説明

有機発光表示装置及びその駆動方法

【課題】フレーム単位でリアルタイムにイメージスティッキングを補償でき、画質の特性が改善された信頼性のある有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】有機発光表示装置は、有機発光ダイオード、有機発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動トランジスタ、駆動トランジスタに対応するデータ信号を伝達するデータ線、有機発光ダイオードの一電極に接続される第1電極と、データ線に接続される第2電極とを含む第1スイッチ、及びデータ線に接続される第1電極と、駆動トランジスタのゲート電極に接続される第2電極とを含む第2スイッチを含み、第1スイッチをターンオンさせて有機発光ダイオードに所定の第1電流を伝達し、有機発光ダイオードの一電極の電圧をデータ線によって伝達を受け、伝達された電圧によって有機発光ダイオードの劣化程度を検出し、検出された劣化を補償するためにデータ線に伝達されるデータ信号を補償する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置及びその駆動方法に関し、特に、表示パネル全体の駆動方式が同時発光方式の有機発光表示装置及びその駆動方法に関する。さらに、詳細には、有機発光素子の劣化によるイメージスティッキング(Image Sticking)現象と寿命減少現象を抑制することができるように、有機発光素子の駆動電圧に関する外部補償をリアルタイムで実現する有機発光表示装置とその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重量と体積を減らすことができる各種平板表示装置が開発されてきた。平板表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel:PDP)、及び有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)などがある。
【0003】
平板表示装置のうちの有機発光表示装置は、電子と正孔との再結合によって光を発生する有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)を利用して映像を表示するものである。この有機発光表示装置は、速い応答速度を有すると共に、低い消費電力で駆動され、発光効率、輝度、及び視野角に優れた長所があって注目されている。
【0004】
通常、有機電界発光表示装置は、有機発光ダイオードを駆動する方式により、パッシブマトリックス型有機電界発光表示装置(PMOLED)と、アクティブマトリックス型有機電界発光表示装置(AMOLED)に分類される。
【0005】
パッシブマトリックス型は、正極と負極を互いに直交するように形成し、負極ラインと正極ラインを選択して駆動する方式である。アクティブマトリックス型は、薄膜トランジスタとキャパシタを各ピクセル内に集積して、キャパシタ容量によって電圧を維持するようにする駆動方式である。パッシブマトリックス型は、構造が簡単で安価であるが、大型または高精密度のパネル実現が困難である。反面、アクティブマトリックス型は、大型及び高精密度のパネル実現が可能であるが、その制御方法が技術的に難しく、比較的に高価であるという短所がある。
【0006】
解像度、コントラスト、動作速度の観点で、単位画素ごとに選択して点灯するアクティブマトリックス型有機電界発光表示装置が主流になっている。
【0007】
アクティブマトリックス型OLEDの一画素は、有機発光ダイオード、有機発光ダイオードに供給される電流量を制御する駆動トランジスタ、及び駆動トランジスタに有機発光ダイオードの発光量を制御するデータ信号を伝達するスイッチングトランジスタを含む。
【0008】
有機発光ダイオードが発光するためには、駆動トランジスタが持続的にターンオン状態を維持しなければならない。しかし、これにより、駆動トランジスタのゲート電極に駆動信号が続けて供給されれば、時間の経過に伴ってしきい電圧(Vth)が増加され、電流の流れが減少するという問題があった。
【0009】
このような現象が続けば、駆動トランジスタの性能が劣化し、有機発光ダイオードを正常に発光させることができなくなって、イメージスティッキング現象が発生し、画質の特性が低下するという問題が発生するため、これを補正して改善させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、有機発光表示装置の各画素の駆動方式にて段階別に制御する過程において、フレーム単位でリアルタイムにイメージスティッキングを補償することにより、画質の特性が改善される信頼性のある有機発光表示装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、リアルタイムで有機発光表示装置の有機発光ダイオードの駆動電圧を感知して外部補償するように制御し、駆動電圧の感知時に供給電源電圧と駆動信号のタイミング変更が容易な画素駆動回路を提案することにある。
【0012】
本発明の目的は上述したものに制限されず、また、言及されない他の目的は本発明の記載から当該分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、複数の画素を含む表示部、及び前記複数の画素それぞれにデータ信号を伝達する複数のデータ線を含む。
【0014】
前記複数の画素それぞれは、有機発光ダイオードと;前記有機発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動トランジスタと;前記有機発光ダイオードの一電極に接続される第1電極と、前記データ線に接続される第2電極とを含む第1スイッチと;及び前記データ線に接続される第1電極と、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続される第2電極とを含む第2スイッチを含む。
【0015】
前記複数のデータ線のうちの複数の画素それぞれに対応するデータ線は、前記駆動トランジスタに対応するデータ信号を伝達する。
【0016】
本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、前記第1スイッチをターンオンさせて前記有機発光ダイオードに所定の第1電流を伝達し、前記有機発光ダイオードの一電極の電圧を前記データ線によって受け、前記伝達された電圧によって前記有機発光ダイオードの劣化程度を検出し、前記検出された劣化を補償するために前記データ線に伝達されるデータ信号を補償する。この時、前記補償されたデータ信号は、有機発光表示装置のデータ駆動部を通じて前記対応するデータ線に伝達される。
【0017】
本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、前記複数の画素それぞれに接続された複数の走査線のうちの対応する走査線に、走査信号を生成して伝達する走査駆動部を含む。
【0018】
また、複数の画素それぞれに接続された複数の発光制御線のうちの対応する発光制御線に、発光制御信号を生成して伝達する発光制御駆動部を含むことができる。前記発光制御駆動部は別途に構成せずに、前記走査駆動部で統合されてもよい。
【0019】
一方、前記走査駆動部または別途の駆動部において、複数の画素それぞれに接続された複数のしきい電圧制御線のうちの対応するしきい電圧制御線に、しきい電圧制御信号を生成して伝達することができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、前記第1スイッチのスイッチング動作を制御する感知信号を生成して、複数の画素それぞれに接続された複数の感知線のうちの対応する感知線に伝達する感知駆動部をさらに含む。
【0021】
前記第1スイッチをターンオンさせる期間は、1フレーム期間中の所定期間とすることができる。この時、前記1フレーム期間は、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間を含む。
【0022】
前記所定期間は、前記リセット期間以前とすることができるが、これに必ずしも制限されることではなく、1フレーム期間のうちに設定された期間とすることができる。前記所定期間は任意で設定するか、またはフレーム期間中の特定時間に設定することができる。
【0023】
前記第1スイッチをターンオンさせる期間の間に、前記第2スイッチ及び前記駆動トランジスタはターンオフされ得る。
【0024】
また、本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、前記有機発光ダイオードの一電極の電圧を前記データ線によって受けるイメージ補償部、及び前記データ線と前記イメージ補償部との間に位置し、選択信号によってターンオンされて前記一電極の電圧を前記イメージ補償部に伝達する選択スイッチをさらに含むことができる。
【0025】
前記第2スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされ得る。
【0026】
