説明

暖房便座

【課題】本発明は暖房便座に関するものであり、便座の保温のための非使用時の待機電力を削減し、極めて省エネルギーな便座暖房と、精度良く快適な温度調節を実現する。
【解決手段】本発明の暖房便座は、内部に空洞部27が形成された便座22と、前記空洞部27に設けられた発熱体29と、前記便座22の着座部と、前記着座部の温度を検知するように設けた温度検知手段44と、前記温度検知手段44の信号により発熱体29を制御する制御部50と、人体検知手段25を備えたもので、便座使用直前に便座22の着座部を、時間優先制御にて高速に昇温させても精度良く快適に適温まで昇温・維持し、省エネになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房機能を有する便座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の暖房便座には、以下に示すようなものがあった(特許文献1参照)。
【0003】
この暖房便座は、便座本体の断面形状は、上方に向かって膨出され、しかも、上面がその内周縁および外周縁に向けてゆるやかに傾斜する形状となっており、さらに、裏面には合成樹脂あるいはゴム製の当片が所要の間隔を空けて設けられていた。そして便座本体の上面には、導電材料を両面より絶縁シートで覆った可撓性の面発熱体が貼着又は便座本体の表面に露出させた状態で便座本体に埋設する等して設けられていた。この面発熱体は、所定のパターンに印刷配線を形成し、表面に合成樹脂シートを貼着することにより構成されていた。そしてさらに便座本体の上面に設けた面発熱体上を被覆するようにして便座本体1上にポリアミドあるいはポリエステル等の合成樹脂からなる絶縁樹脂層が被着してあった。
【0004】
この暖房便座は絶縁樹脂層が薄膜状に構成されているので、便座本体の上面に設けた面発熱体に通電を行うことにより、便座本体を加温することなく直ちに人体の要部を適温で暖めることができ、ヒーターを常時通電させておいて便座を加温させておく必要がなく、非常に省エネになるものである。
【特許文献1】実開昭59−194897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の暖房便座では、絶縁樹脂層内を伝導で熱が伝わるうえに便座本体への伝熱も生じるので、着座部の表面が適温になるまでかなりの時間を要するという課題を有していた。また、便座本体への伝熱を防ぎ絶縁樹脂層を薄くして熱容量を小さくすればするほど、面発熱体による温度上昇の速度がはやくなり温度調節が困難であるという課題も有していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために、着座部を有する便座と、前記便座に設けた発熱体と、前記着座部の温度を検知する温度検知手段と、タイマー部を有して前記温度検知手段の信号により前記発熱体を制御する制御部と、人体検知手段とを備え、前記制御部は、前記人体検知手段によって使用者がトイレに入室したことが検知されると、前記便座を昇温起動するとともに、前記タイマー部による付勢時間制御を優先的に行うものである。
【0007】
上記発明によれば、使用者がトイレに入室した後に発熱体を付勢させても、着座するまでの数秒間で便座の着座部を適温に昇温させることができ、前もって加温しておく必要がなく、極めて省エネルギーになる。そして、昇温速度がはやくても、発熱体への付勢をタイマー部による時間優先制御により行うので精度良く快適に適温まで昇温・維持させることができる。
【発明の効果】
【0008】
昇温起動時にはタイマー部により一定時間を経過した後、発熱体への付勢を制限し昇温速度を減ずることができるので、昇温速度がはやく、温度検知手段の応答速度が遅くても、発熱体への付勢をタイマー部による時間優先制御により行うので精度良く快適に適温ま
で昇温・維持させ、安全に便座を加温することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は上記課題を解決するために以下の構成よりなる。すなわち第1の構成としては、着座部を有する便座と、前記便座に設けた発熱体と、前記着座部の温度を検知する温度検知手段と、タイマー部を有して前記温度検知手段の信号により前記発熱体を制御する制御部と、人体検知手段とを備え、前記制御部は、前記人体検知手段によって使用者がトイレに入室したことが検知されると、前記便座を昇温起動するとともに、前記タイマー部による付勢時間制御を優先的に行うものである。
【0010】
そして、ヒーターを常時通電させておいて便座を加温しておく必要がなく、使用者がトイレに入室した後、便座に着座するまでの数秒間で便座の着座部を適温まで高速に昇温させることができ、非常に省エネになるとともに、実際に使用者の肌が触れる着座部の昇温をタイマーにより時間優先制御するので、昇温速度がはやく、温度検知手段の応答速度が遅くても精度良く安全で快適に適温まで昇温・維持させることができる。また安価な温度検知手段を使用することもできる。
