説明

有機電界発光表示装置

【課題】デッドスペースが縮小された有機電界発光表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による有機電界発光表示装置は、走査線とデータ線との交差部に位置し、有機発光ダイオードと、前記有機発光ダイオードに流れる駆動電流を制御するための画素回路とを備える複数の画素で構成された画素領域と、前記走査線に走査信号を供給する走査駆動部と、前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部とを備え、前記走査線は、前記画素領域に実現される画面の縦方向に配列され、前記データ線は、前記画面の横方向に配列され、前記画素により前記画面に表示される映像は横表示されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光表示装置に関し、特に、デッドスペースが縮小された有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管に比べて、重量が軽く、かつ体積が小さい各種平板表示装置(Flat Panel Display Device)が開発されている。
【0003】
平板表示装置のうち、特に、有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)は、自発光素子である有機発光ダイオードを用いて映像を表示する。このため、輝度及び色純度が優れており、次世代表示装置として注目されている。
【0004】
このような有機電界発光表示装置のパネルは、走査線とデータ線との交差部に位置する複数の画素を備える画素領域と、走査線を介して画素に走査信号を供給する走査駆動部と、データ線を介して画素にデータ信号を供給するデータ駆動部とを備える。
【0005】
一方、パネルの全体領域のうち、画素領域を除く領域をデッドスペース(dead space)と称するが、一般的に、デッドスペースには、走査駆動部及び/またはデータ駆動部とともに、信号線や電源線などの配線が配置される。
【0006】
このようなデッドスペースは、パネルの全体領域のうち、画素領域が占める面積の比率を制限してしまうので、デッドスペースを縮小しようとする試みが続いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0805596号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−0936882号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10−0776498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、デッドスペースが縮小された有機電界発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、走査線とデータ線との交差部に位置し、有機発光ダイオードと、前記有機発光ダイオードに流れる駆動電流を制御するための画素回路とを備える複数の画素で構成された画素領域と、前記走査線に走査信号を供給する走査駆動部と、前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部とを備え、前記走査線は、前記画素領域に実現される画面の縦方向に配列され、前記データ線は、前記画面の横方向に配列され、前記画素により前記画面に表示される映像は横表示されることを特徴とする有機電界発光表示装置を提供する。
【0010】
このとき、前記画素の各々において、前記有機発光ダイオードを構成するアノード電極の長軸と、前記画素回路が形成される画素回路領域の長軸とは、互いに交差する方向に配列され得る。また、前記有機発光ダイオードと、これに接続される前記画素回路とは、部分的に重なるように配置され得る。
【0011】
また、前記画素の各々において、前記有機発光ダイオードを構成するアノード電極は、縦方向が横方向より長くパターニングされ、前記画素回路が形成される画素回路領域は、横方向が縦方向より長く設計され得る。ここで、前記画素各々の発光領域は、前記アノード電極のパターンに対応して縦方向が横方向より長く設計され、複数のデータ線と交差可能である。
【0012】
また、前記複数の画素は、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含んで構成され、1つ以上の赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含んで構成される単位画素において、前記単位画素の赤色画素、緑色画素、及び青色画素は、前記単位画素が配列される列ラインに配置される走査線に共通に接続されるものの、前記単位画素が配列される行ラインに配置される複数のデータ線のうち、互いに異なるデータ線に接続され得る。ここで、前記画素の各々に備えられる有機発光ダイオードのアノード電極は、2つ以上のデータ線と交差可能である。
