説明

映像投影システム

【課題】任意の高度と方位角に制御可能なカメラの画面中心と、ビデオプロジェクタから投影されるカーソルを一致させ、ビデオプロジェクタと恒星の位置関係を測定し、この値を参照して補間演算などを行うことによりプロジェクタの位置,姿勢角を算出して恒星投影機に対し正確に連動し、正確な映像を投影する映像投影システムを提供する。
【解決手段】ドーム上の所定の高度,方位がビデオカメラの画面中心となるよう、ビデオカメラの姿勢を制御する。ビデオプロジェクタから投影されるカーソルをビデオカメラの画面中心に一致させ、この点像の方位角,高度とカーソルのプロジェクタ座標を複数個所について測定を行う。測定値をもとに所望の地平座標と投影画面の座標変換を行い、これからプロジェクタが設置されている設置位置や姿勢角を算出し、この値をもとに座標変換して、所望の地平座標に所望の画像や図形を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、星座などの映像の他、ドームスクリーン上で任意に移動可能な目印となる像を投影可能なビデオプロジェクタと、画面上の所定の位置がドームスクリーンの所定のドームスクリーン上の座標になるように設定可能な撮像手段を有し、ビデオプロジェクタで投影される映像を、本来投影すべき位置に投影する手段を有する映像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラネタリウムでは、ドームスクリーンの中心に恒星を投影する光学式の恒星投影機を設置して、恒星を投影することが行われていた。光学式の恒星投影機は、複数の投影レンズと精密に加工された透過孔パターンを有する恒星原板を使用して、極めてシャープな恒星の像を投影でき、極めてリアルで美しい星空を再現することができた。
また、従来のプラネタリウムでは、恒星以外の様々な天体やさまざま映像を投影するためビデオプロジェクタを用いることが行われてきた。
【0003】
たとえば恒星投影機で投影した星空に、ビデオプロジェクタを使って星座の絵を重ねたり、星座の線を重ねるなどの演出が行われてきた。星座絵などの投影装置をビデオコンピュータにより生成した映像を直接投影できるため、映像の内容の変更が容易であり、必要に応じてリアルタイムで映像を動かしたり変形させることもできるため、従来の補助投影機では困難であった、星座をアニメーションで動かしながら恒星と連動させるなど、複雑で高度な演出効果を得ることもできるようになった。
【0004】
しかしながら従来の技術には、以下の問題があった。
恒星投影機による星空と、ビデオプロジェクタによる映像を連動させるには、恒星投影機ビデオプロジェクタによる映像と恒星投影機から投影された恒星像の位置関係を正確に維持しなければならないが、これに新たな課題が生じる。すなわちビデオプロジェクタと恒星投影機が別々に設置され、投影用レンズも全く異なるため、両者から投影される映像の位置関係が複雑で、両者を正確に連動させるためには、恒星投影機から投影される恒星像の位置をドームスクリーン上の座標たとえば地平座標に変換した後、何らかの方法で、地平座標とプロジェクタの画面上の座標の対応関係をコンピュータで計算し、この結果に基づいて図形を表示したり、画像を必要な形に歪ませて出力した映像を投影することが必要である。
【0005】
この地平座標と画面上の座標の関係を作る関数を作成するには、画像中の多数の点で画面上の座標と地平座標の対応関係のデータを何らかの方法で取得するか、投影に関わる様々な幾何学的なパラメータすなわち、プロジェクタの設置位置や姿勢角、プロジェクタのレンズの収差特性まで考慮して計算しなければならない。
最近ではコンピュータを用いてこれらの計算は極めて短時間に、正確に行わせる。しかしながらプロジェクタの設置位置や姿勢角を設計値に正確に合わせることは非常に困難であり、またこれらについて実際に設置した値を測定するのもまた非常に手間を要する。またドームスクリーンの施工にも僅かながら誤差がありえるため、これらの誤差が映像の投影位置に影響し、上記の計算値だけで正確に投影することは困難である。
【0006】
特許文献1および2はビデオプロジェクタと恒星投影機によってドームにビデオ映像および星などの像を投影する従来のプラネタリウム装置の一例を開示するものである。
特許文献1は、望遠鏡コンソールから座標入力された天体を天体望遠鏡の視野に導入し、該視野をビデオカメラで撮影してビデオ投映機によりドームスクリーンに投映するもので、ビデオ投映機による投映位置と恒星投映機による投映位置とを一致させるものである。また、特許文献2は、映像を投影するビデオプロジェクタと、星などを投影する投影機でプラネタリウムドームに投影するシステムであり、ビデオプロジェクタに固定されているカメラの像を見て、タッチパネルで軌跡をなぞることにより、その軌跡をドーム上に投影するようにしたものである。しかしながら上記特許文献1および2はビデオ投映機による投映像の、恒星投映機による像に対する歪みなどを補正する手段の開示はなく、また、ビデオプロジェクタと投影機の投影像の位置合わせについての具体的な構成も存在しない。
【特許文献1】特開平5−88610号公報
【特許文献2】特開平7−181889号公報
【特許文献3】特開2006−337682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記背景から従来は、レーザー投光機などで例えば方位角や高度といった基準マークを投影するか、もしくはドームスクリーン上にLEDなどで設置し、プロジェクタからは高度と方位に相当する目盛りを投影し、基準マークと目盛りのずれを人間の目で確認し、補正してゆくという工程が必要であった。しかしこれには手間とコストを要し、なおかつ熟練した作業員を必要とするため、ビデオプロジェクタの設置コストの上昇、しいてはシステム全体の運用コストの上昇を招いていた。また、プロジェクタの設置位置が何らかの原因でずれた場合、またはプロジェクタの破損で代替機に交換するなどした場合は、設置作業上の限界や、プロジェクタの固体差などのため、前の状態を完全に復元することが困難であり、前記の調整作業を再度やり直さなければならず、映像施設の安定運用に支障をきたすことがあった。さらにビデオプロジェクタは、プラネタリウム機器に比べて製品の更新周期が短く、プラネタリウム施設を運用している間に、使用しているプロジェクタが生産中止となった場合、新しい型番に替える必要があり、この場合もまた、前記のような調整作業を再びやり直す必要があった。
【0008】
そこで本件出願人は、ドームスクリーン上の座標が既知となるように基準となるマークを表示し、このマークとプロジェクタから任意に移動可能な像をスクリーン上の複数の位置で位置あわせして、プロジェクタの画面上の座標と、スクリーン上の座標変換を行う技術(特許文献3)を提案して、上記従来例の欠点を大きく改善した。
しかしながら、この提案はスクリーン上に基準マークとするための発光体を設置するか、または基準マークとするためレーザ投光器を使用した場合、装置が複雑化するとするという問題があった。加えてレーザ投光器を用いる場合にはレーザ投光器がドームスクリーン上のあらゆる方向に向くため、位置あわせ作業中は、レーザが作業者の目に入って傷害を起こすことを防ぐために作業者を施設内から退避させるか、または所定の安全確保手段を講じる必要があった。