【0011】
また第2の構成としては、便座位置検知手段を備え、前記制御部は、前記便座位置検知手段の信号により前記便座が起立状態にあるとき、または起立状態にもっていくと、発熱体への通電を停止するものである。
【0012】
これにより、無駄に便座を加温することを低減でき、さらに省エネを図ることができる。
【0013】
また第3の構成としては、室温を検知する室温検知手段とを備え、制御部にて前記室温検知手段の信号と温度検知手段の信号とを演算することにより発熱体を制御するものである。
【0014】
そして、昇温起動時に室温と便座初期温度から発熱体への付勢量または付勢時間を算出することにより、より精度良く安全に適温まで加熱することができる。
【0015】
また第4の構成としては、使用者の着座状態を検知する着座検知手段を備え、前記着座検知手段の信号により使用者が着座時には、発熱体への付勢を遮断または制限するものである。
【0016】
そして、着座検知手段の信号により、使用者が便座着座時には発熱体への付勢を遮断または低出力に制限するので、万一温度検知手段などが故障しても使用中に便座温度が過昇することなく、火傷等が生じる心配なく安全である。また、便座への着座直前だけ便座加温を行うので、非常に省エネになるものである。
【0017】
また第5の構成としては、便座内部に空洞部を設け、便座に設けられた給気口と、前記便座前部に設けられた排気口と、前記給気口と前記排気口を連通し前記便座内部に設けられた通風路を備えたものである。
【0018】
そして、通風路を通る空気流により便座内部を冷却することにより空洞部に設けた構成部品の温度上昇を防ぐことができ信頼性を高めることができるとともに、便座前部に設けられた排気口から温風を吹き出すことにより使用者の足元を暖房し快適性を向上することができる。
【0019】
また第6の構成としては、便座内部に空洞部を設け、前記空洞部を密閉構造としたもの
である。
【0020】
そして、便座内部を密閉構造としているので水や尿,洗剤等の浸入を防ぎ空洞部に設けた構成部品の劣化と便座内部からの異臭の発生を防ぐことができる。
【0021】
また第7の構成としては、空洞部と外気とを連通するすべての開口部を塞ぎ防水構造とし、部分的に圧力開放口を備えたものである。
【0022】
そして、水や尿,洗剤等の浸入を防ぎ空洞部に設けた構成部品の劣化と便座内部からの異臭の発生を防ぎつつ、便座内部の温度上昇による圧力上昇を圧力開放口から逃がすことにより構造部材の繰り返し応力による劣化を防ぐことができる。
【0023】
また第8の構成としては、複数の温度過昇防止構成を設けたものである。
【0024】
そして、万一の不安全事態に対して温度過昇を防止し安全性を向上することができる。
【0025】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の温水洗浄機能付き暖房便座の概略構成図であり、図2は斜視図であり、図3は同実施の形態1の便座の一部切り欠き平面図、図4は便座のケース上部の要部断面図である。図1から図3において、便器20に本体21が取り付けられており、この本体21に便座22および便ふた23が回動自在に設けられている。
【0027】
また、本体21の袖部には赤外線透過部24が設けられ、その内側にはトイレ空間の人体の有無を検知する赤外線センサー25(図示せず)が内装されている。
【0028】
便座22は、合成樹脂製の上・下2つの部材をそれぞれの内周縁および外周縁で溶着接合することによりケース26を形成し、その内部には水等の浸入を阻止できる密閉された空洞部27を有する構造となっている。
【0029】
上記空洞部27の内部には便座22の着座部に対向して、アルミ板を鏡面仕上げした輻射反射板28と輻射型発熱体であるランプヒーター29とが設けられている。輻射反射板28の端部は全周にわたり上方への折り曲げ部を有しており、その折り曲げ部によりランプヒーター29からの熱輻射が偏向されるので、ランプヒーター29から離れている外周縁部および内周縁部の輻射密度を上げるように作用し、ケース26上部への輻射分布の均一化を図っている。このランプヒーター29の近傍には、ランプヒーター29と直列に電気接続したサーモスタット30および温度ヒューズ31が設けられ、万一の不安全事態に対して温度過昇を防止するよう作用する。
【0030】
