説明

映像データ蓄積システム及び映像データの検索方法

【課題】 求める映像データをより効率的に検索でき、システム利用者のセキュリティの向上を図り、複数の利用者間でデータを共有できるようにする。
【解決手段】 蓄積サーバ1の蓄積開始・終了を指示する制御部21、蓄積データの検索を指示する検索部22、検索結果を表示する映像表示部23を備えた操作端末2、映像データの蓄積部12、検索の際の検索キー項目を有する蓄積データリストを保存する蓄積データリスト部14、タイマ設定を行うタイマ管理部15、外部センサまたは警報装置4のイベントが入力されるイベント入力部16、検索部22から入力された検索キーにより求めるデータを検索し抽出する検索制御部13、利用者の手動、タイマ理部15の設定あるいはイベント入力部16への入力という蓄積開始のきっかけ情報により蓄積開始・終了を制御し、きっかけ情報を蓄積データリスト14に保存する制御部11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、道路、河川やダム等の状況をカメラにより撮影した映像データを蓄積する映像データ蓄積システム及び映像データの検索方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像データ蓄積システムにおいては、映像データを蓄積するとともに、蓄積された映像データを利用する利用者は、例えば、カメラにより撮影され蓄積された大量の映像データとともに保存された、撮影日時、撮影カメラ名等の蓄積映像データの情報に関する検索キーから、利用者が求める映像データを検索して探し出している。このように、大量の映像データが蓄積される映像データ蓄積システムにおいて求める映像データを探し出すためには、効率的な検索ができる映像データ蓄積システムが要望されている。
【0003】
特許文献1に記載された画像蓄積方法では、連続的に映像データを蓄積している間に、センサー等によって警報が発せられるといったイベントが発生した場合に、センサーとカメラとを連動させて、イベントの発生とともに蓄積された映像データにタグを付してイベントが発生した映像データを利用し易くしている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−306764号公報(第3−4頁、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された画像蓄積方法では、映像データ自体にタグが埋め込まれているため、目的の映像を見つけるためには、全ての映像データを順番に検索する必要があり、利用者の負担が大きいという問題点があった。
【0006】
また、従来のシステムでは、複数の利用者がシステムを利用する場合、利用者個人のセキュリティはほとんど考慮されておらず、ある利用者が蓄積しておいた映像データを、無断で他の利用者に見られたり、データが改ざんされたりすることが起こりえるものであった。
【0007】
この発明は、上記のような問題を解決するものであり、利用者が求める映像データを、より効率的に検索して探し出しことができる映像データ蓄積システムを提供することを目的とするものである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、システム利用者のセキュリティの向上を図るとともに、複数の利用者間での情報の共有を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る映像データ蓄積システムは、映像撮影装置で撮影された映像データを蓄積する蓄積サーバと、上記蓄積サーバに対して利用者が各種操作を行うための操作端末とを備え、
上記操作端末は、
上記蓄積サーバにおける蓄積開始及び終了の制御を指示する制御部と、
上記蓄積サーバにおける蓄積データの検索を指示する検索部と、
検索され読み出された映像データと映像データに関する情報とを表示する映像表示部とを備え、
上記蓄積サーバは、
上記映像データを蓄積する蓄積部と、
上記蓄積された映像データを検索する際の検索キーを記録する検索キー項目が設けられた蓄積データリストを保存する蓄積データリスト部と、
タイマ設定を行うタイマ管理部と、
外部センサまたは警報装置からのイベントが入力されるイベント入力部と、
上記操作端末の上記検索部から入力された上記検索キーを受信し上記利用者が求めるデータを検索し抽出する検索制御部と、
上記利用者の手動あるいは上記タイマ理部のタイマ設定あるいは上記外部センサまたは警報装置からの上記イベント入力部へのイベント発生の入力を蓄積開始のきっかけ情報として上記検索キー項目に含めて、上記蓄積データリストに上記蓄積開始のきっかけ情報を記録し、上記蓄積部に蓄積開始・終了の制御を行うとともに、上記映像データを上記蓄積部に蓄積し、上記蓄積データリスト部に上記蓄積開始のきっかけ情報を含む上記蓄積データリストを保存する制御部とを備えたものである。
