説明

星状細胞限定前駆細胞の純粋集団並びにその単離方法および使用

【課題】星状細胞限定前駆細胞、前記細胞を含む医薬組成物および前記細胞の利用方法を提供する。
【解決手段】CD44免疫反応性であり、乏突起膠細胞ではなく星状細胞を発生する、哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の単離された純粋均質集団、前記細胞の集団を神経組織又は神経細胞のソースから単離する方法、前記細胞の集団および薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物、および前記細胞を神経細胞へ投与することを含む神経系へ受傷した哺乳動物を処置する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
序論
本願は、本明細書にその全体が参照によって組込まれる2002年1月23日提出の米国仮出願No. 60/351,036からの優先権の利益を主張する。
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)の提供する基金によって、一部支援を受けた(承認No. 5R29NS35087-05)。したがって、米国政府も本発明においてある種の権利を有しうる。
【0002】
発明の分野
本発明は、CD44免疫反応性であり、乏突起膠細胞ではなく星状細胞を発生する、哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞(astrocyte restricted precursor cells)の均質な純粋集団(pure population)に関する。本発明はまた、これら哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の均質な純粋集団を単離する方法に関する。加えて、本発明は、新しい移植技術の開発における哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の使用に関し、また動物への投与による髄鞘形成の増大および/またはネクロシスおよびグリア(glial)瘢痕形成の減少に関する。したがって、星状細胞限定前駆細胞およびそれを含む医薬組成物は、何らかの方法で神経組織を傷つける外傷性傷害(trauma)または疾患から生じる神経系の障害を処置するのに用いられ得る。当該細胞はまた、発生の選択されたステージに特異的な哺乳動物の遺伝子を同定するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
神経の発生は、げっ歯動物においてよく特徴づけられてきた。ネスチン免疫反応性であり、星状細胞、ニューロンおよび乏突起膠細胞に分化しうる多能性細胞は、発生の種々のステージにおいて多数の研究者によって同定されてきている。多能性前駆体に加えて、他のより限定された前駆体(restricted precursors)もまた同定されてきている。細胞の異なる集団は、培養条件、自己複製能、並びにそれらの移植後の一体化の能力(ability to integrate)および分化能の相違によって、判別することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヒト組織を用いた同様の研究は、神経前駆体の多型の存在をも指し示している。多能性ヒト神経幹細胞(hNSCs)は、胎児および成体の組織から単離されてきた(Chalmers-Redman et al. Neuroscience 1997 76:1121-1128; Svendsen et al. J. Neuroscience Methods 1998 85:141-152; Vescovi et al. Exp. Neurology 1999 156:71-83; Carpenter et al. Exp. Neurology 1999 158:265-278; Quinn et al. J. Neuroscience Res. 1999 57:590-602; Piper et al. J. Neurophysiology 2000 84:534-548)。当該細胞は、グリアおよびニューロンを生じ、異なる培養条件下で増殖でき、そして異なる成長因子の要求を示す。
【0005】
ヒトニューロン限定前駆体もまた記述されてきた(Piper et al. J. Neurophysiol. 2000 84:534-548)。パイパーら(Piper et al.)は、ニューロン前駆細胞を単離するためにE−NCAM免疫反応性を用い、一方で、ゴールドマン(Goldman)および共同研究者らは、ニューロン前駆体を単離するためにニューロン特異的プロモーターを用いた(Roy et al. Nat. Med. 2000 6(3):271-7; Roy et al. J. Neurosci. Res. 2000 59(3):321-31; Wang et al. Dev. Neurosci. 2000 22(1-2):167-76)。ヒトニューロン限定前駆細胞は、成体の脳室領域(ventricular zone)および海馬から、並びに、発達の多段階における胎児の組織から単離されてきた。当該細胞は、そのNCAM、アルファ−1チューブリンおよびベータ−IIIチューブリンなどの初期の神経のマーカーの発現によって、ヒト神経上皮細胞と異なる。
