説明

時計

【課題】簡単な構成で、かつ、時刻などを証明することができる装置を提供することができる時計を提供する。
【解決手段】時刻を計時する計時部11、計時部11で計時されている時刻を表示する勤務情報表示部14と、個々の時計10を特定するための識別情報を記憶する生成装置情報記憶部18と、生成装置情報記憶部18に記憶されている当該時計の識別情報及び計時部11で計時する現在時刻情報に基づいて、識別情報と現在時刻情報を含んだ時刻に応じて異なる管理情報としての勤務情報を生成する勤務情報生成部12と、勤務情報生成部12で生成された勤務情報を出力する勤務情報出力部13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻を証明するための時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ある所定の場所に行った時間や、何かを行った時間を、簡単かつ確実に証明することが望まれている。
その一例として、従業員等の勤務時間を管理するためのタイムレコーダが知られている。タイムレコーダの一例として、最近では通信ネットワークを介して従業者の出退時刻等の勤怠管理を行うようにした、所謂ネットワークタイムレコーダが利用されている。このようなネットワークタイムレコーダによる従業者の出退時刻等の勤怠管理の手段としては、例えば、社員証カードとカードリーダを備える専用端末機と管理パソコンとで構成されるシステムであって、社員が出退社時等に、出入口に設置されたカードリーダを備える専用端末機から社員証カードに記録されている社員コードを読み取らせ、社員コードに対応した出退社データ、休暇データ等を入力して専用端末機のメモリに記録し、専用端末機に記録されたデータを管理装置に送信して、管理装置にてそれらのデータを集計することにより社員の勤怠管理を行うようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−115021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、時間を管理するシステムとして、専用のタイムレコーダの装置を勤務先などの場所に配置する必要があるため端末の価格が高くなってしまうという問題があった。
【0005】
また、上述の従来例のように、端末装置をネットワークで接続し、センタ(管理装置)側の時間をもって時刻を確定しようとすると、ネットワークを使った大掛かりシステムとなってしまうし、また通信回線のダウンなどによりセンタ側へアクセスできなかった場合のフォローなどを行わなければならないなどの問題があった。
【0006】
また、従業員等が持っている時計(腕時計や携帯電話端末の時計等)の時刻を勤務時間などの認証が必要な時間として利用しようとすると、各時計により誤差がでてしまうばかりか、その時計を持っている従業員等が不正にこの時間を変更することとができるなどの問題点があった。
【0007】
また、例えば、置時計などに表示された時刻を所定の紙(例えば、出勤簿など)に書き取って記録することも考えられるが、書き取った時刻を不正に改竄される恐れがあるあるばかりか、だれが、いつ、どこで書き取ったのかを証明することができないなどの問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであって、簡単な構成で、かつ、時刻などを証明することができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の一の観点にかかる時計は、時刻を計時する計時手段と、計時手段で計時されている時刻を表示する表示手段と、個々の時計を特定するための識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、上記識別情報記憶手段に記憶されている当該時計の識別情報及び上記計時手段で計時する現在時刻情報に基づいて、上記識別情報と上記現在時刻情報を含んだ時刻に応じて異なる管理情報を生成する管理情報生成手段と、上記管理情報生成手段で生成された管理情報を出力する管理情報出力手段とを有することを特徴とする。
【0010】
これにより、上記管理情報生成手段で生成され、上記管理情報出力手段で出力された管理情報を取得することで、当該管理情報を取得した者が、いつ、何処(どの勤務地)へ行ったかを証明できることとなる。すなわち、この管理情報は、個々の時計を特定するための識別情報と、現在時刻を特定する現在時刻情報を含んでいるので、その時間、その場所に居なければ到底取得することの出来ない情報の一つであるので、非常に信頼性が高いデータとして利用することができる。
したがって、この時計を利用することで、例えば、従業者を基準とした勤怠管理のデータとして利用することが出来る管理情報を容易に生成、出力することが出来るので、上記時計は従業者の勤務状況のデータを収集する仕組みに利用することができる。
【0011】
また、本発明では、前記管理情報出力手段は、画像読取手段を具備する携帯通信端末で読み取り可能となるように前記管理情報を画像情報に変換して上記表示手段に出力してもよい。
これにより、画像読取手段を具備する携帯通信端末で管理情報を読み取り、当該携帯通信端末の通信機能を利用して所定の管理機関へ上記管理情報を送信することで、省スペース、低コストでデータを収集し、容易に当該データを処理することが出来る。しかも、画像情報をバーコードとすれば、時刻などのデータを改竄することができないし、近年普及しているバーコード読み取り機能付きの携帯電話機を用いて管理情報を簡単に取得、送信することが出来る。
【0012】
また、本発明では、前記勤務情報出力手段は、無線送受信手段を具備する携帯通信端末で情報の授受が可能となるように前記管理情報を無線により送信するものとしても良い。
これにより、無線送受信手段を具備する携帯通信端末で管理情報を受信し、当該携帯通信端末の通信機能を利用して所定の管理機関へ上記管理情報を送信することで、省スペース、低コストで従業者の勤務状況のデータを収集し、容易に当該データを処理することが出来る。
【0013】
さらに、標準時刻を表す標準電波を受信する標準時刻電波受信手段と、上記標準時刻電波受信手段で受信された標準電波に基づき、前記計時部の時刻情報を標準時刻に修正する計時情報修正手段とをさらに有してもよい。
これにより、計時部の時刻情報が、標準時刻電波受信手段で受信された標準電波に基づいて計時情報修正手段によって修正され、何処の勤務先へ行っても正確に時間を管理することが出来る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従業者(勤務者)を基準として、この従業者が、いつ、何処(どの勤務先)で勤務したのかその勤務状況を示すデータを、簡単かつ安価な構成により確実にかつ効率良く把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の時計を利用したシステムの一実施形態として、勤務先に設置される勤務情報生成装置と、勤務先に勤務する勤務者が操作する勤務情報取得装置とから構成されるシステムの一例について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る勤務認証システムの一例を示す概略図である。また、図2は、本実施の形態に係る勤務認証システムに用いる勤務情報生成装置と勤務情報取得装置の機能ブロック図である。
【0016】
本実施の形態における勤務認証システムは、勤務情報生成装置としての液晶バーコード表示装置(以下、「時計」と言う。)10と、勤務情報取得装置としてのカメラ付携帯電話機20Aとから構成されている。
【0017】
時計10は、従業員等の勤務者が勤務する勤務先に設置された端末であって、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムや所定のデータを記憶することが出きるRAM、ROMなどの内部メモリなどにより図2に示す機能ブロックを構成することができる。
図2に示した機能ブロックは、計時部11と、勤務情報生成部12と、勤務情報出力部13と、勤務情報表示部14と、標準時刻電波受信部15と、計時情報修正部16と、ログ情報記憶部17と、生成装置情報記憶部18と、勤務情報表示指示部19から構成されている。
【0018】
計時部11は、時間を計時するクロック手段である。
この計時部11は、標準電波送信所100より送信される標準電波を受信して計時情報(例えば、年、月、日、時、分、秒)を修正する所謂電波時計となっている。
【0019】
勤務情報生成部12は、少なくとも時計10の識別情報(IDなど)を含んだ勤務情報を生成する処理を行う。この勤務情報は、本実施の形態ではバーコードである。時計10の識別情報は、時計10を個々に特定するために付与された固有の文字、数字などからなる情報である。したがって、時計10では、計時部11が出力する現在時刻及び識別情報を含んだ内容を勤務情報としてのバーコードに変換することができる。これにより、生成されるバーコード情報は、現在時刻をキーとして毎回異なるバーコードが生成されることとなる。
