説明

有機エレクトロルミネッセンスデバイス用材料

本発明は、特にエレクトロルミネッセンスデバイスの発光層および/または電子輸送層に使用するための、発光および電子輸送特性を有している一般式 (I), (II), (III) または(IV)によるインデノフルオレン誘導体に関する。更に、本発明は、本発明に係る化合物を製造する方法および同じ化合物を含む電子デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の説明】
【0001】
本発明は、特にエレクトロルミネッセンスデバイスの発光および/または電子輸送層に使用する芳香族複素環ブリッジ原子およびブリッジ原子に対しパラ位のアミンを含んでいるインデノフルオレン誘導体を発光および正孔輸送特性を有している材料の新規クラスとして記載する。更に、本発明は、本発明に係る化合物を調製するプロセスおよび同じ化合物を含む電子デバイスに関する。
【0002】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスの一般的な構造は、例えば、US 4539507, US 5151629, EP 0676461 および WO 98/27136に記載される。しかしながら、さらにこれらの装置を改善する必要がある:
1. 効率は、未だに低く、特に、蛍光OLEDsの場合に、改善すべきである。
【0003】
2. 動作寿命は、特に青色発光の場合に未だにしばしば短く、未だに改善する必要がある。
【0004】
3. 動作電圧は、特に蛍光OLEDsの場合にかなり高い。動作電圧の減少は、出力効率の改善をもたらす。この事項は、特に、モバイル用途のための主要な重要事項である。
【0005】
4. 先行技術に係る正孔輸送材料の場合、電圧は正孔輸送層の層厚に依存する。実際には、正孔輸送層の層厚が厚くなることは、しばしば望ましいだろう。しかしながら、この状況は、可能であるが付随する電圧の増加のため先行技術に係る材料では困難である。
【0006】
5. 幾つかの先行技術に係る材料は、気相堆積の間の気相堆積源の縁で結晶化し、ここで気相堆積源が詰まるとの問題を呈する。それ故、これらの材料は大量生産でのみ用いられ、技術的な複雑性が有意に増加する。
【0007】
インデノフルオレンアミンは、非常に良好な正孔移動度のため電子の輸送材料および注入材料として使用される。このクラスの材料は、輸送層の厚さにおいて比較的低い電圧依存性を示す。EP 1860097, WO 2006/100896, DE 102006025846, WO 2006/122630 および WO 2008/006449は、電子デバイスに使用するインデノフルオレンジアミンを開示する。正孔輸送材料として又は濃青発光体としての使用において寿命が良好であることが、その中に記載されている。しかしながら、これらの化合物は大量生産に問題がある。つまり、材料の結晶化度が原因で、それらが気相堆積の間に気相堆積源で結晶化し、それを詰まらせる。それ故、生産にこれらの材料を使用することは、技術的な複雑性の増加と関連する。それ故、この技術の更なる改善が未だに望まれている。
【0008】
特に、有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおいて良好な効率性と同時に長い寿命をもたらし、産業において問題なくプロセスできる発光化合物(特に、青色発光化合物)を改善する必要性が引き続き存在する。この事項は、また電子の輸送化合物および注入化合物に、また蛍光化合物またはリン光化合物のためのマトリックス材料に等しく適用される。特に、材料の結晶化度を改善する必要がある。
【0009】
それ故、本発明の課題は、このような化合物の提供からなる。
【0010】
驚くことに、ホスト材料における青色発光ドーパントとして又は正孔輸送化合物として、インデノフルオレン誘導体(特に、ブリッジ原子に対しパラ位においてアミンで置換された芳香族複素環ブリッジ原子を含んでいる誘導体)を含むエレクトロルミネッセンスデバイスが従来技術を有意に改善することが見出された。加工性の改善(結晶化度の減少), 正孔移動度の増加と同時の動作電圧の減少、青色ドーパントとしての使用における色調和の改善が、本発明において準備された。正孔輸送化合物としての使用において、ブリッジ中のヘテロ原子による炭素の置換およびブリッジ原子に対しパラ位におけるアミンによる置換によって、結晶化度が減少し、それ故達成される加工性が改善される。さらにまた、おそらく境界の形態の変化が原因の低い動作電圧、また正孔移動度の改善が原因の電子輸送層厚における電圧依存性の減少が生じる。特に、この事項は、材料が相対的に厚い層厚を有している層に使用された場合に適用される。青色ドーパントとしての使用において、前記化合物は色調和の改善をもたらす。
【0011】
この目的を達するために、本発明は、一般式 I, II, IIIまたはIVの化合物を提供する:
【化1】

