説明

有機電子導電性ポリマーの重合を誘導する方法

本発明は、重合開始剤として作用する部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩の存在下で有機電子導電性ポリマーの重合を誘導する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年6月1日出願の米国仮特許出願61/183,063号の利益を主張し、その内容はその全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、重合開始剤として作用する部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩の存在下で、有機電子導電性ポリマーの重合を誘導する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池は、本質的にはJ.B.Goodenoughが発明した高電圧酸化コバルトカソード及びコークス若しくは黒鉛化炭素材料を使用する炭素アノードであるリチウムインサーション電極に基づいた、90年代初頭のソニーによる最初の研究以来、驚異的な技術的成功及び商業的成長を収めたことで知られている。
【0004】
90年代半ばには、Goodenough(米国特許第5,910,382号及び同第6,391,493号を参照)は、ポリアニオン性リン酸塩構造(即ち、ナシコン及びオリビン)が、それまで低電圧のインサーションに関連していた、低コストで環境適合性の遷移金属(例えばFe)の酸化還元電位を上昇させ得ることを示唆した。例えば、LiFePOは、二相反応に対応するリチウムアノードに対し、3.45Vの電圧でリチウムイオンを可逆的にインサート−デインサートすることが示されている。さらに、リン酸塩ポリアニオン中の共有結合した酸素原子は、完全に充電された層状酸化物において観察されるカソードの不安定性を排除して、本質的に安全なリチウムイオン電池を形成する。
【0005】
Goodenough(米国特許第5,910,382号及び同第6,514,640号)が指摘するように、LiFePOカソード材料中の共有結合したポリアニオンに関連する1つの欠点は、低い電子導電性と、材料中での限定的なLi拡散性である。LiFePO粒子をナノスケールレベルにすることが、他の金属又はアニオンによる鉄金属又はリン酸塩ポリアニオンの部分的補充と同様、これ等の問題の1つの解決法として指摘された。
【0006】
錯体金属酸化物カソード粉末、より具体的には金属リン酸塩の低い電子導電性の問題に対する1つの顕著な改善は、カソード材料又はその前駆体上に熱分解される有機炭素前駆体を使用して、カソード粒子のレベルで電場を改善することにより達成された[Ravet(米国特許第6,963,666号、同第6,855,273号、WO 02/027824及びWO 02/027823)]。
【0007】
錯体金属酸化物と電子導電性ポリマー(ECP)との複合カソードの調製もまた、例えばWangら[An investigation of polypyrrole−LiFePO composite cathode materials for lithium−ion batteries,Electrochimica Acta,50(2005)4649−4654]が実証したように、錯体金属酸化物の低い電子導電性を克服できた。Wangは、LiFePO及び対アニオンとしてのp−トルエンスルホン酸ナトリウムの水分散物中のFeClによってピロールの重合を化学的に開始することによる、LiFePO−ポリピロール複合カソードの調製を開示している。Goodenoughらも、WO 06/130766において、熱分解炭素被覆LiFePO(C−LiFePO)と、ピロールの電解重合で得られるポリピロールとの複合を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
産業スケールでは、電解重合は簡便な方法ではなく、LiFePO−ECP複合を調製するための公知の化学的経路も満足のいくものではない。
【0009】
電子導電性ポリマーで表面修飾されたリチウム金属リン酸塩の調製を可能にする簡便かつスケールアップ可能な方法を見出すという課題が未だ存在している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
電子導電性ポリマーで表面修飾されたリチウム金属リン酸塩を調製するための公知の方法の制限を克服する観点から、本発明者らは、以下に記載する有機電子導電性ポリマーの重合を誘導する方法を開発した。
【0011】
広い態様によれば、本発明は、一般式A1−XMXOの部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩の存在下で有機電子導電性ポリマーの重合を誘導する方法に関し、Aは、Li単独、又はNa若しくはKで最大10原子%(% as atoms)が部分的に置換されたLiを示し、0<x<1であり、Mは、鉄及び/又はマンガンを含み、XOは、PO単独、又はSO及びSiOから選択される少なくとも1つの基で最大10原子%が部分的に置換されたPOを示し、部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩が、電子導電性ポリマーの前駆体として使用される不飽和モノマー(又はその混合物)の重合開始剤として作用することを特徴とする。
