説明

易溶性カプセルを含んでなる洗剤および洗浄剤

本発明は、他の成分に加えて、マトリックス中に活性成分を含むカプセルを含んでなる水性洗剤および洗浄剤に関する。洗濯処理におけるカプセルの溶解性は、ケイ酸アルミニウムとシリカの組合せをマトリックス中に導入することにより改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤並びにさらなる洗剤および洗浄剤の通常成分を含んでなる水性液状洗剤および洗浄剤に関する。本発明はまた、水性液状洗剤および洗浄剤の製造方法並びに該水性液状洗剤および洗浄剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
液状洗剤および洗浄剤へある種の活性成分(例えば、漂白剤、酵素、香料、染料など)を組み込むと、問題を生じることがある。例えば、液状洗剤および洗浄剤の各活性物質成分間で不適合が生じることがある。これによって、望ましくない変色、凝集、臭気問題、および洗浄活性を有する活性物質の分解が起こり得る。
【0003】
しかしながら、消費者は、貯蔵および輸送後でさえ、使用時にその活性を最適に示す液状洗剤および洗浄剤を求めている。これには、液状洗剤および洗浄剤の成分が、事前に沈澱したり分解したり或いは揮発したりしないことが必要である。
【0004】
例えば、複雑でそれ故に高価な包装によって、揮発成分の減損を防ぐことができる。化学的に不適合な成分は、液状洗剤および洗浄剤の残余成分と別々に貯蔵し、使用時に量り入れてもよい。不透明な包装を使用することによって、光に敏感な成分の分解を防ぐことができるが、消費者が液状洗剤および洗浄剤の外観および量を見ることができないという欠点も有する。
【0005】
敏感な、化学的または物理的に不適合な、そして揮発性の成分を配合するためのある考えとして、これらの成分を封入したカプセルの使用がある。2種類の異なったカプセルが存在する。1つはコア−殻構造を有するカプセルであり、成分は壁またはバリアに包囲されている。もう1つは、成分がマトリックス形成物質からなるマトリックス内に分散しているカプセルである。このようなカプセルは、「スペックル」とも称される。
【0006】
米国特許6,855,681は、マトリックスでカプセル化された活性成分を含む洗浄剤組成物を開示する。カプセルのマトリックスは、水和したアニオン性ゴムを含有し、およびカプセル化活性成分は、好ましくは香料である。
【0007】
カプセルを洗剤および洗浄剤で使用する場合、カプセルが洗浄操作の間に溶解し、および洗濯物上に残渣を残さないことが重要である。しかしながら、幾つかの場合、特に臨界的洗浄パラメーター(例えば、冷水洗濯サイクルまたは洗毛サイクル)において、これが問題になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、カプセルが、特に、とりわけ容易に溶解し、および洗濯物上に残渣を残さないように、その中に少なくとも1種の活性成分を有する改善されたカプセルを有する洗剤および洗浄剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的は、界面活性剤並びにさらなる洗剤および洗浄剤の通常成分を含有する水性液状洗剤および洗浄剤であって、
該剤は、少なくとも1種のカプセルを含有し、該カプセルは、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含み、ケイ酸アルミニウムとシリカは、1:10〜10:1の比率で存在している、
水性液状洗剤および洗浄剤によって達成される。
ケイ酸アルミニウムとシリカは、好ましくは1:4〜4:1、特に好ましくは2:3〜4:3の比率で存在する。
【0010】
驚くべきことに、カプセルの溶解挙動は、マトリックス中へのケイ酸アルミニウムとシリカの組合せの導入によって改善される。本発明のカプセルは、臨界的洗毛サイクルでさえも残渣なく溶解する。
【0011】
さらに、2つの物質の組合せは、カプセルに強固な構造も与えるので、カプセルの安定性にプラス効果を有する。
【0012】
活性成分は、蛍光増白剤、界面活性剤、錯化剤、漂白剤、漂白活性剤、染料、香料、酸化防止剤、洗浄ビルダー、酵素、酵素安定剤、抗菌活性物質、グレーイング阻害剤、pH調整剤、防汚ポリマー、色移り阻害剤、電解質、コンディショニングオイル、研磨材、スキンケア剤、抑泡剤、ビタミン、タンパク質、防腐剤、洗浄力増強剤、艶出し剤、および紫外線吸収剤を含む群から選択されることが好ましい。
【0013】
活性成分のカプセル化は、洗剤および洗浄剤の一次および二次の洗濯および洗浄性能に重要なコンパウンドを、他の構成成分との望ましくない相互作用(凝集、分解、変色または退色など)または望ましくない効果(相分離、濁り、綿状沈殿など)が生じないように液状洗剤および洗浄剤中に導入するのを可能にする。
【0014】
好ましい態様では、カプセルは、少なくとも1種の中空マイクロスフェアをさらに含有する。
中空マイクロスフェアは、好ましくは2〜500μm、特に5〜20μmの直径を有し、1g・cm−3未満の比重を有する。各カプセルに1種以上の中空マイクロスフェアを組み込むことによって、カプセルの密度を周囲の洗剤および洗浄剤組成物の密度に適合することができ、それによって、望ましくないカプセルの沈澱または浮揚(クリーム化)を防ぐことができる。
【0015】
また、マトリックスは、カラギーナン、アルギン酸塩およびジェランガムを含む群からの物質から選択されることが好ましい。
これらの物質は、カチオンと特に容易に架橋して、架橋不溶性ゲルを形成できる。マトリックスを含む球状カプセルは、これらの物質の溶液をカチオン含有溶液に滴下することによって容易に製造できる。
【0016】
好ましい態様では、洗剤および洗浄剤は、0.01〜10,000μmの最大寸法に沿った直径を有する分散カプセルを含有する。
【0017】
本発明はまた、繊維製品を洗浄するための本発明の洗剤および洗浄剤の使用も請求している。
【0018】
また、界面活性剤並びにさらなる洗剤および洗浄剤の通常成分および少なくとも1種のカプセルを含有し、該カプセルは、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含む水性液状洗剤および洗浄剤の製造方法であって、
ケイ酸アルミニウムとシリカを、1:10〜10:1の比率で使用することを含む、
方法も開示する。
【0019】
また、本発明は、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含むカプセルであって、マトリックスは、ケイ酸アルミニウムとシリカを、1:10〜10:1の比率で含有する、カプセル、およびカプセルの溶解性を改善するための、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含むカプセルにおけるケイ酸アルミニウムとシリカの1:10〜10:1の比率での使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の洗剤および洗浄剤を、とりわけ実施例を用いてより詳細に以下に記載する。
本発明の洗剤および洗浄剤は、マトリックス内に少なくとも1種の活性成分を含む少なくとも1種のカプセルを必須成分として含有する。
【0021】
カプセルのマトリックスは、例えば、カラギーナン、アルギン酸塩またはジェランガムを含み得る。これらの物質は、一価または多価カチオンによって架橋され、ゲルを形成できる。
【0022】
アルギン酸塩は、天然に存在するアルギン酸塩であり、細胞壁の構成要素として全ての褐藻類(Phaeophycea)内に存在する。アルギン酸塩は、約200,000の相対分子量Mを有する酸性カルボキシ基含有多糖類であり、1,4−グリコシド結合によって結合した様々な割合のD−マンヌロン酸およびL−グルロン酸から構成される。アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムおよびアルギン酸マグネシウムは水溶性である。アルギン酸塩溶液の粘度は、とりわけ分子量および対イオンに依存する。アルギン酸カルシウムは、例えば、あるモル比で熱不可逆性ゲルを形成する。アルギン酸ナトリウムは、水と非常に粘稠な溶液を生じ、2価または3価金属イオン、例えばCa2+との相互作用によって架橋され得る。アルギン酸ナトリウム水溶液中に含まれる成分は、このようにしてアルギン酸塩マトリックス中に封入される。