本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された一端と、前記有機発光ダイオードの一電極に接続された他端とを含むストレージキャパシタをさらに含む。この時、前記ストレージキャパシタは1フレーム期間のうち、前記第2スイッチがターンオンされて前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間の間に前記データ電圧を充電する。
【0027】
本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、第1電源電圧に接続される第1電極と、前記駆動トランジスタのソース電極に接続される第2電極とを含む第3スイッチをさらに含む。この時、前記第3スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間の間にターンオンされる。
【0028】
本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極及び前記駆動トランジスタのソース電極に接続された第2電極を含むしきい電圧トランジスタをさらに含む。この時前記しきい電圧トランジスタは1フレーム期間のうちに前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる。
【0029】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、複数の有機発光ダイオードそれぞれを含む複数の画素、前記複数の画素それぞれに対応するデータ信号を伝達する複数のデータ線、前記複数の有機発光ダイオードそれぞれに所定の第1電流が流れる間に、前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの駆動電圧を、対応するデータ線によって伝達を受けるイメージ補償部を含む。
【0030】
前記イメージ補償部は、前記伝達された駆動電圧によって前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの劣化程度を判断し、前記判断された劣化程度に基づいて前記複数の画素それぞれに伝達される複数のデータ信号それぞれを補償する。
【0031】
前記有機発光表示装置は、複数の画素それぞれに接続する複数の感知線に対応する感知信号を生成して伝達する感知駆動部をさらに含み、前記複数の画素それぞれは、前記対応する感知信号に応答して所定の第1電流を伝達し、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を伝達する第1スイッチを含む。
【0032】
前記第1スイッチは、1フレーム期間中の所定期間の間にターンオンされ、前記1フレーム期間は、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間を含む。
【0033】
前記所定期間は、前記リセット期間以前であることを特徴とする。
【0034】
前記複数の画素それぞれは、前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチ、前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタ、及び第1電源電圧と前記駆動トランジスタとの間に位置し、前記有機発光ダイオードの発光を制御する第3スイッチを含む。
【0035】
または、本発明の他の実施形態によれば、前記複数の画素それぞれは、前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチ、前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタ、及び前記駆動トランジスタをダイオード接続して前記駆動トランジスタのゲート電極に接続されたキャパシタに前記駆動トランジスタのしきい電圧を充電させるしきい電圧トランジスタを含む。
【0036】
前記複数の画素それぞれは、前記駆動トランジスタのゲート電極とソース電極に接続されたストレージキャパシタを含むことができる。この時、前記ストレージキャパシタは1フレーム期間中の前記第2スイッチがターンオンされる間に、前記補償されたデータ信号に対応するデータ電圧を充電する。
【0037】
この時、前記第2スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる。
【0038】
前記有機発光表示装置は、前記複数の画素それぞれに接続されたデータ線に接続され、前記データ線によって伝達される電圧経路を選択する選択スイッチを含むデータ選択部をさらに含むことができる。この時、前記選択スイッチは選択信号によってターンオンされて、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を前記イメージ補償部に伝達する。
【0039】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置の駆動方法は、複数の有機発光ダイオードそれぞれを含む複数の画素、前記複数の画素それぞれに対応するデータ信号を伝達する複数のデータ線、及び前記複数の有機発光ダイオードそれぞれに所定の第1電流が流れる間に、前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの駆動電圧を、対応するデータ線によって伝達を受けるイメージ補償部を含む有機発光表示装置の駆動方法に関するものである。
【0040】
具体的に、前記対応するデータ線によって前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの駆動電圧が伝達される駆動電圧感知段階と;及び前記伝達された駆動電圧によって前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの劣化程度を判断し、前記判断された劣化程度によって前記複数の画素それぞれに伝達される複数のデータ信号それぞれを補償する補償段階を含む。
【0041】
一実施形態として、前記駆動電圧感知段階及び補償段階は、1フレーム期間中の所定期間の間に行える。
【0042】
前記1フレームの期間は、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間を含む。
【0043】
前記所定期間は、前記リセット期間以前であることを特徴とする。
【0044】
前記駆動電圧感知段階及び補償段階が行われる期間の間に、前記複数の画素それぞれに含まれている前記有機発光ダイオードに所定の第1電流が流れるようにし、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を対応するデータ線に伝達する複数の画素それぞれの第1スイッチはターンオンされる。
【0045】
また、前記複数の画素それぞれは、前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチ、前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタ、及び第1電源電圧と前記駆動トランジスタとの間に位置し、前記有機発光ダイオードの発光を制御する第3スイッチを含むことができる。この時、前記駆動電圧感知段階及び補償段階が行われる期間の間に、前記第2スイッチ、駆動トランジスタ、及び第3スイッチはターンオフされる。
【0046】
一方、前記複数の画素それぞれは、前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチ、前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタ、及び前記駆動トランジスタをダイオード接続して前記駆動トランジスタのゲート電極に接続されたキャパシタに前記駆動トランジスタのしきい電圧を充電させるしきい電圧トランジスタを含むことができる。この時、前記駆動電圧感知段階及び補償段階が行われる期間の間に、前記第2スイッチ、駆動トランジスタ、及びしきい電圧トランジスタはターンオフされる。
【0047】
前記複数の画素それぞれは、前記駆動トランジスタのゲート電極とソース電極に接続されたストレージキャパシタを含むことができる。前記ストレージキャパシタは、1フレーム期間のうちの前記第2スイッチがターンオンされる間に前記補償されたデータ信号に対応するデータ電圧を充電する。
【0048】
前記第2スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる。
【0049】
前記有機発光表示装置は、前記複数の画素それぞれに接続されたデータ線に接続され、前記データ線によって伝達される電圧経路を選択する選択スイッチを含むデータ選択部をさらに含むことができる。この時、前記選択スイッチは選択信号によってターンオンされて、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を前記イメージ補償部に伝達する。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、有機発光表示装置は、各画素の駆動方式によって段階別に制御する過程において、フレーム単位でリアルタイムに画面のイメージスティッキングを補償することにより、画質を改善し、有機発光ダイオードの劣化による寿命減少現象を抑制して、品質特性に優れた有機発光表示装置を提供することができる。
