説明

有機コポリマーによって組織化された固体化粧料組成物

【課題】相対的に低い剛性及び高い弾性を有する固体化粧料の提供。
【解決手段】特定の、少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された液状脂肪相含む固体化粧料とする。上記コポリマーは1)水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、及び/又は2)水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐中に存在するハイブリッドコポリマー、から選択される。
【効果】少なくとも1つの染料、及び少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された液状脂肪相を含むことで、10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有する固体化粧料組成物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体化粧料組成物、特に、皮膚、口唇、及び/又は外皮(integument)に施与されることを意図され、少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むメイクアップ及び/又はケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料製品又は皮膚科学製品において、構造化された、即ちゲル化された、及び/又は堅くされた液状脂肪相を見出すことは一般的である。これは、固体組成物、特に固体キャスト組成物、リップバーム及び口紅、アイシャドー、コンシーラー製品、及びキャストファンデーションの場合、特に真実である。この構造化は、ワックス又はフィラーを用いて、又はより最近では特別のゲル化剤を用いて従来は得られていた。
【0003】
書類国際特許国際公開第97/36573号、米国特許第5 874 069号,米国特許第5 919 441号、米国特許第6 051 216号、国際特許国際公開第02/17870号,国際特許国際公開第02/17871号,欧州特許出願公開第1 177 784号,国際特許国際公開第99/06473号及び米国特許第6 051 216号の分割である米国特許第6 353 076号は、ポリシロキサン/ポリアミドポリマーでゲル化されたシリコーンのオイル状相を含むデオドラントスティック又はゲルを提案している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有機コポリマーの使用が、新規な固体組織を有する化粧料組成物、即ち相対的に低い剛性及び高い弾性を有する組成物へのアクセスを可能にするという本発明者らによる観察からより特に生じている。この組織は、相対的に高い剛性を有する先行技術のスティック、又はそのコンシステンシーが液状又はペースト状であるゲルのいずれにも対応しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、第一の側面に従うと、本発明は、少なくとも1つの染料、及び、少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有するすることを特徴とする固体化粧料組成物にもまた関する。
【0006】
本発明は、有効量の、少なくとも2つの異なる有機コポリマーで組織化された液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有するすることを特徴とする固体化粧料組成物にもまた関する。
【0007】
本発明の課題は、少なくとも1つのシリコーンオイルを含む液状脂肪相を含み、該液状脂肪相が、少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化されていること、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有するすることを特徴とする固体化粧料組成物でもある。
【0008】
別の側面に従うと本発明は、少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された液状脂肪相及び少なくとも1つのシリコーン界面活性剤を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有するすることを特徴とする固体化粧料組成物にもまた同様に関する。
【0009】
より特に、このコポリマーは、
1) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、特に、水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するポリオルガノシロキサン、及び/又は
2) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位はグラフト又は分岐鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、特に、水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐鎖中に存在するポリオルガノシロキサン、
から選択される。
【0010】
本発明の課題は、液状脂肪相を含む固体化粧料組成物でもあり、該液状脂肪相は、有効量の、下記一般式I
【0011】
【化1】

の少なくとも2つの異なるコポリマーで組織化されており、該2つのコポリマーは異なる値のインデックスmを有し、1つは50以上であり、他方は50以下であることを特徴とする。
【0012】
より詳細には、上で定義された組成物は、少なくとも
1〜90重量%の少なくとも1つのシリコーンオイル、
5〜50重量%の、50以上の、特に100に等しいインデックスmを有する少なくとも1つのコポリマー、
0.1〜10重量%の、50以下の、特に15に等しいインデックスmを有する少なくとも1つのコポリマー、
0.1〜10重量%のシリコーン界面活性剤、及び
0.001〜40重量%の少なくとも1つの染料、
を含む。
【0013】
本発明の課題は、mが50以上であるところの、上で定義された一般式Iの少なくとも1つのコポリマーで組織化された液状脂肪相を含むことを特徴とする、口唇をメイクアップする化粧料組成物、特に口紅でもある。
【0014】
本発明の課題は、化粧料口唇メイクアップ組成物、例えば口紅製品において、mが50以上であるところの、上で定義された一般式(I)のコポリマーを使用することでもある。
【0015】
別の側面に従うと、本発明は、少なくとも1つの有効量のエチレンコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より大きい弾性を有することを特徴とする、固体化粧料組成物にもまた関する。
【0016】
さらに別の側面に従うと、本発明の課題は、ケラチン物質、特に皮膚及び/又は口唇への本発明に従う少なくとも1つの化粧料組成物の施与を含むケラチン物質、特に皮膚及び/又は口唇をメイクアップする及び/又はケアする方法でもある。
【0017】
別の側面に従うと、本発明の課題は、本発明に従う組成物の少なくとも1つの被覆が、その表面の全部又は一部に存在するところの合成の基体である。
【0018】
別の側面に従うと本発明は、
i) 少なくとも1つの区画を定める(delimiting)容器、該容器は閉鎖部材により閉鎖される、及び
ii) 該区画内に入れられた組成物、該組成物は上で定義された通りである、
を含む化粧用アセンブリーにもまた関する。
【0019】
さらに別のその側面に従うと、本発明の課題は、10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有する化粧料組成物の製造のために、少なくとも1つの液状脂肪相と組み合わせて、少なくとも1つの有機コポリマーを使用することである。
【0020】
有利に、本発明に従う組成物は、新規な施与挙動と関連する新規な組織(texture)を有し、そのことは、アプリケーターを使わずに口唇に直接施与され得る口紅のような製品の場合、特に真実である。
【0021】
より具体的には、本発明に従う組成物は、スティックのような堅い固体の形態又はグロスのような流動体状の形態、又は柔らかいペーストタイプの形態ではなく、むしろ柔らかな性質及び弾性のある性質を同時に有するムース又はガムの形態である。
【0022】
本発明に従って得られる柔らかで弾性のある固体組織は、流動状の組織の場合のように、アプリケーターを用いない口唇への直接施与と両立する。本発明の組成物は、施与すると、柔軟性、柔らかさ、及び非常に良好な弾性を与え、将来の施与のために製品を保存する。製品は、永久に変形されてしまうことはなく、むしろ施与の後、その最初の形を取り戻す。
【0023】
有利に、本発明に従う組成物はスティックの形において、変形可能であり、かつ柔らかな弾性のある固体の挙動を有し、施与すると著しく弾性のある柔らかさを与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
特許出願の目的のために、用語「液状脂肪相」は、室温(25℃)、及び大気圧(760mmHg)において液状であり、1以上の相互に相溶性のある脂肪物質からなり、オイルとしてもまた知られる脂肪相を意味する。
【0025】
用語「組織された液状脂肪相」は、有機コポリマーを添加することによりその粘度が増加された脂肪相を意味する。
【0026】
用語「固体組成物」は、それ自身の重さの下で流動しない組成物を意味する。それ自身の重さの下で流動しないこの能力は、試料が載せられる領域を予め定めた後に、透明なガラス容器に該組成物を入れることにより特に測定され得る。即ち、試料は25℃の温度において12時間放置される。この期間の後、堆積物を越えた流動が裸眼で観察されない。
【0027】
本発明に従う組成物は有利に、10〜250gの範囲の硬度及び80%より大きい弾性を有する。
【0028】
弾性及び硬度の測定
【0029】
本発明に従う組成物の硬度及び弾性は、テクスチュロメーターを用いて測定され得、該テクスチュロメーターは、該組成物の試料の中へのスピンドルの移動の関数として組成物の変形に対する抵抗力の変動を得ることを可能にする。
【0030】
テクスチュロメーターは、スピンドルが試料と接触するようになるや否や組成物の変形に対する抵抗の力を測定する。試料の中へ最大のプログラムされた深さL0に到達したのち、スピンドルは最初の点に戻る。
【0031】
硬度(グラム又はニュートンで表される)は、スピンドルがそのコースの端にあるとき、組成物の抵抗力の値に等しく、弾性(百分率として表される)は、i)スピンドルと試料の間の接触がスピンドルの引き戻しの間に破壊されるときの距離L、及びii)距離L0の比に等しい。接触の破壊は、スピンドル上での組成物の抵抗の力の消失により反映される。弾性は系がスピンドルの上昇を「伴う」距離に比例する、すなわちその値が大きいほど、系はより弾性である。
【0032】
使用されたテクスチュロメーターは特に、Texture Expert Exceed(商標)オペレーティングソフトウェアを装備され、かつP/0.5 HS Rheo半球型プラスチックスピンドルを装着されたStable Micro System TAX−T2i(商標)である。
【0033】
適用されたパラメーターは有利に以下のとおりである:
接触前の速度:0.1mm.s−1
試料への移動(displacement)の速度:0.1mm.s−1
引き抜きの速度:0.1mm.s−1
最大深さL0:1mm。
【0034】
組成物の試料は十分な量の試験組成物を、前もって風袋重量を差し引かれた例えば100×15mmのシャーレにホットキャスティングして、約1cmの厚さの試料を得ることにより製造される。容器に入れることのこの選択の利点はその幅であり、該幅はいかなるエッジ効果をも克服するのに十分である。2つのシャーレがこのようにして製造され、キャラクタリゼーションの前に20℃において最小限24時間、放置される。
【0035】
各試料について少なくとも3回の測定が行われた。一つの測定は、中央において、他の測定は中央から、及びシャーレの端から等距離の点において行われた。
【0036】
硬度及び弾性は測定された6の測定値の最小の数の平均に等しい。
【0037】
本発明に従う組成物の硬度は、組成物が自立しており(self-supporting)、容易に破壊されて皮膚及び口唇上で満足できる堆積を形成するような硬度である。その上、この硬度で、本発明の組成物は、良好な衝撃強さを有する。
【0038】
本発明に従う組成物は有利に、90%より高い、特に100%に近い弾性を有する。
【0039】
より特に、硬さは、30〜200g、特に50〜175g、より特に75〜110gの範囲であり得る。前述されたように、本発明の組成物のこれらの物理的性質は、少なくとも1つの本発明に従う有効量の有機コポリマー(「組織化コポリマー」としてもまた公知である)でその液状脂肪相を組織化することにより得られる。
【0040】
組織化コポリマーは、所望される組織又は硬度、及び組成物の所望される安定性に従って、及び意図される具体的な用途の関数として、性質及び量に関して選択され得る。
【0041】
(少なくとも1つの)組織化コポリマーの量は、それ自身の重さの影響下で流動しない崩壊可能な固体の製造をもたらすような量であり得る。
【0042】
有機コポリマー
本発明の目的のために、用語「コポリマー」は、異なる構造の2つの化学化合物の反応により得られる化合物を意味し、該異なる構造の2つの化学化合物のうちの少なくとも1は有機化合物である。このコポリマーは、炭化水素に基づくモノマー及びシリコーンモノマー又はエチレンコポリマーを反応させることにより得られたハイブリッドコポリマーであり得る。
【0043】
より特に、このハイブリッドコポリマーは、
1) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含むハイブリッドコポリマーであって、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、特に、水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するポリオルガノシロキサン、及び/又は
2) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含むハイブリッドコポリマーであって、これらの2つの単位はグラフト又は分岐鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、特に、水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐鎖中に存在するポリオルガノシロキサン、
から選択される。
【0044】
特に挙げられ得るファミリー1)の化合物の代表は、より特に下記の式Iの化合物を含む。
【0045】
【化2】

【0046】
ファミリー2)の化合物として、該化合物はより特に下記の式(II)の化合物により表され得る。
【0047】
【化3】

【0048】
水素結合を形成できる単位として、該単位はエステル、アミド、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、ウレア、ウレタン、チオウレア、オキサミド、グアニジノ、及びバイグアニジノ、及びそれらの組み合わせから選択され得る。
【0049】
本発明の組成物において、有機コポリマーは一般的に組成物の総重量に対して0.5〜80重量%,特に2〜60重量%,特に5〜40重量%、より特に3〜30重量%を占める。
【0050】
さらに、組成物の、組織化コポリマー/液状脂肪相の質量比は好ましくは、0.01〜10、より特に0.05〜5、よりよくさらに0.1〜2である。
【0051】
ハイブリッドコポリマー
第一の変形に従うと、本発明の組成物において組織化剤として使用されたコポリマーは、ポリオルガノシロキサンタイプのポリマー、例えば書類米国特許第5874069号,米国特許第5919441号,米国特許第6051216号及び米国特許第5981680号に記載されたポリマーであり得る。
【0052】
a)第一の変形に従うと、それらは上で定義されたポリオルガノシロキサンであって、水素結合を形成できるそれの単位は、コポリマーの鎖に存在するポリオルガノシロキサンである。
【0053】
該ポリマーは、より特に一般式Iに対応する少なくとも1つの単位を含むポリマーであり得る。
【0054】
【化4】