【0023】
カラギーナンは真正紅藻綱に属する紅藻類(Chondrus crispusおよびGigartina stellata)の抽出物である。カラギーナンは、KイオンまたはCa2+イオンの存在下で架橋する。
【0024】
ジェランガムは、モノマーとしてグルコース、グルクロン酸およびラムノースからなる、四糖類基本単位を有する非分岐状アニオン性微生物性ヘテロエキソ多糖類である。ほとんどの基本単位の各々はL−グリセレートでエステル化され、第2の基本単位の各々はアセテートでエステル化される。ジェランガムは、Kイオン、Naイオン、Ca2+イオンまたはMg2+イオンの存在下で架橋する。マトリックスについて記載した物質の中では、アルギン酸塩が好ましい。
【0025】
水性液状洗剤および洗浄剤の、敏感な、化学的または物理的に不適合な、そして揮発性の成分(活性物質)は、貯蔵および輸送安定となるようにカプセル中に封入することができる。本発明において、これらの成分は「活性成分」と称される。例えば、蛍光増白剤、界面活性剤、錯化剤、漂白剤、漂白活性剤、染料、香料、酸化防止剤、洗浄ビルダー、酵素、酵素安定剤、抗菌活性物質、グレーイング阻害剤、pH調整剤、防汚ポリマー、色移り阻害剤、電解質、コンディショニングオイル、研磨材、スキンケア剤、抑泡剤、ビタミン、タンパク質、防腐剤、洗浄力増強剤、艶出し剤、および紫外線吸収剤は、カプセル中に存在し得る。カプセルは、1つまたはそれ以上の活性成分を含有し得る。
【0026】
有利には、防汚ポリマーを活性成分としてカプセルに導入することができる。防汚ポリマーは、通常、実質的にエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレート基を含んでなるポリマーである。しかしながら、これらのポリマーは、任意に処方できないので、長期保存および/または厳しい温度変化により分離してしまい、これが曇った生成物を導き得る。防汚ポリマーをカプセル化することによって、この問題を回避できる。困難なくカプセル化できる適当な防汚ポリマーの例としては、Marloquest L 235 M(Sasol)、Repelotex(登録商標) SRP6(Rhodia)、またはPraepagen HY(Clariant)が挙げられる。
【0027】
さらに有利にカプセル化される成分は酵素である。酵素は洗剤および洗浄剤の他の成分によって容易に分解される。酵素をカプセル化することによって、これを防止することができる。カプセル化に適した酵素としては、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、オキシダーゼ、またはセルラーゼが挙げられる。
【0028】
活性成分を構成するより小さい分子の場合、カプセルから流れ出すのを防ぐために、該活性成分を固定化することが好適であり得る。例えば、酵素を基質に結合して固定化し、酵素−基質複合体の形態でカプセル中に導入することができる。セルラーゼをカプセル化する場合、例えば、セルロースを基質として使用することができる。
【0029】
マトリックス水溶液中の活性成分の量は、好ましくは0.01〜40重量%の間、より好ましくは0.05〜20重量%の間、特に好ましくは0.1〜5重量%の間、とりわけ好ましくは0.5〜1.5重量%の間である。
【0030】
さらに、本発明のカプセルは、ケイ酸アルミニウムとシリカの組合せを含有し、その比は、1:10〜10:1の間、好ましくは1:4〜4:1の間、特に好ましくは2:3〜4:3の間である。これらのコンパウンドの導入のために、対応する材料をマトリックス溶液に添加する。適当なシリカは、Aerosil(登録商標)またはSipernat(登録商標)(共にDegussa)の商品名で市販されている。ケイ酸アルミニウムは、好ましくはゼオライトである。ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトXまたはこれらの混合物を使用できる。適当なゼオライトとしては、例えば、Wessalith(登録商標)(Degussa)、Zeolite MAP(登録商標)(Crosfield)またはVEGOBOND AX(登録商標)(SASOL)のような市販品が挙げられる。
【0031】
マトリックス水溶液中のシリカおよびケイ酸アルミニウムの量は、好ましくは0.1〜20重量%の間、より好ましくは1〜10重量%の間、特に好ましくは2〜10重量%の間である。
【0032】
カプセルは、中空マイクロスフェアをさらに含有し得る。中空マイクロスフェアは、2〜500μm、特に5〜20μmの直径を有し、1g・cm−3の比重を有する粒子である。中空マイクロスフェアは有利には球状かつ平滑である。中空マイクロスフェアは、無機物質、例えば水ガラス、ケイ酸アルミニウム、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスまたはセラミック、或いは有機ポリマー、例えばスチレン、アクリロニトリルおよび塩化ビニリデンのホモポリマーまたはコポリマーからなり得る。適当な中空マイクロスフェアは、例えば、Fillite(登録商標)(Trelleborg Fillite)、Expancel(登録商標)(Akzo Nobel)、Scotchlite(登録商標)(3M)、Dualite(登録商標)(Sovereign Specialty Chemicals)、Sphericel(登録商標)(Potters Industries)、Zeeospheres(登録商標)(3M)、Q-Cel(登録商標)(PQ Corporation)またはExtendospheres(登録商標)(PQ Corporation)の商品名で市販されている。さらなる適当な中空マイクロスフェアは、Omega MineralsからE-Spheresの商品名で供給されている。E-Spheresは、様々な粒度、粒度分布、嵩密度および嵩容積で供給されている白色のセラミック製中空マイクロスフェアである。記載した中空マイクロスフェアの多くは、化学的に不活性であり、カプセルの破壊後、洗液中に分散し、次いで洗液と共に除去される。
【0033】
既に記載したように、カプセルの密度は、中空マイクロスフェアを組み込むことによって変更または調整できる。カプセル内の中空マイクロスフェアの量は、所望のカプセル密度に依存する。しかしながら、マトリックス水溶液中の中空マイクロスフェアの量が、好ましくは0〜10重量%の間、より好ましくは1〜5重量%の間、特に好ましくは2〜4重量%の間であることが好ましい。
【0034】
製造に関連する制限内で、カプセルを如何なる形状にもできるが、ほぼ球状が好ましい。最大寸法に沿った直径は、それらの用途およびそれらの内部に含有される成分に応じて、0.01μm(カプセルとして視認不可能)〜10,000μmの間であり得る。100μm〜7,000μm、特に400μm〜5,000μmの範囲の直径を有する可視のマイクロカプセルが好ましい。
【0035】
審美的観点から、カプセルが着色されていることが望ましいこともある。このため、カプセルは1種以上の着色料、例えば顔料または染料を含有することができる。カプセルが防腐剤を含有することも好ましい。
【0036】
本発明のカプセルを製造するために、好ましくは、組み込まれる活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカ、並びに必要に応じてさらなる成分、例えば中空マイクロスフェア、防腐剤および/または着色料を含有するマトリックス水溶液を、Ca2+イオン含有沈澱浴に滴下し、次いで硬化させる。沈澱浴は、さらなる成分、例えば防腐剤またはポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを含有することができる。マトリックス水溶液は、好ましくはアルギン酸塩溶液である。
【0037】