なお、勤務情報に含まれるデータとしては、これに限らず、ログ情報記憶処理部17が作成し、内部メモリに記憶しておいたログデータを含めて生成してもよい。
【0020】
ここで、勤務情報生成部12が生成する勤務情報としてのバーコードとしては、二次元バーコードを用いることができる。二次元バーコードとしては、QRコード、ベリコードなどを用いてもよい。このバーコードの生成は、勤務情報生成部12が、USS規格などに従ってバーコードを生成することができる。
なお、バーコードとしては、二次元バーコードに限らず一次元バーコードでもよく、一次元バーコードとしては、JANコード、EAN−128コードなどを用いてもよい。
【0021】
勤務情報出力部13は、生成された勤務情報を勤務情報表示部14にて表示出力させる処理を行う。また、勤務情報表示部14は、勤務情報出力部13より出力された勤務情報を認識可能な画像データとして表示部に表示する処理を行う。なお、出力は必ずしも画像に限らず、例えば、勤務情報出力部13がスピーカー等により音声により出力するようにしてもよい。
なお、勤務情報であるバーコードの表示部として、本実施の形態では液晶を用いているが、EL(エレクトロルミネセンス)や、その他の発光素子を用いることもできる。
【0022】
標準時刻電波受信部15は、日本標準時刻を基準とする標準電波を受信する処理を行う。また、計時情報修正部16は、標準時刻電波受信部15で受信された標準電波に基づき、計時部11の時刻情報(時刻及びカレンダ)を修正する処理を行う。
【0023】
ログ情報記憶処理部17は、計時部11により計時される計時情報が、計時情報修正部16によるものではなく物理的に任意に変更した場合のログ、及び時計10への通電状態が中断したログを内部メモリに記憶する処理を行う。具体的には、バーコード置時計10の裏面等に図示しない時刻修正用のボタン(或いはツマミ)などを設けておき、日時をログとして内部メモリに記憶することができる。また、ログ情報記憶処理部17が通電状態を監視し、電源コンセントから通電が遮断された日時をログとして内部メモリに記憶することができる。
なお、通電が遮断した場合にもログを残すため、バーコード時計10内に図示しないコンデンサなどの蓄電部を設けておき、ログ情報記憶処理部17及び内部メモリがログを記憶できるように構成することができる。
【0024】
生成装置情報記憶部18は、個々の時計10を特定するための識別情報を記憶できる記憶部である。この識別情報は、個々の時計10に固有の情報であって、例えば、時計10の出荷時に予めROM等の内部メモリに記憶させて設定しておくことができる。
【0025】
勤務情報表示指示部19は、勤務情報を勤務情報表示部14にて表示させる指示を受付ける処理を行う。すなわち、勤務情報表示指示部19で勤務情報の表示指示を受け付けると、勤務情報生成部12で生成された勤務情報を勤務情報出力部13より出力し、勤務情報表示部14にて表示する。したがって、本実施形態の場合、勤務情報は常時表示部に表示されているものではなく、たとえば、時計10の表面に設けられた表示ボタン10bを押圧されることで、勤務情報表示指示部19へ識別情報表示の指示が伝達され、この勤務情報表示指示部19による指示に基づき予め設定されている一定時間(例えば、10秒間)だけ表示されるものである。この表示ボタン10bは物理的なボタンを設けても良いし、勤務情報表示部14をタッチパネルとして、そこにボタンを表示して感圧操作するようにしてもよい。
【0026】
これらの構成により、時計10は、標準時刻電波受信部15が標準電波を受信し、計時情報修正部16が受信した標準電波に基づき計時部11の時刻情報を標準時刻に修正し、所定の時期もしくは勤務情報表示指示部19にて勤務情報の表示が指示されると、勤務情報生成部12が計時部11及びログ情報記憶部17を参照し、生成装置情報記憶部18に記憶されている生成装置情報を含んだ勤務情報を勤務情報出力部13より出力し、勤務情報表示部14にて表示するようになっている。
【0027】
また、この時計10は、勤務先への設置後、移動による不正を防止するために勤務先に固定すると良い。また、時計10は、当該装置へ給電するための給電コード10aを有する。この給電コード10aの先端プラグ部(図示せず)は勤務先の電源コンセントに差し込まれている。そして、通常は電源コンセントから給電されることにより動作するようになっている。
なお、本発明はこれに限らず、電池式のバーコード式置時計10であってもよい。
【0028】
なお、このコンセントから給電する場合、ネットワークに接続するために用意された所謂情報コンセントであれば、IPアドレスを割り振っておくことなどにより時計10の設置場所が分かり、移動されたか否かがわかるものとなる。
また、本発明では、GPS(衛星測位システム)等の位置測定技術を用いて、時計10が移動したことがわかるようにしても良い。また、歩数計のように移動することで一緒に動く錘等を内部に設け、この錘等が動いたことをカウントすることで、バーコード付時計10が移動したことを検知し、そのログを内部メモリに記憶するようにしてもよい。
【0029】
カメラ付携帯電話機20Aは、勤務先に勤務する従業員等の勤務者が所持し、操作するものであって、CPU、コンピュータプログラム、RAM・ROM等の記憶部により、取得部21と、記憶部22と、表示部23の機能ブロックを構成することができる。
【0030】
取得部21は、時計10の勤務情報表示部14にて表示されたバーコードよりなる勤務情報を読み取る処理を行うものである。取得部21は、例えば、画像を撮像する撮像手段であるCCDカメラと、このCCDカメラにより撮像された画像のバーコードをデコードするためのバーコード認識部とを有する。
【0031】
記憶部22は、取得部21にて読み取った勤務情報を記憶する記憶部である。この記憶部22に記憶された勤務情報は、後述する表示部23にて自由に読み出して、表示部に表示させることが出来る。
【0032】
表示部23は、取得部21にて読み取った勤務情報や記憶部22に記憶された勤務情報を表示する処理を行う。この表示部23としては、例えば、液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの表示制御を行う駆動回路とから構成することができる。
【0033】
カメラ付携帯電話機20Aは、安定した画像を得るために、人物や風景を撮影することを目的とした通常撮像モードとは別に、認証コード表示であるバーコードのコントラストが強調されるように露出を調整したり、輪郭部をより強調するように補正係数を調整したり、解像度を調整したりする、バーコード専用モードを準備し、撮影対象切替手段により切り替えることが出来るようにすると望ましい。
【0034】
次に、図1及び図2に示したシステムにより実行される方法の一例を図3に基づき説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る勤務認証システムにおいて、勤務先の勤務情報生成装置である時計10にて表示されたバーコードよりなる勤務情報を、勤務先に勤務する従業員等の勤務者が所持し操作する勤務情報取得装置としてのカメラ付携帯電話機20Aで取得する場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0035】
まず、勤務者は、予め時計10が設置されている勤務先に出向き、時計10の表面に設けられた表示ボタン10bを押圧して勤務情報の表示を指示する。これにより、時計10は、勤務情報の表示指示を勤務情報表示指示部19にて受け付け、勤務情報生成部12が、計時部11の現在時刻、内部メモリに記憶されているログ、生成装置情報記憶部18に記憶されている生成装置の識別情報を含んだ勤務情報を生成する(1)。
次いで、生成された生成装置情報を含んだ勤務情報を勤務情報出力部13より出力する(2)。そして、出力された勤務情報を勤務情報表示部14に表示する(3)。この際、図面では表示部が勤務情報用と時刻用の二つに分かれているが、同じ表示部に上述した表示ボタン10bによって表示内容が変化させてもよい。
【0036】
なお、時計10では、勤務情報の生成に先立って標準時刻電波受信部15にて標準電波を受信し(A)、計時情報修正部16にて受信した標準電波に基づき計時部11の時刻情報の修正を行う(B)ようにしてもよい。
【0037】
次いで、時計10の表示部に勤務情報が表示されると、勤務者はカメラ付携帯電話機20Aの取得部21であるCCDカメラを用いて勤務情報の表示部分を撮像することで勤務情報を取得する(4)。
なお、この際、時計10にLED等により表示ランプを設け、撮影可能な時間は緑のランプが点灯し、表示の変わり目の数秒は赤ランプか間欠的に点灯にするようにしても良い。これにより、所定時間毎の勤務情報の表示の変わり目に勤務情報を正確に読込めないなどのミスを防ぐことができる。そして、取得部21では、バーコード認識部にてバーコードよりなる勤務情報を認識し、読み取った勤務情報を記憶部22にて記憶部に一旦記憶する(5)。