ここで
1) R、R、R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく以下:
鎖中におそらく1以上の酸素、硫黄、及び/又は窒素原子を含み、かつおそらく弗素原子で部分的に又は全体的に置換されている、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C40の炭化水素に基づく基、
場合によって1以上のC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいC〜C10のアリール基、
おそらく1以上の酸素、硫黄、窒素原子を含むポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す;
2) 基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、おそらくその鎖の中に1以上の酸素及び/又は窒素原子を含むところの、直鎖又は分岐のC〜C30のアルキレンジイル基を表す;
3) Yは、おそらく1以上の酸素、硫黄、及び/又は窒素原子を含み、及び/又は置換基として以下の原子及び/又は原子の群:弗素、ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルキル、C〜C40のアルキル、C〜C10のアリール、場合により1〜3のC〜Cのアルキル、C〜Cのヒドロキシアルキル、及びC〜Cのアミノアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を含むところの、飽和又は不飽和の、C〜C50の、直鎖又は分岐の2価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレン基を表わすか、又は
4) Yは、下記式
【0055】
【化5】

に対応する基を表す、
ここで、Tは、場合によりポリオルガノシラン鎖で置換されていてもよく、おそらくO、N、及びSから選択された1以上の原子を含むところの、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表すか、又はTは、N,P,及びAlから選択された3価の原子を表す、及び
は、エステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、ウレア、チオウレア、及び/又はスルホンアミド基をおそらく1以上含み、それらがおそらくポリマーの別の鎖に結合されているところの、直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル基又はポリオルガノシロキサン鎖を表す;
5) 基Gは同じであるか又は異なっていてもよく,以下
【0056】
【化6】

から選択される2価の基を表す、
ここでRは、水素原子又は直鎖又は分岐のC〜C20のアルキル基を表す、ただし、ポリマーの基Rの少なくとも50%が水素原子を表すこと、及びポリマーの少なくとも2つの基Gは、
【0057】
【化7】

以外の基であること;
6)nは2〜500、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、mは1〜1000、好ましくは1〜700、よりよくは6〜200の範囲の整数である。
【0058】
本発明に従うと、ポリマーの基R、R、R及びRは好ましくは、メチル、エチル、フェニル、3,3,3−トリフルオロプロピル基から選択される。
【0059】
本発明に従うと、Yは、ポリマー又はコポリマーの他の単位と結合を形成するための1又は2の空いている結合価を含んでいてもよいところの種々の2価の基を表すことができる。好ましくはYは
a) 直鎖のC〜C20、好ましくはC〜C10のアルキレン基、
b) 環及び非共役不飽和を含んでいてもよいC30〜C56の分岐状のアルキレン基、
c) C〜Cのシクロアルキレン基、
d) 1以上のC〜C40のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
e) 1〜5のアミド基を含むC〜C20アルキレン基、
f) ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルカン、C〜Cのヒドロキシアルキル及びC〜Cのアルキルアミン基から選択された1以上の置換基を含むC〜C20のアルキレン基、
g) 下記式のポリオルガノシロキサン鎖
【0060】
【化8】

ここで、R、R、R、R、T及びmは上で定義された通りである、
から選択された基を表す、及び
h) 下記式のポリオルガノシロキサン鎖:
【0061】
【化9】

から選択される基を表す。
【0062】
b)第二の変形に従うと、ポリオルガノシロキサンは、下記式(II)に対応する少なくとも1つの単位を含むポリマーであり得、
【0063】
【化10】

ここで、
及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、式(I)について上で定義された通りである、
10はR及びRについて上で定義された基を表すか、又は式、−X−G−R12の基を表し、ここでX及びGは式(I)について上で定義された通りであり、R12は、水素原子、又は、場合によりO、S及びNから選択される1以上の原子をその鎖の中に含んでいてもよく、場合により1以上の弗素原子及び/又は1以上のヒドロキシル基、又は1以上のC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいところの、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C50の炭化水素に基づく基を表し、
11は式−X−G−R12の基を表し、ここでX、G及びR12は上で定義された通りである、
は1〜998の範囲の整数であり、
は2〜500の範囲の整数である。
【0064】
本発明に従うと、組織化剤として使用されるポリマーは、ホモポリマー、即ち複数の同一の単位、特に式(I)又は式(II)を含むポリマーであり得る。
【0065】
本発明に従うと、式(I)の複数の異なる単位を含むコポリマーからなるポリマー、即ち群R、R、R、R、X、G、Y、m及びnのうちの少なくとも1つが単位の1つにおいて異なっているところのポリマーを使用することもまた可能である。該コポリマーは、基R、R、R10、R11、m及びmの少なくとも1つが少なくとも1つの単位において異なっているところの、複数の単位の式(II)から形成されていてもよい。
【0066】
少なくとも1つの単位の式(I)、及び少なくとも1つの単位の式(II)を含みコポリマーであって、式(I)の単位及び式(II)の単位が互いに同一であるかまた異なっていてもよいコポリマーを使用することもまた可能である。
【0067】
本発明の一つの変形に従うと、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、ウレア、ウレタン、チオウレア、オキサミド、グアニジノ、及びバイグアニジノ基、及びそれらの組み合わせから選択された、水素結合を形成することのできる2つの基を含むところの少なくとも1つの炭化水素に基づく基をさらに含むコポリマーを使用することもまた可能である。
【0068】
これらのコポリマーはブロックコポリマー又はグラフト化されたコポリマーであり得る。
【0069】
1)本発明の第一の実施態様に従うと、水素結合を形成できる基は、式−C(O)NH−及び−HN−C(O)−のアミド基である。
【0070】
この場合、構造化剤は、少なくとも1つの単位の式(III)又は(IV)を含むポリマーであり得る。
【0071】
【化11】

又は
【0072】
【化12】

ここでR、R、R、R、X、Y、m及びnは上で定義された通りである。
【0073】
そのような単位は、
α,ω−カルボン酸末端を含むシリコーン及び1以上のジアミン間の下記の反応スキームに従う縮合反応、
【0074】
【化13】

又は、アルファ不飽和カルボン酸とジアミンとの2分子の以下の反応スキームに従う反応、
【0075】
【化14】

続いて行われる、以下のスキームに従うエチレン性不飽和へのシロキサンの添加、
【0076】
【化15】

ここで、X−(CH−は、上で定義されたXに対応し、Y、R、R、R、R及びmは上で記載した通りである、
又は以下の反応スキームに従うα,ω−NH末端を含むシリコーン及び式HOOC−Y−COOHの二酸の反応、
【0077】
【化16】

により得られる。
【0078】
式(III)又は(IV)のこれらのポリアミドにおいて、mは好ましくは1〜700の範囲、特に15〜500、とりわけ50〜200の範囲である。nに関しては、とくに1〜500、好ましくは1〜100、及びよりよくさらに4〜25の範囲であり、
Xは好ましくは、1〜30の炭素原子、特に1〜20の炭素原子、とりわけ5〜15の炭素原子及びより特に10の炭素原子を含む直鎖又は分岐のアルキレン鎖であり、
Yは好ましくは、1〜40の炭素原子、特に1〜20の炭素原子、よりよくさらに2〜6の炭素原子、特に6の炭素原子を含む直鎖又は分岐状の、又は環及び/又は不飽和を含んでいる可能性のあるアルキレン鎖である。
【0079】
式(III)及び(IV)において、X又はYを表すアルキレン基は、場合によりそのアルキレン部分に以下の要素:
s)1〜5のアミド、ウレア、ウレタン、又はカルバメート基、
2)C又はCのシクロアルキル基、及び
3)場合により1〜3の同一又は異なるC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
の少なくとも1つを含むことができる。
【0080】
式(III)及び(IV)において、アルキレン基は
ヒドロキシル基
〜Cのシクロアルキル基、
1〜3のC〜C40のアルキル基、
1〜3のC〜Cのアルキル基で場合により置換されていてもよいフェニル基、
〜Cのヒドロキシアルキル基、及び
〜Cのアミノアルキル基、
からなる群から選択された少なくとも1つの要素で置換されていてもよい。
【0081】
これらの式(III)及び(IV)において、Yは
【0082】
【化17】

を表していてもよく、ここで
は、ポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tは式
【0083】
【化18】

の基を表し、
ここでa、b、及びcは独立して1〜10の範囲の整数であり、R13は水素原子又はR、R、R及びRに対して定義されたような基である。
【0084】
式(III)および(IV)において、R、R、R及びRは好ましくは独立して直鎖又は分岐のC〜C40のアルキル基、好ましくはCH、C、n−C又はイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖又は1〜3のメチル又はエチル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
【0085】
上で見られるように、ポリマーは、式(III)又は(IV)の同一又は異なる単位を含んでいてもよい。
即ち、ポリマーは、複数の単位の異なる長さの式(III)又は(IV)を含むポリアミド、即ち式(V)に対応するポリアミドであり得る。
【0086】
【化19】

ここでX、Y、n及びR〜Rは、上で与えられた意味を有し、m及びmは異なり、1〜1000の範囲から選択され、pは2〜300の範囲の整数である。
【0087】
この式において、該単位は組織化されてブロックコポリマー又はランダムコポリマー又は交互コポリマーのいずかを形成し得る。このコポリマーにおいて、単位は異なる長さであるばかりか、異なる化学的構造のものであってもよく、例えば異なる基Yを含んでいてもよい。この場合、コポリマーは式VIに対応し得る。
【0088】
【化20】

ここでR〜R、X、Y、m、m、n及びpは上で与えられた意味を有し、YはYとは異なり、Yについて定義された基から選択される。上に述べられたように、種々の単位が組織化されて、ブロックコポリマー又はランダムコポリマー又は交互コポリマーのいずれかを形成し得る。
【0089】
第一の実施態様において、組織化剤はグラフトコポリマーからなっていてもよい。即ちシリコーン単位を含むポリアミドがグラフト化され得、場合によりアミド基を含むシリコーン鎖で架橋されてもよい。そのようなポリマーは3官能性アミンで合成され得る。
【0090】
この場合、コポリマーは少なくとも1単位の式(VII)を含み得る:
【0091】
【化21】

ここでX及びXは同じであるか又は異なり、式(I)のXについて与えられた意味を有し、nは式(I)において定義された通りであり、Y及びTは式(I)において定義された通りであり、R14〜R21はR〜Rと同じ基から選択され、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である。
【0092】
式(VII)において、
pは1〜25の範囲であり、よりよくさらに1〜7であること、
14〜R21はメチル基であること、
Tは以下の式の1つに対応すること、
【0093】
【化22】

ここで、R22は水素原子又はR〜Rについて定義された基から選択された基であり、R23、R24及びR25は、独立して直鎖又は分岐のアルキレン基であり、より好ましくは式
【0094】
【化23】