カプセルは、例えば、Rieter Automatik GmbHの滴下装置を用いて製造することができる。組み込まれる活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカ、並びに必要に応じて中空マイクロスフェア、防腐剤および/または着色料を含有するマトリックス水溶液の滴下は、振動型膜によって発生した振動を与えることによって行われる。小滴への分裂は、膜の逆振動の際に増加する剪断応力に起因する。滴下自体は、例えば、10〜500穴、好ましくは50〜100穴を有するシングルノズルまたはノズルプレートによって行うことができる。ノズルは、好適には、0.2〜2mm、好ましくは0.3〜0.8mmの範囲の直径の穴を有する。基本的に、滴下は、撹拌槽として設計された沈澱浴中で行うことができる。しかしながら、これには、カプセルが互いにぶつかり、くっついてしまう危険性がある。また、エネルギーが撹拌工程から投入され、望ましくない温度上昇を招くので、カプセルおよび組み込まれた活性成分が撹拌中に破壊され得る。沈澱浴を一種の流路として設計した場合、これらの欠点を回避することができる。小滴が引き続く小滴とぶつかってくっつき得ないように迅速に小滴を滴下地帯から運び去る等流で、滴下を行う。カプセルが完全に硬化していない間、カプセルは浮遊し、硬化が進行すると沈澱する。
【0038】
小滴形成技術が異なる他の滴下装置も、代替製造方法として使用することができる。その例としては、Gouda Company、Cavis CompanyまたはGeniaLab Companyの装置が挙げられる。
【0039】
マトリックス水溶液中のマトリックス形成物質の量は、好ましくは0.01〜10重量%の間、特に好ましくは0.1〜5重量%の間、とりわけ好ましくは1〜3重量%の間である。アルギン酸ナトリウムがマトリックス形成物質として好ましく使用される。
【0040】
次いで、液状洗剤および洗浄剤の成分、例えば脂肪酸石鹸と望ましくない相互作用を生じ得る遊離Ca2+イオンを洗い流すため、カプセルを水で洗浄し、続いて錯化剤(例えばホスホネート)含有水溶液で洗浄することが有利であり得る。適当なホスホネートは、例えば、Solutia社のDequest(登録商標)であり得る。次いで、カプセルを再び水で洗浄し、過剰な錯化剤を洗い流す。
【0041】
洗剤または洗浄剤における使用前、カプセルを乾燥することができるが、好ましくは湿っているうちに使用する。
【0042】
カプセルからの活性成分の放出は、通常、力学的、熱的、化学的および/または酵素作用によるマトリックスの破壊によって、それらを含有する剤の使用中に生じる。本発明の好ましい態様では、液状洗剤および洗浄剤は、同じまたは異なったカプセルを、0.01〜10重量%、特に0.2〜8重量%、とりわけ0.5〜5重量%の量で含有する。
【0043】
カプセルに加えて、液状洗剤および洗浄剤は界面活性剤を含有する。アニオン性、非イオン性、カチオン性および/または両性界面活性剤を使用できる。技術的観点から、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の混合物が好ましい。液状洗剤および洗浄剤中の界面活性剤の合計含有量は、液状洗剤および洗浄剤全体に基づいて、好ましくは40重量%未満、特に好ましくは35重量%未満である。
【0044】
使用される非イオン性界面活性剤は、好ましくはアルコキシル化、有利にはエトキシル化された、好ましくは8〜18個の炭素原子およびアルコール1molあたり平均で1〜12molのエチレンオキシド(EO)を有する特に1級アルコールであり、該アルコール基は、直鎖または好ましくは2位のメチル分枝であり得、またはオキソアルコール基に通常存在する混合物の状態で、直鎖およびメチル分枝基を含み得る。しかしながら、12〜18個の炭素原子を有する天然起源アルコール、例えば、ココアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコールから構成される直鎖基およびアルコール1molあたり平均2〜8EOを有するアルコールエトキシレートが特に好ましい。好ましいエトキシル化アルコールは、例えば、3EO、4EOまたは7EOを有するC12〜14−アルコール、7EOを有するC9〜11−アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13〜15−アルコール、3EO、5EOまたは7EOを有するC12〜18−アルコール、並びにこれらの混合物、例えば3EOを有するC12〜14−アルコールと7EOを有するC12〜18−アルコールとの混合物を含む。上記のエトキシル化度は、特定の生成物において整数または分数であってよい統計的平均値である。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個を超えるEOを含む脂肪アルコールもまた使用できる。このような脂肪アルコールの例は、14EO、25EO、30EOまたは40EOを含む獣脂脂肪アルコールである。分子内にEOおよびPO基を一緒に含む非イオン性界面活性剤も、本発明に従って使用され得る。本発明では、EO−POブロック単位またはPO−EOブロック単位を有するブロックコポリマーを使用できるが、EO−PO−EOコポリマーまたはPO−EO−POコポリマーも使用できる。混合アルコキシル化され、EOおよびPO単位がブロック様ではなくランダムに分布された非イオン性界面活性剤も、もちろん使用することができる。このような生成物は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを脂肪アルコールに同時に作用させることによって得られる。
【0045】
さらに、一般式RO(G)x[式中、Rは、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖またはメチル分枝、特に2−メチル分枝の1級脂肪族基であり、Gは、5または6個の炭素原子を有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表す。]に相当するアルキルグリコシドも、さらなる非イオン性界面活性剤として使用できる。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を示すオリゴマー化度xは、1〜10の間の所望の数、好ましくは1.2〜1.4の間の数である。
【0046】
単一の非イオン性界面活性剤として、または他の非イオン性界面活性剤と組合せて使用される好ましい非イオン性界面活性剤のその他の種類は、好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を有するアルコキシル化、好ましくはエトキシル化、またはエトキシル化およびプロポキシル化脂肪酸アルキルエステルである。
【0047】
アミンオキシド型の非イオン性界面活性剤、例えば、N−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、並びに脂肪酸アルカノールアミド型の非イオン性界面活性剤も適当であり得る。これらの非イオン性界面活性剤の量は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールの量を超えず、特にエトキシル化脂肪アルコールの量の半分を超えない。
【0048】
さらなる適当な界面活性剤は、式(2):
【0049】
【化1】

[式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基を表し、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分枝ポリヒドロキシアルキル基を表す。]
に相当するポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、既知の物質であり、一般に、還元糖をアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元アミノ化し、続いて、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロリドでアシル化することによって得られる。
