説明

有機エレクトロルミネッセンス駆動装置、有機エレクトロルミネッセンス照明装置、及び、有機エレクトロルミネッセンス駆動方法

【課題】受光センサが別途必要なく、周囲の明るさに対して自動調光する有機EL駆動装置を、提供する。
【解決手段】有機EL照明装置10は、目標照度記憶回路200と、光起電圧検出回路300と、電源回路400と、から構成され、有機EL素子100に接続される。光起電圧検出回路300は、有機EL素子100の印加電圧を計測し、計測した印加電圧から光起電圧を抽出し、抽出した光起電圧を増幅・平均化して出力する。電源回路400は、光起電圧検出回路300で検出された光起電圧AVと、目標照度記憶回路200に記憶された目標照度値ALと、に基づいて、有機EL素子100に供給する電力を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射される光量に対応して自動的に調光する有機エレクトロルミネッセンス駆動装置、有機エレクトロルミネッセンス照明装置、及び、有機エレクトロルミネッセンス駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)素子が注目されており、有機EL素子を用いた照明装置が様々開発されている。
【0003】
また、特許文献1には、光電変換素子を光センサとして機能させ、各種照明機器、照明設備のON/OFF制御用センサとして用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−211191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、有機EL素子をはじめ、光センサを別途実装することは、価格及び部品点数が上昇する、という欠点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、光センサを別途実装することなしに、周囲の明るさに合わせて自動的に調光を行う有機EL駆動装置、有機EL照明装置、及び、有機EL駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係る有機エレクトロルミネッセンス駆動装置は
発光のための電力を有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電源回路と、
前記電源回路から前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力が供給されていない期間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子に光起電力効果によって発生した光起電圧を検出する光起電圧検出手段と、
前記光起電圧検出手段で検出された光起電圧値から、周囲の明るさを示す環境照度値を求める環境照度導出手段と、
目標とされる周囲の明るさを示す目標照度値を記憶する目標照度記憶手段と、
を備え、
前記電源回路は、前記目標照度記憶手段に記憶された前記目標照度値と、前記環境照度導出手段で求められた環境照度値と、に基づいて電力を調整して前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第二の観点に係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置は、
前記有機エレクトロルミネッセンス駆動装置と、
前記有機エレクトロルミネッセンス駆動装置によって検出される光起電圧を発生すると共に、当該有機エレクトロルミネッセンス駆動装置から電力を供給される有機エレクトロルミネッセンス素子と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第三の観点に係る有機エレクトロルミネッセンス駆動方法は、
発光のための電力を有機エレクトロルミネッセンス素子に供給するステップと、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力が供給されていない期間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子に光起電力効果によって発生した光起電圧を検出するステップと、
前記検出された光起電圧値から、周囲の明るさを示す環境照度値を求めるステップと、
目標とされる周囲の明るさを示す目標照度値と、前記求められた環境照度値と、に基づいて、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整するステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光センサを別途実装することなしに、周囲の明るさに合わせて自動的に調光を行う有機EL駆動装置、有機EL照明装置、及び、有機EL駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL照明装置のブロック図である。
【図2】(a)は、有機EL素子に供給される電力と、有機EL素子から放射される照度との関係の例を示す図である。(b)は有機EL素子に照射される照度と、有機EL素子の端子間に発生する光起電圧の平均値と、の関係の例を示す図である。
【図3】図1の有機EL照明装置の応用例を示す図である。
【図4】図1の有機EL照明装置の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る有機EL照明装置の構成を説明する。
【0013】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る有機EL照明装置10を説明する。
有機EL照明装置10は、有機EL素子100と、目標照度記憶回路200と、光起電圧検出回路300と、電源回路400と、から構成される。
【0014】
光起電圧検出回路300は、光起電圧検出部310と、増幅部320と、平均化部330と、から構成される。電源回路400は、環境照度導出部440と、電源部450と、から構成される。
【0015】
有機EL素子100は外部環境に露光されている。
有機EL素子100は、図示せぬアノード、カソードを備え、カソードに対してアノードに正電圧を印加されると発光する。このアノードとカソードとの間から供給される電力と、素子表面から放射される光量とは、図2(a)に示すように、強い正の相関がある。
また、素子表面に周囲の光が照射されると光起電力効果によってアノードに対してカソードに光起電圧が発生する。この光起電圧は一定の波状であり、その平均値は、図2(b)に示すように、照射される光量に強い正の相関がある。