【0006】
増殖性成体ヒト乏突起膠細胞前駆体は、成体白質(Prabhakar et al. Brain Res. 1995 672(1-2):159-69, Raine et al. Lab. Invest. 1981 45(6):534-46; Scolding et al. Neuroreport 1995 6(3):441-5; Scolding et al. Neuroscience 1999 89(1):1-4)から、細胞表面マーカーを用いて単離されてきた。他に、乏突起膠細胞およびその前駆体を胎児および成体組織から単離するために、プロモーター−レポーター構築物を用いてきた。A2B5免疫反応性は、星状細胞および乏突起膠細胞に分化し得るグリア前駆体を単離するために活用されてきた(米国特許第6,235,527号)。
【0007】
クイン(Quinn)および共同研究者ら(J. Neurosci. Res. 1999 57:590-602)は、長期培養後、性質が変化し得る多能性幹細胞の混合集団を記載している。当該細胞は、星状細胞限定前駆細胞であると示唆されてきた。しかしながら、乏突起膠細胞の分化は、試験されていない。さらに、抗原の発現、サイトカイン依存性、増殖因子に対する応答、GFAP/S100の発現またはA2B5に関する有用な情報はない。クインらの細胞は、培養したヒト脊髄組織から、逐次継代(sequentially passaging)によって多能性幹細胞を得た。
【0008】
推定される星状細胞前駆細胞もまた、バレスら(Barres et al.)によって記載されている(J. Neurosci. 1999 19(3):1049-61)。この細胞は、視神経から単離され、脳の他のどの場所においても、その存在は知られていない。この細胞は、A2B5免疫反応性であり、したがって、乏突起膠細胞前駆体O2Aに似ている。該細胞は、主に、O2A細胞が容易に乏突起膠細胞を発生する条件下で、乏突起膠細胞に発達し損なうことによって、O2A細胞と区別することができる。この細胞は、Pax−6陽性であり、血清に曝されると死ぬ。CD44との免疫反応性は知られていない。
【0009】
シードマンら(Siedman et al.)(Brain Res. 1997 753(1):18-26)もまた、不死化したグリア前駆細胞由来の星状細胞細胞系を記載している。この不死化前駆細胞についての利用できる情報は少なく、その抗原的特徴およびニューロンへの分化の可能性は開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要旨
本発明は、星状細胞限定前駆細胞、それを含む医薬組成物、および神経系へ受傷した哺乳動物を処置するための星状細胞限定前駆細胞の利用方法に関する。本発明の星状細胞限定前駆細胞は、不死化されていない。該細胞はA2B5を発現しない。さらに該細胞は、幹細胞集団および先駆細胞集団と、CD44の発現および他の集団がニューロンまたは乏突起膠細胞に分化する条件下で、星状細胞に分化する能力によって異なる。
したがって、本発明の1つの面は、CD44免疫反応性であり、乏突起膠細胞ではなく星状細胞を発生することができる、単離された、哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の純粋均質集団に関する。
【0011】
本発明の他の面は、哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の純粋均質集団を単離するための方法に関する。本発明の方法において、星状細胞限定前駆細胞の純粋均質集団は、CD44免疫反応性を介して、哺乳動物細胞の異種または混合集団から単離される。
本発明の他の面は、これら哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞を用いた新しい移植技術の開発のための方法に関する。
【0012】
本発明の他の面は、哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞を含む医薬組成物および当該組成物を神経系の損傷を有する患者の処置のために使用する方法に関する。一態様において、該組成物および方法は、哺乳動物のニューロン細胞の髄鞘形成を増強するために用いられる。他の態様において、前記組成物および方法は、グリアの瘢痕形成およびネクロシスを減少するために用いられる。
本発明の他の面は、これら星状細胞限定前駆細胞を用いた発達の選択されたステージに特異的な哺乳動物の遺伝子を同定する方法に関する。
【0013】
発明の詳細な記述
神経系における細胞置換のためには、分化した細胞が究極的に要求される。しかしながら、多数の研究によって、分化した細胞は移植の後、あまり生存しないことが示された。そのため、数人の研究者は、前駆細胞の使用に焦点を絞り、前駆細胞が無傷または受傷した脳で生存し、一体化することを示している。
【0014】
本発明は、哺乳動物の胚性または胎児組織、哺乳動物の胚性幹(ES)細胞培養物およびグリア限定前駆細胞など、これらに限定されないが、種々の哺乳動物の神経組織および/または細胞のソースから単離され得る、哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の純粋な均質集団に関する。本発明はまた、前記のような組織や細胞から、星状細胞限定前駆細胞の純粋な均質集団を単離する方法に関する。