【0050】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群に属するものは、式(3):
【0051】
【化2】

[式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基またはアルケニル基であり、Rは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝または環状のアルキル基またはアリール基であり、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝または環状のアルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基であり、C1〜4アルキル基またはフェニル基が好ましく、[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2個のヒドロキシル基によって置換されている直鎖ポリヒドロキシアルキル基、またはその基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化誘導体である。]
に相当する化合物である。
【0052】
[Z]は、好ましくは、糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元アミノ化によって得られる。そして、N−アルコキシ−またはN−アリールオキシ−置換化合物を、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルと反応させることによって所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0053】
液状洗剤および洗浄剤中の非イオン性界面活性剤の含有量は、各々の場合の剤全体に基づいて、好ましくは5〜30重量%、有利には7〜20重量%、特に9〜15重量%である。
【0054】
使用し得るアニオン性界面活性剤は、例えば、スルホネート型およびスルフェート型の界面活性剤である。スルホネート型の界面活性剤の例は、好ましくはC9〜13−アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、即ち、アルケンおよびヒドロキシアルカンスルホネートの混合物、並びにジスルホネートであり、これらは、例えば、末端または内部二重結合を有するC12〜18−モノオレフィンを、三酸化硫黄ガスでスルホン化し、続いてスルホン化生成物をアルカリまたは酸加水分解することによって得られる。C12〜18−アルカンを、例えば、スルホ塩素化またはスルホ酸化し、続いて加水分解または中和することによって得られるアルカンスルホネートも適している。α−スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化ココナッツ酸、パーム核酸または獣脂酸のα−スルホン化メチルエステルも同様に適している。
【0055】
さらに適当なアニオン性界面活性剤は、硫酸化脂肪酸グリセロールエステルである。「脂肪酸グリセロールエステル」は、モノグリセロールを1〜3molの脂肪酸でエステル化するか、またはトリグリセリドを0.3〜2molのグリセロールでエステル交換することによって得られる、モノ−、ジ−およびトリエステル並びにこれらの混合物として理解される。好ましい硫酸化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸の硫酸化生成物である。
【0056】
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12〜C18−脂肪アルコール、例えば、ココナッツ脂肪アルコール、獣脂アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコール、或いはC10〜C20−オキソアルコールの硫酸半エステル、並びにこれらの鎖長の2級アルコールの硫酸半エステルの、アルカリ塩、特にナトリウム塩である。また、石油化学に基づいて生成される合成直鎖アルキル基を含有し、脂肪化学原料に基づく適当な化合物に類似した分解挙動を示す、上記鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートも好ましい。洗浄技術のために、C12〜C16−アルキルスルフェート、C12〜C15−アルキルスルフェートおよびC14〜C15−アルキルスルフェートが好ましい。商品名DAN(登録商標)のもとShell Oil Companyの市販品として得られる2,3−アルキルスルフェートも、適当なアニオン性界面活性剤である。
【0057】
1〜6molのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖または分枝C7〜21−アルコール、例えば、平均3.5molのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝C9〜11−アルコール、または1〜4EOを有するC12〜18−脂肪アルコールの、硫酸モノエステルも適している。それらの良好な発泡挙動により、それらは、洗浄剤中に比較的少量、例えば1〜5重量%の量でのみ使用される。
【0058】
さらなる適当なアニオン性界面活性剤は、スルホスクシネートまたはスルホコハク酸エステルとも称される、アルキルスルホコハク酸塩、およびスルホコハク酸とアルコール(好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコール)とのモノエステルおよび/またはジエステルである。好ましいスルホスクシネートは、C8〜18−脂肪アルコール基またはその混合物を含有する。特に好ましいスルホスクシネートは、それ自体非イオン性界面活性剤と見なされるエトキシル化脂肪アルコールから誘導される脂肪アルコール基を有する(以下の記載を参照)。特に好ましいスルホスクシネートは、その脂肪アルコール基が、狭い同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコールから誘導されたスルホスクシネートである。アルキル(アルケニル)鎖に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸またはその塩を使用することもできる。
【0059】
特に好ましいアニオン性界面活性剤は、石鹸である。飽和および不飽和脂肪酸石鹸が適しており、その例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、(水素化)エルカ酸およびベヘン酸の塩、並びに、特に天然脂肪酸、例えばココナッツ脂肪酸、パーム核脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、または獣脂酸から誘導される石鹸混合物である。
【0060】
石鹸を含むアニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の状態で、或いは有機塩基、例えば、モノ−、ジ−またはトリエタノールアミンの可溶性塩として、存在することができる。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩またはカリウム塩、特にナトリウム塩の状態で存在する。
【0061】
好ましい液状洗剤および洗浄剤中のアニオン性界面活性剤の含有量は、各々の場合の剤全体に基づいて、2〜30重量%、好ましくは4〜25重量%、特に5〜22重量%である。
【0062】
液状洗剤および洗浄剤の粘度は、標準的な方法(例えば、ブルックフィールド粘度計LVT-IIを20℃、20rpm、スピンドル3で使用)を用いて測定でき、好ましくは、500〜5,000mPasの範囲である。好ましい剤は700〜4,000mPasの粘度を有し、1,000〜3,000mPasの間の値が特に好ましい。
【0063】
