説明

有機発光表示装置

【課題】本発明は、外光反射を抑制して、視認性を向上させた有機発光表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明による有機発光表示装置100は、基板部材110と、上記基板部材110上に形成された複数の画素電極710と、上記画素電極710を露出させる複数の開口部を備えて上記基板部材110上に形成された画素定義膜190と、上記画素定義膜190の開口部内で上記画素電極710上に形成された複数の有機発光層720と、陥没形成された複数のレンズ収納部215、216を有して上記基板部材110に対向配置されて上記有機発光層720および上記画素定義膜190をカバーする封止部材210と、上記複数のレンズ収納部215、216に各々形成された複数の集光部材310と、を含み、上記集光部材310による集光領域は上記画素定義膜190上に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に関し、より詳しくは外光反射を抑制して、視認性を向上させた有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、正孔注入電極と、有機発光層と、電子注入電極を有する複数の有機発光素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)を含む。有機発光層内部で電子と正孔が結合されて生成された励起子(exciton)が励起状態から基底状態に落ちる時に発生されるエネルギーによって発光され、これを用いて有機発光表示装置は画像を表示する。
【0003】
従って、有機発光表示装置は自発光特性を有し、液晶表示装置とは異なって別途の光源を要しないため、厚さと重量を減らすことができる。また、有機発光表示装置は低い消費電力、高い輝度および高い反応速度などの高品位特性を有するため、携帯用電子機器の次世代表示装置として注目されている。
【0004】
一般に有機発光表示装置が有する正孔注入電極および電子注入電極のうち一つ以上の電極とその他様々な金属配線は外部から入射される光を反射する。従って、有機発光表示装置を明るい所で使用すると、外光反射によって黒色の表現およびコントラストが不良となる問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、偏光板および位相遅延板を配置して、外光反射を抑制する構成がある。しかし、偏光板および位相遅延板を配置して外光反射を抑制すると、有機発光層から発生された光も偏光板および位相遅延板を経て外部へ出射される時、相当量が共に損失される問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、外光反射を抑制して、視認性を向上させた、新規かつ改良された有機発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板部材と、上記基板部材上に形成された複数の画素電極と、上記画素電極を露出させる複数の開口部を有して上記基板部材上に形成された光を吸収する物質を含む画素定義膜と、上記画素定義膜の開口部内で上記画素電極上に形成された複数の有機発光層と、陥没形成された複数のレンズ収納部を有して上記基板部材に対向配置されて上記有機発光層および上記画素定義膜をカバーする封止部材と、そして上記複数のレンズ収納部に各々形成された複数の集光部材と、を含み、上記集光部材による集光領域は上記画素定義膜上に位置する有機発光表示装置が提供される。
【0008】
前記画素定義膜は光を吸収する物質を含むことができる。
【0009】
前記集光領域に配置された遮光部材をさらに含むことができる。
【0010】
一つの上記集光部材は複数の上記画素電極をカバーすることができる。
【0011】
上記封止部材のレンズ収納部は球面を有し、上記集光部材は上記レンズ収納部に充填されることができる。
【0012】
上記封止部材と上記画素定義膜の間に配置された充填部材をさらに含み、上記集光部材は上記充填部材の一部が上記レンズ収納部に充填されることができる。
【0013】
上記有機発光表示装置において、上記レンズ収納部は上記有機発光層と対向する上記封止部材の一面に形成することができる。
【0014】
上記集光部材は上記封止部材より屈折率が大きい物質で形成することができる。
【0015】
上記有機発光表示装置において、上記レンズ収納部は上記有機発光層と対向する上記封止部材の一面の反対となる他面に形成することができる。
【0016】
上記集光部材は上記封止部材より屈折率が小さい物質で形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、有機発光表示装置は外光反射を抑制して、向上された視認性を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
以下、添付図を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は様々な形態に具現され、ここで説明する実施形態に限られない。
【0020】
また、図面に示した各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたものに限られない。
【0021】
また、図面から様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似する部分については同じ図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上」または「上に」あるという時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、その間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分「真上に」あるという時にはその間に他の部分がないことを意味する。