【0038】
次いで、勤務者は、自分が決められた所定の時刻までに所定の場所に勤務していたことを証明するために、記憶された勤務情報をカメラ付携帯電話機20Aの表示部に表示させるよう表示部23にて指示する(6)。そうすると、カメラ付携帯電話機20Aでは、記憶部に記憶された勤務情報を読み出し、生成装置情報を含んだ勤務情報から何処に設置された時計10であるのか、及び勤務情報が取得された時刻をその表示部に表示する。
【0039】
そして、勤務者は、カメラ付携帯電話機20Aの表示部に表示された勤務場所と勤務情報が取得された時刻情報を責任者に対して見せることにより、適切な勤務行為の認証を行う(7)。なお、カメラ付携帯電話機20Aの表示部に表示される勤務情報は、カメラ付携帯電話機20Aの取得部21でデコーディングされ、文字や数字で表した勤務時間、勤務場所(時計のID)などの情報が表示される。
【0040】
次に、上述の勤務認証システムにおける勤務情報生成装置(時計)10の詳細な動作の一例を図4を参照して説明する。
まず、勤務情報生成装置10側での動作は、図4に示すように、標準時刻電波受信部15が、標準電波送信所100より送られる標準電波を受信する(S11)。
標準時刻電波受信部15が標準時刻電波を受信すると、計時情報修正部16は受信された標準電波の時刻情報に基づき計時部11の計時情報(時刻情報)を修正する(S12)。
【0041】
次いで、勤務情報表示指示部19では、表示ボタン10bが押されたか否かを判別することにより、勤務情報の表示(生成)が指示されたか否かを判別する(S13)。なお、この際、上記標準時刻電波の受信(S11)及び計時情報の修正(S12)を再度行うようにしてもよい。
また、勤務情報の表示(生成)指示は、時計10の表面に設けられた表示ボタン10bを押圧操作しなくとも、所定時間毎(例えば、1秒ごと又は1分ごとなど)に勤務情報を生成するようにしてもよい。
【0042】
判別の結果、勤務情報表示(生成)指示があった場合(Y)は、続いて勤務情報生成部12は、計時部11が計時している現在の時間、内部メモリに記憶されてるログデータ及び生成装置情報記憶部18に記憶されている生成装置情報を取得して、これらのデータを含んだ勤務情報を生成する(S14)。
【0043】
一方、判別の結果、勤務情報表示(生成)指示がなかった場合(N)は、再度標準時刻電波の受信(S11)、計時情報の修正(S12)、及び勤務情報の表示(生成)が指示されたか否かの判別を繰り返す(S13)。
【0044】
そして、勤務情報生成部12で生成した勤務情報は、勤務情報表示部14にて表示するように勤務情報出力部13より出力する。これにより、時計10でのログ情報及び生成装置情報、時刻情報を含んだ一連の勤務情報の生成処理が終了(エンド)する。
【0045】
次に、カメラ付携帯電話機20Aの動作について図5を参照して説明する。
まず、取得部21が、時計10より勤務情報が取得されたか否かを判別する(S21)。
判別の結果、勤務情報の取得があった場合(Y)は、引き続き、取得部21は取得した勤務情報を記憶部22に記憶するか否かを判別する(S22)。なお、勤務情報の取得により取得部21は、取得した勤務情報としてのバーコード情報のデコーディングを行なう。
一方、勤務情報の取得がなかった場合(N)は、取得部21は、既に勤務情報記憶部21に記憶されている勤務情報を表示部に表示させるか否かの問合せ表示を行い、表示させる旨の指示が入力されたか否かを判別する(S23)。
【0046】
勤務情報を表示部に表示させる旨の指示があった場合(Y)は、表示部23が、記憶部に記憶された勤務情報を読み出し、生成装置情報を含んだ勤務情報から時計10のIDであるのか、及び勤務情報が取得された時刻をその表示部に表示する(S24)。また、同時にログ情報も表示してもよい。
【0047】
一方、記憶した勤務情報を表示部に表示する指示がない(N)場合は、再度勤務情報が取得されたか否かを判別する(S21)。
これによりカメラ付携帯電話機20Aでの一連の勤務情報の取得処理が終了(エンド)する。
【0048】
このように、上述の実施形態によれば、時計10とその設置場所情報とを関連付けて記憶する取得装置情報記憶部30に記憶しておき、また、カメラ付携帯電話機20Bの識別情報とその所持者情報とを関連付けて取得装置情報記憶部39に記憶しておくことで、バーコード付携帯電話機10Bから送信された勤務情報及びカメラ付携帯電話機20Bの識別情報に基づいて、いつ(時刻)、何処(勤務先)へ行ったかということを証明することができる。
また、時計10であれば、通常の時計バーコード表示機能が付加されただけに過ぎないため、専用のタイムレコーダ装置を置く場合に比べて、装置をコンパクト化することができるし、またその価格も安くおさえることができる。
【0049】
また、時計10であれば、電池式のものであれば勤務先の設備を用いる必要がないし、また電源コードから給電する場合であってもその消費電力が少ないため、コストが安く勤務先を問わず置くことが可能となる。
また、時計10とすることで、時計を設置場所に固定することも可能となる。
【0050】
また、勤務情報を時間により異なるバーコードとすることにより、その改竄が困難であるため、勤務者による勤務時間の改ざんを困難とすることができる。
また、バーコード化することにより、その読み込みも簡単かつ効率的に行うことができる。
そして、これをカメラ付携帯電話機20Aで読込んで、デコーディングして認識可能に出力することで、即時に勤務情報を確認することができる。
【0051】
また、ログデータを併せて読込むことにより、例えば、時計10が盗まれ、設置場所以外で不正に使用された場合でも、そのログデータを見ることにより時計10が移動したことが分かり、不正が行なわれていることを推察することができる。
【0052】
次に、本発明の別の実施の形態として、勤務情報を収集する勤務情報収集装置を設けて勤務状況を管理する場合の例について、図面を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る勤務認証システムに用いる勤務情報生成装置と勤務情報取得装置と勤務情報収集装置をそれぞれ概略的に示すブロック図である。
【0053】
このシステムは、勤務情報生成装置として液晶バーコード表示装置(以下、「時計」と言う。)10と、勤務情報取得装置としてカメラ付携帯電話機20Bと、勤務情報収集装置(サーバ)30とにより実現される。
この場合、カメラ付携帯電話機20Bと勤務情報収集装置(サーバ)10とは、インターネット等の所定のネットワーク50を介して通信可能に構成されている。なお、本実施の形態の説明では、前述した実施の形態の共通する部分は同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0054】
図6に示すように、時計10は、従業員等の勤務者が勤務する勤務先に設置されたものであって、計時部11と、勤務情報生成部12と、勤務情報出力部13と、勤務情報表示部14と、標準時刻電波受信部15と、計時情報修正部16と、ログ情報記憶部17と、生成装置情報記憶部18と、勤務情報表示指示部19とを有する。
【0055】
また、カメラ付携帯電話機20Bは、勤務先に勤務する従業員等の勤務者が所持し、操作するものであって、取得部21と、記憶部22と、表示部23と、送信指示部24と、送信部25と、取得装置情報記憶部26とを有している。
【0056】
送信指示部24は、生成した勤務情報を勤務情報収集装置(サーバ)30へ送信することを指示する処理を行う。
送信部25は、送信指示部24で送信指示がなされた勤務情報を(サーバ)30へ送信する処理を行う。この送信指示部24では、時計10からカメラ付携帯電話機20Bによって取得した情報に、当該カメラ付携帯電話機20Bに付与された固有の識別情報である取得装置情報を付加して送信する。
【0057】
また、取得した勤務情報を勤務情報収集装置(サーバ)30へ送信する手段としては、カメラ付携帯電話機20Bによって取得した勤務情報を、送信先情報として予め当該カメラ付携帯電話機20Bの内部メモリに記憶している送信先の電話番号やIPアドレスに基づいて送信してもよいし、E−Mailアドレスに基づいてメールで送信してもよいし、URLに基づいて所定のWebサイトにアクセスして、そこでデータを入力するなどして送信することができる。これにより、送信先情報が予め当該カメラ付携帯電話機20Bに記憶されているものの場合は、勤務情報を自分の都合の良い時に送信したり、勤務情報をまとめて送信したりすることが出来る。