カプセルおよび界面活性剤に加えて、液状洗剤および洗浄剤は、液状洗剤および洗浄剤の応用技術上の特性および/または審美的特性をさらに向上させるさらなる成分を含んでよい。本発明において、好ましい剤は、カプセルおよび界面活性剤に加えて、洗浄ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、酵素、電解質、非水溶媒、pH調整剤、香料、香料担体、蛍光剤、染料、ヒドロトロープ、抑泡剤、シリコーン油、再沈着防止剤、蛍光増白剤、グレーイング阻害剤、収縮阻害剤、防シワ剤、色移り阻害剤、抗菌活性物質、殺菌剤、殺真菌剤、酸化防止剤、腐食防止剤、静電防止剤、アイロン助剤、撥水剤および含浸剤、膨潤剤および滑り防止剤並びに紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1つ以上の物質を含む。
【0064】
ケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム(特にゼオライト)、炭酸塩、有機ジ−およびポリカルボン酸の塩、並びにこれらの混合物は、液状洗剤および洗浄剤中に含有され得る洗浄ビルダーとして特に挙げられ得る。
【0065】
適当な結晶性層状ケイ酸ナトリウムは、一般式NaMSixO2x+1・H2O[式中、Mはナトリウムまたは水素であり、xは1.9〜4の数であり、yは0〜20の数であり、好ましいxの値は2、3または4である。]を有する。上記式で示される好ましい結晶性層状ケイ酸塩は、Mがナトリウムであり、xが2または3の値と推定されるものである。β−およびδ−二ケイ酸ナトリウムNaSi・yHOの両方が特に好ましい。
【0066】
また、1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、特に1:2〜1:2.6のNaO:SiO比を有する非晶質ケイ酸ナトリウムも有用である。これらは、遅延溶解し、二次的洗浄特性を示す。通常の非晶質ケイ酸ナトリウムと比べて遅い溶解は、種々の方法、例えば、表面処理、コンパウンド化、圧縮/成形または過乾燥によって得ることができる。本発明では、用語「非晶質」は「X線非晶質」として理解される。つまり、ケイ酸塩は、結晶性物質に典型的な鋭いX線反射を生じず、数度の回折角の幅を有する散乱X線のせいぜい1つ以上の極大を生じる。しかしながら、電子回折試験において、ケイ酸塩粒子が不明確なまたは鋭い回折極大を生じる場合に、特に良好なビルダー特性が実現されることもある。これは、生成物が、10〜数百nmの大きさの微晶質領域を有することを意味すると解釈され得、その値は、最大50nmまで、特に最大20nmまでが好ましい。成形/圧縮非晶質ケイ酸塩、コンパウンド化非晶質ケイ酸塩、および過乾燥X線非晶質ケイ酸塩が、特に好ましい。
【0067】
微細結晶質の結合水含有合成ゼオライトは、好ましくはゼオライトAおよび/またはPである。ゼオライトMAP(登録商標)(Crosfield Co.の市販品)は、ゼオライトPとして特に好ましい。しかしながら、ゼオライトX、並びにゼオライトA、X、Yおよび/またはPの混合物も適当である。市販された、本発明において好ましいものは、例えば、ゼオライトXとゼオライトAの共結晶(ゼオライトXが約80重量%)であり、これは、SASOLによってVEGOBOND AX(登録商標)の商品名で市販されており、式:
nNa2O・(1-n)K2O・Al2O3・(2〜2.5)SiO2・(3.5〜5.5)H2O
[式中、nは0.90〜1.0である。]
によって表すことができる。
【0068】
ゼオライトは、噴霧乾燥粉末として、または製造されたままの未だ湿っている未乾燥の安定な懸濁物として使用することができる。ゼオライトを懸濁物として使用する場合、ゼオライトは、安定剤として、少量の非イオン性界面活性剤、例えばゼオライトに基づいて1〜3重量%の、2〜5個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化C12〜C18−脂肪アルコール、4〜5個のエチレンオキシド基を有するC12〜C14−脂肪アルコール、またはエトキシル化イソトリデカノールを含むことができる。適当なゼオライトは、10μm未満の平均粒度(体積分布;測定法:コールター・カウンター)を有し、好ましくは18〜22重量%、より好ましくは20〜22重量%の結合水を含有する。
【0069】
また、環境上の理由から使用を避ける必要がなければ、当然、一般に知られているリン酸塩をビルダーとして使用することができる。オルトリン酸、ピロリン酸および特にトリポリリン酸のナトリウム塩が、特に適当である。
【0070】
漂白剤として作用し、水中にHを生じさせる化合物の中で、過ホウ酸ナトリウム四水和物および過ホウ酸ナトリウム一水和物が特に重要である。使用できる他の漂白剤は、例えば、過炭酸ナトリウム、ペルオキシピロホスフェート、シトレートペルヒドレート、およびHを生じさせる過酸塩または過酸、例えば、過安息香酸塩、ペルオキシフタル酸塩、ジペルアゼライン酸、フタロイミノ過酸またはジペルドデカン二酸である。
【0071】
60℃以下の温度で洗浄する場合に改善された漂白作用を達成するために、漂白活性剤を洗剤および洗浄剤中に含有させることができる。過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、および/または置換されていてもよい過安息香酸を生じる化合物を、漂白活性剤として使用することができる。上記の数の炭素原子を含むO−アシル基および/またはN−アシル基、および/または置換されていてもよいベンゾイル基を有する物質が適当である。多アシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-NOBSまたはイソ-NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランが好ましい。
【0072】
従来の漂白活性剤に加えてまたは代えて、いわゆる漂白触媒も、液状洗剤および洗浄剤に組み込むことができる。これらの物質は、漂白促進遷移金属塩または遷移金属錯体、例えば、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウムまたはモリブデンのサレン錯体またはカルボニル錯体である。窒素含有三脚型配位子によるマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、バナジウムおよび銅の錯体、並びにコバルト、鉄、銅およびルテニウムのアミン錯体も、漂白触媒として使用可能である。
【0073】
液状洗剤および洗浄剤は、好ましくは増粘剤を含む。増粘剤は、例えば、ポリアクリレート増粘剤、キサンタンガム、ジェランガム、グァーシードフラワー、アルギン酸塩、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ベントナイト、ウェランガム、イナゴマメフラワー、寒天、トラガント、アラビアゴム、ペクチン、ポリオース、デンプン、デキストリン、ゼラチンおよびカゼインを含み得る。変性デンプンおよび変性セルロースのような変性天然物、例えば、カルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース並びにシードフラワーエーテルも増粘剤として使用できる。
【0074】
ポリアクリレート増粘剤およびポリメタクリレート増粘剤は、例えば、ポリアルケニルポリエーテル、特にスクロース、ペンタエリスリトールまたはプロピレンのアリルエーテルと架橋し、カルボキシビニルポリマーとも称される、アクリル酸の高分子量ホモポリマー(「The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association (CTFA)」の「International Dictionary of Cosmetic Ingredients」に従ったINCI名:カルボマー)を含む。このようなポリアクリル酸は、とりわけ、3V Sigma CompanyからPolygel(登録商標)、例えばPolygel DAの商品名で、B.F. Goodrich CompanyからCarbopol(登録商標)、例えばCarbopol 940(分子量約4,000,000)、Carbopol 941(分子量約1,250,000)またはCarbopol 934(分子量約3,000,000)の商品名で入手できる。