【0012】
式中で、
Aは一般式 Vと対応する
【化2】

【0013】
式中で一般式 I, II, IIIまたはIVの化合物との連結はYを介して生じ;
Yは、各々の場合において、互いに独立にB, N, P, P=O, PF2, P=S, As, As=O, As=S, Sb, Sb=O, Sb=S, Bi, Bi=O, Bi=S, C=O, 0, S, Se, Te, S=O, SO2, Se=O,Se02, Te=O またはTeO2であり;
Zは、各々の場合において、互いに独立にCRまたはNであり;
Xは、各々の場合において、互いに独立にB(R1), C(R1)2, Si(R1)2, C=O, C=NR1, C=C(R1)2, O, S, S=O, S02, N(R1), P(R1) および P(=O)R1から選択される二価のブリッジであり;
Rは、各々の場合において、互いに独立にH, D, F, Cl, Br, I, N(R2)2, N(Ar)2, C(=O)Ar, P(=O)Ar2, S(=O)Ar, S(=O)2Ar, CR2=CR2Ar, CN, NO2, Si(R2)3, B(0R2)2, OSO2R2, 1〜40個のC原子を有している直鎖のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有している分枝または環式のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基であり、この各々は一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上の非隣接CH2基はR2C=CR2, C≡C, Si(R2)2, Ge(R2)2, Sn(R2)2, C=O, C=S, C=Se, C=NR2, P(=O)(R2), SO, S02, NR2, O, S またはCONR2により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上のH原子はF, Cl, Br, I, CNまたはNO2又は5〜40個の芳香環原子を有している芳香環または芳香族複素環システム(これは各々の場合において一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよい)、又は5〜40個の芳香環原子を有しているアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基(これは一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよい)、又はこれらシステムの組み合わせにより置換されていてもよく、ここで二つまたはそれ以上の置換基Rは互いに単環または多環の脂肪族環システムを形成していてもよく;
R1は、各々の場合において、互いに独立にH, D, F, Cl, Br, I, CN, NO2, N(R2)2, B(OR2)2, Si(R2)3, 1〜40個のC原子を有している直鎖のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有している分枝または環式のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基であり、この各々は一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上の非隣接CH2基は-R2C=CR2-, -C≡C-, Si(R2)2, Ge(R2)2, Sn(R2)2, C=O, C=S, C=Se, C=NR2, -O-, -S-, -COO- または-CONR2-により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上のH原子はF, Cl, Br, I, CN 又はNO2, 又はアリールアミン又は置換されたカルバゾール(この各々は一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよい)、又は5〜40個の芳香環原子を有している芳香環または芳香族複素環システム(これは一つまたはそれ以上の非芳香族ラジカルR2により置換されていてもよい)、又は5〜40個の芳香環原子を有しているアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基(これは一つまたはそれ以上の非芳香族ラジカルR2により置換されていてもよい)、又はこれらシステムの組み合わせにより置換されていてもよく、ここで二つまたはそれ以上の置換基R1は、互いに単環または多環システムを形成していてもよく;
R2は、各々の場合において、互いに独立に、H、Dまたは1〜20個のC原子を有している脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであり;
Arは、各々の場合において、互いに独立に、一つまたはそれ以上のラジカルR1によって置換されていてもよい、5〜40個の芳香環原子を有している芳香環または芳香族複素環システムであり;
Eは、各々の場合において、互いに独立に、単結合, N(R1), O, S, C(R1)2, Si(R1)2 またはB(R1)であり;
基Yの対応する中心原子が主族元素3または5からの元素である場合、q =1であり、基Yの対応する中心原子が主族元素4または6からの元素である場合、q= 0である;
tは、各々の場合において互いに独立に0または1であり、q = 0である場合、t = 0であり、t = 0は基R1がEの代わりに結合することを意味する;
vは、各々の場合において互いに独立に0または1であり、v = 0はラジカル Rが基Aの代わりに結合することを意味する。
【0014】
本発明の態様において、一般式 I, II, III またはIVの化合物におけるラジカル Yが各々の場合において、互いに独立に、NまたはC=Oであることが好適である。Xは、N(R1), SまたはC(R1)2から出現毎に同一であるか異なって選ばれることがさらに好適であり、ここでR1は上記の意味を有する。本発明のなお更なる態様において、基Zが各々の場合において、互いに独立に、CRであることが好適である。ここでラジカル Rは、好ましくは上記の意味を有する。本発明のなお更なる態様において、一般式 I, II, III またはIVの化合物におけるArがフェニル, ナフチル, 5〜15個の炭素原子を有している置換された芳香環又は芳香族複素環システムまたはアリールアミンまたはカルバゾールにより置換された芳香環又は芳香族複素環システムであることが好適である。本発明のなお更なる態様において、Eは存在しない(すなわち、t = 0)又はEは単結合又はC(R1)2であり、ここでR1は上記の意味を有する。
【0015】
一般式 I, II, III またはIVの化合物において添え字v =1であることが好適である。本発明のなお更なる態様において、前記化合物は、式 Ia, IIa, IIIa および IVaから選ばれる:
【0016】
【化3】

【0017】
式中の記号および添え字は、上記の意味を有する。
【0018】
本発明のなお更なる態様において、前記化合物は、式 Ib, IIb, IIIb およびIVbから選ばれる:
【0019】
【化4】

【化5】

【0020】
式中の記号および添え字は、上記の意味を有する。
【0021】
本発明の好適な態様において、式 Ia, IIa, IIIa またはIVa, またはIb, IIb, IIIb またはIVbの化合物における記号 XはNR1 またはC(R1)2を表し、出現毎に同一であるか異なっており、基 Aに出現する記号 YはC=O またはNを表す。
【0022】
本発明の目的にとって、一般式 I, II, IIIまたはIVの化合物が式 VI, VII, VIIIまたはIXと適合することがさらに好適である:
【0023】
【化6】

【0024】
式中の記号および添え字は、上記の意味を有する。
【0025】
本発明のなお更なる態様において、前記化合物は、式 VIa, VIIa, VIIIa およびIXaから選ばれる:
【0026】
【化7】

【0027】
式中の記号および添え字は、上記の意味を有する。
【0028】
本発明のなお更なる態様において、前記化合物は、式 VIb, VIIb, VIIIb およびIXbから選ばれる:
【0029】
【化8】

