説明

暖房便座装置

【課題】クッション部を有する便座を急速加熱しても着座面の温度が過度に上昇せず、快適性と省エネルギー性とを両立させることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】発熱部と、前記発熱部と着座面との間に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、前記発熱部を加熱させるための通電を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記便座を昇温させる際に、所定時間前からの前記発熱部の加熱履歴に基づいて前記発熱部を加熱させるための投入電力量を制御することを特徴とする暖房便座装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、暖房便座装置に関し、具体的には便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、便座の座面は、PP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂で製造されている。そのため、使用者が便座に座ったときに、硬い座り心地を与えている。また、冬場などの気温の低いときに冷えた便座に座ると、冷感を感じる。そこで、少なくとも一部に弾性体層を有する便座と、便座内に配設した便座ヒータと、を備えた便座装置がある(特許文献1)。特許文献1によれば、温度斑がなく快適で、エネルギー効率のよい便座装置を提供することができる。しかしながら、弾性体層の熱抵抗が大きいため、便座ヒータの熱が着座面に伝わるまでには時間がかかる。
【0003】
また、制御部が、発熱体への通電開始時の温度検知手段の検知温度に基づいて着座部の温度が適温になる発熱体への通電制限時間を演算し、通電制限時間に到達するまで発熱体への通電を行い、その後、発熱体への通電量を低減して、着座部の温度が適温に維持されるように、温度検知手段による検知温度に基づいて発熱体の通電制御を行う暖房便座がある(特許文献2)。便座を急速に加熱すると、着座部の温度は、例えば10秒程度で適温に到達するため、温度検知手段の検知温度に基づいて発熱体への通電量を制御すると、オーバーシュートが発生するおそれがある。これに対して、特許文献2に記載された暖房便座によれば、昇温起動時には演算した通電制限時間に到達するまで発熱体へ通電するので、昇温速度がはやく、温度検知手段の応答速度が遅くても、精度良く快適に適温まで昇温・維持させ、安全に便座を加温することができる。
【0004】
ところで、非使用時の使用電力を削減し省エネルギー化を図るためには、弾性体層を有する便座においても急速加熱が必要である。しかしながら、弾性体層を有する便座において急速加熱を実行すると、弾性体層の熱抵抗が大きいためオーバーシュートの問題が顕著となり、着座面の温度が過度に上昇するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−97937号公報
【特許文献2】特許第4148295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、クッション部を有する便座を急速加熱しても着座面の温度が過度に上昇せず、快適性と省エネルギー性とを両立させることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、発熱部と、前記発熱部と着座面との間に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、前記発熱部を加熱させるための通電を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記便座を昇温させる際に、所定時間前からの前記発熱部の加熱履歴に基づいて前記発熱部を加熱させるための投入電力量を制御することを特徴とする暖房便座装置である。
【0008】
この暖房便座装置によれば、制御部は、便座を昇温させる際に、所定時間前からの発熱部の加熱履歴に基づいて発熱部を加熱させるための投入電力量を制御する。そのため、より短時間の間に複数回の便座の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することを防止できる。つまり、制御部は、より短時間の間に複数回の便座の昇温動作を行っても、着座面を快適な温度に保つことができる。また、電力を無駄に消費することがなく、省エネルギー化を図ることができる。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記発熱部の加熱履歴は、前記発熱部を加熱させるために投入した投入電力量に基づいて算出した前記所定時間前からの前記発熱部の発熱量であり、前記制御部は、前記算出した前記発熱量に基づいて前記投入電力量を決定することを特徴とする暖房便座装置である。
【0010】
この暖房便座装置によれば、制御部は、発熱部を加熱させるために投入した投入電力量に基づいて所定時間前からの発熱部の発熱量を算出し、その算出した発熱量に基づいて投入電力量を決定する。そのため、大がかりな設備を必要とはしない。これにより、暖房便座装置を小型化することができる。
【0011】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記制御部は、前記発熱部を加熱させるために所定の投入電力量を超えて前記電力を投入しようとする場合に、前記発熱部の加熱履歴に基づいて前記投入電力量を制御することを特徴とする暖房便座装置である。
【0012】
この暖房便座装置によれば、制御部は、発熱部を加熱させるために所定の投入電力量を超えて電力を投入しようとする場合に、発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。つまり、制御部は、急速加熱を実行しようとすることを検知し、発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。そのため、昇温動作を確実に認識し、発熱部の加熱履歴に基づく通電制御を実行することができる。