【0010】
この発明に係る映像データの検索方法は、上記この発明に係る映像データ蓄積システムを用い、上記操作端末の検索部から上記蓄積サーバの検索制御部へ上記蓄積開始のきっかけ情報を含む検索キーを送信し、上記検索制御部が上記蓄積データリスト部から上記蓄積開始のきっかけ情報を含む検索キーの全てを含む蓄積データリストを抽出し、上記抽出した蓄積データリストを上記操作端末に返すものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る映像データ蓄積システム及び映像データの検索方法によれば、より利用者の意志が反映されやすくなり、的確な検索条件が設定でき、検索の結果の精度が向上し、利用者の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態1を示すブロック図である。図1に示したように、この実施の形態1における映像データ蓄積システムは、カメラ3等の映像撮影装置で撮影された映像データを蓄積する蓄積サーバ1と、システムの利用者が蓄積サーバ1に対して各種操作を行うための操作端末2とを備えている。
【0013】
操作端末2は、制御部21と、検索部22と、映像表示部23とを備え、制御部21は蓄積サーバ1における蓄積開始及び終了の制御を指示し、検索部22は蓄積サーバ1における蓄積データの検索を指示し、映像表示部23は検索され読み出された映像と映像に関する情報とを表示する。
【0014】
蓄積サーバ1は、制御部11、蓄積部12、検索制御部13、蓄積データリスト部14、タイマ管理部15、イベント入力部16を備え、制御部11は、利用者の手動あるいはタイマ管理部15のタイマ設定あるいは外部センサまたは警報装置4からのイベント入力部16へのイベント発生の入力をきっかけとして、蓄積部12に蓄積開始・終了の制御を行うとともに、映像データを蓄積部12に蓄積し、蓄積データリスト部14に映像データに関する情報(蓄積データリスト)を記録し、検索制御部13は、操作端末2から利用者が求めるデータを蓄積サーバ1の検索制御部13を介して蓄積データリスト部14のデータを検索し利用者が求めるデータを探す。このように、この実施の形態1の蓄積サーバ1における映像データの蓄積は、利用者の手動による場合、タイマ管理部15のタイマ設定による場合、外部センサまたは警報装置4からのイベント入力部16へのイベント発生の入力をきっかけとする場合の3つの場合に分けて蓄積データリストを作成して蓄積データリスト部14に入力する。
【0015】
上記3つの場合の映像データの蓄積それぞれの動作について、以下に説明する。
まず、利用者が手動でカメラから入力されている映像を蓄積サーバ1の蓄積部12に蓄積する場合は、利用者が操作端末2の制御部21から蓄積サーバ1の制御部11に蓄積設定内容の制御を指示することにより、カメラ3の映像データの蓄積部12への蓄積が開始される。このとき、制御部11は蓄積データリスト部14に、図2に示したような、蓄積開始日時、蓄積終了時刻、蓄積時間、カメラの名称という蓄積映像データに関する情報とともに、蓄積が利用者の指示により手動で開始されたという蓄積開始のきっかけ情報を蓄積データIDとともに記録した蓄積データリストを蓄積データリスト部14に保存する。
【0016】
利用者がタイマ機能を利用してカメラから入力されている映像を蓄積サーバ1の蓄積部12に蓄積する場合は、利用者が操作端末2の制御部21から蓄積サーバ1のタイマ管理部15に蓄積設定内容とタイマの設定を行い、タイマ管理部15は制御部11に蓄積設定内容とタイマの設定の制御を指示する。制御部11が蓄積部12に蓄積開始の制御を行うことにより蓄積が開始される。蓄積を終了するときは、操作端末2の制御部21から蓄積サーバ1の制御部11を通じて終了の制御を行う。このとき、制御部11は蓄積データリスト部14に、図2に示したような、蓄積開始日時、蓄積終了時刻、蓄積時間、カメラの名称という蓄積映像データに関する情報と、蓄積が利用者の指示によるタイマ設定により開始されたという蓄積開始のきっかけ情報が蓄積データIDを含む蓄積データリストを蓄積データリスト部14に保存する。検索キー項目に記録された情報は検索の際の検索キーとなる。
【0017】
