説明

時計

【課題】各種機能を備える時計の使い勝手を大幅に向上させること。
【解決手段】アラーム設定や電波修正機能を備えた多機能な時計1は、機能情報を表示可能な表示部としての文字板表示パネル4を備えるため、この文字板表示パネル4に具体的な操作説明や動作状態・設定状態などの機能情報を十分に表示することができる。これにより、ユーザは各種機能について容易に操作を行うことができ、また、動作や設定の状態を容易に理解することが可能となる。すなわち、取扱説明書の熟読や操作の慣れを不要にできるから、多機能な時計1の使い勝手を大幅に向上させることができる。
そして、通常状態から機能表示状態を通じて、文字板表示パネル4に時計1の主機能である時刻表示が継続的に行われるので、利便性が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ付時計、アラーム付クロノグラフ時計、電波時計等の多機能時計が知られており、その表示形式としては、指針によるアナログ表示式と、液晶パネル等によるデジタル表示式とに大別される。多機能時計の一例として、アナログ表示式電波修正時計を特許文献1に示す。
ここで、アナログ表示式の場合、秒針などが時計機能の所定状態を示すことに兼用されることがある。その所定状態としては、例えば、電波時計における電波受信状態などがあり、図19に示すアナログ表示式電波修正時計では、電波受信の状態を示す際には秒運針が停止し、秒針が、現在秒から電波受信成功を示す「Y」または失敗を示す「N」の位置などに移動する。
【0003】
一方、デジタル表示式では、表示パネルの端や角隅等において、アラーム設定などの状態表示を文字や記号で簡略に表示していた。
また、デジタル表示式の場合、図20に示すように、月日、曜日、および時刻が表示された通常の状態(図20の(A))から、ボタン操作によってアラーム設定モードの画面に切り替わり(図20の(B))、このアラーム設定専用の画面において、設定操作を行うことがあった。
【0004】
【特許文献1】特開2006−153652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の多機能時計では、アナログ式・デジタル式に関わらず、その機能に関して表現可能な情報量が少ないという問題がある。このため、機能操作や状態を説明するのに十分な具体的情報を表示できず、その機能の操作方法や機能の設定状態がユーザに分かりにくい。そして、従来と異なる特殊な新機能を備えたものでは、せっかくの新機能を使いこなせない、またその動作状態の意味が分からず故障したと誤解されるおそれがあった。
また、時刻合わせなどの通常の時計機能に関しても、具体的な操作手順を表示できないことから、電池交換時の時刻合わせができなくなる等のおそれがあった。
【0006】
さらに、デジタル表示式において機能操作を行う際、通常の時刻表示画面から、時刻が表示無しの設定画面に切り替わる場合、その操作が完了するまで時刻の表示がされないうえ、設定画面においても、表現可能な情報量には限界があった。
図20(B)の例では、アラーム設定時刻は分かるが、アラームの再設定、解除などの操作については、取扱説明書を読まない限り、表示パネルの周りのケースに付され各ボタンにそれぞれ対応した「ADJUST」、「RESET」などの簡易な説明を頼りに操作するほかない。
また、この図20の(A)および(B)のように表示画面全体が切り替わってしまうと、ユーザが操作状況を見失い、次に何を操作するのかが分からなくなる、あるいは異常動作と思うなどの可能性があった。
すなわち、時計の各種機能の操作や、設定・状態の確認などに際して、その都度、取扱説明書(マニュアル)を読んだり、その操作や状態を記憶する「慣れ」が必要となるなどの不便があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、各種機能を備える時計の使い勝手を大幅に向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の時計は、計時する計時部と、所定機能の発揮に関する動作を行う機能動作部と、前記計時部により得られる計時情報と、前記機能動作部の操作に関する操作情報および前記機能動作部の状態を示す状態情報の少なくともいずれかが含まれる機能情報とを表示可能に構成された表示部と、を備え、その状態として、前記計時情報が表示されている通常状態と、前記機能情報が表示されている機能表示状態とを有し、前記表示部には、前記機能表示状態の間も前記計時情報が表示されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、機能情報を表示可能な表示部を備え、この表示部に具体的な操作説明や動作状態・設定状態などの機能情報を十分に表示することができるので、各種機能につき困惑することなく容易に操作を行うことができ、また、動作や設定の状態を容易に理解することが可能となる。すなわち、取扱説明書の熟読や操作の慣れを不要にできるから、各種機能を装備する時計の使い勝手を大幅に向上させることができる。
これに加えて、機能表示状態においても、時計の主機能である計時情報の表示(時刻等の表示)を継続的に行うことができるので、動作状態や設定状態を表示する際や各種設定操作中には時刻表示を停止せざるを得なかった従来と比べて、利便性を向上させることができる。
【0010】
ここで、計時情報の表示形式は、指針および文字板を備えるアナログ表示式でも、数字等によるデジタル表示式でも、指針を描画表現したデジタル表示式でもよい。