【0012】
広い態様によれば、本発明は、選択された酸化剤での処理により、かかる部分的に脱リチウム化されたリチウム金属リン酸塩を得るための簡便な経路にも関する。
【0013】
具体的な実施によれば、上記方法は、リチウム金属リン酸塩及び/又は炭素被覆リチウム金属リン酸塩に適用され得る。実施の具体例において、この炭素被覆リチウム金属リン酸塩は、カソード材料又はその前駆体上への、有機炭素前駆体の熱分解によって得られ得る。
【0014】
1実施形態によれば、電子導電性ポリマーは、アルカリ金属リン酸塩の表面上に少なくとも部分的にグラフトされている。
【0015】
本発明のこれら及び他の態様及び特徴は、添付の図面と共に以下の本発明の具体的実施形態の説明を検討すれば、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態の詳細な説明が、添付の図面を参照して、例のみとして本明細書中で以下に提供される。
【図1】図1は、入手したままのC−LiFePO(Life Power(登録商標)P1、Phostech Lithiumから入手可能)(曲線A)、C−LiFePOの脱リチウム化によって得られたC−FePOヘテロサイト(曲線B)及び実施例1で調製した部分的に脱リチウム化されたC−LiFePO(曲線C)の、XRD図(CoKα)を示す図である。
【図2】図2は、Li/1M LiPF EC:DEC 3:7/LiFePO−PEDOTタイプの電池の60℃でのC/4定電流サイクル曲線を示す図である。電池の容量(mAh/1gのLiFePO−PEDOT)は左側の座標に示され、クーロン効率(クーロン充電/クーロン放電)は右側の座標に示され、サイクル数は横座標に示される。低速走査ボルタンメトリー(voltametry)における1回目の放電サイクルの間に得られたLiFePO−PEDOTカソードの容量は、144.5mAh/gである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的は、一般式A1−XMXOの少なくとも部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩によって不飽和モノマーの酸化的重合を開始して、p型ドーピング特徴を有するπ電子共役系の導電性ポリマーを形成する方法であり、Aは、Li単独、又はNa若しくはKで最大10原子%が部分的に置換されたLiを示し、0<x<1であり、Mは、鉄及び/又はマンガンを含み、XOは、PO単独、又はSO及びSiOから選択される少なくとも1つの基で最大10原子%が部分的に置換されたPOを示す。1実施形態において、この導電性ポリマーは、アルカリ金属リン酸塩の表面に形成される。
【0018】
非限定的な例において、本発明で有用なポリマーとしては、置換又は非置換のアニリン、チオフェン、ピロール、フェニルメルカプタン、フラン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレン硫化物)、ポリフラン及びこれらのポリマーのコポリマーである繰り返し単位の、共役した領域を含むか、又は完全にこれらの繰り返し単位からなる、ポリマーが挙げられる。非限定的な例において、本発明において同様に有用なポリマーとしては、1以上の直鎖又は分枝鎖の、アルキル、アルケニル、オキサ−アルキル、オキサ−アルケニル、アザ−アルキル、アザ−アルケニル、チア−アルキル、チア−アルケニル、シラ−アルキル、シラ−アルケニル、アリール、アリール−アルキル、アルキル−アリール、アルケニル−アリール、ジアルキルアミノ及びジアルキルアゾ基(これらは、1から約30個までの炭素原子を含み得る)で環置換された対応する任意のモノマーのポリマーも挙げられる。少なくとも2つの基が連結されて環(cycle)を形成し得る。本発明の組成物内に組み込まれるポリマーは、任意の1以上の上記モノマーと、エチレン性不飽和を有する他のコモノマーとのコポリマーであってもよいことも認識されよう。
【0019】
特に好ましい例によれば、ポリチオフェン化合物(チオフェン骨格(チオフェン又はその誘導体)を含む繰り返し単位を有するポリマー化合物)は、本発明において形成されるp型ドーピング特徴を有するπ電子共役化合物の導電性ポリマーである。
【0020】
このようなポリチオフェン化合物としては、以下の式(I)によって示される繰り返し単位を含むポリチオフェン化合物が挙げられる:
【0021】
【化1】

【0022】
式(I)において、R及びRは独立して、水素、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であるか、或いは、互いに結合して1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、1,2−シクロヘキセン基又はo−キシリレン基(これらは置換されていてもよい)を形成してもよい。これらのポリチオフェン化合物のうち、PEDOTが特に好ましい。これらのポリチオフェン化合物は、部分的に脱リチウム化されたLiMPOによって開始される、以下の式(II)によって示されるチオフェン化合物の酸化的重合によって得られる:
【0023】
【化2】

【0024】
