説明

映像再生装置

【課題】三次元映像を再生可能な映像再生装置において、簡易な処理によって所望のシーンを滑らかに再生することが可能な映像再生装置を得る。
【解決手段】STB4は、三次元映像を再生可能な映像再生装置であって、表示画面における映像の再生を制御する映像制御部13と、フレームレートの変更を受け付けるフレームレート変更部12と、を備え、フレームレート変更部12によってフレームレートの変更が受け付けられた場合、映像制御部13は、左視用映像及び右視用映像のうち一方の対象フレームの映像に代えて、対象フレームとその次フレームとの間のフレーム間映像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置に関し、特に、三次元映像を再生可能な映像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、両眼に液晶シャッタを備える専用の眼鏡をユーザが着用することによって、表示画面上で三次元映像を視聴可能な映像表示装置が開示されている。当該映像表示装置においては、左視用映像と右視用映像とを所定の周期で表示画面に交互に表示する。そして、液晶シャッタを制御することによって、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の左眼を透光状態、右眼を遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の右眼を透光状態、左眼を遮光状態とすることにより、表示画面に三次元映像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3273074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
野球やサッカーのようなスポーツ番組の三次元映像を視聴する場合において、得点シーン等の重要なシーンを巻き戻してリプレイする際に、滑らかな映像によって当該シーンを明瞭に視聴したいというユーザの要望がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、三次元映像を再生可能な映像再生装置において、簡易な処理によって所望のシーンを滑らかに再生することが可能な映像再生装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る映像再生装置は、左視用映像と右視用映像とを表示画面に交互に表示し、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の左眼を透光状態、右眼を遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して前記眼鏡の右眼を透光状態、左眼を遮光状態とすることにより、三次元映像を再生可能な映像再生装置であって、前記表示画面における映像の再生を制御する映像制御部と、フレームレートの変更を受け付けるフレームレート変更部と、を備え、前記フレームレート変更部によってフレームレートの変更が受け付けられた場合、前記映像制御部は、左視用映像及び右視用映像のうち一方の対象フレームの映像に代えて、前記対象フレームとその次フレームとの間のフレーム間映像を表示することを特徴とするものである。
【0007】
第1の態様に係る映像再生装置によれば、フレームレート変更部によってフレームレートの変更が受け付けられた場合、映像制御部は、左視用映像及び右視用映像のうち一方の対象フレームの映像に代えて、対象フレームとその次フレームとの間のフレーム間映像を表示する。これによりユーザは、フレーム間映像が挿入された高フレームレートの滑らかな映像を視聴することができる。従ってユーザは、三次元映像を視聴しつつも、所望のシーンにおいてはフレームレートを変更することにより、当該シーンの滑らかな映像を視聴することが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る映像再生装置は、第1の態様に係る映像再生装置において特に、前記映像制御部は、前記フレーム間映像を生成する映像生成部を有することを特徴とするものである。
【0009】
第2の態様に係る映像再生装置によれば、フレーム間映像は、映像制御部が有する映像生成部によって生成される。従って、フレーム間映像を含む高フレームレートの映像信号をサーバから映像再生装置に送信する必要がないため、当該映像信号の送信に伴うサーバ及び通信ネットワークの処理負荷及び通信負荷を軽減することが可能となる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る映像再生装置は、第2の態様に係る映像再生装置において特に、前記映像生成部は、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの前記対象フレームの映像と、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの前記次フレームの映像とに基づいて、前記フレーム間映像を生成することを特徴とするものである。
【0011】