【0051】
また、本発明によれば、有機発光表示装置の有機発光ダイオードの駆動電圧を感知する時、供給電源電圧と駆動信号のタイミングの変更が容易であり、外部補償に適用される画素駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置の同時発光方式の画素駆動を示す駆動タイミング図である。
【図3】図1に示された画素の一実施形態に係わる構成を示す回路図である。
【図4】図1に示された感知駆動部で伝達する感知信号に対する駆動タイミング図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置の駆動段階別画素駆動を示す駆動タイミング図である。
【図6】図1に示された画素の他の実施形態に係わる構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の相異な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0054】
また、種々の実施形態において、同一の構成を有する構成要素に対しては同一の符号を付け、代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0055】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付ける。
【0056】
明細書の全体において、ある部分が他の部分と「接続」されるという時、これは「直接的に接続」される場合だけでなく、その中間に他の素子を介在して「電気的に接続」される場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0057】
図1は、本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置のブロック図である。
【0058】
図1を参照すれば、本発明の実施形態に係わる有機発光表示装置は、複数の走査線(S1乃至Sn)、複数の発光制御線(EM1乃至EMn)、複数の感知線(SE1乃至SEn)、及び複数のデータ線(D1乃至Dm)が交差する表示部10において、複数の画素100それぞれが対応する走査線、発光制御線、感知線、及びデータ線に接続されている。
【0059】
以下、具体的な画素100の構成回路図について、図3及び図6を参照して説明する。
【0060】
上記実施形態において、有機発光表示装置は、表示部10、走査駆動部20、感知駆動部50、発光制御駆動部40、データ駆動部30、データ選択部80、及びイメージ補償部70を含む。しかし、上記構成に必ずしも制限されることではなく、画素100回路の構成によって追加されるトランジスタのスイッチング動作を制御する駆動制御信号を生成し、伝達線に伝達する所定の駆動部をさらに含むことができるのは勿論である。
【0061】
走査駆動部20は、複数の走査線(S1乃至Sn)に複数の走査信号を生成して伝達する。
【0062】
発光制御駆動部40は、複数の発光制御線(EM1乃至EMn)に複数の発光制御信号を生成して供給する。
【0063】
データ駆動部30は、複数のデータ線(D1乃至Dm)に複数のデータ信号を伝達する。
【0064】
感知駆動部50は、複数の感知線(SE1乃至SEn)に複数の感知信号を生成して伝達する。
【0065】
有機発光表示装置は、走査駆動部20、感知駆動部50、発光制御駆動部40、及びデータ駆動部30を制御するためのタイミング制御部60をさらに備える。
【0066】
データ選択部80は、複数のデータ線(D1乃至Dm)それぞれに接続された選択スイッチ(図示せず)を備える。
【0067】
上記選択スイッチは、タイミング制御部60から伝達される選択信号に応答してスイッチング動作が制御され、複数のデータ線(D1乃至Dm)それぞれを通じて対象電圧の伝達経路を選択して伝達する。
【0068】
さらに具体的に、前記選択スイッチは、複数のデータ線(D1乃至Dm)それぞれを通じて複数の画素を発光させるデータ信号をデータ駆動部30から表示部10に伝達することができる。また、前記選択スイッチは、1フレーム期間中の所定期間の間に前記選択信号によってターンオンされ、複数の画素それぞれの有機発光ダイオードの駆動電圧を複数のデータ線(D1乃至Dm)のうちの対応するデータ線によってイメージ補償部70に伝達することができる。
【0069】
イメージ補償部70は、前記所定期間の間に表示部10に含まれている複数の画素100それぞれで感知される有機発光ダイオードの駆動電圧の伝達を受け、データ電圧補償量を決定する。
【0070】
つまり、リアルタイムで表示部10の各画素100の有機発光ダイオードから駆動電圧を感知し、前記感知された駆動電圧と、感知された駆動電圧によって有機発光ダイオードの抵抗を検出して劣化程度を判断する。データ電圧補償量は有機発光ダイオードの劣化程度に基づいて決定される。有機発光ダイオードが劣化すれば、その発光効率が減少して、同一の電流が流れても劣化前に比べて発光量が減少する。本発明の実施形態に係わるデータ電圧補償量は、劣化程度に基づいて減少した発光量を補償するための補償量を意味する。
【0071】
イメージ補償部70は、有機発光ダイオードに供給した電流と有機発光ダイオードの駆動電圧を利用して、有機発光ダイオードの抵抗を算出する。有機発光ダイオードの劣化程度によってその抵抗が変化し、一般に、劣化程度が激しいほどその抵抗が増加する。
【0072】
イメージ補償部70は、有機発光ダイオードの抵抗に対応するデータ電圧補償量をルックアップテーブル形態に保存することができ、ルックアップテーブルを含むメモリ部を含むことができる。上記データ電圧補償量はイメージ補償部70からタイミング制御部60に伝達され、タイミング制御部60は、上記伝達された補償量に基づいて外部から伝達された映像信号による映像データ信号を補償する。
【0073】
上記補償された映像データ信号はデータ駆動部30に伝達され、データ駆動部30は補償された映像データ信号による複数のデータ信号を表示部10の複数の画素に伝達する。このことにより、有機発光ダイオードに供給される電流が劣化を補償するほど増加して、有機発光ダイオードは劣化前の適切な輝度で発光するようになる。
【0074】
表示部10の各画素に含まれる有機発光ダイオードは、長期間の画素駆動による劣化現象によって表示画面の不均一とイメージ不良が発生するが、このような実際駆動電圧をリアルタイムで感知し、リアルタイムで補償することにより、表示画面におけるイメージスティッキング現象を抑制することができるので、鮮明で正確な画質を実現するようになる。
【0075】
表示部10は、複数の走査線(S1乃至Sn)、複数の感知線(SE1乃至SEn)、複数の発光制御線(EM1乃至EMn)、及び複数のデータ線(D1乃至Dm)の交差部に位置する画素100を備える。画素100は、外部から第1電源電圧(ELVDD)及び第2電源電圧(ELVSS)が供給される。
【0076】
画素100は対応するデータ信号によって有機発光ダイオードに電流を供給し、有機発光ダイオードは供給された電流によって所定輝度の光で発光する。
【0077】
図1に示した本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置の場合、前記表示部の各画素100に印加される第1電源電圧(ELVDD)は、1フレーム期間の間に所定の電圧値に維持できる。
【0078】
一方、第1電源電圧(ELVDD)が、1フレーム期間のうち、有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、データ信号が伝達されて書き込み(writing)されるデータ書き込み期間、及び画素それぞれに対応するデータ信号書き込みが完了した後、全体画素それぞれが一度に一括的に発光する発光期間により、それぞれ供給する電圧値が互いに異なることも可能である。このように1フレームの期間別に互いに異なる第1電源電圧(ELVDD)の電圧値を調整するために、第1電源電圧(ELVDD)の供給を制御する電源駆動部をさらに含むことができる。
【0079】
タイミング制御部60は、前記電源駆動部を制御する制御信号を生成して電源駆動部に伝達することができる。
【0080】
しかし、必ずしもこれに限定されることではなく、本発明の他の一実施形態によっては上記電源駆動部が第1電源電圧(ELVDD)を供給するだけでなく、1フレームの期間中に既設定されたレベルの電圧値が各画素に印加できるように第2電源電圧(ELVSS)の供給まで制御することができる。
【0081】
また、本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置は、同時発光(Simultaneous Emission)方式によって駆動される。
【0082】
図2に示したように、同時発光方式によれば、1フレームの期間は、全体画素それぞれに複数のデータ信号のうちの対応するデータ信号が伝達されて書き込みされるデータ書き込み期間、及び画素それぞれに対応するデータ信号の書き込みが完了した後、全体画素それぞれが一度に一括的に発光する発光期間を含む。
【0083】
