説明

有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置

【課題】有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置を提供する。
【解決手段】本発明は、主として熔融無機塩を利用して有機高分子を熱分解し、高分子材料中に混合する基材を簡単に分離でき、分類の目的を容易に達成でき、大面積(体積)の基材を取得でき、元の基材の特性を破壊させず、リサイクル性を向上でき、そしてより重要なのは、処理の過程に省エネルギー・二酸化炭素排出削減の目標および汚染防止対策の目的を達成でき、同時に両者に配慮でき、有機高分子の廃棄物処理方法、基材の分類方法および装置を提供できるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置に係り、主として熔融無機塩を利用して有機高分子を熱分解し、高分子材料中に混合する基材を簡単に分離でき、分類の目的を容易に達成でき、大面積(体積)の基材を取得でき、元の基材の特性を破壊させず、リサイクル性を向上でき、そしてより重要なのは、処理の過程に省エネルギー・二酸化炭素排出削減の目標および汚染防止対策の目的を達成でき、同時に両者に配慮でき、有機高分子の廃棄物処理方法、基材の分類方法および装置を提供できるものである。
【背景技術】
【0002】
有機高分子材料には、プラスチック,ゴム,繊維,粘着剤,塗料などがあり、広範に異なる領域の中に応用され、異なる機能性と被覆性の組合せを達成して大量の基材との結合に大量に応用され、例えば金属繊維,ガラスファイバ,炭素繊維,金属,ガラス,セラミックス等と結合して応用されるために、生産過程および使用後の関連する廃棄物の回収リサイクルには、分離の工程が繁雑で、しばしば分類,破砕,篩分,粉砕,溶食,焼却などの工程を経て分類回収の目的を達成する必要がある。
【0003】
故に、一般的な有機高分子材料には、プラスチック,ゴム,繊維,粘着剤,塗料等の有機化合物があり、その比重が金属よりも軽くなり、良好な抗化学性を有し、可塑性が高くなり、固定化可能な機械強度が強くなり、絶縁能力が高くなり、広範に異なる領域に応用され且つ複合材料を成すように組み合わせる。その中でも、基材には、金属繊維,ガラスファイバ,炭素繊維,金属,ガラス,セラミックス等があり、但し有機高分子混合物が燃焼に耐えず、引火した後に燃焼特性を持続する。一般に何れもハロゲン含有燃焼防止剤により克服し、そして自然環境下に有機高分子が非常に分解しにくくなる。現在の廃棄物処理に最大の負担を招く、有機高分子混合物の処理の最も周知の方法は、焼却を利用して処理し、更に熱源により応用され、そして焼却過程中にハロゲン化物を容易に生成し排出して環境を汚染し(例えばダイオキシンの汚染が常例である)、処理が困難で、常に環境保護問題がある。現有の有機高分子混合材料は、破砕,篩分と粉砕を経て全体的に微小化する必要があり、物理または化学方式を介して更に異なる金属,異なる繊維および異なる高分子材料などに分類し、分類過程に多重の手順,設備を必要とし、且つ分類後の物質が何れも粉状で、元の形状を破壊し、基材の利用可能性を大幅に降下させ、劣等の材料となり、或いは再び精錬すれば再応用できるが、最後に残った再焼却をしても、環境汚染問題を誘引する。
【0004】
その中でも、有機高分子混合物は、熱分解方法を利用して炭素とコールタールを分解して回収でき、研究と実行例があるが、熱分解設備は、酸素のない密封環境下に実行する必要があり、有機高分子の熱伝導性が悪くなるため、熱分解時に非常に長い時間を必要とし、混合材料がシステムに対し、大きな負荷を形成し、熱分解時に基材を取り出すことが出来ないので、熱分解を実行する前に、高分子材料と基材を予め分離した後に材料を供給して熱分解プログラムを実行する必要があり、そして熱分解の手順実行過程の中に、依然としてハロゲン化物の排出問題があり、例えばポリ塩化ビニル(PVC)が塩化水素とダイオキシンの危険性を有する。分離不可能な状況下では、熱硬化性プラスチックは、主として焼却処理しか採用できない。
【0005】
本発明者は、2003年1月30日に発明特許申請案の「臭素化エポキシ含有樹脂とガラスファイバの廃棄品に対する処理方法およびその装置」(例図1)を出願し、その詳細な内容は発明特許第250180号公報(特許文献1)を参照し、ここに説明しないが、該発明がガラスファイバ処理と臭素化エポキシ樹脂(有機高分子)に対し、確かに良好な効果を有するものの、処理過程中に依然として下記の欠点を有する。
【0006】
1.実際な操作検証下では、熱分解により生成された気体量が温度の増加に連れて増加し、密封性が不足して酸素が侵入する時に、燃焼を招いて発火とガス爆発現象を起こしやすく、且つ炭素埃が廃棄と共に排出しやすくなり、操作にリスクを招くため、酸素隔離操作環境を設立する必要がある。
【0007】
2.炭素滓が浮き出した後に共に集中し、量が多い時に、ブロック状膜を形成し且つ廃気の排出を阻止すべきで、そして反応物を取り出す時に、続いて気体が吐出して操作の安全を確保する必要があるので、炭素滓の浮き出し装置を必要とする。
【0008】
3.誘導装置を利用して廃気を排出する時に、排出された廃気の効果が有限で且つ低速度となり、負圧時に空気(酸素ガス)の侵入を更に招き、システムの不安定を招く。
