説明

暗証番号入力装置

【課題】 暗証番号入力装置を手に持って暗証番号を入力する際には、十分な滑止め感と手持ち感を得ることができるようにする。
【解決手段】 暗証番号の入力キー8を有する装置本体2と、この装置本体2に取り付けられ、暗証番号の入力キー8を外部から遮る遮蔽カバー13と、この遮蔽カバー13に設けられた滑止部14とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、決済端末装置などで、個人照合を暗証番号の入力により行なう暗証番号入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の暗証番号入力装置は装置本体を備え、その上面部に暗証番号を入力させるための入力部を有している。この暗証番号入力装置では、使用者が入力部を操作して自分の暗証番号を入力するが、このとき外部から暗証番号の入力操作が覗き見られてしまう虞がある。
【0003】
このため、従来においては、装置本体にその入力部を外部から遮るように遮蔽カバーを設け、この遮蔽カバーにより入力操作が覗き見られないようにしている。
【0004】
ところで、暗証番号入力装置は、使用者により手に持たれた状態で入力部が押圧操作されることが多い。このため、暗証番号の入力操作時に手が滑って暗証番号入力装置が落下してしまう虞があった。
【0005】
このような落下を防止するために、従来より、筐体に滑り止めとして凹凸部を形成し、この凹凸部に指先を引っ掛けることにより筐体を保持できるようにしたものは知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来においては、暗証番号入力装置の遮蔽カバーに滑止部を設けるものはなかった。このため、暗証番号入力装置を手に持って暗証番号を入力する場合には、十分な滑止め感と手持ち感を得ることができず、落下損傷させてしまう虞があった。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、十分な滑止め感と手持ち感を得て、暗証番号の入力操作時における落下損傷を防止できるようにした暗証番号入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、暗証番号の入力部を有する装置本体と、この装置本体に取り付けられ、前記暗証番号の入力部を外部から遮る遮蔽部材と、この遮蔽部材に設けられた滑止部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、十分な滑止め感と手持ち感を得ることができ、暗証番号の入力操作時における落下損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態である暗証番号入力装置を示す外観斜視図。
【図2】図1中A−A線に沿って示す断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態である暗証番号入力装置を示す外観斜視図。
【図4】図3中B−B線に沿って示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる暗証番号入力装置1を示す斜視図である。
【0013】
この暗証番号入力装置1は装置本体2を備え、この装置本体2の上面部にはクレジットカードやデビットカードなどを挿入させるためのカード挿入口3が設けられている。
【0014】
さらに、装置本体2の上面部には、操作の手順などを表示する表示部5、及び操作部6が配設されている。操作部6には暗証番号を入力するための入力部としての入力キー8、実行キー9、訂正キー10、クリアキー11、ファンクションキーF1,F2,F3などが配設されている。
【0015】
また、装置本体2には暗証番号入力時に、他人に入力操作を覗き見られないようにするために遮蔽部材としての遮蔽カバー13が着脱自在に取り付けられている。遮蔽カバー13は装置本体2の周囲部に沿って立ち上がるように構成され、上面部と正面部が開口されている。
【0016】
遮蔽カバー13は両側壁部を有し、これら両側壁部の外面下部側には滑止部14が装置本体2の側面部に沿うようにそれぞれ形成されている。滑止部14は図2にも示すように断面凹状に形成されている。
【0017】
なお、滑止部14は装置本体2の側面部よりもやや高い部位に位置し、使用者が暗証番号入力装置1を持って手の平に載せたとき、指先を滑止部14に引っ掛け易くなっている。
【0018】
また、滑止部14は遮蔽カバー13の両側壁部にそれぞれ形成されるため、使用者が右利きであっても、或いは左利きであっても、何れか一方の滑止部14に指先を引っ掛けて保持することが可能になっている。
【0019】
次に、暗証番号入力装置1を使用する場合について説明する。
【0020】
まず、使用者は、暗証番号入力装置1を一方の手に持ってその操作面側を上向きにして手の平に載せ、指先を遮蔽カバー13の滑止部14に引っ掛けて保持する。この状態からICカードをカード挿入口3内に挿入し、ついで、他方の手の指先で入力キー8を押圧操作して暗証番号を入力する。
【0021】
この実施の形態によれば、遮蔽カバー13に滑止部14を形成し、この滑止部14に指先を引っ掛けて暗証番号入力装置1を保持するため、十分な滑止め感と手持ち感を得ることができる。
【0022】
従って、暗証番号の入力操作時に暗証番号入力装置1が落下することを確実に防止することが可能となる。
【0023】
図3は本発明の第2の実施の形態に係わる暗証番号入力装置を示す斜視図である。
【0024】
なお、上記した第1の実施の形態で説明した部位と同一部位については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0025】
上記した第1の実施の形態では、遮蔽カバー13に断面凹状の滑止部14を形成したが、この第2の実施の形態では、図4にも示すように断面凸状の滑止部21を遮蔽カバー13に一体的に突設している。
【0026】
この第2の実施の形態においても、遮蔽カバー13の滑止部21に指先を引っ掛けることにより、十分な滑止め感と手持ち感を得ることができ、暗証番号の入力操作時に暗証番号入力装置1が落下することを確実に防止することができる。
【0027】
なお、上記した各実施の形態では、滑止部14,21を遮蔽カバー13の側面部に直線的に長く形成したが、この発明はこれに限られることなく、遮蔽カバー13の側面部に例えば、小さい突部を複数個突設しても良く、また、小さな凹部を複数個形成しても良い。要は、遮蔽カバー13の側面部に指先を当てたときに、十分な滑止効果を得ることができれば、どのような形状であっても良い。
【0028】
その他、この発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可能なことは勿論のことである。
【符号の説明】
【0029】
2…装置本体、8…テンキー(入力部)、13…遮蔽カバー(遮蔽部材)、14,21…滑止部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】特開2000−316041号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗証番号の入力部を有する装置本体と、
この装置本体に取り付けられ、前記暗証番号の入力部を外部から遮る遮蔽部材と、
この遮蔽部材に設けられた滑止部と
を具備することを特徴とする暗証番号入力装置。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項1記載の暗証番号入力装置。
【請求項3】
前記遮蔽部材は前記装置本体の両側壁部から立ち上がる側壁部を有し、
前記滑止部は前記遮蔽部材の少なくとも一方の側壁部外面に形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の暗証番号入力装置。
【請求項4】
前記滑止部は前記装置本体の側面部に沿うように形成されたことを特徴とする請求項2または3記載の暗証番号入力装置。
【請求項5】
前記滑止部は、断面凹状をなすことを特徴とする請求項3または4記載の暗証番号入力装置。
【請求項6】
前記滑止部は、断面凸状をなすことを特徴とする請求項3または4記載の暗証番号入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−28508(P2011−28508A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173464(P2009−173464)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】