説明

映像記録装置

【課題】従来の技術では、データのダビング処理の後、ユーザは改めて削除候補リストを見ながら削除するデータを選択する必要がある。このように従来の技術においては、ユーザがダビング済データの削除をするか否か判断する際に不要な手間を強いている、という課題がある。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、予約にてデータのダビングを実行するダビング予約機能を備え、さらに予約によるダビング後に元のデータを削除するか否かを選択するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)画面を、ダビング予約の操作時に出力することで、ユーザに前もってデータ消去の選択をさせる機能を備える映像記録装置などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録装置においてデータをダビングした後に、ダビング元のデータを効率的に消去するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、HDDレコーダや次世代DVDレコーダなどの各種映像記録装置が提供されている。そしてこのような映像記録装置には、記録容量の確保やバックアップなどを目的として、例えば映像記録装置のHDDに記録されたデータを、別のHDDや次世代DVDなど別の記録媒体にダビングする機能も備えられている。またデジタル放送の映像データに関して、2008年7月より開始されたいわゆる「ダビング10」により、ダビングの制限回数に達していない録画データなどは「ムーブ」処理の対象とならなくなった。そのため複数回ダビングを行った映像データであっても、従来のように消去されずに記録媒体内に元の映像データが残るよう運用が変更されている。このように、現在では比較的自由に映像記録装置内のデータのダビングなどをすることができるようになっている。ところで、ダビングなどした元のデータは基本的には不要になることが多いが、逆に残しておきたいデータもある。そのためデータのダビング処理の後、ユーザはデータごとに消去するか否かを逐次判断し、消去手続をとる必要がある。そこで、例えば特許文献1には、映像記録装置においてダビングを行ったデータにダビング済みフラグなどの属性データを付与して管理する。そして、その属性データを利用してダビング済みデータを削除候補としてリスト化し、ユーザに提案する技術が提供されている。
【特許文献1】特開2004−297427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし上記従来の技術でも、データのダビング処理の後、ユーザは改めて削除候補リストを見ながら削除するデータを選択する必要がある。つまり、削除候補リストによって判断対象の数が絞り込まれているとはいえ、そのリスト中のデータに関して、例えば早送りで流して視聴し内容を再度確認するなど不必要な手間が生じる可能性もある。このように従来の技術においては、ユーザがダビング済データの削除をするか否か判断する際に不要な手間を強いている、という課題がある。また、とくに実行時間を予約することでユーザの睡眠中などにダビング処理を実行させるいわゆる「ダビング予約」においては、ユーザがダビングを決めてから、実際のダビング処理が行われ、その後に削除するか否かを判断するまでに時間が経過することになる。そのため、ダビング予約の後のデータ消去に関しては、ユーザはデータ内容を改めて詳細に検討判断する手間が必要が生じる可能性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明は、予約にてデータのダビングを実行するダビング予約機能を備え、さらに予約によるダビング後に元のデータを削除するか否かを選択するためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)画面を、ダビング予約の操作時に出力することで、ユーザに前もってデータ消去の選択をさせる機能を備える映像記録装置を提供する。
【0005】
具体的には、第一記録媒体を有する第一記録部と、第二記録媒体を有する第二記録部と、記録部を制御する制御部と、ユーザインターフェイス部と、ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、からなる映像記録装置である。そしてさらに、そのユーザインターフェイス部が、一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へ記録させる制御の予約をするかをユーザに入力させる画面を出力する第一GUI手段と、第一GUI手段がユーザの入力を受け付ける際に、予約の実行に応じて前記一方の記録媒体に記録されているデータを消去するように制御するか、消去しないように制御するかをユーザに選択させる画面を出力する第二GUI手段と、を有する映像記録装置である。そして、このような映像記録装置によって、ユーザはダビング予約の選択と時間をおかずにダビング元のデータ消去の選択をすることができるので、データ内容を再度詳細に確認するなど不必要な手間を生じさせずに済む。
【0006】
また、本発明は、データをダビングした場合に、一定時間が経過するとそのダビングした元のデータを自動的に消去する機能を備える映像記録装置も提供する。具体的には、第一記録媒体を有する第一記録部と、第二記録媒体を有する第二記録部と、記録部を制御する制御部と、ユーザインターフェイス部と、ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、からなる映像記録装置である。そしてさらに、その制御部が、制御部によるデータのダビング制御があった場合に、ダビング後の経過時間を測定する経過時間測定手段と、経過時間測定手段で測定された経過時間が所定の時間となった場合に、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための経過後消去手段と、を有する映像記録装置である。そして、このような映像記録装置によって、ユーザは一度ダビングしてバックアップなどが完了したデータに関して、ユーザによる不必要な手間をかけずに消去させることができる。
【0007】
また、本発明は、データをダビングした回数をカウントし、一定回数ダビングを行うとその元のデータを自動的に消去する機能を備える映像記録装置も提供する。具体的には、第一記録媒体を有する第一記録部と、第二記録媒体を有する第二記録部と、記録部を制御する制御部と、ユーザインターフェイス部と、ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、からなる映像記録装置である。そしてさらに、制御部が、制御部によるデータのダビング制御があった場合に、そのデータのダビング回数をカウントする回数カウント手段と、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための所定のダビング回数である消去予定ダビング回数を保持する消去予定ダビング回数保持手段と、回数カウント手段でカウントされた回数が前記消去予定ダビング回数となった場合に、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための回数消去手段と、を有する映像記録装置である。そして、このような映像記録装置によって、ユーザは所定の回数分ダビングして十分バックアップなどが完了したデータに関して不必要な手間をかけずに消去させることができる。
【0008】
また、上記機能及び構成を有する映像記録装置において、消去有無の基準となる消去予定ダビング回数をユーザが任意に変更可能とした映像記録装置も提供する。具体的には、前記構成を備える映像記録装置のユーザインターフェイス部が、消去予定ダビング回数保持手段に保持された消去予定ダビング回数を変更するためのユーザインターフェイス画面を出力する第三GUI手段をさらに有することを特徴とする。
【0009】
また、データのダビングといっても例えばHD(ハイディフィニション)画質の映像データをSD(スタンダード)画質に落としてDVDに記録する、といった具合に元のデータそのままの状態でダビングされないケースもある。そこで、このような元のデータの映像品質が低下するような情報量削減を伴うダビングなどの場合には、元のデータの自動消去などに関して優先度を低くしてデータが残されるよう構成した映像記録装置も提供する。具体的には、第一記録媒体を有する第一記録部と、第二記録媒体を有する第二記録部と、記録部を制御する制御部と、ユーザインターフェイス部と、ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、からなる映像記録装置である。そしてさらにユーザインターフェイス部は、一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へ記録させる制御をする際の記録条件をユーザに入力させる画面を出力する第四GUI手段を有し、制御部は、第四GUI手段を利用して入力された記録条件による記録が元データに対してデータの情報量を少なくする記録であるか否かを判断する情報量判断手段と、情報量判断手段での判断結果に応じてその記録条件による記録が行われた後の元データの消去の優先度を定める消去優先情報を生成する消去優先情報生成手段と、を有する映像記録装置である。そして、このような映像記録装置によって、映像品質が低下したような形でのダビングなどの場合には、元のデータを優先的に残しておくことができる。
