説明

映像処理システムおよび映像処理方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】不特定多数の人が閲覧するWebカメラシステム(映像処理システム)において閲覧者同士の関係に応じて動的に映像処理の方法を決定すること。
【解決手段】ログインしている閲覧者が変わる毎に、個別映像加工方法決定部102が、閲覧者情報DB121に記憶される前記閲覧者の情報に基づいて前記閲覧者同士の関係を判断し、前記閲覧者毎の映像加工方法を決定し、映像加工実行部105が、カメラ映像取得部103により取得される被写体映像を前記決定された前記閲覧者毎の映像加工方法で前記閲覧者毎にそれぞれ加工して、映像出力部106が、ログインしている閲覧者毎にそれぞれ出力する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体映像を取得する映像取得手段と、ログインしている複数の閲覧者の装置に被写体映像をそれぞれ出力する出力制御手段とを有する映像処理システムの映像処理制御に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、過疎化がすすんでいる地方では、医師の不足が深刻な問題になりつつある。また、医師が不適切に治療をしたことが原因で、患者が病状を悪化させる医療ミスのケースも後をたたない。さらに、国際的な医療格差を是正するため、医療先進国で行われた高度な医療の様子を医療後進国の医師に見せることにより、医療後進国の医療技術を発展させたいという要求もある。
【0003】
従って、遠隔地にいる閲覧者(医師や家族)に、同じ映像情報を配信することは意義があるといえる。
【0004】
しかし、その一方で、個人情報保護といったプライバシーを守る権利も重要視されてきている風潮もあるので、不必要な映像は配信せずにモザイクをかける等の処理が必要な場合もある。
【0005】
このように、複雑な状況が絡み合う現代では、それらを同時に実現するシステムが求められてきている。
【0006】
特許文献1には、被写体に応じて適切な映像処理を選択して実行することで被写体のプライバシー保護を可能にする技術が提案されている。
【0007】
また、特許文献2には、ユーザごとに異なる領域のマスキングをかけた画像を提供する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2005-277680号公報
【特許文献2】特開2003-46745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの従来の技術では閲覧者の種別または被写体によって、映像処理方法が固定されてしまうため、以下のような問題が発生していた。
【0009】
例えば、遠隔地医療を考えた場合、医師が患者の状態を確認する際には、治療目的の場合もあれば、患者の状態を確認したいだけの場合もある。医師が治療を行っている間は、プライバシー保護の観点から他の閲覧者に対しては患者の映像を隠すことが望ましいと思われる。これを従来技術で実現しようとすると、医師が治療を行っている間だけ他の閲覧者に対して患者の映像を隠すといった要求を満たすことができないといった問題点があった。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、不特定多数の人が閲覧する映像処理システムにおいて、閲覧者同士の関係に応じて動的に映像処理の方法を決定できる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被写体映像を取得する映像取得手段と、ログインしている複数の閲覧者の装置に被写体映像をそれぞれ出力する出力制御手段とを有する映像処理システムにおいて、閲覧者の情報を記憶する記憶手段と、ログインしている閲覧者が変わる毎に、前記記憶手段に記憶される前記閲覧者の情報に基づいて前記閲覧者同士の関係を判断し、前記閲覧者毎の映像加工方法を決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、不特定多数の人が閲覧する映像処理システムにおいて、閲覧者の種別または被写体の関係に応じて動的に映像処理の方法を決定できる。
【0013】
従って、医師が治療を行っている間だけ他の閲覧者に対して患者の映像を隠すといった要求を満たすことができるといったような、閲覧者同士の関係に応じて適切な映像処理を選択し実行することによって、被写体の個人情報保護や柔軟な映像処理を可能にすることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1〜図13を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を示す映像処理システムの一例を示すシステム構成図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の映像処理システムは、映像処理装置100、複数の端末装置200(端末装置(A)200a、端末装置(B)200b、端末装置(C)200c、・・・)、Webカメラ300、被写体属性受信部400、複数の被写体属性送信装置401(被写体属性送信装置(A)401a、被写体属性送信装置(B)401b、被写体属性送信装置(C)401c、・・・)および通信ネットワーク600等から構成されている。
【0017】
なお、通信ネットワーク600は、専用回線やインターネット、LANの他、WAN、電灯線ネットワーク、無線ネットワーク、公衆回線網、携帯電話網など様様なネットワークを採用することもできる。
【0018】
映像処理装置100は、通信ネットワーク600に接続しており、Webカメラ300により得た被写体映像を被写体属性受信部400により判断した情報を元に映像加工をするものである。