一方、機能情報の表示形式は、後述する電気泳動表示ディスプレイのほか、液晶パネル(LCD;Liquid Crystal Display)や有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等の各種表示パネルによるデジタル表示式に構成される。
【0011】
なお、操作情報としては、例えば、時刻・暦の設定操作や、アラーム設定操作、世界時間の設定操作、電波時計における電波受信および指針修正の操作、通信機能付時計における通信操作、センサ付時計における温度湿度の計測操作、そしてこれらの各種機能の列挙および選択に関するものなどがある。
一方、状態情報としては、例えば、現在の時刻や暦、アラーム設定時刻、世界時間、電波受信結果、現在利用可能な電波の強弱レベル、データの受信結果や送信結果、現在気温や湿度などがある。
【0012】
本発明の時計は、計時する計時部と、所定機能の発揮に関する動作を行う機能動作部と、前記計時部により得られる計時情報と、前記機能動作部の操作に関する操作情報および前記機能動作部の状態を示す状態情報の少なくともいずれかが含まれる機能情報とを表示可能に構成された表示部と、を備え、前記計時情報は、1つ以上の指針による表示を有し、少なくとも1つ以上の前記指針は、前記機能動作部によって当該機能動作部の所定状態を前記指針の指示位置により示すことと、前記計時情報を示すこととに兼用され、前記表示部には、前記指針の指示位置により前記所定状態が示されている際に、前記状態情報として前記所定状態の説明が表示されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、機能情報を表示可能な表示部を備え、指針によって所定状態が示されている際に、その指針の指示位置についての十分な説明を表示部に表示することができる。これにより、現在時刻と異なる指針の指示位置に困惑することなく、指針が示す動作状態、設定状態などを容易に理解することができる。すなわち、取扱説明書を熟読することが不要となり、異常動作と誤解するおそれもなくなるため、使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0014】
本発明の時計では、前記計時情報を示す指針および文字板を備え、前記表示部は、前記文字板としての表示パネルとされていることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、機能表示状態において、文字板を兼ねる表示パネルの略全面に機能情報を表示することが可能となるので、画面サイズが制約される時計の表示部に表示可能な情報量を増やすことが可能となる。これによって、より十分な操作説明、状態説明などを実現できる。
【0016】
本発明の時計では、前記表示部は、各ドットにトランジスタが使用されたドットマトリックス方式の電気泳動表示ディスプレイとされ、前記計時情報および前記機能情報のうち少なくとも前記機能情報は、前記電気泳動ディスプレイに表示されることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、液晶パネル等に比べて電気泳動表示ディスプレイは高コントラストであるため、機能情報の視認性を高くすることができる。
また、同じドットマトリックス方式でも、液晶パネル等ではコントラストが低いこともあって情報量が不十分であったのに対し、本発明では、このドットマトリックス方式による表示性能と、電気泳動ディスプレイによる高コントラストとの相乗により、画面サイズに限界がある時計の表示部において、小さくても鮮明な文字や図形を表示可能となる。これにより、表示部に表示可能な情報量を格段に多くすることが可能となり、機能情報を充実した説明内容にできるので、時計の使い勝手をより高めることができる。
なお、ドットマトリックス方式であるため情報表示の位置や形状などに制約がなく、情報表示の位置をディスプレイの表示領域の範囲で任意にレイアウトできるため、機能情報を見易く、分かり易くできる。
そして、電気泳動ディスプレイは、一対の基板間に電圧を印加して電気泳動粒子を移動させることで表示面における表示・非表示の切換えを行うものであって、電圧印加しない際には電気泳動粒子がその位置に留まり、その粒子による表示状態が保持される。なお、この表示状態を長時間保持する場合には、電圧を印加して粒子を適正な位置に戻す所謂リフレッシュ処理を適宜な時間間隔で実施しても良いが、基本的に、電気泳動ディスプレイは表示を切り換えない際の保持性が高いことから、省電力化を図ることができる。
【0018】
本発明の時計では、前記表示部は、前記計時情報と前記機能情報とを表示可能に構成された表示パネルとして構成され、前記計時情報の表示領域は、前記通常状態から前記機能表示状態に移行した際に狭くなり、前記機能情報は、前記表示パネルの前記計時情報が表示される領域を除いた所定領域に表示されることが好ましい。
【0019】
この発明によれば、通常状態における計時情報の表示サイズを大きくして計時情報の視認性を高くでき、かつ、通常状態における計時情報の表示領域には影響されずに、機能情報の表示領域を表示部の見易い位置に配置することが可能となる。
【0020】
なお、通常状態から機能表示状態に移行する際に表示画面が切り替わるものの、表示部全体が専用の画面に切換わってしまう場合と違い、計時情報の表示が機能表示状態の画面上に残る。このため、機能表示状態が通常とは異なる状態であると容易に理解することができ、機能情報表示状態においてユーザが困惑することがない。
