳しくはギア比196/551で、プーリーの直径と巻取軸の直径との比率も乗算すると、操作コードの操作長さに対しトータルで約1/4に減速されて昇降する。このため、本実施形態の構成では、ギア比が1以下の構成の昇降装置に比べて遮蔽材を昇降させるためにプーリー15を多く回す必要がある。
プーリー15は操作コードによって回転されるので、プーリー15の回転数が増えれば操作コードの連結部57がプーリー15を通過する回数も増え、それだけ連結部57が損傷を受けやすくなる。
本実施形態によれば、第一の実施形態〜第五の実施形態で示した耐久性の高い操作コードを用いているので、連結部57の損傷による不都合が回避可能である。
なお、巻取軸の回転量に対するプーリーの回転量の比は1より大きければよく、例えば、1.2,1.5,2,2.5,3,5,10である。このギア比は、ここで示した何れかの値以上であってもよく、何れか2つの数値の間の範囲内であってもよい。
【0119】
ここまで種々の実施形態に基づいて本発明の説明を行ってきたが、本発明の範囲は、ここで示した実施形態に限定されるものではない。また、ある実施形態で行った説明は、その趣旨に範囲内限り、別の実施形態にも適用される。
【符号の説明】
【0120】
1…ヘッドボックス、2…遮蔽材(上部スクリーン)、3…中間レール、4…遮蔽材(下部スクリーン)、5…ボトムレール、6…第一の昇降コード、7…第二の昇降コード、13…選択操作手段(操作装置)、16…操作コード(ボールチェーン)
41…第一の連結部材、42…第二の連結部材、43…第一の嵌合部、44…ボール、45…嵌合突部、46…膨径部、47…係止凹部、48…回動規制部、49a,49b…開口部、50…円形孔(嵌合孔)、51a〜51d…係止部、53、54…面取り、55…メインコード、56…ボール、56a…半球部、57…連結部、57…連結部、58…第一の連結部材、59…第二の連結部材、60…連結コード、61…半球部、62…第一の嵌合部、63…嵌合突部、63a…膨径部、63b…面取り、64…連結コード、65…半球部、66…第二の嵌合部、67…嵌合孔、68a…中芯、68b…外皮コード、74…係合部、76…第一の伝達歯車、77…第二の伝達歯車、78…係合部、79…駆動ギア、80…昇降ギア、81…フランジ部、82…連装型ロールブラインド、83…取付ブラケット、84…支持枠、85…支持ブラケット、86…操作装置、98…操作用コード、99…係止部、70a,70b…スクリーン、71a,71b…巻取軸、72a,72b…ドライブシャフト、73a…フリースプリング、73b…フリースプリング、75a…係合端、75b…係合端、81a,81b…第一及び第二の伝達ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持枠と、前記支持枠に回転可能に支持されたプーリーと、前記プーリーに掛装された無端状の操作コードと、前記プーリーの回転によって回転される巻取軸と、前記巻取軸の回転によって昇降される遮蔽材とを備える昇降装置であって、
前記昇降装置は、(1)前記操作コードの操作によって複数の遮蔽材が別々の巻取軸の回転によって昇降可能とされる複数系統昇降装置であるか、又は(2)前記プーリーに支持された駆動ギアと、前記駆動ギアの回転によって回転される被動ギアとを備え、前記巻取軸は、前記被動ギアの回転によって回転され、巻取軸の回転量に対するプーリーの回転量の比が1よりも大きいという構成であり、
前記操作コードは、一端及び他端を有するメインコードと、前記一端に設けられた第一の連結部と、前記他端に設けられた第二の連結部とを備え、
第一の連結部と第二の連結部は、直接又は連結部材を介して互いに連結可能であり、且つ隣接する連結部又は連結部材の一方の嵌合突部を他方の嵌合孔に挿入することによって連結可能であり、
前記嵌合突部は、充実体である昇降装置。
【請求項2】
前記複数系統昇降装置は、前記操作コードが掛装されるプーリーと、前記プーリーの回転によって回転される第一及び第二の巻取軸と、第一の巻取軸の回転によって昇降される第一の遮蔽材と、第二の巻取軸の回転によって昇降される第二の遮蔽材とを備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プーリーと前記第一の巻取軸の間には前記プーリーの一方向の回転を選択的に伝達する第一のクラッチユニットを備え、前記プーリーと前記第一の巻取軸の間には前記プーリーの前記一方向とは逆の方向の回転を選択的に伝達する第二のクラッチユニットを備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記嵌合突部は、前記嵌合孔を形成する材料よりも剛性が高い材料で形成されている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
第一の連結部と第二の連結部は、直接連結可能であり、
第一の連結部は、軸状の嵌合突部を有し、第二の連結部は、前記嵌合突部を嵌合可能とした嵌合孔を有し、
前記嵌合突部に前記嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部が設けられ、前記嵌合孔に前記膨径部に係合する係止部が設けられている請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記膨径部は、前記嵌合突部の外周面の全周に亘って設けられている請求項5に記載の装置。
【請求項7】
第一の連結部と第二の連結部は、連結部材を介して互いに連結可能であり、
第一の連結部と第二の連結部は、それぞれ、軸状の嵌合突部を有し、前記連結部材は、係止部を有する嵌合孔を両端に有する筒状部材であり、
前記嵌合突部の先端部には、前記嵌合突部の基端部より径の大きい膨径部が設けられ、前記嵌合孔には該膨径部に係合する係止部が設けられている請求項1又は2に記載の装置。
【請求項8】
前記嵌合孔に嵌合する一対の嵌合突部の嵌合角度は、相対的にずらされている請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記嵌合角度は、各嵌合突部の中心線が互いに直交する角度である請求項8に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図39】
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【図40】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2011−236558(P2011−236558A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105931(P2010−105931)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】