説明

有機物質でコーティングされた材料の表面をプラズマクリーニングするための方法、およびこの方法を実行するための装置

【課題】本発明は、有機物質でコーティングされた材料4の表面をクリーニングするための方法に関する。
【解決手段】本発明の方法は、内部の圧力が10mbarから1barであり、且つ容量で少なくとも90%の酸素を含むガス流が供給される処理チャンバ2内に、材料4を導入する工程と、材料の表面と誘電体で覆われた電極(5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g)との間で放電を引き起こすことによりプラズマを形成し、生成されたフリーラジカルOの作用により有機物質を分解する工程とを含むことを特徴とする。本発明はさらに、前記方法を行なうために使われる装置1に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、10mbarから1barの圧力でプラズマにより、有機物質でコーティングされた材料の表面をクリーニングするための方法、および、この方法を実施するための装置、より詳細には金属ストリップのクリーニングを対象とする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願の文脈において、「有機物質」という表現は、炭素、酸素、水素を含む任意の非水溶性化合物を意味している。
【0003】
様々な製造ラインから来るストリップは、一般に、2つの出所によってもたらされ得るオイル膜で覆われている。先ず最初に、この膜は、ストリップの表面を腐食から保護するために、保護オイルを噴霧することにより加えられる場合がある。しかしながら、冷間圧延機またはスキンパスから来るストリップの場合においては、オイル膜が、残留オイル膜に由来する場合もある。いずれの場合にも、オイルコーティング重量は、最大で数百mg/mにまで及ぶ場合がある。
【0004】
このようなストリップ上に金属コーティングまたは有機コーティングを付着させるためには、このコーティングがうまく接着するように、脱脂作業中にオイル膜を除去する必要がある。この目的のために工業ラインで一般に使用される技術では、鋼ストリップの機械特性を維持するためにストリップを過熱してはならない。
【0005】
したがって、これらの技術のうち最も一般的なものは、電解方法によって支援され或いは支援されなくても良いアルカリ脱脂作業から成る。環境的な理由により、この方法は、環境を害する副生成物を再処理するための複雑な補助的作業室から成る設備を必要とする。
【0006】
そのような副生成物の形成を防止するため、例えば有機化合物を光化学的に取り除く作用を有するレーザアブレーション等の、他の技術的解決方法が使用されるが、パワー不足のため、10m/分を超える速度でストリップを処理することはできない。
【0007】
最近、有利なクリーニング技術は、酸素を含むガス混合物中での誘電体バリア放電によって形成される、大気圧に近い圧力のプラズマを使用することであることが分かってきた。この場合、生成される反応性酸素種(O等)とオイルの有機化合物との間で反応が生じ、二酸化炭素と水とが形成される。
【0008】
誘電体バリア放電は、特に、ストリップの特性を低下させないコールドプラズマの形成に有利である。
【0009】
しかしながら、大気圧に近い圧力で安定した均一な放電を得るためには、一般に、その大部分がヘリウムから成る混合物が必要である。したがって、混合物中における酸素の割合は低く、処理があまり速くないことが分かっている。これは、おそらく、反応性酸化種の密度が低く、除去される有機物質の不適当な重合のためである。
【0010】
したがって、米国特許第5,529,631号は、コールド大気圧プラズマによってここを通り抜けるプラスチックを処理することについて記載している。放電は、任意に容量で最大25%の他のガスを含むヘリウムを基本とするガス混合物中で安定化される。この技術では、容器の入口および出口にエアロックを取り付けることにより、プラズマチャンバ内の雰囲気を厳格に制御する必要がある。この方法は、プラズマガスとしてヘリウムを使用するため、また装置が複雑であるため、高価であり、従来の真空方法として実施することが難しい。また、この方法では、3m/分を超える速度で走行するストリップを脱脂することができない。
【0011】