【0021】
本発明の時計では、前記計時情報および前記機能情報はそれぞれ、前記表示部における互いに重ならない領域に表示され、前記機能情報が表示される前記領域は、前記通常状態の際にも情報表示に使用可能とされていることが好ましい。
【0022】
この発明によれば、計時情報の表示領域と機能情報の表示領域とが表示部の異なる領域に区分けされるので、見易い画面レイアウトとすることができる。ここで、計時情報の表示形式は、アナログ表示式でも、デジタル表示式でもよい。また、計時情報がデジタル表示の場合、計時情報の表示領域と機能情報の表示領域とが別々の表示パネルで構成されていてもよいし、同じ表示パネル上の表示が仕切られて構成されていてもよい。
加えて、通常状態では、通常状態および機能表示状態を通じて表示される計時情報とは別の計時情報、例えばカレンダ情報、アラーム設定情報、タイマー計時時間表示など、各種の情報を機能情報の表示領域に表示することが可能であることから、通常状態において多くの情報を表示することが可能となる。
なお、計時情報の表示態様が通常状態と機能表示状態とで相違しないため、この点が使い易さに繋がることがある。
【0023】
本発明の時計では、前記表示部に前記機能情報を表示させる操作を行う専用部材を備えていることが好ましい。
【0024】
この発明によれば、専用部材を触れば間違いなく機能情報が表示され、目的の機能情報へのアクセスが容易となるので、機能の操作に関し、直感的かつ迅速な操作が可能となる。
なお、表示された機能情報は、ユーザによる操作時から所定時間経過後や、操作完了後に適宜、非表示とされればよい。
専用部材としては、押しボタン、レバー、ダイアル、その他、押下操作と回転操作とが両方可能な部材など、任意に構成できる。
【0025】
ここで、機能情報は、例えば機能の一覧や、設定の状態、動作状態、操作方法、機能説明などであり、複数の情報が表示される構成とすることも可能である。
また、機能情報として、機能名称一覧・機能細目、各機能の説明、および各機能に関係する具体的操作(例えば確認、変更、解除、設定)などの各項目からなるメニューを階層に構成し、系列別に同階層毎に表示することも可能である。このようにすれば、専用部材を複数回操作して表示したい設定情報や行いたい操作の項目を直感的に選択でき、目的の機能情報への誘導が可能となるから、取扱説明書等を読むことが不要となる。このような階層メニューに基づく操作誘導は、機能動作部に、所定アルゴリズムを搭載した制御部が組み込まれることによって可能となる。
【0026】
本発明の時計では、前記機能表示状態では、前記状態情報と当該状態に対応する前記操作情報との両方が前記表示部に表示されることが好ましい。
【0027】
この発明によれば、現在の状態を示す状態情報と、その現在の状態において操作可能な操作の情報とが表示され、現在の状態を示す状態情報を確認しながら、かつ、適切な操作を確実に行うことができるので、操作性が大きく向上する。
【0028】
本発明の時計では、前記機能動作部を動作させる操作部材を備え、前記操作部材を操作可能な際に、前記操作情報として当該操作部材の操作説明が表示されていることが好ましい。
【0029】
この発明によれば、押しボタン等の操作部材が設けられている構成において、表示部に表示された操作説明を参照しつつ操作部材を操作することにより、所望の操作を完了することが可能となる。これにより、使い勝手が大きく向上する。
ここで、時計に設けることのできるボタン等の操作部材の数は通常限られるため、多機能な時計では、この限られた操作部材それぞれに複数の機能を持たせざるを得ないが、操作部材を操作可能な際に、その操作部材の操作説明が適時に表示される構成としたので、複数の機能が1つの操作部材に与えられていても、ユーザが困惑しない。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、多くの機能や特殊な機能を備えた時計でも、取扱説明書を殆ど使わずに簡単に操作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第2実施形態以降の説明に関し、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
【0032】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態の腕時計(ウォッチ)1の外観図である。この時計1は、標準電波を受信し、標準電波に含まれる計時情報に基づいて時刻修正を行う電波修正機能付き電子時計とされ、また、アラーム機能も備えている。
時計1は、制御回路基板や標準電波を受信するアンテナ、駆動輪列、電源等が設けられたアナログクォーツのムーブメント2(図1に破線で図示)と、ムーブメント2を収容するケース3とを備える。
時計1における計時部は、ムーブメント2内の制御回路基板に実装される水晶発振回路や分周回路を含んで構成され、時計1の時刻表示機能や電波修正機能等の所定機能の発揮に関する動作を行う機能動作部は、制御回路基板およびアンテナ等により構成されている。
【0033】
ケース3の開口部に対応する位置には、文字板表示パネル4が設けられ、この文字板表示パネル4と、時針51、分針52、および秒針53の指針5により、アナログ表示式の時刻表示が行われる。ここで、本実施形態の時計1の表示部は、文字板表示パネル4および指針5により構成されている。
【0034】