に対応し、ここで
特にR23、R24及びR25は−CH−CH−を表す、
及びmは15〜500、よりよくさらに15〜45の範囲であり、
及びXは−(CH10−を表し、
Yは−CH−を表す。
【0095】
式(VII)のグラフト化されたシリコーン単位を含むこれらのポリアミドは、式(II)のポリアミドシリコーンと共重合化されて、ブロックコポリマー、交互コポリマー、又はランダムコポリマーを形成し得る。コポリマー中のグラフト化シリコーン単位(VII)の重量百分率は0.5〜30重量%の範囲であり得る。
【0096】
本発明に従うと、前述されたように、シロキサン単位はポリマーの主鎖、又は骨格中にあり得るが、グラフト化された、又はペンダント状鎖中にも存在し得る。主鎖において、シロキサン単位は上で記載されたようなセグメントの形であり得る。ペンダント又はグラフト化された鎖において、シロキサン単位は独立して又はセグメント状であるようである。
【0097】
本発明に従うと、好ましいシロキサンに基づくポリアミドは:
mが50〜600、特に60〜400、特に75〜200の範囲であり、より特に約100である式(III)のポリアミド、
1) mが50〜600、特に60〜400、特に75〜200の範囲であり、より特に約100であるポリアミド、80%〜99重量%、
2)mが5〜100、特に10〜75の範囲であり、より特に約15であるポリアミド、1〜20重量%
を含む式(III)のポリアミドの混合物、
1) nが2〜10、特に3〜6の範囲であるポリアミド、80%〜99重量%、
2)nが5〜500、特に30〜100の範囲であるポリアミド、1〜20重量%
を含む式(III)のポリアミドの混合物、
1) nが2〜10、特に3〜6の範囲であるポリアミド、1%〜20重量%、
2)nが30〜500、特に30〜100の範囲であるポリアミド、80〜99重量%
を含む式(III)のポリアミドの混合物、
XがC〜C15、特にC〜C12より特にC10のアルキル基を表すところの式(III)のポリアミド、及び
YがC〜C10、特にC〜Cより特にCのアルキル基を表すところの式(III)のポリアミド、
である。
【0098】
本発明の一つの実施態様の変形に従うと、シリコーンアミド及び炭化水素に基づくポリアミドのコポリマー、即ち式(III)又は(IV)の単位及び炭化水素に基づくポリアミド単位を含むコポリマーを使用することが可能である。この場合、ポリアミドシリコーン単位は炭化水素に基づくポリアミドの末端にあってもよい。
【0099】
本発明に従う組成物は有利に、50より大きい、特に75より大きい、特に約100のインデックスmを有する一般式(I)のポリジメチルシロキサンブロックコポリマー少なくとも1を含む。
【0100】
1の特定の実施態様に従うと、そのような組成物は15のインデックスmを有する一般式(I)の少なくとも1つのポリジメチルシロキサンブロックコポリマーをもまた含む。
【0101】
シリコーンを含むところの、ポリアミドに基づく組織化コポリマーは、脂肪酸ダイマーに基づくポリアミドのシリル化アミド化(silylic amidation)により製造され得る。このアプローチは末端部位としてポリアミド上に存在する遊離の酸の部位とオルガノシロキサン−モノアミン及び/又はオルガノシロキサン−ジアミンとの反応(アミド化反応)又はオリゴシロキサンアルコール又はオリゴシロキサンジオールとの反応(エステル化反応)を含む。エステル化反応は、従来技術において公知であるように酸触媒の存在を必要とする。アミド化又はエステル化のために使用される遊離の酸部位を含むポリアミドは、相対的に高い数の酸末端基(例えば高い酸価、例えば15〜20を有するポリアミド)を有することが望ましい。
【0102】
炭化水素に基づくポリアミドの遊離の酸の部位のアミド化については、1〜300、より特に2〜50、よりよくさらに2、6、9.5、12、13.5、23又は31のシロキサン基を有するシロキサンジアミンが、脂肪酸ダイマーに基づき、炭化水素をベースとするポリアミドとの反応のために使用される。
【0103】
反応は、生成された水を共沸蒸留により溶液から抽出するためにキシレン中で行われるか、又はより高温(約180〜200℃)において溶媒なしで行われ得る。典型的には、シロキサンジアミンがより長いとき、即ちシロキサン基の数がより多いとき、アミド化の効果及び反応速度は下がる。遊離のアミンの部位は、ジアミノシロキサンの最初のアミド化反応の後、それらをシロキサン酸と、あるいは有機酸例えば安息香酸とのいずれかと反応させることによりブロックされ得る。
【0104】
ポリアミド上の遊離の酸の部位のエステル化については、これは試薬の総重量に対して約1重量%のパラトルエンスルホン酸を触媒として含む沸騰したキシレン中で行われ得る。
【0105】
ポリアミドのカルボン酸末端基上で行われるこれらの反応はポリマー鎖の末端へのみのシリコーン単位の取り込みをもたらす。
遊離のアミン基を含むポリアミドを用いて、酸基を含むシロキサンとのアミド化反応によりポリアミドシリコーンのコポリマーを製造することもまた可能である。
【0106】
高温(例えば200〜300℃)における、例えばエチレンジアミン成分を有するポリアミドとオリゴシロキサン−α,ω−ジアミンとのトランスアミデーションにより元のポリアミドのエチレンジアミン成分がオリゴシロキサンジアミンで置換されるようトランスアミデーションを実行して、炭化水素に基づくポリアミド及びシリコーンポリアミドの間のコポリマーに基づく構造化剤を製造することもまた可能である。
【0107】
炭化水素に基づくポリアミド及びポリアミドシリコーンのコポリマーは、ペンダント状のオリゴシロキサン基を有する炭化水素に基づくポリアミド骨格を含むグラフト化されたコポリマーでもまたあり得る。
【0108】
これは、例えば
脂肪酸ダイマーに基づくポリアミド中の不飽和結合のハイドロシリレーション;
ポリアミドのアミド基のシリレーション;又は
酸化による不飽和ポリアミドのシリレーション、即ち不飽和基をアルコール又はジオールに酸化することにより、シロキサンカルボン酸又はシロキサンアルコールと反応されるヒドロキシル基を形成することにより得られる。不飽和ポリアミドのオレフィン性部位は、エポキシ化されることも可能であり、該エポキシ基は次にシロキサンアミン又はシロキサンアルコールと反応され得る。
【0109】
2)本発明の第二の実施態様に従うと、組織化コポリマーはウレタン又はウレア基を含むホモポリマー又はコポリマーからなる。
【0110】
前のように、ポリマーは、2以上のウレタン及び/又はウレア基を含むポリオルガノシロキサン単位をポリマーの骨格中又は側鎖上に又はペンダント基として含み得る。
【0111】
少なくとも2つのウレタン及び/又はウレア基を骨格中に含むポリマーは、下記式(VIII)に対応する少なくとも1つの単位を含むポリマーであり得る。
【0112】
【化24】

ここでR、R、R、R、X、Y、m及びnは、式(I)に与えられた意味を有し、Uは
【0113】
【化25】

がウレタン又はウレア基に対応するような−O−又は−NH−を表す。
【0114】
この式(VIII)において、Yは、場合によってC〜C15のアルキル基又はC〜C10のアリール基で置換されていてもよい、直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基であり得る。好ましくは−(CH−基が使用される。
【0115】
Yは、C〜C15のアルキル基又はC〜C10のアリール基で置換されていてもよいC〜C12の脂環式基又は芳香族基、例えばメチレン−4,4−ビスシクロヘキシル基、イソホロンジイソシアネートから誘導された基、2,4−及び2,6−トルエン、1,5−ナフタレン、p−フェニレン及び4,4’−バイフェニレンメタンから選択された基をもまた表し得る。一般的にYは、直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基又はC〜C12の環式アルキレン基を表すことが好ましい。
【0116】
Yは、複数のジイソシアネート分子とジオール又はジアミンタイプのカップリング剤の1以上の分子との縮合に対応するポリウレタン又はポリウレアブロックをもまた表し得る。この場合、Yは、アルキレン鎖中に複数のウレタン又はウレア基を含む。
【0117】
それは式(IX)に対応し得る:
【0118】
【化26】

ここでBは、Yについて上で与えられた基から選択される基であり、Uは−O−又は−NH−であり及びBは、
直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基、
場合によりアルキル置換基、例えば1〜3のメチル又はエチル基、又はアルキレン、例えばジオール基を有していてもよいC〜C12の環状アルキレン基:シクロヘキサンジメタノール、
場合によりC〜Cのアルキル置換基を有していてもよいフェニレン基、
下記式の基、
【0119】
【化27】

ここでTは、1以上のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、及び窒素をおそらく含む炭化水素に基づく3価の基であり、Rは、ポリオルガノシロキサン鎖又は直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル鎖である、
から選択される。
【0120】
Tは例えば以下を表し、
【0121】
【化28】

ここでwは1〜10の整数であり、Rはポリオルガノシロキサン鎖である。
【0122】
Yは直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基であるとき、−(CH−及び−(CH−が好ましい。
【0123】
Yに対して与えられた式の中で、dは0〜5、好ましくは0〜3の範囲であり得、より好ましくは1又は2に等しくてもよい。
【0124】
好ましくは、B直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基であり、特に−(CH−又は−(CH−又は基
【0125】
【化29】

であり、ここでRはポリオルガノシロキサン鎖である。
【0126】
前述のように、組織化コポリマーを構成するポリマーは、異なる長さ及び/又は構成のシリコーンウレタン及び/又はシリコーンウレア単位から形成され得、ブロック又はランダムコポリマーの形態であり得る。
【0127】
ウレア又はウレタン基をシリコーンポリマーの鎖に含む式(VIII)のポリマーは、下記式のα,ω−NH又は−OH末端基を含むシリコーン、
【0128】
【化30】

ここでm、R、R、R、R及びXは、式(I)について定義された通りである、
及びジイソシアネートOCN−Y−NCO、ここでYは式(I)について与えられた意味を有する、及び場合により式HN−B−NH又はHO−B−OHのジオール又はジアミンのカップリング剤、ここでBは式(IX)において定義されたとおりである、との間の反応により得られ得る。
【0129】
2つの試薬、ジイソシアネート及びカップリング剤の化学量論的割合に従うと、Yは、dが0に等しいか、又はdが1〜5に等しい式(IX)を有し得る。
【0130】
式(IV)、(II)又は(III)のポリアミドシリコーンの場合のように、本発明において、異なる長さ及び構造、特にその長さがシリコーン単位の数だけ相違する単位を含むポリウレタン又はポリウレアシリコーンを使用することが可能である。この場合、コポリマーは例えば下記式:
【0131】
【化31】

ここでR、R、R、R、X、Y及びUは、式(VIII)に対して定義された通りであり、m、m、n及びpは式(V)に対して定義された通りである、
に対応し得る。
【0132】
本発明に従うと、シリコーンはウレタン及び/又はウレア基をもはや骨格中にではなく側鎖として含むこともまた可能である。
【0133】
この場合、ポリマーは、少なくとも1つの下記式の単位を含み得る:
【0134】
【化32】

ここでR、R、R、m及びmは、式(II)について、Rは式I)について与えられた意味を有し、
UはO又はNHを表し、
26はO及びNから選択された1以上のヘテロ原子を含んでいてもよいところのC〜C40のアルキレン基、又はフェニレン基を表し、
27は、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C50のアルキル基、及び場合により、1〜3のC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいフェニル基から選択される。
【0135】
少なくとも1つの単位の式(X)を含むポリマーは、シロキサン単位及びウレア又はウレタン基を含み、本発明の組成物において組織化コポリマーとして使用され得る。
【0136】
シロキサンポリマーは、分岐による単独のウレア又はウレタンを有し得る、又は2のウレア又はウレタン基を含む分岐を有し得るか、又は1のウレア又はウレタン基を含む分岐及び2のウレア又はウレタンを含む分岐の混合物を含み得る。
【0137】
それらは、1又は2のアミノ基を分岐ごとに含む分岐状のポリシロキサンから、これらのポリシロキサンをモノイソシアネートと反応させることにより得られ得る。
【0138】
アミノ及びジアミノ分岐を含むこのタイプの出発ポリマーの例として、以下の式に対応するポリマーが挙げられ得る。
【0139】
【化33】

【0140】
これらの式において、記号「/」は、セグメントが異なる長さを、ランダムな順序で有することを示し、Rは、好ましくは1〜6の炭素原子、よりよくさらに1〜3の炭素原子を含む直鎖の脂肪族基を表す。
【0141】
分岐を含むそのようなポリマーは、ポリマー分子ごとに少なくとも3のアミノ基を含むシロキサンポリマーをモノ官能性基を1つだけ含む化合物(例えば酸、イソシアネート、又はイソチアシアネート)と反応させて、このモノ官能性基をアミノ基のうちの1つと反応させ、水素結合を形成できる基を形成することにより、形成され得る。アミノ基は、シロキサンポリマーの主鎖から伸びる側鎖上にあってもよく、その結果水素結合を形成することのできる基がこれらの側鎖上に形成されるか又はアミノ基は主鎖の末端にあってもよく、その結果水素結合できる基は、ポリマーの末端基である。
【0142】
シロキサン単位及び水素結合を形成できる基を含むポリマーを形成する手順として、シリコーン溶媒中でシロキサンジアミン及びジイソシアネートを反応させて、ゲルを直接与える反応が挙げられ得る。該反応はシリコーン流動体中で行われ得、得られる生成物はシリコーン流動体中で高温において溶解され、次に系の温度は下げられて、ゲルを形成する。
【0143】
本発明に従う組成物中への取り込みに適するポリマーは、直鎖であり、水素結合を形成できる基としてウレア基をポリマーの骨格中に含むシロキサンウレアコポリマーである。
【0144】
4つのウレア基で終わるポリシロキサンの例として、下記式のポリマーが挙げられ得る。
【0145】
【化34】

ここでPhはフェニル基であり、nは、0〜300、特に0〜100の数であり、例えば50である。
【0146】
このポリマーは、アミノ基を含む以下のポリシロキサンをフェニルイソシアネートと反応させることにより得られる。
【0147】
【化35】

【0148】
分岐状のポリウレタン又はポリウレアシリコーンは、ジイソシアネートOCN−Y−NCOの代わりに、下記式
【0149】
【化36】

のトリイソシアネートを使用することによってもまた得られ得る。
【0150】
水素結合を形成できる基を有するオルガノシロキサン鎖を含む分岐を含むポリウレタン又はポリウレアシリコーンは、このようにして得られる。そのようなポリマーは、例えば下記式に対応する単位を含む。
【0151】
【化37】