【0016】
図1に戻って、目標照度記憶回路200は、周囲の環境において目標とされる明るさを示す目標照度値ALを記憶し、目標照度値ALを電源部450に送信する。目標照度記憶回路200は、調光ダイヤル210を備え、目標照度値ALは、調光ダイヤル210によって調整される。
【0017】
光起電圧検出部310は、有機EL素子100のアノードに対するカソードの電圧Vを測定し、測定した電圧値のうち、正の電圧値EVを検出して、増幅部320に送信する。
増幅部320は、受信した電圧値EVを増幅し、増幅後の電圧値AEVを平均化部330に送信する。
【0018】
平均化部330は、受信した増幅後の電圧値AEVの移動平均を求め(例えば、過去100ミリ秒間の平均値)求めた平均値AVを、電源回路400の環境照度導出部440に送信する。
【0019】
環境照度導出部440は、有機EL素子100に照射される光量と上記平均値AVとの関係(例えば、図2(b)に示す関係)を予め記憶しており、平均値AVから周囲の明るさを示す環境照度値ELを求め、環境照度値ELを電源部450に送信する。
【0020】
電源部450は、周波数1000Hz、電圧35Vの直流パルス電圧を有機EL素子100のアノードとカソードとの間に印加する。電源部450は、有機EL素子100に供給される直流パルス電圧のデューティ比と有機EL素子100の放射する光量との関係(例えば、図2(a)に示す関係)を予め記憶している。
電源部450は、目標照度値ALから環境照度値ELを減算して差DLを算出し、差DLに相当する光量の光が、有機EL素子100から放射されるように、デューティ比DRを決定する。差DLが負の値の時、デューティ比DRは0とする。
つまり、電源部450は、目標照度値ALより環境照度値ELが小さい場合、目標照度値ALより環境照度値ELの差が値0に近いほど小さい値の電力を有機エレクトロルミネッセンス素子100に供給し、値0より離れているほど大きい値の電力を有機エレクトロルミネッセンス素子100に供給する。
【0021】
次に、上記構成をした有機EL照明装置10の動作について説明する。なお、理解を容易にするために、目標照度値記憶部220の目標照度値ALは500ルクスに設定されており、環境照度導出部440によって算出される環境照度値ELは200ルクスであるとして説明する。
【0022】
光起電圧検出回路300の光起電圧検出部310は、有機EL素子100のアノードに対するカソードの電圧Vを測定して、正の電圧値EVを抽出し、増幅部320に出力する。電源部450からは、カソードに対して正の直流パルス電圧がアノードに印加され、光起電力効果によってカソードに発生する光起電圧はアノードに対して正の電圧をもつ。そのため、アノードに対するカソードの電圧Vのうち正の電圧値EVは、光起電力効果によって発生した光起電圧によるものである。
【0023】
増幅部320は、電圧値EVを増幅し、増幅した電圧値AEVを平均化部330に出力する。
平均化部330は、増幅された電圧値AEVの過去100ミリ秒の平均値を算出し、算出した電圧値AVを環境照度導出部440に出力する。
【0024】
環境照度導出部440は、平均化部330から受信した電圧値AVから環境照度値ELすなわち200ルクスを算出し、電源部440に送信する。
【0025】
電源部450は、目標照度値ALすなわち500ルクスから、環境照度値ELすなわち200ルクスを減算し、算出された明るさの差DLすなわち300ルクスを得る。
【0026】
電源部450は、明るさの差DLすなわち300ルクスからデューティ比DRを決定し、有機EL素子100から周囲の300ルクスの明るさに相当する光量の光を放射させる。
これによって、周囲は、目標照度値ALすなわち500ルクスの光を得る。
【0027】
次に、上述の動作中に、周囲の明るさが変化した場合について説明する。
周囲が暗くなり、環境照度導出部440で得られる環境照度値ELが200ルクスから100ルクスに変化したとする。
【0028】
すると、電源部450に、環境照度導出部440から入力される環境照度値ELは、200ルクスから100ルクスに変化する。電源部450は、目標照度値ALすなわち500ルクスから、環境照度値ELすなわち100ルクスを減算し、明るさの差DLすなわち400ルクスを得る。
【0029】
電源部450は、明るさの差DLすなわち400ルクスからデューティ比DRを決定し、有機EL素子100から周囲の400ルクスに相当する光量の光を放射させる。
このように、有機EL照明装置10は、周囲の明るさが変化すると、周囲の明るさに対応して自動的に調光することができる。
【0030】
次に、目標照度値ALが更新された場合について説明する。
例えば、ユーザによって、目標照度値ALが、500ルクスから900ルクスに更新されたとする。
【0031】
電源部450は、目標照度値ALすなわち900ルクスから、環境照度値ELすなわち100ルクスを減算する。
電源部450は、減算して得た値800に基づいてデューティ比DRを決定し、有機EL素子100に周囲の800ルクスに相当する光量の光を放射させる。
このように、目標照度値ALを調整することで、ユーザは周囲の明るさを所望の明るさに調光することができる。
【0032】
以上のように、目標照度値ALあるいは環境照度値ELが変化すると、自動的にデューティ比が更新されるため、有機EL照明装置10は、自動調光することができる。
【0033】
以上説明したとおり、本実施形態にかかる有機EL照明装置10は、電源回路400から電力が供給されていない期間の有機EL素子100のアノード−カソード間の電圧から光起電圧を検出することによって、別途受光センサを用いずに、周囲の明るさを求めることができる。
【0034】
また、電源回路400は、目標照度値ALより環境照度値ELが小さい場合、目標照度値ALと環境照度値ELとの差の大きさに対応する光量が発光されるように、電力を調整して有機EL素子100に供給するため、周囲の明るさは目標の明るさに自動的に調整される。
例えば、電源回路400は、目標照度値ALと環境照度値ELとの差が値0に近いほど小さい電力を有機エレクトロルミネッセンス素子100に供給し、差が値0より大きいほど大きい電力を有機エレクトロルミネッセンス素子100に供給する。
【0035】
また、有機EL素子100に印加する電圧を高周波数のパルス電圧にすることにより、有機EL素子の発光を維持しながら(実際には、点灯消灯を繰り返すが、人は点灯が持続しているように感じる)、電圧が印加されていない期間の有機EL素子100の光起電圧を検出することができる。