【0013】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、通電されて磁界を発生する加熱コイルと、前記加熱コイルから発生する磁界で誘導される渦電流により発熱する導電体と、を有する誘導加熱手段を備え、前記発熱部は、前記導電体であることを特徴とする暖房便座装置である。
【0014】
この暖房便座装置によれば、通電されて磁界を発生する加熱コイルと、加熱コイルから発生する磁界で誘導される渦電流により発熱する導電体と、を有する誘導加熱手段を備え、発熱部は、導電体である。そのため、暖房便座装置は、誘導加熱手段により便座の着座面を急速に加熱することで、より早く着座面を適温にすることができる。そのため、使用者が便座を使用していないときには便座を保温しておく必要はなく、省エネルギー化を図ることができる。また、便座を急速に加熱しようとする際には、制御部は、所定時間前からの発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。そのため、より短時間の間に複数回の便座の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の態様によれば、クッション部を有する便座を急速加熱しても着座面の温度が過度に上昇せず、快適性と省エネルギー性とを両立させることができる暖房便座装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
【図2】発熱部がヒータである具体例にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図3】本具体例にかかる便座の断面を表す断面模式図である。
【図4】発熱部が誘導加熱手段の加熱板である具体例にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図5】本具体例にかかる便座の断面を表す断面模式図である。
【図6】本実施形態の便座の着座面の温度と急速加熱時の投入電力量との関係を例示するグラフである。
【図7】比較例の便座の着座面の温度と急速加熱時の投入電力量との関係を例示するグラフである。
【図8】過去の所定時間内の投入電力量と、決定された投入電力量と、の関係を例示するグラフである。
【図9】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例を表すフローチャートである。
【図10】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の他の具体例を表すフローチャートである。
【図11】本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
【0018】
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、暖房便座機能部400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、暖房便座機能部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0019】
便座200は、便座200を暖めることができる発熱部を内蔵する。発熱部は、例えばヒータや、誘導加熱手段の加熱板(導電体)などである。ここで、これらの詳細について、図2〜図5を参照しつつ説明する。
【0020】
まず、発熱部がヒータである場合を例に挙げて説明する。
図2は、発熱部がヒータである具体例にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
また、図3は、本具体例にかかる便座の断面を表す断面模式図である。
なお、図3は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
【0021】
本具体例の便座200は、ヒータ(発熱部)210を内蔵する。このヒータ210は、通電されて発熱することにより、便座200を暖めることができる。つまり、ヒータ210は、便座の表面(着座面)に伝えられる熱を発生する。なお、ヒータ210の設置形態や設置数は、図3に表したヒータ210の設置形態や設置数に限定されるわけではない。
【0022】
ヒータ210としては、いわゆる「チュービングヒータ」や、「シーズヒータ」、「ハロゲンヒータ」、「カーボンヒータ」などを用いることができる。また、ヒータ210の形状は、ワイヤ状やシート状やメッシュ状などのいずれであってもよい。
【0023】
また、便座200は、ヒータ210の近傍の温度を検知できる温度センサ271を内蔵する。温度センサ271は、ヒータ210の近傍に設けられている。なお、温度センサ271は、相対的にみてヒータ210の近くに配置されていればよい。つまり、温度センサ271からみたときに、着座面よりもヒータ210の方が近くに配置されていればよい。あるいは、温度センサ271の検知温度は、着座面の温度よりもヒータ210の温度に近いように配置されていればよい。
【0024】
暖房便座機能部400は、図2に表したように、温度センサ271からの検知信号に基づいてヒータ210を加熱させるための通電を制御する制御部410と、過去のヒータ210の加熱履歴を記憶する記憶部415と、を有する。そして、制御部410は、便座200を昇温させる際に、記憶部415に記憶された過去のヒータ210の加熱履歴に基づいてヒータ210を加熱させるための投入電力量を制御することができる。これについては、後に詳述する。
【0025】
便座200は、図3に表したように、基材230と、弾力性(クッション性)を有するクッション部240と、クッション部240の上面や側面を覆う表面部250と、ヒータ210の上に隣接して設けられた熱伝導体260と、基材230の内部にヒータ210と離間して設けられた断熱材220と、を有する。基材230は、上板231と底板233とを有する。但し、基材230は、一体的に形成されていてもよい。また、表面部250の表面は、着座面として機能する。なお、本願明細書において「弾力性(クッション性)」とは、荷重を受けて圧縮変形したり、荷重を受けて厚みが変化する性質をいう。
【0026】