式(II)において、R及びRはそれぞれ、式(I)中のR及びRと同じ意味を有する。式(II)で示されるチオフェン化合物の特に好ましい例は、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)である。
【0025】
式(I)において、R及びRが互いに結合して1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を形成する場合、アルキレン基上の置換基の例は、C1〜C14アルキル基、フェニル基、ヒドロキシメチル基、−CHO−(CHCH−TTF基(式中、TTFは、テトラチアフルバレン化合物由来の一価の基であり、これは下記の場合にも当てはまる)、−CHO−(CHCHO)−CHCH−TTF基、−CHO−(CHCH−S−TTF基、−CHO−(CHCHO)−CHCH−S−TFT基及び−CHO(CHSONa基である。より具体的には、ポリチオフェン化合物としては、以下の式(III)によって示される繰り返し単位を含むポリマー化合物が挙げられる:
【0026】
【化3】

【0027】
式(III)において、Rは、−(CH−、−CHCH(CH)−、−CHCH(C13)−、−CHCH(C1021)−、−CHCH(C1429)−、−CHCH(フェニル)−、−(CH−、−CHCH(CH)CH−、−(CH−、o−キシレン、−CHCH(OH)−、−CHCH(CHO−(CHCH−S−トリメチルチオテトラチアフルバレン)−、−CHCH(CHO−(CHCHO)−CHCH−S−トリメチルチオテトラチアフルバレン)−又は−CHCH(CHO(CHSONa)−を示す。
【0028】
本発明において形成されるπ電子共役型材料の導電性ポリマーとして、(E)−1,2−ビス(2−(3,4−エチレンジオキシ)チエニル)ビニレン、1,4−ビス(2−(3,4−エチレンジオキシ)チエニル)ベンゼン、4,4’−ビス(2−(3,4−エチレンジオキシ)チエニル)ビフェニル、2,5−ビス(2−(3,4−エチレンジオキシ)チエニル)フラン、2,5−ビス(2−(3,4−エチレンジオキシ)チエニル)チオフェン又は2,2’:5’,2”−ター(3,4−エチレンジオキシ)チオフェンの酸化的重合から誘導されるポリマーも使用され得る。
【0029】
具体的な実施によれば、本発明の部分的に脱リチウム化された重合開始剤は、オリビン構造を有する一般式A1−XMXOに対応する化合物であって、一般式A1−XMXOは以下のとおりである:
0<x<
Aは、Li単独、又はNa及び/若しくはKで最大10原子%が部分的に置換されたLiを示し;
Mは、少なくとも50原子%のFe(II)若しくはMn(II)又はそれらの混合物を含み;
XOは、PO単独、又はSO及びSiOから選択される少なくとも1つの基で最大10mol%が部分的に置換されたPOを示す。
【0030】
1実施形態において、一般式A1−XMXOは0.02<x<0.4を含む。
【0031】
第一の具体的実施形態において、本発明の重合開始剤は、オリビン構造を有する一般式A1−XMXOに対応する化合物であって、一般式A1−XMXOは以下のとおりである:
0<x<
Aは、Li単独、又はNa若しくはKで最大10原子%が部分的に置換されたLiを示し;
Mは、単独、或いはNi及びCoから選択される1以上の他の金属で最大50原子%が部分的に置換された、並びに/或いはNi又はCo以外の1以上の異原子価又は等原子価の金属で最大15原子%が部分的に置換された、並びに/或いはFe(III)で最大5原子%が部分的に置換された、Fe(II)、Mn(II)及びそれらの混合物から選択され;
XOは、PO単独、又はSO及びSiOから選択される少なくとも1つの基で最大10mol%が部分的に置換されたPOを示す。
【0032】
第二の具体的実施形態において、本発明の重合開始剤は、オリビン構造を有する一般式A1−XMXOに対応する化合物であって、一般式A1−XMXOは以下のとおりである:
0<x<
Aは、Li単独、又はNa若しくはKで最大10原子%が部分的に置換されたLiを示し;
Mは、単独、或いはNi及びCoから選択される1以上の他の金属で最大50原子%が部分的に置換された、並びに/或いはMg、Mo、Nb、Ti、Al、Ta、Ge、La、Y、Yb、Cu、Sm、Ce、Hf、Cr、Zr、Bi、Zn、Ca、B及びWから選択される1以上の異原子価又は等原子価の金属で最大15原子%が部分的に置換された、並びに/或いはFe(III)で最大5原子%が部分的に置換された、Fe(II)、Mn(II)及びそれらの混合物から選択され;
XOは、PO単独、又はSO及びSiOから選択される少なくとも1つの基で最大10mol%が部分的に置換されたPOを示す。
【0033】
第三の具体的実施形態において、本発明の重合開始剤は、オリビン構造を有する一般式Li1−xFeMn1−yPOに対応する化合物であって、式中、0<x<1かつ0<<1である。
【0034】
第四の具体的実施形態において、本発明の重合開始剤は、オリビン構造を有する一般式Li1−xFePOに対応する化合物であって、式中、0<x<1である。
【0035】
一般式によって、その物質の化学量論が、その構造中に存在する置換又は他の欠陥に起因して、化学量論から数%変動し得ることを意味している。
【0036】