ケース3の側面には、りゅうず6、および複数の操作ボタン(操作部材)7,8,9が設けられているとともに、ケース3表面の文字板表示パネル4下側には、操作ガイド等を表示させる専用部材としての操作案内ボタン10が設けられている。
【0035】
文字板表示パネル4は、計時情報を表示する文字板を兼ね、各種の情報を任意の位置に自由な形状で表示可能なドットマトリックス方式の表示パネルであり、本実施形態では電気泳動表示ディスプレイとされている。
文字板表示パネル4の外周部には指針5が指示する目盛が表示されている。
【0036】
文字板表示パネル4は、詳しい図示を省略するが、対向基板間に電気泳動層が設けられて構成されている。
【0037】
図2は、文字板表示パネル4における電気泳動層22を示す模式図である。
電気泳動層22は、多数のマイクロカプセル22Aが密集して配置されることによって形成され、各マイクロカプセル22Aには、多数の帯電粒子が分散した電気泳動粒子分散液220がそれぞれ封入されている。電気泳動粒子分散液220では、黒色の電気泳動粒子(以下、黒粒子という)221と、白色の電気泳動粒子(以下、白粒子という)222とが分散され、本実施形態では二色の粉体流体方式の電気泳動層が構成されている。これら黒粒子221および白粒子222は、互いに異なる極性に帯電しており、本実施形態では、黒粒子221がプラス(正)に帯電し、白粒子222がマイナス(負)に帯電している。
【0038】
すなわち、文字板表示パネル4の表示基板に形成されたセグメント電極201がローレベル電位(L電位)であり、文字板表示パネル4の透明基板に形成された共通電極202がハイレベル電位(H電位)の場合、その電位差によって共通電極202からセグメント電極201に向かう電界が発生し、正に帯電した黒粒子221がセグメント電極201側に移動するとともに、負に帯電した白粒子222が共通電極202側に移動する。
【0039】
この白色表示の場合とは逆に、セグメント電極201をハイレベル電位(H電位)とし、共通電極202をローレベル電位(L電位)に切り替えた場合、電界の向きが逆転し、文字板表示パネル4における表示は黒色となる。
【0040】
また、黒粒子221、白粒子222の移動量を電圧の印加時間や印加電圧などに応じて調整することにより、黒と白との間の色階調の中間色表示も可能となっている。
なお、電界印加が停止されると、黒粒子221、白粒子222の移動も止まり、そのままの表示色が保持される。
【0041】
本実施形態の時計1は、通常時刻を表示する通常状態と、時計1が備える各種機能の操作に係る機能表示状態とを有する。この他、受信電波の時刻情報に基づいて指針5の指示位置を修正する指針位置修正状態などもあるが、これについては説明を省略する。
通常状態では、図1に示すように、指針5および文字板表示パネル4により、計時情報として時刻が表示されている。このとき、文字板表示パネル4において、暦などが表示されていてもよい。
【0042】
図3および図4は、時計1の機能表示状態を示す。
文字板表示パネル4には「受信」などの電波受信に関わる案内が表示されており、この受信に関する詳細情報を呼び出すために必要な操作ボタン8の近傍に▲(黒三角)の印が表示されている。この▲(黒三角)で指し示された操作ボタン8を押せば、「電波強度」や「前回受信結果」などのメニューが表示される。たとえば「前回受信結果」メニューを選べば、電波受信失敗を示すメッセージ内容「電波受信 失敗」が表示される。このメッセージは、電波修正機能の動作状態を示す機能情報(具体的には状態情報)として表示される。
【0043】
図4は、時計1の他の機能表示状態を示す。図1の通常状態において操作案内ボタン10を押下することにより、図4のような機能表示状態に移行し、文字板表示パネル4にアラーム機能の機能情報(状態情報および操作情報)が表示される。
すなわち、文字板表示パネル4には、機能名称である「ALARM」と、設定状態情報である「9:00午前」と、操作情報である「変更」、「解除」および「?」とがそれぞれ、アラーム機能の機能情報として表示されている。
【0044】
なお、操作ボタン8を押す毎に、操作情報である「変更」、「解除」、および「?(ヘルプ表示を意味する)」の間で表示選択が切り替わり、行いたい操作が表示選択された状態で操作案内ボタン10を押下すると、「変更」、「解除」、「?」の各表示に代えて、図5のように、選択された各操作についての操作ボタン7および8による手順が文字板表示パネル4上に表示される。
この操作ボタン7および8による操作手順は、図4で「変更」、「解除」、「?」が表示されていた領域や、操作ボタン7および8の近傍など、ユーザが操作を理解し易い位置に表示され、
【0045】
ここで、図4の機能表示状態において、時針51、分針52、秒針53は通常状態と同様に、現在の時、分、秒をそれぞれ示している。つまり、運針は停止されない。
【0046】
なお、図4において、アラーム設定時刻を確認するのみで変更や解除などの設定変更を行わない場合、機能情報は操作案内ボタン10の押下時から所定時間経過後に非表示となり、図1の通常状態に復帰する。また、変更や解除を行う場合は、その操作完了後に通常状態に復帰する。
【0047】