基材230は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂から形成されている。熱伝導体260としては、例えばアルミシートやカーボンシートなどが挙げられる。クッション部240は、基材230よりも柔らかい材料により形成され、使用者が便座200に着座すると、その体重に応じて変形して体重を分散させる。クッション部240は、基材230の上に設けられクッション性を有するため、使用者が便座200に座ったときの座り心地を向上させることができる。また、断熱材220は、便座200の下への放熱を抑止できる。
【0027】
次に、発熱部が誘導加熱手段の加熱板である場合を例に挙げて説明する。
図4は、発熱部が誘導加熱手段の加熱板である具体例にかかる暖房便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
また、図5は、本具体例にかかる便座の断面を表す断面模式図である。
なお、図5は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
【0028】
本具体例の便座200は、誘導加熱手段280を内蔵する。誘導加熱手段280は、通電されて磁界を発生する加熱コイル281と、加熱コイル281から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する加熱板(発熱部)283と、を有する。加熱板283は、上板231の下面に付設されている。一方、加熱コイル281は、加熱板283の下面に付設されている。加熱板283は、加熱板283自身が発熱する熱により便座200の着座面を急速に加熱することができる。
【0029】
なお、加熱コイル281および加熱板283の設置形態や設置数は、これだけに限定されるわけではない。加熱板283は、例えば、上板231の上面に付設されていてもよいし、上板231の内部に設けられていてもよいし、クッション部240の内部に設けられていてもよい。また、加熱コイル281は、便座200に内蔵されていることに限定されず、例えば便蓋300に内蔵されていてもよい。
【0030】
また、便座200は、加熱板283の近傍の温度を検知できる温度センサ271を内蔵する。温度センサ271は、加熱板283の近傍に設けられている。なお、温度センサ271は、相対的にみて加熱板283の近くに配置されていればよい。つまり、温度センサ271からみたときに、着座面よりも加熱板283の方が近くに配置されていればよい。あるいは、温度センサ271の検知温度は、着座面の温度よりも加熱板283の温度に近いように配置されていればよい。
【0031】
暖房便座機能部400は、図4に表したように、温度センサ271からの検知信号に基づいて加熱板283を加熱させるための通電を制御する制御部410と、過去のヒータ210の加熱履歴を記憶する記憶部415と、を有する。そして、制御部410は、便座200を昇温させる際に、記憶部415に記憶された過去の加熱板283の加熱履歴に基づいて加熱コイル281を加熱させるための投入電力量を制御することができる。これについては、後に詳述する。
【0032】
加熱板283は、導電体により形成されている。導電体としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、またはアルミニウムなどの常磁性体といった金属を用いることができる。便座200の外部に磁界を放出させにくくするためには、電気抵抗が大きい鉄やステンレスなどの強磁性体を加熱板283に用いることがより好ましい。
【0033】
また、本具体例の便座200は、図5に表したように、磁路安定手段290を内蔵する。磁路安定手段290は、例えばフェライトコアなどと呼ばれ、加熱板283以外の空間の磁路を安定にし、加熱板283の発熱効率を上げることができる。また、磁路安定手段290は、加熱板283以外の空間の磁路を安定にし、加熱板283の温度分布を調整することができる。さらに、磁路安定手段290は、便座200の下側、すなわち底板233の側への磁界の漏れを抑制することができる。その他の構造は、図2および図3に関して前述した具体例と同様である。
【0034】
図1に戻って説明すると、暖房便座機能部400は、便座200への使用者の着座を検知する着座検知センサ420と、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ430と、トイレ室への使用者の入室を検知する入室検知センサ440と、便蓋300の開閉を検知する便蓋開閉検知センサ460と、トイレ室の室内温度を検知する室温検知手段470と、を有する。
【0035】
着座検知センサ420は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ420は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ420としては、例えば、赤外線投受光式のセンサなどを用いることができる。
【0036】
また、人体検知センサ430は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ430は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ430としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。この測距センサの出力は、被検知体の位置、すなわち便座200の前方にいる使用者の位置に基づいて変化する。そのため、測距センサは、便座200の前方にいる使用者との距離、すなわち、その使用者の位置を検知することができる。
【0037】
また、入室検知センサ440は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ440は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。このような入室検知センサ440としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
【0038】