外部センサまたは警報装置4からのイベント入力部16へのイベント発生の入力をきっかけとする場合は、例えば、イベント発生後1時間の間、蓄積を行う場合、蓄積サーバ1のイベント入力部16で外部センサまたは警報装置14からのイベント発生の信号を受信し、それをきっかけにイベント入力部16は制御部11に蓄積開始の指示を行い、また、タイマ制御部15に1時間後に蓄積終了制御を行うように設定する。制御部11はイベント入力部16から指示を受けて、制御部11が蓄積部12に蓄積開始の制御を行うことにより蓄積が開始され、1時間後に終了する。このとき、制御部11は蓄積データリスト部14に、図2に示したような、蓄積開始日時、蓄積終了時刻、蓄積時間、カメラの名称という蓄積映像データに関する情報とともに、蓄積が外部センサまたは警報装置4からのイベント入力部16へのイベント発生の入力をきっかけとして開始されたという蓄積開始のきっかけ情報が蓄積データIDとともに検索キー項目に記録された蓄積データリストを蓄積データリスト部14に保存する。検索キー項目に記録された情報は検索の際の検索キーとなる。
【0018】
次に、蓄積されている映像データの中から、利用者が求めている映像データを検索する際の動作について説明する。
【0019】
図3は、操作端末2における検索部22の処理の流れを示すフローチャートである。図3に示したように、処理の開始(S11)とともに、利用者は操作端末2の検索部22から、求めている映像データに繋がる検索キー項目1〜nに検索キーを入力する(S12)。このとき、必ずしも全ての検索キー項目に入力する必要はない。そして、検索部22は検索キー項目に入力された検索キーを蓄積サーバ1の検索制御部13へ送信し(S13)、端末2における操作が終了する(S14)。
【0020】
図4は、検索制御部13における処理の流れを示すフローチャートである。図4に示したように、利用者の指示により、処理開始(S21)の後、検索制御部13は蓄積データリスト部14から全件の蓄積データリスト(検索対象A1という)を抽出し(S23)、「検索対象A1」について、蓄積データリストの検索キー項目1が受信されているか否かを調べ(S24)、検索キー項目1が受信されている場合(Y)には、「検索対象A1」の蓄積データリストから検索キーが受信検索キーと一致する蓄積データリストを抽出して(S25)、検索対象をS25の抽出結果(検索対象A2という)とする(S26)。「検索対象A1」について、蓄積データリストの検索キー項目1が受信されていない場合(N)には、「検索対象A1」を「検索対象A2」と読み替えた上で(S27)次のステップへ進む。
【0021】
次に、検索キー項目1に対してYまたはNの処理を行った結果の「検索対象A2」について、蓄積データリストの検索キー項目2が受信されているか否かを調べ(S28)、検索キー項目2が受信されている場合(Y)には、「検索対象A2」から検索キーが受信検索キーと一致する蓄積データリストを抽出して(S29)、検索対象をS29の抽出結果(検索対象A3という)とする(S30)。「検索対象A1」について、検索キー項目2が受信されていない場合(N)、「検索対象A2」を「検索対象A3」と読み替えて(S31)次のステップ進む。
【0022】
上記S23…S27、S28…S31のように処理を繰り返して、「検索対象A(n)」について、蓄積データリストの検索キー項目nが受信されているか否かを調べ(S32)、検索キー項目nが受信されている場合(Y)には、「検索対象A(n)」について、検索キーが受信検索キーと一致する蓄積データリストを抽出して検索結果とし(S33)、検索結果を操作端末に返す(S35)。「検索対象A(n)」について、検索キー項目nが受信されていない場合(N)には、「検索対象A(n)」をそのまま検索結果とし(S34)、検索結果を操作端末に返す(S35)。
【0023】
利用者は、操作端末2に返された検索結果の蓄積データリストを基にして、蓄積サーバ1の制御部11へ映像データを再生する要求を行い、蓄積部12から映像データが読み出されて映像が操作端末2の映像表示部23に表示される。
【0024】
上記のように、蓄積開始の際に、利用者の操作により手動で開始されたのか、タイマにより開始されたのか、あるいは外部センサまたは警報装置からのイベント発生入力がきっかけであったのかという、蓄積開始のきっかけ情報が蓄積データIDとともに記録された蓄積データリストが蓄積データリスト部14に保存され、この蓄積開始のきっかけ情報が検索時の検索条件として利用できるので、例えば、イベント発生入力がきっかけであった蓄積データリストを全て抽出したい場合に、「イベント発生入力がきっかけであった」という検索キーを指定して検索することにより、蓄積データリストをそのまま利用してイベント発生入力がきっかけであった映像データを全て抽出することができる。
【0025】
以上のように、この実施の形態1によれば、利用者の意志が反映されやすくなり、的確な検索条件が設定でき、検索の結果の精度が向上し、利用者の利便性が向上する。
【0026】
実施の形態2.
