説明

有機性廃棄物のメタン発酵処理方法及び該システム

【課題】有機性廃棄物を可溶化する調整槽において、加温用の消費熱量を削減でき、安定して効率的なメタン発酵処理を可能とした有機性廃棄物のメタン発酵処理方法及び該システムを提供する。
【解決手段】有機性廃棄物10を調整槽2にて加温して可溶化処理した後、該調整槽2からの液状廃棄物12をメタン発酵槽5にてメタン発酵処理し、該メタン発酵槽5からの消化汚泥14を滅菌槽7で加熱滅菌処理し、液肥15を製造するようにした有機性廃棄物のメタン発酵処理方法において、滅菌槽7から排出される液肥15の一部を調整槽2に戻入し、該液肥15を有機性廃棄物10の希釈水として用いるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃棄物をメタン発酵処理し、該メタン発酵処理で発生した消化汚泥を滅菌して液肥を製造するようにした有機性廃棄物のメタン発酵処理方法及び該システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機性廃棄物の処理方法として、環境負荷が小さく且つエネルギーや資源を回収できるメタン発酵処理が広く用いられている。メタン発酵処理により発生したバイオガスは燃料として用いることができ、また消化汚泥は液肥又は堆肥として利用することができる。消化汚泥を液肥として利用する場合、メタン発酵処理後の消化汚泥中にはメタン生成菌等の微生物が残存するため、植物の生育に阻害を与えないように、消化汚泥を滅菌する必要がある。
【0003】
一般的なメタン発酵処理システムのフローを図4に示す。有機性廃棄物は固形物濃度が数万〜数十万mg/lと高く、且つ粗大な固形物を多く含む場合もあるため、まず前処理設備51で破砕や選別等の前処理を行った後、調整槽52にて希釈水を加えて可溶化処理を行う。調整槽52では、加温により廃棄物中の有機物を可溶化、加水分解して低分子化する。調整槽52は撹拌手段を備えており、例えば図中に示されるように、該調整槽52から一部引き抜いた液状廃棄物61を循環ポンプにより循環させて槽内を撹拌する。調整槽52から排出される液状廃棄物62は、メタン発酵槽53にてメタン生成菌の分解作用によりメタン発酵される。メタン発酵処理で発生したバイオガスはガス利用設備にて有効利用される。一方、メタン発酵槽53から引き抜かれた消化汚泥63は、滅菌槽54で加熱されて滅菌処理された後、液肥貯留設備55に送給され液肥として利用される。
【0004】
有機性廃棄物から液肥を製造する方法として、特許文献1(特開2006−256871号公報)には、澱粉製造排水を加熱して滅菌するとともに溶解性のたんぱく質を変性して析出させ、固液分離により固形分を分離し、分離液を嫌気性微生物処理し、液肥を製造する方法が開示されている。ここで加熱殺菌は、澱粉製造排水中に含まれる病原性菌を滅菌するために行われる。
【0005】
【特許文献1】特開2006−256871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、有機性廃棄物のメタン発酵処理において、搬入される有機性廃棄物の固形物濃度が、想定されるTS濃度、例えば10〜20%より高くなる場合、調整槽での可溶化による流動性が確保できず、メタン発酵槽へ投入される量、投入物の性状などが制御できなくなり、安定投入に支障をきたす惧れがあった。
そこで、流動性を確保するために外部より水を導入し、調整槽で希釈した場合、メタン発酵槽での処理量が増加し、液肥を貯留する貯留槽が大型化したり、液肥の過剰生産となったりする。
【0007】
また、外部からの水ではなく、メタン発酵槽からの消化液を調整槽に返送し、希釈水として用いる場合、消化液中に残存するメタン生成菌により、調整槽でメタン、水素などのガス発生を促すこととなり可溶化処理が円滑に行えないという問題があった。
