説明

有機光電変換素子の製造方法、及び有機光電変換素子

【課題】高い光電変換効率を有する有機光電変換素子の製造方法、及び該製造方法による有機光電変換素子を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が基板上に設けられた陽極、陰極、光電変換層、及び少なくとも電極のいずれか一方と光電変換層との間に機能層を備える有機光電変換素子の製造方法において、該電極または該機能層を自己組織化単分子膜材料で表面処理した後、該光電変換層が塗布、乾燥、アニール処理により形成されることを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電極または機能層を自己組織化単分子膜材料で表面処理した後、光電変換層を形成することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法、及び該製造方法で製造された有機光電変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機光電変換素子からなる有機薄膜太陽電池は、塗布法でも形成できることから大量生産に適した太陽電池として注目され、多くの研究機関で盛んに研究がなされている。有機薄膜太陽電池は電子ドナー材料と電子アクセプター材料を混合した、所謂、バルクヘテロジャンクション構造によって、課題だった電荷分離効率を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年では、光電変換効率は5〜6%台まで向上してきており、実用化に向けた研究がより活発化してきた分野と言える。しかしながら、今後の実用化に向けた有機光電変換素子においては、より高い効率で発電する有機光電変換素子の開発が望まれている。
【0004】
有機光電変換素子の動作原理について説明すると、まず光励起により発生した励起子が、p型半導体層からn型半導体層の界面に移動し、この励起子が電子を電子受容体層に供与することで、p型半導体層には正孔が、n型半導体層には電子が発生する。そして、内部電界により正孔はp型半導体層を通り一方の電極に運ばれ、電子はn型半導体層通ってもう一方の電極へ運ばれる。この結果、光電流が観測される。
【0005】
バルクヘテロジャンクション構造においては、p型半導体とn型半導体がミクロ的に海島構造を取ったミクロ相分離構造を有していると考えられている。例えば、p型半導体として導電性高分子であるP3HT、n型半導体としてフラーレン誘導体であるPCBMのブレンド溶液を透明性基板上に塗設した後、140〜200℃程度の温度で10分〜60分程度の加熱によるアニールを行うと、ミクロ相分離と同時に導電性高分子P3HTの結晶化が促進される。その結果、P3HTとPCBMの接触界面が増大し、それにより光電荷分離の促進、キャリア(電子、正孔)の輸送経路となる伝導パスが形成され、再結合がより抑制される状態となり、光電変換効率が向上すると考えられている。
【0006】
発電層に用いられる有機半導体の加熱処理に関しては、ホットプレートやオーブンを用いて、加熱処理時の温度に関する提案や加熱処理時に溶媒蒸気に暴露する提案など、これまでに多くの提案がなされている(例えば、特許文献2参照)が、いずれも変換効率の観点からは十分満足できるものではなかった。
【0007】
陽極と光電変換層の間に導電性高分子PEDOT;PSSからなるバッファー層に代表されるように、正孔取り出し層が高効率化に向けては重要な影響因子となっている。その中でも、導電性高分子と不対電子を持つ低分子化合物からなる正孔取り出し層において、導電性高分子の分散性や正孔取り出し層表面の濡れ性を改善するために、フッ素系界面活性剤を含有させることが提案されているが(例えば、特許文献3参照)、本願の発明の効果を示唆する記載は一切ない。
【0008】
また、透明電極と有機半導体層の間にフッ素化物を用いた低屈折率の有機緩衝層を50〜1000nmの範囲で設けることで、好ましくデバイス中への光の侵入、出力が改善されることを提案しているものの(例えば、特許文献4参照)、本発明の効果を示唆する記載は一切ない。
【特許文献1】米国特許第5,331,183号明細書
【特許文献2】米国特許第7,306,968号明細書
【特許文献3】特開2006−278583号公報
【特許文献4】特表2007−536718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子の製造方法、及び該製造方法による有機光電変換素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0011】
1.少なくとも一方が基板上に設けられた陽極、陰極、光電変換層、及び少なくとも電極のいずれか一方と光電変換層との間に機能層を備える有機光電変換素子の製造方法において、該電極または該機能層を自己組織化単分子膜材料で表面処理した後、該光電変換層が塗布、乾燥、アニール処理により形成されることを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
【0012】
2.前記自己組織化単分子膜材料が含フッ素系化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子の製造方法。
【0013】
3.前記含フッ素系化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記2に記載の有機光電変換素子の製造方法。
【0014】
一般式(1) R−X
(式中、Rはフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロシクロアルキル基、含フッ素芳香族炭化水素環基、または含フッ素芳香族複素環基であり、Xはシリル基、ホスホノ基、チオール基である。)
4.前記光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料との混合物からなることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
【0015】
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする有機光電変換素子。
【発明の効果】
【0016】
本発明の製造方法により、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0018】
本発明者は、有機光電変換素子の効率向上の課題に関して鋭意検討を行った結果、少なくとも一方が基板上に設けられた透明である陽極及び陰極、少なくとも1種の有機半導体を含む光電変換層、少なくとも電極のいずれか一方と光電変換層との間の機能層を備える有機光電変換素子の製造方法において、該電極または該機能層を自己組織化単分子膜材料で表面処理した後、該光電変換層が塗布、乾燥、アニール処理により順次形成されることを特徴とする製造方法によって、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子を作製実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