また、カメラ付携帯電話機20B側で送信先情報を持たなくとも、時計10が内部メモリに送信先のURL、IPアドレス、電話番号やE−Mailアドレスを記憶しておき、勤務情報を生成する際にこれらの送信先情報を含めてコード化し、取得したカメラ付携帯電話機20B側で送信先情報を読み取って送信するようにしてもよい。これにより、カメラ付携帯電話機20B側が勤務情報を取得した際に、取得した送信先情報に基づいてメーラーやブラウザーなどの所定のプログラムをプラグインにより起動させ、勤務情報を即時に送信することが出来るので、勤務情報の取得後送信忘れてしまうことが防止できる。
【0058】
この送信先情報としては、このシステムを用いて勤怠管理を行う場合、ネットワークを介して各従業者の出退時刻の管理を行なう出退管理装置のWebサイトのURL等を特定しておくことにより、当該勤怠管理の勤怠情報として送信することができる。
【0059】
取得装置情報記憶部26は、取得装置情報を記憶することができる記憶部である。この取得装置情報は、個々のカメラ付携帯電話機20Bを識別するために付与された情報であって、例えば、当該カメラ付携帯電話機20Bの電話番号でもよいし、また固有のシリアルコードでもよい。
【0060】
また、勤務情報収集装置(サーバ)30は、カメラ付携帯電話機20と通信を介して情報の授受が可能に構成されたものであって、計時部31と、勤務情報受付部32と、勤務先・勤務者特定部33と、勤務情報記録部34と、標準時刻電波受信部35と、計時情報修正部36と、生成装置情報記憶部37と、取得装置情報記憶部38と、不正情報判別部39と、勤務情報送信部40とを有している。
【0061】
計時部31は、日時を計時する処理をおこなう。本実施の形態では、カメラ付携帯電話機20Bから送られた勤務情報の受付時間を特定する。この勤務情報の受付時間は、基本的に勤務者の勤務先への勤務時間を特定するものではなく、勤務情報に含まれた送信先情報をカメラ付携帯電話機20Bから受付ける場合に、その勤務情報に含まれる勤務者の勤務先への勤務時間を特定する情報が適切か否かを判断するために利用されるものである。
【0062】
勤務情報受付部32は、カメラ付携帯電話機20Bから送られた勤務情報を受け付ける処理を行う。勤務情報受付部32は、カメラ付携帯電話機20Bから送られた勤務情報が暗号化されものである場合、この情報を復号化する処理も行うことができる。したがって、受付けた勤務情報を後述する勤務先・勤務者特定部33等により解析することで、誰が、どこで、いつ、勤務情報の読み取り操作を行ったか特定することができる。
【0063】
勤務先・勤務者特定部33は、後述する生成装置情報記憶部37に基づき勤務先を特定し、同じく後述する取得装置情報記憶部38に基づき勤務者を特定する処理を行う。具体的には、受付けた勤務情報に含まれる生成装置情報を抽出し、この勤務情報生成装置が設置登録されている場所、すなわち勤務先を特定し、受付けた勤務情報における取得生成装置情報より、この勤務情報取得装置を所有登録している所有者、すなわち勤務者を特定する処理を行う。
【0064】
勤務情報記録部34は、勤務先・勤務者特定部33により特定された勤務先及び勤務者の情報を勤務情報として記憶することができる記憶部である。記憶される勤務情報は、その後勤務者を管理する使用者(派遣会社など)に対して開示される。また、この勤務情報は、後述する勤務情報送信部40によって勤怠情報管理装置60へ送信され、所謂インターネットタイムレコ−ダによって勤務者の給与計算等を行うために利用される。
【0065】
標準時刻電波受信部35は、勤務情報生成装置10における標準時刻電波受信部15と同様に、日本標準時刻を基準とする標準電波を受信する処理を行う。
【0066】
計時情報修正部36は、勤務情報生成装置10における計時情報修正部16と同様に、標準時刻電波受信部35で受信された標準電波に基づき、計時部31の時刻情報(時刻及びカレンダ)を標準時刻に修正する処理を行う。
【0067】
生成装置情報記憶部37は、生成装置情報とその設置場所情報とを関連付けて記憶する記憶部である。生成装置情報とその設置場所情報とを関連付けを示すものとしては、たとえば図11に示すような勤務情報生成装置データベース37Aが考えられる。この勤務情報生成装置データベース37Aには、勤務情報における生成装置情報としての生成装置ID、当該生成装置の設置場所(勤務先)の名称又は氏名、住所、電話番号等が記憶できるようになっている。したがって、生成装置情報が分かれば、その生成装置が設置登録されている名称又は氏名、住所、電話番号等が特定できる。
【0068】
取得装置情報記憶部38は、取得装置情報とその所持者情報とを関連付けて記憶する記憶部である。取得装置情報とその所有者情報とを関連付けを示すものとしては、たとえば図12に示すような勤務情報取得装置データベース38Aが考えられる。この勤務情報取得装置データベース38Aには、勤務情報における取得装置情報としての取得装置ID、当該取得装置の所有者(勤務者)の氏名、住所、電話番号等が登録されている。したがって、取得装置情報が分かれば、その取得装置が所有登録されている氏名、住所、電話番号等が特定できる。
【0069】
不正情報判別部39は、上記計時部31に基づき受け付けた勤務情報が信用できるか否かを判別する処理を行う。すなわち、勤務情報に含まれる勤務者の勤務先への勤務時間と、勤務情報収集装置(サーバ)30が勤務情報を受け付けた計時部31とを比較し、両者の時間に所定時間以上の大きな差が有る場合は、不正な情報として判別する処理を行う。
【0070】
勤務情報送信部40は、上記勤務情報記録部34にて記憶する勤務先及び勤務者の情報を勤務情報として勤怠情報管理装置60へ送る処理を行う。なお、勤怠情報管理装置60への勤務情報の送信は、勤務者を管理する者(派遣会社など)が指示、登録した場合だけ行うようにしてもよい。
【0071】
ここで、勤怠情報管理装置60にて提供するタイムレコ−ダ機能について簡単に説明すると、タイムレコ−ダ機能は、上述したように、従業者の出勤時刻、退出時刻等を従業者の識別IDに関連付けて入力し、従業者の出退予定や休日予定といった勤務予定の管理を行なう勤務予定データと、従業者の実際の出退時刻(勤務実績)の管理を行なう勤務実績データとに基づいて、各従業者の勤務時間の集計、総労働時間の集計等を行うものである。
【0072】
次に、図1及び図6に示したシステムにより実行される方法の一例を、図7に基づき説明する。図7は、本発明の実施の形態に係るシステムにおいて、勤務先に配置された時計10にて表示された勤務情報を、従業員等の勤務者が所持し操作するカメラ付携帯電話機20Bで取得し、この取得した勤務情報を勤務管理サーバ30へ送信する場合、更に、勤務管理サーバ30が情報を勤怠情報管理装置60へ送信する場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0073】
まず、勤務先では、勤務情報生成部12が、計時部11及びログ情報記憶部17を参照し、生成装置情報記憶部18に記憶されている生成装置情報を含んだ勤務情報を生成する(1)。
次いで、勤務情報出力部13が、生成された生成装置情報を含んだ勤務情報を勤務情報表示部14にて表示出力する。(2)
【0074】
なお、本実施の形態においては勤務情報を勤務情報表示部14にて表示するものとしたが、時計10にブルートゥースなど無線発信機を付け、カメラ付携帯電話機20B側に無線受信機をつけて、無線によって勤務情報を取得してもよい。
【0075】
また、時計10では、勤務情報の生成に先立って標準時刻電波受信部15にて標準電波を受信し(A)、計時情報修正部16にて受信した標準電波に基づき計時部11の時刻情報の修正を行う(B)。
【0076】
次いで、勤務先へ勤務(出勤)した勤務者は、時計10の表示部に勤務情報が表示されると、時計10に設けられた表示ランプの表示を確認し、緑のランプが点灯している時に勤務情報取得可能な時間として、カメラ付携帯電話機20Bの取得部21であるCCDカメラを用いて、時刻表示部分を含めてこの勤務情報部分を撮像することで情報を取得する(3)。なお、赤ランプか間欠的に点灯している場合は、数秒で勤務情報の表示が変わるものとなるので、情報の取得は行わないようにする。これにより、所定時間毎の勤務情報の変更による取得ミスを防いで、勤務情報を取得することが出来る。
【0077】
次いで、カメラ付携帯電話機20Bでは、取得した勤務情報に送信先情報が含まれているか否かを確認する(4)。その結果、勤務情報に送信先情報が含まれている場合は、その送信先情報を抽出し、また、勤務情報に送信先情報が含まれていない場合は、送信指示部24により予め当該カメラ付携帯電話機20Bに登録されている送信先情報を検索し、勤務情報の送信先を指示する(5)。
【0078】
カメラ付携帯電話機20Bでは、送信先情報の読み取りまたは送信先の指示が成されると、引き続き取得装置情報記憶部26を参照して、この勤務情報に当該取得装置情報を付加した勤務情報の作成を行う(6)。そして、この勤務情報を、勤務情報送信部26により、読み取った送信先情報または送信指示された送信先情報に基づいて勤務管理サーバ30へ送信する(7)。なお、この際、読み取った勤務情報を記憶部22にて記憶部に一旦記憶し、後からまとめて送信するようにしても良い。
