最小侵襲の拡張スペーサ及び空間の拡張方法
椎骨部材間に位置決めされるようになった最小侵襲のスペーサ。スペーサは椎骨部材間への挿入を容易にするように減少した寸法を有する第1の位置で位置決めできる。第2の位置は椎骨部材に接触するような拡大した寸法を有する。スペーサは一対のプレートに取り付けられたリンクを有する。引っ張りアームは第1の位置から第2の位置へスペーサを調整するためにリンクに作動的に接続される。送給装置は椎骨部材間への挿入のためにスペーサに取り付けられる。1つの実施の形態においては、送給装置は、椎骨部材間に位置決めされた後に、スペーサから取り外せるように、着脱自在となっている。スペーサを使用する方法は、第1の位置にある間に椎骨部材間でスペーサを位置決めする工程を有する。次いで、スペーサは第2の位置へ拡大され、送給装置は、スペーサのみを患者内に残した状態で、取り外される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は椎骨部材を離間させるための最小侵襲のスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
椎骨部材間の間隔を制御するための種々の装置が使用されている。このような装置は、椎骨部材の特定の表面にアクセスする必要がある場合の手術中のように、一時的なものとして使用することができる。1つの例は、椎骨部材のエンドプレートを準備することである。装置はまた椎骨部材を離間させるために患者内に恒久的に留めておくことができる。
【0003】
最小の侵襲方法で椎骨部材間に装置を位置決めすることはしばしば困難である。小さな装置は最小の侵襲方法で患者内の椎骨部材間に挿入することができる。しかし、小さな寸法は椎骨部材を有効に離間させるのに十分ではないことがある。一層大きな装置は椎骨部材を離間させるのに有効であるが、最小の侵襲方法で患者内の椎骨部材間に挿入することができない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は椎骨部材を離間させるための最小侵襲のスペーサに関する。スペーサは椎骨部材間に嵌合するように閉じた位置で位置決めすることができる。スペーサは椎骨部材を所望通りに離間させるために閉じた位置よりも大きな種々の寸法に膨張することができる。1つの実施の形態においては、スペーサは開いた形状で係止することができる。
【0005】
スペーサは椎骨部材に接続する一対のプレートを有する機械的な装置である。1つの実施の形態においては、両方のプレートは装置の中心線から外方へ移動する。別の実施の形態においては、一方のプレートのみが中心線から外方に移動する。リンクがプレート間に位置し、プレートに枢着される。リンク角度はリンクと装置の中心線とにより形成される。リンクは第1のリンク角度を有する閉じた位置から第1のリンク角度より大きなリンク角度をそれぞれ有する種々の開いた位置へ移動する。
【0006】
1つの実施の形態においては、リンクはプレート間で一緒に対をなす。リンクの第1の端部は第1のプレートに取り付けられ、第2の端部は第2のプレートに取り付けられる。リンクは装置の中心線のまわりで一緒に取り付けられる。1つの実施の形態においては、補完的な対のリンクが第1のリンク対に隣接して位置決めされる。補完的な対のリンクは各々、スペーサが閉じた位置から開いた位置へ移動いたときに一緒に噛み合う歯付き端部を有することができる。
【0007】
引っ張りアームはリンクに軸方向の力を加えるようにスペーサ内に位置する。引っ張りアームはリンクに枢着される。引っ張りアームが移動すると、枢着されたリンクは外方へ移動し、それによって、スペーサの高さを増大させる。引っ張りアームに軸方向の力を加えるために、種々の異なる装置を使用することができる。
【0008】
送給装置は椎骨部材間にスペーサを位置決めするために使用することができる。送給装置は、スペーサ及び送給装置の双方が手順の完了後に取り出されるように、スペーサに恒久的に取り付けることができる。別の実施の形態においては、送給装置はスペーサに着脱自在に接続され、椎骨部材間にスペーサを残した状態で患者から取り出すことができる。1つの実施の形態においては、送給装置はスペーサに再取り付けすることができる。椎骨部材間に送給され、スペーサが配置された後、送給装置は接続解除でき、医師に一層大きな空間を提供するように取り出すことができる。手順が完了した後、送給装置はスペーサを取り外すために再取り付けすることができる。取り外し前に、スペーサは閉じた位置の方へ戻ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、椎骨部材間で位置決めされるようになった、全体を符号10で示す最小侵襲性のスペーサに関する。スペーサ10は第1の位置と第2の位置との間において種々の寸法間で調整できる。第1の位置は図1に示し、患者内の椎骨部材間への挿入を容易にするような減少した寸法を有する。図2に示すような第2の位置は椎骨部材に接触し、これを拡げるような拡大した寸法を有する。スペーサ10は一対のプレート50に取り付けられたリンク40を有する。引っ張りアーム30は第1の位置と第2の位置との間の種々の位置でスペーサ10を調整するようにリンク40に作動的に接続する。送給装置80は椎骨部材間にスペーサ10を送給するようにスペーサ10に取り付けられる。送給装置80は、椎骨部材間で位置決めされた後に、スペーサ10から取り外せるように着脱自在とすることができる。
【0010】
スペーサ10は応用に応じてプレート50間に位置する多数のリンク40を有することができる。各個々のリンク40はスペーサ10に運動を提供するように補足的なリンク40と嵌り合う。図1、2に示す実施の形態においては、スペーサ10は引っ張りアーム30の第1の側に2対のリンク40を有し、引っ張りアーム30の第2の側に別の2対のリンク40を有し、合計4対のリンク即ち合計8個のリンクを有する。(図示しない)別の実施の形態においては、スペーサ10は2対のリンク40即ち合計4個のリンクのみを有する。スペーサの特定の要求及び椎間板空間の必要な量の負荷に応じて、種々の数のリンク40を本発明に含ませることができる。1つの実施の形態においては、リンク40は独立で、個々に離間される。別の実施の形態においては、リンク40は一緒に対となるが、隣接するリンクの対は接触しない。
【0011】
各リンク40は、ピンを受け入れるために各端部に隣接する開口42を備えた細長い形状を有する。各リンク40の端部は種々の形及び形状を有することができる。図1、2に示す実施の形態においては、各端部は実質上丸くなっている。図6、7に示す実施の形態では、各端部は部分的に丸い区分を有し、その直線状の縁部がリンク40の片側に沿って延びる。1つの実施の形態においては、各リンク40の少なくとも一端のまわりに歯44が位置する。歯44は隣接するリンク40の補完的な歯44と噛み合うような寸法を有する。歯44はリンク40の端部に沿って位置することができ、または、細長い長さに沿って延びることもできる。図1、2に示す実施の形態では、歯44は丸い縁部の片側に沿って位置する。図6、7に示す実施の形態では、歯44は各端部についてはその一部にのみ沿って延びまた、長さに沿って更に延びる。
【0012】
1つの実施の形態においては、リンク40は隣接するリンクに対して補完的な形状を有する。図2に示す1つの実施の形態においては、リンクの第1の側のもの40aはくぼみ区分47と、延長した区分46とを有する。縁部45はリンク40の長さを横切って延び、くぼみ区分47及び延長した区分46を画定する。リンクの第2の側のもの40bは実質上平坦のような種々の形状を有することができる。リンク40は第1の側のもの40aと重なって、閉じた位置において一緒に嵌り合う。補完的な形状はリンク40に一層小さなプロフィールを与え、図1に示すようにスペーサ10の寸法を減少させる。
【0013】
プレート50は椎骨部材と接触するようにスペーサ10の第1及び第2の側に位置する。プレート50はスペーサ10により生じる椎間板空間負荷を椎骨部材の大きな区域を横切って分布させるように大きな面積を備えた接触表面52を有する。1つの実施の形態においては、接触表面52は約16mmの長さ及び約8mmの幅を有する。接触表面52の寸法はスペーサ10の構成に応じて変更することができる。例えば、図1、2に示す実施の形態は実質上砂時計の形状を備えた接触表面52を有する。図6、7に示す実施の形態では、接触表面52は実質上矩形の形状を有する。図1、2に示す実施の形態においては、接触表面52は実質上平坦である。別の実施の形態においては、接触表面52は丸くする即ち丸みを持たせることができる。1つの実施の形態においては、プレート50はスペーサ10の全体幅に等しい幅を有する。別の実施の形態においては、プレート50はスペーサ10の全体幅より小さな幅を有する。
【0014】
リンク40は多数の異なる位置においてプレート50に接続できる。1つの実施の形態においては、接触表面52の縁部56はピンを受け入れるための開口を受け入れるような幅を有する。図1、2に示す実施の形態においては、プレート50は外方に延びるリブ54を有する。リブ54はその中にピンを受け入れる開口を備えるように寸法決めされる。1つの実施の形態においては、プレート50は接触表面52に関して内方に角度づけられるか又は丸くなった前部57を有する。1つの実施の形態においては、前部57は、第1及び第2のプレート50の末端が閉じた位置において互いに接触するような、長さを有する。別の実施の形態においては、前部57は閉じた位置にあるときにリンク40及び引っ張りアーム30の一部のみを覆うようにより小さな距離だけ延びる。
【0015】
引っ張りアーム30は閉じた位置から開いた位置にわたってリンク40を移動させる。図3に示す引っ張りアーム30の1つの実施の形態はピンを受け入れるための開口36及びスロット37を有する細長い本体を含む。末端の鼻部34は丸くなった即ち丸められた又は角を有する形状を有することができる。図1に示すように、丸くなった又は角を有する形状は椎骨部材間へのスペーサ10の挿入を容易にする。図3に示す1つの実施の形態においては、引っ張りアーム30は着脱自在な末端区分31及び基端区分33を有する。装置80がスペーサ10から接続解除されるときに、基端区分33は末端区分31から接続解除される。送給装置80及び末端引っ張りアーム33が取り外されるときに、引っ張りアームの末端区分31を含むスペーサ10は残ったままである。引っ張りアーム30は送給装置80の一部のみを通って延びることができるか、又は、全長を通って延びることができる。