【0036】
また、調光ダイヤル210によって、目標照度値ALを調整可能なため、ユーザは、所望の明るさに、周囲の明るさを調節することができる。
【0037】
従って、目標照度記憶回路200と光起電圧検出回路300と電源回路400とは、周囲の明るさに対して有機EL素子100を自動的に調光する有機EL駆動装置として機能することができる。
【0038】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、光起電圧検出部310は、アノードに対するカソードの電圧のうち、正の電圧を光起電圧として検出した。しかし、方法はこれに限定されない。
例えば、図3に示すように、電源部450から、上記直流パルス電圧に同期した制御信号SGを、光起電圧検出部310に送信し、光起電圧検出部310は、パルスが出力されていない期間の有機EL素子の端子間電圧を電圧値EVとしてもよい。
また、図4に示すように、電力計WMによって、電源部450から有機EL素子に供給される電力を検知して光起電圧検出部310に送信し、光起電圧検出部310は、有機EL素子100に印加されている電圧のうち、電源部450から電力が供給されていない期間の電圧を電圧値EVとしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、光起電圧検出回路300は、抽出した光起電圧を増幅・平均化した。しかし、増幅や平均化などの処理は必須ではなく、別の処理であってもよい。
例えば、一定期間の光起電圧を積分処理してもよいし、処理を全く行わなくともよい。
【0041】
また、上記実施形態では、パルス幅変調で調光したが、調光の方法は別の方法でもよい。
例えば、パルスの振幅を変調しても良い。
パルスの振幅を変調する場合、例えば、人の感知レベルを下回る期間、有機EL素子100に電圧を印加せず、その期間の有機EL素子100の電圧を上記電圧値EVとしてフィードバックすればよい。この場合も、結果として、直流パルス電圧が有機EL素子100に印加される。
【0042】
また、上記実施形態では、目標照度値ALは、不連続な値として説明したが、連続の値であってもよい。
また、上記実施形態では、各種テーブルを用いたが、これらは関数であってもよい。
【0043】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0044】
(付記1)
発光のための電力を有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電源回路と、
前記電源回路から前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力が供給されていない期間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子に光起電力効果によって発生した光起電圧を検出する光起電圧検出手段と、
前記光起電圧検出手段で検出された光起電圧値から、周囲の明るさを示す環境照度値を求める環境照度導出手段と、
目標とされる周囲の明るさを示す目標照度値を記憶する目標照度記憶手段と、
を備え、
前記電源回路は、前記目標照度記憶手段に記憶された前記目標照度値と、前記環境照度導出手段で求められた環境照度値と、に基づいて電力を調整して前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0045】
(付記2)
前記電源回路は、前記目標照度値より前記環境照度値が小さい場合、前記目標照度値と前記環境照度値との差に相当する光量の光が発光されるように、電力を調整して前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする付記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0046】
(付記3)
前記電源回路は、前記目標照度値より前記環境照度値が小さい場合、前記目標照度値より前記環境照度値の差が値0に近いほど小さい電力を前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給し、当該差が値0より大きいほど大きい電力を前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする付記2に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0047】
(付記4)
前記光起電圧検出手段は、検出した前記光起電圧を増幅かつ平均化し、
前記環境照度導出手段は、前記光起電圧検出手段で検出され増幅かつ平均化された光起電圧に基づき、前記環境照度値を求める、
ことを特徴とする付記1乃至3に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0048】
(付記5)
前記電源回路は、直流パルス電圧によって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力を供給する、
ことを特徴とする付記1乃至4に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0049】
(付記6)
前記電源回路は、前記直流パルス電圧のデューティ比を変調することによって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整する、
ことを特徴とする付記5に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0050】
(付記7)
前記電源回路は、前記直流パルス電圧の振幅を変調することによって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整する、
ことを特徴とする付記5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0051】
(付記8)
前記目標照度記憶手段の目標照度値を調整する調光手段を更に備える、
ことを特徴とする付記1乃至7に有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【0052】
(付記9)
付記1乃至8の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置と、