上記ランプヒーター29は、ガラス管32の内部にタングステンからなるフィラメント33を貫通しハロゲンガス34を封入して構成されており、フィラメント33の発熱に伴ってハロゲン化タングステンを形成するハロゲンサイクル反応を繰り返すことにより、フィラメント33の消耗を防止するよう作用している。この作用により熱容量の非常に小さいフィラメント33を熱源とすることができ、輻射エネルギーの極めて急峻な立ち上がりを行わせることができる。このランプヒーター29は、弾性材であるゴムブッシュ35を有するランプヒーター固定具36により輻射反射板28に固定され、輻射反射板28はゴム足37によりケース26に固定されている。38は便座22の脚ゴム39内に設けられたマイクロスイッチ40で構成された着座検知手段であり、便座22への加重でスイッチがオンすることにより使用者の着座を検知するようになっている。
【0031】
また図4において、ケース26は透明ポリプロピレン樹脂材料を用いて射出成形で構成されたケース本体41の上面に、カーボンブラックを多量に含有する輻射熱吸収層42を形成し、さらにその上にランプヒーター29から放射される全ての可視光を遮蔽するとともに、表面硬度,耐薬品性能,光沢等を考慮した光遮断層である表面化粧層43を形成したものである。ケース本体41は透明ポリプロピレン樹脂材料を平均厚み2.5mmにて成形することにより、輻射熱透過率を70%以上に設定すると同時に、その剛性から便座の構造矩体として機能している。また、形成されている輻射熱吸収層42の厚みは0.1mm,表面化粧層43の厚みは0.2mmであり、これら両層はケース本体41を透過した輻射熱を完全に吸収し、熱容量が非常に小さいので瞬時に昇温すると同時に、放射可視光を完全に遮蔽する。
【0032】
ケース26の内面に設けられた凹部にはサーミスタ44がはめ込まれ輻射熱吸収層42と熱的に接触しているので、輻射熱吸収層42の温度を直接検知できるようになっている。また、便座22の回動軸45には電極46が形成され本体21の軸受け部(図示せず)とともに便座位置検知手段47を構成し、便座が起立状態にあるか着座して使用される略水平の使用位置にあるかを検出するようになっている。本体21には室温検知手段として室温サーミスタ48とともに、便座22のランプヒーター29に通電することにより昇温を開始した時点からの経過時間をカウントするタイマー部49を有する制御部50が設けられている。そして、赤外線センサー25や着座検知手段40,サーミスタ44,便座位置検知手段47,室温サーミスタ48からの信号はそれぞれ制御部50に伝達され、これらの信号に基づいて採暖面である着座部の温度が所定の温度になるよう、ランプヒーター29への通電が制御されるようになっている。
【0033】
上記構成により、使用者がトイレに入室した場合、赤外線センサー25がそれを検知し、その信号が制御部50に送られる。このとき、便座位置検知手段47の信号により便座22が略水平の使用位置にあるのを確認すると、制御部50はランプヒーター29に通電を開始する。この付勢により投入エネルギーは瞬時に輻射エネルギーに変換され、フィラメント33からガラス管32および輻射反射板28を経てケース本体41の方向に放射される。さらに、輻射エネルギーはケース本体41の内部で一部吸収あるいは反射されるが、その大半は透過し輻射熱吸収層42および表面化粧層43の昇温に寄与する。以上の如く便座22の着座部の採暖面をほぼ瞬時に加温することができるので、ヒーターを常時通電しておくことなく非常に省エネになる。また、表面化粧層43が可視光を遮断し、便座22外部への光の漏れを防止するので、使用者に与える不安感を防止できる。
【0034】
そして制御部50は、通電開始時のサーミスタ44および室温サーミスタ48の信号をもとに、両者の温度差やそれぞれの温度から演算を行い、あらかじめ設定・記憶されている通電制限時間の最適値を選択し、タイマー部49でカウントしている経過時間が通電制限時間に到達すると通電量を低減またはゼロにし、その後サーミスタ44の信号をもとに便座22の着座部が適温になるよう通電量を制御する。これにより、サーミスタ44は実際に使用者が触れる着座部の温度を検知しているので、精度良く適温まで昇温・維持するので快適であり、さらにサーミスタ44および室温サーミスタ48の信号をもとに負荷量に合わせて輻射エネルギーの投入量を制御するのでより精度良く安全に適温まで加熱することができる。また、付勢時間制御を優先的に行うことで通電制限時間後は通電量を低減し昇温速度を減ずるので、温度検知手段の応答速度が遅くても安全に便座を加温することができ、また安価な温度検知手段を使用することもできる。
【0035】
一方、便座22が起立状態にあったり、男子使用者が入室後小用のために便座22を起立状態に持っていったときは、便座位置検知手段47の信号をもとに制御部50がランプヒーター29への通電を停止する。これにより、無駄に便座22を加温することを低減で
き、さらに省エネを図ることができるとともに、フィラメント33の張力方向である長さ方向に重力がかかり、これによって断線することを防止できる。
【0036】