【0030】
式中の記号および添え字は、上記の意味を有する。
【0031】
本発明による化合物が下記の構造式 1 〜 92を満たすことがさらに好適である。
【0032】
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【0033】
本発明の目的では、1〜40個のC原子を有しているアルキル基(ここで、更に、個々のH原子又はCH2基がR1の規定における上記の基により置換されてもよい)は、好ましくはラジカル メチル, エチル, n-プロピル, i-プロピル, n-ブチル, i-ブチル, s-ブチル, t-ブチル, 2-メチルブチル, n-ペンチル, s-ペンチル, シクロペンチル, n-ヘキシル, シクロヘキシル, n-ヘプチル, シクロヘプチル, n-オクチル, シクロオクチル, 2-エチルヘキシル, トリフルオロメチル, ペンタフルオロエチルまたは2,2,2-トリフルオロエチルを意味するものと解釈される。本発明の目的では、アルケニル基は、例えば、エテニル, プロペニル, ブテニル, ペンテニル, シクロペンテニル, ヘキセニル, シクロヘキセニル, ヘプテニル, シクロヘプテニル, オクテニルまたはシクロオクテニルを意味するものと解釈される。本発明の目的では、アルキニル基は、例えば、エチニル, プロピニル, ブチニル, ペンチニル, ヘキシニル, ヘプチニルまたはオクチニルを意味するものと解釈される。C1〜C40アルコキシ基は、例えば、メトキシ, トリフルオロメトキシ, エトキシ, n-プロポキシ, i-プロポキシ, n-ブトキシ, i-ブトキシ, s-ブトキシ, t-ブトキシまたは2-メチルブトキシを意味するものと解される。
【0034】
本発明の目的では、アリール基は、好ましくは5〜40個のC原子を含み;本発明の目的では、ヘテロアリール基は、2〜40個のC原子と少なくとも1つのへテロ原子とを、C原子とヘテロ原子との和が少なくとも5個であるという条件で含む。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選ばれる。アリール基又はヘテロアリール基は、ここでは、単一芳香環、すなわち、ベンゼン、又は、単一芳香族複素環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェンなど、又は、縮合アリール若しくはヘテロアリール基、例えば、ナフタレン、アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、及びインドールなどの何れかを意味するものと解釈される。
【0035】
本発明の目的にとって、芳香族環システムは、その環系内に5〜40個のC原子を含有する。本発明の目的では、芳香族複素環システムは、2〜40個のC原子と少なくとも1つのへテロ原子とを、C原子とヘテロ原子との和が少なくとも5個である条件で環システム内に含んでいる。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選ばれる。本発明の目的では、芳香環又は芳香族複素環システムは、必ずしもアリール又はヘテロアリール基のみを含んでいる訳ではなく、寧ろ、複数のアリール又はヘテロアリール基が、例えばsp3混成C、N又はO原子などの非芳香族単位によって(好ましくは、H以外の原子の10%未満で)割り込まれていてもよいシステムを意味するように解釈されることを意図している。それ故、例えば、9,9’−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベンなどのシステムも、本発明の目的の芳香環システムであると解釈されることが意図され、2つ以上のアリール基が、例えば直鎖若しくは環式アルキル基によって又はシリル基によって割り込まれたシステムも同様である。
【0036】
5〜60個の芳香環原子を有している芳香環又は芳香族複素環システムであって、それらは各々の場合において上述したラジカルRによって置換されていてもよく、それらはあらゆる所望の位置を介して芳香環又は芳香族複素環システムに結合していてもよいシステムは、特には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ベンズアントラセン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ターフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス又はトランスインデノフルオレン、トラクセン、イソトラクセン、スピロトラクセン、スピロイソトラクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントラオキサゾール、フェナントラオキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾールから誘導される基を意味するものと解釈される。
【0037】
本発明による化合物は、ブロム化, スズキカップリング, Hartwig-Buchwaldカップリングなどの当業者に知られた合成工程により調製することができる。
【0038】
それ故、インデノフルオレン前駆体は、例えば、合成スキーム1に示されるとおり調製することができる: すなわち、ベンゼンボロン酸および置換された1,4-ジブロモベンゼン化合物のスズキカップリング、ついで閉環(例えば、強酸の作用下で)し、還元して、非置換型のトランス-インデノフルオレンが得られ、これはアルキル化剤を用いてアルキル化できる。これを臭素化などでハロゲン化する又はニトロ化および還元により対応するアミノ化合物に変換できる。Bis(ジアリールアミノ)インデノフルオレンは、合成スキーム2に示されるとおり、ジブロモ化合物のHartwig-Buchwaldカップリングにより合成することができる。
【0039】
インデノフルオレンを含んでいるホスフィンまたはホスフィンオキシドは、合成スキーム3に示されたとおり、ジブロモインデノフルオレンからリチオ化とジアリール-クロロホスフィンとの反応により合成できる。次に、酸化によって、対応するホスフィン酸化物が提供される。ここで、例えば、AsCl3, arylPCl2, SOCl2, Ar2S2, など他の親電子物質を用いることもできる。本発明によるさらなる化合物は、有機合成の当業者に知られているプロセスにおける合成スキームや類似する合成スキームにより容易に合成できる。さらにまた、得られた化合物は、標準的な方法により臭素化でき、ポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーのためのモノマーとして用いることができる。
【0040】
さらに、本発明は、一般式I, II, IIIまたはIVの化合物を調製するプロセスに関し、このプロセスは次の工程により特徴付けられる:
a) X1-置換された芳香族または芳香族複素環のジハロゲン化合物と更なる芳香族または芳香族複素環化合物の金属触媒によるクロス-カップリング反応を行うこと(これらは任意でAで置換される)、
b) カップリングした芳香族または芳香族複素環化合物の間の二価のブリッジ-X-の形成、
ここでXは上記の意味を有する。X1は二価のブリッジ Xの前駆体(すなわち、有機化学の標準的な方法によりXに変換できる)を表す。X1は、さらに閉環反応が促進されるように選ばれる。
【0041】
芳香族または芳香族複素環のジハロゲン化合物は好ましくは1,4-ジブロモベンゼン化合物であり、これは好ましくはトランス誘導体の生産のためX1で前記ハロゲンに対しオルト位で置換される、又はシス誘導体の生産のための対応する1,2-ジブロモベンゼン化合物である。
【0042】
任意に、A-置換された芳香族または芳香族複素環化合物は、好ましくはボロン酸またはボロン酸エステルの機能性を保持する。
【0043】
閉環が成功した後、Xは芳香族または芳香族複素環の成分の間で二価のブリッジを形成する(合成スキームを参照されたい)。カルボキシル基またはアセチル基は、例えば、基 X1として適切であり、閉環反応においてブリッジX = 炭素に変換できる。ニトロ基は、とりわけ基 X1として適切であり、閉環反応においてブリッジX = 窒素に変換できる。チオエーテル基(特に、アルキルチオエーテル基)は、基 X1として適切であり、閉環反応においてブリッジX = イオウに変換できる。二価のブリッジ Xは、続いてさらなるラジカル、例えば、アルキル基またはアリール基または一般に上記に規定したR1により置換されていてもよい。この様式で調製されるインデノフルオレン化合物は、さらなる工程において機能化(例えば、ハロゲン化、好ましくは臭素化)できる。それ故、合成スキーム2 および 3に示すラジカルの導入のための官能基は利用可能である。
【0044】
合成スキームI: インデノフルオレン誘導体の前駆体
【化19】