【0016】
ピンはリンク40、引っ張りアーム30及びプレート50を一緒に接続するようにスペーサ10内に位置する。図1に示すように、ピン60はリンク40及びプレート50を通って延びる。ピン61はスペーサの末端においてリンク40及び引っ張りアーム30の開口36を通って延びる。ピン62はリンク40及び引っ張りアーム30のスロット37を通って延びる。ピン60、61、62はスペーサ10の特定の応用に応じて種々の直径や寸法を有することができる。1つの実施の形態においては、ピン62及びピン86は図14に示すように単一の押しリンク97から構成される。1つの実施の形態においては、各ピンは約1.33mmの直径を有する。ここで使用される「ピン」という用語は2又はそれ以上の部材を枢着するための手段として広い意味で使用される。当業者なら、種々の他の同様の装置がこれと同じ機能を果たすことができ、本発明の要旨内に入ると考えられることを理解できよう。
【0017】
図1に示すように、閉じた位置においては、スペーサ10は弾丸状の形状を有する。プレート50、リンク40及び引っ張りアーム30は一緒に組み合わさって、患者内へのスペーサ10の挿入を容易にする丸い又は角度づけられた前部を形成する。1つの実施の形態においては、接触表面52は中心線Cに関し対称的になっており、すなわち、中心線に関して同じ位置を有する。1つの実施の形態においては、スペーサ10が閉じた位置にあるときに、プレート50の接触表面52は中心線Cに平行となる。1つの実施の形態においては、閉じた位置におけるスペーサ10は約22−24mmの長さ、約8mmの幅及び約7mmの高さを有する。
【0018】
図2に示すように、開いた位置におけるスペーサ10はより大きな高さを有する。この高さは中心線Cに関するリンク40の角度に応じて調整することができる。スペーサ10は種々の異なる寸法及び高さに膨張することができ、「開いた形状」という用語はこれらの位置の任意のものを示すために使用される。1つの実施の形態においては、スペーサ10が閉じた位置から膨張しているとき、接触表面52は中心線Cに関し対称状態を維持する。1つの実施の形態においては、両方のプレート50は、中心線Cと接触表面52との間の距離が各プレート50に対して同じになるように、等しい量だけ移動する。別の実施の形態においては、一方のプレート50は固定され、対応するプレート50はスペーサ10の高さを増大させるように外方へ移動する。
【0019】
椎骨部材間でスペーサ10を位置決めするために種々の異なる送給装置80を使用することができる。図4に示す1つの実施の形態はスペーサ10の基端に取り付けられた細長いロッドを含む。1つの実施の形態においては、送給装置は中空であり、引っ張りアーム30の少なくとも一部を取り囲む。送給装置80は応用に応じて種々の横断面形状及び寸法を有することができる。送給装置80は単一の細長い部材で構成することができ、または、第1の区分82及び第2の区分84のような異なる区分から構成することができる。
【0020】
送給装置80は多数の異なる方法でスペーサ10に取り付けることができる。図1に示すような1つの実施の形態においては、ピン86はスペーサ10を装置80に接続するために装置80及び引っ張りアーム30のスロット37を通って延びる。1つの実施の形態においては、押しリンク97は基端リンク40a、40bに接続する第1のピン62と、送給装置80に接続する第2のピン86とを有する。別の実施の形態においては、送給装置80はスペーサ10に恒久的に取り付けられる。別の実施の形態においては、引っ張りアーム30はまた送給装置80でもある。
【0021】
1つの実施の形態においては、スペーサ10は送給装置80を介して椎骨部材間に挿入され、手順の完了時に取り外される。1つの実施の形態においては、スペーサ10は送給装置80から取り外され、患者内に留まる。スペーサ10は患者内に恒久的に留まることができ、または、1つの実施の形態においては、スペーサが接続解除され、医師が手順を完了した後に、送給装置80はスペーサ10を取り外すために再取り付けされる。1つの実施の形態においては、ピン86はスペーサ10から装置80を取り外すために破壊される。図3に示すような1つの実施の形態においては、引っ張りアーム30は着脱自在な末端区分31及び基端区分33を有する。装置80がスペーサ10から接続解除されるとき、基端区分33は末端区分31から接続解除される。装置80及び基端引っ張りアーム33が取り外されるときには、引っ張りアームの末端区分31を含むスペーサ10は留まる。
【0022】
1つの使用方法において、スペーサ10は送給装置80の末端に接続される。閉じた位置にある間、スペーサ10は患者内で隣接する椎骨部材間に位置決めされる。1つの実施の形態においては、スペーサ10は隣接する椎骨部材間の椎間板空間内に位置決めされ、膨張時に椎骨部材のエンドプレートに接触する。位置決めされた後、軸方向の荷重又は展開力が引っ張りアーム30に加えられ、引っ張りアーム30を図4に矢印89の方向に内方へ強制移動させる。軸方向の運動は、図1の実施の形態における閉じた位置から図2の実施の形態における開いた位置の方へ、リンク40を外方に枢動させる。対向するリンク40の歯44は、プレート50が中心線Cから外方へ移動する運動中、互いに噛み合う。1つの実施の形態においては、2つのプレート50の各々は同じ量だけ移動し、中心線Cに関し対称的になる。
【0023】
リンク40が外方へ膨張し、引っ張りアーム30が内方へ移動すると、スペーサ10が閉じた位置から開いた位置へ移動するときに、ピン62は末端のアームスロット37に沿って摺動する。ピン61はリンク40及び引っ張りアームの開口36内に装着され、引っ張りアーム30に関して運動しない。図1に示す閉じた位置においては、ピン61は、図2に示すような開いた位置の場合よりも一同大きな距離だけ、ピン62から離間する。引っ張りアーム30の軸方向の運動量はスペーサ10の展開の量となる。スペーサ10は特定の応用に応じて閉じた位置と開いた位置との間で任意の距離だけ開くことができる。軸方向の力を引っ張りアーム30に加えて、開いた位置へスペーサ10を展開させる。力を加えるためのパワー機構はスペーサ10又は送給装置80内に配置することができる。1つの実施の形態においては、軸方向の力は引っ張りアーム30を直線的に運動させることにより加えることができる。1つの実施の形態においては、区分84が基端引っ張りアーム33に取り付けられる。区分84はスペーサ10を開いた位置で係止するために第1の区分82から離れるような伸長位置で係止することができる。1つの実施の形態においては、スクロール77が図4に示すように第1の区分82に隣接して第2の区分84の末端に螺合される。区分84及びスクロール77を区分82から離間させ、それによって、引っ張りアーム30に力を加え、スペーサ10を膨張させる。スクロール77は、第1の区分82に接続し、スペーサ10を開いた位置で係止するように、第2の区分84に沿って末端方向にねじることができる。スペーサ10を閉じるためには、スクロール77は第2の区分84に沿って基端方向にねじられる。1つの実施の形態では、スクロール77は手動によるスクロール77の回転を許容するようにローレットを具備する。引っ張りアーム30に軸方向の力を加えるための機構は種々の形状を有することができる。この機構はスペーサ10に隣接して位置するとこができ、または、患者の外部となるようにスペーサ10から距離を隔てて位置することができる。図5に示す1つの実施の形態においては、パワー機構は軸方向の力を加えるように送給装置80に取り付けられる。パワー機構は送給装置の第1の区分82への取り付けのためにパワー装置の末端に迅速解放機構72を有する。1つの実施の形態においては、迅速解放機構72は収容部74のまわりに位置するバネ偏倚カラー73を有する。カラー73は収容部74内に第1の区分82を装填するために引き戻すことができる。カラー73を解放すると、収容部74が収縮し、第1の区分82を係止する。1つの実施の形態においては、迅速解放機構72は第1の区分82の溝に係合する1又はそれ以上のボールを有する。1つの実施の形態においては、スライド係止体75が第2の区分84に取り付けられる。ハンドル76にトルクを加えると、スクロール77及び第2の区分84が第1の区分82から離れ、それによって、引っ張りアーム30に力を加え、スペーサ10を開く。所望の位置において、スクロール77は末端方向にねじられて、第1の区分82に接触し、スペーサ10を係止する。係止された後、パワー機構70は医師のための一層の空間を提供するように送給装置80から取り外すことができる。
【0024】
リンクの軸線Lはリンク40を通って延びるラインにより形成される。図1、2に示す実施の形態においては、リンクの軸線Lはプレート50と引っ張りアーム30との交点を通って延びる。リンク角度αはリンクの軸線Lと中心線Cとにより形成される。図1に示す実施の形態においては、リンク角度αは、スペーサ10が閉じた位置にある場合、ゼロよりも大きい。1つの実施の形態においては、閉じた位置において0°よりも大きいリンク角度αはスペーサ10の開放を容易にするために決定された。
【0025】
スペーサ10を開くのに必要な軸方向の力即ち展開力は膨張工程中に変化する。更に、膨張工程中にスペーサ10により椎骨部材上に加えられる力又は許容可能な椎間板空間負荷は膨張工程中に変化する。座標x、y、zを有する3次元座標系を使用して別の方法で述べれば、軸方向の力はx方向の力であり、椎骨部材の負荷はy方向の力である。
【0026】
1つの実施の形態においては、スペーサ10は約7mmの高さ及び約16°のリンク角度αを有する閉じた位置と、約14mmの高さ及び約49°のリンク角度αを有する開いた位置との間で位置決めできる。次の表は展開の種々の段階でのスペーサ10のパラメータを示す。
【0027】
【表1】
【0028】
これらの計算は理論的であり、ほぼ564.7lbsの二重せん断における1.3mmのピンの降伏強さ(2%の伸び)に基づく。分かるように、リンク角度αが増大するにつれて、所要展開力が減少し、リンク角度αが増大するにつれて、許容可能な椎骨部材負荷が増大する。
【0029】