つまり、従来の順次発光方式の場合、各走査ライン別にデータ信号が順次に入力され、次いで発光も順次に行われるものであるが、本発明の実施形態では、前記データ信号の入力は順次に行われるが、発光はデータ信号の入力が完了した後に全体的に一括的に行われるものである。
【0084】
さらに具体的に、図2では、n番目フレームとn+1番目フレームにおける駆動過程をタイミング図として示す。この図2に示すように、本発明の一実施形態に係わる駆動段階は、大きく駆動電圧感知及びデータ補償期間(a、a’)、リセット期間(b、b’)、しきい電圧補償期間(c、c’)、データ書き込み期間(d、d’)、及び発光期間(e、e’)を含む。
【0085】
駆動電圧感知及びデータ補償期間(a、a’)は、発光する複数の画素の有機発光ダイオードの駆動電圧が感知される駆動電圧感知段階と、前記駆動電圧によってデータ電圧の補償量を決めるデータ補償段階が共に行われる期間である。
【0086】
一方、本発明の他の実施形態によっては、発光期間(e、e’)以後に発光する複数の画素の有機発光ダイオードの発光が消える発光オフ期間がさらに含まれることもできる。
【0087】
n番目フレーム(frame(n))を参照して具体的に説明すれば、まず、駆動電圧感知及びデータ補償期間(a)に複数の画素内の有機発光ダイオードの駆動電圧が感知される。また、上記感知された駆動電圧によって有機発光ダイオードの抵抗を検出して有機発光ダイオードの劣化程度を判断し、劣化程度に基づいて減少した発光量を補償するためのデータ電圧補償量を決定する。
【0088】
次に、複数の画素内の有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間(b)が続く。
【0089】
リセット期間(b)に有機発光ダイオードのカソード電極が一定の電圧で固定されていれば、有機発光ダイオードのアノード電極電圧を前記カソード電極電圧より低く設定して、有機発光ダイオードに印加された駆動電圧をリセットさせる。
【0090】
しきい電圧補償期間(c)の間に各画素100に具備された駆動トランジスタのしきい電圧が補償される。つまり、駆動トランジスタのゲート電極とソース電極間の電圧差によるしきい電圧がストレージキャパシタに保存される。
【0091】
複数の画素それぞれにデータ信号が伝達されるデータ書き込み期間(d)の間に、複数の画素それぞれは各走査ライン別に順次にスキャンされるが、それ以外の駆動電圧感知及びデータ補償期間(a)、リセット期間(b)、しきい電圧補償期間(c)、及び発光期間(e)の間には、図示したように表示部10の全体画素が同時に一括的に駆動される。
【0092】
最後に、発光期間(e)には、有機発光表示装置の表示部の全ての画素それぞれの有機発光ダイオードがデータ書き込み期間(d)の間に印加され、保存されたデータ信号によるデータ電圧に対応して同時に駆動され、対応する駆動電流ほど発光する。
【0093】
このような本発明の一実施形態に係わる“同時発光方式”による場合、それぞれの動作期間((a)乃至(e)期間)が時間的に明確に分離されるので、各画素100に備えられる補償回路のトランジスタ、及びこれを制御する信号線の数を減らすことができる。
【0094】
画素回路に多数のトランジスタを追加して回路を複雑にさせなくても、各フレームごとにイメージスティッキングを補償する別途の期間を置くことができるので、簡便なリアルタイムの画面矯正が可能である。
【0095】
各フレームのうちのイメージスティッキングを補償する期間は、所定期間に設定するか、または使用者が必要の時に任意で設定することができる。好ましくは、前記イメージスティッキングを補償する期間が、各フレームの初期に行われるように設定することができる。
【0096】
また、イメージスティッキングの補償期間には、外部から供給される電源電圧の変更や駆動信号のタイミング変更が容易である。
【0097】
図2にあって、この実施形態は、表示部10に含まれている複数の画素全体が1フレーム期間の間に同時発光方式によって駆動されることを示したが、これに必ずしも限定されることではなく、連続するフレーム期間の間に駆動電圧感知及びデータ補償期間(a)を分割して行うことができる。
【0098】
駆動電圧感知及びデータ補償期間(a)は、有機発光ダイオードの駆動電圧の検出時に多くの時間がかかり得るため、1フレーム内に表示部の全ての画素に含まれている有機発光ダイオードの駆動電圧を検出せずに、連続的なフレーム別に表示部に含まれている複数の画素領域を区分して分割された画素領域に含まれている各有機発光ダイオードの駆動電圧を検出することができる。表示部に含まれている複数の画素の全ての有機発光ダイオードの駆動電圧を感知するために、上記複数の画素領域の数に相当するフレームが必要である。
【0099】
つまり、上記複数の画素領域は、画素行(line)別に設定することができ、一例として、最初の画素行からx番目画素行に含まれている複数の画素を第1画素領域に、x+1番目画素行からy番目画素行に含まれている複数の画素を第2画素領域に、y+1番目画素行から最後の画素行に含まれている複数の画素を第3画素領域に分けられる。
【0100】
この時、全体の画素に含まれている有機発光ダイオードの駆動電圧を感知するためには3フレーム期間が必要であり、第1フレーム中の所定期間に第1画素領域に含まれている画素それぞれの有機発光ダイオードの駆動電圧が感知される。次に、第2フレーム中の所定期間に第2画素領域、第3フレーム中の所定期間に第3画素領域に含まれている画素それぞれの有機発光ダイオードの駆動電圧が感知される。
【0101】
この時、各フレーム期間中の発光期間の間に発光する画面は、当該フレーム期間の間に駆動電圧が感知されて補償されたデータ信号に対応して発光するのは勿論のこと、既に直前フレームで分割されて感知、保存された有機発光ダイオードの駆動電圧によって補償されたデータ信号に対応して共に発光する。
【0102】
図3は、図1に示した画素100の一実施形態に係わる構成を示す回路図である。
【0103】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態に係わる画素100は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)と、有機発光ダイオード(OLED)に駆動電流を伝達する駆動トランジスタ(M1)とを含む。
【0104】
画素100は、有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極から有機発光ダイオード(OLED)の駆動電圧が伝達される第1スイッチ(M4)をさらに含む。
【0105】
第1スイッチ(M4)は、複数の感知線のうちの画素100に対応する感知線を通じて感知信号(Sense[n])の伝達を受け、感知信号(Sense[n])に応答してスイッチング動作が制御される。図3において、感知信号(Sense[n])は、複数の画素のうちのn番目画素行に含まれる画素100に接続された感知線から伝達される感知信号(Sense[n])を意味する。
【0106】
第1スイッチ(M4)は、複数の感知線のうちのn番目感知線に接続されたゲート電極、有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極に接続されたソース電極、及び画素に対応するデータ線に接続するドレイン電極を含む。
【0107】
また、画素100は、第2スイッチ(M2)をさらに含み、複数の走査線のうちの画素100に接続された対応する走査線から伝達される走査信号(Scan[n])に応答して、駆動トランジスタ(M1)にデータ信号を伝達する。図3における走査信号(Scan[n])は、複数の画素のうちのn番目画素行に含まれる画素100に接続された走査線から伝達される走査信号(Scan[n])を意味する。
【0108】
第2スイッチ(M2)は、複数の走査線のうちのn番目走査線に接続されたゲート電極、データ信号が伝達される対応するデータ線に接続されたソース電極、及び駆動トランジスタ(M1)のゲート電極に接続されたドレイン電極を含む。
【0109】
また、画素100は、駆動トランジスタ(M1)に接続されて有機発光ダイオード(OLED)の発光を制御する第3スイッチ(M3)をさらに含む。第3スイッチ(M3)は、複数の発光制御線のうちの画素100に接続された対応する発光制御線から伝達された発光制御信号(EM[n])に応答してスイッチング動作する。図3における発光制御信号(EM[n]は、複数の画素のうちのn番目画素行に含まれる画素100に接続された発光制御線から伝達される発光制御信号(EM[n])を意味する。
【0110】
第3スイッチ(M3)は、複数の発光制御線のうちのn番目発光制御線に接続されたゲート電極、第1電源電圧(ELVDD)に接続されたソース電極、及び駆動トランジスタ(M1)のソース電極に接続されたドレイン電極を含む。
【0111】
駆動トランジスタ(M1)は、データ信号を伝達する第2スイッチ(M2)のドレイン電極に接続されたゲート電極、画素の発光を制御する第3スイッチ(M3)のドレイン電極に接続されたソース電極、及び有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極に接続されたドレイン電極を含む。
【0112】