任意選択で、オリビン構造を有する本発明の部分的に脱リチウム化された重合開始剤A1−XMXOは、熱分解によって堆積した炭素のフィルムをその表面の少なくとも一部の上に保持し得る(C−A1−XMXOで示す)。炭素堆積物は、ほぼ均一で、接着性の非粉末堆積物を示し得る。これは、物質の総重量に対して、最大で15重量%、好ましくは0.5〜5重量%を示す。部分的に脱リチウム化されたA1−XMXO及び/又はC−A1−XMXOの合成は、例えばLemosら[A new insight into the LiFePO delithiation process,Solid State Ionics,177(2006)1021−1025]、C.M.Julienら[Structural and Magnetic Properties of LiFePO and Lithium Extraction Effects,Z.Anorg.Allg.Chem.,632(2006)1598−1605]又はMengら[Intermittent X−Ray diffraction study of kinetics of delithiation in nano−scale LiFePO,Journal of Power Sources,189(2009)702−705]によって記載されるように、化学酸化剤によるAMXO及び/又はC−AMXOの脱リチウム化によって実施され得るが、これらに限定されない。Lemos及びJulienはそれぞれ、水溶液中のペルオキソ二硫酸カリウム(K)の使用によるLiM0.03Fe0.97PO(M=Cr、Cu、Al又はTi)の化学的脱リチウム化、及び水溶液中のペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na)によるLiFePOの化学的脱リチウム化を開示している。Mengは、アセトニトリル溶液中のNOBF酸化剤の使用によるLiFePOの化学的脱リチウム化を開示している。
【0037】
AMXO及び/又はC−AMXO化合物を生成するための方法は周知である。これらは、例えば、水熱経路、固相熱経路又は溶融経路を介して得ることができる。有機炭素前駆体の熱分解による炭素の堆積は、AMXO又はその前駆体上で実施され得る。
【0038】
酸化剤の広い選択肢が化学的脱リチウム化を実施するために利用可能であり、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO)、過酸化物(例えば、H又はOxoneTM)、ニトロニウム(例えば、NOBF)又は過硫酸塩(例えば、ペルオキソ二硫酸塩K)であるが、これらに限定されない。当業者は、過度の実験なくかつ本発明から逸脱せずに、適切な酸化剤を特定することができる。
【0039】
化学的脱リチウム化は、一般に溶液中で実施されるが、好ましくは、限定ではなく、水溶液中で実施される。
【0040】
過酸化水素は、任意選択で緩衝剤(例えば、リチウム金属リン酸塩AMXO及び/又はC−AMXOの部分的溶解をおそらくはもたらす、溶液の最終的な酸性化を回避するための酢酸(CHCOOH)であるが、これに限定されない)の存在下での、副産物が最少の、水ベースの溶媒中での制御された脱リチウム化を可能にする酸化剤として好ましい。
【0041】
本発明者らは、驚くべきことに、化学的脱リチウム化が、気相(gas phase)法(例えば、酸化窒素気体、特に二酸化窒素NO)によって効率よく実施できることも発見した。例えば、NO気体へのLiFePOの曝露は、脱リチウム化されたリチウムイオンリン酸塩Li1−xFePO(0<x<1)の調製を可能にした。
【0042】
これが、別の広い態様において、本発明がAMXO及び/又はC−AMXO化合物の脱リチウム化を実施するための、NOを含む気相の使用にも関する理由である。
【0043】
具体的実施によれば、NOによる脱リチウム化の間にAMXO及び/又はC−AMXO構造から抽出されたリチウムカチオンは、脱リチウム化された化合物の赤外線スペクトルによって示されるように、AMXO及び/又はC−AMXOの表面に堆積した硝酸リチウムとして回収される。
【0044】
これが、別の広い態様において、本発明が、LiNO堆積物を含む式A1−xMXO及び/又はC−A1−xMXOの複合材料にも関する理由である。
【0045】
リチウムは、硝酸リチウムとして定量的に抽出されると考えられる。
【0046】
これが、別の広い態様において、本発明が式(LiNO・A1−XMXO及び/又は(LiNO・C−A1−XMXOの複合材料にも関する理由である。
【0047】
具体的実施によれば、重合は、好ましくはpドープされた導電性ポリマー対アニオンの供給源としての少なくとも1種の塩の存在下で、部分的に脱リチウム化されたA1−XMXO及び/又はC−A1−XMXOを不飽和モノマーと接触させることによって実施される。
【0048】
具体的実施によれば、塩は、好ましくはアルカリ塩(Li、Na又はK)を含み、最も好ましくはリチウム塩を含む。これらの塩のアニオンは、ハロゲン化物(F、Cl、Br又はI)、硫酸塩(SO2−)、スルホン酸塩(CHSO、TsO、FSO、CFSO、スチレンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩)、酢酸塩(CHCO、CFCO)、イミド((CHSO、(FSO、(CFSO)、過塩素酸塩(ClO)、ホウ酸塩(BF、ビス(オキサラト)ホウ酸塩アニオン、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸塩アニオン)、並びにリン酸塩(PF)から選択され得るが、これらに限定されない。