【0010】
また、連続テレビドラマなどを繰返録画するような場合には、ダビング済みの古い話数のものに上書することでユーザが手間をかけることなく効率的にダビング済みのデータを消去できる映像記録装置も提供する。具体的には、第一記録媒体を有する第一記録部と、第二記録媒体を有する第二記録部と、記録部を制御する制御部と、ユーザインターフェイス部と、ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、からなる映像記録装置である。そしてさらに、ユーザインターフェイス部は、所定のインターバルで入手する更新データを記録媒体に繰返記録する制御をするための予約情報をユーザに入力させる画面を出力する第五GUI手段と、一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へダビングする制御をするための命令をユーザに入力させる画面を出力する第六GUI手段と、を有し、制御部は、前記予約情報に基づく繰返記録を、制御部によるデータのダビング制御があったデータへの上書記録とする上書制御手段と、を有する映像記録装置である。そして、このような映像記録装置によって、連続テレビドラマなど繰返記録されるデータに関してユーザが手間をかけることなく効率的にダビング済みのデータを消去できる。
【発明の効果】
【0011】
以上のような構成をとる本発明によって、ユーザは不要な手間をかけることなく、ダビングなどでバックアップが済んでいるデータを簡単に消去することができる。また、ダビングが映像品質の劣化を伴うような記録形態であれば、そのデータを優先的に残すようにもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1について説明する。また、実施例2は、主に請求項2について説明する。また、実施例3は、主に請求項3について説明する。また、実施例4は、主に請求項4について説明する。また、実施例5は、主に請求項5について説明する。また、実施例6は、主に請求項6について説明する。
【0013】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の映像記録装置に関するGUI(グラフィカル・ユーザインターフェイス)画面の一例を表す図である。この図1(a)にあるように、本実施例の映像記録装置は、時間を予約指定し、その指定時間にダビングを実行する「ダビング予約」を行うか否かを選択させるGUI画面を表示する。そしてユーザがリモコンなどを操作しダビング予約を実行する旨の選択入力を行い、そのダビング実行時間の入力などを行う。すると、本実施例の映像記録装置は、続けて、図1(b)に示すような「ダビング後タイトル消去をしますか?はい いいえ」といった具合のGUI画面を表示する、という具合である。このようにして、ユーザはダビング予約の選択と時間をおかずにダビング元のデータ消去の選択をすることができる。つまり、予約によるダビングが実行された後、時間がたってしまったためにデータ内容の詳細を忘れた場合に、再度視聴しその内容を確認するなど不必要な手間を生じさせずに済む。
【0014】
<機能的構成>
図2は、本実施例の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像記録装置」(0200)は、「第一記録部」(0201)と、「第二記録部」(0202)と、「制御部」(0203)と、「ユーザインターフェイス部」(0204)と、「保持部」(0205)とを有する。また、その「ユーザインターフェイス部」が、「第一GUI手段」(0206)と、「第二GUI手段」(0207)と、を有する。
【0015】
なお、他の実施例も含めて以下に記載する本映像記録装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、通信用インターフェイス、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザインターフェイス用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明は映像記録装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0016】
「第一記録部」(0201)は、第一記録媒体を有する。なお、第一記録媒体とは、データを記録するための媒体をいい、例えば、HDDなどの磁気記録装置や、DVDや次世代DVDなどの光学記録メディア及びそのドライブ装置、内蔵型又は可般型フラッシュメモリなどの電気記録装置が挙げられる。そして映像記録装置の第一記録部は、上記のような第一記録媒体に対して映像データを記録する機能を有する。なお、記録される映像データは、例えば図示しないチューナにて受信した放送映像データや、同じく図示しない映像入力部を介して外部の映像再生装置やネットワーク上の動画サーバなどから入力された映像データが挙げられる。
【0017】
「第二記録部」(0202)は、第二記録媒体を有する。なお、第二記録媒体も第一記録媒体同様に各種記録装置で実現される。そして、本実施例の映像記録装置は、このように第一と第二の2つの記録媒体を有することで、第一記録媒体のデータを第二記録媒体にダビングする(またはその逆)を行うことができる。
【0018】
「制御部」(0203)は、記録部を制御する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、制御プログラムなどで実現することができる。具体的に、制御部では、例えばリモコンや操作パネルなどの入力デバイスにて入力された録画操作命令に応じて、第一記録媒体または第二記録媒体にチューナで受信した映像データや外部機器から入力された映像データなどを記録する制御を行う。また、入力デバイスにて入力された再生操作命令に応じて第一記録媒体や第二記録媒体に記録された映像データを読み出し、デコーダに渡して再生するための制御を行う。もちろんこの制御部の制御は、入力デバイスにて入力された各種操作命令に応じた制御のみならず、例えばタスクスケジューラやその他のプログラムによって自動生成された命令に従って実行されるよう構成しても良い。
【0019】
そして、さらにこの制御部は、第一記録媒体に記録された映像データを第二記録媒体に記録する(または逆に第二記録媒体から第一記録媒体へ映像データを記録する)ダビング制御をする機能を有する。そして本実施例の映像記録装置は、この制御部でのダビング制御を予約にて行うための操作入力の際に、以下の構成によってさらにダビング元データの消去有無の指定入力用GUI画面を表示することを特徴とする。
【0020】
「ユーザインターフェイス部」(0204)は、ユーザからの操作入力を受付けるための機能を有し、例えばリモコン装置(送信機及び受光器)や操作ボタンなどの入力デバイス、および各種GUIを含むユーザインターフェイスプログラムなどによって実現することができる。そして、このユーザインターフェイス部は、後述するように連動する2種類のGUI画面を出力することを特徴とする。
【0021】
「保持部」(0205)は、ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する機能を有し、例えばHDDや不揮発性メモリ、その他の記録媒体などによって実現することができる。「操作結果」とは、ユーザインターフェイス部にて受付けた操作に関する情報をいい、具体的に、例えば、ユーザインターフェイス部の入力デバイスにて受付けた操作命令に応じた操作結果を上記各種記録媒体に記録する、という具合である。また、記録される操作結果としては、例えば入力された操作命令を示す識別情報や、操作に応じて実際に制御部にて制御された処理内容、またその処理による演算結果や処理結果を示す識別情報が挙げられる。また、その操作の受付時刻や操作に応じた制御の実行時刻、あるいは操作が予約操作であればその予約による制御の実行時刻なども操作結果として保持するよう構成しても良い。
【0022】
そして本実施例では、以下のGUIを介して入力される「ダビング予約の操作結果」と、「予約ダビングされる映像データの消去有無」が、この保持部に保持されることになる。
【0023】
「第一GUI手段」(0206)は、一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へ記録させる制御の予約をするかをユーザに入力させる画面を出力する機能を有し、例えば第一GUIプログラムなどによって実現できる。具体的な画面例としては、例えば図1(a)に示すような表示画面が挙げられる。この画面例では、ユーザの操作によって例えばダビングモードの選択入力がなされる。このとき例えばダビング予約1を選択すると、つづけてダビングするデータの指令入力およびダビングの予約実行時間の入力画面に遷移し、ダビング予約に関する操作入力を受付ける、という具合である。
【0024】
「第二GUI手段」(0207)は、第一GUI手段がユーザの前記入力を受け付ける際に、予約の実行に応じて前記一方の記録媒体に記録されているデータを消去するように制御するか、消去しないように制御するかをユーザに選択させる画面を出力する機能を有し、例えば第二GUIプログラムなどによって実現できる。具体的な画面例としては、例えば図1(b)に示すような表示画面が挙げられる。この画面は、上記ダビング予約のための入力画面遷移の後にディスプレイに表示され、ダビング実行後のダビング元のデータを消去するか否かの選択操作を受付ける、という具合である。なお、第一GUI手段による入力画面と第二GUI手段による入力画面とは、図1に示すように別々のページとして表示されても良い。あるいは図3に示すように1のページ内にダビング予約の選択操作とそのダビング元データの消去有無の選択操作とを受付ける画面がまとめて表示されるよう構成しても良い。