【0045】
合成スキーム2: アミノ化
【化20】

【0046】
合成スキーム3: ホスフィン酸化物誘導体の合成
【化21】

【0047】
同様に反応できる親電子物質: AsCl3, SbCl3, BiCl3, aryIPCl2, aryl2PCl, SCl2, SOCI2, S02Cl2, Ar2S2, Ar2Se2, Ar2Te2, など。
【0048】
式 I, II, IIIまたはIVの化合物は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスに使用することができる。化合物の正確な使用は、置換基に依存する。
【0049】
本発明の好ましい態様において、式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物は、好ましくは少なくとも一つの更なる化合物との混合物において発光層に使用される。式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物が混合物において発光化合物(ドーパント)であることが好適である。好適なホスト材料は、発光が式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物の波長より短い波長の又は発光しない有機化合物である。
【0050】
従って、本発明は、式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物の一つまたはそれ以上とホスト材料の一つまたはそれ以上との混合物に更に関する。
【0051】
発光層の混合物における式I, II, III またはIVの一つの化合物の割合は、0.1〜99.0体積%、好ましくは0.5〜50.0体積%、特に好ましくは1.0〜20.0体積%、特に1.0〜10.0体積%である。対応して、前記層におけるホスト材料の割合は、1.0〜99.9体積%、好ましくは50.0〜99.5体積%、特に好ましくは80.0〜99.0体積%、特に90.0〜99.0体積%である。
【0052】
適切なホスト材料は、種々のクラスの物質である。好ましいホスト材料は、オリゴアリーレン(例えば、EP676461による2,2’,7,7’−テトラフェニルスピロビフルオレン、またはジナフチルアントラセン)、特に縮合芳香族基を含有するオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(例えばEP676461によるDPVBiまたはスピロ−DPVBi)、多脚金属錯体(例えば、WO04/081017によるもの)、正孔伝導性化合物(例えば、WO04/058911によるもの)、電子伝導性化合物、特にケトン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、スルホキシド等(例えば、WO05/084081またはWO05/084082によるもの)、アトロプ異性体(例えば、EP 1655359によるもの)、ボロン酸誘導体(例えば、WO06/117052によるもの)またはベンゾアントラセン(例えば、WO 08/145239によるもの)のクラスから選ばれる。特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセン、ベンゾアントラセンおよび/またはピレンを含有するオリゴアリーレン、またはこれら化合物のアトロプ異性体、オリゴアリーレンビニレン、ケトン、ホスフィンオキシドおよびスルホキシドのクラスから選ばれる。非常に特に好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンゾアントラセンおよび/またはピレンを含有するオリゴアリーレン、またはこれら化合物のアトロプ異性体のクラスから選ばれる。
【0053】
式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物が正孔輸送材料として及び/又は正孔注入材料として使用されることがとりわけ好適である。前記化合物は、好ましくは正孔輸送層及び/又は正孔注入層に使用される。本発明の目的では、正孔注入層は、アノードに直接隣接する層である。本発明の目的では、正孔輸送層は、正孔注入層および発光層の間に位置する層である。
【0054】
式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物が正孔輸送材料または正孔注入材料として使用される場合、それらを電子受容化合物、例えばF4-TCNQで又はEP 1476881またはEP 1596445に記載されているような化合物でドープすることが好適であろう。式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物が正孔輸送層における正孔輸送材料として使用される場合、100%の比率も好適であろう〔すなわち、この化合物の純粋材料としての使用〕。
【0055】
正孔輸送層または正孔注入層とヘキサアザトリフェニレン 誘導体、特にヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(例えば、EP 1175470によるもの)を備える層との組み合わせにおける式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物の使用が特に好ましい。それ故、例えば、アノード ― ヘキサアザトリフェニレン誘導体 ― 正孔輸送層構造が好ましく、前記正孔輸送層は一つまたはそれ以上の式 I, II, IIIまたはIVの化合物を含む。この構造に複数の連続的な正孔輸送層を使用することも可能であり、ここで少なくとも一つの正孔輸送層は少なくとも一つの式 I, II, IIIまたはIVの化合物を含む。アノード ― 正孔輸送層 ― ヘキサアザトリフェニレン誘導体 ― 正孔輸送層の構造も好ましく、ここで二つの正孔輸送層の少なくとも一つが一つまたはそれ以上の式 I, II, IIIまたはIVの化合物を含む。この構造に一つの正孔輸送層の代わりに複数の連続的な正孔輸送層を使用することも可能であり、ここで少なくとも一つの正孔輸送層は少なくとも一つの式 I, II, IIIまたはIVの化合物を含む。式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物が蛍光およびリン光OLEDsのための電子輸送材料として及び/又は正孔阻止材料として及び/又はリン光OLEDsのための三重項のマトリックス材料として使用されることがとりわけ好適である。この事項は、特に基 Y および基 XがC=O, P=0またはS=Oを表す化合物に適用される。
さらに本発明は、電子デバイスにおける上記で規定した化合物の使用に関する。
【0056】
上記の化合物は、ポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーの調製のためにも使用できる。通常、これは、重合が可能な官能基を介して行うことができる。この目的のため、臭素, ヨウ素, ボロン酸, ボロン酸エステル, トシル化またはトリフレートなどの反応性の脱離基により置換された化合物が特に好ましい。これらは、対応する共役, 部分共役または非共役のポリマー, オリゴマーの生産のためのコモノマーとしても又はデンドリマーのコアとしても使用できる。ここでの重合は、好ましくはハロゲン官能基もしくはボロン酸官能基を介して行われる。
【0057】
それ故、本発明は、さらに一つまたはそれ以上の式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物を含んだポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーに関する。
【0058】
式 I, II, IIIまたはIVの化合物から生ずるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーへの結合は化合物の任意の所望のポジションに配置でき、ラジカル RまたはR1により任意に置換されることを特徴とする。
【0059】
ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーは、共役、部分共役又は非共役であってもよい。同様に、本発明によるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーとさらなるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーとのブレンドが包含される。
【0060】
本発明の目的では、オリゴマーの用語は、約 三〜九の繰り返し単位を有する化合物に適用される。本発明の目的では、ポリマーは、十またはそれ以上の繰り返し単位を有する化合物を意味するものと解される。
【0061】
これらのポリマーは、さらなる繰り返し単位を含んでいてもよい。これらのさらなる繰り返し単位は、好ましくはフルオレン(例えば、EP 842208またはWO 00/22026によるもの), スピロビフルオレン(例えば、EP 707020, EP 894107またはEP 04028865.6によるもの), トリアリールアミン, パラ-フェニレン(例えば、WO 92/18552によるもの), カルバゾール (例えば、WO 04/070772 および WO 04/113468によるもの), チオフェン(例えば、EP 1028136によるもの), ジヒドロフェナントレン(例えば、WO 05/014689によるもの), インデノフルオレン(例えば、WO 04/041901 および WO 04/113412によるもの), 芳香族ケトン(例えば、WO 05/040302によるもの), フェナントレン(例えば、WO 05/104264によるもの)および/または金属複合体, 特にオルト-金属化イリジウム複合体からなる群の中から選ばれる。ポリマーが一つまたはそれ以上の上記の基から選ばれる複数の異なる繰り返し単位を有しえることに特に注意すべきである。
【0062】
同様に、本発明は、電子デバイスにおける上記で規定したポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーの使用に関する。
【0063】
さらに、本発明は、少なくとも一つの先に規定した化合物または先に規定したポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーを含んだ電子デバイスに関する。
【0064】
有機電子デバイスは、好ましくは有機エレクトロルミネッセンスデバイス (OLED5), 有機電界効果トランジスタ (O-FETs), 有機薄膜トランジスタ (O-TFTs), 有機発光トランジスタ (O-LETs), 有機集積回路 (O-ICs), 有機太陽電池 (O-SCs), 有機電界クエンチデバイス (O-FQDs), 発光電気化学的電池 (LECs), 有機感光体および有機レーザダイオード (O-lasers)からなる群の中から選ばれる。
【0065】