本発明の目的のために、「純粋」によって、同じ特性のものが95%以上、より好ましくは99%以上存在する細胞の集団が意味される。
【0015】
好ましい態様において、星状細胞限定前駆細胞が単離される哺乳動物の組織または細胞は、げっ歯動物またはヒトのものである。しかしながら、本開示を読めば当業者が理解するであろうとおり、本明細書において教示する単離の方法もまた、これらに限定されないが、ヒト以外の霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジなどを含む他の哺乳動物由来の細胞または組織にも、日常的に適合できる。
【0016】
本明細書に示したとおり、本発明の星状細胞限定前駆細胞はCD44を発現する。分化の前に、当該細胞はネスチンもまた発現する。バレスら(Barres et al.)(J. Neurosci 1999 19(3):1049-61)の推定の星状細胞限定細胞と異なり、本発明の星状細胞限定前駆細胞は、A2B5を発現しない。本発明の細胞はまた、PSANCAMを発現しない。本発明の細胞は、FGFおよびEGFにおいて、良好に増殖する。本発明のCD44陽性細胞は、当初は、GFAP、ビメンチンまたはS−100を発現しないが、GFAP、ビメンチンおよび/またはS−100陽性細胞へ分化する潜在能力を有する。分化すると、本発明の細胞は、そのCD44免疫反応性は維持するが、ネスチンの発現は失う。
【0017】
したがって、本発明のCD44陽性細胞は、グリア限定前駆細胞、多能性幹細胞、神経前駆体およびバレスら(Barres et al.)(J. Neurosci. 1999 19(3):1049-61)によって記載された推定の星状細胞前駆体から、抗原発現、サイトカイン依存性および分化能に基づいて、容易に判別できる。バレスらの細胞と本発明の星状細胞限定前駆(ARP)細胞の特徴の対比を提示する表1を参照。
【表1】

【0018】
星状細胞限定前駆細胞は、GFAP免疫反応性の獲得の前に、発達している哺乳動物の脳において存在する。加えて、CD44星状細胞限定前駆細胞は、グリア限定前駆体(GRP)から生じ得、GRP細胞とは、抗原発現、サイトカイン依存性および分化能によって判別され得る。
クローン分析(Clonal analysis)は、培養において増殖しているときにはGFAPであるネスチン細胞の部分集団(subset)は、星状細胞へのみ分化することを示している。この部分集団はかなり大きく、分析した細胞のおよそ11%を構成する。
【0019】
該ネスチン/GFAP細胞集団を標識するであろう細胞表面マーカーを同定するために、種々のマーカーを試験した。CD44が当該グリア集団に特異的であることを見出した。CD44の発現は、GFAPおよびS−100などの星状細胞のマーカーとともに局在した。CD44細胞は、RC1陰性であり、A2B5を共発現しなかった。CD44細胞の小さな部分集団は、ネスチン免疫反応性であるが、GFAP陰性であり、したがって、当該細胞が星状細胞前駆細胞集団に相当することが示された。
【0020】
CD44陽性細胞の数は少なく、一般的にE15から成体の任意の発達ステージに存在する細胞数の1〜10%の範囲であり、星状細胞が分化する条件下での培養の後、増加する。CD44陽性細胞は、培養中、分裂し、GFAPを低レベルで発現する。GFAPの発現は分化の後に増大し、一方、CD44の発現は下方調節される。CD44陽性細胞は、A2B5またはPLPを発現せず、したがって、二分化能のグリア制限前駆細胞から判別され得る。CD44の発現は、マクロファージおよび損傷後の星状細胞など他の細胞型において記述されているが、本明細書中で用いた分化条件下、CD44発現は、星状細胞に制限されているから、本明細書で教示した手法にしたがって星状細胞限定前駆細胞を同定するのに用いることができる。
【0021】
したがって、本明細書に示すとおり、CD44発現は、限定されないが、哺乳動物のES細胞培養物などを含む神経組織および哺乳動物胎児性または胚性組織並びにグリア限定前駆細胞の種々のソースから星状限定前駆細胞を同定および単離するために用いることができ、また、グリア限定前駆細胞を単離するためのGRPS法は、米国特許第6,235,527号に記載され、その教示はその全体が参照として本明細書に組込まれる。星状細胞限定前駆細胞のこの集団は、不死化されない。さらに、細胞集団は、A2B5を発現せず、そのCD44の発現および他の集団がニューロンまたは乏突起膠細胞へ分化する条件下で星状細胞へ分化する能力において、幹集団および前駆集団と異なる。
混合した細胞集団からCD44陽性星状細胞限定前駆細胞を単離するための種々の方法を用いることができる。
【0022】
一態様において、哺乳動物の神経管は、星状細胞発達後のステージ、例えば、ヒトにおいて、10週後またはげっ歯動物においてE16後などに解離し、解離した細胞は、単細胞懸濁液に粉砕され、抗CD44抗体で標識される。標識された細胞は、一次抗体を標的とする蛍光に標識された二次抗体を用いて視覚化され、標識された細胞は、選抜法を用いて単離される。
【0023】