さらに、米国特許第5,938,854号は、10torrから20barの圧力の空気中で始められる均一なグロー放電によって、プラスチック表面および金属表面をクリーニングするための方法について記載している。装置が複雑な上、空気中でこれらの圧力で作業するには、相当に高まる圧力に正比例する放電開始(discharge striking)電圧が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、有機物質でコーティングされた材料の表面をクリーニングするための方法であって、少なくとも10m/分の処理速度で、且つ大気圧に近い圧力で、前記表面のクリーニングを均一に行なうことができる方法を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のため、本発明の第1の主題は、有機物質でコーティングされた材料の表面をクリーニングするための方法であって、
− 内部の圧力が10mbarから1barであり、且つ容量で少なくとも90%の酸素を含むガス流が供給される処理チャンバ内に、前記材料を導入する工程と、
− 前記材料の表面と誘電体で覆われた電極との間で放電を引き起こすことによりプラズマを形成し、それにより生成されたフリーラジカルOの作用により前記有機物質を分解する工程とを含んでいる方法から成る。
【0014】
本発明者等は、主に酸素から成るこのガス混合物中で得られる放電は均一ではないが、この方法によって、基材を均一に且つ迅速に処理できることを見出した。放電形態は、フィラメント放電とコールドアークとの間にあると思われる。これは、プラズマによって生成される電荷を与えられていない活性種Oが、フラックスの作用により、電界とは無関係に、ストリップの表面上にわたって分布するとともに、存在する酸素の割合が高いことに起因して活性種Oの密度が増大するため、有機物質でコーティングされた材料を活性種Oが均一に除去するからである。
【0015】
好ましい実施方法においては、前記プラズマ中に生じたフリーラジカルOの再結合によって形成された酸素分子及び/又はオゾン分子が、再解離される。したがって、電界とは無関係に、ストリップの表面上にわたって分布する電荷を与えられていない活性種の密度を増大させることができ、更に、処理の均一性を向上させることができる。
【0016】
この再解離は、適切な波長のUV放射によって行なわれても良く、これにより、コールドアークから離れて再結合により生成されるオゾンを、分子の酸素およびラジカルOに解離させることができる。
【0017】
他の好ましい実施方法においては、放電を始めるために、その周波数が10kHzから100kHzの正弦波電圧が印加される。実際には、この種の電圧により、電極間の空間内に活性種がほぼ連続的に存在し、それにより、高い動力学的効率を得ることができる。
【0018】
他の好ましい実施方法においては、放電におけるエネルギ散逸が、40W/cm未満であり、放電を始めるために印加される電圧が、4.4kV未満である。
【0019】
本発明者等は、実際に、印加電圧が高くなればなるほど、オイルの重合に起因する抑制効果が大きくなり、また、表面処理が不均一になることを見出した。これは、オイルの酸化および除去が、基本的に、ストリップに放電の影響が及ぶ場所で行なわれるのに対し、オイルが、これらの更に強いグローチャンネルから離れて重合するからである。放電の端子間の電圧が増大すると、電子のエネルギが増大し、オイルの重合が非常に簡単に始まる。
【0020】
本発明に係る方法は、更に、以下の特徴を個別に或いは組み合わせた状態で有することができる。
− 放電を始めるために印加される電圧が正弦波であり、
− 材料が、走行するストリップの形態を成し、走行ストリップの経路に沿って連続的に配置された装置により様々な方法工程が連続的に行なわれ、
− 材料の一方の面が処理された後、他方の面が処理され、
− 処理される材料は、金属材料、好ましくは炭素鋼であり、
− この方法は、金属材料の表面を脱脂した後、この表面上にコーティングが付着されるために実行される。
【0021】
本発明の第2の主題は、少なくとも1つのモジュールを備える装置であって、このモジュールは、処理チャンバと、前記チャンバ内の圧力を10mbarから1barの値に設定するための手段と、接地されたストリップを前記チャンバを通じて走行させるための手段と、処理される前記ストリップの表面と対向するように配置され、且つ正弦波高電圧発生器に接続されるとともに誘電体で覆われた一連の電極と、前記チャンバにガスを供給するための手段と、ストリップをコーティングする有機物質の分解によって生じるガスを前記チャンバから排気するための手段とを備えている装置から成る。
【0022】
好ましい実施形態において、前記装置は、一連の偶数の上記モジュールを備え、これらのモジュールを通じて前記ストリップが連続的に走行することにより、ストリップの一方の面が前記モジュールの電極に晒される。
【0023】
他の好ましい実施形態において、前記装置は、前記電極間に配置されたUV放射ランプを更に有している。