【0022】
また、様々な実施形態において、同じ構成を有する構成要素については同じ符号を使って代表的に第1実施形態を説明し、その他の実施形態では第1実施形態と異なった構成のみ説明する。
【0023】
また、添付図は、一つの画素に二つの薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)と一つの蓄電素子(capacitor)を備えた2Tr-1Cap構造の能動駆動(active matrix、AM)型有機発光表示装置を示しているが、本発明がこれに限定されるのではない。従って、有機発光表示装置は一つの画素に三つ以上の薄膜トランジスタと二つ以上の蓄電素子を具備することができ、別途の配線がさらに形成されて多様な構造を有するように形成できる。
【0024】
ここで、画素は画像を表示する最小単位を意味し、有機発光表示装置は複数の画素を通して画像を表示する。
【0025】
(第一の実施形態)
以下、図1乃至図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0026】
まず、図1および図2を参照して本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置100の基本構造を薄膜トランジスタ10、20および有機発光素子70を中心に説明する。
【0027】
次に、図3乃至図4を参照して本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置100が備えている封止部材210および集光部材310について説明する。
【0028】
図1に示したように、有機発光表示装置100は一つの画素にスイッチング薄膜トランジスタ10と、駆動薄膜トランジスタ20と、蓄電素子80と、有機発光素子(OLED)70とを含む。また、有機発光表示装置100は、一方向に沿って配置されるゲートライン151と、ゲートライン151と絶縁交差されるデータライン171および共通電源ライン172をさらに含む。ここで、一つの画素はゲートライン151、データライン171および共通電源ライン172を境界として定義できる。
【0029】
有機発光素子70は、画素電極710と、画素電極710上に形成された有機発光層720と、有機発光層720上に形成された共通電極730(図2に図示)とを含む。ここで、画素電極710は正孔注入電極の正(+)極であり、共通電極730は電子注入電極の負(−)極となる。しかし、本発明が必ずしもこれに限定されるのではなく、有機発光表示装置100の駆動方法により画素電極710が負極となり、共通電極730が正極となりうる。画素電極710および共通電極730から各々正孔と電子が有機発光層720内部に注入される。注入された正孔と電子が結合された励起子(exiton)が励起状態から基底状態に落ちる時に発光される。
【0030】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、スイッチング半導体層131と、スイッチングゲート電極152と、スイッチングソース電極173と、スイッチングドレイン電極174とを含み、駆動薄膜トランジスタ20は駆動半導体層132、駆動ゲート電極155、駆動ソース電極176および駆動ドレイン電極177を含む。
【0031】
蓄電素子80は層間絶縁膜160(図2に図示)を間において配置された第1維持電極158と第2維持電極178を含む。
【0032】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、発光させようとする画素を選択するスイッチング素子として用いられる。スイッチングゲート電極152はゲートライン151と連結される。スイッチングソース電極173はデータライン171と連結される。スイッチングドレイン電極174はスイッチングソース電極173から離隔配置されると共に、第1維持電極158と連結される。
【0033】
駆動薄膜トランジスタ20は選択された画素内の有機発光素子70の有機発光層720を発光させるための駆動電源を画素電極710に印加する。駆動ゲート電極155は第1維持電極158と連結される。駆動ソース電極176および第2維持電極178は各々共通電源ライン172と連結される。駆動ドレイン電極177は接触孔182を通して有機発光素子70の画素電極710と連結される。
【0034】
このような構造によって、スイッチング薄膜トランジスタ10はゲートライン151に印加されるゲート電圧によって作動されて、データライン171に印加されるデータ電圧を駆動薄膜トランジスタ20に伝達する役割を果たす。共通電源ライン172から駆動薄膜トランジスタ20に印加される共通電圧とスイッチング薄膜トランジスタ10から伝送されたデータ電圧との差に当たる電圧が蓄電素子80に保存されて、蓄電素子80に保存された電圧に対応する電流が駆動薄膜トランジスタ20を通して有機発光素子70に流れて、有機発光素子70が発光するようになる。
【0035】
以下、図2を参照して、有機発光表示装置100の基本構造について具体的に説明する。図2は駆動薄膜トランジスタ20、有機発光素子70および蓄電素子80を中心に有機発光表示装置100を示している。
【0036】
以下、駆動薄膜トランジスタ20で薄膜トランジスタの構造について詳しく説明する。また、スイッチング薄膜トランジスタ10は駆動薄膜トランジスタとの相違点だけ簡略に説明する。