また、以下のアクリル酸コポリマーも増粘剤に含まれる:
(i)アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの単純エステル(好ましくはC1〜4−アルコールと形成される)からなる群からの2つ以上のモノマーからなるコポリマー(INCI名:Acrylates Copolymer)。例えば、メタクリル酸、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー(Chemical Abstracts Serviceに従ったCAS番号:25035-69-2)、或いはアクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー(CAS番号:25852-37-3)が挙げられ、これらは、例えば、Rohm & HaasからAculyn(登録商標)およびAcusol(登録商標)の商品名で、Degussa(Goldschmidt)からTego(登録商標)ポリマー、例えばアニオン性非会合性ポリマーであるAculyn 22、Aculyn 28、Aculyn 33(架橋)、Acusol 810、Acusol 820、Acusol 823およびAcusol 830(CAS番号:25852-37-3)の商品名で入手可能である。
(ii)架橋高分子量アクリル酸コポリマー。例えば、スクロースのアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋した、C10〜30−アルキルアクリレートと、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの単純エステル(好ましくはC1〜4−アルカノールと形成される)からなる群からの1つ以上のモノマーとのコポリマー(INCI名:Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)が挙げられ、これらは、例えば、B.F. Goodrich CompanyからCarbopol(登録商標)、例えば疎水化Carbopol ETD 2623およびCarbopol 1382(INCI名:Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)、並びにCarbopol Aqua 30(以前はCarbopol EX 473)の商品名で入手可能である。
【0075】
好ましく使用されるさらなるポリマー増粘剤は、キサンタンガム、即ち、Xanthomonas campestrisおよび幾つかの他の種により好気性条件下で生産され、2,000,000〜15,000,000ダルトンのモル質量を有する微生物性アニオン性ヘテロ多糖類である。キサンタンは、側鎖を有するβ−1,4−結合グルコース(セルロース)含有鎖で構成されている。下位基の構造は、グルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルビン酸塩から構成される。ピルビン酸塩単位の数が、キサンタンガムの粘度を決定する。
【0076】
キサンタンガムは、以下の式(1):
【0077】
【化3】

によって記載できる。
【0078】
キサンタンガムは、Kelco社からKeltrol(登録商標)およびKelzan(登録商標)の商品名で、Rhodia社からRhodopol(登録商標)の商品名で入手可能である。
【0079】
好ましい水性液状洗剤および洗浄剤は、剤全体に基づいて、0.01〜3重量%、好ましくは0.1〜0.1重量%の増粘剤を含有する。使用される増粘剤の量は、増粘剤のタイプおよび所望される増粘の程度に依存する。
【0080】
水性液状洗剤および洗浄剤は、洗剤および洗浄剤中に、カプセル化形態で、および/または直接的に、酵素を含むことができる。適当な酵素は、特に、ヒドロラーゼクラスの酵素、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼまたは脂肪分解酵素、アミラーゼ、セルラーゼまたは他のグリコシルヒドロラーゼおよびこれらの酵素の混合物である。洗濯中、これらのヒドロラーゼの全ては、タンパク質、脂肪またはデンプン汚れのような汚れの除去、およびグレーイングの除去に寄与する。さらに、セルラーゼおよび他のグリコシルヒドロラーゼは、ピリングおよびマイクロフィブリルを除去することによって、保色および繊維製品の柔軟性の増加に寄与し得る。漂白または色移り軽減のために、オキシリアクターゼを使用してもよい。Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Streptomyceus griseus、およびHumicola insolensのような細菌源または真菌から得られる酵素活性物質が、特に適当である。サブチリシン型プロテアーゼ、特にBacillus lentusから得られるプロテアーゼが好ましく使用される。下記例のような酵素の混合物は特に重要である:プロテアーゼとアミラーゼの混合物、プロテアーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素の混合物、プロテアーゼとセルラーゼの混合物、セルラーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素の混合物、プロテアーゼとアミラーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素の混合物、プロテアーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素とセルラーゼの混合物、しかしながら、特に、プロテアーゼおよび/またはリパーゼ含有混合物、或いは脂肪分解酵素との混合物。このような脂肪分解酵素の例は、既知のクチナーゼである。ある場合には、ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼが適当であることもわかった。適当なアミラーゼは、特に、α−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼおよびペクチナーゼを含む。セロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼ、およびセロビアーゼとしても既知のβ−グルコシダーゼ、またはこれらの混合物は、セルラーゼとして好適に使用される。種々のセルラーゼ種は、それらのCMCアーゼ活性およびアビセラーゼ活性が異なるので、セルラーゼの制御された混合物によって所望の活性を調整することができる。
【0081】
酵素を早期分解から保護するために、酵素を担体物質に吸着させることができる。洗剤および洗浄剤中に直接含まれる、酵素、酵素混合物または酵素顆粒の割合は、例えば、約0.1〜5重量%、好ましくは0.12〜約2.5重量%であり得る。
【0082】
無機塩の群から選ばれる多数の様々な塩を、電解質として使用することができる。好ましいカチオンは、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンであり、好ましいアニオンは、ハロゲン化物イオンおよび硫酸イオンである。NaClまたはMgClの剤への添加が、工業生産の観点から好ましい。剤中の電解質の割合は、通常、0.5〜5重量%の範囲である。
【0083】
液状洗剤および洗浄剤中に使用し得る非水溶媒は、それが所定の濃度で水混和性である限り、例えば、一価アルコールまたは多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルからなる群に由来する。好ましくは、溶媒は下記群から選択される:エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンジオールまたはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルジグリコールまたはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチル、またはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルまたはエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールモノメチルまたはエチルエーテル、メトキシ、エトキシ、またはブトキシトリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコール t−ブチルエーテル、およびこれら溶媒の混合物。非水溶媒は、0.5〜15重量%、しかしながら好適には12重量%未満、特に9重量%未満の量で液状洗剤および洗浄剤中に使用することができる。