図6、7はスペーサ10の別の実施の形態を示す。図6は閉じた位置におけるスペーサ10を示す。スペーサ10の全体形状は円筒状であり、患者内への挿入を容易にするために丸い前部を備えた鼻部34を含む。スペーサ10はリンク40と、一対のプレート50と、鼻部34を含む引っ張りアーム30とを有する。基端区分39はスペーサ10の一部を形成する。1つの実施の形態においては、プレート50はスペーサの全長よりも小さな長さを有する。リンク40は各端部における歯44と、ピン62を受け入れるための一対の開口42とを有する。鼻部34及び基端区分39はその中でリンク40を位置決めするくぼみ31を有する。1つの実施の形態においては、リンク40及びプレート50は円筒形状に適合するような湾曲表面を有する。別の実施の形態においては、リンク40及びプレート50は平坦な外表面を有する。閉じた位置においては、リンク角度αは0°である。
【0030】
図7は開いた位置におけるスペーサ10を示す。スペーサ10が開くとき、対向するリンク40の歯44は一緒に噛み合う。鼻部34は引っ張りアーム30に接続される。引っ張りアーム30に軸方向の力が加えられると、鼻部34は送給装置80の方へ内方に押される。鼻部34の運動はリンク40を移動させ、それによって、プレート50をスペーサ10の中心線Cから外方に移動させる。引っ張りアーム30はスペーサ10の高さを制御するために種々の距離だけ軸方向に移動することができる。
【0031】
図6、7に示す実施の形態においては、リンク40は引っ張りアーム30に直接接続しない。リンク40は引っ張りアーム30に接続された鼻部34に接続する。鼻部34の運動はリンク40の運動を生じさせる。基端リンク40は引っ張りアーム30に直接的又は間接的に接続されても、接続されなくてもよい。1つの実施の形態においては、基端リンク40はピンを介して引っ張りアームに直接接続される。
【0032】
1つの実施の形態においては、リンク40は長さの中間点Mに隣接してプレート50の中間区分に接続する。別の実施の形態においては、リンク40は中間点Mから離れた端部の方に向かってプレート50に接続する。別の実施の形態においては、2つのリンク40はプレート50に沿った中間点Mに関して異なる位置(即ち、リンク40が中間点Mから均一に離間していない位置)で接続される。例えば、第1のリンク40は、中間点Mからの距離xで、プレート50末端の近傍の位置において、接続し、第2のリンク40は中間点からxよりもっと小さい距離yで、プレート50中間点に隣接して接続する。プレート50は中心線Cに平行とすることができ、または、中心線Cに関していずれかの方向に角度づけすることができる。
【0033】
図8、9、10は第2のリンク240とは異なる長さを有する第1のリンク140を備えた別の実施の形態を示す。第1及び第2のリンク140、240の各々は引っ張りアーム130とプレート150との間を延びる。ピン161は第1のリンク140の第1の端部を引っ張りアーム130に取り付け、ピン162は第2のリンク240の第1の端部を引っ張りアーム130に取り付ける。ピン160はリンク140、240の第2の端部をプレート150に接続する。リンク140、240第2の端部における歯144は、スペーサ110が開いた位置と閉じた位置との間で移動するときに、一緒に噛み合う。
【0034】
各プレート50は湾曲した接触表面152を有する。1つの実施の形態においては、その曲率は椎骨部材のエンドプレートの凹状の形状に適合するように約100mmの半径を有する。引っ張りアーム130の末端189はプレート150の湾曲と補完するような角度づけられた形状を有する。末端189と湾曲したプレート150との組合せは、図8に示すような閉じた位置において、スペーサ110aに弾丸形状を与える。1つの実施の形態においては、スペーサ110は約30mmの長さと、約27mmの幅とを有する。
【0035】
リンクの長さの比率を変えることにより、展開中にプレート150により形成される脊柱前湾角度θの量を制御する。長さの差が大きいほど、スペーサ110が展開する際の脊柱前湾角度が大きくなる。1つの実施の形態においては、末端リンク140の長さは約7.4mmであり、基端リンク240の長さは約12mmである。スペーサ110の高さも展開と共に増大する。高さはプレート150の湾曲の頂点から測定される。図8、9、10はスペーサ110の展開中の高さ及び脊柱前湾角度θの変化を示す。図8は閉じた位置におけるスペーサ110を示す。1つの実施の形態では、高さは約8.4mmである。閉じた位置においては、脊柱前湾角度は約0°であり、プレート150は実質上平行になる。
【0036】
図9はスペーサ110の部分的な展開状態を示す。引っ張りアーム130は内方に(即ち図9の右方に)基端方向へ移動しており、従って、ピン161を内方に引っ張り、中心線C上でセンタリングされたスロット37(図示せず)に沿ってピン162を摺動させている。この実施の形態においては、高さは約13.8mmであり、脊柱前湾角度θは約8.4°ないし8.6°である。
【0037】
図10は完全に展開した位置におけるスペーサ110を示す。引っ張りアーム132及びピン161は基端方向へ更に移動している。ピン162はスロット37の末端区分の方へ摺動し続ける動作を終えている。プレート150は外方へ移動し続ける動作を終えており、脊柱前湾角度θは約15°ないし15.3°に増大し、高さは約16.8mmとなっている。
【0038】
図11、12、13は、スペーサ110が閉じた位置と開いた位置との間を移動する際の、リンク140、240の運動を概略的に示す。図11は(図8に示すような)閉じた位置におけるスペーサ110を概略的に示す。図11に示すように、ライン201は上方のプレート150をリンク140、240に接続するピン160の中心間を延びる。ラインPはライン201に垂直である。ライン202はピン161の中心と末端リンク140を上方のプレート150に接続するピン160の中心との間を延びる。ライン203はピン162の中心と基端リンク240を上方のプレート150に接続するピン160の中心との間を延びる。第1の角度Aはライン202とラインPとの間に形成される。第2の角度Bはライン203とラインPとの間に形成される。閉じた位置においては、ラインPは中心線Cに垂直であり、脊柱前湾角度は0°である。1つの実施の形態においては、末端リンク140は約7.4mmであり、基端リンク240は約12mmであり、ピン160間の距離は約3.75mmである。
【0039】
末端リンク140が基端リンク240よりも短いような実施の形態では、大きい方の角度Bと小さい方の角度Aとの間に差が存在する。角度を説明する式は次のように定義される:
角度B=角度A+差 ・・・・・・・・(1)
末端リンク140が約7.4mmで、基端リンク240が約12mmであるような1つの実施の形態では、角度Aは73.2°であり、角度Bは約79.6°であり、差は約6.4°である。
【0040】
図12は(図9に示すような)部分的に展開した位置におけるスペーサ110を概略的に示す。ライン201の位置は展開中のピン161、162間の相対距離の変化に応じ変化している。ライン201に垂直なラインPもそれに従って変化する。ライン202とラインPとの間に形成される角度Aは減少し、ライン203とラインPとの間に形成される角度Bも減少している。しかし、2つの角度の差は同じ状態に留まり、式1も正しいままである。これが生じる理由は、リンク140、240がプレート150に隣接する地点で一緒に噛み合うからである。この特定の実施の形態においては、角度Aは約49.7°であり、角度Bは約56.3°であり、差は約6.4°である。
【0041】
図13は(図10に示すような)開いた位置におけるスペーサ110を概略的に示す。ピン161、162は中心線Cに沿って相対的に一層近づくように移動している。角度A及び角度Bはそれぞれ部分的に開いた位置から減少しており、ラインPは中心線Cに関して更に片寄っている。これまた、角度A、B間の差は同じ状態に留まっている。この特定の実施の形態においては、角度Aは約42.6°であり、角度Bは約49°であり、差は約6.4°である。
【0042】
1つの実施の形態においては、スペーサ110の下方区分上で形成される角度も式1のパラメータに従う。末端リンク140が基端リンク240よりも長いような実施の形態では、角度Aは角度Bよりも一定の差だけ大きい。図示の実施の形態においては、スペーサ110が閉じた位置にある場合、脊柱角度は約0°であった。脊柱前湾角度は閉じた位置において0°以外の量とすることができる。また、図示の実施の形態はスペーサ110の末端に向かってより小さな長さを有する第1のリンク140を含む。他の実施の形態においては、第1のリンク140は基端リンク240よりも大きな長さを有する。
【0043】
1つの実施の形態においては、脊柱前湾角度はプレート140、240の縁部により決定される。別の実施の形態においては、脊柱角度はライン201と中心線Cとによって形成される角度の2倍により決定される。スペーサ110がたった1つの運動プレートを有するような実施の形態も考えられる。このような実施の形態においては、脊柱前湾角度はライン201と中心線Cとにより形成される角度である。
【0044】
図14はピン62、86の代わりの実施の形態を示す。押しリンク97は引っ張りアーム30のスロット37内に位置する。押しリンク97はリンク40及び送給装置80にそれぞれ装着されたピン62、86を有する。押しリンク97は引っ張りアーム30の運動中にスロット37内で摺動するように寸法決めされる。1つの実施の形態においては、押しリンク97は送給装置80及び第1の組の基端リンクを接続するように装置の第1の側で延びる第1の組のピン(62、86)を備えた「H」形状を有し、第2の組のピンは送給装置及び第2の組の基端リンクを接続するように第2の側で延びる。
【0045】
別の実施の形態(図示せず)においては、ピン62は引っ張りアーム30を通って延びない。引っ張りアーム30の第1の横側の第1のピンが2つの基端リンクを一緒に取り付け、引っ張りアーム30の第2の横側の第2のピンが他の2つの基端リンクを一緒に取り付ける。この実施の形態においては、2つのピンは送給装置80に接続することができる。
【0046】
椎骨部材という用語は一般に椎骨本体、茎、薄片及び突起を含む椎骨の幾何学形状を述べるために使用する。スペーサ10は頚部、胸部及び腰部の区域を含む椎骨の異なる区域内で使用されるように寸法決め及び形状づけでき、それに十分な要求強度を有する。1つの実施の形態においては、スペーサ10は隣接する椎骨間の椎間板空間内に位置する。プレート50は椎骨のエンドプレートに接触して、必要なだけ椎骨を離間させる。1つの実施の形態においては、スペーサ10は後方から患者内に挿入される。別の実施の形態においては、スペーサ10は前方から患者内に挿入される。別の実施の形態においては、スペーサは横方向から患者内に挿入される。