【0049】
具体的実施によれば、重合は、溶媒又は溶媒混合物(例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール)、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドであるが、これらに限定されない)中で実施され得る。当業者は、過度の実験なくかつ本発明から逸脱せずに、適切な溶媒を特定することができる。
【0050】
具体的実施によれば、重合は、不飽和モノマーの蒸気にA1−XMXO及び/又はC−A1−XMXOを曝露して実施することもできる。蒸気相(vapor phase)重合について、A1−XMXO及び/又はC−A1−XMXOは、電子導電性ポリマー対アニオンの供給源として、アルカリ塩、好ましくはリチウム塩と混合することが好ましい。
【0051】
1−XMXO及び/又はC−A1−XMXOの表面で重合した電子導電性ポリマーの量は、パラメータ(例えば、脱リチウム化率、モノマー濃度、反応温度又は溶媒であるが、これらに限定されない)に依存して改変され得る。好ましくは、その量は、物質の総重量に対して、最大で20重量%、好ましくは0.5〜10重量%を示す。凝集体の具体的実行の場合、電子導電性ポリマーは、リチウムイオン電池のカソードとして使用した場合、電子伝導体として、かつ材料のサイクル性(cyclability)を改善するためのバインダーとして、作用し得る。
【0052】
具体的実施形態において、C−A1−XMXOは、微粒子形態又はナノスケール粒子の凝集体であり、C−A1−XMXO上の炭素堆積物は、粒子の表面上又はナノスケール粒子の凝集体の内側に堆積される。
【0053】
具体的実施によれば、本発明の方法は、本発明から逸脱することなく、一次粒子、一次粒子の凝集体、フレーク、繊維、薄膜堆積物の形態のA1−XMXO及び/又はC−A1−XMXOに対して実施され得る。
【0054】
具体的実施によれば、本発明の方法は、添加剤(例えば、界面活性剤、ポリマー、炭素粒子、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属酸化物又は金属粉末であるが、これらに限定されない)の存在下で実施され得る。
【0055】
本明細書中に開示され特許請求された全ての組成物及び/又は方法は、本開示を考慮すれば、過度の実験なしに作成し、実施することができる。本発明の組成物及び方法を好ましい実施形態の観点から記載してきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される組成物及び/又は方法に対し、並びに方法の工程又は一連の工程において、バリエーションが適用できることは、当業者に明らかであろう。当業者に明らかな全てのこのような類似の置換及び改変は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神、範囲及び概念の内に入るとみなされる。
【0056】
本明細書中で上記及び下記に引用した全ての文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【実施例】
【0057】
実施例1:C−LiFePOの化学的脱リチウム化
撹拌下、250mlの蒸留水中6.5グラムのC−LiFePO(Phostech Lithium Inc.;Canadaから入手可能なLife Power(登録商標)P1)の分散物に、水中30重量%の過酸化水素250ml(Sigma−Aldrich;USAから入手可能)をゆっくりと添加した。30分間の撹拌後、部分的に脱リチウム化されたC−Li1−XFePOを濾過により回収し、水で洗浄し、次いで周囲温度で真空下24時間乾燥させた。液相中でのLiイオンの原子吸光分析により、C−Li0.59FePOの組成が決定された。C−LiFePOをC−LiFe0.98Mg0.02POで置換することによって実験を繰り返して、C−Li0.63Fe0.98Mg0.02POを得た。
【0058】
実施例2:ナノサイズLiFePOの化学的脱リチウム化
US 2007/054187に開示された沈殿方法によって生成したナノサイズのLiFePO(D50 約0.6μm)6.5グラム(Phostech Lithium Inc.,Canadaにより提供される)を、水中30重量%の過酸化水素を30mlだけ使用したこと以外、実施例1と同様に処理した。液相中でのLiイオンの原子吸光分析により、Li0.42FePOの組成が決定された。LiFePOをLiFe0.7Mn0.3POで置換することによって実験を繰り返して、Li0.56Fe0.7Mn0.3POを得た。
【0059】
実施例3:ナノサイズLiFePOの化学的脱リチウム化
2mLの氷酢酸(Alfa Aesar)及び5mLの過酸化水素ACS Grade,29.0〜32.0%(EMD Chemicals)を、100mLの水に添加した。US 2007/054187に開示された沈殿方法によって生成したLiFePO(10.18g)(D50 約0.6μm)(Phostech Lithium Inc.,Canadaにより提供される)を、この溶液に添加した。この懸濁液を15分間激しく撹拌した。次いで、この懸濁液を濾過し、水ですすいだ。このLi1−xFePOを、真空オーブン中60℃で一晩乾燥させた。この溶液を、リチウムの脱インサーション(desinsertion)の定量的決定のために原子発光によって分析した。結果を以下の表に提供する。