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、非制限的な2つの実施形態を例にとって本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る処理装置の概略図を示す図である。
【図2】走行ストリップの形態を成す材料の2つの面を連続処理するための、本発明に係る処理装置の概略図である。
【図3A】UV放射を用いないで処理されたストリップの表面の画像を示す図である。
【図3B】UV放射の存在下で処理されたストリップの表面の画像を示す図である。
【図4】253nmのUV放射を付加的に加えた最中における酸素ラジカルの密度の増大を示す図である。
【図5】放電中に加えられる電流の強度Iの関数として、酸素ラジカル密度の依存性を示す図である。
【図6】ストリップ上に存在する保護オイルのコーティング重量の変化を、ストリップに加えられる電子線量It/Sの関数として示す図である。
【図7】21mC/cmの電子線量を伴う放電を使用して脱脂されたストリップの表面の、オージェ電子スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、例えば炭素鋼から成る金属ストリップを処理するために、本発明にしたがって方法を実行する、本発明に係る装置の図を示している。この装置は、処理チャンバ2から成るモジュール1を備えており、処理チャンバ2内には、その周囲で金属ストリップ4が走行する冷却ロール3が設けられている。ロール3およびストリップ4は接地されている。ポンプ(図示せず)により、このチャンバ2内の圧力を10mbarから1barの値に設定することができる。誘電体(アルミナ)で覆われた電極5a、5b、5c、5d、5e、5f、5gが、ストリップ4と対向するように配置されている。これらの電極5a、5b、5c、5d、5e、5f、5gは、中間周波数正弦波発生器6によって供給される高電圧に接続されている(周波数は、10kHzから100kHzである)。また、高電圧電極5a、5b、5c、5d、5e、5f、5gも冷却される。放電に費やされるエネルギを最大限に利用するため、高電圧電極5a、5b、5c、5d、5e、5f、5gは、電極間の距離を変えることができるように取り付けられている。
【0027】
また、モジュールは、前記チャンバにガスを供給するための手段と、ストリップ4をコーティングする有機物質の分解によって生じるガスを、前記チャンバから排気するための手段(これらの手段は図示されていない)とを有している。
【0028】
この特定の実施形態においては、一方で、放電処理を均一に行なうことができるように、また、他方で、電極間の空間から離れて形成されるオゾンを解離できるように、高電圧電極5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g間に、UVランプ7a、7b、7c、7d、7e、7fが配置されている。その結果、付加的なUV(253nm)放射を加えることで引き起こされるオゾンの解離吸着により生じるOラジカルによって、電極間の空間から離れてストリップ4を脱脂させ続けることができる。
【0029】
図2は、走行するストリップ14の両面の連続処理を実行するための一連の4つのモジュール10、11、12、13を備える、本発明に係る装置の概略図である。4つのモジュール10、11、12、13は、ポンプセットおよびガス注入システムを収容する中間部品を介して互いに接続されており、これにより、装置をガス流に晒すことができ、したがって、不均一な放電特性にもかかわらず、処理を均一に行なうことができる。
【0030】
(例)
小さなサイズ(20cmから25cm)のストリップに関して、静止モードで試験を行なった。コーティング前のクリーニング処理をシミュレートするために、脱脂を完了させる必要があったため、これらのストリップを保護オイル(Quaker ChemicalのTinnol 200(登録商標))でコーティングした。
【0031】
(使用される装置)
アルミナから成る0.7mmの層で覆われた電極と、処理されるストリップがその上にわたって配置される接地金属電極とで構成される、誘電体バリア反応装置内で試験を行なった。アルミナで覆われた電極を高電圧(350Vから4400V)に接続した。中間周波数(3kHzから30kHz)正弦波発生器により高電圧を供給した。これらの2つの電極には、プラズマの動作中において、大気温度に近い温度に電極を維持することができる冷却システムを設けた。
【0032】
電極間の距離は、1ミリメートルから数十ミリメートルの間で設定されても良い。
【0033】
(例1)