【0013】
また、前記走査駆動部は、前記画素領域の上側または下側に配置され得る。
【0014】
また、前記画素領域には、列ライン単位で発光時間を制御するための発光制御線が前記走査線と並んでさらに配列され、前記画素領域の上側または下側には、前記発光制御線に発光制御信号を供給する発光制御駆動部が配置され得る。ここで、前記発光制御駆動部は、前記画素領域を介して前記走査駆動部に対向するように配置され得る。
【0015】
また、前記データ駆動部は、前記画素領域の左側または右側に配置され得る。ここで、前記データ線は、前記画素領域の上側または下側を経由することなく、前記画素領域から、前記画素領域と前記データ駆動部との間の配線領域を経由して直ちに前記データ駆動部に接続され得る。
【0016】
また、前記走査線及びデータ線と、前記画素回路が形成される画素回路領域は、縦表示型のパネル形態で設計されるものの、前記縦表示型のパネルが横方向に回転した形態で配置され、前記画素回路領域の上部に位置する前記有機発光ダイオードのアノード電極と、これに対応する発光領域とは、その長軸が前記画素回路領域の長軸方向と直交する方向に回転し、前記画面に映像が横表示され得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画面に映像が横表示される横表示型で実現され、かつデッドスペースが効果的に縮小された有機電界発光表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】有機電界発光表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2a】図1に示す有機電界発光表示装置に備えられる画素の実施例を示す回路図である。
【図2b】図1に示す有機電界発光表示装置に備えられる画素の実施例を示す回路図である。
【図2c】図1に示す有機電界発光表示装置に備えられる画素の実施例を示す回路図である。
【図3】図2a〜図2cに示す画素の要部断面図である。
【図4】本発明の実施例による有機電界発光表示装置のパネルを示す平面図である。
【図5】図4に示す単位画素と、走査線及びデータ線との配置に関する実施例を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。
【0020】
図1は、有機電界発光表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。また、図2a〜図2cは、図1に示す有機電界発光表示装置に備えられる画素の実施例を示す回路図であり、図3は、図2a〜図2cに示す画素の要部断面図である。
【0021】
まず、図1に示すように、有機電界発光表示装置は、走査駆動部110と、発光制御駆動部120と、データ駆動部130と、これらから供給される走査信号、発光制御信号、及びデータ信号に対応して、映像を表示する複数の画素150が備えられた画素領域140とを備える。
【0022】
走査駆動部110は、図示しない外部の制御回路、例えば、タイミング制御部などから供給される制御信号に対応して、走査線S1〜Snに走査信号を順次供給する。すると、画素150は、走査信号により選択され、データ信号を順次受信する。
【0023】
発光制御駆動部120は、タイミング制御部などの外部から供給される制御信号に対応して、発光制御線E1〜Enに発光制御信号を順次供給する。すると、画素150は、発光制御信号により発光が制御される。すなわち、発光制御信号は、画素150の発光時間を制御する。ただし、発光制御駆動部120は、画素150の内部構成によって省略可能であるが、例えば、後述する図2aに示す画素を備えた有機電界発光表示装置の場合、発光制御駆動部120は省略可能である。
【0024】
前記走査駆動部110及び発光制御駆動部120は、チップの形態で別途に実装されてもよいが、画素領域140に備えられる画素回路素子とともに、パネル上に内蔵されるように形成され、内蔵回路部を構成することができる。
【0025】
データ駆動部130は、タイミング制御部などの外部から供給される制御信号に対応して、データ線D1〜Dmにデータ信号を供給する。データ線D1〜Dmに供給されたデータ信号は、走査信号が供給されるたびに、走査信号により選択された画素150に供給される。すると、画素150は、データ信号に対応する電圧を充電し、これに対応する輝度で発光する。
【0026】
画素領域140は、走査線S1〜Sn、発光制御線E1〜En、及びデータ線D1〜Dmの交差部に位置する複数の画素150を備える。ここで、各々の画素150は、データ信号に対応する駆動電流に相応する輝度で発光する有機発光ダイオード(図示せず)と、前記有機発光ダイオードに流れる駆動電流を制御するための画素回路(図示せず)とを備える。
【0027】
この画素領域140は、外部から高電位画素電源ELVDD及び低電位画素電源ELVSSを受け、これら高電位画素電源ELVDD及び低電位画素電源ELVSSは各々の画素150に伝達される。すると、画素150は、データ信号に対応して、高電位画素電源ELVDDから有機発光ダイオードを経由して低電位画素電源ELVSSに流れる駆動電流に対応する輝度で発光する。