【0019】
また、映像処理装置100は、コンピュータにより構成され、通信インターフェース141と、CPU142と、RAM143と、ROM144と、外部メモリ(ここではハードディスク(HD))145と、入力装置146と、出力装置147とを有する。
【0020】
通信インターフェース141は、通信ネットワーク600とCPU142、RAM143、ROM144、DB145、入力装置146、出力装置147に接続しており、CPU142、RAM143、ROM144、DB145、入力装置146、出力装置147で処理された内容を、通信ネットワーク600に送信し、また、通信ネットワーク600から送信された内容を受信するものである。
【0021】
端末装置(A)200a、端末装置(B)200b、端末装置(C)200cは通信ネットワーク600に接続しており、映像処理装置100により加工された映像を、通信ネットワーク600により受信して表示するものである。
【0022】
Webカメラ300は通信ネットワーク600に接続しており、被写体映像を取得し、通信ネットワーク600に送信するものである。
【0023】
被写体属性受信部400は通信ネットワーク600に接続しており、Webカメラ300により得た被写体映像属性を判断し、通信ネットワーク600に送信するものである。
【0024】
被写体属性送信装置(A)401a、被写体属性送信装置(B)401b、被写体属性送信装置(C)401cは被写体属性受信部400に接続しており、被写体の属性情報を送信するものである。なお、被写体属性送信装置(A)401a、被写体属性送信装置(B)401b、被写体属性送信装置(C)401cは、携帯可能の形状でリストバンド形式のものでもよい。
【0025】
通信ネットワーク600は端末装置(A)200a、端末装置(B)200b、端末装置(C)200c 、Webカメラ300、被写体属性受信部400、映像処理装置100に接続しており、端末装置(A)200a、端末装置(B)200b、端末装置(C)200cには加工された映像を送信し、Webカメラ300からは被写体映像を取得し、被写体属性受信部400にはWebカメラ300から得られた映像を送信し、また、被写体属性を取得し、映像処理装置100に情報を送信するものである。
【0026】
図2は、図1に示した映像処理装置100のソフトウェア構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0027】
図2に示すように、映像処理装置100は、閲覧者端末200、Webカメラ300、被写体属性受信部400に接続しており、閲覧者情報取得部101、個別映像加工方法決定部102、カメラ映像取得部103、被写体属性取得部104、映像加工実行部105、映像出力部106、閲覧者情報DB121、被写体属性情報DB122等から構成される。
【0028】
閲覧者情報取得部101は、閲覧者端末200、閲覧者情報DB121、個別映像加工方法決定部102に接続しており、ログイン状況と閲覧者情報DB121より閲覧者情報を取得し、個別映像加工方法決定部102に送信するものである。
【0029】
個別映像加工方法決定部102は閲覧者情報取得部101、閲覧者情報DB121、被写体属性情報DB122、映像加工実行部105に接続しており、閲覧者情報取得部101と閲覧者情報DB121と被写体属性情報DB122によりカメラ映像取得部103で得た映像に加工する方法を決定し、その情報を映像加工実行部105に送信するものである。
【0030】
カメラ映像取得部103は、Webカメラ300と映像加工実行部105に接続しており、Webカメラ300から取得した映像を映像加工実行部105に送信するものである。
【0031】
被写体属性取得部104は、被写体属性受信部400と被写体属性情報DB122に接続しており、被写体属性受信部400から得た情報を被写体属性情報122に常に送信し続けるものである。なお、被写体属性取得部104は、被写体属性受信部400から発信された位置情報信号の強度などを元に、該当被写体が画面内に占める位置を計算し、その画面内におけるX座標、Y座標を被写体属性情報DB122に送信するものとする。このような座標の変換は、公知の技術により可能である。
【0032】
映像加工実行部105は、個別映像加工方法決定部102とカメラ映像取得部103と映像出力部106に接続しており、個別映像加工方法決定部102で決定された情報を映像加工方法記憶メモリ105aに保持し、該映像加工方法記憶メモリ105aに保持される加工方法に基づいてカメラ映像取得部103からの映像の加工を実行するものである。なお、映像加工方法記憶メモリ105aの構成は図5に示す。
【0033】
映像出力部106は、映像加工実行部105と閲覧者端末200に接続しており、映像加工実行部105で加工された映像を閲覧者端末200に出力するものである。
【0034】
閲覧者情報DB121は、閲覧者情報取得部101と個別映像加工方法決定部102に接続されており、閲覧者情報取得部101で得られた情報を記憶するものである。なお、閲覧者情報DB121の構成は図3に示す。
【0035】
被写体属性情報DB122は、被写体属性取得部104と個別映像加工方法決定部102に接続されており、被写体属性取得部104より得た情報を元に被写体属性情報を記憶するものである。なお、被写体属性情報DB122の情報は、被写体属性取得部104の送信情報を元に、常に更新し続けるものとする。なお、被写体属性情報DB122の構成は図4に示す。
【0036】
閲覧者端末200は、映像出力部106と閲覧者情報取得部101に接続されており、ログインすることにより閲覧者情報取得部101に情報を送り、映像出力部106より加工された映像を取得して表示するものである。
【0037】