【0037】
基板部材110はガラス、石英、セラミック、プラスチックなどで構成された絶縁性基板で形成される。しかし、本発明がこれに限定されるのではない。従って、基板部材110がステンレス鋼などで構成された金属性基板で形成されることもありうる。
【0038】
基板部材110上にバッファ層120が形成される。バッファ層120は不純元素の浸透を防止すると共に表面を平坦化させる役割を果たし、このような役割を遂行できる多様な物質で形成される。例えば、バッファ層120は窒化ケイ素(SiNx)膜、酸化ケイ素(SiO)膜、酸窒化ケイ素(SiOxNy)膜のうちいずれか一つが用いられる。しかし、バッファ層120は必ずしも必要ではなく、基板部材110の種類および工程条件により省略できる。
【0039】
バッファ層120の上には駆動半導体層132が形成される。駆動半導体層132は多結晶シリコン膜で形成される。また、駆動半導体層132は不純物がドーピングされないチャンネル領域135と、チャンネル領域135の両側でP型不純物がドーピングされて形成されたソース領域136およびドレイン領域137を含む。この時、ドーピングされるイオン物質はホウ素(B)のようなP型不純物であり、主にBが使用される。ここで、このような不純物は薄膜トランジスタの種類によって変わる。
【0040】
本発明の第1実施形態では駆動薄膜トランジスタ20としてP型不純物を用いたPMOS構造の薄膜トランジスタが使用されたがこれに限定されるのではない。従って、駆動薄膜トランジスタ20にNMOS構造またはCMOS構造の薄膜トランジスタも全て用いることができる。
【0041】
また、図2に示された駆動薄膜トランジスタ20は多結晶シリコン膜を含む多結晶薄膜トランジスタであるが、図2に示されていないスイッチング薄膜トランジスタ10は多結晶薄膜トランジスタでもよく、非晶質シリコン膜を含む非晶質薄膜トランジスタでもよい。
【0042】
駆動半導体層132の上には窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiO)などで形成されたゲート絶縁膜140が形成される。ゲート絶縁膜140上に駆動ゲート電極155を含むゲート配線が形成される。ゲート配線はゲートライン151(図1に図示)、第1維持電極158およびその他に配線をさらに含む。そして駆動ゲート電極155は駆動半導体層132の少なくとも一部、特にチャンネル領域135と重なるように形成される。
【0043】
ゲート絶縁膜140上には駆動ゲート電極155を覆う層間絶縁膜160が形成される。ゲート絶縁膜140と層間絶縁膜160は駆動半導体層132のソース領域136およびドレイン領域137を露出させる複数の貫通孔を共に有する。層間絶縁膜160は、ゲート絶縁膜140と同様に、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiO)等で形成される。
【0044】
層間絶縁膜160上には駆動ソース電極176および駆動ドレイン電極177を含むデータ配線が形成される。データ配線はデータライン171(図1に図示)、共通電源ライン172、第2維持電極178およびその他に配線をさらに含む。また、駆動ソース電極176および駆動ドレイン電極177は各々貫通孔を通して駆動半導体層132のソース領域136およびドレイン領域137と連結される。
【0045】
このように、駆動半導体層132、駆動ゲート電極155、駆動ソース電極176および駆動ドレイン電極177を含む駆動薄膜トランジスタ20が形成される。
【0046】
駆動薄膜トランジスタ20の構成は前述した例に限定されず、当該技術分野の専門家が容易に実施できる公知された構成で多様に変形できる。
【0047】
層間絶縁膜160上にはデータ配線172、176、177、178を覆う平坦化膜180が形成される。平坦化膜180はその上に形成される有機発光素子70の発光効率を上げるために段差をなくして平坦化させる役割を果たす。また、平坦化膜180は駆動ドレイン電極177の一部を露出させる接触孔182を有する。
【0048】
平坦化膜180はアクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides rein)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(poly phenylenesulfides resin)、およびベンゾシクロブテン(benzocyclobutene、BCB)のうち一つ以上の物質などで形成される。
【0049】
平坦化膜180上には有機発光素子70の画素電極710が形成される。画素電極710は平坦化膜180の接触孔182を通して駆動ドレイン電極177と連結される。
【0050】
また、平坦化膜180上には画素電極710を露出させる開口部を有する画素定義膜190が形成される。つまり、画素電極710は画素定義膜190の開口部に対応するように配置される。
【0051】
画素定義膜190はポリアクリル系樹脂(polyacrylate sresin)およびポリイミド系(polyimides)等の樹脂またはシリカ系の無機物などで形成できる。また、画素定義膜は光吸収物質を含む。つまり、画素定義膜は光を遮断するために黒色系の顔料を含むことができる。ここで、黒色系の顔料としては、カーボンブラックやチタンオキシドなどを用いることができる。その他にも、光吸収物質として当該技術分野の専門家が容易に実施できる公知された多様な素材が用いられる。
【0052】
画素定義膜190の開口部内で画素電極710上には有機発光層720が形成され、画素定義膜190および有機発光層720上には共通電極730が形成される。