本発明の目的では、本発明による式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物または本発明によるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーが有機電子デバイスにおける正孔輸送層および/または正孔注入層の正孔輸送材料として使用されることが好ましい、また、これらの層において式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物またはポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーに関して電子受容化合物で任意にドープすることが可能である。
【0066】
本発明の目的では、本発明による式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物または本発明によるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーが、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの電子輸送層における電子輸送材料として及び/又は正孔阻止層における正孔阻止材料として及び/又は発光層における三重項マトリックス材料として使用されることがさらに好ましい。
【0067】
本発明による式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物または本発明によるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーが、電子デバイスの(好ましくは、発光材料として)発光層に使用されることがさらに好ましい。
【0068】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスはアノード, カソードおよび少なくとも一つの発光層を備え、前記発光層または他の層の一つが少なくとも一つの本発明による式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物またはポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーを備える。
【0069】
好ましくは、カソードは、異なる金属、例えば、アルカリ土類金属, アルカリ金属, 主族元素金属またはランタノイド (例えば、Ca, Ba, Mg, Al, In, Mg, Yb, Sm, など)を含む低い仕事関数を有している金属, 金属の合金または多層構造を備える。アルカリ金属またはアルカリ土類金属および銀を含む合金、例えば、マグネシウムおよび銀を含む合金も適切である。多層構造の場合、相対的に高い仕事関数を有する更なる金属(例えば、Ag)も、前記金属に加えて使用されていてもよく、前記金属の組み合わせ(例えば、Ca/AgまたはBa/Ag)が一般に使用される。金属のカソードおよび有機半導体の間に高い比誘電率を有している材料の薄い中間層を導入することも好ましい。この目的に適切なものは、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 フルオライドのみならず、対応する酸化物または炭酸塩(例えば、LiF, Li2O, BaF2, MgO, NaF, CsF, Cs2CO3, など)である。この層の層厚は、好ましくは0.5 および 5 nmの間である。
【0070】
アノードは、好ましくは高い仕事関数を有している材料を備える。アノードは、好ましくは真空に対し4.5 eVよりも大きな仕事関数を有している材料を備える。この目的に適切なものは、一方では高い酸化還元電位を有している金属(例えば、Ag, PtまたはAu)である。他方で、金属/金属酸化物電極(例えば、Al/Ni/NiOx, Al/PtOx)も好ましい。幾つかの適用に関して、少なくとも一つの電極は、有機材料の照射(O-SCs)または光のカップリングアウト(OLEDs/PLEDs, O-LASERS)の何れかを可能にするため透明でなければならない。好適な構造は、透明なアノードを使用する。ここでの好ましいアノード材料は、伝導性の混合金属酸化物である。インジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。さらに伝導性のドープされた有機材料、特に伝導性のドープされたポリマーが好ましい。
【0071】
前記デバイスは、対応して(適用に依存して)構造化され、接点を与えられ、最終的に密封してシールされる。というのも、係る装置の寿命は、水および/または空気の存在下で劇的に短くなるからである。
【0072】
また、式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物は、発光単位として及び/又は正孔輸送単位として及び/又は電子輸送単位として及び/又はポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーにおけるマトリックス単位としても使用できる。
【0073】
さらに複数の発光化合物が同じ層に又は異なる層に使用されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。これらの化合物は、特に好ましくは合計で380 nm 〜 750 nmの複数の発光極大を有し、全体的に白色発光をもたらす、即ち、蛍光又は燐光を生じ得る複数の発光化合物が使用される。三層システムが特に好ましく、ここでは、三つの層は、青色、緑色及び橙色又は赤色の発光を呈する(基本構造については、例えばWO 05/011013を参照されたい)。広域のエミッタを同様に白色発光OLEDsに使用できる。
【0074】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、カソード、アノードおよび発光層以外にさらなる層を含み得る。それらは、例えば、正孔注入層, 正孔輸送層, 正孔阻止層, 電子輸送層, 電子阻止層, 電子注入層および/または電荷発生層 〔T. Matsumoto et al., Multiphoton Organic EL Device Having Charge Generation Layer, IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5)〕または有機もしくは無機のp/n接合であってもよい。さらに、中間層が層の間(二つの発光層の間)に導入されてもよい。しかしながら、これら層の各々は必ず存在していなければならない訳ではない点に注意すべきである。それ故、特に式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物と電子伝導性ホスト材料の使用において、有機エレクトロルミネッセンスデバイスが別個の電子輸送層を含まなく、発光層が電子注入層またはカソードに直接隣接する場合、さらに非常に良好な結果が得られる。代わりに、ホスト材料は、同時に電子輸送層における電子輸送材料としても貢献しえる。有機エレクトロルミネッセンスデバイスが別個の正孔輸送層を含まないこと、発光層が正孔注入層またはアノードに直接隣接することも好ましいだろう。さらに、式 I, II, IIIまたはIVの一つの化合物が、同時に発光層におけるドーパントとして、また正孔輸送層中で及び/又は正孔注入層中で正孔伝導性化合物(純物質として又は混合物として)として使用されることが好ましいだろう。
【0075】
更に、材料を真空昇華ユニットにおいて通常10-5 mbar未満の、好ましくは10-6 mbar未満の初期圧力で気相堆積させる昇華プロセスによって一つまたはそれ以上の層が適用されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。しかしながら、例えば、ここで 10-7 mbar未満の初期圧力の低圧で働かせることも可能である。同様に、10-5mbar〜1barの圧力の下で材料が適用されるOVPD(有機気相堆積)プロセスによって又はキャリアガス昇華を用いて1つ以上の層が適用されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。この方法の特別な場合は、OVJP(有機気相ジェット印刷)法であり、ここでは物質はノズルを介して適用され、したがって構造化される(例えば、M. S. Arnold et al., Appl. Phys. Lett. 2008, 92, 053301)。
【0076】
さらに、1つまたはそれ以上の層が溶液から、例えばスピンコートによるように、またはいずれかの所望の印刷法、例えばスクリーン印刷もしくはオフセット印刷、特に好ましくは、LITI(光誘起サーマルイメージング、熱転写印刷)またはインクジェット印刷により作られていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。式 I, II, IIIまたはIVの一つの可溶性化合物は、この目的のために必要である。高い溶解性は、化合物の適切な置換により達成することができる。これらの層の製造のための方法は、特にポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーに適切である。
【0077】
本発明による化合物は、好ましくは有機エレクトロルミネッセンスデバイスの使用において先行技術に対して一つまたはそれ以上の以下の利点を有する:
1. 対応する装置の効率(特に、出力効率)が、先行技術に係るシステムと比べて高くなる。
【0078】
2. 対応する装置の安定性が先行技術に係るシステムと比べて高くなり、これは特に有意に長い寿命から明らかである。この事項は、特に厚い層における本発明による化合物の使用に適用される。
【0079】
3. 正孔輸送層および/または正孔注入層における正孔輸送材料としての本発明による化合物の使用において、電圧が実質的に対応する正孔輸送層または正孔注入層の層厚に非依存性であることが見出された。対照的に、電圧の有意な増加が、正孔輸送層または正孔注入層が相対的に厚い層厚の場合に先行技術に係る材料で得られ、OLEDの低い出力効率がもたらされる。
【0080】
4. 本発明による材料は、気相堆積プロセスの間に気相堆積源の縁で結晶化し、それを詰まらせる傾向を絶対的に示さないか又は実質的に示さない。それ故、それらは、この問題を有する先行技術に係る材料よりも大量生産に適切である。
【0081】
本出願の文や以下の例も、OLEDsや対応するディスプレイに関連する本発明による化合物の使用に関する。記載上の制限にも拘らず、当業者は、創意することなしに本発明に係る更なる化合物を、少数の適用のほかに 他の電子デバイス、例えば、有機電界効果トランジスタ (O-FETs), 有機薄膜トランジスタ (O-TFTs), 有機発光トランジスタ (O-LETs), 有機集積回路 (O-ICs), 有機太陽電池 (O-SCs), 有機電界クエンチデバイス (O-FQDs), 発光電気化学的電池 (LECs), 有機感光体または有機レーザダイオード (O-lasers)におけるさらなる使用に採用し、言及することも可能である。
【0082】
同様に、本発明は、対応する装置やこれらの装置自体における本発明による化合物の使用に関する。
【0083】
本発明を、以下の例によってより詳細に説明するが、これらによって本発明を限定することを望む訳ではない。
【0084】
[例]
以下の合成は、他に示さない限り、乾燥溶媒中、保護ガス雰囲気のもとで行われる。
【0085】
例1:
a) チオエーテルの合成
【0086】
【化22】