【0025】
そして、この第一GUI手段及び第二GUI手段にて出力された画面を介し入力されたダビング予約の操作命令、およびそのダビング予約実行後のダビング元データの消去有無に関する情報が、操作結果として前述の保持部に保持される、という具合である。
【0026】
図4は、この保持部で保持されている操作結果の一例を表す図である。この図にあるように、例えばID「2007_1228_1902_08ch」で識別される第一記録媒体に記録されている映像データに関し、2008年8月9日02時00分に第二記録媒体にダビング処理を行う操作結果が保持されている。そして、さらに、当該ダビング処理が実行された後、上記ダビング元の映像データの消去処理が実行される旨の操作結果が保持されている、という具合である。そして、この保持部に保持されている操作結果に応じて、例えばタスクスケジューラが生成され、制御部による第一記録部及び第二記録部の映像データのダビング制御が指定時刻に予約実行される。そして、そのダビング制御の実行後に、さらに制御部はダビング元データの記録されている一方の記録媒体の記録部を制御し、映像データの消去を行うことができる。
【0027】
このように本実施例の映像記録装置によって、ユーザはダビング予約の選択と時間をおかずにダビング元のデータ消去の選択をすることができる。つまり、予約によるダビングが実行された後、時間がたってしまったためにデータ内容の詳細を忘れるなどして再度確認するなど不必要な手間を生じさせずに済む。
【0028】
<ハードウェア構成>
図5は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像記録装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してダビング予約及びその後の映像データ消去処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像記録装置は、制御部であり、またその他の各種演算処理を実行する「CPU(中央演算装置)」(0501)と、「主メモリ」(0502)と、を備えている。また第一記録部である「第一記録回路」(0503)とHDDや、第二記録部である「第二記録回路」(0504)と次世代DVD及びそのドライブなども備えている。もちろん、第二記録媒体は第一記録媒体と同じHDDであっても良いし、両記録媒体の種類は限定されない。またその他に、保持部である「フラッシュメモリ」(0505)や、ユーザインターフェイス部である「VRAM」(0506)や「ディスプレイ」(0507)、そしてリモコンからの操作信号を受光する「受光器」(0508)なども備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」、「次世代DVD」、「フラッシュメモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0029】
ここで本実施例の映像記録装置は、図示しない「放送受信チューナ」や「外部映像入力回路」などにて取得した映像データを「HDD」に記録する。その後、リモコンからの操作信号を「受光器」にて受付ける。そして受付けた操作信号を復調すると「CPU」はユーザインターフェイスプログラムを解釈し、それにしたがって第一GUI画面をディスプレイに表示するためのデータを「主メモリ」のアドレス1に読み出す。そして、「VRAM」に第一GUI画面を描画し、「ディスプレイ」にて図1(a)に示すような画面を表示する。ユーザはディスプレイに表示された第一GUI画面を見ながらリモコンを操作する。そして、ユーザがダビング予約のための操作入力を行うことで、本実施例の映像記録装置はダビング予約のためのデータ、例えばダビングの対象となる映像データの識別情報やダビング予約の実行時刻などを示す操作信号を「受光部」にて受付ける。そして受付けた操作信号にて示されるダビング予約用の各種データを「主メモリ」のアドレス2に格納すると、つづけて「CPU」はユーザインターフェイスプログラムを解釈し、それにしたがって第二GUI画面をディスプレイに表示するためのデータを「主メモリ」のアドレス3に読み出す。そして、「VRAM」に第二GUI画面を描画し、「ディスプレイ」にて図1(b)に示すような画面を表示する。(もちろん、図3に示すように第一GUI画面と第二GUI画面を1画面内にまとめて表示するよう構成しても良い。)
【0030】
つづいてユーザはディスプレイに表示された第二GUI画面を見ながら、ダビング予約実行後にそのダビング元のデータを消去するか否かの選択入力操作を行う。すると映像記録装置は当該操作結果を「受光部」にて受付け、「主メモリ」のアドレス4に格納する。そして、消去予約操作の有無を示す情報を関連付けてダビング予約に関するデータを「フラッシュメモリ」に書き込む。その後、図示しない内蔵時計などからの時刻情報を参照し、予約時刻になると「CPU」が制御プログラムを解釈し、それに従い「HDD」からダビング元として指定された映像データを読み出す。そして、「第二記録回路」を制御し、読み出した映像データを「次世代DVD」など別の記録媒体に書き込む。また、このダビング予約処理に関して消去予約「有り」のフラグが関連付けられていれば、「CPU」は制御プログラムに従い「第一記録回路」を制御して、「HDD」に記録されているダビング元の映像データを、例えばダビング処理終了後に直ちに消去する、という具合である。
【0031】
<処理の流れ>
図6は、本実施例の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、例えばユーザからの操作入力などに応じて第一GUI画面をディスプレイに出力する(ステップS0601)。そして、ディスプレイに出力表示された第一GUI画面にしたがい、ユーザがリモコンなどの入力デバイスで入力したダビング予約の操作結果を受付ける(ステップS0602)と、つづけて第二GUI画面をディスプレイに表示する(ステップS0603)。なお、第一GUI画面と第二GUI画面は、図3に示すように1画面内に収まるようステップS0601にて同時に表示されるよう構成しても良い。そして第二GUI画面にしたがい、ユーザがリモコンなどで入力した消去予約有無の操作結果を受付ける(ステップS0604)と、それらの操作結果をフラッシュメモリなどの保持部に保持するため記録する(ステップS0605)。
【0032】
その後、内蔵時計などを参照し、現在時刻がダビング予約にて指定される予約時刻に到達した旨の判断結果が出力される(ステップS0606)と、保持部に保持されているダビング予約にしたがって一方の記録媒体の映像データを他方の記録媒体に記録する(ステップS0607)。つづいて、当該ダビング予約に関して「予約消去有り」を示す操作結果が保持部に保持されているか判断し(ステップS0608)、保持されていればダビング元となっている一方の記録媒体のデータを消去する(ステップS0609)。
【0033】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像記録装置によって、ユーザはダビング予約の選択と時間をおかずにダビング元のデータ消去の選択をすることができる。つまり、予約によるダビングが実行された後、時間がたってしまったためにデータ内容の詳細を忘れるなどして再度確認するなど不必要な手間を生じさせずに済む。
【0034】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例も、上記実施例1と同様に2つの記録媒体を有し、一方から他方の記録媒体にデータをダビングした際に、そのダビング元の映像データを自動的に消去する機能を備える映像記録装置である。そして、実施例1との相違点は、映像データをダビングした後の経過時間を測定し、所定時間が経過した場合にダビング元のデータを消去するよう構成されている点である。このように本実施例の映像記録装置によって、ユーザは一度ダビングしてバックアップなどが完了したデータを、不必要な手間をかけずに経過時間によって自動的に消去させることができる。
【0035】
<機能的構成>
図7は、本実施例の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像記録装置」(0700)は、実施例1と同様に「第一記録部」(0701)と、「第二記録部」(0702)と、「制御部」(0703)と、「ユーザインターフェイス部」(0704)と、「保持部」(0705)とを有する。なお、これらの構成要件については、上記実施例1にて記載したものと同様であるのでその説明は省略する。また上記実施例1と組み合わせて、図示しない「第一GUI手段」や「第二GUI手段」などを備えていても良い。そして本実施例では、映像記録装置の制御部が、「経過時間測定手段」(0706)と、「経過後消去手段」(0707)と、をさらに有することを特徴とする。
【0036】