【0009】
この発明は、前記のような問題を解決するためになされたものである。
本発明の目的は、ドーム状などのスクリーンの中心もしくは中心付近に設置されたカメラの向きを、スクリーン上の座標が既知であるように向け、このカメラ撮像画面上の所定の座標にビデオプロジェクタから表示する目印となる像(カーソル)を一致させるように投影し、このときのカーソルのプロジェクター画面上の座標と、カメラの向けられたスクリーン上座標を使用し、スクリーン上座標と投影画面上座標の座標変換パラメータを算出したり、補間演算したりすることにより、設置調整や画像のずれの補正作業の手間を低減し、恒星投影機から投影される恒星像との位置関係を正確に維持できるよう、所望する位置と形状の画像,映像、図形などを正確に投影するとともに特別の基準マーク手段を必要としない、低コストで運用しやすい映像投影システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、コンピュータやビデオ装置などの映像生成手段から出力される映像を曲面を有するドーム状スクリーンに投影するものであって、スクリーン上で任意に移動可能な目印となる像を投影可能なプロジェクタと、前記ドームスクリーン上の、所定のスクリーン上の座標に向けて方向制御できる方向制御手段を備えたカメラと、前記目印のカメラ画面内の位置を所定の座標に位置あわせする位置あわせ手段と、前記位置合わせ手段で一致した目印となる像の投影画面上座標とカメラの向いたスクリーン上座標を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶したカメラの向いた複数のスクリーン上座標と目印となる像の投影画面上の座標を用いてスクリーン上座標と投影画面上座標の間の座標変換パラメータを求める座標変換パラメータ算出手段と、前記座標変換パラメータを用いてスクリーン上座標から投影画面上の座標または投影画面上座標からスクリーン上座標への座標変換を行う座標変換手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載の発明において、前記座標変換パラメータは、プロジェクタが設置されている位置、姿勢角、投影レンズの焦点距離またはそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする。
本発明の請求項3は、コンピュータやビデオ装置などの映像生成手段から出力される映像を曲面を有するドーム状スクリーンに投影するものであって、スクリーン上で任意に移動可能な目印となる像を投影可能なプロジェクタと、前記ドームスクリーン上の、所定のスクリーン上の座標に向けて向きを向けられるようにしたカメラと、前記カメラの画面内における目印の位置を所定の座標に位置あわせする位置あわせ手段と、前記位置合わせ手段で一致した目印となる像の投影画面上座標とカメラの向いたドームスクリーン上座標を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶したカメラの向いた複数のスクリーン上座標と目印となる像の投影画面上の座標を用いて、スクリーン上の任意の位置のスクリーン上座標と投影画面座標の座標変換を行う補間演算手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項1,2または3記載の発明において、前記位置あわせ手段は、前記カメラの撮影画像より目印となる像の位置を抽出し、目印となる像位置とカメラ画面上の所定の位置を一致させるように前記プロジェクタから出力される目印となる像位置を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項1,2または3記載の発明において、前記位置合わせ手段は、前記カメラの撮影画像より目印となる像の位置を抽出し、目印となる像位置とカメラ画面上の所定の位置を一致させるように前記カメラの指向する方向を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明の請求項6は、請求項1,2または3記載の発明において、前記位置合わせ手段は、前記目印となる像を投影画面中で手動で移動できる操作装置を有し、前記操作装置により目印となる像をカメラ画面上の所定の位置に合わせることを特徴とする。
本発明の請求項7は、請求項1,2または3記載の発明において、前記位置合わせ手段は、カメラの指向する方向を手動で移動できる操作装置を有し、前記操作装置により目印となる像にカメラ画面上の所定の位置を合わせることを特徴とする。
本発明の請求項8は、請求項1,2,3,4,5,6,または7記載の発明において、前記カメラは、恒星投影機に搭載され、カメラの方向を変える手段は、恒星投影機が有する回転軸の角位置制御手段を用いることを特徴とする。
本発明の請求項9は、請求項1,2,3,4,5,6,7,または8記載の発明において、前記カメラが指向するドームスクリーン上座標は、高度と方位角で表される地平座標であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成によれば、ドームスクリーンに対し投影される恒星などの星の投影像に対し容易にしかも正確かつ効率的にビデオプロジェクタの投影映像のずれを補正することができ、プラネタリウムドームなどにおいて映像施設設置の作業の簡易化、コスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
まず、プラネタリウムドーム施設においてビデオプロジェクタを設置する場合の、投影画面上の座標と、半球状のドームスクリーン上の座標の関係について説明する。
ビデオプロジェクタは、映像生成装置から出力される映像(投影画面)を、ほぼそのままの形で投影する。スクリーンが平面であり、ビデオプロジェクタの光軸と直交していれば、スクリーン面には、投影画面がほぼそのままの形で投影される。
しかし、ドームスクリーンの場合、スクリーン面が曲面であるため、投影される映像には複雑な歪みが生じる。そのために、投影画面上の座標と、ドームスクリーン上の座標を区別して考える必要が生じる。
【0013】
図1A〜図1Fは、上記のドームスクリーン上の座標と投影画面上の座標の関係を説明するための図である。ここでは、ドームスクリーン上の座標は、ドームの中心を基準とした、高度と方位角で表される地平座標としている。
図1Aはドームスクリーン上の地平座標を示す図である。
図1Bは、このビデオプロジェクタで投影する投影画面を示したものである。投影画面上の座標はX,Yで表わす2次元の直交座標で表わされる。幅はW、高さはHである。
図1Cは、図1Bに示す投影画面を、ドームスクリーン内に設置したビデオプロジェクタで投影した様子を示す斜視図である。ビデオプロジェクタ3は、ドームスクリーン1に、映像6を投影する。映像6上の座標線6aは、図1Bの破線で示す投影画面上の座標線である。
図1Dは、ドーム上に地平座標線を正しく投影するための投影画面例である。球面に投影するため、複雑な歪みを生じ、画面上で地平座標線は複雑なカーブを描いていることがわかる。
【0014】