【0087】
200 g (732 mmol) の2-ブロモ-9,9-ジメチル-9H-フルオレン, 122.9 g (732 mmol) の2-メチルスルファニルフェニルボロン酸および202 g (950 mmol) のK2CO3を850 ml のTHF および850 ml の水に懸濁し、混合物をN2で飽和し、3.3 g (2.9 mmol) のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加し、混合物を沸騰下で2 h加熱する。混合物を3 lの水/MeOH/6 M HCl 1:1:1の混合物に注ぎ、ベージュの沈殿物を吸引で濾過し、水で洗浄し、乾燥する。1H-NMRによる産物の含有量は、約 95%であり、全収量 190 g (82%)である。
【0088】
b) 酸化
【0089】
【化23】

【0090】
a)からの196 g (619.3 mmol)の化合物を、まず保護ガス下で2.3l の氷酢酸および250 ml のジクロロメタンに導入し、0°Cに冷却する。1.1 l (619 mmol) の30% H2O2 溶液をこの溶液に滴下して添加し、混合物を一晩撹拌する。Na2SO3 溶液を混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空中で除去する。1H-NMRによる産物の含有量は、約 98%であり、全収量 200 g (99%)である。
【0091】
c) インデノジベンゾチオフェンの合成
【0092】
【化24】

【0093】
b)からの91 g (273 mmol) の化合物および 737 ml (8329 mmol) のトリフルオロメタンスルホン酸の混合物を、5°C で48 h撹拌する。2.4l の水/ピリジン 5:1の溶液を続いて混合物に添加し、これを還流下で20 min加熱する。室温に冷却後、500 ml の水 および 1000 ml のジクロロメタンを、慎重に添加する。有機相を4 x 50 ml のH2Oで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を真空中で除去する。純粋な産物を再結晶で得る。HPLCによる産物の含有量は、98%であり、全収量65 g (80%)である。
【0094】
d) ブロム化
【0095】
【化25】

【0096】
c)からの95.3 g (317.6 mmol)の化合物を、まず、保護ガス下で2.5 l のジクロロメタンに導入し、5°Cに冷却する。250 ml のクロロホルムに溶解した38.4 ml (763.2 mmol) のBr2をこの溶液に滴下して添加し、混合物を一晩撹拌する。Na2SO3 溶液を混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空中で除去する。1H-NMRによる産物の含有量は、約 98%であり、全収量 138 g (95%)である。
【0097】
e) アミン-1の合成
【0098】
【化26】