本発明に有用な選抜法の例としては、限定されないが、イムノパニング法(immunopanning)、磁気ビーズ法(magnetic bead sorting)および/またはFACS法(FACS sorting)が含まれる。本分野において、詳細な磁気ビーズ法およびFACS法のプロトコールはよく知られており、選択マーカーとしてのCD44の使用に日常的に適合させることができる。さらに、本開示を読めば当業者に理解されるであろうとおり、ネガティブ並びにポジティブ選択法を用いることができる。したがって、本発明の星状細胞限定前駆細胞の豊富化(enrichment)は、CD44を発現し、A2B5またはE−NCAMを発現しない混合集団細胞、またその逆のものから再選抜することによって達成することができる。ポジティブおよびネガティブ選択法は、任意の配列で用いることができ、そして、A2B5またはE−NCAMに類似する結合プロフィールを有する抗体を用いることができる。
【0024】
他の態様において、神経管は、神経管閉鎖(例えば、マウスにおいてE8.5、ラットにおいてE10.5およびヒトにおいて妊娠5週など)後、任意のステージにおいて解離され、細胞は、5〜40日間、接着培養によって維持される。次いで細胞を培養物から除去し、CD44陽性細胞を、前段落に記載のとおり、選抜法を介して単離する。
【0025】
他の態様において、A2B5細胞は単離される。次いで細胞は、星状細胞促進条件での増殖によって、培養において分化が誘導される。星状細胞促進条件には、限定されないが、骨形成タンパク質(BMPs)、オンコスタチンM、血清、白血病抑制因子/繊毛様神経栄養因子(LIF/CTNF)並びに、インターロイキン−6などのサイトカイニンファミリーの他のメンバーが単独か最低3日間の組合せで含まれることを意味する。好ましい態様において、これらの剤は、1〜5ng/mLの範囲の濃度で添加される。次いで、CD44細胞は、前述の選抜法を介して単離される。
【0026】
近年、ヒト胎児組織由来の神経細胞が、Cambrex (East Rutherford, NJ)、Clonexpress (Gaithersberg, MD)、ScienCell Research Laboratories (San Diego, CA)およびClonetics (San Diego, CA)などの商業的供給源から利用可能になった。当該細胞は、本明細書で教示する方法により本発明の哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の単離のための、神経組織および/または細胞のソースとして役立つ。
【0027】
ヒトES細胞系の星状細胞限定前駆細胞のソースとしての使用もまた、3つのヒト細胞系(H1、H7、H9)において示された。ヒトES細胞は、後に分化したニューロンを発生するニューロン前駆体へ分化することが、既に示されている(Carpenter et al. Exp. Neurol. 2001 172(2):383-97)。本発明において、ニューロンまたはグリアのマーカーを発現する分裂前駆細胞(dividing precursor cells)は、最初に、ES細胞において同定された。分化条件は、本明細書に記載され、ニューロンの発生に使われたものと類似する。
【0028】
特に、ES細胞の分化の最初のステージは、10μMオールトランスRA(all trans-RA)を添加または無添加のFBS培地において、胚体(EBs)の形成によって誘導される。懸濁4日後、10ng/mL hEGF、10ng/mL hbFGF、1ng/mL hPDGF−AAおよび1ng/mL hIGF−1を補った規定の増殖培地のフィブロネクチン被覆プレート上にEBsを播いた。これらの条件で、EBsはプレートに接着し、細胞はプレート上で移動し、増殖し、単層を形成する。これらの条件で3日後、ニューロンの形態を備えた多くの細胞が存在した。同様の結果が各ヒトES細胞系についてみられた。
【0029】
分裂細胞集団の複数のタイプは、細胞表面エピトープを認識する抗体に基づいて、分化ES細胞の培養において同定することができる。これらには、A2B5細胞、PSANCAM細胞およびCD44細胞が含まれる。分化後の二重標識実験によって、ES細胞のCD44細胞が形態学的、抗原的およびその星状細胞への分化能において、神経組織および細胞の他のソースから単離された本願発明の星状細胞限定細胞と同様のユニークな細胞集団であったことが示された。
【0030】
本発明の星状細胞限定前駆細胞は、種々の用途を有している。
例えば、当該細胞は、新規の移植技術の開発のために、ヒト以外の哺乳動物モデルにおいて用いることができる。
さらに、当該細胞は、神経損傷およびより具体的には星状細胞の変性(degeneration)によって特徴づけられる疾患において、哺乳動物、より好ましくはヒトに治療的に用いることができる。特に、本発明の星状細胞限定前駆細胞の投与は、ニューロンの髄鞘形成の増強に有用であることが予期される。当該細胞はまた、投与後、当該細胞の生存および増殖を増強する新規薬剤を同定することに有用である。
【0031】
本細胞はまた、瘢痕の減退においても用いることができる。胎児星状細胞が移植された場合、脳に組込まれ得ることは、よく知られている。胎児細胞は、成体細胞とは対照的に、成体グリア細胞の増殖および瘢痕形成を減少し、これにより治癒を促進する。本発明の星状細胞限定前駆細胞は、内生の成体グリア細胞の増殖を減少し、瘢痕形成を減少するために病徴部位もしくは損傷領域か、またはそれらの近傍に、受傷後1週間〜数週間、投与することができる。