【0019】
本発明の有機光電変素子においては、透明電極としてITO(Indium Tin Oxide:スズ添加酸化インジウム)などの上にp型半導体やn型半導体からなる光電変換層を設けるものであるが、本発明に係る電極または機能層を自己組織化単分子膜材料で表面処理することで界面張力を最適に下げることができる。その表面処理した自己組織化単分子膜上に、有機半導体層を塗布することで塗布故障にならない程度に微視的には半導体が集結状態を作りやすくなり、加熱などのアニールされることで有機半導体の結晶化度や結晶サイズが良化し、高い光電変換効率を得られたものと考えられる。
【0020】
以下、これらについて詳細に説明する。
【0021】
(有機光電変換素子)
図1は電極(金属電極)が自己組織化単分子膜材料で表面処理された、本発明のバルクヘテロ接合型の有機光電変換素子を示す断面図である。
【0022】
図1において、バルクヘテロ接合型の有機光電変換素子10は、透明基板11上に、金属電極12、本発明に係る自己組織化単分子膜からなる薄膜層13、バルクヘテロジャンクション層の光電変換層14、機能層としての電子輸送層15、透明電極(ITO)16、透明基板17が順次積層されている。
【0023】
図2は機能層(電子輸送層)が自己組織化単分子膜材料で表面処理された、本発明のバルクヘテロ接合型の有機光電変換素子を示す断面図である。
【0024】
図2において、バルクヘテロ接合型の有機光電変換素子10は、透明基板11上に、透明電極(ITO)16、機能層としての電子輸送層15、本発明に係る自己組織化単分子膜からなる薄膜層13、バルクヘテロジャンクション層の光電変換層14、機能層としての正孔輸送層18、金属電極12、透明基板17が順次積層されている。
【0025】
光電変換層は光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
【0026】
(p型半導体材料)
本発明に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
【0027】
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
【0028】
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
【0029】
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーの内、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
【0030】
更に、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、更にポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号公報に記載の有機、無機混成材料も用いることができる。
【0031】
これらのπ共役系材料の内でも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0032】
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基を持ったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,Vol.127,No.14,4986等に記載の置換アセン類及びその誘導体等が挙げられる。
【0033】
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、且つ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,Vol.123,p9482、J.Amer.Chem.Soc.,Vol.130(2008),No.9,2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、及び米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。
【0034】
これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。これは、プリカーサータイプの方が、変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができるためである。
【0035】
(n型半導体材料)
本発明に用いられるn型半導体材料の例としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物、またはこれらの構造を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
【0036】
そして、光電変換層は光電変換率を向上すべく、製造工程中において所定の温度でアニール処理され、微視的に一部結晶化されている。
【0037】
図1において、透明基板17を介して透明電極16から入射された光は、光電変換層14のバルクヘテロジャンクション層におけるp型半導体及び電子受容体であるn型半導体が光を吸収し、光励起により発生した励起子がp型半導体とn型半導体の界面に移動する。励起子は該界面でフリーキャリアである正孔と電子に電荷分離する。そして、電荷分離したキャリアは内部電界により正孔はp型半導体層を通り、一方のAu等に代表される金属電極12に運ばれ、電子はn型半導体層を通って、もう一方のITOに代表される透明電極16へ運ばれ、光電流が検出される。
【0038】
例えば、透明電極16の仕事関数が金属電極12の仕事関数よりも大きい場合では、電子は透明電極16へ、正孔は金属電極12へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、透明電極16と金属電極12との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
【0039】
なお、光電変換層14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
【0040】
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。この内、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。塗布後は、残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び前述のような半導体材料の化学反応を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。