有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極は駆動トランジスタ(M1)に接続され、カソード電極は第2電源電圧(ELVSS)に接続される。
【0113】
図3の実施形態において、画素100は、駆動トランジスタ(M1)のしきい電圧が保存されるストレージキャパシタ(Cst)をさらに含む。ストレージキャパシタ(Cst)は、一端が第1ノード(N1))に接続し、他端が有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極に接続される。
【0114】
有機発光ダイオード(OLED)は、駆動トランジスタ(M1)から供給されるデータ信号による駆動電流に対応して所定輝度の光で発光する。
【0115】
図3に示した本発明の一実施形態に係わる画素100の駆動回路を参照して、図5の画素駆動タイミングによって有機発光表示装置でイメージスティッキングが補償される過程について具体的に説明する。
【0116】
図5の画素駆動タイミングは、本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置の表示部が1フレームの間に駆動する過程を示したものである。
【0117】
本発明の有機発光表示装置の表示部は、図3に示した本発明の一実施形態に係わる複数の画素100で構成され、画素100の駆動回路(以下、適宜に画素回路という)は、図3に示したようにNMOSトランジスタで実現された。図5に提示された駆動信号の電圧レベルは、図3のNMOSトランジスタで構成された画素に適用されるように設定された。したがって、画素回路のトランジスタをPMOSで実現できるのは勿論のこと、この際に図5の駆動波形の極性は反対になる。
【0118】
本発明の一実施形態に係わる画素駆動方式は同時発光駆動方式であって、1フレーム期間は、駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)、リセット期間(T11)、しきい電圧補償期間(T12)、データ書き込み期間(T13、及び発光期間(T14)の各サブフレーム期間で構成される。
【0119】
駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)は、1フレーム期間のうちの初期に設定することができる。
【0120】
特に、他の期間と分離されてイメージスティッキングを補償する期間を設定するので、外部供給電源電圧と駆動信号のタイミングを容易に変更することができ、リアルタイムでイメージスティッキングの補償が可能になる。
【0121】
また、有機発光ダイオード(OLED)の駆動電圧をリアルタイムで感知するようになって、各画素が構成する表示部の発光効率を予測できる効果が期待される。
【0122】
駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)の間に、表示部の複数の画素100それぞれに含まれている複数の第1スイッチ(M4)それぞれに感知信号が伝達される。表示部に含まれている複数の画素行はn個行からなり、各画素行ごとに接続された複数の感知線を通じて前記感知信号が伝達される。T10期間の間に、第1画素行に接続された感知線を通じて伝達される感知信号(Sense[1])から、n番目画素行に接続された感知線を通じて伝達される感知信号(Sense[n])が、それぞれ対応する画素行に含まれている複数の画素それぞれに伝達される。
【0123】
表示部の複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)のゲート電極に伝達される感知信号(Sense[1]〜Sense[n])は、ゲート電極をターンオンさせるハイレバル電圧で伝達される。この時、複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)のゲート電極に伝達される走査信号(Scan[1]〜Scan[n])、複数の画素それぞれの第3スイッチ(M3)のゲート電極に伝達される発光制御信号(EM[1]〜EM[n])は、ゲート電極をオフさせるローレベル電圧で伝達される。データ信号(Data[t])に伝達される電圧はローレベル状態に維持される。この際のデータ信号Data[t]は、1フレーム期間中の特定時間[t]に表示部の複数の画素それぞれに伝達される対応するデータ信号を代表する。
【0124】
駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)の間に、感知信号(Sense[1]〜Sense[n])によって複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)がターンオンされる。第1スイッチ(M4)を通じて有機発光表示装置のイメージ補償部から所定の第1電流が有機発光ダイオードに供給される。第1電流は有機発光ダイオードの劣化程度を感知するためのテスト電流であり、任意で設定できる。例えば、最高階調に対応するデータ電圧が駆動トランジスタに供給される時、有機発光ダイオードに流れる電流を所定の第1電流と設定することができ、中間階調または低階調に対応するデータ電圧が駆動トランジスタに供給されて流れる電流を第1電流と設定することも可能である。
【0125】
この時、有機発光ダイオード(OLED)の現在駆動電圧が、複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)のソース電極からドレイン電極を経て画素それぞれに対応するデータ線に印加される。現在駆動電圧は有機発光ダイオードの劣化程度を反映する電圧である。
【0126】
前記データ線に印加された有機発光ダイオードの駆動電圧は、本発明の一実施形態に係わる有機発光表示装置のイメージ補償部70に伝達され、データ電圧補償量を決定することに利用される。
【0127】
上記過程を図4の駆動タイミング図に基づきさらに具体的に説明する。図4は、図1に示した感知駆動部50で生成された複数の感知信号(Sense[1]〜Sense[n])が、表示部の複数の画素行に接続された複数の感知線にそれぞれ順次に伝達される時、データ選択部80に含まれている複数の選択スイッチに印加される選択信号(CH[m])のタイミング関係を示す波形図である。
【0128】
つまり、図5の駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)の間に行われる感知駆動部50の駆動タイミングを具体的に示す。
【0129】
図4から分かるように、T1期間の間に複数の画素行のうちの第1画素行に接続された感知線に、所定のゲートオン電圧レベルを有する第1感知信号(Sense[1])が伝達される。
【0130】
実施形態においては、画素100はNMOSトランジスタで実現されたので、第1スイッチ(M4)をターンオンさせる第1感知信号(Sense[1])はT1期間の間にハイレバルパルスで伝達される。
【0131】
T1期間以降に、第1感知信号(Sense[1])はローレベルパルスで伝達され、第2画素行、第3画素行にそれぞれ接続された感知線に、T2期間、T3期間の間に第2感知信号(Sense[2])、第3感知信号(Sense[3])がハイレバルパルスでそれぞれ伝達される。
【0132】
以下のそれ以外の画素行を含んで最後のn番目画素行に含まれている複数の画素に伝達される感知信号(Sense[n]、図示せず)が、順次にハイレバルパルスで伝達される。
【0133】
この時、各画素行に接続された感知線に複数の感知信号がそれぞれ伝達される期間は同一である。
【0134】
T1期間の間に伝達される第1感知信号(Sense[1])によってターンオンされた第1画素行に含まれている複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)を通じて、有機発光ダイオードの劣化程度をテストするための第1電流が流れ、これによって有機発光ダイオード(OLED)の駆動電圧が対応するデータ線に伝達される。このことにより、データ選択部80の複数の選択スイッチのうちの対応する選択スイッチは、選択信号のターンオンに応答して駆動電圧をイメージ補償部70に伝達する。
【0135】
上記選択信号は、タイミング制御部60で生成されてデータ選択部80に伝達される。タイミング制御部60は、前記感知駆動部50で生成される複数の感知信号のうちの対応する感知信号に同期され、データ選択部80に含まれる複数の選択スイッチそれぞれに複数の選択信号を生成して伝達する。
【0136】
第1画素行に含まれている複数の画素がm個の場合、第1画素からm番目画素にそれぞれ対応するデータ線が接続され、対応するデータ線に対応する選択スイッチが接続される。
【0137】
いずれか一つの画素行に含まれている複数の画素に感知信号が伝達される期間の間に、m個の画素にそれぞれ対応するm個の選択スイッチそれぞれをターンオンさせる電圧レベルのパルスを有するm個の選択信号(CH[1]〜CH[m])が伝達される。
【0138】
一例として、図4に示したように、T1期間の間にA1時点、A2時点、A3時点乃至Am時点に、それぞれ第1画素行に該当する複数の画素のうちの第1画素に対応する選択スイッチから、順次に第1選択信号(CH[1])、第2選択信号(CH[2])、第3選択信号(CH[3])乃至第m選択信号(CH[m])が伝達される。