図5は、この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態1を示すブロック図である。上記実施の形態1における映像データ蓄積システムでは、蓄積サーバ1のイベント入力部を1つとしていたが、この実施の形態2における映像データ蓄積システムでは、図5に示したように、複数の外部センサまたは警報装置41〜43が存在する場合、複数の外部センサまたは警報装置41〜43に対応したイベント入力部161〜163を設けることにより、外部センサまたは警報装置41〜43のいずれが蓄積開始のきっかけとなったかを識別することが可能になり、例えば、先に挙げたダムの管理事務所を例にすると、ダム水位低下異常のセンサ及び警報、ダム流入水量以上を検知するセンサ及び警報、雨量検知センサ等の異なるセンサが、警報装置が設置されており、それぞれのセンサ及び警報装置からの入力を区別して映像データの蓄積を行い、例えば、流入水量異常の警報で蓄積された映像データのみを検索する等のように、さらにきめ細かい検索条件の設定が可能になり、外部システムと映像データ蓄積システムとの連携が強化されるとともに、検索時の利用者の利便性が向上する。
【0027】
実施の形態3.
この実施の形態3は、映像データの蓄積を行う利用者に関する情報を蓄積データリスト部14に保存し、この保存した映像データの利用者に関する情報を検索時に有効に利用するものである。
【0028】
利用者が映像データ蓄積システムを利用する際には、ログインIDとパスワードが必要であり、このログインIDとパスワードから現在の利用者を識別することができるものとする。
【0029】
上記実施の形態1では、利用者が手動で、あるいはタイマの設定により、蓄積を開始しようとする際、図1に示したように、制御部11が蓄積データリスト部14に蓄積開始日時、カメラの名称などのデータとともに、利用者の指示により手動、あるいはタイマの設定により蓄積開始が行われたという蓄積開始のきっかけ情報を蓄積IDとともに記録していたが、この実施の形態3では、図6に示す蓄積データリストの構成のように、手動、あるいはタイマの設定により蓄積開始が行われたという蓄積開始のきっかけ情報に代えて、どの利用者(以下、蓄積操作者という)の操作により蓄積が開始されたかという情報(以下、蓄積操作者のユーザIDという)を記録する。
【0030】
図7は、この実施の形態3における操作端末における検索操作を示すフローチャートであり、図8は、この実施の形態3において蓄積サーバ1の検索制御部13が行う検索処理の流れの主要部を示すフローチャートである。
【0031】
図7に示したように、検索キー項目1〜nを入力し(S42)、操作端末2の検索部22から蓄積サーバ1の検索制御部13に、検索キー項目に入力された内容と、この内容とは別に検索実行者ユーザIDを送信する(S43)。
【0032】
この実施の形態3では、図8に示したように、検索制御部13は操作端末2から検索キー項目1〜nの検索キーと検索実行者のユーザIDとを受信し(S52)、「蓄積操作者ユーザIDが検索実行者ユーザIDと一致する蓄積データリストを抽出する」という検索条件により、蓄積データリスト部14から蓄積操作者ユーザIDと検索実行者ユーザIDとが一致する蓄積データリストが抽出され(S53)、抽出された蓄積データリストが「検索対象A」となり(S54)、以下、図4に示したS24以下と同様の検索が行なわれる。
【0033】
この実施の形態3によれば、得られる検索結果は、検索実行者自身が蓄積操作を行った映像データのみに限られ、したがって、他の利用者から自身が蓄積した映像データを見られることもなくなるのでセキュリティが向上する。
【0034】
実施の形態4.