尚、特許文献1に記載される液肥製造方法は、固形物濃度が低い澱粉製造排水を原料としているため、可溶化処理を行う調整槽は必要なく、有機性廃棄物の処理フローとは異なるものである。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、有機性廃棄物を可溶化する調整槽において、加温用の消費熱量を削減でき、安定して効率的なメタン発酵処理を可能とした有機性廃棄物のメタン発酵処理方法及び該システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
有機性廃棄物を調整槽にて加温して可溶化処理した後、該調整槽からの液状廃棄物をメタン発酵槽にてメタン発酵処理し、該メタン発酵槽からの消化汚泥を滅菌槽で加熱滅菌処理し、液肥を製造するようにした有機性廃棄物のメタン発酵処理方法において、
前記滅菌槽から排出される液肥の一部を前記調整槽に戻入し、該液肥を有機性廃棄物の希釈水として用いることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、滅菌槽で加熱滅菌処理して得られた液肥は温度が高いので、有機性廃棄物を調整槽にて可溶化する熱源としても利用可能で、消費熱量を削減でき効率的な処理とすることができる。また、消化汚泥を直接返送した場合に比較し、液肥は加熱滅菌処理されているため、メタン生成菌等のガス発生を促進する微生物も滅菌、或いはダメージを受けており、調整槽にてメタンガスや水素ガス等のガスが発生する不具合を防止できる。また、外部からの希釈水を低減、又は不要化でき、液肥を貯留する設備の容積を低減できる。これにより、固形物濃度TSが20〜90%といった食品廃棄物、例えば、廃棄ビスケットや廃棄小麦粉などの高固形物濃度廃棄物も受け入れることが可能となる。
【0010】
また、前記メタン発酵槽からの消化汚泥を固液分離し、該固液分離した分離液のみを前記滅菌槽に導入することを特徴とする。
本構成によれば、消化汚泥を固液分離した分離液のみを滅菌処理し液肥としているため、液肥の固形物濃度が小さく、返送のための移送が容易で、調整槽での水分調整、濃度調整が容易となる。また、少ない液肥の量で効率よく有機性廃棄物を希釈でき、希釈後の濃度も容易に把握可能である。さらにまた、固液分離した後の分離液のみを滅菌槽に供給し、加熱滅菌処理しているため、滅菌槽での処理量が低減でき、消費熱量を削減することが可能である。
【0011】
さらに、前記メタン発酵槽からの消化汚泥を、前記滅菌槽で加熱滅菌処理した後に固液分離し、固形分を分離した液肥の一部を前記調整槽に戻入することを特徴とする。
本構成によれば、消化汚泥を加熱滅菌処理した後に固液分離し、固形分を分離した液肥とすることにより、液肥の固形物濃度が小さく、返送のための移送が容易で、調整槽での水分調整、濃度調整が容易となる。また、少ない液肥の量で効率よく有機性廃棄物を希釈でき、希釈後の濃度も容易に把握可能である。さらにまた、液肥とともに分離汚泥も滅菌処理されており、病原体等が少なく安全性の高い堆肥として利用可能である。
【0012】
また、有機性廃棄物を加温により可溶化処理する調整槽と、該調整槽からの液状廃棄物をメタン発酵処理するメタン発酵槽と、該メタン発酵槽からの消化汚泥を加熱滅菌処理して液肥を得るようにした滅菌槽と、を備えた有機性廃棄物のメタン発酵処理システムにおいて、
前記滅菌槽の出口側から前記調整槽に前記液肥の一部を返送する返送ラインを設けたことを特徴とする。
【0013】
さらに、前記メタン発酵槽の後段に固液分離装置を設け、該固液分離装置で分離された分離液を前記滅菌槽に導入することを特徴とする。
さらにまた、前記滅菌槽の後段に固液分離装置を設け、該固液分離装置で固形分を分離した液肥の一部を、前記返送ラインにより前記調整槽に返送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上記載のごとく本発明によれば、滅菌槽で加熱滅菌処理して得られた液肥は温度が高いので、有機性廃棄物を調整槽にて可溶化する熱源としても利用可能で、消費熱量を削減でき効率的な処理とすることができる。また、消化汚泥を直接返送した場合に比較し、液肥は加熱滅菌処理されているため、メタン生成菌等のガス発生を促進する微生物も滅菌、或いはダメージを受けており、調整槽にてメタンガスや水素ガス等のガスが発生する不具合を防止できる。また、外部からの希釈水を低減、又は不要化でき、液肥を貯留する設備の容積を低減できる。これにより、固形物濃度TSが20〜90%といった高固形物濃度廃棄物も受け入れることが可能となる。