便蓋開閉検知センサ460としては、例えば、ホールICまたはマイクロスイッチなどを用いることができる。そのため、便蓋開閉検知センサ460は、暖房便座機能部400に内蔵されていることに限定されず、便蓋300のヒンジ部や暖房便座機能部400の外部に設けられていてもよい。つまり、便蓋開閉検知センサ460は、便蓋300の開閉を検知できればよい。これは、着座検知センサ420および入室検知センサ440についても同様であり、着座検知センサ420および入室検知手440は、暖房便座機能部400に内蔵されていることに限定されない。
【0039】
図1に表したトイレ装置では、暖房便座機能部400の上面に凹設部451が形成され、この凹設部451に一部が埋め込まれるように入室検知センサ440が設けられている。入室検知センサ440は、便蓋300が閉じた状態では、その基部付近に設けられた透過窓310を介して使用者の入室を検知する。
【0040】
また、暖房便座機能部400は、衛生洗浄装置としての機能部を併設してもよい。すなわち、暖房便座機能部400は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などを適宜備えてもよい。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0041】
またさらに、暖房便座機能部400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。この際、暖房便座機能部400の側面には、脱臭ユニットからの排気口453及び室内暖房ユニットからの排出口455が適宜設けられる。ただし、本発明においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
【0042】
図6は、本実施形態の便座の着座面の温度と急速加熱時の投入電力量との関係を例示するグラフである。
また、図7は、比較例の便座の着座面の温度と急速加熱時の投入電力量との関係を例示するグラフである。
また、図8は、過去の所定時間内の投入電力量と、決定された投入電力量と、の関係を例示するグラフである。
【0043】
本実施形態にかかる暖房便座装置100の制御部410は、暖房便座装置100の使用状況に基づいて発熱部を加熱させるための投入電力量を決定することができる。あるいは、暖房便座装置100の使用状況に応じて予め設定された投入電力量がテーブルとして記憶部415に記憶されており、制御部410は、そのテーブルを参照することにより投入電力量を決定することができる。そして、制御部410により決定された投入電力量に基づいた熱が、ヒータ210や加熱板283などの発熱部に発生する。つまり、制御部410により決定された投入電力量に基づいた発熱量が、ヒータ210や加熱板283などの発熱部から着座面へ向かって伝わる。なお、制御部410は、室温検知手段470が検知したトイレ室の室内温度を参照して投入電力量を決定すると、便座200の着座面の温度をより精度良く制御することができる。
【0044】
例えば、使用者により便蓋300が開かれたときには、制御部410は、便蓋300が開かれたことに基づいて投入電力量を決定することができる。より具体的には、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ460が検知すると、制御部410は、便蓋開閉検知センサ460の検知結果に基づいて投入電力量を決定することができる。
一方、例えば、使用者により便蓋300が閉じられたときには、制御部410は、便蓋300が閉じられたことに基づいて他の投入電力量を決定することができる。より具体的には、便蓋300が閉じたことを便蓋開閉検知センサ460が検知すると、制御部410は、便蓋開閉検知センサ460の検知結果に基づいて他の投入電力量を決定することができる。
【0045】
また、本実施形態の制御部410は、暖房便座装置100の使用状況に基づいた投入電力量(所定の投入電力量)よりも高い電力量を投入する必要が生じたと判断した場合には、その使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する急速加熱を実行することができる。使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量が必要になる場合とは、例えば冬場などの気温の低いときなどに便蓋300が開くことにより着座面の温度が低下すると予想される場合や、断熱性が高い便蓋300が開くことにより着座面の温度が低下すると予想される場合などである。また、制御部410は、設定温度(目標温度)を変更することにより急速加熱を実行してもよい。なお、急速加熱を実行する必要性の判断については、後に詳述する。
【0046】
ここで、本実施形態の便座200は、図3および図5に関して前述したように、クッション部240を有する。クッション部240の熱抵抗は、例えばPPなどの樹脂により形成された基材230の熱抵抗よりも大きい。そのため、発熱部の発熱量が着座面に伝わるまでの時間は、クッション部240が設けられていない場合の時間よりも長い。つまり、発熱部において発生した熱は、着座面に伝わりにくくクッション部240に溜まりやすい。そのため、暖房便座装置100の使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する必要が生じた場合において、制御部410が急速加熱を実行すると、着座面の温度が過度に上昇するおそれがある。
【0047】
図7に表した比較例を参照しつつ、さらに説明する。
例えば、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ460が検知すると、制御部410は、使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する必要が生じたと判断し急速加熱を実行する(タイミングt1)。
【0048】
続いて、設定された時間が経過すると、制御部410は、急速加熱を停止する(タイミングt2)。続いて、便蓋300が閉じたことを便蓋開閉検知センサ460が検知すると、制御部410は、使用状況(便蓋300が閉じた状況)に基づいた電力量を投入する(タイミングt3)。つまり、この状況(便蓋300が閉じた状況)では、制御部410は、急速加熱を実行する必要はないと判断し、暖房便座装置100の使用状況に基づいた投入電力量を決定する。