【0060】
【表1】

【0061】
実施例4:気体オキシダントによるナノサイズLiFePOの化学的脱リチウム化
設定は、プラスチックのチュービング及び無水硫酸カルシウムを含むガラスパイプを介して接続された2つの反応容器からなった。第一の反応容器は、チューブへの開口部を除いて、気密に密封した。氷水中で冷却したこの容器は銅粉末を含んでおり、濃硝酸をこれに滴下した。生成した気体は、チュービングをたどって硫酸カルシウムを通り、次いで第二の容器(これは、周囲の空気に対して開放されており、187mgのC−LiFePO Life Power(登録商標)P1を含んでいた)中に導入された。この気体は特徴的な色を有しているので、容器が満たされたことを決定するのは容易である。110mlの容器を満たし、30分間閉じておいた。サンプルを取り出し、ATR−FTIR分光法で特徴付けたところ、サンプルはほぼ完全に脱リチウム化されていた。
【0062】
C−LiFePOを実施例2のナノサイズLiFePOで置換することによって、類似の実験を繰り返した。サンプルを取り出し、ATR−FTIR分光法で特徴付けたところ、サンプルは、ほぼ完全に脱リチウム化されており、その表面上に硝酸リチウムの堆積物を含んでいた。
【0063】
曝露時間を5分間に短縮し、実施例2のナノサイズLiFePOを用いて、類似の実験を繰り返した。サンプルを取り出し、Li0.59FePOであることを特徴付けた。
【0064】
実施例5:ナノサイズLiFePOの化学的脱リチウム化
US 2007/054187に開示された沈殿方法によって生成したナノサイズのLiFePO(D50 約0.6μm)6.3グラム(Phostech Lithium Inc.,Canadaにより提供される)を、30mlの乾燥アセトニトリル中3.9グラムのヨードソベンゼン 1,1−ジアセテート(Sigma−Aldrich;USAから入手可能)で処理した。24時間撹拌した後、部分的に脱リチウム化されたLi1−xFePOを濾過により回収し、水で洗浄し、次いで周囲温度で真空下24時間乾燥させた。液相中でのLiイオンの原子吸光分析により、Li0.71FePOの組成が決定された。LiFePOをLiFe0.99Nb0.01POで置換することによって実験を繰り返して、Li0.68Fe0.99Nb0.01POを得た。
【0065】
実施例4:脱リチウム化C−LiFePOによるEDOTの重合
2.37グラムの実施例1で生成した脱リチウム化C−LiFePO及び1.75グラムの(CFSONLi(3MTM;USAから入手可能なFluoradTM Lithium HQ−115)を、25mlのメタノールに添加し、その後、15mlのブタノール中に溶解した3,4−エチレンジオキシチオフェン(Sigma−Aldrich;USAから入手可能)0.38グラムを添加した。この分散物を、撹拌しながら50℃で2日間加熱し、その後、ロータリーエバポレータを使用して溶媒を除去し、得られた粉末を、30mlのメタノールで3回及び30mlのアセトニトリルで3回洗浄し、次いで真空下60℃で12時間乾燥させた。この実験をC−Li0.63Fe0.98Mg0.02POで繰り返した。
【0066】
実施例5:脱リチウム化LiFePOによるEDOTの重合
4.81グラムの実施例2で生成した脱リチウム化LiFePO及び4.95グラムの(CFSONLi(3MTM;USAから入手可能なFluoradTM Lithium HQ−115)を、30mlのメタノール/ブタノール(3:5体積)に添加し、その後50mlのメタノール/ブタノール(3:5体積)に溶解した3,4−エチレンジオキシチオフェン0.88グラムを添加した。次いで、分散物を撹拌しながら50℃で1日間加熱し、ロータリーエバポレータで溶媒を除去した。得られた粉末を、30mlのメタノールで3回及び30mlのアセトニトリルで3回洗浄し、次いで真空下60℃で12時間乾燥させた。この実験をLi0.56Fe0.9Mn0.1POで繰り返した。ロータリーエバポレータによる溶媒除去を噴霧乾燥工程に置き換えることによっても、類似の実験を実施した。
【0067】
実施例6:脱リチウム化LiFePOによるEDOTの重合
3.10gのLiTFSI(3M;USAから入手可能なFluoradTM Lithium HQ−115)を、ペトリ皿中25mlのメタノール中に溶解した。その後、0.51gの3,4−エチレンジオキシチオフェン(Aldrich)及び実施例3で得た4.68gのLi0.7FePOを、この溶液に添加した。ペトリ皿を、60℃のオーブン中に2時間置いた。溶媒の蒸発後青色が現れた。この混合物を濾過し、メタノール及びアセトニトリルですすいだ。PEDOT−LiFePO(LFP−1)を、真空オーブン中で60℃で一晩乾燥させた。
【0068】
実施例7:蒸気相における脱リチウム化LiFePOによるEDOTの重合