【0084】
液状洗剤および洗浄剤のpHを所望の範囲にするために、pH調整剤の使用が適当であり得る。本発明では、その使用が環境上または技術的理由、或いは消費者保護の理由によって禁止されていない場合、全ての既知の酸または塩基を使用することができる。これらの調整剤の量は、通常、処方物全体の7重量%を超えない。
【0085】
液状洗剤および洗浄剤は、審美的効果を向上させるために、適当な染料によって着色され得る。好ましい染料は、当業者にとってその選択は全く困難ではないが、優れた貯蔵安定性を有し、剤の他の成分および光に対して鈍感であり、繊維製品を着色しないように繊維製品に対して明白な実体性を有さない。
【0086】
液状洗剤および洗浄剤に使用できる適当な抑泡剤は、例えば、石鹸、パラフィンまたはシリコーン油であり、これらは任意に担体物質に担持され得る。
【0087】
「再沈着防止剤」とも称される防汚ポリマーの適当な例を以下に示す:各々の場合の非イオン性セルロースエーテルに基づいて15〜30重量%濃度のメトキシ基および1〜15重量%濃度のヒドロキシプロピル基を有するメチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースのような非イオン性セルロースエーテル、並びに従来技術から既知のフタル酸および/またはテレフタル酸のポリマーまたはそれらの誘導体、特にエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンおよび/またはポリプロピレングリコールテレフタレートのポリマー、或いはそれらのアニオン性変性および/または非イオン性変性誘導体。適当な誘導体としては、フタル酸ポリマーおよびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が挙げられる。
【0088】
処理された繊維製品のグレーイングおよび黄ばみを排除するため、蛍光増白剤(いわゆる「漂白剤」)を液状洗剤および洗浄剤に添加することができる。これらの物質は繊維上に吸着し、非可視紫外線を長波長の可視光に転化することによって、増白および擬似漂白効果をもたらす。このとき、太陽光から吸収される紫外線は、弱青色蛍光として光り、グレーイングが生じたまたは黄ばんだ洗濯物の黄色い色調と組み合わさって純白を生じる。適当な化合物は、例えば、4,4’−ジアミノ−2,2’−スチルベンジスルホン酸(フラボン酸)、4,4’−ジスチリルビフェニレン、メチルウンベリフェロン、クマロン、ジヒドロキノリノン、1,3−ジアリールピラゾリン、ナフトエ酸イミド、ベンゾオキサゾール系、ベンゾイソオキサゾール系およびベンゾイミダゾール系、並びに複素環式置換ピレン誘導体の物質クラスに由来する。蛍光増白剤は、通常、最終剤に基づいて0.03〜0.3重量%の量で添加される。
【0089】
グレーイング阻害剤の目的は、繊維から除去された汚れを洗液中に懸濁したままにし、これにより汚れの再付着を防ぐことにある。水溶性コロイド、一般には有機性のものが適当であり、その例は、サイズ剤、ゼラチン、デンプンまたはセルロースのエーテルスルホン酸塩、或いはセルロースまたはデンプンの酸性硫酸エステル塩である。水溶性酸性基含有ポリアミドも、この目的のために適当である。さらに、可溶性デンプン調製物、および上記したもの以外のデンプン生成物も使用でき、その例は、分解デンプン、アルデヒドデンプンなどである。ポリビニルピロリドンも使用できる。しかしながら、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースのようなセルロースエーテル類、およびメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースのような混合エーテル類、並びにこれらの混合物を、剤に基づいて0.1〜5重量%の量で使用することが好ましい。
【0090】
各々の繊維が、繊維方向に垂直の、屈曲、曲げ、圧縮および絞りに敏感であることから、繊維製品、特にレーヨン、ビスコース、綿およびこれらの混合物からなるものはシワになりやすい傾向であり得るため、本発明の剤は、合成防シワ剤を含み得る。合成防シワ剤としては、例えば、通常エチレンオキシドで処理された、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールエステル、脂肪酸アルキロールアミドまたは脂肪アルコールに基づく合成生成物、或いはレシチンまたは変性リン酸エステルに基づく生成物が挙げられる。
【0091】
液状洗剤および洗浄剤は、微生物を抑制するために抗菌活性物質を含むことができる。抗菌スペクトルおよび作用機序によって、抗菌剤は、静菌剤および殺菌剤、静真菌剤および殺真菌剤などに分類される。これらの群からの重要な物質は、例えば、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノールおよび酢酸フェノール第二水銀であり、特に、本発明の剤において、これらの化合物は全く含まれなくてもよい。
【0092】
本発明の剤は、液状洗剤および洗浄剤および/または処理された繊維製品の、酸素の作用および他の酸化方法によって生ずる望ましくない変化を防ぐために、さらに酸化防止剤を含むことができる。この種の化合物としては、例えば、置換フェノール、ヒドロキノン、カテコールおよび芳香族アミン、並びに有機硫化物、多硫化物、ジチオカルバメート、ホスファイトおよびホスホネートが挙げられる。
【0093】
本発明の剤にさらに含まれ得る帯電防止剤のさらなる使用により、肌触りを向上させることができる。帯電防止剤は表面伝導率を増加させ、これにより蓄積した電荷の放電を改善することができる。一般に、外部帯電防止剤は、少なくとも1つの親水性分子配位子を有する物質であり、表面に幾分吸湿性の膜を与える。これらの通常界面活性な帯電防止剤は、窒素含有帯電防止剤(アミン、アミド、第四アンモニウム化合物)、リン含有帯電防止剤(リン酸エステル)、およびイオウ含有帯電防止剤(アルキルスルホネート、アルキルスルフェート)に細分することができる。ラウリル(またはステアリル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドは、繊維製品のための帯電防止剤として、または洗剤への添加剤として適当であり、さらなる仕上げ効果が達成される。
【0094】
水吸収能、処理された繊維製品の再湿潤性を向上させるため、および処理された繊維製品のアイロンがけを容易にするために、例えば、シリコーン誘導体を液状洗剤および洗浄剤に添加することができる。加えて、シリコーン誘導体は、その抑泡性によって剤の濯ぎ挙動を改善する。好ましいシリコーン誘導体は、例えば、ポリジアルキル−またはアルキルアリールシロキサンであり、このアルキル基は1〜5個の炭素原子を有し、全体的または部分的にフッ素化されている。好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンであり、これは必要に応じて誘導体化され、次いでアミノ官能性化または四級化され得、或いはSi−OH、Si−Hおよび/またはSi−Cl結合を有し得る。好ましいシリコーンの粘度は、25℃で100〜100,000センチストークの間の範囲であり、シリコーンは、剤全体に基づいて0.2〜5重量%の間の量で使用することができる。
【0095】