【0015】
また、消化汚泥を固液分離した分離液のみを滅菌処理し液肥とすることにより、液肥の固形物濃度が小さく、返送のための移送が容易で、調整槽での水分調整、濃度調整が容易となる。また、少ない液肥の量で効率よく有機性廃棄物を希釈でき、希釈後の濃度も容易に把握可能である。さらにまた、固液分離した後の分離液のみを滅菌槽に供給し、加熱滅菌処理しているため、滅菌槽での処理量が低減でき、消費熱量を削減することが可能である。
【0016】
また、消化汚泥を加熱滅菌処理した後に固液分離し、固形分を分離した液肥とすることにより、液肥の固形物濃度が小さく、返送のための移送が容易で、調整槽での水分調整、濃度調整が容易となる。また、少ない液肥の量で効率よく有機性廃棄物を希釈でき、希釈後の濃度も容易に把握可能である。さらにまた、液肥とともに分離汚泥も滅菌処理されており、病原体等が少なく安全性の高い堆肥として利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る処理システムのブロック図である。この処理システムは、有機性廃棄物10が投入され、破砕、選別等の前処理を行う前処理設備1と、前処理された有機性廃棄物10を加温して可溶化処理する調整槽2と、該調整槽2からの液状廃棄物12が圧送ポンプ4により供給され、この液状廃棄物12をメタン発酵するメタン発酵槽5と、該メタン発酵槽5から引き抜かれた消化汚泥14が圧送ポンプ6により供給され、消化汚泥14を加熱滅菌処理して液肥15を得る滅菌槽7と、滅菌した液肥15を貯留する液肥貯留設備8とを備える。
【0019】
前記前処理設備1は、有機性廃棄物10をメタン発酵に適したものにする前処理を行う設備であり、破砕、選別の少なくとも何れかの処理を含む。破砕はメタン発酵に適した大きさに食品廃棄物を破砕する。選別は、ビニールやプラスチック等のメタン発酵に不適なものを除去する。前処理設備1としては、回転式選別機、回転ブレード式破砕選別機、選択破砕選別機、圧縮選別機、湿式粉砕選別機等が用いられる。
【0020】
前記調整槽2には、前処理設備1で前処理された有機性廃棄物10が供給される。該調整槽2は、加温により有機性廃棄物10の固形物を低分子化して溶解性にする。例えば有機性廃棄物10を加熱手段(図示略)により30〜45℃程度に加温し、有機性廃棄物10を可溶化処理する。このとき、一部酸発酵が行われることも含む。調整槽2は、撹拌手段により撹拌混合される。一例として、図1に示すように撹拌ポンプ3を設け、調整槽2から一部引き抜いた液状廃棄物11を撹拌ポンプ3により調整槽2に戻し、循環させて槽内を撹拌する構成が挙げられる。
また調整槽2は、希釈水による水量調整や濃度調整が行われる。この希釈水については、後述する。
【0021】
前記メタン発酵槽5は、槽内にメタン生成菌等の嫌気性微生物が繁殖しており、嫌気性微生物が卓越して繁殖できる環境に温度、pH等の条件が維持されており、主として水素・酢酸生成及びメタン生成からなるメタン生成段階が行なわれ、バイオガス13及び消化汚泥14が発生する。メタン発酵槽5は、中温メタン発酵若しくは高温メタン発酵の何れを用いても良く、中温メタン発酵の場合には、槽内温度条件を37±2℃程度とし、高温メタン発酵の場合には、槽内温度条件を55±2℃程度とする。
【0022】
前記滅菌槽7は、メタン発酵槽5から引き抜かれた消化汚泥14が圧送ポンプ6により供給され、消化汚泥14を加熱手段(図示略)で加熱することにより滅菌処理する。好適には、65〜80℃に加熱する。
前記液肥貯留設備8には、滅菌槽7で滅菌処理して得られた液肥15が貯留される。該液肥貯留設備8では、必要に応じて、液肥として不足される元素を添加して成分調整したり、SS濃度を調整する。
【0023】
以上の構成を有する処理システムについて、その作用を処理方法とともに説明する。
有機性廃棄物10は、前処理設備1にて破砕、選別等の前処理が施された後、調整槽2にて滅菌槽7からの液肥15の一部を希釈水として供給し、加温により可溶化処理される。調整槽2から排出された液状廃棄物12は、圧送ポンプ4によりメタン発酵槽5に送給される。