【0047】
別の実施の形態(図示せず)においては、スペーサ10はたった1つの運動プレート50を有する。第1のプレートはリンク40に取り付けられ、上述のように運動する。第2のプレートは静止である。リンク40は静止のプレートから外方に移動して、スペーサ10の高さを開いた位置へ膨張させる。この実施の形態は所望の間隔及び強度要求に応じて任意の数のリンク40を含むことができる。
【0048】
本発明は、本発明の要旨及び本質的な特徴から逸脱することなく、ここで説明した以外の他の特定の方法で実行することができる。1つの実施の形態においては、スペーサ10及び送給装置80はステンレス鋼で構成される。それ故、本実施の形態はすべての点で例示と考えるべきであり、限定的なものではなく、特許請求の範囲の意味及び等価の範囲内に入るすべての変更はそこに包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る閉じた位置でのスペーサの斜視図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に係る開いた位置でのスペーサの斜視図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態に係る引っ張りアームの斜視図である。
【図4】スペーサ及び本発明の1つの実施の形態に従って構成された取り付けられた送給装置の1つの実施の形態の斜視図である。
【図5】スペーサ、送給装置及び本発明の1つの実施の形態に従って構成されたパワー機構の1つの実施の形態の斜視図である。
【図6】閉じた位置におけるスペーサの別の実施の形態の斜視図である。
【図7】開いた位置におけるスペーサの別の実施の形態の斜視図である。
【図8】閉じた位置における別のスペーサの実施の形態の斜視図である。
【図9】部分的に開いた位置における図8のスペーサの斜視図である。
【図10】開いた位置における図9のスペーサの斜視図である。
【図11】末端リンクと基端リンクとの間に形成される角度を示す、閉じた位置における図8のスペーサに対応する概略線図である。
【図12】末端リンクと基端リンクとの間に形成される角度を示す、部分的に開いた位置における図9のスペーサに対応する概略線図である。
【図13】末端リンクと基端リンクとの間に形成される角度を示す、開いた位置における図10のスペーサに対応する概略線図である。
【図14】引っ張りアームのスロット内の押しリンクを備えた代わりの実施の形態の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は椎骨部材を離間させるための最小侵襲のスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
椎骨部材間の間隔を制御するための種々の装置が使用されている。このような装置は、椎骨部材の特定の表面にアクセスする必要がある場合の手術中のように、一時的なものとして使用することができる。1つの例は、椎骨部材のエンドプレートを準備することである。装置はまた椎骨部材を離間させるために患者内に恒久的に留めておくことができる。
【0003】
最小の侵襲方法で椎骨部材間に装置を位置決めすることはしばしば困難である。小さな装置は最小の侵襲方法で患者内の椎骨部材間に挿入することができる。しかし、小さな寸法は椎骨部材を有効に離間させるのに十分ではないことがある。一層大きな装置は椎骨部材を離間させるのに有効であるが、最小の侵襲方法で患者内の椎骨部材間に挿入することができない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は椎骨部材を離間させるための最小侵襲のスペーサに関する。スペーサは椎骨部材間に嵌合するように閉じた位置で位置決めすることができる。スペーサは椎骨部材を所望通りに離間させるために閉じた位置よりも大きな種々の寸法に膨張することができる。1つの実施の形態においては、スペーサは開いた形状で係止することができる。
【0005】
スペーサは椎骨部材に接続する一対のプレートを有する機械的な装置である。1つの実施の形態においては、両方のプレートは装置の中心線から外方へ移動する。別の実施の形態においては、一方のプレートのみが中心線から外方に移動する。リンクがプレート間に位置し、プレートに枢着される。リンク角度はリンクと装置の中心線とにより形成される。リンクは第1のリンク角度を有する閉じた位置から第1のリンク角度より大きなリンク角度をそれぞれ有する種々の開いた位置へ移動する。
【0006】
1つの実施の形態においては、リンクはプレート間で一緒に対をなす。リンクの第1の端部は第1のプレートに取り付けられ、第2の端部は第2のプレートに取り付けられる。リンクは装置の中心線のまわりで一緒に取り付けられる。1つの実施の形態においては、補完的な対のリンクが第1のリンク対に隣接して位置決めされる。補完的な対のリンクは各々、スペーサが閉じた位置から開いた位置へ移動いたときに一緒に噛み合う歯付き端部を有することができる。
【0007】
引っ張りアームはリンクに軸方向の力を加えるようにスペーサ内に位置する。引っ張りアームはリンクに枢着される。引っ張りアームが移動すると、枢着されたリンクは外方へ移動し、それによって、スペーサの高さを増大させる。引っ張りアームに軸方向の力を加えるために、種々の異なる装置を使用することができる。
【0008】
送給装置は椎骨部材間にスペーサを位置決めするために使用することができる。送給装置は、スペーサ及び送給装置の双方が手順の完了後に取り出されるように、スペーサに恒久的に取り付けることができる。別の実施の形態においては、送給装置はスペーサに着脱自在に接続され、椎骨部材間にスペーサを残した状態で患者から取り出すことができる。1つの実施の形態においては、送給装置はスペーサに再取り付けすることができる。椎骨部材間に送給され、スペーサが配置された後、送給装置は接続解除でき、医師に一層大きな空間を提供するように取り出すことができる。手順が完了した後、送給装置はスペーサを取り外すために再取り付けすることができる。取り外し前に、スペーサは閉じた位置の方へ戻ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、椎骨部材間で位置決めされるようになった、全体を符号10で示す最小侵襲性のスペーサに関する。スペーサ10は第1の位置と第2の位置との間において種々の寸法間で調整できる。第1の位置は図1に示し、患者内の椎骨部材間への挿入を容易にするような減少した寸法を有する。図2に示すような第2の位置は椎骨部材に接触し、これを拡げるような拡大した寸法を有する。スペーサ10は一対のプレート50に取り付けられたリンク40を有する。引っ張りアーム30は第1の位置と第2の位置との間の種々の位置でスペーサ10を調整するようにリンク40に作動的に接続する。送給装置80は椎骨部材間にスペーサ10を送給するようにスペーサ10に取り付けられる。送給装置80は、椎骨部材間で位置決めされた後に、スペーサ10から取り外せるように着脱自在とすることができる。
【0010】
スペーサ10は応用に応じてプレート50間に位置する多数のリンク40を有することができる。各個々のリンク40はスペーサ10に運動を提供するように補足的なリンク40と嵌り合う。図1、2に示す実施の形態においては、スペーサ10は引っ張りアーム30の第1の側に2対のリンク40を有し、引っ張りアーム30の第2の側に別の2対のリンク40を有し、合計4対のリンク即ち合計8個のリンクを有する。(図示しない)別の実施の形態においては、スペーサ10は2対のリンク40即ち合計4個のリンクのみを有する。スペーサの特定の要求及び椎間板空間の必要な量の負荷に応じて、種々の数のリンク40を本発明に含ませることができる。1つの実施の形態においては、リンク40は独立で、個々に離間される。別の実施の形態においては、リンク40は一緒に対となるが、隣接するリンクの対は接触しない。
【0011】
各リンク40は、ピンを受け入れるために各端部に隣接する開口42を備えた細長い形状を有する。各リンク40の端部は種々の形及び形状を有することができる。図1、2に示す実施の形態においては、各端部は実質上丸くなっている。図6、7に示す実施の形態では、各端部は部分的に丸い区分を有し、その直線状の縁部がリンク40の片側に沿って延びる。1つの実施の形態においては、各リンク40の少なくとも一端のまわりに歯44が位置する。歯44は隣接するリンク40の補完的な歯44と噛み合うような寸法を有する。歯44はリンク40の端部に沿って位置することができ、または、細長い長さに沿って延びることもできる。図1、2に示す実施の形態では、歯44は丸い縁部の片側に沿って位置する。図6、7に示す実施の形態では、歯44は各端部についてはその一部にのみ沿って延びまた、長さに沿って更に延びる。
【0012】
1つの実施の形態においては、リンク40は隣接するリンクに対して補完的な形状を有する。図2に示す1つの実施の形態においては、リンクの第1の側のもの40aはくぼみ区分47と、延長した区分46とを有する。縁部45はリンク40の長さを横切って延び、くぼみ区分47及び延長した区分46を画定する。リンクの第2の側のもの40bは実質上平坦のような種々の形状を有することができる。リンク40は第1の側のもの40aと重なって、閉じた位置において一緒に嵌り合う。補完的な形状はリンク40に一層小さなプロフィールを与え、図1に示すようにスペーサ10の寸法を減少させる。
【0013】
プレート50は椎骨部材と接触するようにスペーサ10の第1及び第2の側に位置する。プレート50はスペーサ10により生じる椎間板空間負荷を椎骨部材の大きな区域を横切って分布させるように大きな面積を備えた接触表面52を有する。1つの実施の形態においては、接触表面52は約16mmの長さ及び約8mmの幅を有する。接触表面52の寸法はスペーサ10の構成に応じて変更することができる。例えば、図1、2に示す実施の形態は実質上砂時計の形状を備えた接触表面52を有する。図6、7に示す実施の形態では、接触表面52は実質上矩形の形状を有する。図1、2に示す実施の形態においては、接触表面52は実質上平坦である。別の実施の形態においては、接触表面52は丸くする即ち丸みを持たせることができる。1つの実施の形態においては、プレート50はスペーサ10の全体幅に等しい幅を有する。別の実施の形態においては、プレート50はスペーサ10の全体幅より小さな幅を有する。