【0032】
したがって、本発明はまた、神経損傷を有する哺乳動物の処置において用いるための、これら星状細胞限定前駆細胞を含む医薬組成物に関する。好ましい態様において、本細胞は、指向された軸索の再生を促進し、グリア瘢痕形成を減少するため、前脳および/または中枢神経径の受傷した脊髄の軸索において、注射可能な形状またはインプラントで提供される。かかる組成物は、CNSの神経再生の促進および/または髄鞘形成の増強および/またはグリア瘢痕形成の減少に有用である。
【0033】
星状細胞限定前駆細胞を含む組成物は、以下に記載のとおり、種々の異なる処方で、神経の受傷の部位または領域へ適用することが可能である。かかる組成物は、限定されないが、トラウマ、手術、虚血、感染、代謝病、栄養失調、悪性腫瘍および腫瘍随伴症候群、毒薬および神経系の変性疾患などを含む種々の原因からの結果の神経系の受傷を有する哺乳動物へ投与され得る。本発明の組成物を用いて処置され得る神経変性障害の例としては、限定されないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺および末梢神経障害などが含まれる。
【0034】
本発明の星状細胞限定前駆細胞を含む組成物はまた、瘢痕形成を減少するため、創傷に適用し得る。例えば、手術後、当該細胞を含む組成物は、例えば、動静脈奇形、ネクロシス、出血および二次的に癲癇に至り得る開頭術などに起因する病徴由来の瘢痕形成を減少するために、本発明にしたがって適用され得る。本発明の組成物はまた、癲癇病巣の安定化および瘢痕形成の減少による癲癇の処置に用いることができる。
【0035】
本発明の医薬組成物は、有効量の単離された本発明の星状細胞限定前駆細胞および薬学的に許容し得る担体を含む。「有効量(effective amount)」によって、およそ100,000から約100万細胞が含まれる組成物を意味される。しかしながら、本開示を読めば当業者が理解するであろうとおり、細胞数は、選択した投与位置に依存して変化してもよい。薬学的に許容し得る担体の例には、限定されないが、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロースおよび水などの液体並びに半液体もしくはゲル様ビヒクルが含まれ、さらに受傷位置に細胞が局在するように少なくとも部分的に細胞の流動性を妨げる媒体を含んでもよい。代替的に、細胞を播種または被覆したインプラントなどの固体ビヒクルを含んでいてもよい。
【0036】
本医薬組成物は、CNS神経再生の促進、髄鞘形成の増強および/または瘢痕形成の減少のための広範な方法によって用いられ得る。本発明の組成物を用いるのに適合的な典型的な方法は、米国特許第5,202,120号明細書に述べられており、そこで教示されていることは、その全体が本明細書に参照として組込まれる。
【0037】
一態様において、本細胞は、例えば、神経の受傷位置またはその近傍へビヒクル中の細胞の直接注射するなどの直接的な適用において用いられる。この態様において、受傷位置に細胞が局在するように少なくとも部分的に細胞の流動性を妨げる媒体を含むビヒクル中の細胞を送達するのが好ましいかもしれない。細胞の流動性を妨げる媒体の例としては、限定されないが、ペーストまたは、フィブリンもしくはヒドロゲルの生分解性ゲル様ポリマーなどのゲルが含まれる。これらの半固体媒体はまた、部位のフィブロブラストなどの間葉性成分を産生する瘢痕の移行を妨げるという利点も提供する。
【0038】
他の態様において、本細胞は、ポリマー性インプラントを含む医薬組成物または外科的なバイパス技術を介し送達され得る。例えば、星状細胞限定前駆細胞は、ポリマー性インプラントに播種または被覆することができる。この態様において用いることができる組成、形状および孔サイズの異なる種々のポリマー性インプラントが記載されてきた。例としては、少しも限定されないが、ニトロセルロース、ポリ無水物(polyanhydrides)およびアクリルポリマーを含むインプラントなどが含まれる。好ましい態様において、少なくとも0.45μmの孔サイズを有するインプラントが用いられる。
【0039】
インプラントの形状は、受傷位置での意図された使用に基づいて選択される。例えば、脊髄後根入り口領域で神経再生を促進するために細長い三角形のインプラントが選択され、脳梁で神経再生を促進するために五角形のインプラントが選択され得る。
【0040】
他の態様において、ポリマーは、合成ブリッジの端または端の近傍へ星状細胞限定前駆細胞を適用することにより、神経再生が促進され、瘢痕形成が減少するような合成ブリッジとして利用され得る。例えば、1以上の端またはチューブ全体に本発明の星状細胞限定前駆細胞を備えたアクリルポリマーチューブは、例えば、脊髄などの病徴を吻方にブリッジするため、または病徴をブリッジするために用いることができ、全体に神経細胞を誘導し得る。このようなチューブの例は、欧州特許公報第286284号およびアエビシャーら(Aebischer et al.)(Brain Res. 1988 454:179-187 および Prog. Brain Res. 1988 78:599-603)並びにウィンら(Winn et al.)(Exp. Neurol. 1989 105:244-250)による参照文献において述べられている。