【0139】
図5の画素駆動タイミングにおいて、駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)以後に複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)に伝達される感知信号(Sense[1]〜Sense[n])は全てゲートオフ電圧レベルを有するので、複数の第1スイッチ(M4)がターンオフされ、それ以上の複数の有機発光ダイオードの駆動電圧が感知されない。
【0140】
図5において、リセット期間(T11)の間に、表示部の複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)のゲート電極に伝達される走査信号(Scan[1]〜Scan[n])と、表示部の複数の画素それぞれの第3スイッチ(M3)のゲート電極に伝達される発光制御信号(EM[1]〜EM[n])は、ハイレバルパルスで供給されるので、複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)と複数の画素それぞれの第3スイッチ(M3)はターンオンされる。これによって複数の画素それぞれの駆動トランジスタ(M1)もターンオンされる。
【0141】
リセット期間(T11)では、第1電源電圧(ELVDD)がほぼ0V程度のローレベルで印加され、相対的に走査信号(Scan[n])がハイレバル電圧で印加されて、有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極に集まった電荷を速やかに放電させることができる。このことにより、有機発光ダイオード(OLED)の駆動電圧を速やかにリセットさせることができる。
【0142】
次に続くしきい電圧補償期間(T12)は、表示部10の複数の画素それぞれに具備された駆動トランジスタ(M1)のしきい電圧がストレージキャパシタ(Cst)に保存される期間であって、以降各画素にデータ電圧が充電される際に駆動トランジスタのしきい電圧偏差による不良を除去する役割を果たす。
【0143】
しきい電圧補償期間(T12)の間に、複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)のゲート電極に伝達される走査信号(Scan[1]〜Scan[n])と、複数の画素それぞれの第3スイッチ(M3)のゲート電極に伝達される発光制御信号(EM[1]〜EM[n])は、ハイレバルパルスで供給されるので、複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)、第3スイッチ(M3)、及び駆動トランジスタ(M1)がターンオンされる。
【0144】
しきい電圧補償期間(T12)では、第1電源電圧(ELVDD)がハイレバル電圧で印加され、データ信号(Data[t])の電圧は特に制限されないが、各画素にデータ電圧が充電される時の駆動トランジスタ(M1)のしきい電圧偏差を最もよく代表することができる電圧値、または駆動トランジスタ(M1)をターンオンさせるための最低電圧値で印加され得る。
【0145】
この時、有機発光ダイオード(OLED)のカソード電極の電圧を所定の電圧レベルに調整して、有機発光ダイオード(OLED)に電流が流れないように設定すれば、しきい電圧補償期間(T12)の間にストレージキャパシタ(Cst)には駆動トランジスタのしきい電圧に対応する電圧が充電される。
【0146】
次に、データ書き込み期間(T13)の間には、表示部10の複数の各走査線(S1乃至Sn)に接続されたそれぞれの画素に対して順次に走査信号(Scan[1]〜Scan[n])が印加され、これによって複数の各データ線(D1乃至Dm)に供給されるデータ信号が伝達される。図5において、走査信号(Scan[1]〜Scan[n])は、T13期間の間に順次に第2スイッチ(M2)をターンオンさせるハイレバルのパルスを含み、図5ではこれを重ねて示した。
【0147】
データ書き込み期間(T13)の間に走査信号(Scan[1]〜Scan[n])が各走査線に対して順次に入力され、これに対応して各走査線別に接続された画素にデータ信号が順次に入力される。上記期間の間に発光制御信号(EM[1]〜EM[n])はローレベルパルスで伝達され、複数の画素それぞれの第3スイッチ(M3)はターンオフされる。これにより、第1電源電圧(ELVDD)は上記期間に対していずれのレベルの電圧で提供されても差し支えない。
【0148】
データ書き込み期間(T13)の間にハイレバルの走査信号が順次に印加されて、複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)がターンオンされれば、これに対して所定の多様な電圧値を有するデータ信号が、第2スイッチ(M2)のソース電極及びドレイン電極を経て第1ノード(N1)に順次に印加される。
【0149】
しきい電圧補償期間(T12)間にストレージキャパシタ(Cst)の両端電圧は駆動トランジスタ(M1)のしきい電圧に対応する電圧で充電されたので、データ書き込み期間(T13)の間に第1ノード(N1)に接続されたストレージキャパシタ(Cst)の一端電圧はデータ信号の電圧変化によって変化し、ストレージキャパシタ(Cst)の他端電圧はしきい電圧で充電された電圧からデータ信号の変化に対応する電圧ほど変化する。
【0150】
データ書き込み期間(T13)の間には複数の画素それぞれの第3スイッチ(M3)がターンオフされているので、有機発光ダイオード(OLED)と第1電源電圧(ELVDD)との間に電流経路が形成されないため、実質的には複数の画素それぞれの有機発光ダイオード(OLED)には電流が流れない。つまり、発光が行われない。
【0151】
最後に、発光期間(T14)で、複数の画素それぞれの有機発光ダイオード(OLED)が、データ書き込み期間(T13)に入力されたデータ信号に対応して発光する。つまり、表示部10の複数の画素それぞれに保存されたデータ信号電圧に対応する電流が、各画素に具備された有機発光ダイオード(OLED)に提供されて発光が行われる。
【0152】
発光期間(T14)で、第1電源電圧(ELVDD)が所定のハイレバルで印加され、走査信号(Scan[1]〜Scan[n])はローレベルパルスで伝達され、発光制御信号(EM[1]〜EM[n])はハイレバルパルスで伝達される。したがって、複数の画素それぞれの第2スイッチ(M2)はターンオフされ、第3スイッチ(M3)と駆動トランジスタ(M1)はターンオンされて、第1電源電圧(ELVDD)と有機発光ダイオード(OLED)のカソード電極までの電流経路が形成される。
【0153】
これにより、駆動トランジスタ(M1)のゲート電極とソース電極間の電圧差に相当する電圧に対応する電流が、複数の画素それぞれの有機発光ダイオード(OLED)に印加され、これに対応する明るさで発光する。
【0154】
上述のように、1フレーム期間中の初期所定期間の間に第1スイッチ(M4)のみを駆動させてイメージスティッキングを補償する期間を別に設定し、これを除いたそれ以外の期間の間に同時発光方式によって画素を駆動して1フレームを実現し、このような過程を繰り返すことでそれ以後のフレームを反復的で実現する。
【0155】
図6は、図1に示した画素の他の実施形態に係わる構成を示す回路図である。図6の画素は、表示部を構成する複数の画素のうちのn番目画素行に含まれている複数の画素のうちの一つを代表的に示した。図3の画素駆動回路とは異なって、図6の実施形態に係わる画素100の駆動回路はPMOSトランジスタで実現される。したがって、画素を構成する複数のPMOSトランジスタそれぞれに伝達されるスイッチング駆動信号のゲートオン電圧レベルはローレベルである。
【0156】
図6を参照すれば、本発明の他の実施形態に係わる画素100は、図3に示した画素と大きく異ならないので、以下では図3の画素駆動回路との差異点を中心に説明する。
【0157】
図6の実施形態に係わる画素100は、駆動トランジスタ(P1)のゲート電極と第2スイッチ(P2)のドレイン電極との間に分岐されて接続された第1キャパシタ(C1)及び第2キャパシタ(C2)を含む。
【0158】
つまり、第1キャパシタ(C1)の一端がN20ノードに接続され、第1キャパシタ(C1)の他端は駆動トランジスタ(P1)のゲート電極と接続されたN10ノードに接続される。第2キャパシタ(C2)の一端がN20ノードに接続され、第2キャパシタ(C2)の他端は駆動トランジスタ(P1)のソース電極にそれぞれ接続される。
【0159】
したがって、第1キャパシタ(C1)及び第2キャパシタ(C2)は、走査信号(Scan[n])に応答して第2スイッチ(P2)がターンオンされてデータ信号(Data[t])による電圧が印加される時、駆動トランジスタ(P1)のゲート電極端の電圧値の変化を制御する。
【0160】
また、図6の画素100は、しきい電圧制御線に接続されてしきい電圧制御信号の供給を受けるゲート電極、N10ノードに接続されたソース電極、及び駆動トランジスタ(P1)のドレイン電極と有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極との間に接続されたドレイン電極を含むしきい電圧トランジスタ(P3)をさらに含む。
【0161】