【0014】
リンク40は多数の異なる位置においてプレート50に接続できる。1つの実施の形態においては、接触表面52の縁部56はピンを受け入れるための開口を受け入れるような幅を有する。図1、2に示す実施の形態においては、プレート50は外方に延びるリブ54を有する。リブ54はその中にピンを受け入れる開口を備えるように寸法決めされる。1つの実施の形態においては、プレート50は接触表面52に関して内方に角度づけられるか又は丸くなった前部57を有する。1つの実施の形態においては、前部57は、第1及び第2のプレート50の末端が閉じた位置において互いに接触するような、長さを有する。別の実施の形態においては、前部57は閉じた位置にあるときにリンク40及び引っ張りアーム30の一部のみを覆うようにより小さな距離だけ延びる。
【0015】
引っ張りアーム30は閉じた位置から開いた位置にわたってリンク40を移動させる。図3に示す引っ張りアーム30の1つの実施の形態はピンを受け入れるための開口36及びスロット37を有する細長い本体を含む。末端の鼻部34は丸くなった即ち丸められた又は角を有する形状を有することができる。図1に示すように、丸くなった又は角を有する形状は椎骨部材間へのスペーサ10の挿入を容易にする。図3に示す1つの実施の形態においては、引っ張りアーム30は着脱自在な末端区分31及び基端区分33を有する。装置80がスペーサ10から接続解除されるときに、基端区分33は末端区分31から接続解除される。送給装置80及び末端引っ張りアーム33が取り外されるときに、引っ張りアームの末端区分31を含むスペーサ10は残ったままである。引っ張りアーム30は送給装置80の一部のみを通って延びることができるか、又は、全長を通って延びることができる。
【0016】
ピンはリンク40、引っ張りアーム30及びプレート50を一緒に接続するようにスペーサ10内に位置する。図1に示すように、ピン60はリンク40及びプレート50を通って延びる。ピン61はスペーサの末端においてリンク40及び引っ張りアーム30の開口36を通って延びる。ピン62はリンク40及び引っ張りアーム30のスロット37を通って延びる。ピン60、61、62はスペーサ10の特定の応用に応じて種々の直径や寸法を有することができる。1つの実施の形態においては、ピン62及びピン86は図14に示すように単一の押しリンク97から構成される。1つの実施の形態においては、各ピンは約1.33mmの直径を有する。ここで使用される「ピン」という用語は2又はそれ以上の部材を枢着するための手段として広い意味で使用される。当業者なら、種々の他の同様の装置がこれと同じ機能を果たすことができ、本発明の要旨内に入ると考えられることを理解できよう。
【0017】
図1に示すように、閉じた位置においては、スペーサ10は弾丸状の形状を有する。プレート50、リンク40及び引っ張りアーム30は一緒に組み合わさって、患者内へのスペーサ10の挿入を容易にする丸い又は角度づけられた前部を形成する。1つの実施の形態においては、接触表面52は中心線Cに関し対称的になっており、すなわち、中心線に関して同じ位置を有する。1つの実施の形態においては、スペーサ10が閉じた位置にあるときに、プレート50の接触表面52は中心線Cに平行となる。1つの実施の形態においては、閉じた位置におけるスペーサ10は約22−24mmの長さ、約8mmの幅及び約7mmの高さを有する。
【0018】
図2に示すように、開いた位置におけるスペーサ10はより大きな高さを有する。この高さは中心線Cに関するリンク40の角度に応じて調整することができる。スペーサ10は種々の異なる寸法及び高さに膨張することができ、「開いた形状」という用語はこれらの位置の任意のものを示すために使用される。1つの実施の形態においては、スペーサ10が閉じた位置から膨張しているとき、接触表面52は中心線Cに関し対称状態を維持する。1つの実施の形態においては、両方のプレート50は、中心線Cと接触表面52との間の距離が各プレート50に対して同じになるように、等しい量だけ移動する。別の実施の形態においては、一方のプレート50は固定され、対応するプレート50はスペーサ10の高さを増大させるように外方へ移動する。
【0019】
椎骨部材間でスペーサ10を位置決めするために種々の異なる送給装置80を使用することができる。図4に示す1つの実施の形態はスペーサ10の基端に取り付けられた細長いロッドを含む。1つの実施の形態においては、送給装置は中空であり、引っ張りアーム30の少なくとも一部を取り囲む。送給装置80は応用に応じて種々の横断面形状及び寸法を有することができる。送給装置80は単一の細長い部材で構成することができ、または、第1の区分82及び第2の区分84のような異なる区分から構成することができる。
【0020】
送給装置80は多数の異なる方法でスペーサ10に取り付けることができる。図1に示すような1つの実施の形態においては、ピン86はスペーサ10を装置80に接続するために装置80及び引っ張りアーム30のスロット37を通って延びる。1つの実施の形態においては、押しリンク97は基端リンク40a、40bに接続する第1のピン62と、送給装置80に接続する第2のピン86とを有する。別の実施の形態においては、送給装置80はスペーサ10に恒久的に取り付けられる。別の実施の形態においては、引っ張りアーム30はまた送給装置80でもある。
【0021】
1つの実施の形態においては、スペーサ10は送給装置80を介して椎骨部材間に挿入され、手順の完了時に取り外される。1つの実施の形態においては、スペーサ10は送給装置80から取り外され、患者内に留まる。スペーサ10は患者内に恒久的に留まることができ、または、1つの実施の形態においては、スペーサが接続解除され、医師が手順を完了した後に、送給装置80はスペーサ10を取り外すために再取り付けされる。1つの実施の形態においては、ピン86はスペーサ10から装置80を取り外すために破壊される。図3に示すような1つの実施の形態においては、引っ張りアーム30は着脱自在な末端区分31及び基端区分33を有する。装置80がスペーサ10から接続解除されるとき、基端区分33は末端区分31から接続解除される。装置80及び基端引っ張りアーム33が取り外されるときには、引っ張りアームの末端区分31を含むスペーサ10は留まる。
【0022】
1つの使用方法において、スペーサ10は送給装置80の末端に接続される。閉じた位置にある間、スペーサ10は患者内で隣接する椎骨部材間に位置決めされる。1つの実施の形態においては、スペーサ10は隣接する椎骨部材間の椎間板空間内に位置決めされ、膨張時に椎骨部材のエンドプレートに接触する。位置決めされた後、軸方向の荷重又は展開力が引っ張りアーム30に加えられ、引っ張りアーム30を図4に矢印89の方向に内方へ強制移動させる。軸方向の運動は、図1の実施の形態における閉じた位置から図2の実施の形態における開いた位置の方へ、リンク40を外方に枢動させる。対向するリンク40の歯44は、プレート50が中心線Cから外方へ移動する運動中、互いに噛み合う。1つの実施の形態においては、2つのプレート50の各々は同じ量だけ移動し、中心線Cに関し対称的になる。
【0023】
リンク40が外方へ膨張し、引っ張りアーム30が内方へ移動すると、スペーサ10が閉じた位置から開いた位置へ移動するときに、ピン62は末端のアームスロット37に沿って摺動する。ピン61はリンク40及び引っ張りアームの開口36内に装着され、引っ張りアーム30に関して運動しない。図1に示す閉じた位置においては、ピン61は、図2に示すような開いた位置の場合よりも一同大きな距離だけ、ピン62から離間する。引っ張りアーム30の軸方向の運動量はスペーサ10の展開の量となる。スペーサ10は特定の応用に応じて閉じた位置と開いた位置との間で任意の距離だけ開くことができる。軸方向の力を引っ張りアーム30に加えて、開いた位置へスペーサ10を展開させる。力を加えるためのパワー機構はスペーサ10又は送給装置80内に配置することができる。1つの実施の形態においては、軸方向の力は引っ張りアーム30を直線的に運動させることにより加えることができる。1つの実施の形態においては、区分84が基端引っ張りアーム33に取り付けられる。区分84はスペーサ10を開いた位置で係止するために第1の区分82から離れるような伸長位置で係止することができる。1つの実施の形態においては、スクロール77が図4に示すように第1の区分82に隣接して第2の区分84の末端に螺合される。区分84及びスクロール77を区分82から離間させ、それによって、引っ張りアーム30に力を加え、スペーサ10を膨張させる。スクロール77は、第1の区分82に接続し、スペーサ10を開いた位置で係止するように、第2の区分84に沿って末端方向にねじることができる。スペーサ10を閉じるためには、スクロール77は第2の区分84に沿って基端方向にねじられる。1つの実施の形態では、スクロール77は手動によるスクロール77の回転を許容するようにローレットを具備する。引っ張りアーム30に軸方向の力を加えるための機構は種々の形状を有することができる。この機構はスペーサ10に隣接して位置するとこができ、または、患者の外部となるようにスペーサ10から距離を隔てて位置することができる。図5に示す1つの実施の形態においては、パワー機構は軸方向の力を加えるように送給装置80に取り付けられる。パワー機構は送給装置の第1の区分82への取り付けのためにパワー装置の末端に迅速解放機構72を有する。1つの実施の形態においては、迅速解放機構72は収容部74のまわりに位置するバネ偏倚カラー73を有する。カラー73は収容部74内に第1の区分82を装填するために引き戻すことができる。カラー73を解放すると、収容部74が収縮し、第1の区分82を係止する。1つの実施の形態においては、迅速解放機構72は第1の区分82の溝に係合する1又はそれ以上のボールを有する。1つの実施の形態においては、スライド係止体75が第2の区分84に取り付けられる。ハンドル76にトルクを加えると、スクロール77及び第2の区分84が第1の区分82から離れ、それによって、引っ張りアーム30に力を加え、スペーサ10を開く。所望の位置において、スクロール77は末端方向にねじられて、第1の区分82に接触し、スペーサ10を係止する。係止された後、パワー機構70は医師のための一層の空間を提供するように送給装置80から取り外すことができる。
【0024】