以上の本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)アラーム設定や電波修正機能を備えた多機能な時計1は、機能情報を表示可能な表示部としての文字板表示パネル4を備えるため、この文字板表示パネル4に具体的な操作説明や動作状態・設定状態などの機能情報を十分に表示することができる。これにより、ユーザは各種機能について容易に操作を行うことができ、また、動作や設定の状態を容易に理解することが可能となる。すなわち、取扱説明書の熟読や操作の慣れを不要にできるから、多機能な時計1の使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0048】
(2)図1の通常状態から図4の機能表示状態に移行しても、時計1の主機能である時刻表示を継続的に行うことができるので、利便性が高い。
【0049】
(3)文字板表示パネル4が文字板を兼ねるため、図3〜図5の機能表示状態において、文字板表示パネル4の略全面に機能情報を表示することが可能となる。これにより、時計画面サイズの制約から、比較的サイズが小さい文字板表示パネル4においても、そこに表示可能な情報量を増やすことが可能となる。
【0050】
(4)文字板表示パネル4が高コントラストの電気泳動表示ディスプレイであるため、機能情報の視認性を高くすることができる。
また、文字板表示パネル4はドットマトリックス方式の電気泳動表示ディスプレイであって、小さくても鮮明な文字や図形を表示できる。これにより、表示可能な情報量が格段に増え、機能情報を充実した説明内容にできるので、時計の使い勝手をより高めることができる。
【0051】
(5)操作案内を表示させる専用の操作案内ボタン10を備えることから、この操作案内ボタン10を触れば確実に機能情報が表示され、目的の機能情報へのアクセスが容易となる。すなわち、アラーム設定などの時計1の機能の操作に関し、直感的かつ迅速な操作が可能となる。
【0052】
(6)文字板表示パネル4において、操作ボタン7〜9のうち操作可能なものについて、当該操作ボタン7〜9の操作説明が表示されるため、その操作説明を参照して操作ボタン7〜9を操作することにより、所望の操作を完了することが可能となる。すなわち、多機能な時計11では各操作ボタン7〜9に複数の機能が与えられているが、これによってユーザが操作に困惑することを防止することができる。言い換えれば、限られた数の操作ボタン7〜9によって、多機能な時計1の各機能を操作可能となる。
【0053】
(7)操作ボタン7〜9それぞれの近傍の位置となる文字板表示パネル4上に、これらの操作ボタン7〜9の呼称(上記例で、「切替」「+」「−」など)が、行われる操作の内容に応じて適時に表示されるため、ボタン操作を理解し易いうえ、文字板表示パネル4の周りや操作ボタン7〜9自体にその名称(例えば「RESET」「ADJUST」など)を付すことが不要となるので、デザイン性も向上させることができる。
【0054】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図6〜図14を参照して説明する。
図6は、本実施形態の時計11の外観図である。この時計11は、デジタル表示式とされ、後述する多数の機能を装備する。
時計11は、制御回路基板やアンテナ、電池等が設けられたディジタルクォーツのムーブメント12(図6に破線で図示)と、ムーブメント12を収容するケース3と、表示部としての電気泳動表示パネル14とを備えている。
制御回路基板には、ICが搭載され、このICは、後述する機能表示部142の表示および操作ボタン等による操作を実現するアルゴリズムが実行可能に構成されている。
【0055】
なお、時計11における計時部は、第1実施形態の時計1と同様に、ムーブメント12内の制御回路基板に実装される水晶発振回路や分周回路を含んで構成され、時計11の時刻表示機能や電波修正機能等の所定機能の発揮に関する動作を行う機能動作部は、制御回路基板およびアンテナ等により構成されている。
【0056】
ケース3の側面には、複数の操作ボタン(操作部材)16〜19が設けられているとともに、ケース3表面の表示パネル14下側には、操作ガイド等を表示させる専用部材としての操作案内ボタン20が設けられている。
【0057】
表示パネル14は、第1実施形態の文字板表示パネル4と同様に構成され、ケース3開口の全面に対応する位置に配設されている。
表示パネル14の表示領域は、計時情報として時分秒の時刻が表示される時刻表示部141と、機能表示状態において機能情報が表示される機能表示部142とに分けられている。
【0058】
ここで、図6は、時計11の通常状態を示す。本実施形態では、通常状態において、機能表示部142にアラーム設定時刻情報等が表示されている。この状態で操作案内ボタン20を押すと、時計11の状態は機能表示状態に移行する。なお、機能表示状態でも、時刻表示部141には時刻が通常状態と同じ態様で表示されている。
図7〜図14は、機能表示部142に各種の機能情報が表示されている機能表示状態を示す。
【0059】
図7は、操作案内ボタン20を一回押した際の状態を示し、機能表示部142には、「ALARM」、「通信」、「カレンダー」、・・・等の機能一覧情報(ファンクション・リスト)が表示されている。ここで、機能表示部142には、一覧の各項目のうち現在選択中の項目を示す選択表示D1と、一覧全体における現在選択中の項目の位置を示すスクロール表示D2とが表示され、操作ボタン17,19をそれぞれ押すことにより、一覧における現在選択中の項目が変わるため、現在、機能表示部142に表示されていない項目も選択可能となっている。
【0060】
以下、時計11が備える機能毎に、機能表示部142に表示される機能情報について説明する。