ここでX及びXは同じであるか又は異なり、式(I)においてXに与えられた意味を有し、nは式(I)において定義された通りであり、Y及びTは式(I)において定義された通りであり、R14〜R21はR〜Rと同じ基から選択され、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である。
【0152】
ポリアミドの場合のように、このコポリマーは、分岐のないポリウレタンシリコーン単位をもまた含むことができる。
【0153】
シロキサンに基づく好まれるポリウレア及びポリウレタンは、
mが50〜600の範囲、特に60〜400、特に75〜200の範囲であり、より特に100であるところの式(VIII)のポリマー;
1) mが50〜600、特に60〜400、特に75〜200の範囲であり、特に約100である式(VIII)のポリマー、80重量%〜99重量%、及び
2) mが5〜100、特に10〜75の範囲であり、特に約15である式(VIII)のポリマー、1重量%〜20重量%、
を含む式(VIII)のポリマーの混合物;
1) nが2〜10、特に3〜6である式(VIII)のポリマー、80重量%〜99重量%、及び
2) nが5〜500、特に30〜100範囲である式(VIII)のポリマー、1重量%〜20重量%、
を含む式(VIII)のポリマーの混合物;
1) nが2〜10、特に3〜6である式(VIII)のポリマー、1重量%〜20重量%、及び
2) nが30〜500、特に30〜100範囲である式(VIII)のポリマー、80重量%〜99重量%、
を含む式(VIII)のポリマーの混合物;
XがC〜C15、特にC〜C12、特にC10のアルキル基を表す式(VIII)のポリマー;及び
YがC〜C10、特にC〜C、及び特にCのアルキル基を表す、式(VIII)のポリマー
である。
【0154】
ポリアミドの場合のように、ポリウレタン又はポリウレアシリコーン及び炭化水素に基づくポリウレタン又はポリウレアのコポリマーは、非シリコーン性のα,ω−二官能性ブロック、例えばポリエステル、ポリエーテル、又はポリオレフィンの存在下、ポリマーを合成する反応を行うことにより、本発明において使用され得る。
【0155】
前に見られたように、本発明のコポリマーは、ポリマーの主鎖にシロキサン単位を、ポリマーの主鎖又はその末端のいずれかに、又は主鎖の側鎖又は分岐上に水素結合を形成できる基を含み得る。これは以下の5つの配列に対応し得る。
【0156】
【化38】

ここで、実線は、シロキサンポリマーの主鎖であり、四角は水素結合を形成できる基を表す。
【0157】
(1)の場合、水素結合を形成できる基は、主鎖の末端に位置する。(2)の場合、水素結合を形成できる2つの基が主鎖の各末端に存在する。
【0158】
(3)の場合、水素結合を形成できる基は、繰り返し単位における主鎖の中に存在する。
【0159】
(4)及び(5)の場合、これらは、水素結合を形成できる基が、水素結合を形成できる基を含まない単位と共重合化された第一シリーズの単位の主鎖の分岐上に存在するコポリマーである。値n、x、及びyは、ポリマーが、シリコーンオイルをベースとする脂肪相の構造化剤に関して所望される性質を有するような値である。
【0160】
本発明の一つの変形に従うと、少なくとも1つのオイルを含む液状脂肪相の組織は、上述された1以上のポリマーにより得られる。
【0161】
使用され得るポリマーの例として、米国特許第5 981 680号の実施例1〜3に従って得られるシリコーンポリアミドが挙げられ得る。
【0162】
それらはシリコーンオイル、及びエステルオイル中で良好な溶解度を示し、巨視的に均一な組成物をもたらす。それらは500〜200000、例えば10000〜150000、及び好ましくは20000〜100000の平均分子量を有する。
【0163】
シリコーンコポリマーは、組成物の0.5重量%〜30重量%、特に1重量%〜30重量%、より特に5重量%〜30重量%を占め得る。
【0164】
非シリコーンの有機コポリマー
本発明の第二の変形に従うと、有機コポリマーは、非シリコーンコポリマーである。
【0165】
より具体的には、それらはポリマーであり、より特に少なくとも1つのエチレン性モノマーの共重合化から得られるコポリマーであり、ビニル、アクリル又はメタクリルコポリマーが特に使用され得る。この化合物は、例えばスチレン(S)ブロック、又はアルキルスチレン(AS)ブロック、及びエチレン/ブチレン(EB)、エチレン/プロピレン(EP)、ブタジエン(B)、イソプレン(I)、アクリレート(A)、及びメタクリレート(MA)ブロック、又はこれらのブロックの組み合わせを含み得る。
【0166】
特に一つの実施態様においては、少なくとも1つのスチレンブロックを含むコポリマーが使用される。トリブロックコポリマーが使用され得、特にポリスチレン/ポリイソプレン又はポリスチレン/ポリブタジエンタイプのもの、例えば”Luvitol HSB”の名前の下でBASFにより販売されているもの、及びポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプのもの、又はポリスチレン/コポリ(エチレン−ブチレン)タイプのもの、例えば“Kraton”の商品名の下でShell Chemical社により、又はPenreco社によりGelled Permethyl 99Aの商品名の下で販売又は製造されているものもまた使用され得る。
【0167】
本発明に従う組成物中で使用され得るエチレン性ゲル化剤はとして、挙げられ得る例は、Kraton G1650(SEBS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton G1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton D−1101(SBS)、Kraton D−1102(SBS)、Kraton D−1107(SIS)、Gelled Permethyl 99A−750、Gelled Permethyl 99A−753−58、Gelled Permethyl 99A−753−59、Penreco 製のVersagel 5970及びVersagel 5960、及びLubrizol製のOS 129880、OS 129881及びOS 84383(スチレンメタクリレートコポリマー)を含む。
【0168】
ジブロック又はトリブロックコポリマー、例えばポリスチレン−コポリ(エチレン/プロピレン)又はポリスチレンーコポリ(エチレン/ブチレン)、例えば国際特許出願国際公開98/38981及び米国特許出願公開第2002/0 055 562号に記載されたものもまた、本発明に含まれる。
【0169】
液状脂肪相
本発明に従う化粧料組成物は、少なくとも1つのオイルをベースとする液状脂肪相を含む。
【0170】
a.シリコーンオイル
本発明に従う一つの変形に従うと、液状脂肪相は、少なくとも1つの揮発性シリコーンオイルを含む。
【0171】
揮発性シリコーンオイルは、40℃以上、有利には構造化ポリマーの軟化点より高い引火点及び/又は8cSt未満の粘度を有する直鎖又は環状シリコーンオイル、例えば3〜7のケイ素原子を含む直鎖又は環状のポリジメチルシロキサン(PDMS)から選択され得る。
【0172】
引火点は、炎と接触したとき燃料が燃え出す温度である。
【0173】
挙げられ得るそのようなオイルの例は下の表1に記載された化合物を含む。
【0174】
有利に、揮発性オイルは60℃より高い引火点を有する。
【0175】
非揮発性のシリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサン、ポリアルキルメチルシロキサン、ジメチコンコポリオール、アルキルメチコンコポリオール、セチルジメチコン、アルキルグリセリルエーテル基を含むシリコーン、アミン側鎖基を含むシリコーン、及びジラウロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケートであり得る。これらのオイルのアルキル基は、2〜24の炭素原子を特に含む。
【0176】
本発明の液状脂肪相において使用され得る非揮発性のシリコーンオイルは、少なくとも1つのエステルオイルを含み、特に室温において液状であるところの非揮発性の直鎖のポリジメチルシロキサン(PDMS);それぞれ2〜24の炭素原子を含むペンダント状及び/又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル、アルコキシ、又はフェニル基を含むポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、鎖のペンダントである、又は末端にあるところの、1〜12の炭素原子を含む、1以上の基を含むフルオロシリコーンであって、そのすべての又は一部の水素原子が弗素原子で置換されている基、及びジメチコノール、及びそれらの混合物であり得る。
【0177】
液状脂肪相は、本発明に従うエッセンシャルエステルオイル以外に少なくとも1つの揮発性シリコーンオイル及び少なくとも1つの揮発性非シリコーンオイルを含み得る。
【0178】
本発明の目的のために、シリコーン又は非シリコーンの揮発性オイルは、好ましくは40〜135℃の引火点を有するか、又は引火点を有しない。揮発性オイルは室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)において0.02mmHg〜300mmHg(2.66Pa〜40000Pa)、よりよくは0.1〜90mmHg(13Pa〜12000Pa)の範囲の蒸気圧を有する。非揮発性のオイルは、0.02mmHg(2.66Pa)未満の蒸気圧に対応する。
【0179】
シリコーンオイルは、25℃において5〜800 000cSt、好ましくは10〜500 000cSt、より良くは10〜5000cStの範囲から選択される粘度を有する。
【0180】
【表1】

【0181】
言い換えると、揮発性シリコーンオイルは、例えば表1の化合物、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0182】
揮発性シリコーンオイルは、フルオロシリコーンオイル例えばアルキル及びパーフルオロアルキル基を含むシリコーン、オキシエチレン/オキシプロピレン(OE/OP)側鎖及びパーフルオロ基を含むシリコーン、パーフルオロ側鎖基及びグリセロール化された側鎖を含むシリコーン、及びパーフルオロアルキルメチルフェニルシロキサンの群、これらのオイルは0.02 mmHg以上の蒸気圧を有する、からもまた選択され得る。
【0183】
液状脂肪相は有利に少なくとも5重量%、例えば10〜90重量%のシリコーンオイルを含む。液状脂肪相は、1000cSt未満、よりよくは100cSt未満の粘度を有する少なくとも1つのシリコーンオイルを有利に含む。
【0184】
b.エステルオイル
本発明の一つの変形に従うと、液状脂肪相のオイルの少なくとも一つは「エステルオイル」として公知であるオイルであり、該エステルオイルはモノカルボン酸のモノアルコールとの及びポリアルコールとのエステルから選択される。
【0185】
有利に、該エステルは以下の式に対応する。
−CO−O−R
ここで
は、1〜40、好ましくは7〜19の炭素原子の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基は、場合により置換されていてもよい、1以上のエチレン性二重結合をふくんでいてもよい、
は、1〜40の炭素原子、好ましくは3〜30の炭素原子、より良くは3〜20の炭素原子の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基は、場合により置換されていてもよい、1以上のエチレン性二重結合を含んでいてもよい。
【0186】
用語「場合により置換されていてもよい」は、R及び/又はRが、O、N、及びSから選択された1以上のヘテロ原子を含む基、例えばアミノ、アミン、アルコキシ、及びヒドロキシルから選択された1以上の置換基を有することができることを意味する。
【0187】
好ましくはR+Rの炭素原子の合計数は≧9である。
【0188】
本発明に従う発明に従って使用されるエステルは「短い」エステルともまた呼ばれる。
【0189】
は、好ましくは1〜40、さらによりよくは7〜19の炭素原子を含む、直鎖、又は好ましくは分岐の脂肪酸、好ましくは高級脂肪酸の残基を表し、Rは、1〜40、好ましくは3〜30、さらによりよく3〜20(19〜28、8〜27、7〜26C)の炭素原子を含む、直鎖、又は好ましくは分岐状の炭化水素に基づく鎖を表す。再びR+Rの炭素原子の数は≧9である。
【0190】
基Rの例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オレオステアリン酸、アラキドン酸、及びエルシン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択された脂肪酸に由来するものである。
【0191】
本発明の組成物の脂肪相において使用され得るエステルの例は、プルセリンオイル(セトステアリルオクタノエート)、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、エルカ酸2−オクチルドデシル、イソステアリルイソステアレート、及びアルコール又はポリアルコール、例えば脂肪族アルコールのヘプタノエート、オクタノエート、デカノエート、又はリシノールエートを含む。
【0192】
有利に、エステルは、上の式(I)の化合物から選択される、ここでRは、1〜40の炭素原子、好ましくは7〜19の炭素原子の、置換されていない直鎖又は分岐のアルキル基であって、場合により1以上のエチレン性二重結合をふくんでいてもよい基を表し、Rは1〜40の炭素原子、好ましくは3〜30、さらによりよくは3〜20の炭素原子の、置換されていない直鎖又は分岐のアルキル基であって、場合により1以上のエチレン性二重結合をふくんでいてもよい基を表す。
【0193】
好ましくはRは、4〜14の炭素原子、好ましくは8〜10の炭素原子の無置換の分岐状アルキル基であり、Rは、5〜15の炭素原子、好ましくは9〜11の炭素原子の無置換分岐状アルキル基である。好ましくは式(I)においてR−CO−及びRは、同じ数の炭素原子を有し、同じ基から由来し、好ましくは無置換の分岐状アルキル、例えばイソノニルであり、即ちエステルオイル分子は有利には対称である。
【0194】
エステルオイルは、好ましくは以下の化合物から選択される:
イソノニルイソノナノエート
セトステアリルオクタノエート
イソプロピルミリステート
2−エチルヘキシルパルミテート
2−オクチルドデシルステアレート
2−オクチルドデシルエルケート
イソステアリルイソステアレート
【0195】
すべての中で好まれるエステルは、イソノニルイソノナノエートであり、それは優れた耐移動性、及びべたつきのない性質とあわせて優れた透明性、又は半透明性を有する組成物の最適な生産を可能にする。
【0196】
有利に、液状脂肪相は0.5重量%〜100重量%、好ましくは1重量%〜80重量%、より好ましくは2重量%〜50重量%、よりよくさらに2重量%〜40重量%のエステルオイルを含む。
【0197】
より特に、脂肪相は、少なくともイソノニルイソノナノエートをエステルオイルとして含む。
【0198】
c.非シリコーンオイル
【0199】
本発明に従う組成物の液状脂肪相は、1以上の揮発性又は非揮発性の非シリコーンオイルをもまた含み得る。揮発性の非シリコーンオイルは、揮発性炭化水素に基づくオイル、エステル、及びエーテルの群、例えば揮発性炭化水素、例えばイソドデカン及びイソヘキサデカン、及びC〜C16のイソパラフィンから選択され得る。
【0200】
揮発性非シリコーンオイルは、フルオロオイル、例えばパーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、例えばパーフルオロデカリン、パーフルオロアダマンタン、パーフルオロアルキルホスフェートモノエステル、ジエステル、及びトリエステル、及びフルオロエステルオイルからもまた選択され得る。
【0201】
本発明において使用され得る揮発性非シリコーンオイルの例として、下の表2の化合物が挙げられ得る。
【0202】
【表2】

