説明

映像表示装置

【課題】本発明は、映像表示装置を使いやすくすることを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケース13と、この本体ケース13に設けられた入力端子部21と、この入力端子部21に接続された入力部22と、この入力部22に接続された表示画像生成部25と、この表示画像生成部25に接続された表示部14と、を備え、表示画像生成部25は、入力部22からの映像信号を第1の映像信号として表示部14の第1の表示画面10に表示し、第1の映像信号を拡大可能に操作する拡大操作部26を設けるとともに、第1の映像信号を拡大操作部26により拡大した第2の映像信号を、表示部14の第2の表示画面11に表示する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療用に用いられる映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の医療用に用いられる映像表示装置の構成は、以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、本体ケースと、この本体ケースに設けられた入力端子部と、この入力端子部に接続された入力部と、この入力部に接続された表示画像生成部と、この表示画像生成部に接続された表示部と、を備えた構成となっていた。
【0004】
この表示画像生成部では、入力部に入力された内視鏡カメラの映像信号の、色彩や大きさを変えないで、そのまま表示部に表示するようになっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−348369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例における課題は、映像表示装置が使いにくいことであった。
【0007】
すなわち、例えば、従来の医療用の映像表示装置では、内視鏡カメラ等で撮影した患部の映像を表示部に表示して手術を行っていたが、特に硬性内視鏡カメラを使用した手術の現場においては、手術映像での患部の位置のみではなく、手術映像での患部の大きさが術者の望むものになるように、カメラ操作者は、内視鏡カメラと患部との距離感を、手術映像に映された内視鏡の撮像窓の大きさで判断しながら、手術映像の患部の大きさが術者の希望に沿うように、カメラを操作する必要があった。
【0008】
しかしながらこの作業は、カメラの位置を患部が中央にくるように決めて、かつ、手術映像での患部の大きさを適切に保つために、カメラと患部の距離を特定の位置に保ち続ける必要があるので、カメラをその位置に固定し続けなければならないため、神経を使う作業となっていた。そのために、カメラ操作者にとっては、大変な作業となってしまい、術者にとっても、カメラ操作者が適切にカメラ操作をできなかった場合に、手術がしづらい状況となり、結論として、このような1つの手術映像を見ながら、術者とカメラ操作者が協調しながら手術を行う点においては、映像表示装置は使いにくいものとなっていた。
【0009】
そこで本発明は、映像表示装置を使いやすくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、この目的を達成するために本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた入力端子部と、この入力端子部に接続された入力部と、この入力部に接続された表示画像生成部と、この表示画像生成部に接続された表示部と、を備え、前記表示画像生成部は、前記入力部からの映像信号を第1の映像信号として前記表示部の第1の表示画面に表示し、前記第1の映像信号を拡大可能に操作する拡大操作部を設けるとともに、前記第1の映像信号を前記拡大操作部により拡大した第2の映像信号を、前記表示部の第2の表示画面に表示する構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた入力端子部と、この入力端子部に接続された入力部と、この入力部に接続された表示画像生成部と、この表示画像生成部に接続された表示部と、を備え、前記表示画像生成部は、前記入力部からの映像信号を第1の映像信号として前記表示部の第1の表示画面に表示し、前記第1の映像信号を拡大可能に操作する拡大操作部を設けるとともに、前記第1の映像信号を前記拡大操作部により拡大した第2の映像信号を、前記表示部の第2の表示画面に表示する構成としたものであるので、映像表示装置を使いやすくすることができる。
【0012】
すなわち、本発明においては、映像信号を第1の映像信号として前記表示部の第1の表示画面に表示し、前記第1の映像信号を前記拡大操作部により拡大可能とした第2の映像信号を、前記表示部の第2の表示画面に表示するので、例えば、内視鏡カメラの映像信号を、第1の表示画面では、内視鏡カメラの映像信号をそのまま表示するので、撮像窓の枠を含めて表示することができ、第2の表示画面では、術者が拡大操作部を用いて、手術映像を適切な大きさに拡大操作した映像を表示できるので、カメラ操作者は、撮像窓の枠を見ながら、患部を中央にした位置で内視鏡カメラを固定するのみで、カメラと患部の距離を特定の位置において、保ち続ける必要はなく、術者は、自分の所望の大きさに手術映像を操作可能となり、その結果、映像表示装置を使いやすくすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の使用例を示した図
【図2】その表示部の表示画面の一例を示す図
【図3】その表示部の表示画面の一例を示す図