【0053】
このように、画素電極710、有機発光層720、および共通電極730を含む有機発光素子70が形成される。
【0054】
画素電極710と共通電極730のうちいずれか一つは透明な導電性物質で形成され、他の一つは半透過型または反射型導電性物質で形成される。画素電極710および共通電極730を形成する物質の種類によって、有機発光表示装置100は前面発光型、背面発光型または両面発光型となりうる。一方、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置100は前面発光型で形成される。
【0055】
透明な導電性物質としては、インジウム錫酸化物(indium tin oxide、ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide、IZO)、ZnO(酸化亜鉛)またはIn(Indium Oxide)等の物質が用いられる。反射型物質としては、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム/カルシウム(LiF/Ca)、フッ化リチウム/アルミニウム(LiF/Al)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、または金(Au)等の物質を用いられる。
【0056】
有機発光層720は低分子有機物または高分子有機物で構成される。このような有機発光層720は正孔注入層(hole−injection layer、HIL)、正孔輸送層(hole−transporting layer、HTL)、発光層、電子輸送層(electron−transportiong layer、ETL)、及び電子注入層(electron−injection layer、EIL)を含む多重膜で形成される。つまり、正孔注入層は正極の画素電極710上に配置され、その上に正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が順に積層される。
【0057】
次に、図3乃至図5を参照して本発明の第1実施形態による有機発光表示装置が備えた封止部材および集光部材を説明する。
【0058】
図3に示したように、封止部材210は基板部材110上に形成された薄膜トランジスタ10、20(図1および図2に図示)および有機発光素子70等を外部から封止されるようにカバーして保護する。また、封止部材210は陥没形成された複数のレンズ収納部215を有する。この時、レンズ収納部215は有機発光層720を含む有機発光素子70に対向する封止部材210の一面に形成される。また、レンズ収納部215は球面を有する。具体的に、レンズ収納部215は中心に近づくほど深く陥没した半円または半楕円の断面状を有する。
【0059】
図4に示したように、一つのレンズ収納部215は複数の画素電極710をカバーする。また、集光部材310は複数のレンズ収納部215に各々配置される。従って、一つの集光部材310も複数の画素電極710をカバーする。
【0060】
また、一つのレンズ収納部215および集光部材310がカバーする複数の画素電極730は図4で示した配列に限られない。つまり、レンズ収納部215および集光部材310は横方向または縦方向に自由に複数の画素電極730をカバーすることができる。
【0061】
また、画素定義膜190が形成された部分は画素電極710が形成された部分を除いた他の部分と実質的に同一である。しかし、これらの境界を含む一部領域で画素定義膜190と画素電極710が重なることもできる。
【0062】
図5に示したように、集光部材310は封止部材210のレンズ収納部215に満たされるように形成される。つまり、集光部材310が有する球面はレンズ収納部215が有する球面と実質的に同一である。本発明の第1実施形態において、有機発光表示装置100は封止部材210と画素定義膜190との間に配置された充填部材312をさらに含む。具体的に、充填部材312は封止部材210と共通電極730の間に配置される。そして充填部材312の一部が封止部材210のレンズ収納部215に充填されて、集光部材310を形成する。つまり、集光部材310と充填部材312は一体に形成される。しかし、本発明がこれに限定されるのではなく、集光部材310は充填部材312と別途に形成されることもありうる。
【0063】
また、集光部材310による集光領域は画素定義膜190上に位置する。この時、一つの集光部材310が複数の画素電極710をカバーするため、集光領域は画素電極710の間の画素定義膜190上に位置する。つまり、集光部材310を通過した外光は画素定義膜190上に集光される。本発明の第1実施形態において、集光領域は画素定義膜190の真上に位置する。つまり、外部から封止部材210を通過した光は集光部材310を経て画素定義膜190真上に集光される。ここで、画素定義膜190は光吸収物質を含むため、画素定義膜190上に集光された外光は反射されずに消滅される。
【0064】
また、集光部材310は封止部材210より屈折率が大きい物質で形成できる。このように、集光部材310と封止部材210の屈折率差を利用して、集光効果を一層高めることができる。
【0065】
また、集光部材310は封止部材210より屈折率が大きい物質であれば必ずしも固体である必要はない。従って、封止部材210が有する屈折率によって集光部材310は空気、ガス、およびその他液状の物質で形成されることもありうる。
【0066】
また、充填部材312が集光部材310と一体に形成される場合、集光部材310と同じ屈折率を有する。一方、充填部材312が集光部材310と別途に形成される場合、充填部材312は必ずしも集光部材310と同じ屈折率を有する必要はなく、封止部材210より大きいか等しい屈折率を有してもよい。