Webカメラ300は、カメラ映像取得部103に接続しており、被写体映像を取得し、カメラ映像取得部103に送信するものである。
【0038】
被写体属性受信部400は、被写体属性取得部104と、被写体属性送信装置401に接続しており、被写体IDと位置情報信号を被写体属性取得部104に常に受信し続けるものである。
【0039】
被写体属性送信装置401は、被写体属性受信部400に接続しており、被写体のIDと位置情報信号を被写体属性取得部104に常に送信し続けるものである。
【0040】
なお、上記101〜106に示す各機能部は、図1に示した映像処理装置100のCPU142がHD145に格納されるプログラムをRAM143上にロードして実行することにより実現される。
【0041】
また、閲覧者情報DB121,被写体属性情報DB122は、図1に示した映像処理装置100のHD145上に構築される。
【0042】
また、映像加工方法記憶メモリ105aは、図1に示した映像処理装置100のRAM143上に確保される。
【0043】
以下、本発明の実施形態の一例として、離島など医師が十分に存在しない遠隔地において、複数の患者が医師の診察を必要としている状況や、また医療技術の発展の目的で複数の医師に治療中の映像を開示しようとしている状況に、本発明を適用した場合について示す。
【0044】
〔実施形態における登場人物の説明〕
この本実施形態では、被写体の例として、複数の患者(患者ID20000、患者ID30000)を用いるものとする。
【0045】
患者は、手首にリストバンド形式の被写体属性送信装置401を保持しており、“位置情報”や“被写体ID”などの被写体属性情報(後述する図4)を、映像処理装置100内の「被写体属性情報DB122」に動的に送信できる。
【0046】
また本実施形態では、閲覧者の例として、患者の家族ID100001と、医師ID000001、医師ID000002を用いるものとする。
【0047】
なお、管理者は、閲覧者の情報を、事前に閲覧者IDとともに閲覧者情報(後述する図3)に登録しておくものとする。また、被写体の情報を、事前に被写体IDとともに「被写体属性情報(後述する図4)」を登録しておくものとする。
【0048】
以下、図3〜図5を参照して、図2に示した閲覧者情報DB121,被写体属性情報DB122,映像加工方法記憶メモリ105aの構成について説明する。
【0049】
図3は、図2に示した閲覧者情報DB121の構成を説明するデータ構成図である。
【0050】
図3に示すように、閲覧者情報DB121には、閲覧者ID、パスワード、閲覧者ランク、独占権、ログインフラグが保存されている。
【0051】
閲覧者ランクとは、閲覧者の映像閲覧の優先順位を示すものであり、個別映像加工方法決定処理(後述する図7のS24)において利用するものであり、閲覧者同士のそれに基づき、映像加工方法を変化させるものである。なお、この閲覧者ランクは、数値の低いほうが高いランクを示すものとする。
【0052】
独占権は、0個以上の被写体IDが保存されており、この被写体IDに対応する被写体を独占的に閲覧可能なことを示すものである。個別映像加工方法決定処理(図7のS24)においては、この独占権に基づき、映像加工方法を変化させる。
【0053】
ログインフラグには、対象の閲覧者が現在ログインしていれば「1」、していなければ「0」という情報が保持されているものである。なお、ログインフラグは閲覧者がログインまたはログアウトするたびに、閲覧者情報取得部101により動的に更新されるものとする。
【0054】
図4は、図2に示した被写体属性情報DB122の構成を説明するデータ構成図である。
【0055】
図4に示すように、被写体属性情報DB122には、被写体ID、X座標、Y座標、処理フラグが保存されている。なお、被写体属性情報DB122の情報は、被写体属性取得部104により、常に更新し続けられているものとする。
【0056】
X座標、Y座標には、対象の被写体が現在画面内に写っている中心の座標が保持されている。この座標は、被写体属性受信部400で受信された被写体の位置情報を元に、公知の技術で計算され求められた値であり、映像中で画像加工を行う領域を決定する際に使用するものである。
【0057】
図5は、図2に示した映像加工方法記憶メモリ105aの構成を説明するデータ構成図である。
【0058】
図5に示すように、映像加工方法記憶メモリ105aには、閲覧者ID、被写体の数分の個別映像加工方法が保存されている。この個別映像加工方法には、被写体IDと加工方法が保存されており、個別映像加工方法決定処理(後述する図7のS23)において決定されるのである。
【0059】
以下、図6〜図8のフローチャートを参照して、映像処理装置100で実行される制御処理動作について説明する。
【0060】
図6は、本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、映像処理装置100で実行される制御処理動作に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2に示した各機能部により実行される。即ち、図1に示した映像処理装置100のCPU142がHD145に格納されるプログラムをRAM143上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S11〜S17は各ステップを示す。
【0061】
まず、映像処理装置100のCPU142は、スタートボタンが押下されると(本制御処理の開始指示がなされると)、本フローチャートの処理を開始する。
【0062】
まず、ステップS11において、CPU142は、終了ボタンが押下されたか(本制御処理の終了指示がなされたか)どうか判定し、終了ボタンが押下されていない(本制御処理の終了指示がなされていない)と判定した場合には、CPU142は、ステップS12に処理を進める。