しきい電圧制御信号(GC[t])がゲートオン電圧レベルで伝達されて、しきい電圧トランジスタ(P3)をターンオンさせることができるが、しきい電圧トランジスタ(P3)はPMOSトランジスタであるので、前記ゲートオン電圧レベルはローレベルになる。しきい電圧トランジスタ(P3)がターンオンされれば、駆動トランジスタ(P1)のしきい電圧が充電される。
【0162】
図6の画素の駆動は図5の駆動タイミングからなり、ただし、図5は、画素のトランジスタがNMOSの場合を想定したものであるので、上記図5の駆動波形の極性が反転したものに適用することができる。
【0163】
図6の画素駆動も図3に示した画素の駆動と大きく異ならないので、類似する説明は省略する。
【0164】
駆動電圧感知及びデータ補償期間(T10)の間に表示部の複数の画素100それぞれに含まれている第1スイッチ(P4)に、ローレベルのパルスを含む感知信号(Sense[1]〜Sense[n])が順次に伝達されてターンオンされる。この期間の間に複数の画素それぞれに含まれている第2スイッチ(P2)に伝達される走査信号(Scan[1]〜Scan[n])と、複数の画素それぞれに含まれているしきい電圧トランジスタ(P3)に伝達されるしきい電圧制御信号(GC[1]〜GC[n])は、ハイレバルのパルスを含むので、第2スイッチ(P2)及びしきい電圧トランジスタ(P3)がターンオフされる。したがって、複数の画素それぞれの駆動トランジスタ(P1)もターンオフされる。
【0165】
このことにより、T10期間の間に、ターンオンされた複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)を通じて有機発光表示装置のイメージ補償部から所定の第1電流が有機発光ダイオードに供給される。上記第1電流に対応して有機発光ダイオード(OLED)の現在駆動電圧が、複数の画素それぞれの第1スイッチ(M4)のソース電極からドレイン電極を経て画素それぞれに対応するデータ線に印加される。上述した通り、データ線によってイメージ補償部70に伝達される有機発光ダイオードの駆動電圧は、現在の有機発光ダイオードの劣化程度を反映し、イメージ補償部70でリアルタイムで劣化によって減少した発光量に対応するデータ電圧補償量を決定する。
【0166】
リセット期間(T11)間に走査信号(Scan[1]〜Scan[n])がローレベルで伝達され、複数の画素それぞれの第2スイッチ(P2)をターンオンさせる時、複数の画素それぞれのしきい電圧トランジスタ(P3)に伝達されるしきい電圧制御信号(GC[1]〜GC[t])はハイレバルで伝達され、しきい電圧トランジスタ(P3)をターンオフさせる。リセット期間(T11)の間に伝達されるデータ信号によるデータ電圧を所定の適切な電圧値に設定すれば、有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極に集まった電荷は速やかに放電して、駆動トランジスタ(P1)の駆動電圧がリセットされる。
【0167】
リセット期間以降のしきい電圧補償期間(T12)では、走査信号(Scan[1]〜Scan[n])と共にしきい電圧制御信号(GC[1]〜GC[t])がローレベルで印加されて、複数の画素それぞれの第2スイッチ(P2)及びしきい電圧トランジスタ(P3)をターンオンさせる。複数の画素それぞれのしきい電圧トランジスタ(P3)がターンオンされれば、複数の画素それぞれの駆動トランジスタ(P1)がダイオード接続されて、駆動トランジスタ(P1)のゲート電極にはソース電圧からしきい電圧より低い電圧が印加される。したがって、キャパシタ(C1)は駆動トランジスタ(P1)のしきい電圧に対応する電圧で充電される。
【0168】
そして、発光期間に対応する走査信号によって複数の画素それぞれの第2スイッチ(P2)がターンオンされて伝達されるデータ電圧により、複数の画素それぞれの駆動トランジスタ(P1)のゲート電極電圧がブースティングされる。したがって、駆動トランジスタ(P1)のゲート電極電圧は、しきい電圧が補償されたデータ電圧が印加される。複数の画素それぞれの有機発光ダイオードは、駆動トランジスタ(P1)のゲート電極及びソース電極の電圧差によって発生した駆動電流によって発光する。
【0169】
以上、本発明の具体的な実施形態と関連して本発明について説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。当業者は本発明の範囲を逸脱せずに説明された実施形態を変更または変形することができ、このような変更または変形も本発明の範囲に属するものである。また、明細書で説明された各構成要素の物質は、当業者が公知された多様な物質から容易に選択して代替可能である。また、当業者は本明細書で説明された構成要素のうちの一部を性能の劣化なしに省略するか、または性能を改善するために構成要素を追加することができる。これだけでなく、当業者は工程環境や装備によって本明細書で説明した方法段階の順序を変更することも可能である。したがって、本発明の範囲は、説明した実施形態ではなく特許請求の範囲及びその均等物によって決定されなければならない。
【符号の説明】
【0170】
10 表示部
20 走査駆動部
30 データ駆動部
40 発光制御駆動部
50 感知駆動部
60 タイミング制御部
70 イメージ補償部
80 データ選択部
100 画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオードと;
前記有機発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動トランジスタと;
前記駆動トランジスタに対応するデータ信号を伝達するデータ線と;
前記有機発光ダイオードの一電極に接続される第1電極と、前記データ線に接続される第2電極とを含む第1スイッチと;及び
前記データ線に接続される第1電極と、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続される第2電極とを含む第2スイッチを含み、
前記第1スイッチをターンオンさせて前記有機発光ダイオードに所定の第1電流を伝達し、前記有機発光ダイオードの一電極の電圧を前記データ線によって伝達を受け、前記伝達された電圧によって前記有機発光ダイオードの劣化程度を検出し、前記検出された劣化を補償するために前記データ線に伝達されるデータ信号を補償する有機発光表示装置。
【請求項2】
前記第1スイッチをターンオンさせる期間は、1フレーム期間中の所定期間であり、
前記1フレーム期間は、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間を含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記所定期間は前記リセット期間以前であることを特徴とする、請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記第1スイッチをターンオンさせる期間の間に、前記第2スイッチ及び前記駆動トランジスタはターンオフされる、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記有機発光ダイオードの一電極の電圧が前記データ線によって伝達されるイメージ補償部、及び
前記データ線と前記イメージ補償部との間に位置し、選択信号によってターンオンされて前記一電極の電圧を前記イメージ補償部に伝達する選択スイッチをさらに含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記第2スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された一端、及び前記有機発光ダイオードの一電極に接続された他端を含むストレージキャパシタをさらに含み、
前記ストレージキャパシタは、1フレーム期間のうち、前記第2スイッチがターンオンされて前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間の間に前記データ電圧を充電する、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
第1電源電圧に接続される第1電極、及び前記駆動トランジスタのソース電極に接続される第2電極を含む第3スイッチをさらに含み、
前記第3スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間の間にターンオンされる、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記駆動トランジスタのゲート電極に接続された第1電極、及び前記駆動トランジスタのソース電極に接続された第2電極を含むしきい電圧トランジスタをさらに含み、
前記しきい電圧トランジスタは、1フレーム期間のうちの前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
複数の有機発光ダイオードそれぞれを含む複数の画素、
前記複数の画素それぞれに対応するデータ信号を伝達する複数のデータ線、
前記複数の有機発光ダイオードそれぞれに所定の第1電流が流れる間に、前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの駆動電圧を、対応するデータ線によって伝達を受けるイメージ補償部を含み、