次に、使用者が排便のために着座すると、着座検知手段38の信号によりランプヒーター29への通電量をゼロまたは便座温度が過昇しないところまで低減する。これにより、万一サーミスタ44などが故障しても使用中に便座温度が過昇することなく、火傷等が生じる心配なく安全である。加えて、便座への着座直前だけ便座加温を行うので、非常に省エネになるものである。
【0037】
また、本発明の暖房便座は、合成樹脂製の上・下2つの部材をそれぞれの内周縁および外周縁で溶着接合してケース26を形成し、便座22の内部を水等の浸入を阻止できる密閉構造としているので、水や尿,洗剤等の浸入を防ぎ、空洞部27に設けたランプヒーター29などの構成部品の劣化と、便座内部からの異臭の発生を防ぐことができる。そして、使用者が目的に合わせて、便座22を起立状態と略水平状態に開閉しても、弾性材であるゴムブッシュ35を有するランプヒーター固定具36の衝撃減衰効果に加えてゴム足37の効果により、ランプヒーター29への衝撃が吸収され、ガラス管やフィラメントの破損を防ぎ耐久性を向上することができる。
【0038】
なお、ここでは着座検知手段38を脚ゴム39内のマイクロスイッチ40で構成したもので説明したが、回動自在に設けた便座22のヒンジ部等に設けても良く、その場所や構成は種々のものが考えられる。
【0039】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2の温水洗浄機能付き暖房便座の斜視図、図6は便座の一部切り欠き平面図であり、図1〜図4と同符号のものは相当する構成要素であり、詳細な説明は省略する。図において、本体21には送風機51が設けられており、この送風機51から送られる空気流を、便座22の後部に設けた給気口52から導入し、便座22内を左右に分流して便座22前部に設けられた排気口53から吹き出すことができるように、便座22内に給気口52と排気口53を連通する通風路54が設けられている。
【0040】
上記構成により、送風機51を運転することにより空気流が給気口52から導入されて通風路54を通る。この空気流が便座22内部を冷却し、空洞部27に設けた構成部品の温度上昇を防ぐことができ信頼性を高めることができる。さらに、通風路内54で暖められた温風を便座22前部に設けられた排気口53から吹き出すことにより使用者の足元を暖房し快適性を向上することができる。
【0041】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3の暖房便座の便座前部の要部断面図であり、図4と同符号のものは相当する構成要素であり、詳細な説明は省略する。図において、ケース26は合成樹脂製の上・下2つの部材をそれぞれの内周縁および外周縁の接合部55で溶着接合して形成されていることにより、空洞部27と大気とを連通する開口部となり得る接合部55は、便座22内部への水や尿,洗剤等の浸入を防止できるよう防水構造になっている。そして圧力開放口56が、便座22の内部から内周縁に向かって下方へ傾斜して設けられている。
【0042】
上記構成により、空洞部27と大気とを連通する開口部は圧力開放口56を除き全て防水構造としてシールされ、圧力開放口56も便座22をどの位置に回動させても下方へ傾斜するようになっており、水等が浸入し難い構成となっている。これにより、空洞部27に設けた構成部品の劣化と便座内部からの異臭の発生を防ぐことができるとともに、便座22内部の温度上昇による圧力上昇を圧力開放口56から逃がすことにより、繰り返し応
力が構造部材であるケース26に加わることによる劣化を防ぐこともできる。
【0043】
以上の説明から明らかのように本発明の暖房便座によれば、次の効果が得られる。
【0044】
すなわち、ヒーターを常時通電させておいて便座を加温しておく必要がなく、使用者がトイレに入室した後、便座に着座するまでの数秒間で便座の着座部を適温まで高速に昇温させることができ、非常に省エネになるとともに、実際に使用者の肌が触れる着座部の輻射熱吸収層の温度により制御するので、昇温速度がはやくても精度良く快適に適温まで昇温・維持させることができる。
【0045】
また、昇温起動時にはタイマー部により一定時間を経過した後、輻射型発熱体への付勢を制限し昇温速度を減ずることができるので、温度検知手段の応答速度が遅くても安全に便座を加温することができ、また安価な温度検知手段を使用することもできる。
【0046】
また、昇温起動時に室温と便座初期温度から輻射型発熱体への付勢量または付勢時間を算出することにより、より精度良く安全に適温まで加熱することができる。
【0047】
また、着座検知手段の信号により、使用者が便座着座時には輻射型発熱体への付勢を遮断または低出力に制限するので、万一温度検知手段などが故障しても使用中に便座温度が過昇することなく、火傷等が生じる心配なく安全である。また、便座への着座直前だけ便座加温を行うので、非常に省エネになるものである。
【0048】