「経過時間測定手段」(0706)は、制御部によるデータのダビング制御があった場合に、ダビング後の経過時間を測定する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、内蔵時計や外部時計からの時計情報の受信装置、経過時間測定プログラムなどによって実現できる。具体的に、ユーザインターフェイス部の機能によってユーザからのダビング操作(即実行型のダビング操作のほか、ダビング予約操作も含む)を受付けると、操作によって指定された映像データのダビング制御が実行される(ダビング予約であれば現在時刻が予約時刻に到達するとダビング制御が実行される)。そして、当該ダビング制御によるダビング処理が完了すると、その時点をカウント開始時刻として内蔵時計や外部時計から受信した時計情報を利用して経過時間のカウントを行う、という具合である。なお、経過時間のカウント開始のタイミングは、映像データのダビング完了時点のみならず、ダビング制御に関するタイミングであれば何れのタイミングであっても良い。例えばダビング予約であれば、その予約操作の受付け時点から経過時間のカウントを開始するよう構成しても良い(その場合には、もちろん映像データを消去する時点はダビング予約の実行時刻よりも後に来るよう構成される)。
【0037】
また本実施例では、「ユーザインターフェイス部」を、時間経過によってダビングされた元の映像データを消去するように制御するか、消去しないように制御するかをユーザに選択させる画面を出力するよう構成しても良い。その場合、例えば、ダビング操作の入力画面において、上記消去有無の操作結果も受付けて保持部に保持する、という具合である。あるいは、映像データの管理画面などにてデータ消去からの保護を示す操作結果などを受付け保持部に保持する。そして、その操作結果を、図8に示すように映像データの識別情報と関連付けて管理し、「消去無し」や「保護フラグ有り」のデータが関連付けられている映像データに関しては経過時間のカウントを行わない、といった構成としても良い。
【0038】
「経過後消去手段」(0707)は、経過時間測定手段で測定された経過時間が所定の時間となった場合に、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、経過後消去プログラムなどによって実現することができる。具体的には、例えば1分などのサイクルで前記経過時間測定手段によって測定された経過時間と所定の時間とを比較し、経過時間が所定の時間に達したか、または越えたかをCPUの論理演算処理によって判断する。そして、達した(越えた)との判断結果が出力された場合に、ダビング元のデータが記録されている記録部を制御し、映像データを消去する、という具合である。なお、この所定の時間は予め定められフラッシュメモリなどに保持されていると良い。またユーザインターフェイス部にてこの所定の時間の変更操作を受付けるための画面を出力するよう構成しても良い。
【0039】
このように本実施例の映像記録装置によって、ユーザは一度ダビングしてバックアップなどが完了したデータに関して、手間をかけることなく経過時間によって自動的に消去させることができる。
【0040】
<ハードウェア構成>
図9は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像記録装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して時間経過によるダビング元データの消去処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像記録装置は、実施例1と同様に「CPU」(0901)と、「主メモリ」(0902)と、「第一記録回路」(0903)とHDD、「第二記録回路」(0904)と次世代DVD及びそのドライブなどを備えている。またその他に、「フラッシュメモリ」(0905)や、「VRAM」(0906)や「ディスプレイ」(0907)、そしてリモコンからの操作信号を受光する「受光器」(0908)なども備えている。
【0041】
ここで本実施例の映像記録装置は、例えばHDD内に「放送受信チューナ」などで受信した映像データを記録している。その後リモコンからの操作信号を「受光器」にて受付けると、それにしたがってダビング操作受付用のGUI画面用データ、例えば録画リストなどを「主メモリ」のアドレス1に読み出す。そして当該GUI画面を、「VRAM」を介し「ディスプレイ」に表示する。そして表示されたGUI画面を介して受付けたダビング操作結果、例えばダビング元データの指定やダビング開始の実行命令などを「主メモリ」のアドレス2に格納する。
【0042】
すると「CPU」は制御プログラムを解釈し、それにしたがって「HDD」からダビング元として指定された映像データを読み出す。そして、「第二記録回路」を制御し、読み出した映像データを「次世代DVD」など別の記録媒体に書き込む。そしてさらに「CPU」は制御プログラムに含まれる経過時間測定プログラムに従い、当該ダビング処理の実行時刻を図示しない内蔵時計などから取得し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。つづいて「CPU」は経過後消去プログラムに従い、フラッシュメモリなどに保持されている所定の時間を「主メモリ」のアドレス4に読み出す。その後、例えば1分間など所定のサイクルで内蔵時計から取得される現在時刻と、「主メモリ」のアドレス3に格納されているダビング時刻と、から「CPU」の演算処理によって経過時間を算出する。そして算出した経過時間と、「主メモリ」のアドレス4に格納されている所定の時間との大小比較処理を「CPU」の論理演算処理によって実行する。そして、その比較判断処理の結果、経過時間が所定の時間に達した、または越えたとの判断結果が出力されると、「CPU」は経過後消去プログラムに従い、ダビング元の映像データをHDDから消去する処理を行う、という具合である。
【0043】
<処理の流れ>
図10は、本実施例の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、例えばダビング操作受付用のGUI画面、例えば録画リストなどをディスプレイに出力する(ステップS1001)。そして、ディスプレイに出力表示されたGUI画面を介して、ユーザがリモコンなどの入力デバイスで入力したダビング操作結果、例えばダビング元データの指定情報やダビングの実行命令などを受付ける(ステップS1002)と、その操作結果をフラッシュメモリなどの保持部に保持するため記録する(ステップS1003)。そして、受付けた操作結果に従って一方の記録媒体に記録された映像データを他方の記録媒体に記録するダビング処理を実行する(ステップS1004)。
【0044】
また、ダビング処理を実行した際のその実行時刻を取得し、内蔵時計から取得される現在時刻と合わせて、例えばそのダビング実行からの経過時間を測定する(ステップS1005)。そして測定した経過時間が所定の時間を経過したか否かを例えば所定のサイクルで判断し(ステップS1006)、所定時間経過したとの判断結果が出力されれば、ダビング元となっている一方の記録媒体のデータを消去する(ステップS1007)。
【0045】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像記録装置によって、ユーザは一度ダビングしてバックアップなどが完了したデータを、手間をかけることなく経過時間によって自動的に消去させることができる。
【0046】
≪実施例3≫
<概要>
本実施例も、上記実施例1や2と同様に2つの記録媒体を有し、一方から他方の記録媒体にデータをダビングした際に、そのダビング元の映像データを自動的に消去する機能を備える映像記録装置である。そして、実施例1や2との相違点は、映像データのダビング回数を測定し、所定回数のダビングが実行された段階でダビング元のデータを消去するよう構成されている点である。このように本実施例の映像記録装置によって、ユーザは所定の回数ダビングしてバックアップなどが完了したデータに関して、不必要な手間をかけずに自動的に消去させることができる。
【0047】
<機能的構成>
図11は、本実施例の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像記録装置」(1100)は、実施例1や2と同様に「第一記録部」(1101)と、「第二記録部」(1102)と、「制御部」(1103)と、「ユーザインターフェイス部」(1104)と、「保持部」(1105)とを有する。なお、これらの構成要件については、上記実施例1にて記載したものと同様であるのでその説明は省略する。また上記実施例と組み合わせて、図示しない「第一GUI手段」や「第二GUI手段」、あるいは「経過時間測定手段」や「経過後消去手段」などを備えていても良い。そして本実施例では、映像記録装置の制御部が、「回数カウント手段」(1106)と、「消去予定ダビング回数保持手段」(1107)と、「回数消去手段」(1108)と、をさらに有することを特徴とする。
【0048】
「回数カウント手段」(1106)は、制御部によるデータのダビング制御があった場合に、そのデータのダビング回数をカウントする機能を有し、CPUや主メモリ、フラッシュメモリ、回数カウントプログラムなどで実現することができる。そして、このようにダビング制御のたびにカウントしたダビング回数を、例えば図12に示すようにその映像データの識別情報と関連付けて管理し、フラッシュメモリなどに保持する。
【0049】