【0067】
また、図示していないが、集光領域下の画素定義膜190上には共通電極730が形成されないこともありうる。従って、集光領域下の画素定義膜190からの光の反射をより効果的に抑制することができる。
【0068】
このような構成によって、有機発光表示装置100は外光反射を抑制して、向上された視認性を有することができる。
【0069】
つまり、有機発光表示装置100内部に入射された外光は集光部材310を経て相当量が画素定義膜190上に集光される。画素定義膜190は光吸収物質を含むため、画素定義膜190上に集光された外光の多くは反射されずに消滅される。従って、有機発光表示装置100は向上された表示特性を有することができる。
【0070】
(第2の実施形態)
以下、図6を参照して本発明による第2実施形態について説明する。
【0071】
図6に示したように、有機発光表示装置200は画素定義膜190上に配置された遮光部材390をさらに含む。具体的に、遮光部材390は集光部材310による集光領域に対応する位置に配置される。この時、遮光部材390は集光部材310と充填部材312の界面に配置される。遮光部材390は光吸収物質を含み、光を遮蔽および吸収する。従って、本発明の第2実施形態では、画素定義膜190が光吸収物質を含まないこともありうる。
【0072】
また、本発明による第2実施形態においても、集光部材310は封止部材210より屈折率が大きい物質で形成できる。
【0073】
また、充填部材312が集光部材310と一体に形成される場合、集光部材310と同じ屈折率を有する。一方、充填部材312が集光部材310と別途に形成される場合、充填部材312は必ずしも集光部材310と同じ屈折率を有する必要はなくて、封止部材210より大きいか等しい屈折率を有してもよい。
【0074】
このような構成によって、有機発光表示装置200は外光反射を抑制して、向上された視認性を有することができる。
【0075】
つまり、有機発光表示装置200内部に入射した外光は集光部材310を経て相当量が遮光部材390上に集光される。遮光部材390上に集光された外光の多くは反射されずに消滅される。従って、有機発光表示装置200は向上された表示特性を有することができる。
【0076】
(第3の実施形態)
以下、図7を参照して本発明による第3実施形態について説明する。
【0077】
図7に示したように、有機発光表示装置300は有機発光層720を含む有機発光素子70に対向する封止部材210の一面の反対となる他面に陥没形成されたレンズ収納部216を含む。具体的に、レンズ収納部216は中心に近づくほど深く陥没した半円または半楕円の断面形状を有する。また、有機発光表示装置300はレンズ収納部216に収納された集光部材320をさらに含む。
【0078】
本発明による第3実施形態において、集光領域は画素定義膜190の上に位置する。一つの集光部材320が複数の画素電極710をカバーするため、集光領域は画素電極710の間の画素定義膜190上に位置する。これに、集光部材310を通過した外光は封止部材210を経て画素定義膜190上に集光される。ここで、画素定義膜190は光吸収物質を含むため、画素定義膜190上に集光された外光は大部分反射されずに消滅する。
【0079】
また、集光部材320は封止部材210より屈折率が小さい物質で形成できる。このように、集光部材320と封止部材210の屈折率差を利用して、集光効果を一層高められる。
【0080】
このような構成によって、有機発光表示装置300は外光反射を抑制して、向上された視認性を有することができる。
【0081】
つまり、有機発光表示装置300内部に入射された外光は集光部材320を経て相当量が画素定義膜190上に集光される。画素定義膜190上に集光された外光は大部分反射されずに消滅する。従って、有機発光表示装置300は向上された表示特性を有することができる。
【0082】
(第4の実施形態)
以下、図8を参照して本発明による第4実施形態について説明する。
【0083】
図8に示したように、有機発光表示装置400は有機発光層720を含む有機発光素子70に対向する封止部材210の一面の反対となる他面に形成されたレンズ収納部216を含む。また、有機発光表示装置400はレンズ収納部216に収納された集光部材320と、画素定義膜190上に配置された遮光部材390をさらに含む。具体的に、遮光部材390は集光部材320による集光領域に対応する位置に配置される。遮光部材390は光吸収物質を含み、光を遮蔽および吸収する。従って、本発明の第4実施形態では、画素定義膜190が光吸収物質を含まないこともありうる。
【0084】
また、本発明による第4実施形態でも、集光部材320は封止部材210より屈折率が小さい物質で形成できる。
【0085】
このような構成によって、有機発光表示装置400は外光反射を抑制して向上された視認性を有することができる。
【0086】
つまり、有機発光表示装置400内部に入射された外光は集光部材320を経て相当量が遮光部材390上に集光される。遮光部材390上に集光された外光は多くは反射されずに消滅される。従って、有機発光表示装置400は向上された表示特性を有することができる。
【0087】
また、第3実施形態および第4実施形態において、封止部材210と画素定義膜190の間にも充填部材312が配置され、第4実施形態の遮光部材390は封止部材210と充填部材312の界面に配置される。また、充填部材312は封止部材210より大きいか等しい屈折率を有する。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