【図4】その表示部の表示画面の一例を示す図
【図5】その表示部の表示画面の一例を示す図
【図6】本実施形態の映像表示装置の正面図
【図7】本実施形態の映像表示装置の下面から見た図
【図8】その機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を医療現場、具体的には手術室に配置した状態を示しており、手術台1の上面に患者2が横たわり、手術医師3が鉗子5、補助医師4が内視鏡カメラ6を用いた手術を行っている状態を示している。この場合、手術医師3は、患者2を介して対向する映像表示装置7を見ながら、患部の状態を確認しており、また、補助医師4は、患者2を介して対向する映像表示装置8を見ながら、患部の状態を確認している。このとき、映像表示装置8は映像表示装置7のサブ表示装置として同じ内視鏡カメラの映像を表示している。
【0016】
つまり、手術医師3も、補助医師4も、映像表示装置7、8に表示されている共通の内視鏡カメラ6の映像を見るようになっている。具体的映像信号の接続形態には、補助医師4の内視鏡カメラ6の映像信号が、映像表示装置7に接続され、その映像信号が映像表示装置8にさらに接続された状態になっている。
【0017】
このときの映像表示装置7、8に表示された映像を図2に示す。
【0018】
図2においては、前立腺手術における映像を示すが、内視鏡カメラ6からの前立腺患部の映像9が映像表示装置7、8に映されている。
【0019】
このような場合においては、映像表示装置7、8に映される手術映像での患部の大きさが実際に鉗子5で手術を行う手術医師3の望むものになるように、カメラ操作者である補助医師4は、内視鏡カメラ6と患部との距離感を、手術映像に映された内視鏡カメラ6の撮像窓の大きさで判断しながら、手術映像の患部の大きさが手術を行う手術医師3の希望に沿うように、内視鏡カメラ6を操作する必要があった。
【0020】
しかしながらこの作業は、内視鏡カメラ6の位置を患部が中央にくるように決めて、かつ、手術映像での患部の大きさを適切に保つために、内視鏡カメラ6と患部の距離を特定の位置に保ち続ける必要があるので、内視鏡カメラ6をその位置に固定し続けなければならないため、神経を使う作業となっていた。そのために、カメラ操作者である補助医師4にとっては、大変な作業となってしまい、手術を行う手術医師3にとっても、カメラ操作者が適切にカメラ操作をできなかった場合に、手術がしづらい状況となり、結論として、このような1つの手術映像を見ながら、術者である手術医師3とカメラ操作者である補助医師4が協調しながら手術を行う点においては、映像表示装置7、8は使いにくいものとなっていた。
【0021】
そこで、本発明の実施形態においては、映像表示装置7、8に表示する映像を、図3に示すようにした。
【0022】
図3においては、カメラ操作者である補助医師4が撮影した内視鏡カメラ6の映像信号を第1の映像信号として映像表示装置7、8の第1の表示画面10に表示し、前記第1の映像信号を、手術を行う手術医師3が拡大操作部としてのフットスイッチ(図示せず)により希望の大きさに拡大した第2の映像信号を、映像表示装置7、8の第2の表示画面11に表示するようにした。
【0023】
このような場合においては、内視鏡カメラ6の映像信号を、第1の表示画面10では、内視鏡カメラ6の映像信号をそのまま表示するので、撮像窓枠12を含めて表示することができ、第2の表示画面11では、手術医師3がフットスイッチを用いて、手術映像を適切な大きさに拡大操作した映像を表示できるので、カメラ操作者である補助医師4は、撮像窓枠12を見ながら、患部を中央にした位置で内視鏡カメラ6を固定するのみで、カメラと患部の距離を特定の位置において、保ち続ける必要はなく、手術医師3は、自分の所望の大きさに手術映像を操作可能となり、その結果、映像表示装置を使いやすくすることができるのである。
【0024】
上述した映像表示装置7、8には、同じ映像として、内視鏡カメラ6の映像信号を第1の表示画面10、手術医師3が拡大操作した第2の映像信号を第2の表示画面11に分割して表示したが、図4に示すように、画面選択操作によって手術を行う手術医師3がモニターする映像表示装置7に、第2の表示画面11のみを映し、図5に示すようにカメラ操作者である補助医師4がモニターする映像表示装置8に第1の表示画面10のみを映す構成としても良い。このような構成とすると、1つの表示装置に1つの表示画面を映す構成となるので、より見やすくなる。
【0025】
前記映像表示装置7、8は、同一構成となっており、図6、図7に示すように本体ケース13の前面側に表示部14が設けられ、さらに、この本体ケース13の下面側には複数の入力端子15、16、17、18、19が設けられている。このうち、入力端子15は、セパレートおよびコンポジット映像端子で、16はコンポーネント映像端子で、17はRGB端子、18はSDI端子(シリアル・デジタル・インターフェース)、19はDVI端子(デジタル・ビジュアル・インターフェース)となっている。
【0026】
そして、内視鏡カメラ6は、入力端子18のSDI端子に接続されている。
【0027】
また、図6に示すように、本体ケース13には、拡大操作部としてのフットスイッチ20が接続されている。このフットスイッチ20を操作することで、手術を行う手術医師3は、患部の映像を希望通りの大きさに拡大して映すことができる。
【0028】
次に、本発明の一実施形態においての映像表示装置7、8の機能ブロック図を図8に示す。
【0029】
内視鏡カメラ6からの入力が図6に示す本体ケース13に設けられた入力端子部21に入力され、入力部22に入力される。
【0030】