リンクの軸線Lはリンク40を通って延びるラインにより形成される。図1、2に示す実施の形態においては、リンクの軸線Lはプレート50と引っ張りアーム30との交点を通って延びる。リンク角度αはリンクの軸線Lと中心線Cとにより形成される。図1に示す実施の形態においては、リンク角度αは、スペーサ10が閉じた位置にある場合、ゼロよりも大きい。1つの実施の形態においては、閉じた位置において0°よりも大きいリンク角度αはスペーサ10の開放を容易にするために決定された。
【0025】
スペーサ10を開くのに必要な軸方向の力即ち展開力は膨張工程中に変化する。更に、膨張工程中にスペーサ10により椎骨部材上に加えられる力又は許容可能な椎間板空間負荷は膨張工程中に変化する。座標x、y、zを有する3次元座標系を使用して別の方法で述べれば、軸方向の力はx方向の力であり、椎骨部材の負荷はy方向の力である。
【0026】
1つの実施の形態においては、スペーサ10は約7mmの高さ及び約16°のリンク角度αを有する閉じた位置と、約14mmの高さ及び約49°のリンク角度αを有する開いた位置との間で位置決めできる。次の表は展開の種々の段階でのスペーサ10のパラメータを示す。
【0027】
【表1】
【0028】
これらの計算は理論的であり、ほぼ564.7lbsの二重せん断における1.3mmのピンの降伏強さ(2%の伸び)に基づく。分かるように、リンク角度αが増大するにつれて、所要展開力が減少し、リンク角度αが増大するにつれて、許容可能な椎骨部材負荷が増大する。
【0029】
図6、7はスペーサ10の別の実施の形態を示す。図6は閉じた位置におけるスペーサ10を示す。スペーサ10の全体形状は円筒状であり、患者内への挿入を容易にするために丸い前部を備えた鼻部34を含む。スペーサ10はリンク40と、一対のプレート50と、鼻部34を含む引っ張りアーム30とを有する。基端区分39はスペーサ10の一部を形成する。1つの実施の形態においては、プレート50はスペーサの全長よりも小さな長さを有する。リンク40は各端部における歯44と、ピン62を受け入れるための一対の開口42とを有する。鼻部34及び基端区分39はその中でリンク40を位置決めするくぼみ31を有する。1つの実施の形態においては、リンク40及びプレート50は円筒形状に適合するような湾曲表面を有する。別の実施の形態においては、リンク40及びプレート50は平坦な外表面を有する。閉じた位置においては、リンク角度αは0°である。
【0030】
図7は開いた位置におけるスペーサ10を示す。スペーサ10が開くとき、対向するリンク40の歯44は一緒に噛み合う。鼻部34は引っ張りアーム30に接続される。引っ張りアーム30に軸方向の力が加えられると、鼻部34は送給装置80の方へ内方に押される。鼻部34の運動はリンク40を移動させ、それによって、プレート50をスペーサ10の中心線Cから外方に移動させる。引っ張りアーム30はスペーサ10の高さを制御するために種々の距離だけ軸方向に移動することができる。
【0031】
図6、7に示す実施の形態においては、リンク40は引っ張りアーム30に直接接続しない。リンク40は引っ張りアーム30に接続された鼻部34に接続する。鼻部34の運動はリンク40の運動を生じさせる。基端リンク40は引っ張りアーム30に直接的又は間接的に接続されても、接続されなくてもよい。1つの実施の形態においては、基端リンク40はピンを介して引っ張りアームに直接接続される。
【0032】
1つの実施の形態においては、リンク40は長さの中間点Mに隣接してプレート50の中間区分に接続する。別の実施の形態においては、リンク40は中間点Mから離れた端部の方に向かってプレート50に接続する。別の実施の形態においては、2つのリンク40はプレート50に沿った中間点Mに関して異なる位置(即ち、リンク40が中間点Mから均一に離間していない位置)で接続される。例えば、第1のリンク40は、中間点Mからの距離xで、プレート50末端の近傍の位置において、接続し、第2のリンク40は中間点からxよりもっと小さい距離yで、プレート50中間点に隣接して接続する。プレート50は中心線Cに平行とすることができ、または、中心線Cに関していずれかの方向に角度づけすることができる。
【0033】
図8、9、10は第2のリンク240とは異なる長さを有する第1のリンク140を備えた別の実施の形態を示す。第1及び第2のリンク140、240の各々は引っ張りアーム130とプレート150との間を延びる。ピン161は第1のリンク140の第1の端部を引っ張りアーム130に取り付け、ピン162は第2のリンク240の第1の端部を引っ張りアーム130に取り付ける。ピン160はリンク140、240の第2の端部をプレート150に接続する。リンク140、240第2の端部における歯144は、スペーサ110が開いた位置と閉じた位置との間で移動するときに、一緒に噛み合う。
【0034】
各プレート50は湾曲した接触表面152を有する。1つの実施の形態においては、その曲率は椎骨部材のエンドプレートの凹状の形状に適合するように約100mmの半径を有する。引っ張りアーム130の末端189はプレート150の湾曲と補完するような角度づけられた形状を有する。末端189と湾曲したプレート150との組合せは、図8に示すような閉じた位置において、スペーサ110aに弾丸形状を与える。1つの実施の形態においては、スペーサ110は約30mmの長さと、約27mmの幅とを有する。
【0035】
リンクの長さの比率を変えることにより、展開中にプレート150により形成される脊柱前湾角度θの量を制御する。長さの差が大きいほど、スペーサ110が展開する際の脊柱前湾角度が大きくなる。1つの実施の形態においては、末端リンク140の長さは約7.4mmであり、基端リンク240の長さは約12mmである。スペーサ110の高さも展開と共に増大する。高さはプレート150の湾曲の頂点から測定される。図8、9、10はスペーサ110の展開中の高さ及び脊柱前湾角度θの変化を示す。図8は閉じた位置におけるスペーサ110を示す。1つの実施の形態では、高さは約8.4mmである。閉じた位置においては、脊柱前湾角度は約0°であり、プレート150は実質上平行になる。
【0036】
図9はスペーサ110の部分的な展開状態を示す。引っ張りアーム130は内方に(即ち図9の右方に)基端方向へ移動しており、従って、ピン161を内方に引っ張り、中心線C上でセンタリングされたスロット37(図示せず)に沿ってピン162を摺動させている。この実施の形態においては、高さは約13.8mmであり、脊柱前湾角度θは約8.4°ないし8.6°である。
【0037】
図10は完全に展開した位置におけるスペーサ110を示す。引っ張りアーム132及びピン161は基端方向へ更に移動している。ピン162はスロット37の末端区分の方へ摺動し続ける動作を終えている。プレート150は外方へ移動し続ける動作を終えており、脊柱前湾角度θは約15°ないし15.3°に増大し、高さは約16.8mmとなっている。
【0038】
図11、12、13は、スペーサ110が閉じた位置と開いた位置との間を移動する際の、リンク140、240の運動を概略的に示す。図11は(図8に示すような)閉じた位置におけるスペーサ110を概略的に示す。図11に示すように、ライン201は上方のプレート150をリンク140、240に接続するピン160の中心間を延びる。ラインPはライン201に垂直である。ライン202はピン161の中心と末端リンク140を上方のプレート150に接続するピン160の中心との間を延びる。ライン203はピン162の中心と基端リンク240を上方のプレート150に接続するピン160の中心との間を延びる。第1の角度Aはライン202とラインPとの間に形成される。第2の角度Bはライン203とラインPとの間に形成される。閉じた位置においては、ラインPは中心線Cに垂直であり、脊柱前湾角度は0°である。1つの実施の形態においては、末端リンク140は約7.4mmであり、基端リンク240は約12mmであり、ピン160間の距離は約3.75mmである。
【0039】
末端リンク140が基端リンク240よりも短いような実施の形態では、大きい方の角度Bと小さい方の角度Aとの間に差が存在する。角度を説明する式は次のように定義される:
角度B=角度A+差 ・・・・・・・・(1)
末端リンク140が約7.4mmで、基端リンク240が約12mmであるような1つの実施の形態では、角度Aは73.2°であり、角度Bは約79.6°であり、差は約6.4°である。
【0040】
図12は(図9に示すような)部分的に展開した位置におけるスペーサ110を概略的に示す。ライン201の位置は展開中のピン161、162間の相対距離の変化に応じ変化している。ライン201に垂直なラインPもそれに従って変化する。ライン202とラインPとの間に形成される角度Aは減少し、ライン203とラインPとの間に形成される角度Bも減少している。しかし、2つの角度の差は同じ状態に留まり、式1も正しいままである。これが生じる理由は、リンク140、240がプレート150に隣接する地点で一緒に噛み合うからである。この特定の実施の形態においては、角度Aは約49.7°であり、角度Bは約56.3°であり、差は約6.4°である。
【0041】
図13は(図10に示すような)開いた位置におけるスペーサ110を概略的に示す。ピン161、162は中心線Cに沿って相対的に一層近づくように移動している。角度A及び角度Bはそれぞれ部分的に開いた位置から減少しており、ラインPは中心線Cに関して更に片寄っている。これまた、角度A、B間の差は同じ状態に留まっている。この特定の実施の形態においては、角度Aは約42.6°であり、角度Bは約49°であり、差は約6.4°である。
【0042】
1つの実施の形態においては、スペーサ110の下方区分上で形成される角度も式1のパラメータに従う。末端リンク140が基端リンク240よりも長いような実施の形態では、角度Aは角度Bよりも一定の差だけ大きい。図示の実施の形態においては、スペーサ110が閉じた位置にある場合、脊柱角度は約0°であった。脊柱前湾角度は閉じた位置において0°以外の量とすることができる。また、図示の実施の形態はスペーサ110の末端に向かってより小さな長さを有する第1のリンク140を含む。他の実施の形態においては、第1のリンク140は基端リンク240よりも大きな長さを有する。
【0043】
1つの実施の形態においては、脊柱前湾角度はプレート140、240の縁部により決定される。別の実施の形態においては、脊柱角度はライン201と中心線Cとによって形成される角度の2倍により決定される。スペーサ110がたった1つの運動プレートを有するような実施の形態も考えられる。このような実施の形態においては、脊柱前湾角度はライン201と中心線Cとにより形成される角度である。