たとえば、プロジェクタの向きを上に2度ずらした場合には図1Eに示す映像例となる。正しい設定の映像例の天頂付近に注目すると、天頂付近の映像がすこし下にずれていることが分かる。さらにレンズの焦点距離が短くなっている場合には図1Fに示す映像例となる。正しい設定の映像例と比較すると、映像の湾曲する度合いが異なっていることが分かる。すなわち、本来の映像の形状から変形した形状となっている。
本発明では、上記映像歪みが最も少なくなるように、ビデオプロジェクタの位置および姿勢を求めてドームスクリーン上の座標から画面上の座標に変換をして、映像や図形を正しい位置に投影しようとするものである。
【0015】
まず、本発明の実施の形態を説明する前に、基本となるプロジェクタの座標変換についてその具体的な計算内容を説明する。
ここでは、ドームスクリーン上の高度,方位の既知の点が、プロジェクタの投影画面上のどの座標に相当するかを算出する。
ドーム中心を原点とし南方をX軸、西方をY軸、天頂をZ軸とする直交座標系をワールド座標、プロジェクタ位置(レンズ絞位置)を原点とし座標軸の方向をワールド座標と同じとする直交座標系をローカル座標、プロジェクタ位置を原点としプロジェクタの底面を基準として前方をX、側方をY、上方をZとする直交座標系をプロジェクション座標とする。
【0016】
プロジェクタの投影レンズ焦点距離をf、ドーム半径をRとする。
ビデオカメラは、画面中心に光軸上の物体が撮像されるようになっている。
恒星投影機のサーボ制御により、ビデオカメラの指向する方向を、ビデオカメラの画面中心が、地平座標(AZM,ALT) (方位=AZM ,高度=ALT )になるように向ける。
それと重なるようにカーソルを表示する。このときのカーソルのプロジェクタ画面上の座標を(CX,CY)とする。
今、プロジェクタの設定値(位置および姿勢角)の現実の値は未知であるが、この値をワールド座標で、たとえば設計値として(PX, PY, PZ)とし、姿勢角を(p,y,r)と仮定する。投影されているカーソル像のワールド座標は、
WX= R ・cosAZM・cosALT
WY= R ・sinAZM・cosALT
WZ= R ・sinALT
となる。これをローカル座標に変換すると、
LX=WX-PX
LY=WY-PY
LZ=WZ-PZ
となる。
【0017】
これをプロジェクション座標に変換するには

プロジェクタのパネル(画面)上の推定座標は
CPX =PYR/PXR
CPY =PZR/PXR
となる。
この計算例では、地平座標から投影画面上座標への変換例を示したが、もちろん逆の計算で、投影画面上座標から地平座標への変換も可能である。
【0018】
図2は、本発明による映像投影システムを設置したドームシアタの側面図、図3Aは本発明による映像投影システムに用いる恒星投影機の実施の形態を説明するための図である。恒星をドームスクリーン1に投影する投影部を多数有する恒星投影機2は、日周軸2a,緯度軸2b,方位軸2cの3つの回転軸を備えており、それぞれの軸をコンピュータ7の指令により任意の角位置に設定することができる。恒星投影機2を支持する支持枠11および支持枠11を受ける台座12は図示しない駆動源により、ぞれぞれ日周軸2a,経度軸2bおよび方位軸2cを調整可能であり、上記コンピュータ7の指令によって駆動される。
恒星投影機2の緯度軸ベースにビデオカメラ57が、カメラの光軸が恒星投影機の中心すなわち日周軸と緯度軸の交点を通り、なおかつ日周軸と緯度軸いずれとも直交する姿勢で設置されている。
恒星投影機の中心から、緯度軸,日周軸いずれとも直交する直線と、ドームスクリーンとの交点を、恒星投影機の高度方位点と呼ぶ。
【0019】
このビデオカメラ57の光軸がドームスクリーン1と交差する点、すなわちカメラ画面の中心に映る点の位置は、恒星投影機2の日周軸2aと方位軸2cの角度により、ドームスクリーン1上の任意の位置に設定することができる。恒星投影機2の中心がドームスクリーン1の球芯に一致しており、ビデオカメラ57の光軸が正確に恒星投影機2の日周軸2a,緯度軸2b,方位軸2cと交わり、なおかつ緯度軸2bと日周軸2aがなす平面と正確に直交しているならば、カメラ画面の中心に映るドームスクリーン上の方位角と高度は、それぞれ方位軸2cの示す方位角と、緯度軸2bの示す緯度角と等しくなる。
これにより、恒星投影機2は、緯度軸2bと方位軸2cの角位置を制御することにより、ドームスクリーン1上の任意の高度と方位角の位置にビデオカメラ画面の中心位置を設置する機能を有することになる。
図5に上記ビデオカメラの画面中心となる点すなわち恒星投影機の高度方位点の一例が示されている。
【0020】
ビデオプロジェクタ3は、コンピュータ7から生成される画面を投影する構成となっており、画面の内容が、映像aとなってドームスクリーン1に投影される。このビデオプロジェクタの姿勢角は図4に示すようにピッチ(p),ヨー(y),ロール(r)の各軸の角度で表され、ビデオプロジェクタの位置の座標は図6に示すようにX,Y,Z軸上の点(Px,Py,Pz)で表される。
コンピュータ7は、オペレータによるマウス等の操作で任意の位置に移動できるカーソルを表示制御し、該カーソル像4がドームスクリーン1に投影されるようになっている。
【0021】
恒星投影機2の方位軸2cと緯度軸2bをある所定の値に設定したとき、ビデオカメラ画面の中心に映る位置は、当然所定の値である方位,高度(AZM,ALTと表現する)となるが、この位置が映像aの範囲内にあるとき、オペレータは、マウスの操作などによりカーソルを動かして、ビデオプロジェクタ3で投影されるカーソル像を、ビデオカメラで撮像された画面の中心位置に一致させる。このときのカーソルの座標はコンピュータ7上のデータで記録されており、座標をX,Yとする。
【0022】
オペレータは予め分かっているビデオカメラ画面の中心に設定されている高度,方位を手動で入力するか、あるいは恒星投影機2から然るべき通信手段や制御手段を用いて直接高度と方位を取得し、またその時のマウスカーソルの値を取得することにより、投影画面(プロジェクタが投影する画面)上の例えばX1,Y1座標値と、実際のドーム上の方位角と高度の値の関係を、(X1,Y1)&(AZM1,ALT1)という形で取得する。コンピュータ7はこの値を記憶することができるようになっている。以降、この(X1,Y1)と(AZM1,ALT1)の対を、地平&画面座標対と呼ぶ。
この作業を、恒星投影機の方位角と緯度角を変えて何度も行うことにより、(Xn,Yn)&(AZMn,ALTn)という関係の地平&画面座標対の集合を作る(なお、n=1,2・・・)。
【0023】
この関係を画面の広い範囲で作ることにより、コンピュータ画面上と実際の高度および方位角の関係を図示することができ、またこの値を補完することにより、任意の高度と方位角に対する、画面上の座標の近似式を求める補完式を作ることができる。
そこで、例えば(Azmp,Altp)の方位角,高度に天体を投影したい場合は、この補完式に基づいて上記高度と方位をXY座標の(Xp,Yp)に変換し、このXY座標位置に天体を投影すれば、所望する方位角と高度の位置に天体の映像を投影することができることになる。この投影位置の精度は、画面上の関係データの数が多く、その間隔が密なほど正確になる。
データのサンプル作業は手間を要するので、最小限のデータのサンプル数で、より良い補正結果を得るためには、単純に座標値の補完を行うのではなく、プロジェクタの位置,姿勢角,光学特性により画面上からドームスクリーン上の方位角,高度に座標変換する方法が理論値に近く、好ましい。