メタン発酵槽5で、液状廃棄物12はメタン発酵処理され、バイオガス13が発生するとともに消化汚泥14が発生する。バイオガス13は、回収してメタン利用設備にて有効利用することが好ましい。一例として、バイオガス13をガスホルダに回収し、脱硫塔にて脱硫した後、ガスエンジンの燃料とする。
消化汚泥14は、圧送ポンプ6にて滅菌槽7に送給され、該滅菌槽7で65〜80℃にて加熱滅菌処理される。滅菌槽7にて滅菌処理して得られた液肥15は、液肥貯留設備8に送給され、貯留される。また、液肥15の一部は、返送ライン16を介して調整槽2に返送され、希釈水として有機性廃棄物10の水分調整、濃度調整に用いられる。尚、調整槽2に供給する希釈水として、返送した液肥15の他に、従来通り、工業用水等の外部からの希釈水を併せて供給してもよい。
【0024】
本実施形態では、滅菌槽7で加熱滅菌処理して得られた液肥15は温度が65〜80℃と高いので、有機性廃棄物10を調整槽2にて可溶化する熱源としても利用可能で、消費熱量を削減でき効率的な処理とすることができる。また、消化汚泥14を直接返送した場合に比較し、液肥15は加熱滅菌処理されているため、メタン生成菌等のガス発生を促進する微生物も滅菌、或いはダメージを受けており、調整槽2にてメタンガスや水素ガス等のガスが発生する不具合を防止できる。また、外部からの希釈水を低減、又は不要化でき、液肥貯留設備8の容積も低減できる。これにより、固形物濃度TSが20〜90%といった食品廃棄物、例えば、廃棄ビスケットや廃棄小麦粉などの高固形物濃度廃棄物も受け入れることが可能となる。
【0025】
図2及び図3に、上記実施形態を応用した処理システムのブロック図を示す。
図2に示される処理システムは、図1に示した構成に加えて、メタン発酵槽5の消化汚泥出口側に固液分離装置9を接続し、該固液分離装置9の分離液出口側に滅菌槽7を接続した構成としている。
本構成では、メタン発酵槽5からの消化汚泥14を固液分離装置9に送給し、該固液分離装置9にて分離液17と分離汚泥18に固液分離し、分離液17のみを滅菌槽7に送給し、加熱滅菌処理を行っている。滅菌槽7からの液肥15は液肥貯留設備8に送られるとともに、その一部は返送ライン16を介して調整槽2に返送され、希釈水として用いられる。一方、分離汚泥18は、堆肥化処理、焼却処理、燃料化処理等により処理されるが、好適には堆肥化することが好ましく、これにより有機性廃棄物10を有効に資源化できる。
【0026】
本構成によれば、消化汚泥14を固液分離した分離液17のみを滅菌処理し液肥15としているため、液肥15の固形物濃度が小さく、図1に示した処理システムに比較し、返送のための移送が容易で、調整槽2での水分調整、濃度調整が容易となる。また、少ない液肥15の量で効率よく有機性廃棄物10を希釈でき、希釈後の濃度も容易に把握可能である。また、分離汚泥18を堆肥化することで、有機性廃棄物10を有効に資源化できる。
さらに、固液分離した後の分離液17のみを滅菌槽7に供給し、加熱滅菌処理しているため、滅菌槽7での処理量が低減でき、消費熱量を削減することが可能である。
【0027】
図3に示される処理システムは、図1に示した構成に加えて、滅菌槽7の出口側に固液分離装置9を接続し、該固液分離装置9の分離液出口側に液肥貯留設備8を接続した構成とし、固液分離装置9からの分離液(液肥)17の一部を調整槽2に返送する返送ライン16を設けた構成としている。
本構成では、メタン発酵槽5からの消化汚泥14を滅菌槽7で加熱滅菌処理した後、得られた液肥15を固液分離装置9に供給し、該固液分離装置9で分離汚泥18と分離された液肥17は液肥貯留設備8に送られるとともに、その一部は、返送ライン16を介して調整槽2返送され、希釈水として用いられる。
【0028】
本構成によれば、消化汚泥14を加熱滅菌処理した後に固液分離し、固形分を分離した液肥17とすることにより、液肥17の固形物濃度が小さく、図1に示した処理システムに比較し、返送のための移送が容易で、調整槽2での水分調整、濃度調整が容易となる。また、少ない液肥17の量で効率よく有機性廃棄物10を希釈でき、希釈後の濃度も容易に把握可能である。また、分離汚泥18を堆肥化することで、有機性廃棄物10を有効に資源化できる。