この入力部22は、入力制御部23と、入力信号処理部24によって構成されており、まず、入力制御部23で表示部14に表示する映像情報を内視鏡カメラ6が接続された入力端子部21に設定し、入力信号処理部24で入力制御部23から入ってきた映像信号の映像調整を行い、表示画像生成部25で表示部14に表示する第1の映像信号を生成する。
【0031】
このとき、表示部14は図3に示すように、第1の表示画面10と第2の表示画面11をもち、第1の表示画面10には表示画像生成部25によって生成された第1の映像信号を表示し、この第1の映像信号を拡大可能に操作する拡大操作部26によって第1の映像信号を拡大制御部27で拡大し第2の映像信号を生成し、第2の表示画面11に表示する。
【0032】
さらには、表示部14は、画面選択操作手段28を有し、第1の表示画面10と第2の表示画面11を選択可能に1つの画面に表示することも可能としている。
【0033】
このような構成とすると、映像表示装置が使用者に対応して複数台設置されている場合には、使用者に対応した映像表示装置ごとに1つの表示画面を映す構成となるので、使用者にとって、より見やすくなる。
【0034】
上述したように、本実施形態においては図3に示す第1の表示画面10のように内視鏡カメラ6の映像信号をそのまま表示するので、撮像窓枠12を含めて表示することができるため、カメラ操作者である補助医師4は撮像窓枠12を見ながら、患部を中央にした位置で内視鏡カメラ6を固定するのみで、内視鏡カメラ6と患部の距離を特定の位置において、保ち続ける必要はなくなる。
【0035】
一方、術者である手術医師3に対しては拡大操作部26を提供することで第2の表示画面11のように、自分の所望の大きさに手術映像を拡大操作可能となり手術医師3、補助医師4の双方にとってともに最適な映像情報を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた入力端子部と、この入力端子部に接続された入力部と、この入力部に接続された表示画像生成部と、この表示画像生成部に接続された表示部と、を備え、前記表示画像生成部は、前記入力部からの映像信号を第1の映像信号として前記表示部の第1の表示画面に表示し、前記第1の映像信号を拡大可能に操作する拡大操作部を設けるとともに、前記第1の映像信号を前記拡大操作部により拡大した第2の映像信号を、前記表示部の第2の表示画面に表示する構成としたものであるので、映像表示装置を使いやすくすることができる。
【0037】
すなわち、本発明においては、映像信号を第1の映像信号として前記表示部の第1の表示画面に表示し、前記第1の映像信号を前記拡大操作部により拡大可能とした第2の映像信号を、前記表示部の第2の表示画面に表示するので、例えば、内視鏡カメラの映像信号を、第1の表示画面では、内視鏡カメラの映像信号をそのまま表示するので、撮像窓の枠を含めて表示することができ、第2の表示画面では、術者が拡大操作部を用いて、手術映像を適切な大きさに拡大操作した映像を表示できるので、カメラ操作者は、撮像窓の枠を見ながら、患部を中央にした位置で内視鏡カメラを固定するのみで、カメラと患部の距離を特定の位置において、保ち続ける必要はなく、術者は、自分の所望の大きさに手術映像を操作可能となり、その結果、映像表示装置を使いやすくすることができるのである。
【0038】
したがって、内視鏡手術などに用いる医療用映像表示装置として、広く活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 手術台
2 患者
3 手術医師
4 補助医師
5 鉗子
6 内視鏡カメラ
7、8 映像表示装置
9 前立腺患部の映像
10 第1の表示画面
11 第2の表示画面
12 撮像窓枠
13 本体ケース
14 表示部
15、16、17、18、19 入力端子
20 フットスイッチ
21 入力端子部
22 入力部
23 入力制御部
24 入力信号処理部
25 表示画像生成部
26 拡大操作部
27 拡大制御部
28 画面選択操作手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースに設けられた入力端子部と、この入力端子部に接続された入力部と、この入力部に接続された表示画像生成部と、この表示画像生成部に接続された表示部と、を備え、前記表示画像生成部は、前記入力部からの映像信号を第1の映像信号として前記表示部の第1の表示画面に表示し、前記第1の映像信号を拡大可能に操作する拡大操作部を設けるとともに、前記第1の映像信号を前記拡大操作部により拡大した第2の映像信号を、前記表示部の第2の表示画面に表示する構成とした映像表示装置。
【請求項2】
前記入力端子部は、内視鏡カメラを接続する構成とした請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記拡大操作部はフットスイッチで構成した請求項1または2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、画面選択操作手段を有し、前記第1の表示画面と第2の表示画面を選択可能に表示する構成とした請求項1から3のいずれか一つに記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−128223(P2012−128223A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280152(P2010−280152)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】