「消去予定ダビング回数保持手段」(1107)は、消去予定ダビング回数を保持する機能を有し、例えばフラッシュメモリやその他の各種記録媒体によって実現することができる。また「消去予定ダビング回数」とは、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための所定のダビング回数をいい、例えば実施例4で後述するように、その回数はユーザによって変更可能に構成しても良い。
【0050】
「回数消去手段」(1108)は、回数カウント手段でカウントされた回数が前記消去予定ダビング回数となった場合に、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、回数消去プログラムなどによって実現することができる。具体的には、ダビング制御が実行されるごとに、そのカウントされたダビング回数と消去予定ダビング回数とを比較し、カウント回数が消去予定ダビング回数に達したかをCPUの論理演算処理によって判断する。そして、達したとの判断結果が出力された場合に、ダビング元のデータが記録されている記録部を制御し、映像データを消去する、という具合である。
【0051】
このように本実施例の映像記録装置によって、ユーザは所定回数ダビングしてバックアップなどが完了したデータに関して、手間をかけることなく自動的に消去させることができる。また、前述の経過時間によるダビング元映像データの消去と同様、例えばユーザインターフェイス部にて映像データの保護有無の受付を行い、その操作結果に応じて「保護有り」の映像データに関してはダビング回数のカウントを行わず、消去対象としないように構成しても良い。
【0052】
<ハードウェア構成>
図13は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像記録装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用してダビング回数によるダビング元データの消去処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像記録装置は、実施例1や2と同様に「CPU」(1301)と、「主メモリ」(1302)と、「第一記録回路」(1303)とHDD、「第二記録回路」(1304)と次世代DVD及びそのドライブなどを備えている。またその他に、「フラッシュメモリ」(1305)や、「VRAM」(1306)や「ディスプレイ」(1307)、そしてリモコンからの操作信号を受光する「受光器」(1308)なども備えている。
【0053】
ここで本実施例の映像記録装置は、実施例2と同様に例えばHDD内に「放送受信チューナ」などで受信した映像データを記録している。その後リモコンからの操作信号を「受光器」にて受付けると、それにしたがってダビング操作受付用のGUI画面用データ、例えば録画リストなどを「主メモリ」のアドレス1に読み出す。そして、当該ダビング操作受付用のGUI画面を「VRAM」を介し「ディスプレイ」に表示する。そして表示されたGUI画面を介して受付けたダビング操作結果、例えばダビング元データの指定やダビング開始の実行命令などを「主メモリ」のアドレス2に格納する。
【0054】
すると「CPU」は制御プログラムを解釈し、それにしたがって「HDD」からダビング元として指定された映像データを読み出す。そして、「第二記録回路」を制御し、読み出した映像データを「次世代DVD」など別の記録媒体に書き込む。そしてさらに本実施例では、「CPU」は制御プログラムに含まれる回数カウントプログラムに従い、フラッシュメモリなどに保持されている当該映像データのダビング実行回数の数値を+1し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。つづいて「CPU」は回数消去プログラムに従い、フラッシュメモリなどに保持されている消去予定ダビング回数を「主メモリ」のアドレス4に読み出す。そして、「主メモリ」に格納したダビング回数と消去予定ダビング回数とが一致するか否かの判断処理を「CPU」の論理演算処理によって実行する。そして、その結果、両者が一致したとの判断結果が出力されると、「CPU」は回数消去プログラムに従い、ダビング元の映像データをHDDから消去する処理を行う、という具合である。
【0055】
<処理の流れ>
図14は、本実施例の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、例えばダビング操作受付用のGUI画面、例えば録画リストなどをディスプレイに出力する(ステップS1401)。そして、ディスプレイに出力表示されたGUI画面を介して、ユーザがリモコンなどの入力デバイスで入力したダビング操作結果、例えばダビング元データの指定情報やダビングの実行命令などを受付ける(ステップS1402)と、その操作結果をフラッシュメモリなどの保持部に保持するため記録する(ステップS1403)。そして、受付けた操作結果に従って一方の記録媒体に記録された映像データを他方の記録媒体に記録するダビング処理を実行する(ステップS1404)。
【0056】
また、そのダビング処理の実行に応じて、例えばフラッシュメモリなどに保持されている当該映像データのダビング回数Nを+1し、新たなダビング回数Nとする(ステップS1405)。そしてその+1されたダビング回数Nが予め保持されている消去予定ダビング回数αと一致したか(越えたか)を判断し(ステップS1406)、一致した(越えた)との判断結果が出力されれば、ダビング元となっている一方の記録媒体のデータを消去する(ステップS1407)。
【0057】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像記録装置によって、ユーザは所定の回数ダビングしてバックアップなどが完了したデータに関して、不必要な手間をかけずに自動的に消去させることができる。
【0058】
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は、上記実施例3を基本とし、ダビング元データの消去の判断基準となる「消去予定ダビング回数」の値を、ユーザが任意に変更できるよう構成したことを特徴とする映像記録装置である。
【0059】
<機能的構成>
図15は、本実施例の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像記録装置」(1500)は、実施例3を基本として、「第一記録部」(1501)と、「第二記録部」(1502)と、「制御部」(1503)と、「ユーザインターフェイス部」(1504)と、「保持部」(1505)と、「回数カウント手段」(1506)と、「消去予定ダビング回数保持手段」(1507)と、「回数消去手段」(1508)と、を有する。なお、これらの構成要件については、上記実施例にて記載したものと同様であるのでその説明は省略する。そして本実施例では、映像記録装置のユーザインターフェイス部が、「第三GUI手段」(1509)をさらに有することを特徴とする。
【0060】
「第三GUI手段」(1509)は、消去予定ダビング回数保持手段に保持された消去予定ダビング回数を変更するためのユーザインターフェイス画面を出力する機能を有し、例えば第三GUIプログラムなどによって実現できる。そして、表示した画面を見たユーザが例えばリモコンの数字ボタンを操作し、所望の消去予定ダビング回数を入力する、という具合である。そして、その入力された数値に消去予定ダビング回数を更新しフラッシュメモリなどに保持することで、ユーザの所望する回数だけダビングが実行されると、ダビング元の映像データを自動的に消去することができる。
【0061】
<処理の流れ>
図16は、本実施例の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、消去予定ダビング回数を変更するための第三GUIをディスプレイに出力する(ステップS1601)。そして、ディスプレイに出力表示されたGUI画面を介して、新しい消去予定ダビング回数を受付ける(ステップS1602)と、フラッシュメモリなどの消去予定ダビング回数保持手段にて保持されている消去予定ダビング回数を、受付けた新しい消去予定ダビング回数に変更する(ステップS1603)。
【0062】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像記録装置によって、ダビング元データの消去の判断基準となる「消去予定ダビング回数」の値を、ユーザが任意に変更できる。
【0063】
≪実施例5≫
<概要>
図17は、本実施例の映像記録装置に関するGUI画面の一例を表す図である。この図17(a)にあるように、例えばHDDに録画したデジタル放送などの高精細映像データを、DVDにダビングする旨の操作を受付ける。しかし高精細映像データはデータサイズが大きいため、そのままDVDにダビングする事はできない。そこで、図17(b)に示すように、解像度を640×480のSD(スタンダード)画質に落としたり、ビットレートをMV64(例えば6Mbps)に落としたりする、といった指定を行い、映像データのデータサイズがDVDの記録データサイズ内に収まるよう調整する。このように、映像データのダビングに際しては情報量を少なくし映像品質を下げてダビングをするケースもあり得る。そこで本実施例の映像記録装置は、このような情報量の削減を伴うダビングである場合には、映像品質を保った完全なバックアップなどができていないとして、ダビング元データの消去の優先順位を下げるなどの処理を行うことを特徴とする。