186mg/mの保護オイル層でコーティングされた2つの同一の炭素鋼ストリップを処理した。2つの処理に関する他のパラメータを同一にした。すなわち、
− 200mbarの酸素、
− 12kHzの正弦波電圧:3.6kV、電流:30mA、
− 電極間距離:5mm、
である。
【0034】
図3Aおよび図3Bに示されるストリップ処理は、一方がUV放射を与えており、他方がUV放射を与えていない点だけが異なる。
【0035】
図3Bは、付加的なUV(253nm)照射を行なって)、また図3Aは、付加的なUV照射を行なわないで、単に酸素中で開始される放電により処理されるストリップの表面の画像を示している。暗い領域は、オイルが重合した非グリース処理領域に対応している。
【0036】
図から分かるように、放電以外にUV放射を加えると、オイルの重合が少なくなり、したがって、更に短い時間でより良好なクリーニングを行なうことができる。
【0037】
その波長がオゾンの解離吸着に対応するUV放射を加えると、ストリップの表面上に酸素ラジカルが均一に存在するようになり、オイルの低温燃焼(cold combustion)が可能になる。
【0038】
放電以外にUV放射を加えると、ストリップの表面上に酸素ラジカルが更に均一に分布するだけでなく、酸素ラジカルの密度が増大し、全ての放電パラメータ(電圧、印加電圧の周波数、電流、圧力、電極間距離)が一定に維持される。
【0039】
図4は、発光分光法(OES)によって、253nmのUV放射を加えている最中の酸素ラジカルの密度の増大を示している。励起された酸素ラジカルの放射波長は約777nmである。この図は、777nmの放射強度I777を時間tの関数として示している。グラフの様々な領域は、以下の段階に対応している。
− 領域A:放電が無く、あるいは、UV放射が加えられている。記録された強度は、バックグラウンドノイズに対応している。
− 領域B:UV放射を加えることなく、純粋な酸素中で放電が行なわれた。
− 領域C:放電以外に、253nmのUV放射が加えられた。
− 領域D:UV放射が維持されているが、放電が無い。
− 領域E:UV放射が停止され、バックグラウンドノイズが戻っている。
【0040】
(例2)
図5は、発光分光法を使用して、放電で加えられた電流の強度に伴って活性酸化種Oの密度が直線的に変化することを示している。
【0041】
電圧を一定にした場合であっても、また、Vの印加の割合を変化させた場合であっても、この図にプロットされた放電電流は変化し、誘電体のインピーダンスが変化する。また、一定の周波数では、電圧を変えることにより、誘電体のインピーダンスが変化する。したがって、この図5は、活性種の密度が、放電電流の強度のみに依存し、電流が一定の場合、活性種の密度が、放電電圧によって全く影響されないことを示している。このことは、電流を一定にしたまま、課される電圧だけが異なる複数の電力レベルで、同じ密度の活性種を得ることができることを意味している。しかしながら、電圧が非常に高いと、オイルの重合が生じ、それにより、ストリップの表面上に存在する有機残留物の酸化の度合いが抑えられる傾向があることが分かった。また、産業上において利用するには、放電において、エネルギ密度の散逸を最小限(40W/cm・s未満)に抑える必要がある。その結果、ストリップを脱脂するために必要な放電条件は、電流を最大にして、課される電圧を最小にすることによって得られる。
【0042】
電流が一定の場合において、放電の電力が脱脂の割合に対して与える影響が、以下の表に示されている。この表には、加えられる正弦波電流の周波数を変えることにより行なわれた2つの試験の結果が示されている。
【表1】

【0043】
したがって、放電電流が等しい場合、同じ処理時間では、低い電圧すなわち低い電力において脱脂効率がより良好である。
【0044】
(例3)
186mg/mの保護オイルで覆われた20cmのストリップを、本発明に係る方法によって処理した。この場合、350mbarの圧力の酸素流中で放電を開始した。再結合されたフリーラジカルOから形成された酸素分子及び/又はオゾン分子は、再び解離されなかった。図6は、ストリップ上に存在する保護オイルのコーティング重量の変化を、電子線量It/S(すなわち、電子電流密度と処理時間との積)の関数として示している。酸素流を加えると、ストリップの処理を均一にすることができる。このことは、斜入射赤外線吸収分光法(IRRAS)により確かめられた。
【0045】
図7は、21mC/cmの電子線量を伴う放電を使用して脱脂されたストリップの表面のオージェ電子スペクトルを示している。鉄ピークおよび酸素ピークだけが存在する。273eVの周辺に炭素ピークが存在しないのは、ストリップが完全に脱脂された証拠である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物質でコーティングされた材料の表面をクリーニングするための方法であって、