上記実施の形態3では、蓄積操作者の情報を蓄積データリスト部14に保存し、蓄積操作者の情報を有効に利用してセキュリティを向上させるようにしたが、この実施の形態4では、操作端末2のIPアドレスを有効に利用してセキュリティを向上させるようにしたものである。
【0035】
図9は、この実施の形態4における蓄積データリストの構成を示す図である。この実施の形態4では、図9に示したように、蓄積操作者ユーザIDに代えて、蓄積操作を行った操作端末のIPアドレスを記録する。
【0036】
図10は、この実施の形態4における操作端末における検索操作を示すフローチャートであり、図11は、この実施の形態4において蓄積サーバ1の検索制御部13が行う検索処理の流れの主要部を示すフローチャートである。
【0037】
図10に示したように、検索キー項目1〜nを入力し(S72)、操作端末2の検索部22から蓄積サーバ1の検索制御部13に、検索キー項目に入力された内容と、この内容とは別に検索を実行している操作端末2のIPアドレスを送信する(S73)。
【0038】
この実施の形態4では、図11に示したように、検索制御部13は操作端末2から検索キー項目1〜nの検索キーと検索実行の操作端末2のIPアドレスとを受信し(S82)、「蓄積データリスト部14から蓄積操作を行った操作端末2のIPアドレスが検索実行の操作端末2のIPアドレスと一致する蓄積データリストを抽出する」という検索条件により、蓄積操作を行った操作端末2のIPアドレスと検索実行の操作端末2のIPアドレスとが一致する蓄積データリストが抽出され(S83)、抽出された蓄積データリストが「検索対象A」となり(S84)、以下、図4に示したS24以下と同様の検索が行なわれる。
【0039】
この実施の形態4によれば、得られる検索結果は、検索実行の操作端末2が蓄積操作を行った操作端末2の映像データのみに限られ、したがって、蓄積した映像データを他の操作端末2から見られることもなくなるのでセキュリティが向上する。また、操作端末2を複数の人が起動できるように設定することにより、それらの複数の人が操作端末から蓄積した映像データを共有することができるようになる。
【0040】
実施の形態5.
上記実施の形態3では、ある特定の映像データ見ることができるのは、その映像データの蓄積操作者のみである。また、上記実施の形態4では、一つの操作端末2から複数の利用者が映像データ共有することができるようにできたが、特定の映像データのみを共有することはできない。
【0041】
図12は、この実施の形態5における蓄積データリストの構成を示す図である。この実施の形態5では、図12に示したように、蓄積を行った操作端末のIPアドレスに代えて、データ共有者のユーザIDを記録する。このデータ共有者のユーザIDは、手動による蓄積、タイマによる蓄積の場合には蓄積操作時に、イベントによる蓄積時には事前の設定時に蓄積操作者により設定され、複数のデータ共有者を設定することができる。また、蓄積操作者は蓄積が終了した後も必要に応じて設定してあるデータ共有者を変更することができる。
【0042】
図13は、この実施の形態5において蓄積サーバ1の検索制御部13が行う検索処理の流れの主要部を示すフローチャートである。
【0043】
この実施の形態5では、図13に示したように、検索制御部13は操作端末2から検索キー項目1〜nの検索キーと検索実行の操作端末2のIPアドレスとを受信し(S102)、「検索実行者のユーザIDが、蓄積操作者またはデータ共有者のユーザIDと一致する蓄積データリストを抽出する」という検索条件により、蓄積データリスト部14から検索実行者のユーザIDとデータ共有者のユーザIDとが一致する蓄積データリストが抽出され(S103)、抽出された蓄積データリストが「検索対象A」となり(S104)、以下、図4に示したS24以下と同様の検索が行なわれる。
【0044】
この実施の形態5によれば、一つの操作端末2から複数の利用者が映像データ共有することができるようにした場合に、利用者毎に特定の映像データのみを共有することができるようにしたので、利用者間においてもセキュリティを守りながら複数の人が操作端末から蓄積した映像データを共有することができるようになる。
【0045】
なお、上記実施の形態1〜5において、蓄積される映像データは動画であっても静止画であっても同様の効果が得られる。
【0046】
また、上記実施の形態1〜5においては蓄積サーバ1と利用者が操作を行う操作端末2とが別に存在する例を説明したが、蓄積サーバ1と利用者が操作を行う操作端末2とが一体に存在していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明に係る映像データ蓄積システムは、道路、河川やダム等の状況をカメラにより撮影した映像データを蓄積する映像データ蓄積システム及びその映像データの検索方法に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における蓄積データリストの構造を示す図である。
【図3】実施の形態1における操作端末の検索部の動作を説明するフローチャートである。