【0028】
ここで、高電位画素電源ELVDDは、画素150の発光期間において、有機発光ダイオードのアノード電極に電気的に接続され、低電位画素電源ELVSSは、有機発光ダイオードのカソード電極に電気的に接続される。
【0029】
このとき、有機発光ダイオードのアノード電極及びカソード電極のうちのいずれか1つの電極は、画素領域140上に全面的に形成され、他の1つの電極は、各々の画素150に対応してパターニングされ得る。例えば、アノード電極は、各々の画素150領域ごとにパターニングされ、カソード電極は、画素領域140上に全面的に形成され得る。
【0030】
一方、画素150の各々は、赤色光を発光する赤色画素、緑色光を発光する緑色画素、または青色光を発光する青色画素に設定され得る。すなわち、画素領域140に備えられた複数の画素150は、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含んで構成されるが、このうち、隣接して位置するそれぞれ1つ以上の赤色画素、緑色画素、及び青色画素は、単位画素を構成する。これにより、単位画素は、多様なカラーで駆動電流に対応する輝度で発光し、これにより、画素領域140に実現される画面にはカラー映像が表示される。
【0031】
前記画素150の各々は、多様な形態で実現できるが、例えば、図2aに示すように、走査線Snから供給される走査信号に対応して、データ線Dmからのデータ信号を画素150aの内部に伝達するスイッチングトランジスタM1と、前記データ信号を格納するストレージキャパシタCstと、前記データ信号に対応する駆動電流を有機発光ダイオードOLEDに供給する駆動トランジスタM2とを備えた画素回路152aと、前記駆動電流に対応する輝度で発光する有機発光ダイオードOLEDとで構成され得る。
【0032】
また、画素150の各々は、図2b及び図2cに示すように、駆動トランジスタM2の閾値電圧及び/または有機発光ダイオードOLEDの劣化を補償するための1つ以上のトランジスタ及びキャパシタをさらに備えることもできる。
【0033】
図2a〜図2cに示す画素150a、150b、150cは、既に公知の構成であって、例えば、図2a及び図2bに示す画素150a、150bは、前記特許文献1(韓国登録特許第10−0805596号公報)の図1及び図3に開示されており、図2cに示す画素150cは、前記特許文献2(韓国登録特許第10−0936882号公報)の図3に開示されている。
【0034】
ただし、図2a〜図2cでは、符号の一貫性のために、各々の画素に150a、150b、150cの符号を付し、各々の画素回路には152a、152b、152cの符号を付し、図2cの補償部には154cの符号を付しているが、これらの構成及び動作は公知の技術であるため、これらに関する詳細な説明は省略する。
【0035】
一方、一般的に、画素回路及び有機発光ダイオードは異なるレイヤに配置されるが、例えば、図3に示すように、画素回路が位置するレイヤの上部レイヤに有機発光ダイオードOLEDが位置することができる。
【0036】
図3では、画素回路に備えられた構成要素のうち、有機発光ダイオードOLEDに直接接続された1つのトランジスタTFTのみを示すが、残りのトランジスタやキャパシタなども、前記トランジスタTFTを形成する工程において、同一レイヤに同時に形成可能である。
【0037】
一方、図3に示す画素150の要部断面図も、前記特許文献3(韓国登録特許第10−0776498号公報)の図1に開示されているように公知の構成であるため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0038】
ただし、図3において、図面符号は新しい符号を付しており、「200」は基板、「210」はバッファ層、「221」は半導体層、「222」はゲート電極、「223」はソース/ドレイン電極、「230」は平坦化層、「241」はアノード電極、「242」は発光層、「243」はカソード電極、「250」は画素定義膜である。
【0039】
このような画素150において、画素定義膜250により露出したアノード電極241上に発光層242が積層された領域で光が生成される。すなわち、画素150の発光領域は、アノード電極241のパターンに対応して設定され得る。
【0040】
一方、便宜上、本発明では、有機発光ダイオードのアノード電極241が各々の画素150ごとにパターニングされ、カソード電極243が画素領域上に全面的に形成されるものとして説明するが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、トランジスタTFTのタイプや画素回路などが変更された場合、有機発光ダイオードのアノード電極241が画素領域上に全面的に形成され、カソード電極243が各々の画素150ごとにパターニングされてもよい。
【0041】