そこで、サンプル値を用いて実際のプロジェクタの位置や姿勢角、プロジェクタの光学特性などを推定し、この値を元に座標変換することになる。これは、非常に良好な座標変換となる。
【0024】
図3Aの例はビデオカメラの方向制御手段としてビデオカメラ57を恒星投影機2に内蔵させている例を示しているが、図3Bに示すようにビデオカメラ57を恒星投影機2とは独立してドーム内に設置し、恒星投影機2とは独立して設置された方向制御手段により、ビデオカメラ57の画面中心位置を、ドームスクリーン上の所定の高度と方位角に設定するカメラユニットにすることも可能である。方向制御手段は、地上に固定されたベース76の上に、方位軸72を中心に回転可能に据え付けられている方位ターンテーブル75と、方位ターンテーブル75の回転角度制御可能な方位軸モータ73を備えており、これら構成により所定の方位角にビデオカメラ57は駆動制御される。また、方位ターンテーブル75上に植設された支柱77と、支柱77の先端に回転可能に取り付けられた高度軸70の回転装置78と、回転装置78を回転駆動する高度軸モータ74とを備え、回転装置78に取り付けられたビデオカメラ57が高度軸モータ74によって所定の高度に駆動制御される。これにより、ビデオカメラの光軸71は、所定の方位角と高度に設定可能となる。
【0025】
上記カメラユニットが、ドームスクリーンの中心に設置されれば、カメラユニットの高度と方位角が、そのままカメラの画面中心となるので簡便だが、恒星投影機がドーム中心にある場合、恒星投影機を一時的に移動する必要がある。そのため恒星投影機にエレベーター昇降機構を設けて中心より下げても良いし、水平スライド機構を設けて水平にずらしてもよい。また、恒星投影機は設置したままで、カメラユニットをドーム中心からずれた位置に設置しても、補正制御によってビデオカメラの画面中心をドームスクリーン上の所望の高度と方位角に設定することも可能である。
【0026】
図3Cはカメラユニットをドーム中心からずれた位置に設置する場合の補正制御の方法の1例を説明するための図である。
ドームスクリーン42の半径をRとし、カメラユニット81がドームスクリーン42の中心から直交座標でPX,PY,PZ離れた位置に設置されているとする。
ドームスクリーン42上の方位AZM ,高度ALT の点をカメラ画面中心点に設定するには、次のようにすればよい。
まず、ドームスクリーン42上のカメラ画面中心とすべき点80の直交座標(XP1,YP1,ZP1)を求める。
XP1 = cos(AZM) * cos(ALT) * R
YP1 = sin(AZM) * cos(ALT) * R
ZP1 = sin(ALT) * R
【0027】
続いて、式(1)〜(3)を用いてカメラユニット81を基準とした座標(XP2,YP2,ZP3) に変換する。
XP2 = XP1 - px ・・・(1)
YP2 = YP1 - py ・・・(2)
ZP2 = ZP1 - pz ・・・(3)
さらに式(4)(5)を用いて極座標(AZM1,ALT1) に変換する。
AZM1 = atan(YP2 / XP2) ・・・(4)
ALT1 = atan(ZP2 / sqr(XP2 * XP2 + YP2 * YP2) ・・・(5)
なお、式の中で示す「sqr 」は平方根を表す。
カメラユニット81の方位軸と高度軸をそれぞれAZM1,ALT1 の角度に設定すれば、カメラ画面中心点を、ドーム中心位置から見た方位角AZM , 高度ALT の位置に設定することができる。
【0028】
図7は、本発明による映像投影システムのカーソルとビデオカメラの画面中心位置の位置合わせ装置の実施の形態を示すブロック図で、手動でカーソル位置合わせを行うコンピュータの一部の構成を示すものである。
地平座標設定装置35は、ビデオカメラの画面中心位置を所定の方位角,高度(azm,alt)を設定するもので、例えば、複数の方位角,高度を予め設定してあり、このデータはカーソルを合わせる毎にサーボ制御装置36に出力されるとともに地平座標一画面座標対応データ記憶装置39に記憶される。このデータがサーボ制御装置36から出力されるタイミング制御は、手動で行っても、また、直前に出力された方位角,高度のビデオカメラ画面中心位置にカーソル像56が位置合わせされたことを検出して自動的に行っても良い。サーボ制御装置36はモータなどの駆動手段の回転駆動力をビデオカメラ内蔵の恒星投影機37の方位軸と緯度軸に伝達する伝達機構(減速ギヤ群,駆動軸変換ギヤ,ベルトなど)を備えており、地平座標設定装置35から与えられる方位角,高度になるように恒星投影機37の方位軸と緯度軸を駆動調整できる。ドームスクリーン42のビデオカメラ画面中心位置61は恒星投影機37の設定された方位角,高度に投影される。
【0029】
ビデオカメラ57は、映像を所定の画素数、たとえば横の画素数はCW、縦の画素数がCHで撮像する。ビデオカメラ57の画面中心は、ビデオカメラ57の画面上の座標で(CW/2,CH/2)となる。恒星投影機37に内蔵されたビデオカメラ57の出力は、ビデオ画面表示モニタ82に接続され、ビデオカメラ57で撮影された画面を表示することができる。カーソル座標設定装置31は、カーソルの座標を設定するための装置である。操作者がマウスなどのカーソル位置操作装置30を操作することにより画面上の所定位置にカーソルを移動させることができる。カーソル座標設定装置31は、移動させられたカーソル位置を認識し、液晶表示部などのカーソル表示装置32にカーソルの座標位置を表示する。ドームスクリーン42にはビデオプロジェクタ33によってカーソルが投影され、その位置はカーソル表示装置32に表示された座標位置となる。
操作者は、ビデオ画面モニタ82を見ながら、ビデオ画面にカーソルが映るようにカーソルの位置を操作し、さらにビデオ画面の中心にカーソルが一致するように操作する。この際、ビデオ画面の中心が分かるように、ビデオ画面上に中心位置をオーバーレイして表示できる手段を設けるか、または、簡易には、ビデオ画面表示モニタ82上に、透明フィルムなどを貼って、(CW/2,CH/2) に相当する画面中心位置をマジックインキなどで書き込んでもよい。
【0030】
カーソル座標は位置合わせされたビデオカメラ57の画面中心の地平座標(azmn,altn)に対応付けられて地平座標−画面座標対応データ記憶装置39に記憶される。これにより順番に方位角,高度が変えられるビデオカメラの画面中心位置に対し、オペレータは目視でカーソルをビデオカメラ57の画面中心に合わせてその位置を記憶させていくことができる。
なお、カーソルの移動はマウスではなくキーボードなどの方向キーの操作またはパッドなどの十字キーなどによって位置合わせを行うことも可能である。
また、恒星投影機37すなわちビデオカメラ57を固定してカーソルをビデオカメラ57の画面中心に一致させるように位置あわせするのみならず、逆にカーソルを所定の座標に固定して表示した上で、恒星投影機37の日周軸と緯度軸の回転角位置制御によって、ドームスクリーン42上のビデオカメラ37の画面中心となる位置を移動させて、カーソルにビデオカメラ57の画面中心を合わせる方法をとってもよい。
【0031】
このようにして地平座標−画面座標対応データ記憶装置39に記憶したデータを用いてパラメータ算出装置40により最小映像歪みを実現するプロジェクタパラメータ(座標,姿勢角,レンズ焦点距離)を求めることができる。なお、上記のように求めるプロジェクタパラメータを真のプロジェクタパラメータと表現することとする。