最後に、液状洗剤および洗浄剤は、処理された繊維製品に吸着し、繊維の耐光性を向上させる紫外線吸収剤を含むこともできる。このような所望の特性を有する化合物は、例えば、無放射失活によって作用する化合物、および2位および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの誘導体である。また、置換ベンゾトリアゾール、2位にシアノ基を有していてもよい3位フェニル置換アクリレート(桂皮酸誘導体)、サリチレート、有機ニッケル錯体、および天然物質、例えばウンベリフェロンおよび内生ウロカニン酸も適当である。
【0096】
重金属の触媒作用によるある種の洗剤成分の分解を防止するために、重金属を錯化する物質を使用できる。適当な重金属錯化剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)アルカリ塩またはニトリロ三酢酸(NTA)アルカリ塩、並びにポリマレエートおよびポリスルホネートのようなアニオン性高分子電解質のアルカリ金属塩である。
【0097】
錯化剤の好ましい種類は、好ましい液状洗剤および洗浄剤中に、0.01〜2.5重量%、好ましくは0.02〜2重量%、特に0.03〜1.5重量%の量で含まれるホスホネートである。これらの好ましい化合物は、特に、有機ホスホネート、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMPまたはDETPMP)および2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBS-AM)を含み、通常、それらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩の形態で使用される。
【0098】
得られる水性液状洗剤および洗浄剤は好適には澄明である。即ち、沈澱物がなく、および特に好ましくは透明または少なくとも半透明である。
本発明の洗剤および洗浄剤は、繊維製品を洗浄するために使用され得る。
【0099】
液状洗剤および洗浄剤を、一般的な既知の方法によって、例えば撹拌槽内で成分を単純に混合することによって製造する。有利には、水、非水溶媒および界面活性剤を導入し、そして他の成分を少しずつ添加する。製造中、別途加熱することは必要でない。所望される場合、混合物の温度は80℃を超えないようにすべきである。本発明によれば、液状洗剤および洗浄剤の製造方法は、ケイ酸アルミニウムとシリカの1:10〜10:1の比率での添加および使用を含む。
【0100】
カプセルは、例えば、水性液状洗剤および洗浄剤中に安定な様式で分散することができる。「安定」とは、室温および40℃にて、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも6週間にわたって、カプセルがクリーム化または沈澱することなく安定であることを意味する。
【実施例】
【0101】
〔実施例1〕
種々の本発明のカプセルK1〜K6を、マトリックス材料としてアルギン酸塩を用いて、硬化浴中、Rieter滴下処理装置を使用して、製造および滴下処理した。さらに、本発明ではない2つのカプセルE1およびE2を、比較のため同様に製造した。
各々のアルギン酸塩溶液は、表1に示す組成(重量%)を有した。








































【0102】
【表1】

【0103】
使用した硬化浴は、以下を含有した。
2.5重量%のCaCl
0.05重量%の防腐剤、および
100重量%までの水。
【0104】
表2は、本発明の洗剤および洗浄剤W1〜W4を示す。得られた洗剤および洗浄剤W1〜W4は、約1000mPasの粘度を有した。液状洗剤および洗浄剤のpHは、8.5であった。
【0105】
【表2】

【0106】
カプセルK6を、困難なく洗剤および洗浄剤に導入した。特に、洗剤および洗浄剤W1〜W4の濁りは生じなかった。
【0107】
〔実施例2〕
洗濯試験を、洗剤および洗浄剤W4(0.5重量%のカプセル含有)を使用して行った。洗濯試験を、2kgの洗濯物で羊毛サイクルを利用して、AEG洗濯機(Oeko-Lavamat 88840)を使用して行った。洗濯物は、綿および綿と、例えばマイクロファイバー、スパンデックス、ポリアミド、ポリエステルおよび/またはビスコースとの混紡織物からなる組立品、並びに綿またはポリアミド−スパンデックスミックスのヤードグッズ片から構成された。次いで、洗浄品を、任意の残渣について検査し、1〜6のスコアで評価した。1のスコア(=残渣がない)が最も良い。








【0108】
【表3】

【0109】
表3から、本発明のカプセルK1〜K4は、カプセルE1およびE2と比較して、改善された溶解性を示したことが明らかである。特にカプセルK2〜K4は、すべての洗濯試験において残渣なく溶解した。
【0110】
また、カプセルK5〜K8は、比較カプセルE1およびE2と比較して、改善された溶解性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤並びにさらなる洗剤および洗浄剤の通常成分を含有する水性液状洗剤および洗浄剤であって、
該剤は、少なくとも1種のカプセルを含有し、該カプセルは、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含み、ケイ酸アルミニウムとシリカは、1:10〜10:1の比率で存在している、
水性液状洗剤および洗浄剤。
【請求項2】
ケイ酸アルミニウムとシリカが、1:4〜4:1、特に好ましくは2:3〜4:3の比率で存在している、請求項1に記載の水性液状洗剤および洗浄剤。
【請求項3】
活性成分が、蛍光増白剤、界面活性剤、錯化剤、漂白剤、漂白活性剤、染料、香料、酸化防止剤、洗浄ビルダー、酵素、酵素安定剤、抗菌活性物質、グレーイング阻害剤、再沈着防止剤、pH調整剤、防汚ポリマー、色移り阻害剤、電解質、コンディショニングオイル、研磨材、スキンケア剤、抑泡剤、ビタミン、タンパク質、防腐剤、洗浄力増強剤、艶出し剤、および紫外線吸収剤を含む群から選択される、請求項1または2に記載の水性液状洗剤および洗浄剤。
【請求項4】
カプセルが、少なくとも1種の中空マイクロスフェアをさらに含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の水性液状洗剤および洗浄剤。
【請求項5】
マトリックスが、カラギーナン、アルギン酸塩、およびジェランガムを含む群からの材料から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の水性液状洗剤および洗浄剤。
【請求項6】
カプセルが、0.01〜10,000μmの最大寸法に沿った直径を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の水性液状洗剤および洗浄剤。
【請求項7】
繊維製品の洗浄のための、請求項1〜6のいずれかに記載の水性液状洗剤および洗浄剤の使用。
【請求項8】
界面活性剤並びにさらなる洗剤および洗浄剤の通常成分および少なくとも1種のカプセルを含有し、該カプセルは、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含む水性液状洗剤および洗浄剤の製造方法であって、
ケイ酸アルミニウムとシリカを、1:10〜10:1の比率で使用することを含む、
方法。
【請求項9】
マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含むカプセルであって、マトリックスは、ケイ酸アルミニウムとシリカを、1:10〜10:1の比率で含有する、カプセル。
【請求項10】
カプセルの溶解性を改善するための、マトリックス中に活性成分、ケイ酸アルミニウムおよびシリカを含むカプセルにおけるケイ酸アルミニウムとシリカの1:10〜10:1の比率での使用。

【公表番号】特表2009−504812(P2009−504812A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525417(P2008−525417)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007149
【国際公開番号】WO2007/017070
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】