【0063】
ステップS12では、CPU142は、閲覧者情報DB121(図3)から情報を取得し、ログイン閲覧者に変化があったかどうかを判定する。
【0064】
そして、ステップS12で、ログイン閲覧者に変化があったと判定した場合には、ステップS13において、CPU142は、映像加工方法更新処理を実行し、ステップS14に処理を進める。なお、この映像加工方法更新処理の詳細は後述する図7に示す。
【0065】
一方、ステップS12で、ログイン閲覧者に変化がなかったと判定した場合には、CPU142は、そのままステップS14に処理を進める。
【0066】
ステップS14では、CPU142は、被写体属性情報DB122から被写体属性情報(図4)を取得する。
【0067】
次に、ステップS15において、CPU142は、未表示閲覧者がいるかどうか判定し、未表示閲覧者がいると判定した場合には、ステップS16に処理を進める。
【0068】
ステップS16では、映像加工実行部105が、個別映像加工方法記憶メモリ150aに記憶される個別映像加工方法(「加工なし」,「映像加工1」,「映像加工2」)に基づいて映像加工実行処理を実行し、ステップS17において、映像は映像出力部106が、映像加工実行部105にて加工された映像を対応する閲覧者端末200に出力する。これを受信した閲覧者端末200は、該加工された映像を表示装置に表示制御する。
【0069】
ステップS17の処理が終了すると、CPU142は、ステップS15に処理を戻し、次の未表示閲覧者に対する処理に移行する。
【0070】
そして、ステップS15において、CPU142が、未表示閲覧者がいないと判定した場合には、ステップS11に処理を戻す。
【0071】
そしてステップS11において、CPU142は、終了ボタンが押下された(本制御処理の終了指示がなされた)と判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。
【0072】
以下、図7を参照して、図6のステップS13に示した映像加工方法更新処理について説明する。
【0073】
図7は、本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS13に示した映像加工方法更新処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2に示した各機能部により実行される。即ち、図1に示した映像処理装置100のCPU142がHD145に格納されるプログラムをRAM143上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S20〜S25は各ステップを示す。
【0074】
まず、ステップS20において、CPU142は、映像加工方法記憶メモリ105aをクリア(全閲覧者の個別映像加工方法をクリア)し、ステップS21に処理を進める。
【0075】
ステップS21では、CPU142は、未処理閲覧者がいるか否かを判定する。この判定では、ログインしている閲覧者であって、映像加工方法記憶メモリ105a内の個別映像加工方法が設定されていない者を、未処理閲覧者と判定する。
【0076】
そしてステップS21で、未処理閲覧者がいると判定した場合には、CPU142は、いずれかの未処理閲覧者を対象閲覧者に設定して、ステップS22に処理を進め、被写体属性情報DB122(図4)に格納されている被写体の処理フラグ情報をすべて「0」に設定する。
【0077】
次に、ステップS23において、CPU142は、未処理被写体(処理フラグが「0」の被写体)がいるか否かを判定し、未処理被写体(処理フラグが「0」の被写体)がいると判断した場合には、いずれかの未処理被写体を対象被写体に設定して、ステップS24に処理を進める。
【0078】
ステップS24では、CPU142は、前記対象被写体に対して、個別映像加工方法決定部102による個別映像加工方法決定処理を実行し、ステップS25に処理を進める。なお、この個別映像加工方法決定処理の詳細は後述する図8に示す。
【0079】
次に、ステップS25において、CPU142、被写体属性情報DB122(図4)に格納されている当該対象被写体の処理フラグ情報を「1」に設定し、ステップS23に処理を戻し、次の未処理被写体に対する処理に移行する。
【0080】
そしてステップS23において、CPU142が、未処理被写体(処理フラグが「0」の被写体)がいないと判定した場合には、ステップS21に処理を進め、次の未処理閲覧者に対する処理に移行する。
【0081】
そしてステップS21において、CPU142が、未処理閲覧者がいないと判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。なお、「映像加工1」と「映像加工2」は、いずれも、被写体映像を認識不可能な映像に加工する加工方法であり、同一の映像加工であってもよい。
【0082】
以下、図8〜図12を参照して、図7のステップS24に示した個別映像加工方法決定処理について説明する。なお、この個別映像加工方法決定処理は、ある一人の閲覧者の、ある一つの被写体に対する映像加工方法を決定するためのものである。
【0083】
図8は、本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図7のステップS24に示した個別映像加工方法決定処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2に示した各機能部により実行される。即ち、図1に示した映像処理装置100のCPU142がHD145に格納されるプログラムをRAM143上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S140〜S149は各ステップを示す。