【0064】
<機能的構成> 図18は、本実施例の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像記録装置」(1800)は、実施例1と同様に「第一記録部」(1801)と、「第二記録部」(1802)と、「制御部」(1803)と、「ユーザインターフェイス部」(1804)と、「保持部」(1805)とを有する。なお、これらの構成要件については、上記実施例1にて記載したものと同様であるのでその説明は省略する。また上記他の実施例と組み合わせて、各実施例で説明した「第一GUI手段」などの構成要件をさらに備えていても良い。そして本実施例では、映像記録装置のユーザインターフェイス部が「第四GUI手段」(1806)をさらに有する点と、制御部が、「情報量判断手段」(1807)と、「消去優先情報生成手段」(1808)と、をさらに有する点を特徴とする。
【0065】
「第四GUI手段」(1806)は、一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へ記録させる制御をする際の記録条件をユーザに入力させる画面を出力する機能を有し、例えば第四GUIプログラムなどによって実現できる。具体的な画面例としては、例えば図17(b)に示すような表示画面が挙げられる。この画面例では、記録条件として例えば「解像度」や「ビットレート」、「フレームレート」、「圧縮形式」などの条件を入力するよう構成されている。その他にも記録条件としては、例えば、Iフレーム(フレーム間予測を用いずに符号化されるフレーム)の出現頻度や、量子化係数などの条件が挙げられる。そして、本実施例の映像記録装置では、ダビング制御を行う際にここで指定された条件で、例えば解像度やビットレート、フレームレートを下げたり、圧縮形式を元データと異なる圧縮形式に変えて映像データを変換し、情報量を削減した上でダビングを行うことができる、という具合である。
【0066】
「情報量判断手段」(1807)は、第四GUI手段を利用して入力された記録条件による記録が元データに対してデータの情報量を少なくする記録であるか否かを判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、情報量判断プログラムなどによって実現できる。具体的には、例えば元の映像データにおける「解像度」や「ビットレート」、「フレームレート」等の情報を映像データのメタタグなどから取得し、第四GUI手段にて受付けた記録条件と比較する。そして「CPU」の大小比較判断によって、各数値のいずれかの減少率が所定の割合よりも下がっていると判断された場合に、データの情報量が少なくなったと判断する、という具合である。また、この情報量の判断処理は、上記のようにダビング前後の各種条件を比較してダビングの前に演算しても良いし、実際に上記記録条件でダビングを行った映像データのデータ量を取得して、それをダビング元のデータ量と比較することでデータ量が少なくなったか否かを判断しても良い。
【0067】
なお前述のように、本実施例では映像品質を保ったままで映像データのバックアップができているか否か、を判断するために情報量の削減を判断している。しかし圧縮形式を圧縮効率の高いものに変更した場合(例えばMpeg2圧縮形式の映像データをH.264/AVC圧縮形式の映像データに変更するなどの場合)、ビットレートが大幅に減少し情報量が削減されても映像品質がほとんど変わらないと言われている。そこで、記録条件による圧縮形式の変更が上記のような圧縮効率が高くなる形式への変更である場合には、ビットレートなどが当初のものより大幅に下がってもデータの情報量が少なくなったと判断しないよう構成しても良い。
【0068】
「消去優先情報生成手段」(1808)は、情報量判断手段での判断結果に応じてその記録条件による記録が行われた後の元データの消去の優先度を定める機能を有し、例えばCPUや主メモリ、消去優先情報生成プログラムなどによって実現できる。具体的に、情報量が少なくなる記録条件でダビングが実行されたとの判断結果である場合には、前述のように映像品質が落ちた状態でダビングされたと想定することができる。そこで、完全にバックアップがされていないとして、当該ダビング元の映像データに関して優先度が低い消去優先情報を生成する、という具合である。また、その消去優先情報の算出方法としては、例えば前述のビットレートの下がり幅などの数値を所定の関数に代入して算出するなどの方法が挙げられる。
【0069】
なお、ここで定められる消去の優先度については、例えば消去候補リストをユーザに提示する際のリストの並び順に利用などすると良い。あるいは、上記実施例2の映像記録装置と組み合わせて例えば優先度に応じて所定の時間を決定するよう構成しても良い。そのようにして、消去優先度の低い映像データの場合には、そうでない場合よりも長い時間経過で消去することができる。あるいは、実施例3と組み合わせて例えば優先度に応じて消去予定ダビング回数を決定するよう構成しても良い。そのようにして、消去優先度の低い映像データの場合には、そうでない場合よりも多い回数ダビングすることができる。
【0070】
以上のように本実施例の映像記録装置によって、情報量の削減を伴うダビングである場合には、映像品質を保った完全なバックアップなどができていないとして、ダビング元データの消去の優先順位を下げることができる。
【0071】
<ハードウェア構成>
図19は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像記録装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して記録条件を変えたダビングに応じた消去優先情報の生成処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像記録装置は、実施例1などと同様に「CPU」(1901)と、「主メモリ」(1902)と、「第一記録回路」(1903)とHDD、「第二記録回路」(1904)と次世代DVD及びそのドライブなどを備えている。またその他に、「フラッシュメモリ」(1905)や、「VRAM」(1906)や「ディスプレイ」(1907)、そしてリモコンからの操作信号を受光する「受光器」(1908)なども備えている。
【0072】
ここで本実施例の映像記録装置は、例えばHDD内に「放送受信チューナ」などで受信した映像データを記録している。その後リモコンからの操作信号を「受光器」にて受付けると、それにしたがってダビング記録条件受付用の第四GUI画面用データを「主メモリ」のアドレス1に読み出す。そして第四GUI画面を「VRAM」を介し「ディスプレイ」に表示する。そして表示された図17に示すようなGUI画面を介して受付けたダビングの記録条件、例えば解像度やビットレートの指定条件、およびダビングの実行命令などを「主メモリ」のアドレス2に格納する。
【0073】
すると「CPU」は制御プログラムを解釈し、それにしたがって「HDD」からダビング元として指定された映像データを読み出す。そして、「第二記録回路」を制御し、読み出した映像データを指定された記録条件で「次世代DVD」など別の記録媒体に書き込む。そしてさらに「CPU」は制御プログラムに含まれる情報量判断プログラムに従い、元の映像データのメタタグデータなどからその解像度やビットレートの情報を取得する。そして、記録条件で示される解像度やビットレートが、元の解像度やビットレートからどれだけ減少しているかなどを示す減少割合を「CPU」の演算処理によって算出し、情報量判断結果として「主メモリ」のアドレス3に格納する。つづいて「CPU」は消去優先情報生成プログラムに従い、フラッシュメモリなどに保持されている所定の関数を読み出し、当該関数に前述の減少割合の数値を代入する。そして「CPU」の演算処理によって当該減少割合が代入された関数を計算し、その計算結果を消去優先情報として「主メモリ」のアドレス4に格納する。もちろん、消去優先情報の算出は上記のような減少割合や関数を利用した処理に限定されず、例えば減少割合と優先値とを対応付けたテーブル表を利用するなどさまざまであって良い。そして、その算出された消去優先情報を利用して例えば消去候補リストの並び順を決定したり、前述の実施例2や3の映像記録装置における所定の時間や消去予定ダビング回数の決定処理に利用する、という具合である。
【0074】
<処理の流れ>
図20は、本実施例の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、例えば図17に示すようなダビングの記録条件受付用の第四GUI画面をディスプレイに出力する(ステップS2001)。そして、ディスプレイに出力表示された第四GUI画面を介して、ユーザがリモコンなどの入力デバイスで入力した記録条件、例えば解像度やビットレートなどを受付ける(ステップS2002)と、その操作結果をフラッシュメモリなどの保持部に保持するため記録する(ステップS2003)。そして、受付けた記録条件によってダビングした場合のダビング先のデータの情報量を演算し(ステップS2004)、演算の結果ダビングの前後で情報量が少なくなるか否かを判断する(ステップS2005)。
【0075】