【0041】
(自己組織化単分子膜)
本発明において、自己組織化単分子膜とは、膜形成面の構成原子(例えば、水酸基)と結合可能な官能基を有する化合物(自己組織化単分子膜材料)とを、気体または液体の状態で膜形成面と共存させることにより、前記官能基が膜形成面の構成原子と吸着乃至結合して、直鎖分子を外側に向けて形成された緻密な単分子膜である。この単分子膜は化合物の膜形成面に対する自発的な化学吸着によって形成されることから、自己組織化単分子膜(SAM膜)と称される。
【0042】
なお、自己組織化単分子膜については、A.Ulman著「An Introduction to Ultrathin Organic Film from Langmuir−Blodgett to Self−Assembly」(Academic Press Inc.Boston,1991)の第3章に詳しい。
【0043】
本発明において、膜形成面としては、金属電極、ITOなどの透明電極、更には機能層を形成する酸化物が挙げられ、自己組織化単分子膜材料としては、硫黄化合物、ニトリル化合物、モノアルキルシラン、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸エステル、シラン化合物が挙げられる。本発明においては、自己組織化単分子膜は自己組織化単分子膜材料を溶媒に溶解し、これを塗布することによって形成される。
【0044】
本発明において自己組織化単分子膜材料としては、含フッ素系化合物が好ましく、特には前記一般式(1)で表される含フッ素系化合物が好ましい。
【0045】
一般式(1)において、Rはフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロシクロアルキル基、含フッ素芳香族炭化水素環基、または含フッ素芳香族複素環基であり、Xはシリル基、ホスホノ基、チオール基である。
【0046】
フルオロアルキル基が直鎖または分岐であり、含フッ素芳香族炭化水素環基形成の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
【0047】
また、含フッ素芳香族複素環基形成の素芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。
【0048】
Xが表すシリル基として具体的には、−SiCl、−Si(OCH、−Si(OCが挙げられる。
【0049】
なお、本発明において、金属に対してはチオール基を有する自己組織化単分子膜材料、酸化物に対してはシリル基、ホスホノ基を有する自己組織化単分子膜材料がそれぞれ用いられる。
【0050】
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
【化1】

【0052】
(機能層)
本発明のバルクヘテロ接合型の有機光電変換素子は、透明電極や金属電極と光電変換層との間に、機能層として、正孔輸送層(電子ブロック層)、電子輸送層(正孔ブロック層)、あるいは平滑化層等の他の層を有してバルクヘテロ接合型の有機光電変換素子が構成されてもよい。これらの中でも、光電変換層と陽極(通常、透明電極側)との中間には正孔輸送層(電子ブロック層)を、陰極(通常、金属電極側)との中間には電子輸送層(正孔ブロック層)を形成することで、光電変換層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
【0053】
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層(電子ブロック層)としては、スタルクヴイテック製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、国際公開第06/19270号パンフレット等に記載のシアン化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
【0054】
また、電子輸送層(正孔ブロック層)としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、光電変換層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
【0055】
(透明基板)
本発明に係る透明基板に用いられる透明基材としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はない。例えば、基材としての硬度に優れ、またその表面への導電層の形成のしやすさ等の点で、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0056】
本発明で透明基材として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
【0057】
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
【0058】
中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
【0059】
本発明に用いられる透明基材には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については、従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
【0060】
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。また、透明基材にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明電極を設けるのとは反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
【0061】
(透明電極)
本発明に係る透明導電層を有する透明電極は有機光電変換素子においては、その仕事関数により陽極にも陰極にもなり得る。
【0062】
本発明に係る透明電極においては、全光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。全光透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。
【0063】
また、本発明に係る透明電極の電気抵抗値としては、表面抵抗率として50Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましく、3Ω/□以下であることが特に好ましい。50Ω/□を越えると受光面積の広い有機光電変換素子では光電変換効率が劣る場合がある。前記表面抵抗率は、例えば、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)などに準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