例えば、図5〜図8に示すように、封止部材210のレンズ収納部215、216は球面を有しているが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、集光領域が光吸収物質を含む画素定義膜190もしくは遮光部材390の上に位置するのであれば、レンズ収納部215、216はどのような形状を有していてもよい。
【0090】
また同様に、光吸収物質を含む画素定義膜190及び遮光部材390に関しても、図5〜図8では、画素電極710間の中央に位置しているが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、集光領域が光吸収物質を含む画素定義膜190もしくは遮光部材390の上に位置するのであれば、光吸収物質を含む画素定義膜190及び遮光部材390は任意の位置に配置されていてもよい。例えば、基板部材110の端部に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置の配置図である。
【図2】図1のII-II線に沿って切断して示した断面図である。
【図3】図1の有機発光表示装置の部分斜視図である。
【図4】図1の有機発光表示装置の集光部材の位置を示した平面図である。
【図5】図4のV-V線に沿って切断して示した断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる有機発光表示装置の部分断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態にかかる有機発光表示装置の部分断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態にかかる有機発光表示装置の部分断面図である。
【符号の説明】
【0092】
100、200、300、400 有機発光表示装置
10、20 薄膜トランジスタ
70 有機発光素子
80 蓄電素子
110 基板部材
120 バッファ層
131 スイッチング半導体層
132 駆動半導体層
135 チャンネル領域
136 ソース領域
137 ドレイン領域
140 ゲート絶縁膜
151 ゲートライン
152 スイッチングゲート電極
155 駆動ゲート電極
158 第1維持電極
160 層間絶縁膜
171 データライン
172 共通電源ライン
173 スイッチングソース電極
174 スイッチングドレイン電極
176 駆動ソース電極
177 駆動ドレイン電極
178 第2維持電極
180 平坦化膜
190 画素定義膜
210 封止部材
215、216 レンズ収納部
310、320 集光部材
312 充填部材
390 遮光部材
710 画素電極
720 有機発光層
730 共通電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部材と、
前記基板部材上に形成される複数の画素電極と、
前記画素電極を露出させる複数の開口部を備えて前記基板部材上に形成される画素定義膜と、
前記画素定義膜の開口部内で前記画素電極上に形成される複数の有機発光層と、
陥没形成される複数のレンズ収納部を有して前記基板部材に対向配置されて、前記有機発光層および前記画素定義膜をカバーする封止部材と、
前記複数のレンズ収納部に各々形成される複数の集光部材と、
を含み、
前記集光部材による集光領域は前記画素定義膜上に位置することを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記画素定義膜は光を吸収する物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記集光領域に配置された遮光部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
一つの前記集光部材は複数の前記画素電極をカバーすることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記封止部材のレンズ収納部は球面を有し、
前記集光部材は前記レンズ収納部に充填されることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記封止部材と前記画素定義膜との間に配置される充填部材をさらに含み、
前記集光部材は前記充填部材の一部が前記レンズ収納部に充填されることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記レンズ収納部は前記有機発光層と対向する前記封止部材の一面に形成されることを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記集光部材は前記封止部材より屈折率が大きい物質で形成されることを特徴とする、請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記レンズ収納部は前記有機発光層と対向する前記封止部材の一面の反対となる他面に形成されることを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記集光部材は前記封止部材より屈折率が小さい物質で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−50080(P2010−50080A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325979(P2008−325979)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】