【0032】
図8は、本発明による映像投影システムのカーソルとビデオカメラ画面中心の位置あわせ装置の他の実施の形態を示すブロック図で、ビデオカメラで撮像された画面を電子的に処理してカーソル像をビデオカメラ画面中心に自動的に位置合わせする例を示している。
カーソル表示装置32,ビデオプロジェクタ33,地平座標設定装置35,サーボ制御装置36,恒星投影機37およびパラメータ算出装置40は、図7で同じ符号を付した装置と同一である。
カーソル座標設定装置53は、カーソルの座標を設定するための装置であり、差動演算器52から入力される誤差データに基づき、ビデオプロジェクタ33に出力するカーソル座標に対しビデオカメラの画面中心位置61とカーソル像56の位置の誤差がないようなカーソル座標を出力するように制御する。カーソル座標設定装置53から出力されるカーソル座標はカーソル表示装置32に表示される。ドームスクリーン63にはビデオプロジェクタ33によってカーソルが投影され、その位置はカーソル表示装置32に表示された座標位置となる。
【0033】
ビデオカメラ57ではドームスクリーン63に投影されたカーソル像56を撮影し、そのアナログ画像はビデオキャプチャ部50で所定のイメージデータ形式(画像データ)に変換される。画像処理装置51は入力される画像データを分析し、特徴形状に基づきカーソル像56を認識することにより、そのアドレスデータを得て、このアドレスデータによりカーソルのXY座標を算出する。
【0034】
この際、カーソル像を認識するアルゴリズムにはさまざまな方法が考えられるが、たとえば、カーソルをON/OFFできる構成とし、カーソルをONした状態で撮影して画像を記憶し(画像A)、続いてカーソルをOFFした状態で撮影した画像(画像B)を用意し、両画像同士で各画素の輝度の差を取った画像(画像C)を作成すれば、画像Cでは、余計なほかの被写体は相殺されて消え、カーソル像の部分のみ浮かび上がるので、容易にカーソル像を認識することができる。このようにして認識して得たカーソルのXY座標データと、ビデオカメラの画面中心の座標(CW/2,CH/2) のデータはともに差動演算器52の−,+の入力端子に入力され、差動演算器52から誤差データが出力され、カーソル座標設定装置53に入力する。
【0035】
誤差がなく、差動演算器52の出力は0値であれば、カーソル座標設定装置53はカーソルがビデオカメラ画面中心と一致したとして、そのカーソル座標を地平座標−画面座標対応データ記憶装置62に記憶する。地平座標−画面座標対応データ記憶装置62では位置合わせが行われたビデオカメラ画面中心の地平座標(azmn,altn)に対応付けられてカーソル座標が記憶される。
誤差がある場合には、その誤差分を修正したカーソル座標がカーソル座標設定装置53から出力され、上記と同様な画像を取り込み、演算が行われてカーソル像をビデオカメラ画面中心に一致するよう位置合わせ制御が行われる。
【0036】
図14は図8の映像投影システムの実施の形態を示す概略図である。
ビデオカメラ57は恒星投影機37に並設されており、ビデオプロジェクタ33によってドームスクリーンに投影されたカーソル像を撮影し、その出力は図示しないコンピュータに接続され、カーソル像がビデオカメラの画面中心に一致するようにカーソル像の座標位置が自動的に調整される。
【0037】
図15は、ビデオプロジェクタの設置構造の実施の形態を示す斜視図である。
台座58は垂直方向を軸に回転可能に構成されており、この垂直方向の軸がヨー(y)軸であり、ヨー角を調整可能である。台座58の上面に支柱59が植設され、支柱59の先端に水平方向を軸に回転可能に支持杆60が取り付けられている。この水平方向の軸がピッチ(p)軸であり、ピッチ角を調整可能である。支持杆60の上端には支持枠63が取り付けられ、ビデオプロジェクタ33の光軸方向に平行な軸を中心にビデオプロジェクタ33が回転可能となっている。この光軸方向に平行な軸がロール(r)軸であり、ロール角を調整可能である。
これらヨー角,ピッチ角およびロール角を調整することによりビデオプロジェクタの姿勢角を調整することができる。パラメータ算出装置で求めた真のプロジェクタの座標と姿勢角に設定すれば、個別のプラネタリウムドームスクリーンに対し最も映像の歪みの少ないプロジェクタによる映像を投影することができる。
【0038】
続いて、カーソルを用いて座標変換パラメータを算出し、座標変換する実施の形態を説明する。
ドームの曲率半径やビデオプロジェクタの投影レンズの焦点距離があらかじめ正確に判明している前提で、ビデオプロジェクタを例えば設計上の位置および姿勢に近い位置および姿勢で取り付け、ドームスクリーンに画面を投影する。このプロジェクタの位置と姿勢角の組み合わせを、以降プロジェクタパラメータと呼ぶ。
【0039】
ビデオカメラを、その画面中心が所定の方位角,高度(azm1,alt1)となるように向ける。そして、プロジェクタ画面上のカーソルをビデオカメラ画面の中心に一致させる。このときのポイントを点1とし、画面上のカーソル座標(CX1,CY1) と、(azm1,alt1) をまとめて地平&画面座標対とよび、コンピュータに記憶する。この操作を、点nまでn回繰り返すと、
(CX1,CY1)&(azm1,alt1)
(CX2,CY2)&(azm2,alt2)


(Cxn,CYn)&(azmn,altn)
の地平&画面座標対のデータ列がコンピュータの記憶装置39(62)に記憶される。
【0040】
プロジェクタの位置(x,y,z)と姿勢角(p,y,r) を、ある値(たとえば、設計上の値)と仮定して(仮プロジェクタパラメータ)、地平座標(azm1,alt1)の点が、プロジェクタ画面上のどこに相当するかを計算する。求められた値を(CPX1,CPY1) とする。この値を、投影画面上の推定座標とする。
ここで、もし仮プロジェクタパラメータが、現実のプロジェクタの設置位置や姿勢角と完全に一致していれば、推定座標(CPX1,CPY1) は、地平&画面座標対から取り出した画面上座標(CX1,CY1)と一致するはずである。しかし実際に誤差があれば、両方の座標には誤差に起因する差異が発生する。座標値誤差Errは、
Err = ((CPX1−CX1)2 + (CPY1−CY1)2)1/2 ・・・(6)
になる。
【0041】
これを複数の点で行い、複数の地平&画面座標対で同様の計算を行って、各々座標値誤差の総和ΣErrを求める。仮プロジェクタパラメータが現実の設定値と一致していれば、ΣErrはやはり0になるが、現実には、誤差に応じた値になる。
ΣErrを求める誤差総和算出装置の実施の形態を図9に示す。
図9において誤差総和算出装置は、座標変換装置(1)65a〜(n)65nと、画面座標誤差算出装置(1)66a〜(n)66nと、積算装置67より構成されている。
座標変換装置(1)65a〜(n)65nは、地平座標(azm1,alt1)〜(azmn,altn)に対しプロジェクタパラメータを取り込み、それぞれ推定座標(CPX1,CPY1) 〜(CPXn,CPYn) に変換する。画面座標誤差算出装置(1)66a〜(n)66nは画面上座標(CX1,CY1)〜(CXn,CYn)に対し、それぞれ推定座標(CPX1,CPY1) 〜(CPXn,CPYn) を取り入れ式(6)の演算を行って座標値誤差Err1 〜nを算出する。積算装置67は座標値誤差Err1 〜nを積算し誤差の総和を出力する。