【0041】
本発明の細胞はまた、選択された領域における神経再生の促進および/または瘢痕形成を減少させるための外科的バイパス技術との組合せにおいて用いることもできる。このような本発明の組成物を使用するのに日常的に適合可能な技術の例は、米国特許第5,202,120号明細書に記載されており、その全体が参照として本明細書に組込まれる。
【0042】
本発明の星状細胞限定前駆細胞はまた、選択された発達ステージに特異的な遺伝子の同定において有用でもある。一態様において、本細胞は、細胞のステージ段階に特異的なcDNAライブラリーの生成のためのmRNAのソースとして利用することができる。
本細胞はまた、細胞系並びに治療的および診断的にも用いる細胞特異的抗体の生成に用いることもできる。
以下に、本発明をさらに示す限定的でない例を提供する。
【実施例】
【0043】

例1:ヒト神経幹細胞の培養
胎児組織由来のヒト神経前駆細胞をCambrexより得た。凍結した一定分の細胞を融解し、フィブロネクチン/ラミニンで被覆したマルチウェルディッシュの、ヒト組換塩基性フィブロブラスト増殖因子、ヒト組換上皮細胞増殖因子、「神経生存因子(neural survival factors)」、5mg/mLゲンタマイシンおよび5mg/mLアンフォテリシン−B(Singlequots, Cambrex)を添加した神経前駆細胞基本培地(Neural Progenitor Cell Basal Medium (NPBM, Cambrex))に置床した。培養物は、37℃、5%COでインキュベートし、24時間後に固定した。これらのウェルは、次いで、出発のCambrex細胞集団を評価するために免疫細胞化学用に処理した。並行して、Cambrex細胞を融解し、すぐにフィブロネクチン/ラミニン被覆フラスコ(Greiner)に置床し、ボテンステインおよびサトウ(Bottenstein and Sato)に記載された添加剤を添加したDMEM−F12(Life Technologies)、塩基性フィブロブラスト成長因子(bFGF、10ng/ml、Peprotech, Rocky Hill, NJ)およびニワトリ胚抽出物(CEE、10%)からなる神経上皮前駆(Neuroepithelial Precursor;NEP)培地で培養した。非接着細胞は、典型的には浮遊した球形物を形成した。培養24時間後、球形物を除去し、穏やかに粉砕し、そして接着細胞と再結合させた。NEP培地は、一日おきに交換した。
【0044】
例2:ヒト神経上皮前駆細胞(hNEPs)の単離
培養5日後、イムノパニング法およびFACS法(flow-activated cell sorting)をENCAM、NG2およびA2B5細胞を除去するために用いた。簡単には、細胞を5mM EDTA(Life Technologies)で処理し、この懸濁液をENCAM抗体(5A5, Developmental Studies Hybridoma Bank)被覆ディッシュに置床し、全てのENCAM+細胞がプレートと結合するようにした。ENCAM抗体被覆ディッシュは、順次、組織培養ディッシュを非標識抗マウスIgM抗体(10mg/ml)で一晩被覆し、DPBSでディッシュをリンスし、次いで5A5ハイブリドーマの上清で、1〜3時間、37℃で被覆して調製した。プレートを、神経前駆細胞を置床する前に、DPBSで2回洗浄した。
【0045】
30分の曝露期間の後、結合していない細胞(ENCAM細胞)を除去し、NG2に対する抗体で被覆したディッシュに30分間置床した。NG2パニングディッシュは、1〜3時間、37℃で、NG2抗体(1:100)でディッシュを被覆することによって作製した。次いで、上清を除去し(ENCAM/NG2細胞)、A2B5に対して免疫染色した。細胞をA2B5に対する抗体(1:2、Developmental Studies Hybridoma Bank)に、1時間、37℃、5%COでNEP培地において曝した。次いで、ヤギ抗マウスIgM−PE標識二次抗体を生存しているA2B5細胞の膜を染色するために適用した。全ての細胞を、FACS装置(flow-activated cell sorter)にかけ、A2B5細胞集団を除いた。ソーティングの後、陰性の集団(ヒトNEPs)を、移植研究の前に、フィブロネクチン/ラミニン被覆したT−75フラスコのNEP培地において増殖させた。NEP培地は一日おきに交換した。
【0046】
例3:hNEPs由来のニューロン、乏突起膠細胞および星状細胞の発生
パニングされ/ソートされたヒトNEPsの集団を、分化を促進するための種々の条件で、フィブロネクチン/ラミニン被覆した12mmカバースリップに置床した。神経への分化を誘導するために、細胞をbFGF(10ng/ml)およびNT3(10ng/ml、Peprotech)に曝した。培養5日後、固定した培養物をベータ−IIIチューブリンに対する抗体を用いて染色し、これらの細胞がニューロンへ分化する能力を評価した。乏突起膠細胞への分化のためには、細胞をbFGF(10ng/ml)含有培地に2日間置床し、次いで、PDGF(10ng/ml、Upstate Biotech., Waltham, MA)およびT3(50nM)を含有する培地に7日間切り換えた。O4、GalCおよびMBPに対する抗体を培養物中の乏突起膠細胞を同定するために用いた。星状細胞への分化のためには、細胞をウシ胎児血清(10%、Life Technologies)の存在下、5日間培養した。星状細胞は、CD44、GFAPおよびS−100に対する抗体を用いて同定した。