【0079】
次いで、勤務管理サーバ30では、カメラ付携帯電話機20Bより送られた勤務情報を勤務情報受付部32にて受け付ける(8)。この際、計時部31より勤務情報の受付時間を取得する。なお、計時部31は、標準時刻電波受信部35で受信された標準電波に基づき、計時情報修正部36によって時刻情報(時刻及びカレンダ)が自動修正する。
【0080】
この勤務情報を受け付けると、引き続き不正情報判別部39により受け付けた勤務情報が信用できるものか否かを判別する(9)。そして、勤務情報に含まれる勤務者の勤務先への勤務時間と、勤務情報受付部32にて受け付けた時間の両者に所定時間(例えば、1時間)以上の差異が無い場合は適切な勤務情報と判断して、勤務先及び勤務者の特定を行なうが、両者に大きな差が有る場合は、不正な情報と判断して勤務者を管理する者(派遣会社など)へ報知する。
【0081】
そして、勤務情報受付部32にて適切に受け入れられた勤務情報は、勤務先・勤務者特定部33において、生成装置情報記憶部37に基づき勤務先を特定し、また、取得装置情報記憶部38に基づき勤務者を特定する(10)。
【0082】
この勤務先・勤務者特定部33により特定した勤務先及び勤務者の情報は、引き続き勤務情報記録部34に記憶する(11)。
【0083】
そして、ここで登録された勤務情報は、勤務情報送信部40によって勤怠情報管理装置60へ送る(12)。その後、勤怠情報管理装置60では、所謂インターネットタイムレコ−ダによって勤務者勤怠管理を行い、給与計算等を行うのに利用する(13)。
【0084】
次に、上述の勤務認証システムにおける時計10の詳細な動作の一例を、図8を参照して説明する。
まず、勤務情報生成装置10側での動作は、図8に示すように、標準時刻電波受信部15が、標準電波送信所100より送られる標準電波を受信する(S111)。標準時刻電波受信部15で受信した標準時刻電波を計時情報修正部16へ送り、計時情報修正部16で受信した標準電波に基づき計時部11の計時情報(時刻情報)を標準時刻に修正する(S12)。
【0085】
次いで、勤務情報表示指示部19では、勤務情報の表示(生成)が指示されたか否かを判別する(S113)。なお、この勤務情報の表示(生成)指示は、所定時間毎に成されるが、時計10の表面に設けられた表示ボタン10bを押圧することにより指示されるようにしてもよい。
【0086】
判別の結果、勤務情報表示(生成)指示があった場合(Y)は、続いて勤務情報生成部12は、ログ情報記憶部17及び生成装置情報記憶部18を参照し、そこに記憶されているログ情報及び生成装置情報を含んだ勤務情報を生成する(S114)。一方、判別の結果、勤務情報表示(生成)指示がなかった場合(N)は、再度標準時刻電波の受信(S111)、計時情報の修正(S112)、及び勤務情報の表示(生成)が指示されたか否かの判別を繰り返す(S113)。
【0087】
そして、勤務情報生成部12で生成された勤務情報は、勤務情報表示部14にて表示されるように勤務情報出力部13によって出力する(S115)。これにより、時計10でのログ情報及び生成装置情報を含んだ一連の勤務情報の生成処理が終了(エンド)する。
【0088】
次に、勤務情報取得装置側の処理方法の一例を図9に示す。
図9において、まず、カメラ付携帯電話機20Bの取得部21が、時計10より勤務情報を取得したか否かを判別する(S121)。判別の結果、勤務情報の取得があった場合(Y)は、取得部21がこれをデコードするとともに、取得した勤務情報の中に送信する勤務情報収集装置の送信先情報が含まれているか否か、送信先情報の有無を判別する(S122)。一方、勤務情報の取得がなかった場合(N)は、再度勤務情報を取得したか否かを判別する(S121)。
【0089】
次いで、送信先情報の有無の判別の結果、送信先情報が含まれている場合(Y)は、送信部25にて時計10から取得した情報に取得装置情報を付加して勤務情報を生成する(S124)。
一方、送信先情報が含まれていない場合(N)は、送信指示部24が勤務情報の送信指示を受ける(S123)。そして、送信部25が、取得装置情報記憶部26を参照して取得装置情報を抽出し、時計10から取得した情報に取得装置情報を付加して送信情報を生成する(S124)。
【0090】
その後、送信指示部24が送信先情報に基づき生成された送信情報を送信する(S125)。
これによりカメラ付携帯電話機20Bでの一連の処理が終了(エンド)する。
【0091】
一方、勤務情報収集装置30側での動作は、図10に示すように、まず、標準時刻電波受信部35が標準電波送信所100より送られる標準電波を受信したか否かを判別する(S131)。その結果、標準電波を受信した場合(Y)は、引き続き計時部31での計時情報と一致するか否かを判別する(S132)。一方、標準電波を受信しない場合(N)は、再度標準電波を受信したか否かの判別を繰り返す(S131)。
【0092】
次いで、計時部31での計時情報と一致する場合(Y)は、引き続き勤務情報受付部32がカメラ付携帯電話機20Bより送られた送信情報を受け付けたか否かを判別する(S134)。一方、計時部31での計時情報と一致しない場合(N)は、標準時刻電波受信部35で受信した標準時刻電波を計時情報修正部36へ送り、計時情報修正部36で受信した標準電波に基づき計時部31の計時情報(時刻情報)の修正を行う(S132)。
計時情報の自動修正が終了すると、勤務情報受付部32が上記勤務情報を受け付けたか否かを判別する(S134)。
【0093】
勤務情報受付部32が勤務情報を受け付けると、不正情報判別部39が勤務情報に含まれる勤務者の勤務先への勤務時間と、勤務情報受付部32にて受け付けた時間の両者に大きな時間的差異が無いか否かを判別することにより、不正行為がないか否かを判別する(S135)。
【0094】
判別の結果適切な勤務情報と判断された場合は、勤務先・勤務者特定部34が生成装置情報記憶部37に基づき勤務先を特定すると共に、取得装置情報記憶部38に基づき勤務者を特定する(S136)。
勤務場所を特定する処理としては、勤務者特定部34が、生成装置情報記憶部37を参照して、カメラ付携帯電話機20から受信した生成装置情報に対応する設置場所を特定することにより、当該設置場所を勤務場所として特定することができる。また、勤務者を特定する処理としては、勤務者特定処理部34が、取得装置情報記憶部38を参照して、受信した取得装置情報に対応する当該カメラ付き携帯電話機20の所持者を特定することにより、当該所持者を勤務者として特定することができる。
【0095】
この勤務先・勤務者特定部33により特定した勤務先及び勤務者の情報は、引き続き勤務情報記録部34に記憶する(S137)。
そして、ここで登録された勤務情報は、勤務情報送信部40によって勤怠情報管理装置60へ送る(S138)。
これにより勤務情報収集装置30側での一連の勤務情報の取得処理が終了(エンド)する。
【0096】
なお、本実施の形態では、勤務情報をカメラ付携帯電話機20Aで取得する場合について説明するものであるので、勤務情報を勤務情報表示部14にて表示するものとしたが、ブルートゥース、赤外線通信などの無線LANによる送受信システムによって勤務情報の取得を行うようにしてもよい。
【0097】
このように、別の実施形態によっても、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、勤務情報収集装置30により勤務情報を収集することで、使用者等がその場に居なくとも確実に勤務状況を確認することができる。
また、勤務者から勤務情報を到着してから即時に送信させることで、使用者等は即時に勤務者の勤務状況を把握することができる。これにより、例えば、勤務者が出勤していない場所には代わりの者を直ちに出勤させることなども可能となる。また、勤務者の出勤から退勤までの時間を確実に管理することができるため、勤務者による不正や、或いはサービス残業のような違法な労働状況を把握することができる。
【0098】
また、カメラ付携帯電話機20B側でバーコードデータをデコード処理するようにすれば、カメラ付携帯電話機20Bがバーコードデータを読込めなかった場合には勤務情報を送信できなくなるから、勤務者側で確実に読込めたか否かを確認してから勤務情報を勤務情報収集装置30に送信することができる。
【0099】
上述の実施形態において、取得装置情報として電話番号を用いる場合には、カメラ付携帯電話機20Bの通信網中の交換機からの発信番号通知機能を用いて電話番号を通知するようにしてもよい。
【0100】
また、勤務情報生成装置を時計としたが、本発明はこれに限らず、バーコードのような勤務情報を生成し、また、これを出力、表示することが出来るものであれば、電話機やファクシミリ機、コピー機、POSレジ装置といった表示部を有する電子機器とすることも出来る。
【0101】