【0064】
本発明に係る透明電極の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的に10μm以下であることが好ましく、厚みが薄くなるほど透明性や柔軟性が向上するためより好ましい。
【0065】
材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤやカーボンナノチューブといった導電性繊維、導電性高分子を用いることができる。
【0066】
透明電極の形成方法は特に制限はないが、すべての剤を塗布系で形成すれば、所謂ロールtoロールプロセスが使用できるようになり、真空プロセスを用いる場合よりも簡単な設備で高速で連続的な生産が可能となりより好ましい。
【0067】
(金属電極)
本発明に係る金属電極は有機光電変換素子においては、その仕事関数により陽極にも陰極にもなり得る。本発明に係る金属電極部は導電材単独層で合ってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。金属電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
【0068】
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
【0069】
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等を好ましく用いることもできる。
【0070】
金属電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
【0071】
金属電極の導電材として金属材料を用いれば、金属電極側に来た光は反射されて透明電極側にもどる。透明電極の金属ナノワイヤは光の一部を後方に散乱あるいは反射するが、金属電極の導電材として金属材料を用いることでこの光が再利用可能となり、より光電変換効率が向上する。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0073】
実施例1
《有機光電変換素子STA−1の作製》
(金属電極TA−1の作製)
バリア層を有するPENフィルム(全光透過率90%)を基板として用い、基板を真空蒸着機にセットして、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、Auを80nm蒸着して陽極となるTA−1を形成した。
【0074】
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を180℃で3分間加熱処理した。
【0075】
次に、クロロベンゼンにP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)(リーケメタル製;Mn=45000、レジオレギュラータイプ、高分子p型半導体材料)1.0質量%、PCBM(6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を1.0質量%溶解した液を調製し、0.45μmのフィルターで濾過しながら500rpmで60秒、次いで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分放置後、160℃で30分加熱した。
【0076】
更に上記光電変換層上に、エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/Lになるように溶解した液を調製し、マスキングした後、膜厚20nmになるように塗布を行い、水蒸気量を調節した窒素中放置して電子輸送層を成膜した。
【0077】
上記の光電変換層、電子輸送層を成膜したTA−1を真空蒸着装置内に設置した。TA−1と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、ITOを150nm蒸着し陽極を形成することで、2mm角のサイズの有機光電変換素子STA−1を得た。
【0078】
得られた有機光電変換素子STA−1は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陰極の周囲に接着剤を塗り、PENフィルムを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
【0079】
《有機光電変換素子STA−2の作製》
TA−1を作製した後、例示化合物A1をトルエンに溶解した溶液にTA−1を30分間浸漬した後、イソプロパノール、アセトンを用いてそれぞれの溶媒で洗浄を行うことで余剰の例示化合物A1を取り除き、TA−1上に例示化合物A1の自己組織化単分子膜を形成した。上記作業以降は有機光電変換素子STA−1の作製と同等にして、有機光電変換素子STA−2を作製した。
【0080】
得られた有機光電変換素子STA−2は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陰極の周囲に接着剤を塗り、PENフィルムを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
【0081】
《有機光電変換素子STA−3、4の作製》
有機光電変換素子STA−2の作製において、例示化合物A1をトルエンに溶解した溶液の代わりに例示化合物B1、C1にそれぞれ置き換えた以外は同様にして、有機光電変換素子STA−3、4を作製した。
【0082】
得られた有機光電変換素子STA−3、4は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陰極の周囲に接着剤を塗り、PENフィルムを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
【0083】
〔有機光電変換素子の評価〕
《光電変換効率》
ガラス製の封止キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行った有機光電変換素子に、ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの強度で照射して、電圧−電流特性を測定し、光電変換効率を求めた。即ち、各有機光電変換素子について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(F.F.)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、太陽電池の光電変換効率(η(%))は、下記式(A)に基づいて算出した。
【0084】
η=100×(Voc×Jsc×F.F.)/P・・・(A)