【0049】
続いて、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ460が再度検知すると、制御部410は、使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する必要が生じたと判断し急速加熱を再度実行する(タイミングt4)。このとき、制御部410は、タイミングt1〜t2における急速加熱と同様に、便蓋300が開いたときに実行される急速加熱の投入電力量に基づいて急速加熱を実行する。そうすると、図7に表したように、便座200の着座面の温度が過度に上昇する場合がある。これは、前述したように、発熱部において発生した熱は、着座面に伝わりにくくクッション部240に溜まりやすいためである。タイミングt5以降の動作は、タイミングt1〜t4に関して前述した動作と同様である。
【0050】
これに対して、本実施形態では、制御部410は、便座200を昇温させる際には、所定時間前からの発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御することができる。発熱部の加熱履歴とは、例えば、発熱部を加熱させるために投入した投入電力量に基づいて算出した所定時間前からの発熱部の発熱量などである。制御部410は、所定時間内の発熱部の発熱量を所定時間内の投入電力量から算出し、その算出した発熱量に基づいてヒータ210や加熱コイル281への投入電力量を決定する。そして、制御部410は、使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入しようとする場合に、発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。
【0051】
より具体的には、図8に表したように、過去の所定時間内の投入電力量がより高い場合には、制御部410は、より低い投入電力量を決定し、その決定した投入電力量をヒータ210や加熱コイル281へ投入する。なお、制御部410は、過去の所定時間内の投入電力量から算出した発熱部の発熱量に基づいてヒータ210や加熱コイル281への投入電力量を決定することに限定されるわけではなく、過去の所定時間内の投入電力量に直接的に基づいてヒータ210や加熱コイル281への投入電力量を決定してもよい。
【0052】
図6に表した具体例を参照しつつ、さらに説明する。
例えば、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ460が検知すると、制御部410は、使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する必要が生じたと判断し急速加熱を実行しようとする(タイミングt11)。この際、制御部410は、所定時間前からの発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。
【0053】
制御部410により制御された投入電力量の投入が完了すると、制御部410は、急速加熱を停止する(タイミングt12)。続いて、便蓋300が閉じたことを便蓋開閉検知センサ460が検知すると、制御部410は、使用状況(便蓋300が閉じた状況)に基づいた電力量を投入する(タイミングt13)。つまり、この状況(便蓋300が閉じた状況)では、制御部410は、急速加熱を実行する必要はないと判断し、暖房便座装置100の使用状況に基づいた投入電力量を決定する。
【0054】
続いて、便蓋300が開いたことを便蓋開閉検知センサ460が再度検知すると、制御部410は、使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する必要が生じたと判断し急速加熱を再度実行しようとする(タイミングt14)。この際、制御部410は、所定時間前からの発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。
【0055】
より具体的には、制御部410は、タイミングt11〜t12において、投入電力量がより大きい急速加熱を実行した。そのため、過去の所定時間内の投入電力量は、より高い。そこで、制御部410は、例えば図8に表したグラフに基づいてタイミングt14において投入しようとする投入電力量をより低い投入電力量に決定する。なお、制御部410は、投入しようとする投入電力量を図8に表したグラフに基づいて決定することに限定されるわけではなく、例えば記憶部415に記憶された演算式に基づいて決定してもよい。タイミングt15以降の動作は、タイミングt11〜t14に関して前述した動作と同様である。
【0056】
これによれば、制御部410は、発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御するため、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することを防止できる。つまり、制御部410は、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面を快適な温度に保つことができる。また、電力を無駄に消費することがなく、省エネルギー化を図ることができる。
【0057】
また、制御部410は、所定時間内の発熱部の発熱量を所定時間内の投入電力量から算出するため、大がかりな設備を必要とはしない。そのため、暖房便座装置100を小型化することができる。さらに、制御部410は、急速加熱を実行しようとすることを検知し、発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御するため、昇温動作を確実に認識し、発熱部の加熱履歴に基づく通電制御を実行することができる。
【0058】
次に、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の具体例では、発熱部がヒータ210である場合を例に挙げて説明する。