また、上述の例では、表示ボタン10bを設けてこれを押圧指示した際に勤務情報を表示する例について説明したが、表示ボタン10bを設けずに、勤務情報生成部12が時刻に応じて異なる勤務情報を常時ディスプレイなどの表示部に表示するようにしてもよい。
【0102】
また、本発明は、バーコードに限らず、コード化された情報であってもよい。例えば、置時計に現在時刻と当該識別番号を数字でデジタル表示し、これをカメラ付携帯電話機で読み取るようにしてもよい。
【0103】
携帯電話機からデータを収集する方法としては、携帯電話網を通して送信しなくとも、取得した勤務情報を携帯電話機の内部メモリに記憶しておき、これに電気的に接続可能な装置(例えば、スティックメモリ)などを接続させて、これでデータを収集してもよい。
【0104】
また、携帯端末機側で読み取ったバーコードをイメージデータとしてそのまま勤務情報収集装置へ送信し、勤務情報収集装置側でデコード処理を行なうようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、バーコード中にログデータを含める例に付いて説明したが、これは必ずしも必要なく、任意である。
【0106】
また、上記実施形態では、バーコード中に時刻データを含める例に付いて説明したが、これは必ずしも必要なく、例えば、時刻に基づいて所定の乱数を発生させ、これにより勤務情報を時刻に応じて異ならせてもよい。
また、所定の暗号アルゴリズムを用いて、勤務情報を暗号化、コード化してもよい。
【0107】
また、時計10の内部メモリに生成された勤務情報を複数記憶できるようにし、これをまとめて表示するようにしてもよい。
これにより、例えば、出勤と退勤の際にそれぞれ勤務情報を生成した場合にも、これらをまとめて表示することができ、これを一緒にカメラ付携帯電話機20から送信することができ、一回の操作で出勤と退勤の2つの情報を効率的に取得することができる。
【0108】
また、本発明のさらに別の実施の形態として、勤務情報を無線により取得する場合の例について、図面を参照して説明する。図13は、本発明の実施の形態に係る時計を利用したシステムの別の一例を示す概略図である。また、図14は、本実施の形態に係る時計を利用したシステムの別の一例に用いる勤務情報生成装置と勤務情報取得装置をそれぞれ概略的に示すブロック図である。
【0109】
本実施形態では、勤務情報の無線通信手段として、応答機と要求機との間で電磁誘導による無線通信を行う非接触式のデータキャリアシステムとして知られているICタグを用いる。
このデータキャリアシステムは、要求機が応答機に記憶されている識別情報等の各種データを読み出すものである。
そして、図15は、上記勤務情報生成装置で用いるICタグを概略的に示すブロック図であり、図16は、上記勤務情報取得装置で用いるICタグ読取装置を概略的に示すブロック図である。
【0110】
本実施形態は、勤務情報生成装置としてICタグ70が具備された時計装置(以下、「ICタグ付置時計」という。)110と、勤務情報取得装置としてICタグ読取装置80が具備された携帯電話機(以下、「ICタグ読取装置付携帯電話機」と言う。)120とにより実現される。
なお、本実施の形態の説明では、前述した実施の形態の共通する部分は同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0111】
ICタグ付置時計110は、従業員等の勤務者が勤務する勤務先に設置された端末であって、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムや所定のデータを記憶することが出きるRAM、ROMなどの内部メモリなどにより図14に示す機能ブロックを構成することができる。
【0112】
図14に示した機能ブロックは、計時部111と、勤務情報生成部112と、勤務情報出力部13と、ICタグ70から構成されている。
計時部111は、時間を計時するクロック手段である。
この計時部111は、標準電波送信所100より送信される標準電波を受信して計時情報(例えば、年、月、日、時、分、秒)を修正する所謂電波時計となっている。
標準時刻電波受信部112は、日本標準時刻を基準とする標準電波を受信する処理を行う。また、計時情報修正部113は、標準時刻電波受信部15で受信された標準電波に基づき、計時部11の時刻情報(時刻及びカレンダ)を修正する処理を行う。
【0113】
ICタグ70は、図15に示すように、勤務情報出力手段としてのコイル71と、タグ側制御部72等を備える。
コイル71は、後述するICタグ読取装置80のコイル81と電磁誘導による無線通信を行うためのものである。すなわち、ICタグ70にはアンテナパターンが形成されており、ICチップに内蔵された容量素子とにより共振回路を形成し、ICタグ読取装置80から一定周波数の電波を受信して、ICタグ70内に記憶されているデータをICタグ読取装置80へ送信する。
【0114】
タグ側制御部72は、ICタグ付置時計110の電源によって起動され、ICタグ読取装置80との無線通信を制御する。詳しくは、タグ側制御部72は、生成装置情報(識別ID)記憶部721と、勤務情報生成プログラム記憶部722と、勤務情報配信プログラム723と、勤務情報生成部724とを有し、勤務情報生成プログラム722に従って、識別IDと時間情報を含む勤務情報のICチップへの登録・更新・削除といったICチップ管理処理を行ったり、あるいは勤務情報配信プログラムに従って、当該勤務情報生成部724で生成されICチップに登録された勤務情報を、コイル71を介してICタグ読取装置30へ送信したりする。
【0115】
なお、本実施形態では、タグ側制御部72はICタグ付置時計110の電源を用いるものとしたが、コイル71において生じた電磁誘導による電流を整流し、所定の電圧をタグ側制御部72へ供給する電源回路を設けるようにしてもよい。
これにより、タグ側制御部72は電源回路から供給される電圧によって起動することができる。
【0116】
生成装置情報(識別ID)記憶部721は、個々のICタグ付置時計110を特定するための識別情報を記憶できる記憶部である。この識別情報は、個々のICタグ付置時計110に固有の情報であって、例えば、ICタグ付置時計110の出荷時に予めROM等の内部メモリに記憶させて設定しておくことができる。
【0117】
勤務情報生成プログラム記憶部722は、後述する勤務情報生成部724で勤務情報を生成する処理を行うプログラムを記憶する記憶部である。
勤務情報配信プログラム723は、勤務情報生成部724で生成されICチップに登録された勤務情報を上述したコイル71からICタグ読取装置80へ送信する処理を行うプログラムを記憶する記憶部である。
【0118】
勤務情報生成部724は、少なくともICタグ付置時計110の識別情報(IDなど)と計時部111の現在時刻情報を含んだ勤務情報を生成する処理を行う。ICタグ付置時計110の識別情報は、ICタグ付置時計110を個々に特定するために付与された固有の文字、数字などからなる情報である。したがって、ICタグ付置時計110では、計時部111が出力する現在時刻及び識別情報を含んだ内容の勤務情報を生成することができる。これにより、生成される勤務情報は、現在時刻をキーとして所定時間毎に毎回異なって生成されることとなる。
なお、勤務情報に含まれるデータとしては、これに限らず、ログ情報記憶処理部を作成し、内部メモリに記憶しておいたログデータを含めて生成してもよい。
【0119】
このような構成により、まず、ICタグ付置時計110は、標準時刻電波受信部112が標準電波を受信し、計時情報修正部113が受信した標準電波に基づき計時部111の時刻情報を標準時刻に修正する。次いで、勤務情報生成プログラム記憶部722に従って、ICタグ70の勤務情報生成部724が所定の時間毎に計時部111を参照し、生成装置情報(識別ID)記憶部721に記憶されている生成装置情報を含んだ勤務情報を生成する。そして、勤務情報配信プログラム723に従って、最新の勤務情報をコイル71を介してICタグ読取装置80へ送信する。
【0120】
また、このICタグ付置時計110は、バーコード付置時計10同様、勤務先への設置後、移動による不正を防止するために勤務先に固定するとよい。また、ICタグ付置時計110は、当該装置へ給電するための給電コード110aを有する。この給電コード110aの先端プラグ部(図示せず)は勤務先の電源コンセントに差し込まれている。そして、通常は電源コンセントから給電されることにより動作するようになっている。
なお、本発明はこれに限らず、電池式のICタグ付置時計110であってもよい。
【0121】
次に、ICタグ読取装置80を組み込んだ(勤務情報取得装置としての)ICタグ読取装置付携帯電話機120の機能構成について説明する。この携帯電話は、勤務先に勤務する従業員等の勤務者が所持し、操作するものであって、CPU、コンピュータプログラム、RAM・ROM等により、勤務情報取得部121と、勤務情報保存部122と、勤務情報表示部123と、通信部124と、取得装置情報記憶部125と、ICタグ読取部80の機能ブロックを構成することができる。