− 内部の圧力が10mbarから1barであり、且つ容量で少なくとも90%の酸素を含むガス流が供給される処理チャンバ内に、前記材料を導入する工程と、
− 前記材料の表面と誘電体で覆われた電極との間で放電を引き起こすことによりプラズマを形成し、生成されたフリーラジカルOの作用により前記有機物質を分解する工程とを含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記プラズマ中に生じたフリーラジカルOの再結合によって形成された酸素分子及び/又はオゾン分子が、再解離されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再解離が、適切な波長のUV放射によって行なわれることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
放電を始めるために印加される電圧が、正弦波であり、10kHzから100kHzの周波数を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
放電におけるエネルギ散逸が、40W/cm未満であり、放電を始めるために印加される電圧が、4.4kV未満であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
材料が、走行するストリップの形態を成し、走行ストリップの経路に沿って連続的に配置された装置により、様々な方法工程が連続的に行なわれることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ストリップの一方の面が、処理された後、連続して他方の面が処理されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
処理される前記材料が、金属材料であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記金属材料が、炭素鋼であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
金属材料の表面が脱脂された後、前記表面上にコーティングが付着されるために行なわれることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置であって、少なくとも1つのモジュールを備え、該モジュールが、処理チャンバ(2)と、前記チャンバ内の圧力を10mbarから1barの値に設定するための手段と、接地されたストリップ(4)を前記チャンバを通じて走行させるための手段(3)と、処理される前記ストリップ(4)の表面と対向するように配置され、且つ正弦波高電圧発生器(6)に接続されるとともに誘電体で覆われた一連の電極(5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g)と、前記チャンバ(2)にガスを供給するための手段と、ストリップ(4)をコーティングする有機物質の分解によって生じるガスを前記チャンバから排気するための手段とを備えている、装置。
【請求項12】
一連の偶数の前記モジュール(10、11、12、13)を備え、該モジュールを通じて前記ストリップ(14)が連続的に走行することにより、ストリップの一方の面が前記モジュール(10、11、12、13)の電極に晒されることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電極(5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g)間に配置された、UV放射ランプ(7a、7b、7c、7d、7e、7f)を更に有していることを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−248633(P2010−248633A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121010(P2010−121010)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【分割の表示】特願2003−569892(P2003−569892)の分割
【原出願日】平成15年2月19日(2003.2.19)
【出願人】(506166491)アルセロールミタル・フランス (43)
【Fターム(参考)】