第3の態様に係る映像再生装置によれば、映像生成部は、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの前記対象フレームの映像と、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの前記次フレームの映像とに基づいて、前記フレーム間映像を生成する。従って例えば、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像とに基づいてフレーム間映像を生成し、当該フレーム間映像を、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像との間に挿入する場合には、ユーザは、二次元映像ではあるが高フレームレートの滑らかな映像を視聴することが可能となる。また例えば、対象フレームの右視用映像と次フレームの右視用映像とに基づいてフレーム間映像を生成し、当該フレーム間映像を、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像との間に挿入する場合には、ユーザは、高フレームレートの滑らかな映像を視聴することが可能になるとともに、左視用映像と右視用映像とが交互に表示されるため、静止映像やフレーム間での動きが小さい映像を、三次元映像として視聴することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、三次元映像を再生可能な映像再生装置において、簡易な処理によって所望のシーンを滑らかに再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】STBの構成を簡略化して示すブロック図である。
【図3】テレビにおいて三次元映像のコンテンツをノーマル再生(モードX)する場合のSTBの処理を示す図である。
【図4】テレビにおいて三次元映像のコンテンツを高フレームレート再生(モードY)する場合のSTBの処理を示す図である。
【図5】モードYにおいて映像再生の一時停止を行う場合のSTBの処理を示す図である。
【図6】テレビにおいて三次元映像のコンテンツを高フレームレート再生(モードZ)する場合のSTBの処理を示す図である。
【図7】モードZにおいて映像再生の一時停止を行う場合のSTBの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像配信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように映像配信システム1は、映像配信装置としてのサーバ2と、当該サーバ2とIP(Internet Protocol)ネットワーク等の通信ネットワーク3を介して接続される、映像再生装置としてのSTB(Set Top Box)4と、液晶表示装置等のテレビ5と、ハードディスク等の記憶部6と、三次元映像を視聴するためにユーザが着用する眼鏡7とを備えて構成されている。眼鏡7は、左眼8L及び右眼8Rを有している。なお、記憶部6はSTB4に内蔵されていてもよい。また、STB4の機能がテレビ5に内蔵されていてもよい。
【0016】
サーバ2は、通信ネットワーク3を介してSTB4にコンテンツの映像信号を送信する。STB4は、受信した映像信号に対してデコード等の処理を行って、当該処理後の映像信号を記憶部6に記憶する。また、STB4は、記憶部6から読み出した映像信号をテレビ5に送信することにより、テレビ5において映像を再生する。STB4は、テレビ5において二次元映像を再生可能であるとともに、三次元映像を再生することも可能である。三次元映像を視聴する場合には、ユーザは眼鏡7を着用することができる。
【0017】
図2は、STB4の構成を簡略化して示すブロック図である。図2の接続関係で示すように、STB4は、命令受信部11、フレームレート変更部12、映像制御部13、映像送信部14、眼鏡制御部15、及び制御信号送信部16を備えて構成されている。映像制御部13は、映像生成部17を有している。
【0018】
図3は、テレビ5において三次元映像のコンテンツをノーマル再生(高フレームレート再生ではない通常の再生。以下「モードX」とも称す)する場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、ノーマル再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信する。命令受信部11は、受信した命令信号S1をフレームレート変更部12に入力する。これにより、フレームレート変更部12は、モードXでの映像再生を受け付ける。フレームレート変更部12は、ノーマル再生を指定する制御信号S2を映像制御部13に入力することにより、表示モードをモードXに設定する。
【0019】
モードXに設定された映像制御部13は、上記コンテンツの映像信号S3を記憶部6から読み出して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。三次元映像のノーマル再生を行う場合には、人間の両眼視差を反映した左視用映像と右視用映像とが所定の周期(例えば1/60秒周期。但し、左視用映像及び右視用映像の二つの映像で三次元映像の一つのフレームを構成するため、フレームレートは半分の1/30秒周期)で交互に表示される。図3に示した例では、第0フレームの左視用映像F0L、第0フレームの右視用映像F0R、第1フレームの左視用映像F1L、第1フレームの右視用映像F1R、第2フレームの左視用映像F2L、第2フレームの右視用映像F2R、第3フレームの左視用映像F3L、第3フレームの右視用映像F3R、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。
【0020】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S4を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S4を眼鏡7に向けて無線送信する。図3に示すように、三次元映像のノーマル再生を行う場合には、各フレームの左視用映像F0L,F1L,F2L,F3L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8Lが透光状態(ON)、右眼8Rが遮光状態(OFF)とされ、各フレームの右視用映像F0R,F1R,F2R,F3R,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の右眼8Rが透光状態(ON)、左眼8Lが遮光状態(OFF)とされる。