1.48gのLiTFSI(3M;USAから入手可能なFluoradTM Lithium HQ−115)を、実施例3で得た1.5gのLi0.5FePOと混合し、エルレンマイヤーフラスコ中に入れた。その後、0.27gの3,4−エチレンジオキシチオフェン(Aldrich)を、小さいフラスコに添加した。この小さいフラスコをエルレンマイヤーフラスコ中に置き、真空にした。次いで、エルレンマイヤーフラスコをオーブン中に60℃で2日間置いた。この混合物を濾過し、メタノール及びアセトニトリルですすいだ。PEDOT−LiFePOを、真空オーブン中で60℃で一晩乾燥させた(LFP−2)。
【0069】
実施例8:フィルムを形成するための、脱リチウム化LiFePOによるEDOTの重合
1.27gのLiTFSI(3M;USAから入手可能なFluoradTM Lithium HQ−115)を、実施例3で得た1.5gのLi0.5FePO、0.24gの3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1.5mLのメタノールと混合した。この混合物を、アルミニウムシート上に被覆し、60℃で2時間オーブン中に置いた。PEDOT−LiFePOの薄膜を、メタノールですすぐ間に、基板から取り外した。この混合物を濾過し、メタノール及びアセトニトリルですすいだ。このPEDOT−LiFePOフィルムを、真空オーブン中で60℃で一晩乾燥させた。
【0070】
実施例9:伝導性測定
LFP 1−2の電子導電性を、プレスペレットの抵抗性を測定することによって得た。これら3つの粉末は、未処理の粉末の10−7S.cm未満ではなく、0.1S.cmを上回る高い電子導電性を示す。
【0071】
実施例10:脱リチウム化カソード上でのEDOTの重合
LiFePO/PVdF−HFPの80/20(重量)混合物からなる分散物を得るために、実施例2のようなナノサイズのLiFePO及びPVdF−HFPコポリマー(Atochemにより供給される)を、N−メチルピロリドン中で注意深く混合した。その後、得られた混合物を、Gardner(登録商標)デバイスを用い、炭素処理した被覆を保持するアルミニウムシート(Intellicoatにより供給される)上に堆積させ、堆積したフィルムを真空下80℃で24時間乾燥させ、次いでグローブボックス中で保存した。
【0072】
次いで、このフィルムの10cmのサンプル(4.3mg/cmの負荷)を、水中30重量%の過酸化水素20ml中で10分間処理し、水で洗浄し、次いで周囲温度で真空下24時間乾燥させた。次いで、フィルムを、10mlのメタノール/ブタノール(1:1体積)、200mgの(CFSONLi(3M;USAから入手可能なFluoradTM Lithium HQ−115)及び50mgの3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むペトリ皿中に置いた。このペトリ皿を60℃で2時間オーブン中に置き、メタノール及びアセトニトリルで洗浄し、次いで、真空下60℃で12時間乾燥させた(LFP−3)。
【0073】
実施例11:電池における特徴付け
複合カソード電極を、80/10/10(重量)の割合の、実施例6で調製したLFP−1、伝導性剤としてのEBN1010(Superior Graphiteの製品)及びバインダーとしてのPVdF−HFP(Arkemaの製品)を用いて調製した。カソード被覆の電気化学的性能を、アノードとして金属リチウムを使用し、電解質として25μmのポリプロピレンCelgardTM中に含浸させたEC:DMC(1:1)中1MのLiClOを使用するコイン電池において、室温で調査した。カソード表面は、3.97mg/cmのLFP−1負荷で1.5cmであった。
【0074】
第一の低速走査ボルタンメトリー(20mV/h)(3.0Vと3.7Vとの間の電圧、対Li/Li)を、VMP2多チャンネルポテンショスタット(Bio−Logic−Science Instrumentsの製品)を用いて周囲温度で実施した。出力試験を、インテンショスタティック(intentiostatic)実験によってさらに実施し、第一の低速走査ボルタンメトリーから得られた比容量値(144.5mAh/g)から比を計算した。放電容量は、1Cで134mAh/gであり、10Cでは112mAh/gである。
【0075】
次いで、この電池を、60℃でC/4定電流サイクリングに供した。曲線は図2に示される。
【0076】
別の電池を、実施例10で得たLFP−3被覆を使用して組み立てた。低速走査ボルタンメトリーを周囲温度で実施して、146mAh/gの容量を決定し、その後の60℃でのC/4定電流サイクリングが、50サイクル後に140mAh/gよりも大きい容量を提供する。
【0077】
他のバリエーション、修正及び洗練が本発明の精神及び範囲内に入ることが見込まれるので、上記実施形態の説明は限定的に解釈すべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物で規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式A1−XMXOの部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩の存在下で有機電子導電性ポリマーを合成する方法であって、
部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩を、不飽和モノマー又は不飽和モノマーの混合物を含む化学反応体と接触させる工程;及び