【0203】
脂肪相が揮発性オイルを含むとき、それは、組成物の合計重量に対して3重量%〜89.4重量%、よりよくは5重量%〜60重量%、例えば5重量%〜20重量%を占める。
【0204】
液状脂肪相は、他の非シリコーンオイル例えば極性オイル、例えば
グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリドを高い含有量で有する炭化水素をベースとする植物オイルであって、その脂肪酸は種々の鎖長を有していてもよく、これらの鎖は直鎖又は分岐状であってもよく、そして飽和又は不飽和であってもよい植物オイル;これらのオイルは特に、小麦胚芽オイル、コーンオイル、ヒマワリオイル、シアオイル、ひましオイル、スイートアーモンドオイル、マカデミアオイル、大豆オイル、菜種オイル、綿実オイル、アルファルファオイル、ケシの実オイル、かぼちゃ種オイル、ゴマ種オイル、骨髄オイル(marrow oil)、アボガドオイル、ヘーゼルナッツオイル、グレープシードオイル、黒スグリオイル、月見草オイル、キビオイル、大麦オイル、キノアオイル、オリーブオイル、ライ麦オイル、サフラワーオイル、ククイナッツオイル、パッションフラワーオイル、ジャコウバラオイル;又はカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearines Dubois社により販売されるもの、またDynamit Nobel社によりMiglyol 810、812、及び818の名前の下に販売されるものである;
10〜40の炭素原子を含む合成エステル;
〜C26の脂肪族アルコール、例えばオレイルアルコール及びオクチルドデカノール;
脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸;及び
それらの混合物;
をもまた含み得る。
【0205】
液状脂肪相は非極性オイル、例えば直鎖又は分岐の、揮発性又は非揮発性の、合成起源又は鉱物起源の炭化水素又はフルオロ炭素、例えば揮発性の液状パラフィン(例えばイソパラフィン又はイソドデカン)又は非揮発性の液状パラフィン及びそれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン例えばパーレアム、及びスクアラン、及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0206】
すなわち、本発明は、例えば以下の種々の脂肪相を用いて実行され得る:
1)少なくとも1つのエステルオイル及び少なくとも1つの揮発性シリコーンオイルを含むオイルの混合物からなる脂肪相;
2)少なくとも1つのエステルオイル、及び少なくとも1つの非シリコーン揮発性オイルを含むオイルの混合物からなる脂肪相;
3)少なくとも1つのエステルオイル、少なくとも1つの揮発性非シリコーンオイルを含み、及び場合により揮発性のシリコーンオイルを含んでいてもよい、オイルの混合物からなる脂肪相、
4)少なくとも1つのエステルオイル、非揮発性の非シリコーンオイルを含み、場合により揮発性の非シリコーンオイルを含んでいてもよい、オイルの混合物からなる脂肪相;
5)1)〜4)において定義された、エステルオイルを含まない液状脂肪相。
【0207】
一般的に、液状脂肪相は、組成物の合計重量の5〜95重量%、よりよくは20〜75重量%を占める。
【0208】
他の脂肪性物質
【0209】
本発明に従う組成物は、ワックス及びペースト状化合物から選択され得る少なくとも1つの固体脂肪物質をもまた含み得る。
【0210】
より特に、本発明に従う組成物は組成物の合計重量に対して、0.1〜40重量%、特に0.1〜30重量%、より特に0.5〜25重量%の固体脂肪物質を含み得る。
【0211】
本発明の目的のために、用語「ワックス」は、室温(25℃)において固体であり、可逆的な固体/液体の状態変化を起こし、30℃以上であって、120℃までであり得る融点を有する脂肪性化合物を意味する。
【0212】
ワックスを液状状態(溶融)に至らせることにより、ワックスを、存在し得るオイルと相溶性にして、微視的に均一な混合物を形成するが可能であるが、混合物の温度を室温に低下させると、混合物のオイル中のワックスの再結晶が起きる。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばMettler社によりDSC30の名前で販売されている熱量計を用いて測定されることが可能である。
【0213】
ワックスは、0.05〜15MPa、好ましくは6〜15MPaの範囲の硬度を有する。硬度は、0.1mm/sの測定速度において移動し、ワックスの中へ0.3mmの浸透深さまで侵入するところの直径が2mmのステンレススチールのシリンダーを装備された、Rheo社によりTA−XT2iの名前で販売されているテクスチュロメーターを用いて20℃において圧縮力を測定することにより決定される。
【0214】
ワックスは炭化水素に基づくワックス、フルオロワックス、及び/又はシリコーンワックスであり得、植物、鉱物、動物、及び/又は合成起源であり得る。特に、ワックスは30℃より高い、よりよくは45℃より高い融点を有する。
【0215】
本発明の第一組成物において使用され得るワックスとして、ビーズワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、又はオゾケライト;合成ワックス、例えばポリエチレンワックス又はフィッー−シャートロプシュワックス、及びシリコーンワックス、例えば16〜45の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシジメチコンが挙げられ得る。
【0216】
組成物は、マイクロ化されたワックス、マイクロワックスとしてもまた公知である、をもまた含み得る。
【0217】
本発明の組成物において使用され得るマイクロワックスとして、カルナウバマイクロワックス、例えばMicro Powders社により“MicroCare 350(商標)”の名前で販売される製品、合成マイクロワックス、例えばMicro Powders社により“MicroEase 114S”(商標)の名前で販売される製品、カルナウバワックス及びポリエチレンワックスの混合物からなるマイクロワックス、例えばMicro Powders社により“Micro Care 300(商標)”及び“310(商標)”の名前で販売される製品、カルナウバワックス及び合成ワックスの混合物からなるマイクロワックス例えばMicro Powders社により“Micro Care 325(商標)”の名前で販売される製品、ポリエチレンワックス、例えばMicro Powders社により“Micropoly 200(商標)”及び“220(商標)”、“220L(商標)”及び“250S(商標)”の名前で販売される製品、及びポリテトラフルオロエチレンミクロワックス、例えばMicro Powders社により“Microslip 519(商標)”及び“519L(商標)”の名前で販売される製品が挙げられ得る。
【0218】
上述されたマイクロワックスの中で、それらの一部、例えばカルナウバマイクロワックス、合成マイクロワックス「MicroEase 114S」又はカルナウバワックス及び合成ワックス「MicroCare 325(商標)」の混合物からなるマイクロワックスは45℃以上の溶融開始温度を有する。
【0219】
指針として、組成物はその合計重量に対して0.1重量%〜50重量%、よりよく1重量%〜30重量%のワックスを含み得る。
【0220】
これらの組成物は、以下から有利に選択される少なくとも1つのペースト状化合物をもまた含み得る:
ラノリン及びその誘導体
ポリマー状又は非ポリマー状シリコーン化合物、
ポリマー状又は非ポリマー状のフルオロ化合物、
ビニルポリマー、特に
オレフィンホモポリマー、
オレフィンコポリマー
水添ジエンホモポリマー及びコポリマー
好ましくはC〜C30のアルキル基を含むアルキル(メタ)アクリレートの直鎖又は分岐のオリゴマー、ホモポリマー、又はコポリマー
〜C30のアルキル基を含むビニルエステルのオリゴマー、ホモポリマー、及びコポリマー、
〜C30のアルキル基を含むビニルエーテルのオリゴマー、ホモポリマー、及びコポリマー、
1以上のC〜C100の及び好ましくはC〜C50のジオール間のポリエーテル化から生じる脂溶性ポリエーテル
エステル、及び
それらの混合物。
【0221】
エステルの中で、以下のものが特に好まれる:
グリセロールオリゴマーのエステル、特にジグリセロールエステル、特にアジピン酸及びグリセロールの縮合物であって、該縮合物に対して、グリセロールのヒドロキシル基の一部が脂肪酸、例えばステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸の混合物と反応したもの、特にSasol社によりSoftisan649のブランド名で販売されているもの、
Alzo社によりWaxenol 801のブランド名で販売されているアラキジルプロピオネート
フィトステロールエステル、
脂肪酸のトリグリセリド、及びその誘導体、
ペンタエリスリトールエステル、
直鎖又は分岐状のC〜C50のジカルボン酸又はポリカルボン酸、及びC〜C50のジオール又はポリオール間の重縮合から生じる非架橋型ポリエステル、
脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルの脂肪族カルボン酸とのエステル化から生じるエステルの脂肪族エステル、
ポリカルボン酸による、脂肪族ヒドロキシルカルボン酸エステルのエステル化から生じるポリエステルであって、該エステルが少なくとも2つのヒドロキシル基を含むポリエステル、例えば製品Risocast DA−H(商標)及びRisocast DA−L(商標)、及び
それらの混合物。
【0222】
好ましく選択されるところの植物起源のペースト状化合物の中では、オキシエチレン化(5EO)オキシプロピレン化(5OP)大豆ステロール及びペンタエリスリトールの混合物があり、それはVevy社により製品表示Lanolideで販売されている。
【0223】
組成物は、適切であれば、基本的には水からなっていてもよい、又はなっていなくてもよい、少なくとも1つの水性相を含む。
【0224】
組成物は水及び水混和性(25℃において50重量%より高い水混和性)の有機溶媒、例えば1〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール、2〜8の炭素原子を含むグリコール、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、又はジプロピレングリコール、C〜Cのケトン、及びC〜Cのアルデヒドの混合物をもまた含み得る。
【0225】
水性相(水及び場合により水混和性の有機溶媒)は、組成物の合計重量に対して1〜95重量%、特に3〜80重量%、特に5〜60重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0226】
界面活性剤
本発明に従う組成物は、1以上の界面活性剤をもまた含み得る。
【0227】
本発明の一つの変形に従うと、組成物は少なくとも1つのシリコーン界面活性剤を含み得る。
【0228】
シリコーン界面活性剤は、組成物の合計重量に対して0.1〜50重量%、特に0.1〜40重量%、より特に0.5〜30重量%、特に0.5〜20重量%、さらにより特に1〜10重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0229】
本発明に従う化粧料組成物中で使用され得る界面活性剤の中で、特に上で記載されたシリコーンポリマー以外の親水性のオルガノポリシロキサンが挙げられ得る。
【0230】
親水性基は、下記式に対応し得る:
【0231】
【化39】

ここで
pは0〜5の範囲であり、qは0〜100の範囲であり、rは0〜50の範囲であり、p又はqはゼロではない、
単位(CO)及び(CO)はランダムに又はブロックで分布する、及び
Xは水素又はC〜C10のアルキル基であり、適切である場合には、ヒドロキシル、チオール、アミン、カルボキシル基、カルボキシレート、アミド、ホスフェート、サルフェート、又はスルホネートタイプの1以上の官能基で置換されている。
【0232】
特に、pは1〜5の範囲であり、qは1〜100、rは1〜50の範囲である。Xはより特に水素原子を表す。
【0233】
特に、本発明に従うオルガノポリシロキサンは、親水性基として、少なくとも1つのヒドロキシ−ポリアルキレンオキシ基、特にヒドロキシ−ポリエチレンオキシ基を含み得る。
【0234】
本発明に従うオルガノポリシロキサンは特に、下記式に対応し得る。
【0235】
【化40】