図1〜図3を参照して説明した有機電界発光表示装置は、画面の表示方向に応じて、通常、横表示型(landscape type)と、縦表示型(portrait type)とに分けられる。横表示型は、画面の横方向の幅が縦方向の高さより大きく設定されて横映像を表示するのに対し、縦表示型は、画面の縦方向の高さが横方向の幅より大きく設定されて縦映像を表示する。
【0042】
このうち、横表示型は、映画鑑賞などに特に適しており、最近、その需要が急速に増大している。
【0043】
ただし、横表示型は、通常、パネル内のデッドスペースが大きいという欠点がある。
【0044】
特に、一般的なパネルの場合、走査線S1〜Snの各々が画面の横方向に沿って接続され、データ線D1〜Dmの各々が画面の縦方向に沿って接続されるため、走査駆動部110(及び/または発光制御駆動部120)は、画面の左側または右側に配置され、データ駆動部130は、画面の上側または下側に配置される。しかし、この場合、横表示型パネルの各走査線Sに接続される画素150の数が多く、走査駆動部110に備えられるバッファ回路のサイズが増大するだけでなく、データ駆動部130からファンアウト(fan-out)されるデータ線D1〜Dmのファンアウト角度が大きく、デッドスペースが大きいという欠点がある。
【0045】
また、データ駆動部130が、パネルの密封領域の外部において画面の左側または右側に配置されてもよい。しかし、この場合は、データ駆動部130から引出されたデータ線D1〜Dmが画面の上側または下側のダミー領域を経由して画素150に接続されなければならないため、画面の上下側のデッドスペースが増大する。
【0046】
特に、走査線S1〜Snが、通常、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含む単位画素に共通に接続されるのとは異なり、データ線D1〜Dmは、赤色画素、緑色画素、及び青色画素に互いに異なるデータ信号を供給するために、各々の赤色画素、緑色画素、及び青色画素ごとに別々に形成されるため、その数が多いことを勘案すると、上下側のデッドスペースが大きいという問題が発生することは明らかである。
【0047】
また、この場合、データ線D1〜Dm間の安定性確保のために、奇数番目のデータ線D1,D3,・・・,Dm−1と、偶数番目のデータ線D2,D4,・・・,Dmとを画面の上側または下側に交互にルーチングできるが、このとき、奇数−偶数データチャネル性の縦ライン不良が発生する恐れもある。
【0048】
したがって、本発明は、横表示型として実現され、かつデッドスペースが縮小されるとともに、奇数−偶数データチャネル性の縦ライン不良が防止された有機電界発光表示装置を提供するものであって、これに関するより詳細な説明は、図4〜図5を参照して後述する。
【0049】
図4は、本発明の実施例による有機電界発光表示装置のパネルを示す平面図であり、図5は、図4に示す単位画素と、走査線及びデータ線との配置に関する実施例を示す要部拡大図である。
【0050】
まず、図4に示すように、本発明の実施例による有機電界発光表示装置は、走査線S及びデータ線Dと、画素回路が形成される画素回路領域(図示せず)とが縦表示型のパネル形態で設計され、これらは、前記縦表示型のパネルが横方向に回転した形態で配置される。すなわち、本発明において、走査線Sは、画素領域140に実現される画面の縦方向に配列され、データ線Dは、画面の横方向に配列される。
【0051】
この場合、走査駆動部110は、画素領域140の上側または下側に配置される。また、データ駆動部130は、画素領域140の左側または右側に配置される。例えば、データ駆動部130は、上基板100a及び下基板100bによる密封領域の右側に位置するように、下部基板100aの非密封領域に配置され得る。
【0052】
一方、画素領域140には、赤色画素150R、緑色画素150G、及び青色画素150Bを含む単位画素の列ライン単位で発光時間を制御するための発光制御線Eがさらに配置され得るが、この発光制御線Eは、走査線Sと並んで画面の縦方向に配列され得る。
【0053】
また、この場合、画素領域140の上側または下側には、発光制御線Eに発光制御信号を供給する発光制御駆動部120が配置される。例えば、発光制御駆動部120は、画素領域140を介して走査駆動部110に対向するように配置され得る。ただし、これは単に一例を開示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、走査駆動部110及び発光制御駆動部120は、画素領域140の同じ側面に統合されて形成されるか、または画素領域140の両側ともに走査駆動部110及び発光制御駆動部120がそれぞれ形成できることはいうまでもない。
【0054】
ただし、本発明において、有機発光ダイオードのアノード電極及びこれに対応する発光領域(図示せず)は、その長軸が画素回路領域の長軸方向である横方向と交差する縦方向に配置されるように、画素回路領域の方向と直交する方向に回転した形態で配置される。
【0055】