【0042】
したがって、逆に言えば、このΣErrが0になるプロジェクタパラメータを見つけることができれば、これが真の設定値であるといえる。現実には測定誤差などもあるので、完全にΣErrが0になる条件は非常に少ないが、このΣErrが0にもっとも近くなる プロジェクタパラメータ(最適プロジェクタパラメータ)を見つければよい。
最適プロジェクタパラメータの決定方法は様々あるが、たとえば最も簡単には、設計値に近い値で、プロジェクタパラメータを幾通りにも変えてΣErrを求めて、最小の値となる条件を検索する方法などがある。
この位置と姿勢角を最終的に用いるプロジェクタパラメータを座標変換パラメータとして採択し、プロジェクタの座標変換を行い、表示したい高度, 方位角からプロジェクタ上の座標を算出すれば、常に正しい位置に、映像を表示できる。
【0043】
続いて、この座標変換パラメータを用いて、地平座標を基準に描かれたマスター画像を、座標変換によって正しく投影されるように変形して投影する手順を示す。
ここでマスター画像について説明するため、マスター画像の一例を図10に示す。
マスター画像は、縦横が所定のピクセル数の画素で構成されたディジタル画像であり、コンピュータ内のマスター画像メモリ(図示されていない)に記憶されている。マスター画像は図示のとおり、横軸が地平座標での方位角、縦軸が高度に対応している。横幅はwピクセル、高さはhピクセルであり、1ピクセルに相当する角度を設定する画像の解像度は、RESO pixel/ 度であるとする。つまり、たとえば画像中のある画素(gx,gy) の地平座標(azmg,altg) は
azmg = gx * RESO
altg = gy * RESO
となる。
マスター画像メモリからは、任意の位置のピクセルの色情報を取り出せるようになっている。
【0044】
図11は、マスター画像を変形して投影画面に描画する手順を示すフローチャートである。
プログラムが開始する(ステップ(以下、「S」という)01)と、プログラムは、画面上の全画素に対して処理を行うため、マスター画面上座標GXを0からWまで、GYを0からHまで、それぞれ1つづつ変化させる。このループ動作の実行がS02とS03である。
そしてループ内で設定された各画素の色情報を読み出して変数Colに代入する(S04)。また、この画素の地平座標を、マスター画面上座標GXとGYから算出して方位角azmgと高度altgに代入する(S05)。このazmgとaltgを、前記座標変換手段によってプロジェクタの画面上座標に変換し、それをCX,CYとする(S06)。続いて、プロジェクタ画面上の座標CX、CYの点に、S04で取得した色の点を描画する(S07)。これを全画素に対して行うことで、プロジェクタ画面上には、ドームスクリーン上の正しい位置に画像が投影されるための画像が現れることになる。S08とS09は、GX、GYのループの末尾である。
【0045】
このような手順によってマスター画像が変形され正しく投影される様子を図12に示す。図12(a)は、マスター画像であり、座標線は地平座標(方位,高度)である。図12(b)は、マスター画像を座標変換して投影画面に描画した様子である。なお、理解を容易にするために実際にドームスクリーンに投影されない座標線を図12には描いている。この投影画面をプロジェクタで投影した斜視図が図12(c)である。ドーム上の地平座標目盛に沿って正しく投影されている様子が分かる。
この実施の形態では、元画像の座標をもとにプロジェクタ画面上の座標に変換して描画する例を示したが、実際には、プロジェクタ画面上の座標上で、CX,CY の値を変化させつつ設定し、このXY座標から地平座標に変換する逆変換処理を行い、元画像中の座標GX,GY を求め、それから元画像の座標(GX,GY) の画素の色を読み出して画面上の座標(CX,CY) に描画する方法でもよいことは勿論である。
【0046】
つづいて、この座標変換手順により、図形をドームスクリーン上に投影する手順を説明する。
この実施の形態は、もっとも単純な図形の例として線分を描画する例である。線分の描画は、たとえば星座を構成する星と星を直線で結ぶ場合などに有用となる技術である。
線分の特徴点は、両端の端点である。これを線分端点1、線分端点2とする。
それぞれの地平座標は以下のとおりである。
線分端点1の赤道座標は(AZM1 , ALT1) 、
線分端点2の赤道座標は(AZM2 , ALT2) である。
この値は、線分データメモリに記憶されている。
【0047】
プログラムが開始すると、まず線分データメモリからデータを読み出す。続いて線分端点1と線分端点2の座標を座標変換手段により座標変換して、画面座標(CX1,CY1)-(CX2,CY2) とする。その後、プロジェクタ画面上で(CX1,CY1)と(CX2,CY2) を結ぶ線を描画すれば、ドームスクリーン上で、地平座標(AZM1,ALT1) と、地平座標(AZM2,ALT2) を結ぶ線が描かれることになる。
上記プログラムの実行により、線分が正しく投影される様子を図13に示す。
図13(a)は、線分データメモリに記憶された線分のデータ(線分端点1と線分端点2)のデータを分かり易く図示したものであり、現実にこのような画像を用意するわけではない。図13(b)は、線分端点1の座標と線分端点2の座標を座標変換により投影画面上座標に変換して、投影画面に描画した様子である。この投影画面をプロジェクタで投影した斜視図が図13(c)である。ドーム上の地平座標目盛に沿って線分が正しく投影されている様子が分かる。
【0048】
このように線分を描画することを応用して、三角形,四角形などの多角形、さらには複雑な図形を描くこともできる。また、図形を構成する特徴点の座標は、地平座標で定義するばかりでなく、赤道座標や黄道座標で定義し、これを座標変換によって地平座標に変換することも可能であり、たとえば赤道座標や黄道座標で定義する恒星の座標を特徴点として用いれば、恒星と恒星を結ぶ点を描画し、星座を分かりやすく示すための星座線を描くことも可能である。
【0049】
つぎに、映像の歪みを補正する手段として図7,図8に示すパラメータ算出装置を用いるのではなく、補間法による例について説明する。
図3に示すような恒星投影機を用いて、ビデオカメラを、その画面中心が地平高度, 方位角をある値になるように設定する。そして、図7または図8のシステムを使い、カーソルの位置を合わせることでコンピュータ画面上の座標(X,Y)を取得する。なお、記憶装置39(62)に接続されているパラメータ算出装置40の代わりに補間法による演算が行える装置が接続される。取得したデータは、そのときのビデオカメラの画面中心の地平座標(方位, 高度)と、このビデオカメラの画面中心に一致して投影されているカーソルのコンピュータ画面上の座標(X,Y )を、地平座標−画面座標対応データとして記憶装置39(62)に記憶する。
【0050】
この操作を、ビデオカメラの画面中心の方位角,高度を一定角刻み(たとえば10度ずつ)変化させて繰り返し行うと、地平座標−画面座標対応データがまとまった形で取得できる。このうち画面座標をコンピュータ画面上にまとめて表示したのが図16である(理解を助けるために地平座標(方位角,高度)を併記してある)。また、この点を直線で結んだのが図17である。