【0047】
例4:クローン培養およびクローン増殖
ヒト胎児細胞(懐胎12〜22週)の混合細胞培養物をCloneticsから入手し、bFGFおよびCEE(10%)の存在下でT80フラスコに置床した。培養3日後、細胞をA2B5およびNG−2で標識した。免疫陰性の細胞をFACSソーティング分析によって収集し、bFGFおよびCEEの存在するフラスコへ置き換えた。24時間後、細胞をE−NCAMで標識し、FACSでソートし、そして陰性の細胞を、bFGFおよびCEEの存在する10cmディッシュにクローン密度(clonal density)で再置床した。対照のディッシュは24時間後、A2B5、E−NCAM、GFAPおよびNG−2で標識した。この時点では、全体の97%の細胞が試験した分化マーカーを何も発現していない。単独の細胞は、クローン密度50〜200細胞/35mmディッシュに増殖した。細胞を8〜10日間、FGFおよびCEE中で維持し、次いで、分化を開始させるため、CEEをやめた。
【0048】
乏突起膠細胞への分化のため、培養物をPDGFおよび甲状腺ホルモンに曝した。5〜7日後、培養物を抗GFAP抗体および抗ベータ−IIIチューブリン抗体で標識し、星状細胞およびニューロンへの分化をそれぞれ決定した。乏突起膠細胞の発生を分化の開始後7〜15日まで評価した。ニューロンおよびグリアの分化を、抗GFAP抗体および抗ベータ−IIIチューブリン抗体を用いて評価した。乏突起膠細胞への分化のため、培養物をPDGFおよび甲状腺ホルモンに曝し、分化をO4およびGal−Cに対する抗体を用いて評価した。
【0049】
例5:hNEPsからのニューロン、乏突起膠細胞および星状細胞の発生
パニングされ/ソートされたヒトNEPsの集団を、分化を促進するための種々の条件で、フィブロネクチン/ラミニン被覆した12mmカバースリップに置床した。神経への分化を誘導するために、細胞をbFGF(10ng/ml)およびNT3(10ng/ml、Peprotech)に曝した。培養5日後、固定した培養物をベータ−IIIチューブリンに対する抗体を用いて染色し、これらの細胞がニューロンへ分化する能力を評価した。乏突起膠細胞への分化のためには、細胞をbFGF(10ng/ml)含有培地に2日間置床し、次いで、PDGF(10ng/ml、Upstate Biotech., Waltham, MA)およびT3(50nM)を含有する培地に7日間切り換えた。O4、GalCおよびMBPに対する抗体を培養物中の乏突起膠細胞を同定するために用いた。星状細胞への分化のためには、細胞をウシ胎児血清(10%、Life Technologies)の存在下、5日間培養した。星状細胞は、CD44、GFAPおよびS−100βに対する抗体を用いて同定した(Morita et al. Dev. Neurosci. 1997 19:210-218; Gomes et al. Braz. J. Med. Biol. Res. 1999 32:619-631)。
【0050】
例6:ヒトES細胞培養
男性(H1)および女性(H7およびH9)のhuES細胞系を、MEF(マウス初期胚性フィブロブラスト)馴化培地(conditioned medium;CM)中のMATRIGELにおいて維持した。CMは、80%Knockout DMEM (Gibco)、20%Knockout Serum replacement (Gibco)、0.1mMベータ−メルカプトエタノール、1mMグルタミン、1%非必須アミノ酸を含み、4ng/mL hbFGF(Gibco)添加したhuES細胞培地(ESM)から生成した。培養物を200ユニット/mlのコラゲナーゼIV(Gibco)中、約5〜10分間、37℃でインキュベーションによって継代し、次いで、CM中、小さなクラスターに穏やかに分離した。細胞は、約一週間おきに継代した。馴化培地は、MEFから生成され、日々回収され、すぐにHuES培養物に給餌するために用いられる。HuES培養物への添加の前に、該馴化培地には、さらに4ng/ml hbFGF(Gibco)を添加した。CM生成のための細胞は、日々ESMで再給餌され、7〜10日間用いられる。
【0051】
例7:huES細胞の分化
胚体(EBs)は、37℃、5〜10分間の200u/mLコラゲナーゼとのインキュベーションによって収穫された未分化ES培養物から形成される。該細胞を穏やかにディッシュから解体し、KO−DMEM、20%FBS、1%非必須アミノ酸、1mMグルタメートおよび0.1mMベータ−メルカプトエタノールから構成される培地中、超低付着ポリスチレンプレート(Corning)に再懸濁した。いくつかの実験において、10μMオールトランスレチノイン酸を懸濁液中のEBsへ添加した。懸濁液で4日後、EBsをB27およびN2添加剤(Gibco)を含むDMEM/F12および10ng/mL hEGF、10ng/mL hbFGF(Gibco)、1ng/mL hPDGF−AA(R&D Systems)、1ng/mL hIGF−1(R&D Systems)を含む増殖培地中、ポリ−l−リシン/FN被覆プレートに置床した。この条件で3日後、細胞をトリプシンで収穫し、B27、10ng/mL hNT−3(R&D Systems)および10ng/mL hBDNF(R&D Systems)添加Neurobasal培地を含んでなる分化培地に再置床した。これらの培養物は、1週間に3回給餌し、14〜21日後に固定した。