また、略水平状態にないときに輻射型発熱体への付勢が行われないので、男子小用で使用される場合に無駄に便座を加温することが低減でき、さらに省エネを図ることができる。また、輻射型発熱体としてガラス管内にフィラメントを設けたランプヒーターを用いたものでは、発熱中のフィラメントに張力方向に重力がかかり断線するといったことを防止することができる。
【0049】
また、外部への光の漏れを防止するので、使用者に与える不安感を解消することができる。
【0050】
また、通風路を通る空気流により便座内部を冷却することにより空洞部に設けた構成部品の温度上昇を防ぐことができ信頼性を高めることができるとともに、便座前部に設けられた排気口から温風を吹き出すことにより使用者の足元を暖房し快適性を向上することができる。
【0051】
また、便座内部を密閉構造としているので水や尿,洗剤等の浸入を防ぎ空洞部に設けた構成部品の劣化と便座内部からの異臭の発生を防ぐことができる。
【0052】
また、水や尿,洗剤等の浸入を防ぎ空洞部に設けた構成部品の劣化と便座内部からの異臭の発生を防ぎつつ、便座内部の温度上昇による圧力上昇を圧力開放口から逃がすことにより構造部材の繰り返し応力による劣化を防ぐことができる。
【0053】
また、便座の開閉時や便蓋の開閉時に便座に衝撃が加わっても弾性材の減衰効果によりランプヒーターへの衝撃を吸収するので、ガラス管32やフィラメント33の破損を防ぎ耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1における暖房便座の概略構成図
【図2】同実施例の暖房便座の斜視図
【図3】同実施例の暖房便座の一部切り欠き平面図
【図4】同実施例の暖房便座のケース上部の要部断面図
【図5】本発明の実施の形態2における暖房便座の斜視図
【図6】同実施例の暖房便座の一部切り欠き平面図
【図7】本発明の実施の形態3における暖房便座の前部の要部断面図
【符号の説明】
【0055】
22 便座
27 空洞部
29 ランプヒーター(輻射型発熱体)
32 ガラス管
33 フィラメント
35 ゴムブッシュ(弾性体)
36 ランプヒーター固定具
40 着座検知手段
41 ケース本体(輻射熱透過性材料)
42 輻射熱吸収層
43 表面化粧層(光遮断層)
44 サーミスタ(温度検知手段)
47 便座位置検知手段
48 室温サーミスタ(室温検知手段)
49 タイマー部
50 制御部
52 給気口
53 排気口
54 通風路
55 接合部(開口部)
56 圧力開放口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座部を有する便座と、前記便座に設けた発熱体と、前記着座部の温度を検知する温度検知手段と、タイマー部を有して前記温度検知手段の信号により前記発熱体を制御する制御部と、人体検知手段とを備え、前記制御部は、前記人体検知手段によって使用者がトイレに入室したことが検知されると、前記便座を昇温起動するとともに、前記タイマー部による付勢時間制御を優先的に行う暖房便座。
【請求項2】
便座位置検知手段を備え、前記制御部は、前記便座位置検知手段の信号により前記便座が起立状態にあるとき、または起立状態にもっていくと、発熱体への通電を停止する請求項1記載の暖房便座。
【請求項3】
室温を検知する室温検知手段を備え、制御部は前記室温検知手段の信号と温度検知手段の信号に基づいて発熱体を制御する請求項1または2記載の暖房便座。
【請求項4】
使用者の着座状態を検知する着座検知手段を備え、前記着座検知手段の信号により使用者が着座時には、発熱体への付勢を遮断または制限する請求項1ないし3のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項5】
便座内部に空洞部を設け、前記便座に設けられた給気口と、前記便座前部に設けられた排気口と、前記給気口と前記排気口を連通し前記便座に通風路を備えた請求項1ないし4のいずれか1項記載の暖房便座。
【請求項6】
便座内部の空洞部を密閉構造とした請求項5記載の暖房便座。
【請求項7】
空洞部と外気とを連通するすべての開口部を塞ぎ防水構造とし、 部分的に圧力開放口を備えた請求項5記載の暖房便座。
【請求項8】
複数の温度過昇防止構成を設けた請求項1から9のいずれか1項に記載の暖房便座。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−130500(P2007−130500A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14777(P2007−14777)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【分割の表示】特願平11−18357の分割
【原出願日】平成11年1月27日(1999.1.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】