図9は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の具体例を表すフローチャートである。
【0059】
まず、急速加熱の指令が制御部410に入力されると(ステップS101)、制御部410は、便座200の着座面の温度が設定されているか否かを判断する(ステップS103)。便座200の着座面の温度が設定されている場合には(ステップS103:Y)、制御部410は、温度センサ271および室温検知手段470によりヒータ210の温度およびトイレ室の室内温度(外気温度)をそれぞれ測定する(ステップS107)。一方、便座200の着座面の温度が設定されていない場合には(ステップS103:N)、制御部410は、ヒータ210への投入電力量を制御せず、ヒータ210をオフに設定する(ステップS105)。
【0060】
続いて、制御部410は、急速加熱条件を満たしたか否かを判断する(ステップS109)。つまり、暖房便座装置100の使用状況に基づいた投入電力量よりも高い電力量を投入する必要が生じたか否かを判断する(ステップS109)。
【0061】
ここで、急速加熱条件について説明する。
使用者が着座面の設定温度を変更することにより、着座面を昇温させる必要がある場合には、制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断する。
また、便蓋300が開くことにより着座面の温度が低下すると予測される場合には、制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断する。例えば、冬場などの気温の低いときなどである。
また、トイレ室への使用者の入室を入室検知センサ440が検知することにより、使用者が便座200に着座する可能性があると予測される場合には、制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断する。
また、便座200に着座していた使用者を着座検知センサ420が検知しなくなると、制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断する。これは、使用者が便座200から離座することにより、着座面からの放熱量が増加するためである。
また、暖房便座装置100の電源が投入されることにより、着座面を昇温させる必要がある場合には、制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断する。これは、暖房便座装置100の電源が投入される前では、着座面の温度は設定温度よりも低い場合が多いためである。
【0062】
そして、制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断した場合には(ステップS109:Y)、過去の所定時間内において閾値(使用状況に基づいた投入電力量)以上の投入電力量が投入されたか否かを判断する(ステップS113)。つまり、ステップS113における動作は、制御部410が過去の所定時間内において急速加熱を実行したか否かを判断する動作に相当する。一方、制御部410は、急速加熱条件を満たしていないと判断した場合には(ステップS109:N)、急速加熱を実行することなく、暖房便座装置100の使用状況に基づいた投入電力量を投入する(ステップS111)。
【0063】
過去の所定時間内において閾値以上の投入電力量が投入された場合には(ステップS113:Y)、制御部410は、所定時間内の投入電力量に基づいて急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定する(ステップS117)。このとき、制御部410は、ステップS107において測定した外気温度を参照して急速加熱時の投入電力量を決定すると、より正確な投入電力量を予測することができ、便座200の着座面の温度をより精度良く制御することができる。
【0064】
一方、過去の所定時間内において閾値以上の投入電力量が投入されていない場合には(ステップS113:N)、制御部410は、急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定することなく、予め設定された投入電力量に基づいて急速加熱を実行する(ステップS115)。
【0065】
本具体例によれば、過去の所定時間内において急速加熱が実行された場合には、制御部410は、急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定する。そのため、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することを防止できる。つまり、制御部410は、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面を快適な温度に保つことができる。
【0066】
図10は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の他の具体例を表すフローチャートである。
ステップS201〜S211における動作は、図9に関して前述した具体例のステップS101〜S111における動作と同様である。
【0067】
制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断した場合には(ステップS209:Y)、過去の所定時間内の総投入電力量が一定量以上か否かを判断する(ステップS213)。つまり、図9に関して前述した具体例では、過去の所定時間内において閾値以上の投入電力量が投入されたか否かを判断するが、一方で、本具体例では、閾値以下の投入電力量も含めて過去の所定時間内の総投入電力量が一定量以上か否かを判断する(ステップS213)。なお、ステップS213における所定時間とは、例えば約5分程度である。
【0068】
過去の所定時間内の総投入電力量が一定量以上である場合には(ステップS213:Y)、制御部410は、所定時間内の投入電力量に基づいて急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定する(ステップS217)。このとき、制御部410は、ステップS207において測定した外気温度を参照して急速加熱時の投入電力量を決定すると、より正確な投入電力量を予測することができ、便座200の着座面の温度をより精度良く制御することができる。