図8は、図7のように機能一覧で「ALARM」の項目を選択した際に操作案内ボタン20を押した状態を示す。
機能表示部142には、機能名称である「ALARM」と、具体的に図示していないが、例えばアラームが設定されていればそのアラーム時刻(図6参照)などの設定状態の説明が表示されている。
【0061】
次いで、もう一度操作案内ボタン20を押すと、図9のように表示が変わり、機能表示部142にはアラーム設定に関して操作可能な操作の一覧が表示される。本実施形態では、複数のアラーム設定が可能とされており、図9に図示した「目的の操作1」、「目的の操作2」とは、具体的には「ALARM−1の設定変更」、「ALARM−2の設定変更」、・・・などと表示されている。
このような目的操作一覧においても、選択表示D1およびスクロール表示D2により、一覧から操作したいアラーム設定項目を選択できる。
【0062】
さらに操作案内ボタン20を押すと、図10のように表示が変わり、図9で選択した操作に対応する操作手順案内が表示される。この操作手順案内とは、操作ボタン16〜19および操作案内ボタン20による操作方法が適時に(順次)、機能表示部142に表示される構成とされている。
【0063】
例えば、図9の一覧で「ALARM−1」を選択した場合、図10の機能表示部142には、状態情報としての現在の設定時刻の表示と、操作情報としてそれぞれ、「行いたい操作を選択ボタンで選択してください。」との表示と、操作ボタン17近傍に位置する「選択」と、「時刻変更」、「OFF」、「削除」などの操作選択肢およびこの選択肢の選択表示と、がそれぞれ表示される。
そして、操作ボタン17の操作により「時刻変更」を選択すると、現在設定時刻の時が点滅表示されるとともに、例えば「点滅している数字を+−ボタンで変更します。時、分、秒、午前・午後の切換えは切換ボタンを押してください。設定変更を確定するには確定ボタンを、操作を取り消すにはキャンセルボタンを押してください。」などの説明と共に、「+」、「−」、「切替」、「キャンセル」、「確定」の各表示が機能表示部142にそれぞれ表示され、これらの表示が意味する各操作が操作ボタン16〜19および操作案内ボタン20のいずれかに割り当てられる。
【0064】
以上のアラーム設定と同様に、時計11の他の機能についても、機能表示部142の表示に従って操作することにより、次の操作の選択肢や操作方法が順次表示され、操作を完了することができる。
すなわち、図7の画面で「通信」を選択した場合は、図11のように通信の状態情報としての「状態の説明」と、操作情報としての「次の操作案内」とが機能表示部142に表示され、これらの情報に基づき、通信の設定状態や動作状態の確認、データ受信・送信などの操作などを行うことができる。
また、図7の画面で「カレンダー」を選択した場合は、図12のようにカレンダーの状態情報としての「状態の説明」と、操作情報としての「次の操作案内」とが機能表示部142に表示され、これらの情報に基づき、カレンダーの設定状態の確認、変更の操作などを行うことができる。
同様に、図13は、図7で「電池状態」を選択した場合、図14は図7で「世界時計」を選択した場合であり、それぞれ、電池残量などの状態説明と次の操作案内とが機能表示部142に表示され、これらの情報に基づき、選択した操作に関する状態確認やその操作を行うことができる。
なお、時刻表示部141に表示される現在時刻の修正についても、操作案内ボタン20を押し、機能一覧から時刻修正の項目を選択すると、機能表示部142に操作案内が表示される。この操作案内に従って、アラーム時刻設定と略同様の手順で修正操作を完了できる。
【0065】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)、(2)、および(4)〜(7)と略同様の効果に加えて、次の効果を得ることができる。
(8)時刻が表示される時刻表示部141と機能情報が表示される機能表示部142とに表示パネル14が区分けされるので、見易い画面レイアウトとすることができる。
加えて、機能表示部142は、通常状態ではアラーム設定情報や、あるいはカレンダ表示などの各種の情報表示に使用可能であることから、通常状態において表示パネル14に多くの情報を表示することが可能となる。
【0066】
(9)機能表示部142に表示される機能情報として、機能名称一覧・機能細目、各機能の説明、および各機能に関係する具体的操作の各項目からなるメニューが階層的に構成されているため、操作案内ボタン20を操作することで各項目を直感的に選択することができる。このため、目的の機能情報への誘導が可能となり、取扱説明書等を読むことを不要にできる。
【0067】
(10)機能表示状態において、機能表示部142に状態説明と当該状態に対応する操作説明との両方が表示されるため、現在の状態を確認しながら、かつ、適切な操作を確実に行うことができるので、操作性が大きく向上する。
【0068】
〔第2実施形態の変形例〕
図15は、上述した第2実施形態の変形例を示す。すなわち、時計11´の時刻表示部141には、数字ではなく指針表示によって時刻が表示されている。この指針表示は、表示パネル14の各ドットで指針を表現したデジタル表示とされている。
すなわち、ドットマトリックス方式の表示パネル14においては、その各ドットにより、様々な表示が可能となる。
なお、前述した時計11の時刻表示部141における時刻表示が、図15に示す表示と、図6の表示とにモード切替可能に構成されていてもよい。