【0084】
また、図9〜図12は、対象閲覧者の閲覧者端末200に表示される対象被写体の映像を説明するための模式図である。
【0085】
まず、図8のステップS140において、個別映像加工方法決定部102は、対象閲覧者以外の閲覧者がいるかどうか判定し、対象閲覧者以外の閲覧者がいないと判定した場合には、ステップS149に処理を進める。
【0086】
ステップS149では、個別映像加工方法決定部102は、対象閲覧者の対象被写体に対する個別映像加工方法を「加工無し」に決定し、個別映像加工方法記憶メモリ105aに記憶させ、本フローチャートの処理を終了する。この場合、対象閲覧者の閲覧者端末200には、後述する図9の901,902に示すような、加工されていない対象被写体の映像が表示されることになる。
【0087】
一方、ステップS140において、個別映像加工方法決定部102が、対象閲覧者以外の閲覧者がいると判断した場合には、ステップS141に処理を進める。
【0088】
ステップS141では、個別映像加工方法決定部102は、閲覧者情報DB121(図4)に格納されている対象閲覧者の閲覧者ランクを取得する。
【0089】
次に、ステップS142において、個別映像加工方法決定部102は、閲覧者情報DB121(図3)に格納されている他の閲覧者の閲覧者ランクを全て取得する。
【0090】
次に、ステップS143において、個別映像加工方法決定部102は、対象閲覧者の閲覧者ランクを超える他の閲覧者がいるか否かを判定し、対象閲覧者の閲覧者ランクを超える他の閲覧者がいると判定した場合には、ステップS147に処理を進める。
【0091】
ステップS147では、個別映像加工方法決定部102は、対象閲覧者の対象被写体に対する個別映像加工方法を「映像加工1」に決定し、個別映像加工方法記憶メモリ105aに記憶させる。そして、本フローチャートの処理を終了する。この場合、対象閲覧者の閲覧者端末200には、後述する図10の1001,1002に示すような、加工された対象被写体の映像が表示されることになる。
【0092】
一方、ステップS143において、個別映像加工方法決定部102が、対象閲覧者の閲覧者ランクを超える他の閲覧者がいないと判定した場合には、ステップS144に処理を進める。
【0093】
ステップS144では、個別映像加工方法決定部102は、閲覧者情報DB121(図3)と被写体属性情報DB122(図4)から対象被写体の独占権を持つ閲覧者を検索して取得する。
【0094】
次に、ステップS145において、個別映像加工方法決定部102は、対象被写体の独占権を持つ閲覧者がログインしているか否かを判定し、ログインしていないと判定した場合には、ステップS149において、対象閲覧者の対象被写体に対する個別映像加工方法を「加工無し」に決定し、個別映像加工方法記憶メモリ105aに記憶させ、本フローチャートの処理を終了する。
【0095】
一方、ステップS145において、個別映像加工方法決定部102が、対象被写体の独占権を持つ閲覧者がログインしていると判定した場合には、ステップS146に処理を進める。
【0096】
ステップS146では、個別映像加工方法決定部102は、閲覧者情報DB121(図3)を参照して対象閲覧者が対象被写体の独占権を持っているか否かを判定し、独占権を持っていると判定した場合には、ステップS149において、対象閲覧者の対象被写体に対する個別映像加工方法を「加工無し」に決定し、個別映像加工方法記憶メモリ105aに記憶させ、本フローチャートの処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS146において、個別映像加工方法決定部102が、対象閲覧者が対象被写体の独占権を持っていないと判定した場合には、ステップS148において、対象閲覧者の対象被写体に対する個別映像加工方法を「映像加工2」に決定し、個別映像加工方法記憶メモリ105aに記憶させ、本フローチャートの処理を終了する。この場合、対象閲覧者の閲覧者端末200には、後述する図11の1002,図12の1201に示すような、加工された対象被写体の映像が表示されることになる。
【0098】
以上の処理によって、閲覧者同士の関係に応じた映像処理を行うことができる。以下、図3に示した閲覧者情報DB121の設定例を用いて具体的に説明する。
【0099】
例えば、被写体に患者ID20000、患者ID30000の2人が設定されているとする。そして、閲覧者は、患者の家族ID100001(閲覧者ランク「2」)のみがログイン状態にあるとすると、この時、患者の家族ID100001の閲覧者端末200に配信される映像は、「加工無し」となり図9のようになる。
【0100】
そして、医師ID000001(閲覧者ランク「1」)がログインしてきた場合には、医師ID000001の閲覧者ランクが「1」であるため、患者の家族ID100001の閲覧者端末200に配信される映像は「映像加工1」が施されて図9の状態から図10の状態に切り替わり、医師ID000001の閲覧者端末200に配信される映像は「加工無し」で図9の状態となる。これにより、医師(閲覧ランクの高い閲覧者)が治療を行っている間だけ、家族等の他の閲覧者(閲覧ランクの低い閲覧者)に対して患者の映像を隠し、患者(被写体)のプライバシーを守るといった要求を満たすことができる。このように、閲覧者同士の関係(閲覧者ランク)に応じて適切な映像処理を選択し、実行することによって、被写体の個人情報保護や柔軟な映像処理を可能にすることができる。
【0101】
また、閲覧者として患者ID20000の専門医師ID000001(閲覧者ランク「1」,独占権「20000」)のみがログイン状態にあるとすると、この時、患者ID20000の専門医師ID000001の閲覧者端末200に配信される映像は、「加工無し」となり図9のようになる。