また、ICタグ読取装置付携帯電話機120は、電子メール送受信機能を具備している。
【0122】
CPUは、勤務情報取得部121を介して入力される指示等に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行う。具体的には、たとえば、CPUは、勤務情報取得部121を介して入力される操作信号に応じて、ROM内に格納された各種プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムに基づく処理を実行し、処理結果を表示するための表示信号を勤務情報表示部123に出力して当該表示信号を表示させる。
【0123】
勤務情報操作部121は、数値や文字の入力、或いは機能選択等に必要なボタンを備え、押下されたボタンの押下信号等をCPUに出力する処理を行う。
勤務情報保存部122は、携帯電話機の備える種々の機能を実現するためのプログラムやデータ等が格納されると共に、CPUが実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に格納するメモリ領域を備える。
【0124】
勤務情報表示部123は、たとえば、有機EL(Electro Luminescence)やLCD(Liquid Crystal Display)等で構成された装置であり、CPUから入力される表示信号に基づいた各種画面を表示する処理を行う。この勤務情報表示部123としては、例えば、液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの表示制御を行う駆動回路とから構成することができる。
通信部124は、アンテナ(図示略)が接続されており、このアンテナを介して通信先との間で無線信号の送受信を行う。
【0125】
取得装置情報記憶部125は、個々のICタグ読取装置付携帯電話機120を特定するための識別情報を記憶できる記憶部である。この識別情報は、個々のICタグ読取装置付携帯電話機120に固有の情報であって、例えば、ICタグ読取装置付携帯電話機120の出荷時に予めROM等の内部メモリに記憶させて設定しておくことができる。
【0126】
ICタグ読取部80は、勤務情報取得手段としてのコイル81と、ICタグ読取装置側制御部82等を備え、ICタグ70との間でコイル81を介して無線通信を行う。具体的には、ICタグ読取装置側制御部82は勤務情報記憶部821と、ICタグ読取プログラム記憶部822とを有し、コイル81に流す電流および電圧を制御して変化させて、ICタグ70との無線通信を実行し、ICタグ70から勤務情報を受信する。
【0127】
勤務情報記憶部821は、コイル81を介して受信した勤務情報を記憶する記憶部である。この勤務情報記憶部821に記憶された勤務情報は、上述する勤務情報取得部121での指示により、勤務情報表示部123に出力させたり、通信部124から勤務情報収集装置としての出勤管理サーバ30へ送信したりすることができる。
そして、ICタグ読取プログラム記憶部822は、コイル81を介して受信した勤務情報を上述した勤務情報記憶部821へ記憶する処理を行うプログラムを記憶する記憶部である。
【0128】
次に、図13乃至図16に示したシステムにより実行される方法の一例を、図17に基づき説明する。図17は、本発明の実施の形態に係る勤務認証システムにおいて、勤務先の勤務情報生成装置であるICタグ付置時計110にて生成勤務情報を、勤務先に勤務する従業員等の勤務者が所持し操作する勤務情報取得装置としてのICタグ読取装置付携帯電話機120で取得する場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0129】
勤務先に設置されているICタグ付置時計110では、所定時間毎に計時部111が出力する現在時刻を参照し、これに生成装置情報記憶部721に記憶されている生成装置の識別情報を含んだ内容の勤務情報を生成し(31)、常に最新の勤務情報に更新する。
この際、ICタグ付置時計110では、勤務情報の生成に先立って、標準時刻電波受信部112にて標準電波を受信し(A)、計時情報修正部113にて受信した標準電波に基づき計時部111の時刻情報の修正を行う(B)ようにしてもよい。
【0130】
そして、勤務者が、ICタグ付置時計110が設置されている勤務先に出向き、ICタグ付置時計110に自らが所有するICタグ読取装置付携帯電話機120をかざす様に近づけると、ICタグ読取装置付携帯電話機120より無線にて勤務情報読取要求がICタグ付置時計110へ送信される(32)。
【0131】
ICタグ付置時計110では、ICタグ読取装置付携帯電話機120からの勤務情報読取要求を受け、勤務情報生成部724で生成された最新の勤務情報を出力し応答する(33)。
これに対し、ICタグ読取装置付携帯電話機120では、ICタグ付置時計110からの応答を受付け、勤務情報を取得する(34)。
そして、勤務情報取得部121では、読み取った勤務情報を勤務情報保存部122にて一旦記憶する(35)。
【0132】
その後、ICタグ読取装置付携帯電話機120では、所望により読み取った送信先情報または送信指示された送信先情報に基づいて勤務管理サーバ30へ送信するようにしてもよい。
勤務管理サーバ30への勤務情報の送信手段としては、まず、取得した勤務情報に送信先情報が含まれているか否かを確認する。その結果、勤務情報に送信先情報が含まれている場合は、その送信先情報を読み取って抽出し、また、勤務情報に送信先情報が含まれていない場合は、予め当該ICタグ読取装置付携帯電話機120に登録されている送信先情報を検索し、勤務情報の送信先を指示する。
ICタグ読取装置付携帯電話機120では、送信先情報の読み取りまたは送信先の指示がなされると、引き続き取得装置情報記憶部125を参照して、この勤務情報に当該取得装置情報を付加した勤務情報の作成を行う。そして、この勤務情報を、通信部124により、読み取った送信先情報または送信指示された送信先情報に基づいて勤務管理サーバ30へ送信する。なお、この際、一旦勤務情報保存部122に記憶された勤務情報を、後からまとめて送信するようにしてもよい。
【0133】
次いで、勤務管理サーバ30では、ICタグ読取装置付携帯電話機120より送られた勤務情報を勤務情報受付部32にて受け付ける。
勤務管理サーバ30は、この勤務情報を受け付けると、勤務先・勤務者特定部33において、生成装置情報記憶部37に基づき勤務先を特定し、また、取得装置情報記憶部38に基づき勤務者を特定する。
この勤務先・勤務者特定部33により特定した勤務先及び勤務者の情報は、勤務情報記録部34に記憶する。
そして、ここで登録された勤務情報は、勤務情報送信部によって勤怠情報管理装置60へ送る。その後、勤怠情報管理装置60では、所謂インターネットタイムレコ−ダによって勤務者勤怠管理を行い、給与計算等を行うために利用する。
【0134】
次に、上述の勤務認証システムにおけるICタグ付置時計110の詳細な動作の一例を、図18を参照して説明する。
まず、勤務情報生成装置であるICタグ付置時計110側での動作は、図18に示すように、標準時刻電波受信部112が、標準電波送信所100より送られる標準電波を受信する(S151)。
標準時刻電波受信部112が受信した標準時刻電波を計時情報修正部113に送り、計時情報修正部113が受信した標準電波に基づき計時部111の計時情報(時刻情報)を標準時刻に修正する(S152)。
【0135】
そして、勤務情報生成部724では、勤務情報生成プログラム記憶部722に記憶されているプログラムに従い、所定時間毎に計時部111が出力する現在時刻を参照し、これに生成装置情報記憶部721に記憶されている生成装置の識別情報を含んだ内容の勤務情報を生成し、更新する(S153)。
次いで、勤務情報生成部724では、勤務情報配信プログラム記憶部723に記憶されているプログラムに従い、ICタグ読取装置付携帯電話機120から勤務情報読取要求があったか否か判別する(S154)。
【0136】
判別の結果、勤務情報読取要求があった場合(Y)は、勤務情報生成部724で生成、更新した最新の勤務情報を、コイル71を介して無線でICタグ読取装置付携帯電話機120へ出力送信することにより応答する(S155)。
一方、判別の結果、勤務情報読取要求なかった場合(N)は、再度標準時刻電波の受信(S151)、計時情報の修正(S152)、及び勤務情報を生成、更新し(S153)、ICタグ読取装置付携帯電話機120から勤務情報読取要求があったか否かの判別を繰り返す(S154)。
これにより、ICタグ付置時計110でのログ情報及び生成装置情報を含んだ一連の勤務情報の生成処理が終了(エンド)する。
【0137】
次に、勤務情報取得装置側の処理方法の一例を図19に示す。
図19において、まず、ICタグ読取装置付携帯電話機120の勤務情報取得部121より勤務情報読取指示があったか否か判別する(S161)。