ここで、例えば、ドーム上の方位角10度, 高度10度の位置に何らかの映像を投影したいときには、ここで取得されている地平座標−画面座標対応データの中から、方位10度, 高度10度のデータに相当する画面座標を選択し、この画面座標に表示をすればよいわけである。しかしこのままでは、今回の場合10度刻みの飛び飛びの値でしか表示する画像の高度と方位角を設定できない。しかし図16,17を見れば容易に推察できるように、この途中の値であっても、近隣の値から補間計算することは容易であって、表示したい方位角,高度が中途半端な数値であっても、補間計算により、これに相当する画面座標を求めることができる。
【0051】
補間計算では必ず誤差が生じるが、補間アルゴリズムを、直線よりも曲線、例えば2次や3次の式としたり、あるいは取得する地平座標−画面座標対応データの間隔をより細かくすれば、精度を充分上げることができる。
ここで、ある面積をもった画像を、この補間法を用いて表示する実施例を示す。表示したいオリジナル画像を表示する角度や位置,回転角などを決めると、この画像の各ピクセルに相当する地平座標を求めることができる。それぞれの画素に対して地平座標を求め、この地平座標から上記の方法で画面上座標を求めて、そこにこのピクセルを描画する。これを繰り返せば、ドームスクリーン上の正しい位置に画像が表示されることになる。
【0052】
続いて補完法について説明する。
上記方法で、方位および高度を一定刻み(方位の刻み値をdazm,角度の刻み値をdalt)で変えながら、地平座標−画面座標対応データを取得して記憶装置39(62)に記憶する。ここである地平座標(azmP,altP) の点を、画面上でどの位置(座標)に表示すべきか求めるものとする。
先に取得した地平座標−画面座標対応データの集合の中で、地平座標において、表示したい値を矩形に囲む近隣の4つの値(基準点)を選び出す。これを以下とする。
点00:(azm0,alt0) (x00,y00)
点01:(azm1,alt0) (x01,y01)
点10:(azm0,alt1) (x10,y10)
点11:(azm1,alt1) (x11,y11)
ここで、点00と点01の高度(=alt0) は等しい。同様に点01と点11の方位角(=azm1)も等しい。
【0053】
表示したい点(点P)の地平座標とは以下の関係が成り立つものとする。
azm0≦ azmP ≦ azm1
alt0≦ altP ≦ alt1
ちなみに
azm1−azm0 = dazm
alt1−alt0 = dalt
である。
この4つの基準点と、点Pを、地平座標でプロットしたものが図18である。
ここで、点00を基準として、方位刻み値に対する点Pの方位角を点Pの方位相対値とする。
点Pの方位相対値azmr= (azmP-azm0)/dazm
同様に高度についても高度相対値 altr= (altP-alt0)/dalt
と求められる。
【0054】
ここで、4つの基準点と、点Pを画面座標でプロットしたのが図19である。
点Pの画面座標は未知であるが、ここで中間点を使って補間する。
点00と点10の間の補間点(xt0,yt0)は、
xt0 = (x10−x00) * altr
yt0 = (y10−y00) * altr
として求められる。
同様に点10と点11の間の補間点(xt1,yt1)は
xt1 = (x11−x01) * altr
yt1 = (y11−y01) * altr
となる。
【0055】
次に、この補間点同士を補間することで点Pの画面上座標(xP,yP) を求められる。
xP = (xt− xt0) * azmr
yP = (yt1 − yt0) * azmr
この実施例は、補間計算を1次式で行ったもっとも原始的な例であり、地平座標−画面座標対応データの取得間隔が充分小さくないと、補間の精度も落ちてしまうが、実際には2次や3次などの高次式で補間するなどして更に高い精度で補間して算出することができる。
このようにして、充分広い範囲にわたり得られた地平座標−画面座標対応データの集合があれば、任意の方位角,高度に対応する画面座標を取得することができる。
【0056】
ここで、映像の歪(恒星投影機による恒星などの像点に対しビデオプロジェクタの本来投影されるべき位置からの映像のずれ量)を補正する手段を整理して挙げると以下の通りである。
(1)サンプルされた画面−地平座標対応データ(図7または図8の構成による記憶手段に記憶されたデータ)をもとに、補間計算により座標変換するものである。
(2)サンプルされた画面−地平座標対応データをもとに、プロジェクタのパラメータである位置、姿勢角、その他の情報(光学特性、焦点距離など)を算出し、このパラメータにより、地平座標と画面座標の座標変換を行う。
(3)上記2方式を併用する方法((2)の方法で座標変換し、残存誤差を(1)の方法でさらに補正する)で補正する。
なお、これらの実施の形態では、いずれもビデオカメラの画面内でカーソルの位置を合わせる位置を画面中心としているが、実際には画面中心でなくても良い。ビデオカメラが恒星投影機に搭載され、なおかつ恒星投影機の中心がドームスクリーンの球心に設置されている場合、ビデオカメラの光軸が恒星投影機の中心に必ずしも交差せずとも、また緯度軸、日周軸とビデオカメラの光軸が必ずしも直交しなくとも、ビデオカメラ上の所定の画面座標が恒星投影機の高度方位点に対応することは変わりないので、この所定の画面座標を前記のビデオカメラの画面中心座標として同様に扱えば、本発明の範疇に含まれるのはもちろんのことである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
プラネタリウム施設において恒星投影機とビデオプロジェクタを設置する際の、ビデオプロジェクタの投影する映像の歪み(プロジェクタ画面の投影すべき位置からのずれ)を補間計算や真のビデオプロジェクタの位置および姿勢を求める装置により補正するシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】ドームスクリーン上の地平座標を示す概略図である。
【図1B】地平座標の座標線を直交座標で描いた図および画面上に、地平座標の座標線を投影した図である。
【図1C】プロジェクタの画面に投影される映像例を示す斜視図である。
【図1D】プロジェクタの画面の正しい設定で投影される映像例を示す図である。
【図1E】プロジェクタの向きが上に2度ずれている場合に投影される映像例を示す図である。
【図1F】レンズの焦点距離が短くなっている場合に投影される映像例を示す図である。
【図2】本発明による映像投影システムの一例を示すドームシアタの側面図である。
【図3A】本発明による映像投影システムに用いる恒星投影機の実施の形態を説明するための図である。
【図3B】ビデオカメラを恒星投影機とは独立して設けたカメラユニットの詳細を説明するための斜視図である。
【図3C】カメラユニットをドーム中心からずれた位置に設置する場合の補正制御の方法の1例を示す説明するための図である。
【図4】プロジェクタの姿勢角を説明するための図である。
【図5】ドームスクリーン上の点像の位置に対する方位角と高度を説明するための図である。
【図6】ビデオプロジェクタの位置を説明するための図である。