【0099】
d)からの19.2 g (42 mmol) の化合物および26 g (93 mmol) のジフェニルアミンを1000 ml のジオキサンに含むものの脱気した溶液をN2で1 h飽和する。まず、0.97 ml (4.2 mmol) のP(tBu)3, 次に0.47 g (2.12 mmol) のパラジウム酢酸を前記溶液に添加し、固体の12 g (127 mmol) のNaOtBuを続いて添加する。反応混合物を還流下で18 h加熱する。室温に冷却後、1000 ml の水を慎重に添加する。有機相を4 x 50 ml のH2Oで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を真空中で除去する。純粋な産物を再結晶で得る。HPLCによる産物の含有量は、約 98%であり、全収量 25 g (94%)である。
【0100】
例2-9: OLEDの製造
本発明によるOLEDsを、WO 04/058911にしたがった一般的なプロセスにより製造し、ここに記載された状況(層厚の変更, 使用した材料)に適合させる。
【0101】
種々のOLEDについての結果を以下の例2〜例9に示す。構造化されたITO(インジウムスズ酸化物)で塗布されたガラス板がOLEDの基板を構成する。プロセスの改善のため、20 nm のPEDOT(ポリ(3,4-エチレンジオキシ-2,5-チオフェン), 水からスピン-コーティングにより適用, H.C. Starck, Goslar, Germanyから購入)を基板に適用する。OLEDは、以下の層順序からなる: 基板 / PEDOT 20 nm / HIL1 5 nm /正孔輸送層 (HTM) 20, 110 または200 nm / NPB 20 nm /発光層 (EML) 30 または40 nm /電子輸送層 (ETM) 20 nmおよび最後にカソード。
【0102】
PEDOT以外の材料を真空チャンバ中で熱による気相堆積により適用する。ここで、発光層は、常に、マトリックス材料(ホスト)と、共蒸着によりホストと混合されたドーパントからなる。全ての示される例において、電子輸送層は、Alq3 (トリスキノリネートアルミニウム)からなる。カソードは、上面に堆積させた1 nmの厚さのLiF 層および100 nmの厚さのアルミニウム層により形成された。表1は、OLEDを構築するために使用された物質の化学構造を示す。ここで、HTM1, HTM2 および H2 は先行技術に係る材料であり、アミン-1 および H3は本発明の化合物の例である。
【0103】
OLEDsは、標準的な方法により特性が決定された。この目的のために、エレクトロルミネッセンススペクトル、電流効率(cd/Aで測定)、電流−電圧−輝度特性線(IUL特性線)から算出した、輝度の関数としての出力効率(lm/Wで測定)および寿命を測定する。寿命は、輝度が初期値(25,000 cd/m2または8000 cd/m2)から半分に低下する時間と規定された。使用電圧は、OLEDが1 cd/m2の輝度を達成する電圧と規定された。
【0104】
表2は、いくつかのOLED(例2〜9)についての結果を示す。寿命は、蛍光ドーパント D1の使用において25,000 cd/m2の初期輝度から、またリン光ドーパント D2 (Ir(ppy)3)の使用において8000 cd/m2の初期輝度から測定された。表 1から使用された本発明による正孔輸送材料は化合物 アミン-1であり、使用された本発明によるホスト材料は化合物 H3である。比較として、それぞれ従来技術による化合物 HTM1 および H2が使用された。
【0105】
先行技術と比較して、化合物 アミン-1は、使用電圧の減少および動作電圧の減少により正孔輸送材料としての使用において先行技術による化合物 HTM1と区別された(表 2における例2-7を参照されたい)。この事項は特に厚い正孔輸送層の使用に適用され、高生産性のため大量生産に有利である(表 2における例4 および 7を参照されたい)。さらに、本発明による化合物 アミン-1の使用により僅かに高い電流効率(cd/Aで測定)が生じ、電圧の減少と共に有意に高い出力効率(lm/Wで測定)が生じる。ここでの大きな改善は、200 nmの厚さの正孔輸送層の使用において30%以上である(表 2の例4および7を参照されたい)。この事項は、特にモバイル用途のため主要な重要な点である。というのも、この用途での動作時間は、ディスプレイに必要とされるパワーにより決定的に決まってしまうからである。本発明によるアミン-1化合物の更なる利点は、寿命が先行技術 HTM 1と比べて、相対的に厚い正孔輸送層の場合において、より低い程度に低下することである。
【0106】
本発明による化合物 H3のリン光OLEDとしての使用において、先行技術による化合物 H2の使用と比べて、幾つかの利点が生じる(表 2の例8 および 9を参照されたい)。第一に、使用電圧および動作電圧の有意な減少が生じる。特に有意に改善された電流効率が本発明による化合物 H3の使用で得られ、先行技術と比べて達成される約 2係数まで出力効率の大きな増加が可能となる。さらに、約 3.5係数まで長寿命が、先行技術による化合物 H2が使用されるOLEDsと比較して得られる。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式 I, II, IIIまたはIVの化合物:
【化1】