【図4】実施の形態1における蓄積サーバの検索制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態2を示すブロック図である。
【図6】この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態3における蓄積データリスト部の構造を示す図である。
【図7】実施の形態3における操作端末の検索部の動作を説明するフローチャートである。
【図8】実施の形態3における蓄積サーバの検索制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図9】この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態4における蓄積データリスト部の構造を示す図である。
【図10】実施の形態4における操作端末の検索部の動作を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態4における蓄積サーバの検索制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図12】この発明に係る映像データ蓄積システムの実施の形態5における蓄積データリスト部の構造を示す図である。
【図13】実施の形態5における蓄積サーバの検索制御部の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 蓄積サーバ、2 操作端末、3 カメラ、
4,41〜43 外部センサまたは警報装置、11 蓄積サーバの制御部、
12 蓄積部、13 検索制御部、14 蓄積データリスト部、15 タイマ管理部、
16 イベント入力部、21 操作端末の制御部、22 検索部、23 映像表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像撮影装置で撮影された映像データを蓄積する蓄積サーバと、上記蓄積サーバに対して利用者が各種操作を行うための操作端末とを備え、
上記操作端末は、
上記蓄積サーバにおける蓄積開始及び終了の制御を指示する制御部と、
上記蓄積サーバにおける蓄積データの検索を指示する検索部と、
検索され読み出された映像データと映像データに関する情報とを表示する映像表示部とを備え、
上記蓄積サーバは、
上記映像データを蓄積する蓄積部と、
上記蓄積された映像データを検索する際の検索キーを記録する検索キー項目が設けられた蓄積データリストを保存する蓄積データリスト部と、
タイマ設定を行うタイマ管理部と、
外部センサまたは警報装置からのイベントが入力されるイベント入力部と、
上記操作端末の上記検索部から入力された上記検索キーを受信し上記利用者が求めるデータを検索し抽出する検索制御部と、
上記利用者の手動あるいは上記タイマ管理部のタイマ設定あるいは上記外部センサまたは警報装置からの上記イベント入力部へのイベント発生の入力を蓄積開始のきっかけ情報として上記検索キー項目に含めて、上記蓄積データリストに上記蓄積開始のきっかけ情報を記録し、上記蓄積部に蓄積開始・終了の制御を行うとともに、上記映像データを上記蓄積部に蓄積し、上記蓄積データリスト部に上記蓄積開始のきっかけ情報を含む上記蓄積データリストを保存する制御部とを備えたことを特徴とする映像データ蓄積システム。
【請求項2】
上記外部センサまたは警報装置が複数あり、各外部センサまたは警報装置に対応して上記イベント入力部を設けたことを特徴とする請求項1記載の映像データ蓄積システム。
【請求項3】
上記蓄積データリストに、上記操作端末の利用者である蓄積操作者のユーザIDを追加したことを特徴とする請求項1記載の映像データ蓄積システム。
【請求項4】
上記蓄積データリストに、上記操作端末から蓄積された映像データを共有する共有者のユーザIDを追加したことを特徴とする請求項3記載の映像データ蓄積システム。
【請求項5】
上記蓄積開始のきっかけ情報として、上記利用者が操作した操作端末のIPアドレスとすることを特徴とする請求項1記載の映像データ蓄積システム。
【請求項6】
上記映像データは、動画または静止画であることを特徴とする請求項1なし5のいずれかに記載の映像データ蓄積システム。
【請求項7】
上記請求項1ないし6に記載の映像データ蓄積システムのいずれかを用い、上記操作端末の検索部から上記蓄積サーバの検索制御部へ上記蓄積開始のきっかけ情報を含む検索キーを送信し、上記検索制御部が上記蓄積データリスト部から上記蓄積開始のきっかけ情報を含む検索キーの全てを含む蓄積データリストを抽出し、上記抽出した蓄積データリストを上記操作端末に返すことを特徴とする映像データの検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−173939(P2006−173939A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362175(P2004−362175)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】