【図7】本発明による映像投影システムのカーソルとビデオカメラ画面中心の位置合わせ装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】本発明による映像投影システムのカーソルとビデオカメラ画面中心の位置あわせ装置の他の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】パラメータ算出装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】画像を座標変換して投影画面に変換するときに用いる、地平画像で描かれたマスター画像を示す図である。
【図11】画像を座標変換し投影画面に変換して描画する動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】マスター画像を座標変換してドームスクリーンに正しく投影される手順を示した図である。
【図13】図形データを座標変換してドームスクリーンに正しく投影される手順を示した図である。
【図14】カメラを設置した映像投影システムの実施の形態を示す概略図である。
【図15】ビデオプロジェクタの設置構造を示す図である。
【図16】補間計算を説明するための図で、画面座標をコンピュータ画面上にまとめて表示した図である。
【図17】図16の各点を直線で結んで示した図である。
【図18】近隣の4つの基準点とこれに囲まれる点Pを地平座標で示した図である。
【図19】近隣の4つの基準点とこれに囲まれる点Pを画面座標で示した図である。
【符号の説明】
【0059】
1,42,63 ドームスクリーン
2,17,37 恒星投影機
3,33 ビデオプロジェクタ
4 カーソル
5 点像
6 ビデオプロジェクタの映像a
7 コンピュータ(制御装置)
10,15,16,41 レーザポインタ(基準マーカ投影機)
11 支持枠
12 台座
18,57 カメラ
30 カーソル位置操作装置(マウス)
31 カーソル座標設定装置
32 カーソル表示装置
34,56 カーソル像
35 地平座標設定装置
36 サーボ制御装置
38,61 ビデオカメラ画面中心
39,62 地平座標−画面座標対応データ記憶装置
50 ビデオキャプチャ部
51 画像処理装置
52 差動演算器
53 カーソル座標設定装置
65a〜65n 座標変換装置1〜n
66a〜66n 画面座標誤差算出装置1〜n
67 積算装置
71 カメラ光軸
72 方位軸
73 方位軸モータ
74 高度軸モータ
75 方位ターンテーブル
76 ベース
77 支柱
78 回転装置
80 カメラ画面中心点
81 カメラユニット
82 ビデオ画面表示モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータやビデオ装置などの映像生成手段から出力される映像を曲面を有するドーム状スクリーンに投影するものであって、スクリーン上で任意に移動可能な目印となる像を投影可能なプロジェクタと、
前記ドームスクリーン上の、所定のスクリーン上の座標に向けて方向制御できる方向制御手段を備えたカメラと、
前記目印のカメラ画面内の位置を所定の座標に位置あわせする位置あわせ手段と、
前記位置合わせ手段で一致した目印となる像の投影画面上座標とカメラの向いたスクリーン上座標を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶したカメラの向いた複数のスクリーン上座標と目印となる像の投影画面上の座標を用いてスクリーン上座標と投影画面上座標の間の座標変換パラメータを求める座標変換パラメータ算出手段と、
前記座標変換パラメータを用いてスクリーン上座標から投影画面上の座標または投影画面上座標からスクリーン上座標への座標変換を行う座標変換手段と、
を備えたことを特徴とする映像投影システム。
【請求項2】
前記座標変換パラメータは、プロジェクタが設置されている位置,姿勢角,投影レンズの焦点距離またはそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の映像投影システム。
【請求項3】
コンピュータやビデオ装置などの映像生成手段から出力される映像を曲面を有するドーム状スクリーンに投影するものであって、スクリーン上で任意に移動可能な目印となる像を投影可能なプロジェクタと、
前記ドームスクリーン上の、所定のスクリーン上の座標に向けて向きを向けられるようにしたカメラと、
前記カメラの画面内における目印の位置を所定の座標に位置あわせする位置あわせ手段と、
前記位置合わせ手段で一致した目印となる像の投影画面上座標とカメラの向いたドームスクリーン上座標を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶したカメラの向いた複数のスクリーン上座標と目印となる像の投影画面上の座標を用いて、スクリーン上の任意の位置のスクリーン上座標と投影画面座標の座標変換を行う補間演算手段と、
を備えたことを特徴とする映像投影システム。
【請求項4】
前記位置合わせ手段は、
前記カメラの撮影画像より目印となる像の位置を抽出し、目印となる像位置とカメラ画面上の所定の位置を一致させるように前記プロジェクタから出力される目印となる像位置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1,2または3記載の映像投影システム。
【請求項5】
前記位置合わせ手段は、
前記カメラの撮影画像より目印となる像の位置を抽出し、目印となる像位置とカメラ画面上の所定の位置を一致させるように前記カメラの指向する方向を制御する制御手段と、 を有することを特徴とする請求項1,2または3記載の映像投影システム。
【請求項6】
前記位置合わせ手段は、
前記目印となる像を投影画面中で手動で移動できる操作装置を有し、
前記操作装置により目印となる像をカメラ画面上の所定の位置に合わせることを特徴とする請求項1,2または3記載の映像投影システム。
【請求項7】
前記位置合わせ手段は、
カメラの指向する方向を手動で移動できる操作装置を有し、
前記操作装置により目印となる像にカメラ画面上の所定の位置を合わせることを特徴とする請求項1,2または3記載の映像投影システム。
【請求項8】
前記カメラは、恒星投影機に搭載され、
カメラの方向を変える手段は、前記恒星投影機が有する回転軸の角位置制御手段を用いることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の映像投影システム。
【請求項9】
前記カメラが指向するドームスクリーン上座標は、高度と方位角で表される地平座標であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,または8記載の映像投影システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−276102(P2008−276102A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122273(P2007−122273)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(508067839)有限会社大平技研 (6)
【Fターム(参考)】