そして判断の結果、情報量が少なくなると判断される場合は、例えば映像品質を保った完全なダビングができていないとして、ダビング元の消去の優先度が低くなるよう消去優先情報を生成する(ステップS2006Y)。また、ステップS2005での判断の結果、情報量が変わらない(多くなる)と判断される場合は、例えば映像品質を保った完全なダビングができているとして、ダビング元の消去の優先度が高くなるよう消去優先情報を生成する(ステップS2006N)。そして、記録条件にしたがって映像データのダビング処理を実行する(ステップS2007)。なお、上記ステップS2004におけるダビング先データの情報量の演算は、上記ステップS2007のデータのダビング後に、実際の記録データ量を取得することで実行しても良い。
【0076】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像記録装置では、情報量の削減を伴うダビングである場合には映像品質を保った完全なバックアップなどができていないなどとして、ダビング元データの消去の優先度を下げるなどの処理を行うことができる。したがって、例えば消去候補リストの並び順をその優先度に応じて並び替えたり、上記その他の実施例の映像記録装置と組み合わせて、所定の時間や消去予定ダビング回数を優先度に応じて決定することができる。
【0077】
≪実施例5≫
<概要>
図21は、本実施例の映像記録装置に関するGUI画面の一例を表す図である。この図21(a)にあるように、火曜9時に定期的に放送されている連続ドラマの1話から3話までが本実施例の映像記録装置のHDDなどに録画記録されている。そして、この記録保持されている映像データのうち、「ドラマ第2話」αに関しては制御部のダビング制御によって次世代DVDなどにダビング済みである。すると図21(b)に示すように、本実施例の映像記録装置は次の「ドラマ第4話」βを録画する際に、そのダビング済みの「ドラマ第2話」への上書記録として処理することを特徴とする。このようにして本実施例の映像記録装置では、ユーザが手間をかけることなく上書にて効率的にダビング済みのデータを消去できる。
【0078】
<機能的構成>
図22は、本実施例の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「映像記録装置」(2200)は、実施例1と同様に「第一記録部」(2201)と、「第二記録部」(2202)と、「制御部」(2203)と、「ユーザインターフェイス部」(2204)と、「保持部」(2205)とを有する。なお、これらの構成要件については、上記実施例1にて記載したものと同様であるのでその説明は省略する。また上記他の実施例と組み合わせて、各実施例で説明した「第一GUI手段」などの構成要件をさらに備えていても良い。そして本実施例では、映像記録装置のユーザインターフェイス部が「第五GUI手段」(2206)と「第六GUI手段」(2207)をさらに有する点と、制御部が「上書制御手段」(2208)をさらに有する点を特徴とする。
【0079】
「第五GUI手段」(2206)は、所定のインターバルで入手する更新データを記録媒体に繰返記録する制御をするための予約情報をユーザに入力させる画面を出力する機能を有し、例えば第五GUIプログラムなどで実現することができる。具体的には、例えば図23(a)に示すような番組録画のための予約入力画面が挙げられる。このような番組の予約録画においては、例えば連続ドラマなどを録画するために「毎週日曜日」α、あるいは「月から金」といった具合に映像データを繰返し記録するための所定のインターバルを指定することができる。そして、このようにして繰返し録画される映像データ群は関連性の高いものであるので、最新の映像データを繰返し記録する際には、以下の構成によってダビング済みで古い映像データへの上書きで記録する、という具合である。
【0080】
なお本実施例では、上記第五GUIに替わって図23(b)に示すようなGUI画面を出力するよう構成しても良い。このGUIでは、例えば「キーワード」や「ジャンル」などの指定入力を受付けることで、指定キーワードなどに合致する映像データを自動的に繰返し録画することができる。ただし、この場合繰返し記録される映像データは所定のインターバルで更新されるものとは限らないが、このキーワードにより繰返し録画される映像データ群もやはり関連性の高いものであるので、以下の構成によってダビング済みで古い映像データへの上書きで記録すると良い。
【0081】
「第六GUI手段」(2207)は、一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へダビングする制御をするための命令をユーザに入力させる画面を出力する機能を有し、例えば第六GUIプログラムなどによって実現できる。
【0082】
「上書制御手段」(2208)は、前記予約情報に基づく繰返記録を、制御部によるデータのダビング制御があったデータへの上書記録とする機能を有し、例えば上書制御プログラムなどで実現することができる。具体的には、上記第五GUI手段で受付けた予約情報αに基づいて繰返し記録された映像データ群に関して同一の識別情報を付加しデータベースにて管理する。また、第六GUI手段で受付けた操作結果に応じてダビング制御を行った場合、前記データベースの映像データに録画済フラグなどを付加し管理する。そして予約情報αに基づく最新の映像データを記録する際には、当該データベースを参照し、予約情報αの識別情報が関連付けられ、かつ録画済フラグが付加されている映像データを特定し、その映像データに対する上書処理を実行する、という具合である。なお「上書処理」とは、最新の映像データの記録と前記特定された映像データの消去とが同時に行われる処理形態のみならず、最新の映像データの記録の直後に自動的に前記特定された映像データが消去されるなどの処理形態も含む概念である。
【0083】
このようにして本実施例の映像記録装置では、ユーザが手間をかけることなく効率的にダビング済みのデータを消去できる。
【0084】
<ハードウェア構成>
図24は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、映像記録装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して繰返し記録に係る上書処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、映像記録装置は、実施例1などと同様に「CPU」(2401)と、「主メモリ」(2402)と、「第一記録回路」(2403)とHDD、「第二記録回路」(2404)と次世代DVD及びそのドライブなどを備えている。またその他に、「フラッシュメモリ」(2405)や、「VRAM」(2406)や「ディスプレイ」(2407)、そしてリモコンからの操作信号を受光する「受光器」(2408)なども備えている。
【0085】
ここで本実施例の映像記録装置は、リモコンからの操作信号を「受光器」にて受付けると、それにしたがって第五GUI画面用データを「主メモリ」のアドレス1に読み出し、「VRAM」を介して「ディスプレイ」に表示する。そして「ディスプレイ」に表示された図23に示すようなGUI画面を介して受付けた繰返し記録のための予約情報、例えば指定の繰返し日時やチャンネル情報などを「主メモリ」のアドレス2に格納する。その後「CPU」は制御プログラムを解釈し、予約情報に応じた「第一記録回路」の制御を行い図示しない「放送受信チューナ」などで受信した映像データをHDDなどに繰返し記録していく。またこの際、一の予約情報にて繰返し記録される映像データ群に関しては同じ識別情報を関連付けて「フラッシュメモリ」内の予約管理データベース(DB)などにて管理する。
【0086】
また、上記処理とは別に本実施例の映像記録装置は、リモコンからの操作信号を「受光器」にて受付けると、それにしたがって第六GUI画面用データを「主メモリ」のアドレス3に読み出し、「VRAM」を介して「ディスプレイ」に表示する。そして当該GUI画面を介して受付けたダビング操作命令を「主メモリ」のアドレス4に格納する。すると「CPU」は制御プログラムを解釈し、それにしたがって「HDD」からダビング元として指定された映像データを読み出す。そして、「第二記録回路」を制御し、読み出した映像データを「次世代DVD」など別の記録媒体に書き込む。またそのダビング制御を実行したことを示すフラグ情報などを、前述の予約管理データベースに付加し管理する。
【0087】
その後、第五GUI画面を介して受付けた予約情報に応じて最新の映像データをHDDに記録する際には、「CPU」は上書制御プログラムを解釈し、それに従い以下の処理を行う。すなわち「フラッシュメモリ」に保持されている予約管理データベースを参照し、同じ予約情報に基づく古い映像データ群の中でダビング済みのフラグ情報が付加されているものがあるか論理演算によって判断する。そして、そのような映像データが特定される場合には、最新の映像データの記録がその特定された映像データへの上書記録となるよう「第一記録回路」を制御する、という具合である。
【0088】
<処理の流れ>
図25は、本実施例の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、例えばユーザからの操作入力などに応じて第五GUI画面をディスプレイに出力する(ステップS2501)。そして、ディスプレイに出力表示された第五GUI画面にしたがい、ユーザがリモコンなどの入力デバイスで入力した繰返し記録のための予約情報の操作結果を受付ける(ステップS2502)と、その操作結果を例えばフラッシュメモリなどの保持部に保持するため記録する(ステップS2503)。