ここで
、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立して直鎖、分岐又は環状の、飽和又は不飽和のC〜Cのアルキル基を表し、
HPは、上で定義されたような少なくとも1つの親水性基を有する基であり、
LPは、親油基であり、
xは1〜5000;yは0〜5000;zは0〜5000の範囲である。
【0236】
基LPに関しては、それは直鎖、分岐、又は環状C〜C40のアルキル、オルガノシロキサン基、弗素原子、及びアリール、アリールオキシ、C〜C40の炭化水素アシル及びヒドロキシプロピレンオキシ基から特に選択され得る。
【0237】
本発明の1つの特定の変形に従うと、オルガノポリシロキサンは、ジメチコン−ポリエチレングリコールのファミリーに属し、特にジメチコンコポリオール、特にセチルジメチコンコポリオール及びその誘導体を含む基から特に選択され得る。本発明に従う親水性オルガノポリシロキサンは、Degussa−Goldschmidt社によりAbil WE 09又はAbil EM 90の商品名で販売されている製品であり得る。本発明に従う親水性オルガノポリシロキサンは、信越社によりKF−6017の製品番号の下で販売されている製品でもまたあり得る。
【0238】
オルガノポリシロキサン化合物は全体的に又は部分的にフッ素化されていてもよい。特に、低級ジアルキルシロキシ基は1以上の弗素原子で置換されていてもよい。
【0239】
一つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物において使用され得るシリコーン界面活性剤は、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールベンゾエート、ジメチコンコポリオールホスフェート、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー及びシクロメチコン/ジメチコン混合物、及びそれらの混合物から選択される。
【0240】
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー、例えば米国特許第5 236 986号、第 5 412 004号、第 5 837 793号及び第5 811 487号に記載されたものが本発明に適切であり、該公報の内容は参照することにより取り込まれる。
【0241】
使用され得るポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、信越社により“KSG−21”、“KSG−20”、“KSG−30”、“KSG−31”、“KSG−32”、“KSG−33”、“KSG−210”、“KSG−310”、“KSG−320”、“KSG−330”、“KSG−340”及び“X−226146”の名前で、及びダウコーニング社により“DC9010”及び“DC 9011”の名前で販売されているものを含む。
【0242】
本発明に従う組成物は、アニオン性/ノニオン性の非シリコーン界面活性剤をもまた含み得ることを理解されたい。
【0243】
これらの界面活性剤の選択については、「カーク・オスマー化学大辞典(Encyclopedia of Chemical Technology、 Kirk-Othmer)」、第22巻、333〜432ページ、第3版、1979年、ワイリーを、界面活性剤の性質及び機能(乳化)の定義について、アニオン性及びノニオン性界面活性剤についてはこの参考文献の特に347〜377ページを参照されたい。
【0244】
本発明に従う組成物においてより特に使用され得る界面活性剤は、
ノニオン性界面活性剤:脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリエトキシ化又はポリグリセロール化脂肪族アルコール、例えばポリエトキシ化ステアリル又はセチルステアリルアルコール、スクロースの脂肪酸エステル、アルキルグルコースエステル、特にC〜Cのアルキルグルコースのポリオキシエチレン化脂肪族エステル、及びその混合物、
アニオン性界面活性剤:アミン、アンモニア、又はアルカリ塩で中和されたC16〜C30の脂肪酸、及びそれらの混合物
から選択される。
【0245】
染料
一つの実施態様に従うと、本発明に従う組成物は少なくとも1つの有機染料又は鉱物染料、特に例えば顔料又は真珠層剤(nacre)のタイプの染料をもまた含み得る。
【0246】
別の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、親油性染料、親水性染料、顔料、真珠層剤、及び特定の光学的効果を有する材料、及びそれらの混合物から選択された少なくとも1つの染料をもまた含み得る。
【0247】
この染料は、組成物の総重量に対して、0.01〜50重量%、特に組成物の総重量に対して0.5〜40重量%、より特に5〜25重量%、特に0.01〜20重量%、及び特に0.1〜10重量%、さらに2〜5重量%の割合で存在し得る。
【0248】
用語「顔料」は、白色の又は着色された、鉱物の又は有機の粒子と理解されるべきであり、水性溶液に不溶であり、得られるフィルムを着色する及び/又は不透明化することを意図されている。
【0249】
組成物の総重量に対して、顔料は0.01〜20重量%、特に0.01〜5重量%、特に0.02〜7重量%の割合で存在し得る。
【0250】
本発明において使用され得る鉱物顔料として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、又は酸化セリウムが挙げられ得、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、第二鉄青、マンガン紫、群青、及びクロム水和物もまた挙げられ得る。
【0251】
顔料は、例えばセリサイト/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプであり得る構造を有する顔料であってもよい。そのような顔料は、例えばChemicals and Catalysts社によりCoverleaf(商標)NS又はJSの製品番号で販売されており、30の領域のコントラスト比を有する。
【0252】
染料は、例えば、酸化鉄を含むシリカ微小球タイプであり得る構造を有する顔料をもまた含み得る。この構造を有する顔料の例は、ミヨシ社によりPCBall(商標) PC−LL−100 Pの製品番号で販売されている製品であり、この顔料は黄色酸化鉄を含むシリカ微小球からなる。
【0253】
本発明において使用され得る有機顔料の中では、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカーミンまたはバリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムに基づくレーキ、又は欧州特許出願公開第542 669号、欧州特許出願公開第787 730号、欧州特許出願公開第787 731号及び国際特許国際公開第96/08537号に記載されたジケトピロールピロール(DPP)が挙げられ得る
【0254】
用語「真珠層剤」は、任意の形態の真珠光沢の又は非真珠光沢の着色された粒子、特にある種の軟体動物によりその殻の中で生産されるもの、又は合成されたものであって光学干渉による色効果を有するものを意味すると理解されるべきである。
【0255】
真珠層剤は、真珠層顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、有機染料で被覆されたチタンマイカから選択され得、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料からもまた選択され得る。真珠層剤は、その表面において、金属酸化物及び/又は有機染料の少なくとも2つの連続相が重ねられているところのマイカ粒子であってもよい。
【0256】
挙げられ得る真珠層剤の例は、酸化チタンで、酸化鉄で、天然の顔料で、又はオキシ塩基ビスマスで被覆された天然のマイカが挙げられ得る。
【0257】
市場で入手可能な真珠層剤の中で、Engelhard社により販売されている真珠層剤、(マイカベース上の)Timica(商標)、Flamenco(商標)及びDuochrome(商標)、Merck社により販売されているTimiron(商標)真珠層剤、Eckart社により販売されているマイカベース上のPrestige(商標)真珠層剤、及びSun Chemical社により販売されている合成マイカベース上のSunshine(商標)真珠層が挙げられ得る。
【0258】
真珠層剤は、より特に黄色、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、褐色、及び/又は銅の色又は光沢を有していてもよい。
【0259】
顔料は、表面被覆、特にシリコーン、アミノ酸、弗素誘導体、又は組成物中の顔料の分散及び相溶性を促進する任意の他の物質で表面処理されていても、いなくてもよい。
【0260】
有利に、本発明に従う組成物において使用される顔料は、レシチンコーティングで表面被覆されていてもよい。このコーティングは、顔料の溶液を、2価又は3価の金属塩の存在下、レシチン溶液との接触におくことによって得られ得る。水素化された、又は水素化されていないレシチンがこのコーティングを得るために使用され得る。
【0261】
本発明に従う化粧料組成物は、水溶性又は脂溶性染料を、組成物の総重量に対して0.01〜10重量%、特に0.01〜5重量%の範囲の含有量で含んでいてもよい。
【0262】
脂溶性染料は、例えばスーダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、β−カロテン、大豆オイル、スーダンブラウン、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5及びキノリンイエローである。
【0263】
本発明に従う化粧料組成物が水溶性染料を含むとき、この染料は分散された形で組成物中に存在し得る。
【0264】
本発明に従う化粧料組成物は、特定の光学的効果を有する少なくとも1つの材料をもまた含み得る。
【0265】
この効果は、単純な従来の色効果(hue effect)、即ち標準の染料、例えばモノクロマチック顔料から生み出されるような、統合され安定化された効果とは異なる。本発明の目的のために、用語「安定化された」は、観察の角度の関数として又は温度変化に応答して、色の変化の効果を欠いていることを意味する。
【0266】
例えばこの材料は、金属光沢を有する粒子、ゴニオクロマチック着色剤、回折剤、サーモクロミック剤、光学光沢剤(optical brighteners)、及びファイバー、特に干渉ファイバーから選択され得る。言うまでもなく、これらの種々の物質は、同時に2つの効果、本発明に従う新しい効果でさえを与えるように、併用されることができる。
【0267】
本発明において使用され得る金属光沢を有する粒子は、特に
少なくとも1つの金属の及び/又は少なくとも1つの金属誘導の粒子、
モノ物質又はマルチ物質の有機又は鉱物基材を含む粒子であって、少なくとも1つの金属物質及び/又は少なくとも1つの金属誘導体物質を含む金属光沢を有する被覆で少なくとも部分的に被覆されている粒子、及び
上記粒子の混合物
から選択される。
【0268】
該粒子中に存在し得る金属の中で、例えばAg、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te及びSe、及びそれらの混合物又は合金が挙げられ得る。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo及びCr及びそれらの混合物又は合金(例えばブロンズ、及び真鍮)が好ましい金属である。
【0269】
用語「金属誘導体」は、金属、特に酸化物、弗化物、塩化物、及びスルフィドから誘導された化合物を意味することが意図される。
【0270】
これらの粒子の例示として、アルミニウム粒子、例えばSiberline社によりStarbrite 1200 EAC(商標)の名前で、及びEckart社によりMetalure(商標)の名前で販売されているものが挙げられ得る。
【0271】
銅金属粉末又は合金混合物、例えばRadium Bronze社により販売されている製品番号2844、金属顔料、例えばアルミニウム、又はブロンズ、例えばEckart社からRotosafe(商標)700の名前で販売されているもの、Eckart社からVisionarie Bright Silver(商標)の名前で販売されているシリカで被覆されたアルミニウム粒子、及び金属合金粒子、例えばEckart社からVisionarie Bright Natural Gold(商標)の名前で販売されているシリカコートされたブロンズ(銅及び亜鉛の合金)が挙げられ得る。
【0272】
それらはガラス基材を含む粒子、例えば日本板硝子社によりMicroglass Metashine(商標)の名前で販売されているものであり得る。
【0273】
ゴニオクロマチック着色剤は、例えば多層干渉構造及び液晶着色剤から選択され得る。
【0274】
本発明に従って製造された組成物で使用することができる対称的な多層干渉構造の例は、たとえば以下の構造である:Al/SiO/Al/SiO/Al、この構造を有する顔料はデュポン(Dupont de Nemours)社により販売されている;Cr/MgF/Al/MgF/Cr、この構造を有する顔料はフレックス(Flex)社によりChromaflairの名前で販売されている;MoS/SiO/Al/SiO/MoS;Fe/SiO/Al/SiO/Fe、及びFe/SiO/Fe/SiO/Fe、これらの構造を有する顔料はBASF社によりSicopearlの名前で販売されている;MoS/SiO/マイカオキシド/SiO/MoS;Fe/SiO/マイカオキシド/SiO/Fe;TiO/SiO/TiO、TiO/Al/TiO;SnO/TiO/SiO/TiO/SnO;Fe/SiO/Fe;SnO/マイカ/TiO/SiO/TiO/マイカ/SnO、これらの構造を有する顔料はメルク(Merck)社(Darmstadt)によりXironaの名前で販売されている。例えばこれらの顔料はメルク(Merck)社によりXirona Magic(商標)の名前で販売されているシリカ/酸化チタン/酸化スズ構造の顔料、メルク(Merck)社によりXirona Indian Summer(商標)の名前で販売されているシリカ/褐色酸化鉄構造の顔料、及びメルク(Merck)社によりXirona Carribean Blue(商標)の名前で販売されているシリカ/酸化チタン/マイカ/酸化スズ構造の顔料であることができる。資生堂社のInfinite Colors顔料も挙げることができる。種々の層の厚さと性質によって、異なる効果が得られる。このように、Fe/SiO/Al/SiO/Fe構造により、SiO層が320から350nmに変化すると色は緑−金色から赤−灰色に変化し;SiO層が380から400nmに変化すると色は赤から金色へ変化し;SiO層が410から420nmへ変化すると色はバイオレットから緑色へ変化し、SiO層が430から440nmへ変化すると色は赤褐色から赤へ変化する。
【0275】
挙げられ得るポリマー状多層構造を有する顔料の例は、Color Glitterの名称で3M社により販売されるものを含むことができる。
【0276】
使用することができる液晶ゴニオクロマチック粒子の例は、たとえばケニックス(Chenix)社により販売されるもの及びワッカー(Wacker)社によりHelicone(登録商標)HCの名前で販売される製品を含む。
【0277】
他の添加剤
本発明の組成物は、考慮下の分野において通常使用される任意の成分をもまた含み得る。
【0278】
言うまでもなく、当業者は本発明に従う組成物の有利な効果が想定される添加により不利に影響されない、又は実質的にされないように、任意の追加成分及び/又はその量を選択するように注意を払う。
【0279】
このように、本発明に従う組成物は、フィラーから選択された固体粒子をもまた含む。
【0280】
本発明に従う組成物は、ケラチン物質、例えば皮膚、口唇、及び/又は外皮のための皮膚科学又はケア組成物の形態、アンチサン組成物、又はメイクアップ除去組成物の形態、スティックの形態、又はキャストの形態であり得る。組成物は特に皮膚、外皮、又は口唇のためのケアベース(寒さ及び/又は太陽及び/又は風に対して口唇を保護するリップバーム、又は皮膚、爪、又は毛髪のためのケアクリーム)として使用され得る。
【0281】
本発明の組成物は、皮膚のための着色されたメイクアップ製品、特に場合によりケア又はトリートメント性を有していてもよいファンデーション、頬紅、メイクアップルージュ、アイシャドー、コンシーラー製品、アイライナー、ボディメイクアップ製品;リップメイクアップ製品、例えば場合によりケア又はトリートメント性を有していてもよい口紅、リップグロス、又はリップペンシル;外皮、例えば爪又は睫のためのメイクアップ製品、特にマスカラケーキの形態のもの、又は眉毛及び毛髪のためのメイクアップ製品、特にペンシル形態のものでありえる。組成物は特に、無水のスティックの形態であってもよい。
【0282】
言うまでもなく、本発明の組成物は、化粧料的に又は皮膚科学的に許容されるべきであり、即ち該組成物は非毒性の生理学的に許容される媒体を含むべきであり、人間の皮膚、外皮、又は口唇に施与されることができるべきである。本発明の目的のために、用語「化粧的に許容される」は、快適な外観、香り、及び感触を意味する。
【0283】
本発明に従う組成物は化粧料又は皮膚科学において一般的に使用される公知の方法により製造され得る。組成物は、ポリマーを少なくともその軟化点まで加熱すること、オイルをそれに添加すること、及びその全体を攪拌することからなる方法により製造され得る。次に染料及び/又は固体粒子及び添加剤が攪拌しながら添加される。得られる均一混合物は次に適切な型、例えば口紅の型に注がれるか、又は包装物品(特にケース又はディッシュ)に直接注がれる。
【0284】
別の側面に従うと、本発明は:
i) 少なくとも1つの区画を定める容器、該容器は閉鎖部材により閉じられる、及び
ii) 該区画内に入れられた組成物、該組成物は本発明に従うものである、
を含む化粧アセンブリーにもまた関連する。
【0285】
該容器は任意の適切な形態であり得る。瓶、チューブ、ジャー、ケース、箱、小袋(sachet)、又はカートンの形態であり得る。
【0286】
閉鎖部材は、取り外し可能なストッパー、蓋、キャップ、引きちぎるタイプの小片(tear-off strip)又はカプセル、特に容器に結合された本体及びその本体に咬合されたカバーキャップを含むタイプの形態であり得る。閉鎖部材は容器を選択的に閉じるための部材の形態、特にポンプ、バルブ、又はフラップ弁でもまたあり得る。
【0287】
容器はアプリケーター、特に撚られたワイヤーにより保持された歯の列を含むブラシの形態におけるアプリケーターと組み合わされていてもよい。そのような撚られたブラシ特に米国特許第4 887 622号に記載されている。それは、特に成形により得られた複数の施与部材を含む櫛の形態であってもよい。そのような櫛は例えばフランス国特許第2 796 529号に記載されている。アプリケーターは、例えばフランス国特許第2 722 380に記載されているような細かいブラシの形態であってもよい。アプリケーターは、フォーム、又はエラストマーのブロック、フェルト、又はスパチュラの形態であり得る。アプリケーターは自由であるか、(タフト又はスポンジ)、又は例えば米国特許第5 492 426号に記載されているように、閉じる部材により支えられたロッドにしっかりと固定されていてもよい。アプリケーターは、フランス国特許第 2 761 959号に記載されるように、容器にしっかりと固定されていてもよい。
【0288】
製品は、容器に直接又は間接的に入れられ得る。例えば、製品は含浸された支持体、特にワイプ又はパッドの形態のものの上に配列されてもよく、箱又は小袋に(個別に、又は複数で)配列されてもよい。製品を取り込んだそのような支持体は、例えば国際特許国際公開第01/03538号に記載されている。
【0289】
閉鎖部材は、容器にねじ込むことにより結合され得る。あるいは閉鎖部材及び容器の結合はねじ込み以外により、特にバイオネット機構により、クリック固定(click-fastening)、グリッピング、溶接、接着、又は磁力により行われる。用語「クリック固定」は、特に閉鎖部材の一部の弾性的な変形によるビーズ又はコードの横断、続いてビーズ又はコードの横断の後、弾性的にひずんでいない位置への該部分の戻りを含む任意の系を意味する。
【0290】
容器は少なくとも部分的に熱可塑性物質でできていてもよい。挙げられ得る熱可塑性物質の例はポリプロピレン又はポリエチレンを含む。
【0291】
あるいは、容器は非熱可塑性物質、特にガラス又は金属(又は合金)からできている。
【0292】
容器は、特にチューブ又はチューブ上ボトルの形態の硬い壁又は変形可能な壁を有し得る。
【0293】
容器は、組成物の分配する手段、又は分配を容易にする主段を含み得る。例えば容器は変形可能な壁を有し、容器の壁の弾性的(又は非弾性的な)絞りだしにより生じる容器内のこの正圧に応答して組成物が出て行くことを可能とする。又は製品がスティックの形態であるとき特に、製品はピストン機構により押し出され得る。スティック、特にメイクアップ製品(口紅、ファンデーション)の場合にはまだ、容器は機構、特にラック機構(rack mechanism)、ネジ棒機構(threaded-rod mechanism)、又は螺旋溝機構を含み得、スティックを該開口部の方向に移動させることができる。そのような機構は、例えばフランス国特許第2 806 273号又は2 775 566号に記載されている。液状製品のためのそのような機構はフランス国特許第 2 727 609号に記載されている。
【0294】
容器は組成物を含み、少なくとも1つのハウジングを画定する基部を有するカートン、及び蓋、特に、基部上に咬合され、該基部を少なくとも部分的に覆うことのできる蓋からなっていてもよい。そのようなカートンは、例えば国際特許国際公開第 03/018423号及びフランス国第2 791 042号に記載されている。
【0295】
容器は、容器の開口部の領域に配置されたドレーナーを備えられていてもよい。そのようなドレーナーは、アプリケーター、及びおそらくそれにしっかりと固定されている可能性のあるロッドを拭うことを可能にする。そのようなドレーナーは、例えばフランス国特許第2 792 618号に記載されている。
【0296】
組成物は、容器内において大気圧であるか(室温において)、又は特に噴射ガス(エアロゾル)により加圧されていてもよい。後者の場合、容器はバルブ(エアロゾルに使用されるタイプのもの)を備えられている。
【0297】
上述の特許又は特許出願の内容は参照することにより、本特許出願に取り込まれる。
【0298】
本発明は、以下の実施例を参照して記載されるが、制限的な例として与えられるわけではない。
【実施例】
【0299】
実施例1
口紅配合物
【0300】