【0102】
その後、患者ID30000の専門医師ID000002(閲覧者ランク「1」,独占権「30000」)がログインしてきた場合には、患者ID20000の専門医師ID000001に独占権「30000」がないため、患者ID20000の専門医師ID000001の閲覧者端末200に配信される患者ID30000の映像には「映像加工2」が施されて図9の902の状態から図11の1102の状態に切り替わる。なお、患者ID20000の専門医師ID000001は独占権「20000」を有するため、患者ID20000の映像は「加工無し」のままで図11の1101の状態(図9の901の状態のまま)となる。
【0103】
さらに、患者ID30000の専門医師ID000002には独占権「20000」がないため、患者ID30000の専門医師ID000002の閲覧者端末200に配信される患者ID20000の映像には「映像加工2」が施されて図12の1201の状態となる。また、患者ID30000の専門医師ID000002は独占権「30000」を有するので、患者ID30000の専門医師ID000002の閲覧者端末200に配信される患者ID30000の映像は「加工無し」のままで図12の1202の状態となる。
【0104】
これにより、専門医師(独占権を有する)が治療を行っている間だけ、他の医師(独占件がない)に対して、その患者の映像を隠すことができる。このように、閲覧者同士の関係(独占権の有無の関係)に応じて適切な映像処理を選択し、実行することによって、被写体の個人情報保護や柔軟な映像処理を可能にすることができる。
【0105】
なお、本発明を適用した映像処理システムについて図13に示す。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0106】
このシステムは、離島など医師が十分に存在しない遠隔地において、複数の患者が医師の診察を必要としている状況や、また医療技術の発展の目的で複数の医師に治療中の映像を開示しようとしている状況を想定している。
【0107】
このようなシステムを実現することにより、閲覧者同士(患者と医師、医師同士等)の関係に応じて、被写体(患者)画像の映像処理方法を動的に決定することができ、過疎化がすすんでいる地方の医師不足の問題、国際的な医療格差の問題、発展途上国での医療技術発展の問題、及び、患者等の個人情報保護の問題を同時に解決することができる。
【0108】
例えば、遠隔地医療を考えた場合、医師が患者の状態を確認する際には、治療目的の場合もあれば、患者の状態を確認したいだけの場合もあるが、医師が治療を行っている間だけ、プライバシー保護の観点から他の閲覧者に対しては治療中の患者の映像を隠すといった柔軟な映像処理を可能にして、従来の問題点を解決することができる。
【0109】
なお、上記実施形態では、Webカメラ300,被写体属性受信部400をそれぞれ1台とする構成例について示したが、Webカメラ300,被写体属性受信部400をそれぞれ複数台設けて、複数場所に点在する被写体を閲覧可能に構成してもよい。
【0110】
この場合、X座標,Y座標のみでなく、どのWebカメラ300の映像に対応するかを示す情報を、被写体属性受信部400から送信させて、被写体属性取得部104で取得して被写体属性情報DB122に保持させるように構成するものとする。
【0111】
また、Webカメラ300,被写体属性受信部400,被写体属性送信装置401のいずれかの構成又は全ての構成を、被写体が所持する携帯電話等のカメラ付きモバイル機器で実現するように構成してもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、映像加工方法を決定し、該映像加工方法に基づいて、加工した映像を閲覧者に出力する構成について説明した。しかし、映像出力の可否を決定し、該映像出力の可否に基づいて、閲覧者への映像出力の可否を制御するように構成してもよい。
【0113】
この構成の場合、図8のS147の「映像加工1」の決定のステップ,S148の「映像加工2」の決定のステップを、「映像出力の禁止」決定のステップに置き換え、S149の「加工無し」の決定を、「映像出力の許可」決定のステップに置き換えるものとする。そして、図6のS16の「映像加工実行」のステップを、「映像出力の許可/禁止」のステップに置き換えるものとする。
【0114】
なお、図8のS147の「映像加工1」の決定のステップを「映像出力の禁止(メッセージ通知あり)」決定のステップに置き換え、S148の「映像加工2」の決定のステップを「映像出力の禁止(メッセージ無し)」決定のステップに置き換えるように構成してもよい。
【0115】
なお、本発明は、本実施形態のみに限定されるものではなく、閲覧者同士の関係に応じて映像処理を行ういずれの状況にも適用可能である。
【0116】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0117】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0118】
以下、図14に示すメモリマップを参照して本発明に係る映像処理システムに適用可能な映像処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0119】
図14は、本発明に係る映像処理システムに適用可能な映像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0120】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0121】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0122】