【0069】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図16および図17を参照して説明する。
図16は、本実施形態の時計21の外観図であり、時計21の通常状態を示す。
時計21は、電気泳動表示ディスプレイである表示パネル24を備えて構成され、表示パネル24の略全面に亘って、指針や文字板の目盛などを各ドットで表現したデジタル表示により、時刻が表示されている。
【0070】
図16の通常状態で操作案内ボタン20を押すと、図17の機能表示状態となる。
この機能表示状態において、表示パネル24の表示領域は、時刻表示部241と機能表示部242とに分けられている。
時刻表示部241には、通常状態で表示パネル24の全体に表示されていた時刻表示が縮小されたような態様で、時刻が表示されている。つまり、表示パネル24において計時情報が表示される領域は、通常状態から機能表示状態に移行した際に狭くなる。
【0071】
機能表示部242には、時計21が備える各種機能の状態や操作に関する機能情報が表示され、操作案内ボタン20や操作ボタン16〜19の操作により、目的の操作に誘導されるように構成されている。
【0072】
本実施形態によれば、前述した効果と略同様の効果に加えて、次の効果を得ることができる。
(11)通常状態で表示パネル24の略全面に表示されていた時刻情報の表示領域が機能表示状態では略半分のサイズとなる。本実施形態では、通常状態における時刻情報の表示領域と機能表示状態における機能情報の表示領域とが重なるように構成してある。このような構成により、通常状態における時刻情報の表示サイズを大きくして視認性を高くでき、かつ、通常状態における時刻情報の表示領域には影響されずに、機能情報の表示領域である機能表示部242を表示パネル24の見易い位置に配置することが可能となる。
【0073】
なお、本実施形態では、指針および文字板を表現した表示がなされていたが、これに限らず、時刻が数字でデジタル表示されていてもよく、要するに、計時情報が表示されている領域のサイズが通常状態から機能表示状態に移行した際に狭くなるように構成されていればよい。
【0074】
次に、図18は、本発明の変形例に係る時計を示す。
図18は、標準電波の受信結果を示す機能表示状態である。この標準電波の受信は、予め決められた所定時刻に自動的に行われたり、また、操作ボタン7〜9の操作により強制的に行われたりする。
この図18の状態において、文字板表示パネル4の外周部には、電波受信の成否を示す「Y」および「N」、そして電波の強弱レベルを示す「H」および「L」の各記号が表示さている。
この時計における秒針53は、秒の表示と、電波受信結果の表示とに兼用されており、図18では、秒針53の指示位置は電波受信失敗を示す「N」の位置となっている。すなわち、標準電波の受信結果を受け、駆動輪列により、秒針53が現在秒を示す位置から「Y」または「N」の位置に移動する。
【0075】
このように秒針53により電波受信結果が示されている際、文字板表示パネル4には、秒針53の指示位置と同様に、電波受信失敗を示すメッセージ内容「電波受信 失敗」が文字で表示されている。このメッセージは、電波修正機能の動作状態を示す機能情報(具体的には状態情報)として表示されている。このように、秒針53の指示位置が意味するところと同じ内容が文字板表示パネル4にも表示されている。
さらに、文字板表示パネル4上の操作ボタン8の近傍には「元に戻る」の文字と▲(黒三角)の表示とによる操作説明が表示されている。
【0076】
本変形例では、次のような効果を奏する。
(12)秒針53によって電波受信結果などの所定状態が示されている際に、その秒針53の指示位置についての十分な説明が文字板表示パネル4に提供されるため、その秒針53の動作の意味を知らなくても、ユーザが困惑することがない。すなわち、秒針53の動作は故障ではなく、秒針53の指示位置は受信結果を意味することを容易に理解することができる。さらに、機能表示状態から通常状態に戻るための操作説明も文字板表示パネル4に提供されることから、利便性をより向上させることができる。
【0077】
(13)また、秒針53が電波受信結果などの情報表示にも兼用されるため、たとえ、機能情報が表示される領域のサイズに対して表示させたい情報の量が多くても、この秒針53の指示位置と文字板表示パネル4における表示とを組み合わせて情報を表現することが可能となる。これにより、ユーザーに確実に情報伝達可能となる。
(14)さらに、本実施形態の時計には、秒針53が電波受信結果などの情報表示にも兼用される既存のアナログ表示ムーブメントを利用できるため、設計や製造のコストを低減することが可能となる。
【0078】
なお、前記各実施形態として腕時計を示したが、これに限らず、懐中時計やクロックなどにも本発明を適用可能であることは言うまでもない。
【0079】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、時計のほか、時計機能を備える各種機器、例えばダイビングコンピュータなどにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態である時計の外観図(通常状態)。
【図2】表示パネルの電気泳動層を示す模式図。
【図3】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図4】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図5】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態である時計の外観図(通常状態)。