部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩を用いて、不飽和モノマー又は不飽和モノマーの混合物の重合を開始して、電子導電性ポリマーを形成する工程、
を含み、式中、
0<x<1であり、
Aは少なくとも90原子%のLiを示し;
Mは、少なくとも50原子%のFe(II)若しくはMn(II)又はそれらの混合物を含み;
XOは、PO単独、又はSO及びSiOから選択される少なくとも1つの基で最大10原子%が部分的に置換されたPOを示す、
方法。
【請求項2】
電子導電性ポリマーが、アルカリ金属リン酸塩の表面上に少なくとも部分的にグラフトされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Mが、少なくとも90原子%のFe(II)若しくはMn(II)又はそれらの混合物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
不飽和モノマーが、置換又は非置換のピロール、チオフェン、アニリン又はそれらの任意の混合物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
不飽和モノマーが3,4−エチレンジオキシチオフェンを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1−XMXOが、AMXOの部分的脱リチウム化によって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
部分的脱リチウム化がオキシダントによって実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
オキシダントが、H、Br、I、過硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩又はそれらの任意の混合物を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
部分的脱リチウム化が水性媒体中で実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
重合が溶液中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
溶液がアルコールを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
重合がモノマーの蒸気相中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
重合が気相中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
重合がアルカリ塩の存在下で実施される、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
アルカリ塩が、ハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、酢酸塩、イミド、過塩素酸塩、ホウ酸塩及びリン酸塩から選択されるアニオンを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アルカリ塩がリチウム塩である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アルカリ塩が(CFSONLiを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
アルカリ金属リン酸塩が一般式LiFePOを有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
部分的に脱リチウム化されたアルカリ金属リン酸塩が、単純粒子又は粒子の凝集体として存在する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
0.02<x<0.4である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
1−XMXOが、有機前駆体の熱分解によって得られる炭素堆積物を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
部分的脱リチウム化が、NOを含む気体オキシダントによって実施される、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−528899(P2012−528899A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513422(P2012−513422)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000829
【国際公開番号】WO2010/139060
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511291522)フォステック リチウム インコーポレイテッド (2)
【出願人】(511290754)ユニヴェルシテ ドゥ ケベック ア モントリオール (1)
【Fターム(参考)】