さらにまた、液肥17とともに分離汚泥18も滅菌処理されており、病原体等が少なく安全性の高い堆肥として利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、システムの消費熱量を削減でき、安定して効率的なメタン発酵処理を可能とするとともに、安全な液肥を製造することができるため、各種有機性廃棄物をメタン発酵処理して液肥を製造するシステム全般に幅広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る処理システムのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を応用した処理システムのブロック図である。
【図3】本発明の実施形態を応用した処理システムのブロック図である。
【図4】従来のメタン発酵処理システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
1 前処理装置
2 調整槽
3 循環ポンプ
4、6 圧送ポンプ
5 メタン発酵槽
7 滅菌槽
8 液肥貯留設備
9 固液分離装置
10 有機性廃棄物
13 バイオガス
14 消化汚泥
15 液肥
16 返送ライン
17 分離液(液肥)
18 分離汚泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物を調整槽にて加温して可溶化処理した後、該調整槽からの液状廃棄物をメタン発酵槽にてメタン発酵処理し、該メタン発酵槽からの消化汚泥を滅菌槽で加熱滅菌処理し、液肥を製造するようにした有機性廃棄物のメタン発酵処理方法において、
前記滅菌槽から排出される液肥の一部を前記調整槽に戻入し、該液肥を有機性廃棄物の希釈水として用いることを特徴とする有機性廃棄物のメタン発酵処理方法。
【請求項2】
前記メタン発酵槽からの消化汚泥を固液分離し、該固液分離した分離液のみを前記滅菌槽に導入することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物のメタン発酵処理方法。
【請求項3】
前記メタン発酵槽からの消化汚泥を、前記滅菌槽で加熱滅菌処理した後に固液分離し、固形分を分離した液肥の一部を前記調整槽に戻入することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物のメタン発酵処理方法。
【請求項4】
有機性廃棄物を加温により可溶化処理する調整槽と、該調整槽からの液状廃棄物をメタン発酵処理するメタン発酵槽と、該メタン発酵槽からの消化汚泥を加熱滅菌処理して液肥を得るようにした滅菌槽と、を備えた有機性廃棄物のメタン発酵処理システムにおいて、
前記滅菌槽の出口側から前記調整槽に前記液肥の一部を返送する返送ラインを設けたことを特徴とする有機性廃棄物のメタン発酵処理システム。
【請求項5】
前記メタン発酵槽の後段に固液分離装置を設け、該固液分離装置で分離された分離液を前記滅菌槽に導入することを特徴とする請求項4記載の有機性廃棄物のメタン発酵処理システム。
【請求項6】
前記滅菌槽の後段に固液分離装置を設け、該固液分離装置で固形分を分離した液肥の一部を、前記返送ラインにより前記調整槽に返送することを特徴とする請求項4記載の有機性廃棄物のメタン発酵処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−248042(P2009−248042A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101509(P2008−101509)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(501370370)三菱重工環境エンジニアリング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】