【0044】
図14はピン62、86の代わりの実施の形態を示す。押しリンク97は引っ張りアーム30のスロット37内に位置する。押しリンク97はリンク40及び送給装置80にそれぞれ装着されたピン62、86を有する。押しリンク97は引っ張りアーム30の運動中にスロット37内で摺動するように寸法決めされる。1つの実施の形態においては、押しリンク97は送給装置80及び第1の組の基端リンクを接続するように装置の第1の側で延びる第1の組のピン(62、86)を備えた「H」形状を有し、第2の組のピンは送給装置及び第2の組の基端リンクを接続するように第2の側で延びる。
【0045】
別の実施の形態(図示せず)においては、ピン62は引っ張りアーム30を通って延びない。引っ張りアーム30の第1の横側の第1のピンが2つの基端リンクを一緒に取り付け、引っ張りアーム30の第2の横側の第2のピンが他の2つの基端リンクを一緒に取り付ける。この実施の形態においては、2つのピンは送給装置80に接続することができる。
【0046】
椎骨部材という用語は一般に椎骨本体、茎、薄片及び突起を含む椎骨の幾何学形状を述べるために使用する。スペーサ10は頚部、胸部及び腰部の区域を含む椎骨の異なる区域内で使用されるように寸法決め及び形状づけでき、それに十分な要求強度を有する。1つの実施の形態においては、スペーサ10は隣接する椎骨間の椎間板空間内に位置する。プレート50は椎骨のエンドプレートに接触して、必要なだけ椎骨を離間させる。1つの実施の形態においては、スペーサ10は後方から患者内に挿入される。別の実施の形態においては、スペーサ10は前方から患者内に挿入される。別の実施の形態においては、スペーサは横方向から患者内に挿入される。
【0047】
別の実施の形態(図示せず)においては、スペーサ10はたった1つの運動プレート50を有する。第1のプレートはリンク40に取り付けられ、上述のように運動する。第2のプレートは静止である。リンク40は静止のプレートから外方に移動して、スペーサ10の高さを開いた位置へ膨張させる。この実施の形態は所望の間隔及び強度要求に応じて任意の数のリンク40を含むことができる。
【0048】
本発明は、本発明の要旨及び本質的な特徴から逸脱することなく、ここで説明した以外の他の特定の方法で実行することができる。1つの実施の形態においては、スペーサ10及び送給装置80はステンレス鋼で構成される。それ故、本実施の形態はすべての点で例示と考えるべきであり、限定的なものではなく、特許請求の範囲の意味及び等価の範囲内に入るすべての変更はそこに包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る閉じた位置でのスペーサの斜視図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に係る開いた位置でのスペーサの斜視図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態に係る引っ張りアームの斜視図である。
【図4】スペーサ及び本発明の1つの実施の形態に従って構成された取り付けられた送給装置の1つの実施の形態の斜視図である。
【図5】スペーサ、送給装置及び本発明の1つの実施の形態に従って構成されたパワー機構の1つの実施の形態の斜視図である。
【図6】閉じた位置におけるスペーサの別の実施の形態の斜視図である。
【図7】開いた位置におけるスペーサの別の実施の形態の斜視図である。
【図8】閉じた位置における別のスペーサの実施の形態の斜視図である。
【図9】部分的に開いた位置における図8のスペーサの斜視図である。
【図10】開いた位置における図9のスペーサの斜視図である。
【図11】末端リンクと基端リンクとの間に形成される角度を示す、閉じた位置における図8のスペーサに対応する概略線図である。
【図12】末端リンクと基端リンクとの間に形成される角度を示す、部分的に開いた位置における図9のスペーサに対応する概略線図である。
【図13】末端リンクと基端リンクとの間に形成される角度を示す、開いた位置における図10のスペーサに対応する概略線図である。
【図14】引っ張りアームのスロット内の押しリンクを備えた代わりの実施の形態の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎骨部材を離間させる装置において、
第1の端部と第2の端部とを有する第1のリンク、及び、第1の端部と第2の端部とを有し、上記第1のリンクとは異なる長さを有する第2のリンク;
各上記第1及び第2のリンクの上記第1の端部に枢着された引っ張りアーム;及び
各上記第1及び第2のリンクの上記第2の端部に接続されたプレート;
を有し、上記引っ張りアームは、上記第2の端部が当該引っ張りアームから第1の距離だけ離間しかつ上記プレートが該引っ張りアームに関して第1の角度をなすような第1の位置、及び、当該第2の端部が該引っ張りアームから上記第1の距離よりも大きな距離だけ離間しかつ当該プレートが該引っ張りアームに関して上位第1の角度より大きな第2の角度をなすような第2の位置で位置決めされることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記プレートが上記第1の位置において上記引っ張りアームと実質上平行であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記第2の角度が上記第2の位置において上記プレートと中心線との間で測定した約7.5°の最大範囲を有することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ピンが上記第2のリンクの上記第1の端部を上記引っ張りアームに接続し、同引っ張りアームの細長いスロットを通って延びることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記第1及び第2のリンクの上記第2の端部に歯が設けられ、当該第1のリンクの当該第2の端部が当該第2のリンクの当該第2の端部と噛み合うことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
椎骨部材間に上記装置を位置決めするための細長い送給装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
上記細長い送給装置が上記装置に対して着脱できることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
上記第2のリンクが上記第1のリンクに関して基端方向に位置し、同第1のリンクよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
第1のピンが上記第1のリンクを上記プレートに取り付け、第2のピンが上記第2のリンクを当該プレートに取り付け、上記第1のピンが上記第2のピンから離間することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
上記引っ張りアーム内に位置し、上記第2のリンクに取り付けられる第1のピン及び送給装置に取り付けられる第2のピンを備えた押しリンクを更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
椎骨部材を離間させる装置において、
第1のプレート及び第2のプレートと;
上記第1のプレート及び上記第2のプレートに枢着された第1のリンク対と;
上記第1のプレート及び上記第2のプレートに枢着され、上記第1のリンク対よりも長い第2のリンク対と;
を有し、当該第1のプレートと上記第2のプレートとの間の距離が増大しかつ該第1のプレートと当該第2のプレートとの間で形成された角度が変化したときに、上記第1のプレートに取り付けられた上記第1のリンク対の第1の歯付き端部が上記第2のリンク対の第1の歯付き端部と噛み合い、該第2のプレートに取り付けられた当該第1のリンク対の第2の歯付き端部が当該第2のリンク対の第2の歯付き端部と噛み合うことを特徴とする装置。
【請求項12】
合計4つのリンク対が上記第1のプレートと上記第2のプレートとの間に位置することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
椎骨部材を離間させる装置において、
第1のプレートと;
第2のプレートと;
上記第1のプレートと上記第2のプレートとの間に位置する引っ張りアームと;
上記第1のプレートに接続された第1の端部及び上記第2のプレートに接続された第2の端部を各々有する第1のリンク対及び第2のリンク対であって、上記第1のリンク対が第1の接続地点で上記引っ張りアームに接続され、上記第2のリンク対が第2の接続地点で当該引っ張りアームに接続され、当該第1のリンク対が当該第2のリンク対とは異なる長さを有するような、第1のリンク対及び第2のリンク対と;
を有し、上記装置が第1の高さを有する第1の位置と、上記第1の高さよりも大きな第2の高さを有する第2の位置との間で位置決めでき、上記第1の接続地点と上記第2の接続地点との間の距離が上記第2の位置においてよりも上記第1の位置において一層大きく、上記プレート間で形成される角度が当該第1の位置と当該第2の位置とで異なることを特徴とする装置。
【請求項14】
上記引っ張りアームが更に同引っ張りアームに上記第2のリンク対を取り付けるためにピンを受け入れるように寸法決めされた細長いスロットを有し、上記ピンが、上記第1の位置において上記細長いスロットに沿った第1の位置、及び、上記第2の位置において当該細長いスロットに沿った第2の位置で、位置決めされることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
上記細長いスロット内に位置する押しリンクを更に有し、同押しリンクが上記引っ張りアームに上記第2のリンク対を取り付けるための上記ピンと、送給装置に取り付けるための第2のピンとを有することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
上記第1のリンク対が上記引っ張りアームに接続され、上記第1の接続地点が上記第1の位置及び上記第2の位置において当該引っ張りアームに関して同じ位置にあることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