本実施形態における図6,図7,図8に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0123】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0124】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0125】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0126】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0127】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0128】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0129】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0130】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0131】
被写体を患者、閲覧者を医師や患者の家族とすることによって、本発明を、遠隔診察等を行うための医療システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態を示す映像処理システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示した映像処理装置100のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2に示した閲覧者情報DB121の構成を説明するデータ構成図である。
【図4】図2に示した被写体属性情報DB122の構成を説明するデータ構成図である。
【図5】図2に示した映像加工方法記憶メモリ105aの構成を説明するデータ構成図である。
【図6】本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】対象閲覧者の閲覧者端末200に表示される対象被写体の映像を説明するための模式図である。
【図10】対象閲覧者の閲覧者端末200に表示される対象被写体の映像を説明するための模式図である。
【図11】対象閲覧者の閲覧者端末200に表示される対象被写体の映像を説明するための模式図である。
【図12】対象閲覧者の閲覧者端末200に表示される対象被写体の映像を説明するための模式図である。
【図13】本発明を適用した映像処理システムの一例を示す図である。
【図14】本発明に係る映像処理システムに適用可能な映像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0133】
100 映像処理装置
101 閲覧者情報取得部
102 個別映像加工方法決定部
103 カメラ映像取得部
104 被写体属性取得部
105 映像加工実行部
105a 映像加工方法記憶メモリ
106 映像出力部
122 被写体属性情報
141 通信インターフェース
142 CPU
143 RAM
144 ROM
146 入力装置
147 出力装置
150a 個別映像加工方法記憶メモリ
200 端末装置
300 Webカメラ
400 被写体属性受信部
401 被写体属性送信装置
600 通信ネットワーク
121 閲覧者情報DB
122 被写体属性情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体映像を取得する映像取得手段と、ログインしている複数の閲覧者の装置に被写体映像をそれぞれ出力する出力制御手段とを有する映像処理システムにおいて、
閲覧者の情報を記憶する記憶手段と、
ログインしている閲覧者が変わる毎に、前記記憶手段に記憶される前記閲覧者の情報に基づいて前記閲覧者同士の関係を判断し、前記閲覧者毎の映像加工方法を決定する決定手段とを有することを特徴とする映像処理システム。
【請求項2】
前記映像取得手段より取得される被写体映像を前記決定手段により決定された前記閲覧者毎の映像加工方法で前記閲覧者毎にそれぞれ加工する映像加工手段を有し、
前記出力制御手段は、前記加工手段に加工された被写体映像を前記閲覧者毎にそれぞれ出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理システム。
【請求項3】
前記閲覧者の情報は、閲覧者ランクを含むものであり、
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者でないと判断された閲覧者の映像加工方法を、認識不可能な映像に加工する加工方法に決定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像処理システム。
【請求項4】
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者と判断された閲覧者の映像加工方法を、加工しないことを示す加工方法に決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の映像処理システム。
【請求項5】
前記映像取得手段により映像取得されている被写体の情報を取得する被写体情報取得手段を設け、
前記閲覧者の情報は、被写体を独占的に閲覧可能なことを示す被写体毎の独占権情報を含むものであり、