【0021】
図4は、テレビ5において三次元映像のコンテンツを高フレームレート再生(以下「モードY」とも称す)する場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、高フレームレート再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信する。命令受信部11は、受信した命令信号S1をフレームレート変更部12に入力する。これにより、フレームレート変更部12は、モードYでの映像再生を受け付ける。フレームレート変更部12は、高フレームレート再生を指定する制御信号S2を映像制御部13に入力することにより、表示モードをモードYに設定する。
【0022】
モードYに設定された映像制御部13は、上記コンテンツの映像信号S3のうち、左視用映像及び右視用映像の一方(この例では左視用映像)の映像信号S3を記憶部6から読み出す。そして、映像生成部17は、連続する二つのフレームを補間して中間映像(フレーム間映像)を作成し、当該中間映像を当該二つのフレーム間に挿入することにより、モードY用の映像信号S3を生成して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。図4に示した例では、第0フレームの左視用映像F0L、中間映像FAL、第1フレームの左視用映像F1L、中間映像FBL、第2フレームの左視用映像F2L、中間映像FCL、第3フレームの左視用映像F3L、中間映像FDL、第4フレームの左視用映像F4L、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。この例の場合、モードY用の映像信号S3のフレームレートは、モードXの2倍の1/60秒周期となる。
【0023】
中間映像FALは、第0フレームの左視用映像F0Lと第1フレームの左視用映像F1Lとを補間することによって作成される。中間映像FBLは、第1フレームの左視用映像F1Lと第2フレームの左視用映像F2Lとを補間することによって作成される。中間映像FCLは、第2フレームの左視用映像F2Lと第3フレームの左視用映像F3Lとを補間することによって作成される。中間映像FDLは、第3フレームの左視用映像F3Lと第4フレームの左視用映像F4Lとを補間することによって作成される。なお、映像生成部17が中間映像を作成する代わりに、中間映像を含む高フレームレートの映像信号をサーバ2からSTB4に送信してもよい。
【0024】
つまり、例えば第0フレームが対象フレームである場合には、映像制御部13は、第0フレームの右視用映像F0Rに代えて、第0フレームの左視用映像F0Lとその次の第1フレームの左視用映像F1Lとの間のフレーム間映像(中間映像FAL)をテレビ5に表示する。また例えば第2フレームが対象フレームである場合には、映像制御部13は、第2フレームの右視用映像F2Rに代えて、第2フレームの左視用映像F2Lとその次の第3フレームの左視用映像F3Lとの間のフレーム間映像(中間映像FCL)をテレビ5に表示する。
【0025】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S4を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S4を眼鏡7に向けて無線送信する。図4に示すように、モードYの高フレームレート再生を行う場合には、各フレームの左視用映像F0L,F1L,F2L,F3L,F4L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8Lが透光状態(ON)、右眼8Rが遮光状態(OFF)とされ、中間映像FAL,FBL,FCL,FDL,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の右眼8Rが透光状態(ON)、左眼8Lが遮光状態(OFF)とされる。なお、モードYの高フレームレート再生を行う場合には二次元映像が表示されるため、スイッチングを行わずに全期間において眼鏡7の両眼を透光状態としてもよい。
【0026】
図5は、モードYにおいて映像再生の一時停止を行う場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、映像再生の一時停止を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信する。命令受信部11は、受信した命令信号S1をフレームレート変更部12に入力する。これにより、フレームレート変更部12は、映像再生の一時停止を受け付ける。フレームレート変更部12は、映像再生の一時停止を指定する制御信号S2を、映像制御部13に入力する。
【0027】
映像制御部13は、制御信号S2が入力された時点で映像送信部14に最後に入力したフレームを特定し、当該フレームの映像信号S3をその後も継続して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。図5に示した例では、第2フレームの左視用映像F2Lがテレビ5に表示された時刻T1に映像再生の一時停止が指定されており、時刻T1以降は左視用映像F2Lが継続してテレビ5の表示画面に表示される。つまり、映像再生の一時停止を行う場合には、左視用映像及び右視用映像の一方の停止フレームの映像(この例では左視用映像)が、三次元映像の再生時に他方のフレーム(この例では右視用映像)を表示するタイミングでも表示画面に表示される。