式中で、
Aは一般式 Vに対応し、
【化2】

式中で一般式 I, II, IIIまたはIVの化合物との連結はYを介して生じ;
Yは、各々の場合において、互いに独立にB, N, P, P=O, PF2, P=S, As, As=O, As=S, Sb, Sb=O, Sb=S, Bi, Bi=O, Bi=S, C=O, 0, S, Se, Te, S=O, SO2, Se=O,SeO2, Te=O またはTeO2であり;
Zは、各々の場合において、互いに独立にCRまたはNであり;
Xは、各々の場合において、互いに独立にB(R1), C(R1)2, Si(R1)2, C=O, C=NR1, C=C(R1)2, O, S, S=O, SO2, N(R1), P(R1) および P(=O)R1から選択される二価のブリッジであり;
Rは、各々の場合において、互いに独立にH, D, F, Cl, Br, I, N(R2)2, N(Ar)2, C(=O)Ar, P(=O)Ar2, S(=O)Ar, S(=O)2Ar, CR2=CR2Ar, CN, NO2, Si(R2)3, B(0R2)2, OSO2R2, 1〜40個のC原子を有している直鎖のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有している分枝または環式のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基であり、この各々は一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上の非隣接CH2基はR2C=CR2, C≡C, Si(R2)2, Ge(R2)2, Sn(R2)2, C=O, C=S, C=Se, C=NR2, P(=O)(R2), SO, SO2, NR2, O, S またはCONR2により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上のH原子はF, Cl, Br, I, CNまたはNO2又は5〜40個の芳香環原子を有している芳香環または芳香族複素環システム(これは各々の場合において一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよい)、又は5〜40個の芳香環原子を有しているアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基(これは一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよい)、又はこれらシステムの組み合わせにより置換されていてもよく、ここで二つまたはそれ以上の置換基Rは互いに単環または多環の脂肪族環システムを形成していてもよく;
R1は、各々の場合において、互いに独立にH, D, F, Cl, Br, I, CN, NO2, N(R2)2, B(OR2)2, Si(R2)3, 1〜40個のC原子を有している直鎖のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基または3〜40個のC原子を有している分枝または環式のアルキル, アルケニル, アルキニル, アルコキシまたはチオアルコキシ基であり、この各々は一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上の非隣接CH2基は-R2C=CR2-, -C≡C-, Si(R2)2, Ge(R2)2, Sn(R2)2, C=O, C=S, C=Se, C=NR2, -O-, -S-, -COO- または-CONR2-により置換されていてもよく、ここで一つまたはそれ以上のH原子はF, Cl, Br, I, CN 又はNO2, 又はアリールアミン又は置換されたカルバゾール(この各々は一つまたはそれ以上のラジカルR2により置換されていてもよい)、又は5〜40個の芳香環原子を有している芳香環または芳香族複素環システム(これは一つまたはそれ以上の非芳香族ラジカルR2により置換されていてもよい)、又は5〜40個の芳香環原子を有しているアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基(これは一つまたはそれ以上の非芳香族ラジカルR2により置換されていてもよい)、又はこれらシステムの組み合わせにより置換されていてもよく、ここで二つまたはそれ以上の置換基R1は、互いに単環または多環システムを形成していてもよく;
R2は、各々の場合において、互いに独立に、H、Dまたは1〜20個のC原子を有している脂肪族または芳香族炭化水素ラジカルであり;
Arは、各々の場合において、互いに独立に、一つまたはそれ以上のラジカルR1によって置換されていてもよい、5〜40個の芳香環原子を有している芳香環または芳香族複素環システムであり;
Eは、各々の場合において、互いに独立に、単結合, N(R1), O, S, C(R1)2, Si(R1)2 またはB(R1)であり;
基Yの対応する中心原子が主族元素3または5からの元素である場合、q =1であり、基Yの対応する中心原子が主族元素4または6からの元素である場合、q= 0であり;
tは、各々の場合において互いに独立に0または1であり、q = 0である場合、t = 0であり、t = 0は基R1がEの代わりに結合することを意味し;
vは、各々の場合において互いに独立に0または1であり、v = 0はラジカル Rが基Aの代わりに結合することを意味する。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ラジカル Yが、各々の場合において、互いに独立に、NまたはC=Oである化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物であって、Xは、N(R1), S またはC(R1)2から出現毎に同一であるか異なって選ばれる化合物。
【請求項4】
請求項1〜3の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、基 Zが、各々の場合において、互いに独立に、CRである化合物。
【請求項5】
請求項1〜4の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、Arがフェニル, ナフチル, 5〜15個の炭素原子を有している置換された芳香環又は芳香族複素環システムまたはアリールアミンまたはカルバゾールにより置換された芳香環又は芳香族複素環システムである化合物。
【請求項6】
請求項1〜5の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、Eは存在しない(すなわち、t = 0)又はEは単結合又はC(R1)2である化合物。
【請求項7】
請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、式 Ia, IIa, IIIa および IVaから選ばれる化合物:
【化3】

式中の記号および添え字は、請求項 1に記載の意味を有する。
【請求項8】
請求項1〜7の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、式 Ib, IIb, IIIb およびIVbから選ばれる化合物:
【化4】

式中の記号および添え字は、請求項 1に記載の意味を有する。
【請求項9】
請求項1〜8の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、一般式 VI, VII, VIII またはIXを有する化合物:
【化5】

式中の記号および添え字は、請求項 1に記載の意味を有する。
【請求項10】
請求項1〜9の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、式 VIa, VIIa, VIIIa およびIXaから選ばれる化合物:
【化6】

式中の記号および添え字は、請求項 1に記載の意味を有する。
【請求項11】
請求項1〜10の一つまたはそれ以上に記載の化合物であって、式 VIb, VIIb, VIIIb およびIXbから選ばれる化合物:
【化7】

式中の記号および添え字は、請求項 1に記載の意味を有する。
【請求項12】
請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物の一つまたはそれ以上を含むポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーであって、請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物から生ずるポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーへの結合は前記化合物の任意の所望のポジションに配置(localised)でき、前記化合物はラジカル RまたはR1により任意に置換されることを特徴とするポリマー, オリゴマーまたはデンドリマー。
【請求項13】
請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物の又は請求項12に記載のポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーの有機電子デバイスにおける使用。
【請求項14】
少なくとも一つの請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物又は請求項12に記載のポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーを含む電子デバイスであって、好ましくは有機エレクトロルミネッセンスデバイス (OLEDs), 有機電界効果トランジスタ (O-FETs), 有機薄膜トランジスタ (O-TFTs), 有機発光トランジスタ (O-LETs), 有機集積回路 (O-ICs), 有機太陽電池 (O-SCs), 有機電界クエンチデバイス (O-FQDs), 発光電気化学的電池 (LECs), 有機感光体および有機レーザダイオード (O-lasers)からなる群からから選ばれる電子デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイスであって、請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物又は請求項12に記載のポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーは正孔輸送層および/または正孔注入層の正孔輸送材料として使用され、これらの層における前記化合物又は前記ポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーが電子受容化合物で任意にドープされえること及び/又は請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物又は請求項12に記載のポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーが電子輸送層における電子輸送材料として及び/又は正孔阻止層における正孔阻止材料として及び/又は発光層における三重項マトリックス材料として使用されること及び/又は有機エレクトロルミネッセンスデバイスの発光層が少なくとも一つの請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物又は請求項12に記載のポリマー, オリゴマーまたはデンドリマーを含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項16】
請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の工程を特徴とする方法:
a) X1-置換された芳香族または芳香族複素環のジハロゲン化合物と更なる芳香族または芳香族複素環化合物の金属触媒によるクロス-カップリング反応を行うこと(これらは任意でAで置換される)、
b) カップリングした芳香族または芳香族複素環化合物の間の二価のブリッジ-Xを形成すること
前記Xは請求項 1に記載の意味を有し、前記X1はXに変換できるラジカルを表す。

【公表番号】特表2012−515733(P2012−515733A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546614(P2011−546614)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009220
【国際公開番号】WO2010/083872
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】