【0052】
例8:免疫細胞化学(Immunocytochemistry)
培養物を、抗A2B5抗体(1:2、Developmental Studies Hybridoma Bank)、抗AC133/2抗体(1:100、Miltenyi Biotec, Auburn, CA)、抗ベータ−チューブリン抗体(1:1000、Sigma)、抗E−NCAM抗体(1:2、5A5、Developmental Studies Hybridoma Bank)、抗GFAP抗体(1:2000、Dako, Carpinteria, CA)、抗NG2抗体(1:100)および抗O4抗体(1:2、Developmental Studies Hybridoma Bank)を用いて染色した。固定に続いて、細胞内の抗原に迫るため、培養物をPBS中0.5%トリトン(Triton)X−100(Sigma)で2分間処理した。固定したカバースリップまたはプレートを、次いで、1時間、室温で、ハンクス平衡塩液(Hank's balanced salt solution)および5%子ウシ血清を含むブロッキング溶液中の一次抗体で処理した。PBSで3回洗浄した後、培養物を、1時間、室温で、Texas RedまたはAlexa 488(Molecular Probes, Eugene, OR)と結合した適切な二次抗体(1:220)中、インキュベートした。AC133/2染色には、ビオチン化二次抗体での増幅が要求され、ストレプトアビジン−alexa 488結合三次抗体が続く。全ての培養物は、細胞核を同定するため、DAPI(Molecular Probes)で対比染色した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の純粋均質集団であって、前記哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の集団が、CD44免疫反応性であり、乏突起膠細胞ではなく星状細胞を発生する、前記純粋均質集団。
【請求項2】
請求項1に記載の哺乳動物の星状細胞限定前駆細胞の純粋均質集団を単離する方法であって、神経組織または神経細胞のソースから、CD44免疫反応性を示す細胞の集団を単離することを含む、前記方法。
【請求項3】
請求項1に記載の星状細胞限定前駆細胞の純粋均質集団および薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物。
【請求項4】
薬学的に許容し得る担体が、星状細胞限定前駆細胞が播種または被覆されているインプラントである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
受傷した神経細胞を処置する方法であって、請求項3に記載の医薬組成物を受傷した神経細胞へ投与することを含む、前記方法。
【請求項6】
医薬組成物が、受傷した神経細胞への直接注入によって、受傷した神経細胞へ投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
医薬組成物が、星状細胞限定前駆細胞が播種または被覆されているインプラントを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
医薬組成物が、受傷した神経細胞の部位またはその近くに移植される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
医薬組成物を受傷した神経細胞へ投与することで、受傷した神経細胞の髄鞘形成を増大させる、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
医薬組成物を受傷した神経細胞へ投与することで、受傷した神経細胞における瘢痕形成を減少させる、請求項5に記載の方法。

【公開番号】特開2008−289486(P2008−289486A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139534(P2008−139534)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【分割の表示】特願2003−561348(P2003−561348)の分割
【原出願日】平成15年1月23日(2003.1.23)
【出願人】(500246924)ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファンデーション (2)
【出願人】(504281879)アメリカ合衆国 (2)
【氏名又は名称原語表記】THE GOVERNMENT OF THE UNITED STATES OF AMERICA
【住所又は居所原語表記】as represented by the Secretary, Department of Health and Human Services., Suite 325, 6011 Executive Boulevard, Rockville, MD 20852(US)
【Fターム(参考)】