ここで、Pは入射光強度[mW/cm]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm−2]、F.F.は形状因子を示す。
【0085】
【表1】

【0086】
表1から、本発明の有機光電変換素子が、高い光電変換効率を有していることが分かる。
【0087】
実施例2
《有機光電変換素子STC−21の作製》
(透明電極TC−1の作製)
バリア層を有するPENフィルム(全光透過率90%)上にITOを平均膜厚150nmで蒸着し、陰極となるTC−1を作製した。
【0088】
TC−1上に、エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/Lになるように溶解した液を調製し、マスキングした後、膜厚20nmになるように塗布を行い、水蒸気量を調節した窒素中放置して電子輸送層を成膜した。
【0089】
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を180℃で3分間加熱処理した。
【0090】
次に、クロロベンゼンにP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)(リーケメタル製;Mn=45000、レジオレギュラータイプ、高分子p型半導体材料)1.0質量%、PCBM(6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を1.0質量%溶解した液を調製し、0.45μmのフィルターで濾過しながら500rpmで60秒、次いで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分放置後、160℃で30分加熱した。
【0091】
次に、導電性高分子であるPEDOT/PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)−poly(styrenesulfonate))(Baytron P4083、H.C.Starck製)を30nmの膜厚でスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
【0092】
更に、上記の光電変換層、正孔輸送層を成膜したTC−1を真空蒸着装置内に設置した。TC−1と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、Auを80nm蒸着し陽極を形成することで、2mm角のサイズの有機光電変換素子STC−21を得た。
【0093】
得られた有機光電変換素子STC−21は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
【0094】
《有機光電変換素子STC−22の作製》
有機光電変換素子STC−21の作製において、電子輸送層を成膜したTC−1上に、例示化合物A2をトルエンに溶解した溶液にTC−1を30分間浸漬した後、イソプロパノール、アセトンを用いてそれぞれの溶媒で洗浄を行うことで余剰の例示化合物A2を取り除き、TC−1上に例示化合物A2の自己組織化単分子膜を形成した。上記作業以降は有機光電変換素子STC−21の作製と同等にして、有機光電変換素子STC−22を作製した。
【0095】
得られた有機光電変換素子STC−22は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陽極の周囲に接着剤を塗り、PENフィルムを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
【0096】
《有機光電変換素子STC−23、24の作製》
有機光電変換素子STC−22の作製において、例示化合物A2をトルエンに溶解した溶液の代わりに例示化合物B2、C2にそれぞれ置き換えた以外は同様にして、有機光電変換素子STC−23、24を作製した。
【0097】
得られた有機光電変換素子STC−23、24は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
【0098】
作製した有機光電変換素子STC−21〜24において、実施例1と同様に光電変換効率を評価した。
【0099】
【表2】

【0100】
表2から、本発明の有機光電変換素子が、高い光電変換効率を有していることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】電極(金属電極)が自己組織化単分子膜材料で表面処理された、本発明のバルクヘテロ接合型の有機光電変換素子を示す断面図である。
【図2】機能層(電子輸送層)が自己組織化単分子膜材料で表面処理された、本発明のバルクヘテロ接合型の有機光電変換素子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0102】
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11、17 透明基板
12 金属電極
13 自己組織化単分子膜からなる薄膜層
14 光電変換層
15 電子輸送層
16 透明電極
18 正孔輸送層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が基板上に設けられた陽極、陰極、光電変換層、及び少なくとも電極のいずれか一方と光電変換層との間に機能層を備える有機光電変換素子の製造方法において、該電極または該機能層を自己組織化単分子膜材料で表面処理した後、該光電変換層が塗布、乾燥、アニール処理により形成されることを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
【請求項2】
前記自己組織化単分子膜材料が含フッ素系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子の製造方法。
【請求項3】
前記含フッ素系化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項2に記載の有機光電変換素子の製造方法。
一般式(1) R−X
(式中、Rはフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロシクロアルキル基、含フッ素芳香族炭化水素環基、または含フッ素芳香族複素環基であり、Xはシリル基、ホスホノ基、チオール基である。)
【請求項4】
前記光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料との混合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする有機光電変換素子。

【図1】
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【図2】
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