【図7】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図8】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図9】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図10】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図11】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図12】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図13】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図14】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図15】前記時計の変形例を示す図(通常状態)。
【図16】本発明の第3実施形態である時計の外観図(通常状態)。
【図17】前記時計の機能表示状態を示す図。
【図18】本発明の変形例における時計を示す図。
【図19】従来例を示す図。
【図20】従来例を示す図。
【符号の説明】
【0082】
1,11,11´,21・・・時計、2,12・・・ムーブメント(機能動作部を含む)、4・・・文字板表示パネル(表示部)、5・・・指針、6〜9,16〜19・・・操作ボタン(操作部材)、10,20・・・操作案内ボタン(専用部材)、14,24・・・表示パネル、141・・・時刻表示部、142・・・機能表示部、241・・・時刻表示部、242・・・機能表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時する計時部と、
所定機能の発揮に関する動作を行う機能動作部と、
前記計時部により得られる計時情報と、前記機能動作部の操作に関する操作情報および前記機能動作部の状態を示す状態情報の少なくともいずれかが含まれる機能情報とを表示可能に構成された表示部と、を備え、
その状態として、前記計時情報が表示されている通常状態と、前記機能情報が表示されている機能表示状態とを有し、
前記表示部には、前記機能表示状態の間も前記計時情報が表示されている
ことを特徴とする時計。
【請求項2】
計時する計時部と、
所定機能の発揮に関する動作を行う機能動作部と、
前記計時部により得られる計時情報と、前記機能動作部の操作に関する操作情報および前記機能動作部の状態を示す状態情報の少なくともいずれかが含まれる機能情報とを表示可能に構成された表示部と、を備え、
前記計時情報は、1つ以上の指針による表示を有し、
少なくとも1つ以上の前記指針は、前記機能動作部によって当該機能動作部の所定状態を前記指針の指示位置により示すことと、前記計時情報を示すこととに兼用され、
前記表示部には、前記指針の指示位置により前記所定状態が示されている際に、前記状態情報として前記所定状態の説明が表示されている
ことを特徴とする時計。
【請求項3】
請求項1または2に記載の時計において、
前記計時情報を示す指針および文字板を備え、
前記表示部は、前記文字板としての表示パネルとされている
ことを特徴とする時計。
【請求項4】
請求項1または2に記載の時計において、
前記表示部は、各ドットにトランジスタが使用されたドットマトリックス方式の電気泳動表示ディスプレイとされ、
前記計時情報および前記機能情報のうち少なくとも前記機能情報は、前記電気泳動ディスプレイに表示される
ことを特徴とする時計。
【請求項5】
請求項1または2に記載の時計において、
前記表示部は、前記計時情報と前記機能情報とを表示可能に構成された表示パネルとして構成され、
前記計時情報の表示領域は、前記通常状態から前記機能表示状態に移行した際に狭くなり、
前記機能情報は、前記表示パネルの前記計時情報が表示される領域を除いた所定領域に表示される
ことを特徴とする時計。
【請求項6】
請求項1または2に記載の時計において、
前記計時情報および前記機能情報はそれぞれ、前記表示部における互いに重ならない領域に表示され、
前記機能情報が表示される前記領域は、前記通常状態の際にも情報表示に使用可能とされている
ことを特徴とする時計。
【請求項7】
請求項1または2に記載の時計において、
前記表示部に前記機能情報を表示させる操作を行う専用部材を備えている
ことを特徴とする時計。
【請求項8】
請求項1または2に記載の時計において、
前記表示部には、前記状態情報と当該状態に対応する前記操作情報との両方が表示される
ことを特徴とする時計。
【請求項9】
請求項1または2に記載の時計において、
前記機能動作部を動作させる操作部材を備え、
前記操作部材を操作可能な際に、前記操作情報として当該操作部材の操作説明が表示されている
ことを特徴とする時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−139167(P2008−139167A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325917(P2006−325917)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】