ステップS215における動作は、図9に関して前述した具体例のステップS115における動作と同様である。
【0069】
本具体例によれば、過去の所定時間内の総投入電力量が一定量以上である場合には制御部410は、急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定する。そのため、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することをより確実に防止できる。つまり、制御部410は、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面を快適な温度により精度良く保つことができる。
【0070】
図11は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作のさらに他の具体例を表すフローチャートである。
ステップS301〜S311における動作は、図9に関して前述した具体例のステップS101〜S111における動作と同様である。
【0071】
制御部410は、急速加熱条件を満たしたと判断した場合には(ステップS309:Y)、前回の急速加熱の実行から所定時間以上が経過したか否かを判断する(ステップS313)。前回の急速加熱の実行から所定時間以上が経過していない場合には(ステップS313:N)、制御部410は、前回の急速加熱時の投入電力量に基づいて今回の急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定する(ステップS317)。このとき、制御部410は、ステップS307において測定した外気温度を参照して急速加熱時の投入電力量を決定すると、より正確な投入電力量を予測することができ、便座200の着座面の温度をより精度良く制御することができる。
ステップS315における動作は、図9に関して前述した具体例のステップS115における動作と同様である。
【0072】
本具体例によれば、前回の急速加熱の実行から所定時間以上が経過していない場合には、制御部410は、今回の急速加熱時の投入電力量をより低い投入電力量に決定する。そのため、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することを防止できる。つまり、制御部410は、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面を快適な温度に保つことができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部410は、便座200を昇温させる際には、所定時間前からの発熱部の加熱履歴に基づいて投入電力量を制御する。そのため、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面の温度が過度に上昇することを防止することができる。つまり、制御部410は、より短時間の間に複数回の便座200の昇温動作を行っても、着座面を快適な温度に保つことができる。また、電力を無駄に消費することがなく、省エネルギー化を図ることができる。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやヒータ210や加熱コイル281や加熱板283の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0075】
100 暖房便座装置、 200 便座、 210 ヒータ、 220 断熱材、 230 基材、 231 上板、 233 底板、 240 クッション部、 250 表面部、 260 熱伝導体、 271 温度センサ、 280 誘導加熱手段、 281 加熱コイル、 283 加熱板、 290 磁路安定手段、 300 便蓋、 310 透過窓、 400 暖房便座機能部、 410 制御部、 415 記憶部、 420 着座検知センサ、 430 人体検知センサ、 440 入室検知センサ、 451 凹設部、 453 排気口、 455 排出口、 460 便蓋開閉検知センサ、 470 室温検知手段、 800 便器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部と、前記発熱部と着座面との間に設けられ弾力性を有するクッション部と、を有する便座と、
前記発熱部を加熱させるための通電を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記便座を昇温させる際に、所定時間前からの前記発熱部の加熱履歴に基づいて前記発熱部を加熱させるための投入電力量を制御することを特徴とする暖房便座装置。
【請求項2】
前記発熱部の加熱履歴は、前記発熱部を加熱させるために投入した投入電力量に基づいて算出した前記所定時間前からの前記発熱部の発熱量であり、
前記制御部は、前記算出した前記発熱量に基づいて前記投入電力量を決定することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記発熱部を加熱させるために所定の投入電力量を超えて前記電力を投入しようとする場合に、前記発熱部の加熱履歴に基づいて前記投入電力量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の暖房便座装置。
【請求項4】
通電されて磁界を発生する加熱コイルと、前記加熱コイルから発生する磁界で誘導される渦電流により発熱する導電体と、を有する誘導加熱手段を備え、
前記発熱部は、前記導電体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の暖房便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図6】
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【図7】
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