【0301】
上述のプロトコルに従って試験された、考慮下の配合物は、以下の組織化特性を有する:
74gの硬度
98%の弾性。
【0302】
実施例2
口紅配合物

【0303】
上述のプロトコルに従って試験された、考慮下の配合物は、以下の組織化特性を有する:
108gの硬度
97%の弾性
【0304】
実施例3
メイクアップ製品

【0305】
上述のプロトコルに従って試験された、考慮下の配合物は、以下の組織化特性を有する:
30gの硬度
99%の弾性。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの染料、及び少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有することを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項2】
有効量の、少なくとも2つの異なる有機コポリマーで組織化された液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有することを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのシリコーンオイルを含む液状脂肪相を含み、該液状脂肪相が、少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化されていること、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有するすることを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのシリコーン界面活性剤、及び少なくとも1つの有効量の有機コポリマーで組織化された液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有するすることを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項5】
上記コポリマーが、
1) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、及び/又は
2) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐中に存在するハイブリッドコポリマー、
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
水素結合を形成することのできる上記単位が、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、ウレア、ウレタン、チオウレア、オキサミド、グアニジノ、及びバイグアニジノ基、及びそれらの組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
上記コポリマーが、下記式

に対応する少なくとも1つの単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物、
ここで
1) R、R、R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、
直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C40炭化水素に基づく基、
〜C10アリール基、
ポリオルガノシロキサン鎖;
から選択される基を表す:
2) 基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐のC〜C30アルキレンジイル基を表す、
3) Yは、飽和又は不飽和の、C〜C50の、直鎖又は分岐の2価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレン基を表す、又は
4) Yは、下記式

に対応する基を表し、
ここで、
Tは直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表す、又はTは、N、P、及びAlから選択された3価の原子を表す、及び
は直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル基又はポリオルガノシロキサン鎖を表す;
5) 基Gは同じであるか又は異なっていてもよく、

から選択される2価の基を表し、
ここで
は、水素原子又は直鎖又は分岐のC〜C20のアルキル基を表す、ただし、ポリマーの基Rの少なくとも50%は水素原子を表すこと、及びポリマーの基Gの少なくとも2つは、

以外の基であること、
6) nは2〜500の範囲の整数であり、mは1〜1000の範囲の整数である。
【請求項8】
Yが
a) 直鎖のC〜C20のアルキレン基、
b) C30〜C56の分岐状のアルキレン基、
c) C〜Cのシクロアルキレン基、
d) フェニレン基、
e) 1〜5のアミド基を含むC〜C20のアルキレン基、
f) ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルカン、C〜Cのヒドロキシアルキル及びC〜Cのアルキルアミン基から選択された1以上の置換基を有するC〜C20のアルキレン基、及び
g) 下記式のポリオルガノシロキサン鎖

ここで、R、R、R、R、T及びmは請求項7において定義された通りである、
から選択された基を表す、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
コポリマーが下記式(III)又は(IV)の少なくとも1つの単位を含むところの請求項1に記載の組成物、

又は

ここでR、R、R、R、X、Y、m及びnは請求項7において定義された通りである。
【請求項10】
X及び/又はYが、アルキレン部分に以下の要素の少なくとも1つ、
1) 1〜5のアミド、ウレア、ウレタン、又はカルバメート基、
2) C〜Cのシクロアルキル基、及び
3) フェニレン基
を含むアルキレン基を表すところの、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
Yが

を表すところの、請求項9に記載の組成物、
ここでRはポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tは下記式の基を表す、

ここでa、b及びcは、独立して1〜10の範囲の整数であり、R13は、水素原子、又は請求項7で定義された基R、R、R又はRである。
【請求項12】
、R、R、及びRは、独立して、直鎖又は分岐のC〜C40アルキル基、ポリオルガノシロキサン鎖、又はフェニル基を表すところの、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】

コポリマーが下記式(VII)の少なくとも1つの単位を含む、請求項1に記載の組成物、

ここでX及びXは、同じであるか又は異なっていてもよく、請求項7においてXに与えられた意味を有し、n、Y及びTは請求項7において定義された通りであり、R14〜R21は、請求項7のR〜Rと同じ基から選択された基であり、m及びmは、1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の整数である。
【請求項14】
pは1〜25の範囲であり、
14〜R21はメチル基であり、
Tは、下記式の1つに対応し、

ここでR22は水素原子、又はR〜Rのために定義された基から選択された基であり、R23、R24及びR25は独立して直鎖又は分岐のアルキレン基であり、
及びmは15〜500の範囲であり、
及びXは、−(CH10−を表し、
Yは−CH−を表す、
請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
コポリマーが下記式(VIII)に対応する少なくとも1つの単位を含むところの、請求項1に記載の組成物、

ここでR、R、R、R、X、Y、m及びnは、請求項7において式(I)に対して与えられた意味を有し、Uは−O−又は−NH−を表し、その結果

がウレタン又はウレア基に対応し、又は
Yは、C〜C12の環状脂肪族又は芳香族基を表し、又はYは直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基又はC〜C12の環状アルキレン基を表し、又は
Yは、複数のジイソシアネート分子とジオール又はジアミンタイプのカップリング剤の1以上の分子との縮合物に対応し、下記式(IX)に対応するポリウレタン又はポリウレアブロックを表す 、

ここでBは、Yに対して上で与えられた基から選択された基であり、Uは−O−又は−NH−であり、B
直鎖又は分岐のC〜C40のアルキレン基、
〜C12のシクロアルキレン基、
フェニレン基、及び
下記式の基

から選択され、
ここでTは、炭化水素に基づく3価の基であり、Rはポリオルガノシロキサン鎖又は直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル鎖である。
【請求項16】
コポリマーが、下記式(II)に対応する少なくとも1つの単位を含むポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物、