上記第1のリンク対が上記第2のリンク対よりも短く、上記プレート間で形成される角度が上記第1の位置においてよりも上記第2の位置において一層大きいことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項18】
上記第1のプレートが上記第1の位置において上記第2のプレートと実質上平行になることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項19】
上記第1のリンク対及び上記第2のリンク対の各々の上記第1及び第2の端部における歯が当該第1のリンク対を当該第2のリンク対に作動的に接続することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項20】
椎骨部材を離間させる方法において、
第1の高さ及び第1の角度を有した第1の位置のスペーサを椎骨部材間に挿入する工程と;
引っ張りアームに軸方向の力を加える工程と;
上記引っ張りアームに取り付けられたリンクを枢動させて、上記第1の高さよりも大きな第2の高さ及び上記第1の角度よりも大きな第2の角度へ、上記スペーサを増大させる工程と;
を有することを特徴とする方法。
【請求項21】
上記リンクを枢動させる上記工程が第1のリンク角度から第2のリンク角度へ当該リンクを移動させる工程を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記リンクを枢動させる上記工程が、上記第1の高さから上記第2の高さへ及び上記第1の角度から上記第2の角度へ上記スペーサを増大させるために、プレートを当該スペーサの中心線から外方に移動させることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項1】
椎骨部材を離間させる装置において、
第1の端部と第2の端部とを有する第1のリンク、及び、第1の端部と第2の端部とを有し、上記第1のリンクとは異なる長さを有する第2のリンク;
各上記第1及び第2のリンクの上記第1の端部に枢着された引っ張りアーム;及び
各上記第1及び第2のリンクの上記第2の端部に接続されたプレート;
を有し、上記引っ張りアームは、上記第2の端部が当該引っ張りアームから第1の距離だけ離間しかつ上記プレートが該引っ張りアームに関して第1の角度をなすような第1の位置、及び、当該第2の端部が該引っ張りアームから上記第1の距離よりも大きな距離だけ離間しかつ当該プレートが該引っ張りアームに関して上位第1の角度より大きな第2の角度をなすような第2の位置で位置決めされることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記プレートが上記第1の位置において上記引っ張りアームと実質上平行であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記第2の角度が上記第2の位置において上記プレートと中心線との間で測定した約7.5°の最大範囲を有することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ピンが上記第2のリンクの上記第1の端部を上記引っ張りアームに接続し、同引っ張りアームの細長いスロットを通って延びることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記第1及び第2のリンクの上記第2の端部に歯が設けられ、当該第1のリンクの当該第2の端部が当該第2のリンクの当該第2の端部と噛み合うことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
椎骨部材間に上記装置を位置決めするための細長い送給装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
上記細長い送給装置が上記装置に対して着脱できることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
上記第2のリンクが上記第1のリンクに関して基端方向に位置し、同第1のリンクよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
第1のピンが上記第1のリンクを上記プレートに取り付け、第2のピンが上記第2のリンクを当該プレートに取り付け、上記第1のピンが上記第2のピンから離間することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
上記引っ張りアーム内に位置し、上記第2のリンクに取り付けられる第1のピン及び送給装置に取り付けられる第2のピンを備えた押しリンクを更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
椎骨部材を離間させる装置において、
第1のプレート及び第2のプレートと;
上記第1のプレート及び上記第2のプレートに枢着された第1のリンク対と;
上記第1のプレート及び上記第2のプレートに枢着され、上記第1のリンク対よりも長い第2のリンク対と;
を有し、当該第1のプレートと上記第2のプレートとの間の距離が増大しかつ該第1のプレートと当該第2のプレートとの間で形成された角度が変化したときに、上記第1のプレートに取り付けられた上記第1のリンク対の第1の歯付き端部が上記第2のリンク対の第1の歯付き端部と噛み合い、該第2のプレートに取り付けられた当該第1のリンク対の第2の歯付き端部が当該第2のリンク対の第2の歯付き端部と噛み合うことを特徴とする装置。
【請求項12】
合計4つのリンク対が上記第1のプレートと上記第2のプレートとの間に位置することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
椎骨部材を離間させる装置において、
第1のプレートと;
第2のプレートと;
上記第1のプレートと上記第2のプレートとの間に位置する引っ張りアームと;
上記第1のプレートに接続された第1の端部及び上記第2のプレートに接続された第2の端部を各々有する第1のリンク対及び第2のリンク対であって、上記第1のリンク対が第1の接続地点で上記引っ張りアームに接続され、上記第2のリンク対が第2の接続地点で当該引っ張りアームに接続され、当該第1のリンク対が当該第2のリンク対とは異なる長さを有するような、第1のリンク対及び第2のリンク対と;
を有し、上記装置が第1の高さを有する第1の位置と、上記第1の高さよりも大きな第2の高さを有する第2の位置との間で位置決めでき、上記第1の接続地点と上記第2の接続地点との間の距離が上記第2の位置においてよりも上記第1の位置において一層大きく、上記プレート間で形成される角度が当該第1の位置と当該第2の位置とで異なることを特徴とする装置。
【請求項14】
上記引っ張りアームが更に同引っ張りアームに上記第2のリンク対を取り付けるためにピンを受け入れるように寸法決めされた細長いスロットを有し、上記ピンが、上記第1の位置において上記細長いスロットに沿った第1の位置、及び、上記第2の位置において当該細長いスロットに沿った第2の位置で、位置決めされることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
上記細長いスロット内に位置する押しリンクを更に有し、同押しリンクが上記引っ張りアームに上記第2のリンク対を取り付けるための上記ピンと、送給装置に取り付けるための第2のピンとを有することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
上記第1のリンク対が上記引っ張りアームに接続され、上記第1の接続地点が上記第1の位置及び上記第2の位置において当該引っ張りアームに関して同じ位置にあることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
上記第1のリンク対が上記第2のリンク対よりも短く、上記プレート間で形成される角度が上記第1の位置においてよりも上記第2の位置において一層大きいことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項18】
上記第1のプレートが上記第1の位置において上記第2のプレートと実質上平行になることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項19】
上記第1のリンク対及び上記第2のリンク対の各々の上記第1及び第2の端部における歯が当該第1のリンク対を当該第2のリンク対に作動的に接続することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項20】
椎骨部材を離間させる方法において、
第1の高さ及び第1の角度を有した第1の位置のスペーサを椎骨部材間に挿入する工程と;
引っ張りアームに軸方向の力を加える工程と;
上記引っ張りアームに取り付けられたリンクを枢動させて、上記第1の高さよりも大きな第2の高さ及び上記第1の角度よりも大きな第2の角度へ、上記スペーサを増大させる工程と;
を有することを特徴とする方法。
【請求項21】
上記リンクを枢動させる上記工程が第1のリンク角度から第2のリンク角度へ当該リンクを移動させる工程を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記リンクを枢動させる上記工程が、上記第1の高さから上記第2の高さへ及び上記第1の角度から上記第2の角度へ上記スペーサを増大させるために、プレートを当該スペーサの中心線から外方に移動させることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−512218(P2008−512218A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501853(P2008−501853)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/011064
【国際公開番号】WO2007/097735
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/011064
【国際公開番号】WO2007/097735
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
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