前記イメージ補償部は、前記伝達された駆動電圧によって前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの劣化程度を判断し、前記判断された劣化程度に基づいて前記複数の画素それぞれに伝達される複数のデータ信号それぞれを補償する有機発光表示装置。
【請求項11】
前記有機発光表示装置は、複数の画素それぞれに接続される複数の感知線に対応する感知信号を生成して伝達する感知駆動部をさらに含み、
前記複数の画素それぞれは、前記対応する感知信号に応答して所定の第1電流を伝達し、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を伝達する第1スイッチを含む、請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記第1スイッチは、1フレーム期間中の所定期間の間にターンオンされ、
前記1フレーム期間は、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間を含む、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記所定期間は前記リセット期間以前であることを特徴とする、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記複数の画素それぞれは、
前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチと、
前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタと、及び
第1電源電圧と前記駆動トランジスタとの間に位置し、前記有機発光ダイオードの発光を制御する第3スイッチを含む、請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記複数の画素それぞれは、
前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチと、
前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタと、及び
前記駆動トランジスタをダイオード接続して前記駆動トランジスタのゲート電極に接続されたキャパシタに前記駆動トランジスタのしきい電圧を充電させるしきい電圧トランジスタを含む、請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記複数の画素それぞれは、
前記駆動トランジスタのゲート電極とソース電極に接続されたストレージキャパシタを含み、
前記ストレージキャパシタは、1フレーム期間のうち、前記第2スイッチがターンオンされる間に、前記補償されたデータ信号に対応するデータ電圧を充電する、請求項14または15に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記第2スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる、請求項14または15に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記有機発光表示装置は、前記複数の画素それぞれに接続されたデータ線に接続され、前記データ線によって伝達される電圧経路を選択する選択スイッチを含むデータ選択部をさらに含み、
前記選択スイッチは選択信号によってターンオンされ、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を前記イメージ補償部に伝達する、請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
複数の有機発光ダイオードそれぞれを含む複数の画素、前記複数の画素それぞれに対応するデータ信号を伝達する複数のデータ線、及び前記複数の有機発光ダイオードそれぞれに所定の第1電流が流れる間に、前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの駆動電圧を、対応するデータ線によって伝達を受けるイメージ補償部を含む有機発光表示装置の駆動方法において、
前記対応するデータ線によって前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの駆動電圧が伝達される駆動電圧感知段階と;及び
前記伝達された駆動電圧によって前記複数の有機発光ダイオードそれぞれの劣化程度を判断し、前記判断された劣化程度に基づいて前記複数の画素それぞれに伝達される複数のデータ信号それぞれを補償する補償段階と;
を含む有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項20】
前記駆動電圧感知段階及び補償段階は、1フレーム期間中の所定期間の間に行われ、
前記1フレームの期間は、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間、前記データ信号によるデータ電圧を伝達するデータ書き込み期間、及び前記有機発光ダイオードが発光する発光期間を含む、請求項19に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項21】
前記所定期間は前記リセット期間以前であることを特徴とする、請求項20に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項22】
前記駆動電圧感知段階及び補償段階が行われる期間の間に、前記複数の画素それぞれに含まれている前記有機発光ダイオードに所定の第1電流が流れるようにし、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を対応するデータ線に伝達する複数の画素それぞれの第1スイッチはターンオンされる、請求項19に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項23】
前記複数の画素それぞれは、
前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチ、前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタ、及び第1電源電圧と前記駆動トランジスタとの間に位置し、前記有機発光ダイオードの発光を制御する第3スイッチを含み、
前記駆動電圧感知段階及び補償段階が行われる期間の間に、前記第2スイッチ、駆動トランジスタ、及び第3スイッチはターンオフされる、請求項22に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項24】
前記複数の画素それぞれは、
前記複数のデータ線のうちの対応するデータ線によって補償されたデータ信号を伝達する第2スイッチ、前記補償されたデータ信号による駆動電流を前記有機発光ダイオードに供給する駆動トランジスタ、及び前記駆動トランジスタをダイオード接続して前記駆動トランジスタのゲート電極に接続されたキャパシタに前記駆動トランジスタのしきい電圧を充電させるしきい電圧トランジスタを含み、
前記駆動電圧感知段階及び補償段階が行われる期間の間に、前記第2スイッチ、駆動トランジスタ、及びしきい電圧トランジスタはターンオフされる、請求項22に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項25】
前記複数の画素それぞれは、
前記駆動トランジスタのゲート電極とソース電極に接続されたストレージキャパシタを含み、
前記ストレージキャパシタは、1フレーム期間のうちの前記第2スイッチがターンオンされる間に、前記補償されたデータ信号に対応するデータ電圧を充電する、請求項23または24に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項26】
前記第2スイッチは、1フレーム期間のうち、前記有機発光ダイオードの駆動電圧をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタのしきい電圧を補償するしきい電圧補償期間の間にターンオンされる、請求項23または24に記載の有機発光表示装置の駆動方法。
【請求項27】
前記有機発光表示装置は、前記複数の画素それぞれに接続されたデータ線に接続され、前記データ線によって伝達される電圧経路を選択する選択スイッチを含むデータ選択部をさらに含み、
前記選択スイッチは選択信号によってターンオンされ、前記有機発光ダイオードの駆動電圧を前記イメージ補償部に伝達する、請求項19に記載の有機発光表示装置の駆動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−237754(P2011−237754A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201923(P2010−201923)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】