判別の結果、勤務情報読取指示があった場合(Y)は、ICタグ読取プログラム記憶部822に記憶されたプログラムに従い、ICタグ読取装置付携帯電話機120をかざしたICタグ付置時計110に対して勤務情報読取要求を送信する(S162)。
一方、判別の結果、勤務情報読取指示が無かった場合(N)は、再度勤務情報読取指示があったか否か判別を繰り返す(S161)。
【0138】
次いで、ICタグ読取装置付携帯電話機120のICタグ読取部80が、かざしたICタグ付置時計110よりコイル81を介して勤務情報応答を受付けたか否か判別する(S163)。
判別の結果、勤務情報応答を受付けた場合(Y)は、勤務情報を取得し、勤務情報保存部122に記憶する(S164)。
一方、判別の結果、勤務情報応答を受付け無かった場合(N)は、再度勤務情報応答を受け付けたか否か判別を繰り返す(S163)。
【0139】
勤務情報を取得すると、次に、取得した勤務情報の中に送信する勤務情報収集装置の送信先情報が含まれているか否か、送信先情報の有無を通信部124にて判別する(S165)。
判別の結果、送信先情報が含まれている場合(Y)は、ICタグ付置時計110から取得した勤務情報に、取得装置情報記憶部125に記憶している取得装置情報を付加して新たな勤務情報を生成する(S167)。
一方、送信先情報が含まれていない場合(N)は、勤務情報取得部121又は通信部124より勤務情報の送信指示を受ける(S166)。そして、取得した勤務情報に取得装置情報を付加して新たな勤務情報を生成する(S167)。
【0140】
その後、通信部124が、新たに生成された勤務情報を送信先情報に基づき送信する(S168)。
これによりICタグ読取装置付携帯電話機120での一連の処理が終了(エンド)する。
【0141】
このように、別の実施形態によっても、前述の各実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上述の各実施形態では、何れも勤務情報収集装置と勤怠情報管理装置が別体として構成された例について説明したが、これを一体として勤怠情報収集装置で、勤務者、勤務時間、勤務場所を出勤、退勤などを管理し、給与計算などの勤怠情報の処理を行うようにしてもよい。
【0142】
また、上述の実施形態では、勤務情報収集装置と勤怠情報管理装置が別体として構成された例について説明したが、これを一体として勤怠情報収集装置で、勤務者、勤務時間、勤務場所、出勤、退勤などを管理し、給与計算などの勤怠情報の処理を行うようにしてもよい。また、時計にGPSを取り付けて取得した位置情報を管理情報としてのバーコードに含めても良い。これにより、携帯端末で取得したバーコード情報から時計の位置を取得することができ、これによっても勤務者の勤務場所を管理することができる。
【0143】
なお、本発明は勤在宅介護者やコンパニオン、技術者、ガードマン、ルート配送業者など、派遣社員や移動社員による社外での仕事(勤務行為)の勤怠管理システムに利用できる。また、本発明は、誰が何処へ行ったかが判別できるので、オリエンテーリングゲーム等の遊びにも利用することが出来る。また、これらは一例であって、他のシステムについても本発明を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明に係る時計の一実施形態の例を全体的に示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る時計を利用したシステムの概略的に説明するブロック図である。
【図3】本実施形態に係るシステムにおける情報の流れを説明するシーケンス図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る第一のシステムにおける勤務情報生成装置での手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る第一のシステムにおける勤務情報取得装置での手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る第二のシステムの構造を概略的に説明するブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る第二のシステムにおける情報の流れを説明するシーケンス図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る第二のシステムにおける勤務情報生成装置での手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る第二のシステムにおける勤務情報取得装置での手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る第二のシステムにおける勤務情報収集装置での手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る二のシステムにおける勤務情報収集装置に記録される生成装置情報記憶手段の構造を示す一例である。
【図12】本発明の実施の形態に係る二のシステムにおける勤務情報収集装置に記録される取得装置情報記憶手段の構造を示す一例である。
【図13】本発明に係る時計の他の実施形態の例を全体的に示す概略図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る時計を利用した第三のシステムの構造を概略的に説明するブロック図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る第三のシステムにおける勤務情報生成装置で用いるICタグを概略的に示すブロック図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る第三のシステムにおける勤務情報取得装置で用いるICタグ読取装置を概略的に示すブロック図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る第三のシステムにおける情報の流れを説明するシーケンス図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る第三のシステムにおける勤務情報生成装置での手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施形態に係る第三のシステムにおける勤務情報取得装置での手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
10・・・勤務情報生成装置(時計)、20・・・勤務情報取得装置(カメラ付携帯電話機)、30・・・勤務情報収集装置(サーバ)、50・・・ネットワーク、60・・・勤怠情報管理装置(インターネットタイムレコ−ダ)、70・・・ICタグ、80・・・ICタグ読取装置、100・・・標準電波送信所、110・・・勤務情報生成装置(ICタグ付置時計)、120・・・勤務情報取得装置(ICタグ読取装置付携帯電話機)。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を計時する計時手段と、
計時手段で計時されている時刻を表示する表示手段と、
個々の時計を特定するための識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
上記識別情報記憶手段に記憶されている当該時計の識別情報及び上記計時手段で計時する現在時刻情報に基づいて、上記識別情報と上記現在時刻情報を含んだ時刻に応じて異なる管理情報を生成する管理情報生成手段と、
上記管理情報生成手段で生成された管理情報を出力する管理情報出力手段と、
を有することを特徴とする時計。
【請求項2】
前記管理情報出力手段は、前記管理情報を、画像読取手段を具備する携帯通信端末で読み取り可能な画像情報に変換して上記表示手段に出力する、
請求項1記載の時計。
【請求項3】
前記画像情報は、バーコードである、請求項2記載の時計。
【請求項4】
前記勤務情報出力手段は、前記管理情報を、無線送受信手段を具備する携帯通信端末が授受可能な無線により送信する、
請求項1記載の時計。
【請求項5】
標準時刻を表す標準電波を受信する標準時刻電波受信手段と、
上記標準時刻電波受信手段で受信された標準電波に基づき、前記計時部の時刻情報を標準時刻に修正する計時情報修正手段と、
をさらに有する請求項1から4の何れかに記載の時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−48625(P2006−48625A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323667(P2004−323667)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)
【Fターム(参考)】