すなわち、発光領域を基準として画素150R、150G、150Bの長軸が縦方向に配置される形態で設計され、画素150R、150G、150Bにより画面に表示される映像は横表示される。
【0056】
これを図5を参照してより具体的に説明すると、画素150R、150G、150Bの各々において、有機発光ダイオードを構成するアノード電極241R、241G、241Bの長軸と、その下の画素回路が形成される画素回路領域152R、152G、152Bの長軸とは、互いに交差するように配置される。この場合、有機発光ダイオードと、これに接続される画素回路は、部分的にのみ重なるように配置される。
【0057】
特に、画素150R、150G、150Bの各々において、アノード電極241R、241G、241Bは、縦方向が横方向より長くなるように縦方向にパターニングされ、画素回路領域152R、152G、152Bは、横方向が縦方向より長くなるように横方向に設計され得る。
【0058】
この場合、画素150R、150G、150B各々の発光領域350R、350G、350Bは、アノード電極241R、241G、241Bのパターンに対応して縦方向が横方向より長く設計され、画素150R、150G、150Bの各々は、発光領域350R、350G、350Bのパターンに対応する縦パターンとして認識される。
【0059】
一方、1つ以上の赤色画素150R、緑色画素150G、及び青色画素150Bを含んで構成される単位画素において、前記単位画素の赤色画素150R、緑色画素150G、及び青色画素150Bは、単位画素が配列される列ラインに配置される走査線S(または、走査線S及び発光制御線E)に共通に接続されるものの、単位画素が配列される行ラインに配置される複数のデータ線DR、DG、DBのうち、互いに異なるデータ線に接続される。すなわち、赤色画素150Rは赤色データ線DRに接続され、緑色画素150Gは緑色データ線DGに接続され、青色画素150Bは青色データ線DBに接続される。
【0060】
このとき、画素150R、150G、150B各々のアノード電極241R、241G、241Bと、これに対応する発光領域350R、350G、350Bとは、複数のデータ線DR、DG、DBのうち、2つ以上のデータ線と交差するように重なって配置され得る。
【0061】
一方、画素150R、150G、150Bは、その構造によって別の制御線(図示せず)にさらに接続されてもよいが、例えば、図2cに示すCSnなどにさらに接続され得る。この場合、制御線は、図5の赤色画素の発光領域350Rと緑色画素の発光領域350Gとの間に縦方向に配置され、前記単位画素内の赤色画素150R、緑色画素150G、及び青色画素150Bに共通に接続され得る。
【0062】
また、便宜上、図5には示していないが、各々の画素150R、150G、150Bごとに、画素回路領域152R、152G、152Bに形成された画素回路と、有機発光ダイオードのアノード電極241R、241G、241Bとは、接続配線を介して接続され得、前記接続配線には、画素回路に備えられたトランジスタのソース/ドレイン電極の形成に用いられるソース/ドレインメタル、あるいはアノード電極241R、241G、241Bの形成に用いられるアノードメタルなどが使用可能であり、これは、設計空間などを考慮して変更実施が可能である。
【0063】
前述した本発明によれば、画面に映像が横表示される横表示型で実現され、かつデッドスペースが効果的に縮小された有機電界発光表示装置を提供することができる。
【0064】
より具体的には、データ線Dが、画素領域140の上側または下側を経由することなく、画素領域140から、画素領域140とデータ駆動部130との間の配線領域(ファンアウト領域)を経由して直ちにデータ駆動部130に接続できるため、配線によるデッドスペースが縮小されるとともに、奇数−偶数データチャネル性の縦ライン不良が防止される。ただし、これは、画素領域140とデータ駆動部130との間に他の駆動素子が接続されない場合を仮定して説明したものであり、データ分配部などを全てデータ駆動部130と統合して包括的に説明したことを明示する。
【0065】
また、走査線S及びデータ線Dなどの配線と画素回路は、縦表示型有機電界発光表示装置のパネルと同一に設計できるため、各々の走査線Sには、画面の短軸方向に配置された数だけの画素150が接続される。このため、バッファ回路のサイズを増大することなく、デッドスペースを縮小するのに有利であり、データ線Dの場合には、画面の短軸方向に配置される画素150の数だけ備えられるため、一般的な横表示型に比べてそのチャネル数が減少し、データ駆動部130の大きさを縮小することができる。また、この場合、従来の縦表示型の駆動回路チップ(データ駆動部などを内蔵した駆動IC)をそのまま使用することができるため、駆動回路チップの共用化が可能という利点がある。
【符号の説明】
【0066】
110 走査駆動部
120 発光制御駆動部
130 データ駆動部
140 画素領域
150 画素
200 基板
210 バッファ層
221 半導体層
222 ゲート電極
223 ソース/ドレイン電極
230 平坦化層
241 アノード電極