【0028】
図6は、テレビ5において三次元映像のコンテンツを高フレームレート再生(以下「モードZ」とも称す)する場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、高フレームレート再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信する。命令受信部11は、受信した命令信号S1をフレームレート変更部12に入力する。これにより、フレームレート変更部12は、モードZでの映像再生を受け付ける。フレームレート変更部12は、高フレームレート再生を指定する制御信号S2を映像制御部13に入力することにより、表示モードをモードZに設定する。
【0029】
モードZに設定された映像制御部13は、上記コンテンツの映像信号S3(左視用映像及び右視用映像)を記憶部6から読み出す。そして、映像生成部17は、連続する二つのフレームを補間して中間映像(フレーム間映像)を作成し、当該中間映像を当該二つのフレーム間に挿入することにより、モードZ用の映像信号S3を生成して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。図6に示した例では、第0フレームの左視用映像F0L、中間映像FAR、第1フレームの左視用映像F1L、中間映像FBR、第2フレームの左視用映像F2L、中間映像FCR、第3フレームの左視用映像F3L、中間映像FDR、第4フレームの左視用映像F4L、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。この例の場合、モードZ用の映像信号S3のフレームレートは、モードXの2倍の1/60秒周期となる。
【0030】
中間映像FARは、第0フレームの右視用映像F0Rと第1フレームの右視用映像F1Rとを補間することによって作成される。中間映像FBRは、第1フレームの右視用映像F1Rと第2フレームの右視用映像F2Rとを補間することによって作成される。中間映像FCRは、第2フレームの右視用映像F2Rと第3フレームの右視用映像F3Rとを補間することによって作成される。中間映像FDRは、第3フレームの右視用映像F3Rと第4フレームの右視用映像F4Rとを補間することによって作成される。なお、映像制御部13が中間映像を作成する代わりに、中間映像を含む高フレームレートの映像信号をサーバ2からSTB4に送信してもよい。
【0031】
つまり、例えば第0フレームが対象フレームである場合には、映像制御部13は、第0フレームの右視用映像F0Rに代えて、第0フレームの右視用映像F0Rとその次の第1フレームの右視用映像F1Rとの間のフレーム間映像(中間映像FAR)をテレビ5に表示する。また例えば第2フレームが対象フレームである場合には、映像制御部13は、第2フレームの右視用映像F2Rに代えて、第2フレームの右視用映像F2Rとその次の第3フレームの右視用映像F3Rとの間のフレーム間映像(中間映像FCR)をテレビ5に表示する。
【0032】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S4を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S4を眼鏡7に向けて無線送信する。図6に示すように、モードZの高フレームレート再生を行う場合には、各フレームの左視用映像F0L,F1L,F2L,F3L,F4L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8Lが透光状態(ON)、右眼8Rが遮光状態(OFF)とされ、中間映像FAR,FBR,FCR,FDR,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の右眼8Rが透光状態(ON)、左眼8Lが遮光状態(OFF)とされる。
【0033】
図7は、モードZにおいて映像再生の一時停止を行う場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、映像再生の一時停止を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信する。命令受信部11は、受信した命令信号S1をフレームレート変更部12に入力する。これにより、フレームレート変更部12は、映像再生の一時停止を受け付ける。フレームレート変更部12は、映像再生の一時停止を指定する制御信号S2を、映像制御部13に入力する。
【0034】
映像制御部13は、制御信号S2が入力された時点で映像送信部14に最後に入力したフレームを特定し、当該フレームの映像信号S3をその後も継続して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。図7に示した例では、中間映像FCRがテレビ5に表示された時刻T2に映像再生の一時停止が指定されており、時刻T2以降は中間映像FCRが継続してテレビ5の表示画面に表示される。つまり、映像再生の一時停止を行う場合には、左視用映像及び右視用映像の一方の停止フレームの映像(この例では右視用映像の中間映像)が、三次元映像の再生時に他方のフレーム(この例では左視用映像)を表示するタイミングでも表示画面に表示される。
【0035】