前記有機エレクトロルミネッセンス駆動装置によって検出される光起電圧を発生すると共に、当該有機エレクトロルミネッセンス駆動装置から電力を供給される有機エレクトロルミネッセンス素子と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
【0053】
(付記10)
発光のための電力を有機エレクトロルミネッセンス素子に供給するステップと、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力が供給されていない期間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子に光起電力効果によって発生した光起電圧を検出するステップと、
前記検出された光起電圧値から、周囲の明るさを示す環境照度値を求めるステップと、
目標とされる周囲の明るさを示す目標照度値と、前記求められた環境照度値と、に基づいて、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整するステップと、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス駆動方法。
【符号の説明】
【0054】
10 有機EL照明装置
100 有機EL素子
200 目標照度記憶回路
300 光起電圧検出回路
310 光起電圧抽出部
320 増幅部
330 平均化部
400 電源回路
440 環境照度導出部
450 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光のための電力を有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電源回路と、
前記電源回路から前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力が供給されていない期間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子に光起電力効果によって発生した光起電圧を検出する光起電圧検出手段と、
前記光起電圧検出手段で検出された光起電圧値から、周囲の明るさを示す環境照度値を求める環境照度導出手段と、
目標とされる周囲の明るさを示す目標照度値を記憶する目標照度記憶手段と、
を備え、
前記電源回路は、前記目標照度記憶手段に記憶された前記目標照度値と、前記環境照度導出手段で求められた環境照度値と、に基づいて電力を調整して前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項2】
前記電源回路は、前記目標照度値より前記環境照度値が小さい場合、前記目標照度値と前記環境照度値との差に相当する光量の光が発光されるように、電力を調整して前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項3】
前記電源回路は、前記目標照度値より前記環境照度値が小さい場合、前記目標照度値より前記環境照度値の差が値0に近いほど小さい電力を前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給し、当該差が値0より大きいほど大きい電力を前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する、
ことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項4】
前記光起電圧検出手段は、検出した前記光起電圧を増幅かつ平均化し、
前記環境照度導出手段は、前記光起電圧検出手段で検出され増幅かつ平均化された光起電圧に基づき、前記環境照度値を求める、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項5】
前記電源回路は、直流パルス電圧によって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力を供給する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項6】
前記電源回路は、前記直流パルス電圧のデューティ比を変調することによって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整する、
ことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項7】
前記電源回路は、前記直流パルス電圧の振幅を変調することによって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項8】
前記目標照度記憶手段の目標照度値を調整する調光手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に有機エレクトロルミネッセンス駆動装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス駆動装置と、
前記有機エレクトロルミネッセンス駆動装置によって検出される光起電圧を発生すると共に、当該有機エレクトロルミネッセンス駆動装置から電力を供給される有機エレクトロルミネッセンス素子と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
【請求項10】
発光のための電力を有機エレクトロルミネッセンス素子に供給するステップと、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記電力が供給されていない期間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子に光起電力効果によって発生した光起電圧を検出するステップと、
前記検出された光起電圧値から、周囲の明るさを示す環境照度値を求めるステップと、
目標とされる周囲の明るさを示す目標照度値と、前記求められた環境照度値と、に基づいて、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する電力を調整するステップと、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−216219(P2011−216219A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80765(P2010−80765)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】