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者であっても、前記映像取得手段により映像取得されている被写体に対する独占権を持たず、前記独占権を持つ他の閲覧者がログインしていると判断された閲覧者に対する映像加工方法を、認識不可能な映像に加工する加工方法に決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の映像処理システム。
【請求項6】
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者であって、且つ、前記映像取得手段により映像取得されている被写体に対する独占権を有する閲覧者の映像加工方法を、加工しないことを示す加工方法に決定する、ことを特徴とする請求項5に記載の映像処理システム。
【請求項7】
前記映像取得手段は、同時に複数の被写体映像を取得可能であり、
前記決定手段は、前記ログインしている閲覧者毎に、前記映像取得手段により映像取得されている被写体映像毎の映像加工方法を決定するものであり、
前記映像加工手段は、前記映像取得手段より取得される複数の被写体映像を前記決定手段により前記閲覧者毎に決定された被写体映像毎の映像加工方法で前記閲覧者毎に被写体毎の被写体映像をそれぞれ加工する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の映像処理システム。
【請求項8】
被写体を識別する情報及び被写体の位置情報を発信する発信手段と、
被写体情報取得手段は、前記発信手段から発信される被写体を識別する情報及び被写体の位置情報を取得するものであり、
前記映像加工手段は、前記映像取得手段より取得された位置情報を元に、映像中で画像加工を行う領域を決定することを特徴とする請求項7に記載の映像処理システム。
【請求項9】
被写体映像を取得する映像取得手段と、ログインしている複数の閲覧者の装置に被写体映像をそれぞれ出力する出力制御手段とを有する映像処理システムにおいて、
閲覧者の情報を記憶する記憶手段と、
ログインしている閲覧者が変わる毎に、前記記憶手段に記憶される前記閲覧者の情報に基づいて前記閲覧者同士の関係を判断し、前記閲覧者毎に被写体映像の出力の可否を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする映像処理システム。
【請求項10】
前記閲覧者の情報は、閲覧者ランクを含むものであり、
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者でないと判断された閲覧者には被写体映像の出力を禁止決定する、ことを特徴とする請求項9に記載の映像処理装置。
【請求項11】
前記映像取得手段により映像取得されている被写体の情報を取得する被写体情報取得手段を設け、
前記閲覧者の情報は、被写体を独占的に閲覧可能なことを示す被写体毎の独占権情報を含むものであり、
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者であっても、前記映像取得手段により映像取得されている被写体に対する独占権を持たず、前記独占権を持つ他の閲覧者がログインしていると判断された閲覧者には被写体映像を出力を禁止決定する、ことを特徴とする請求項8に記載の映像処理システム。
【請求項12】
前記決定手段は、ログインしている最も閲覧ランクの高い閲覧者であって、且つ、前記映像取得手段により映像取得されている被写体に対する独占権を有する閲覧者には被写体映像の出力を許可決定する、ことを特徴とする請求項11に記載の映像処理システム。
【請求項13】
前記映像取得手段は、同時に複数の被写体映像を取得可能であり、
前記決定手段は、前記ログインしている閲覧者毎に、前記映像取得手段により映像取得されている被写体映像毎の映像出力の可否を決定する、ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の映像処理システム。
【請求項14】
被写体映像を取得する映像取得ステップと、
ログインしている閲覧者が変わる毎に、予め記憶手段に記憶される前記閲覧者の情報に基づいて閲覧者同士の関係を判断し、前記閲覧者毎の映像加工方法を決定する決定ステップと、
前記映像取得ステップで取得される被写体映像を前記決定ステップで決定された前記閲覧者毎の映像加工方法で前記閲覧者毎にそれぞれ加工する映像加工ステップと、
前記加工ステップで加工された被写体映像をログインしている前記閲覧者毎にそれぞれ出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする映像処理方法。
【請求項15】
被写体映像を取得する映像取得ステップと、
ログインしている複数の閲覧者の装置に被写体映像をそれぞれ出力する出力ステップと、
ログインしている閲覧者が変わる毎に、予め記憶手段に記憶される前記閲覧者の情報に基づいて前記閲覧者同士の関係を判断し、前記閲覧者毎に被写体映像の出力の可否を決定する決定ステップと、
を有することを特徴とする映像処理方法。
【請求項16】
請求項1乃至13に記載された映像処理システムとしてコンピュータを機能させるための、又は、請求項14又は15に記載された映像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項1乃至13に記載された映像処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項14又は15に記載された映像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−160572(P2008−160572A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348256(P2006−348256)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】