242 発光層
243 カソード電極
250 画素定義膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線とデータ線との交差部に位置し、有機発光ダイオードと、前記有機発光ダイオードに流れる駆動電流を制御するための画素回路とを備える複数の画素で構成された画素領域と、
前記走査線に走査信号を供給する走査駆動部と、
前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部とを備え、
前記走査線は、前記画素領域に実現される画面の縦方向に配列され、前記データ線は、前記画面の横方向に配列され、前記画素により前記画面に表示される映像は横表示されることを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項2】
前記画素の各々において、前記有機発光ダイオードを構成するアノード電極の長軸と、前記画素回路が形成される画素回路領域の長軸とは、互いに交差する方向に配列されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項3】
前記有機発光ダイオードと、これに接続される前記画素回路とは、部分的に重なるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項4】
前記画素の各々において、前記有機発光ダイオードを構成するアノード電極は、縦方向が横方向より長くパターニングされ、前記画素回路が形成される画素回路領域は、横方向が縦方向より長く設計されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項5】
前記画素各々の発光領域は、前記アノード電極のパターンに対応して縦方向が横方向より長く設計され、複数のデータ線と交差することを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項6】
前記複数の画素は、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含んで構成され、
1つ以上の赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含んで構成される単位画素において、前記単位画素の赤色画素、緑色画素、及び青色画素は、前記単位画素が配列される列ラインに配置される走査線に共通に接続されるものの、前記単位画素が配列される行ラインに配置される複数のデータ線のうち、互いに異なるデータ線に接続されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項7】
前記画素の各々に備えられる有機発光ダイオードのアノード電極は、2つ以上のデータ線と交差することを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項8】
前記走査駆動部は、前記画素領域の上側または下側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項9】
前記画素領域には、列ライン単位で発光時間を制御するための発光制御線が前記走査線と並んでさらに配列され、
前記画素領域の上側または下側には、前記発光制御線に発光制御信号を供給する発光制御駆動部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記発光制御駆動部は、前記画素領域を介して前記走査駆動部に対向するように配置されることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記データ駆動部は、前記画素領域の左側または右側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項12】
前記データ線は、前記画素領域の上側または下側を経由することなく、前記画素領域から、前記画素領域と前記データ駆動部との間の配線領域を経由して直ちに前記データ駆動部に接続されることを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項13】
前記走査線及びデータ線と、前記画素回路が形成される画素回路領域は、縦表示型のパネル形態で設計されるものの、前記縦表示型のパネルが横方向に回転した形態で配置され、
前記画素回路領域の上部に位置する前記有機発光ダイオードのアノード電極と、これに対応する発光領域とは、その長軸が前記画素回路領域の長軸方向と直交する方向に回転し、前記画面に映像が横表示されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−221478(P2011−221478A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162016(P2010−162016)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】