ここで、
及びRは同じであるか又は異なり、式(I)について請求項7において定義された通りであり、
10は、R及びRについて上で定義された基を表し、又は式−X−G−R12の基を表し、ここでX及びGは、式(I)について請求項7において定義された通りであり、R12は水素原子、又は直鎖又は分岐の、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C50の炭化水素に基づく基又はフェニル基を表し、
11は式−X−G−R12の基を表し、ここでX、G及びR12は上で定義された通りであり、
は1〜998の範囲の整数であり、
は2〜500の範囲の整数である。
【請求項17】
組織化するコポリマーが以下から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物、
mが50〜600の範囲であるところの、請求項9において定義された式(III)のポリアミド;
1) 80〜99重量%の、mが50〜600の範囲であるところのポリアミド、及び
2) 1〜20%の、mが5〜100の範囲であるところのポリアミド
を含む式(III)のポリアミドの混合物;
1) 80〜99重量%の、nが2〜10の範囲であるところのポリアミド、及び
2) 1〜20%の、nが5〜500の範囲であるところのポリアミド
を含む式(III)のポリアミドの混合物;
1) 1〜20重量%の、nが2〜10に等しいポリアミド、及び
2) 80〜99%の、nが30〜500の範囲であるところのポリアミド
を含む式(III)のポリアミドの混合物;
XがC〜C15のアルキル基を表すところの、式(III)のポリアミド;及び
YがC〜C10のアルキル基を表すところの、式(III)のポリアミド。
【請求項18】
50より大きいインデックスmを有する、請求項7に記載された一般式Iのポリジメチルシロキサンブロックコポリマーの少なくとも1を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
15のインデックスmを有する、請求項7に記載された一般式Iのポリジメチルシロキサンブロックコポリマーの少なくとも1を含むことを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
請求項7に記載された一般式Iの少なくとも2つのコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含み、該2のコポリマーが異なる値のインデックスmを有し、1つは50以下であり、他方は50以上であることを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項21】
1〜90重量%の少なくとも1つのシリコーンオイル、
5〜50重量%の、50以上のインデックスmを有するコポリマー、
0.1〜10重量%の、50以下のインデックスmを有するコポリマー、
0.1〜10重量%のシリコーン界面活性剤、及び
0.001〜40重量%の少なくとも1つの染料、
を含むことを特徴とする、請求項20に記載の固体化粧料組成物。
【請求項22】
10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有することを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
請求項7に従う、mは50以上であるところの一般式Iの少なくとも1つの有効量のコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むことを特徴とする、口唇をメイクアップするための固体化粧料組成物。
【請求項24】
少なくとも1つの有効量のエチレンコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むこと、及び10〜250gの範囲の硬度、及び80%より大きい弾性を有することを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項25】
コポリマーがエチレン性モノマーの共重合化から生じること、特にビニル、アクリル、又はメタクリルコポリマーを用いることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
上記コポリマーが、スチレン(S)ブロック又はアルキルスチレン(AS)ブロック、及びエチレン/ブチレン(EB)、エチレン/プロピレン(EP)、ブタジエン(B)、イソプレン(I)、アクリレート(A)及びメタクリレート(MA)ブロックから選択されたブロック、又はこれらのブロックの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
上記コポリマーが少なくとも1つのスチレンブロックを含むことを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
上記コポリマーが、ポリスチレン/ポリイソプレン、ポリスチレン/ポリブタジエン、ポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)、ポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)、スチレン−メタクリレートコポリマー、ポリスチレン−コポリ(エチレン/プロピレン)コポリマー又はポリスチレンコポリ(エチレン/ブチレン)コポリマータイプのブロックコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項29】
その硬度が30〜200gの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載に組成物。
【請求項30】
その弾性が90%より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
組成物の合計重量に対して、0.5〜80重量%のコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
組成物の、有機コポリマー/液状脂肪相の質量比が0.01〜10であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
40℃以上の引火点を有する少なくとも1つのシリコーンオイルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
シリコーンオイルが、以下の化合物:オクチルトリメチコン、ヘキシルトリメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサンD5、オクタメチルシクロテトラシロキサンD4、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンD4、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンD6、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、1.5cStのポリジメチルシロキサン、2cStのポリジメチルシロキサン、3cStのポリメチルシロキサン、及び5cStのポリジメチルシロキサン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるところの、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの非揮発性シリコーンオイルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
液状脂肪相が、少なくとも5重量%、特に10〜90重量%のシリコーンオイルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項37】
モノカルボン酸とモノアルコールとの及びポリアルコールとのエステルから選択された少なくとも1つのエステルオイルをもまた含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項38】
上記エステルが下記式に対応するところの請求項37に記載の組成物、
−CO−O−R
ここで
は、1〜40の炭素原子の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、
は、1〜40の炭素原子の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
【請求項39】
エステルオイルが以下の化合物:イソノニルイソノナノエート、セトステアリルオクタノエート、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート、及びアルコール又はポリアルコールのヘプタノエート、オクタノエート、デカノエート、又はリシノールエートから選択されることを特徴とする、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
液状脂肪相が0.5〜100重量%のエステルオイルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項41】
無水のスティックの形態であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項42】
マスカラケーキ、アイライナー、ファンデーション、口紅、頬紅、ボディーメイクアップ製品、アイシャドウ、メークアップルージュ、又はコンシーラー製品の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項43】
請求項1に記載の化粧料組成物のケラチン物質への施与を含む、人間のケラチン物質をケアする、メイクアップする、又は処理する化粧の方法。
【請求項44】
請求項1に記載の組成物の少なくとも1つの被覆が、その表面の全部又は一部に存在するところの合成の基体。
【請求項45】
10〜250gの範囲の硬度及び80%より高い弾性を有する固体化粧料組成物の製造のために、少なくとも1つの液状脂肪相と組み合わせて少なくとも1つの有機コポリマーを使用する方法。
【請求項46】
上記コポリマーが請求項5において記載された通りであることを特徴とする、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
口唇のメイクアップ組成物において、mが50以上の値を有する、請求項7において定義された一般式(I)のコポリマーを使用する方法。
【請求項48】
a) 少なくとも1つの区画を定める容器、上記容器は閉鎖部材により閉じられる、及び
b) 上記区画内に入れられた組成物、上記組成物は請求項1に記載のものである、
を含む化粧用アセンブリー。
【請求項49】
容器が、少なくとも1つの熱可塑性物質から少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、請求項48に記載の化粧用アセンブリー。
【請求項50】
容器が、少なくとも1つの非熱可塑性物質、特にガラス又は金属から少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、請求項48に記載の化粧用アセンブリー。
【請求項51】
容器の閉じられた位置において、閉鎖部材が容器に回してはめ込まれることを特徴とする、請求項48に記載のアセンブリー。
【請求項52】
容器の閉鎖された位置において、閉鎖部材が回してはめ込むこと以外により容器に接続されることを特徴とする、請求項48に記載のアセンブリー。
【請求項53】
組成物が区画内で実質的に大気圧下にあることを特徴とする、請求項48に記載のアセンブリー。
【請求項54】
組成物が容器内で加圧されていることを特徴とする、請求項48に記載のアセンブリー。
【請求項55】
上記コポリマーが、
1) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、及び/又は
2) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐中に存在するハイブリッドコポリマー、
から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項56】
上記コポリマーが
1) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、及び/又は
2) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐中に存在するハイブリッドコポリマー、
から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項57】
上記コポリマーが
1) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーの鎖中に存在するハイブリッドコポリマー、及び/又は
2) 水素結合を形成することができる少なくとも2つの単位を含み、これらの2つの単位がコポリマーのグラフト又は分岐中に存在するハイブリッドコポリマー、
から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項58】
上記コポリマーが、下記式に対応する少なくとも1つの単位を含むところの請求項2に記載の組成物、

ここで
1) R、R、R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、
直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C40の炭化水素に基づく基、
〜C10のアリール基、
ポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す、
2) 基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐のC〜C30のアルキレンジイル基を表す、
3) Yは、飽和又は不飽和の、C〜C50の、直鎖又は分岐の2価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレン基である、又は
4) Yは、下記式に対応する基を表す、

ここで
Tは、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表す、又はTはN、P及びAlから選択された3価の原子を表す、及び
は、直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル基又はポリオルガノシロキサン鎖を表す、
5) 基Gは同じであるか又は異なっていてもよく、以下から選択される2価の基を表す、

ここでRは、水素原子又は直鎖又は分岐のC〜C20のアルキル基を表す、ただし、ポリマーの基Rの少なくとも50%が水素原子を表すこと、及びポリマーの基Gの少なくとも2つは、

以外の基であること、
6) nは2〜500の範囲の整数であり、mは1〜1000の範囲の整数である。
【請求項59】
上記コポリマーが下記式に対応する少なくとも1つの単位を含むところの、請求項3に記載の組成物、

ここで
1) R、R、R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、
直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C40の炭化水素に基づく基、
〜C10のアリール基、
ポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す、
2) 基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐のC〜C30のアルキレンジイル基を表す、
3) Yは、飽和又は不飽和の、C〜C50の直鎖又は分岐の2価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレン基である、又は
4) Yは、下記式に対応する基を表す、

ここで、
Tは、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表す、又はTはN、P及びAlから選択された3価の原子を表す、及び
は、直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル基又はポリオルガノシロキサン鎖を表す、
5) 基Gは同じであるか又は異なっていてもよく、以下から選択される2価の基を表す、

ここでRは、水素原子又は直鎖又は分岐のC〜C20のアルキル基を表す、ただし、ポリマーの基Rの少なくとも50%が水素原子を表すこと、及びポリマーの基Gの少なくとも2つは、

以外の基であること、
6) nは2〜500の範囲の整数であり、mは1〜1000の範囲の整数である。
【請求項60】
上記コポリマーが下記式に対応する少なくとも1つの単位を含むところの、請求項4に記載の組成物、

ここで
1) R、R、R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、
直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C40の炭化水素に基づく基、
〜C10のアリール基、
ポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す、
2) 基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐のC〜C30のアルキレンジイル基を表す、
3) Yは、飽和又は不飽和の、C〜C50の直鎖又は分岐の2価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレン基である、又は
4) Yは、下記式に対応する基を表す、

ここで、
Tは、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表す、又はTはN、P及びAlから選択された3価の原子を表す、及び
は、直鎖又は分岐のC〜C50のアルキル基又はポリオルガノシロキサン鎖を表す、
5) 基Gは同じであるか又は異なっていてもよく、以下から選択される2価の基を表す、

ここでRは、水素原子又は直鎖又は分岐のC〜C20のアルキル基を表す、ただし、ポリマーの基Rの少なくとも50%が水素原子を表すこと、及びポリマーの基Gの少なくとも2つは、

以外の基であること、
6) nは2〜500の範囲の整数であり、mは1〜1000の範囲の整数である。
【請求項61】
請求項58に記載の一般式Iの少なくとも2つのコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含み、該2つのコポリマーは、異なる値のインデックスmを有し、インデックスmの1つは50以下であり、他方は50以上であることを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項62】
請求項59に記載の一般式Iの少なくとも2つのコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含み、該2のコポリマーは、異なる値のインデックスmを有し、1つは50以下であり、他方は50以上であることを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項63】
請求項60に記載の一般式Iの少なくとも2つのコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含み、該2のコポリマーは、異なるインデックスmを有し、1つは50以下であり、他方は50以上であることを特徴とする固体化粧料組成物。
【請求項64】
mが50以上であるところの、請求項58に記載の一般式Iの少なくとも1つの有効量のコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むことを特徴とする、口唇をメイクアップするための固体化粧料組成物。
【請求項65】
mが50以上であるところの、請求項59に記載の一般式Iの少なくとも1つの有効量のコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むことを特徴とする、口唇をメイクアップするための固体化粧料組成物。
【請求項66】
mが50以上であるところの、請求項60に記載の一般式Iの少なくとも1つの有効量のコポリマーで組織化された少なくとも1つの液状脂肪相を含むことを特徴とする、口唇をメイクアップするための固体化粧料組成物。
【請求項67】
硬度が30g〜200gの範囲であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項68】
硬度が30g〜200gの範囲であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項69】
硬度が30g〜200gの範囲であることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項70】
その弾性が90%より大きいことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項71】
その弾性が90%より大きいことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項72】
その弾性が90%より大きいことを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項73】
組成物の合計重量に対して0.5重量%〜80重量%のコポリマーを含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項74】
組成物の合計重量に対して0.5重量%〜80重量%のコポリマーを含むことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項75】
組成物の合計重量に対して0.5重量%〜80重量%のコポリマーを含むことを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項76】
請求項2に記載の化粧料組成物のケラチン物質への施与を含む、人間のケラチン物質をケアする、メイクアップする、又は処理する化粧の方法。
【請求項77】
請求項3に記載の化粧料組成物のケラチン物質への施与を含む、人間のケラチン物質をケアする、メイクアップする、又は処理する化粧の方法。
【請求項78】
請求項4に記載の化粧料組成物のケラチン物質への施与を含む、人間のケラチン物質をケアする、メイクアップする、又は処理する化粧の方法。
【請求項79】
請求項2に記載の組成物の少なくとも1つの被覆が、その表面の全部又は一部に存在するところの合成の基体。
【請求項80】
請求項3に記載の組成物の少なくとも1つの被覆が、その表面の全部又は一部に存在するところの合成の基体。
【請求項81】
請求項4に記載の組成物の少なくとも1つの被覆が、その表面の全部又は一部に存在するところの合成の基体。
【請求項82】
a) 少なくとも1つの区画を定める容器、上記容器は閉鎖部材により閉じられる、及び
b) 上記区画内に入れられた組成物、上記組成物は請求項2に記載のものである、
を含む化粧用アセンブリー。
【請求項83】
a) 少なくとも1つの区画を定める容器、上記容器は閉鎖部材により閉じられる、及び
b) 上記区画内に入れられた組成物、上記組成物は請求項3に記載のものである、
を含む化粧用アセンブリー。
【請求項84】
a) 少なくとも1つの区画を定める容器、上記容器は閉鎖部材により閉じられる、及び
b) 上記区画内に入れられた組成物、上記組成物は請求項4に記載のものである、
を含む化粧用アセンブリー。

【公開番号】特開2006−225383(P2006−225383A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−19011(P2006−19011)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】