【0089】
また上記処理とは別に、例えばユーザからの操作入力などに応じて第六GUI画面をディスプレイに出力する(ステップS2504)。そして、ディスプレイに出力表示された第六GUI画面にしたがい、ユーザがリモコンなどの入力デバイスで入力したダビング操作結果を受付ける(ステップS2505)と、この操作結果も例えばフラッシュメモリなどの保持部に保持するため記録する(ステップS2506)。そして、このダビング操作命令にしたがって一方の記録媒体の映像データを他方の記録媒体に記録する(ステップS2507)。そして、その後保持部に保持されている予約情報に基づく繰返し記録を実行する際には、ステップS2507にてダビング制御されたデータへの上書記録として実行する(ステップS2508)。
【0090】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の映像記録装置によって、ユーザが手間をかけることなく上書にて効率的にダビング済みのデータを消去できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例1の映像記録装置に関するGUI画面の一例を表す図
【図2】実施例1の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1の映像記録装置において、第一GUI画面と第二GUI画面とを一画面内に収めた場合の画面例を表す図
【図4】実施例1の映像記録装置の保持部で保持されている操作結果の一例を表す図
【図5】実施例1の映像記録装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図6】実施例1の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図7】実施例2の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図
【図8】実施例2の映像記録装置の保持部で保持されている操作結果の一例を表す図
【図9】実施例2の映像記録装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図10】実施例2の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図11】実施例3の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例3の映像記録装置の回数カウント手段にてカウントされたダビング回数の管理データの一例を表す図
【図13】実施例3の映像記録装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図14】実施例3の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図15】実施例4の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図
【図16】実施例4の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図17】実施例5の映像記録装置に関するGUI画面の一例を表す図
【図18】実施例5の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図
【図19】実施例5の映像記録装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図20】実施例5の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図21】実施例6の映像記録装置に関するGUI画面の一例を表す図
【図22】実施例6の映像記録装置における機能ブロックの一例を表す図
【図23】実施例6の映像記録装置における第五GUI画面の一例を表す図
【図24】実施例6の映像記録装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図25】実施例6の映像記録装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【符号の説明】
【0092】
0200 映像記録装置
0201 第一記録部
0202 第二記録部
0203 制御部
0204 ユーザインターフェイス部
0205 保持部
0206 第一GUI手段
0207 第二GUI手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一記録媒体を有する第一記録部と、
第二記録媒体を有する第二記録部と、
記録部を制御する制御部と、
ユーザインターフェイス部と、
ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、
からなる映像記録装置であって、
ユーザインターフェイス部は、
一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へ記録させる制御の予約をするかをユーザに入力させる画面を出力する第一GUI手段と、
第一GUI手段がユーザの前記入力を受け付ける際に、予約の実行に応じて前記一方の記録媒体に記録されているデータを消去するように制御するか、消去しないように制御するかをユーザに選択させる画面を出力する第二GUI手段と、
を有する映像記録装置。
【請求項2】
第一記録媒体を有する第一記録部と、
第二記録媒体を有する第二記録部と、
記録部を制御する制御部と、
ユーザインターフェイス部と、
ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、
からなる映像記録装置であって、
制御部は、
制御部によるデータのダビング制御があった場合に、ダビング後の経過時間を測定する経過時間測定手段と、
経過時間測定手段で測定された経過時間が所定の時間となった場合に、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための経過後消去手段と、
を有する映像記録装置。
【請求項3】
第一記録媒体を有する第一記録部と、
第二記録媒体を有する第二記録部と、
記録部を制御する制御部と、
ユーザインターフェイス部と、
ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、
からなる映像記録装置であって、
制御部は、
制御部によるデータのダビング制御があった場合に、そのデータのダビング回数をカウントする回数カウント手段と、
ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための所定のダビング回数である消去予定ダビング回数を保持する消去予定ダビング回数保持手段と、
回数カウント手段でカウントされた回数が前記消去予定ダビング回数となった場合に、ダビング元のデータを消去するように記録部を制御するための回数消去手段と、
を有する映像記録装置。
【請求項4】
ユーザインターフェイス部は、
消去予定ダビング回数保持手段に保持された消去予定ダビング回数を変更するためのユーザインターフェイス画面を出力する第三GUI手段をさらに有する請求項3に記載の映像記録装置。
【請求項5】
第一記録媒体を有する第一記録部と、
第二記録媒体を有する第二記録部と、
記録部を制御する制御部と、
ユーザインターフェイス部と、
ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、
からなる映像記録装置であって、
ユーザインターフェイス部は、
一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へ記録させる制御をする際の記録条件をユーザに入力させる画面を出力する第四GUI手段を有し、
制御部は、
第四GUI手段を利用して入力された記録条件による記録が元データに対してデータの情報量を少なくする記録であるか否かを判断する情報量判断手段と、
情報量判断手段での判断結果に応じてその記録条件による記録が行われた後の元データの消去の優先度を定める消去優先情報を生成する消去優先情報生成手段と、
を有する映像記録装置。
【請求項6】
第一記録媒体を有する第一記録部と、
第二記録媒体を有する第二記録部と、
記録部を制御する制御部と、
ユーザインターフェイス部と、
ユーザインターフェイス部への操作結果を保持する保持部と、
からなる映像記録装置であって、
ユーザインターフェイス部は、
所定のインターバルで入手する更新データを記録媒体に繰返記録する制御をするための予約情報をユーザに入力させる画面を出力する第五GUI手段と、
一方の記録媒体のデータを他方の記録媒体へダビングする制御をするための命令をユーザに入力させる画面を出力する第六GUI手段と、を有し、
制御部は、
前記予約情報に基づく繰返記録を、制御部によるデータのダビング制御があったデータへの上書記録とする上書制御手段と、
を有する映像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−92512(P2010−92512A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258520(P2008−258520)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】