なお、以上の説明では、対象フレームと次フレームとの間にフレーム間映像を一つのみ挿入する例について述べたが、二つ以上のフレーム間映像を挿入することによって、さらなる高フレームレート化を図ってもよい。また、図4に示した例では、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像とに基づいてフレーム間映像が作成され、図6に示した例では、対象フレームの右視用映像と次フレームの右視用映像とに基づいてフレーム間映像が作成されたが、この例に限らず、対象フレームの左視用映像及び右視用映像と次フレームの左視用映像及び右視用映像とに基づいてフレーム間映像を作成してもよい。
【0036】
このように本実施の形態に係るSTB4によれば、フレームレート変更部12によってフレームレートの変更が受け付けられた場合、映像制御部13は、左視用映像及び右視用映像のうち一方の対象フレームの映像に代えて、対象フレームとその次フレームとの間のフレーム間映像をテレビ5に表示する。これによりユーザは、フレーム間映像が挿入された高フレームレートの滑らかな映像を視聴することができる。従ってユーザは、三次元映像を視聴しつつも、所望のシーンにおいてはフレームレートを変更することにより、当該シーンの滑らかな映像を視聴することが可能となる。
【0037】
また、本実施の形態に係るSTB4によれば、フレーム間映像は、映像制御部13が有する映像生成部17によって生成される。従って、フレーム間映像を含む高フレームレートの映像信号をサーバ2からSTB4に送信する必要がないため、当該映像信号の送信に伴うサーバ2及び通信ネットワーク3の処理負荷及び通信負荷を軽減することが可能となる。
【0038】
また、本実施の形態に係るSTB4によれば、映像生成部17は、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの対象フレームの映像と、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの次フレームの映像とに基づいて、フレーム間映像を生成する。従って例えば、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像とに基づいてフレーム間映像を生成し、当該フレーム間映像を、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像との間に挿入する場合(図4)には、ユーザは、二次元映像ではあるが高フレームレートの滑らかな映像を視聴することが可能となる。また例えば、対象フレームの右視用映像と次フレームの右視用映像とに基づいてフレーム間映像を生成し、当該フレーム間映像を、対象フレームの左視用映像と次フレームの左視用映像との間に挿入する場合(図6)には、ユーザは、高フレームレートの滑らかな映像を視聴することが可能になるとともに、左視用映像と右視用映像とが交互に表示されるため、静止映像やフレーム間での動きが小さい映像を、三次元映像として視聴することが可能となる。
【0039】
また、本実施の形態に係るSTB4は、高フレームレートのまま早送り再生等を行う場合、フレーム間映像を生成しなくてもよい。STB4は、図4に示した例で、フレームF0L,FAL,F1L,FBL,・・・の順に再生するところ、高フレームレートのまま早送り再生を行う場合にフレーム間映像を生成せず、フレームF0L,F1L,F2L,F3L,・・・の順にSTB4が再生するようにしてもよい。これによって、高フレームレートの2倍速再生をSTB4は行うこととなる。高フレームレートの2倍速再生を行うのに、フレーム間映像を生成せず、フレームF0L,F1R,F2L,F3R,・・・の順にSTB4が再生するようにしてもよい。
【0040】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0041】
4 STB
5 テレビ
7 眼鏡
8L 左眼
8R 右眼
12 フレームレート変更部
13 映像制御部
17 映像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左視用映像と右視用映像とを表示画面に交互に表示し、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の左眼を透光状態、右眼を遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して前記眼鏡の右眼を透光状態、左眼を遮光状態とすることにより、三次元映像を再生可能な映像再生装置であって、
前記表示画面における映像の再生を制御する映像制御部と、
フレームレートの変更を受け付けるフレームレート変更部と、
を備え、
前記フレームレート変更部によってフレームレートの変更が受け付けられた場合、前記映像制御部は、左視用映像及び右視用映像のうち一方の対象フレームの映像に代えて、前記対象フレームとその次フレームとの間のフレーム間映像を表示する、映像再生装置。
【請求項2】
前記映像制御部は、前記フレーム間映像を生成する映像生成部を有する、請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記映像生成部は、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの前記対象フレームの映像と、左視用映像及び右視用映像の少なくともいずれかの前記次フレームの映像とに基づいて、前記フレーム間映像を生成する、請求項2に記載の映像再生装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−222425(P2012−222425A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83396(P2011−83396)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】