【0009】
4.酸素増加燃焼装置を利用して有機気体を処理するとき、物質の発火点が複雑に異なり且つ純度が不足し、比較的多くのエネルギーを必要とし、処理のコストを増加する。その熱分解により生成された気体が回収のリサイクルを強化でき、更に省エネルギー・二酸化炭素排出削減の処理モードを創造して完成できる。
【0010】
5.密封環境下では、熱分解は、その反応が曲線反応であるので、気体生成量の変化が大きくなり、圧力の波動が大きくなり、圧力の平衡に対する制御が困難で、操作システムの掌握が困難となる。
【0011】
故に前述の既存慣用の技術に基づいて有機高分子混合材料を処理しても、依然として数多くの問題点を有し、どのように熱分解技術を有効に応用するのかが非常に重要な一環となり、環境保護に対し、より大きな責任と義務を有する。
【0012】
本発明の発明者は、前述の慣用の方式による各項目の欠点に鑑み、より改良して革新しようと意図し、多年を経て努力研究した後に、ついに本発明の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の研究に成功した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】台湾特許第250180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、即ち熱分解過程に燃焼現象の免除を確保でき、且つ操作人員の処理安全性の強化を達成できるように提供するものである。
また、本発明の副次的な目的は、有機気体の部分に対し、より濃縮・失活して利用可能な燃料または化学工業原料を形成でき、処理コストを低減できる以外に、回収価値も増加でき、更に安全処理装置などの多重の効果と利益を創造でき、極めて産業利用価値を具するように提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の発明目的を達成できる、有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置は、下記を含む。
【0016】
(一)熔融無機塩の熔融液を利用して既存の一般な密封式熱分解装置を取り替え、有機高分子混合物が熔融無機塩の中に熱分解を行い、そして該熔融無機塩が硝酸塩または亜硝酸塩を指し、熱媒体の提供者となり、触媒であっても安定剤であってもよく、更にハロゲン元素を捕獲する反応物で、無機塩中の高活性金属によりハロゲン元素を捕獲してもよく、安定化のハロゲン化塩を形成し、安定化の環境保護処理モードを設立する。
【0017】
(二)熔融無機塩を利用して有機高分子混合物を熱分解することにより混合物中の基材を分離して分類・回収を達成する方法では、熔融塩が液状であるので、接合面を任意に調整して変更でき、反応物の形状,空間に根拠して「液態反応装置」を変更して処理を行うことが出来、有機高分子混合物を処理する温度があまり高くならず、そして一般な基材の耐える温度が更に高くなるので、相対的に基材、例えば金属繊維,ガラスファイバ,炭素繊維,金属,ガラス,セラミックス等を破壊せず、そして熱分解後の基材を容易に分離して分類の目的を達成し、再利用可能性を相対的に向上し、基材の利用価値を有効に増加する。
【0018】
(三)熱分解廃気生成量を減少し且つ炭素の回収を増加するために、熱分解の熔融塩を380℃以下に降下して実行でき、設備の処理量を向上し、炭素滓を回収してリサイクルすることが出来、ひいては有機高分子混合物のリサイクル価値を向上し、且つ同時に省エネルギー・二酸化炭素排出削減の目標を達成する。
【0019】
(四)熱分解のガス爆発と発火現象を低減するために、反応炉体の密封性を増加できる以外に、更に正圧操作環境を形成し、空気(酸素ガス)の侵入を阻止・隔離し、特に水気定圧反応系統を増加し、反応炉内の有機気体排出機能を設立し、水気を反応過程に参加させ、水を利用して加熱・膨張し、更に水気を利用して冷却でき、熔融塩と反応物により、熔融塩の温度を強制的に降下し、過激な反応を予防し、有効な冷却方法となり、反応物を取り出す前に、より冷却して操作の安全性を増加する。
【0020】
(五)炭素滓が全面的に熔融無機塩の液面に積み重ねて炭素膜を形成する時に、廃気の排出を妨害でき、従って炭素滓の浮き出し機構を設立し、熔融塩から炭素膜を移出する時に、予め有機気体を排出し、水気の引入を結合して水蒸気の膨張推力を生成でき、廃気排出効率を向上でき、反応炉の安全操作を強化し、熔融塩の表面から炭素滓を完全に移出でき、開始稼動条件を還元する。
【0021】
(六)反応後の廃気処理は、凝縮圧縮回収コールタール・モードを利用して現有の酸素増加燃焼方式を取り替え、処理のコストを減少し、熱排出を低減し、有機物のリサイクルを増加し、凝縮後に大分子の有機物と一部分の炭素埃がコールタール(高発火点)を形成でき、コールタールを収集して燃料と看做すように使用でき、或いは工業原料となるように再加工できる。凝縮不可能な有機気体(低発火点)と窒素・酸素ガスが燃焼装置に引入して熱エネルギーを回収して電気エネルギー等に変換でき、或いは市販の有機気体および窒素・酸素ガス処理機構(VOCs)を経て処理された後に、安全に排出できる。
【0022】
(七)有機高分子混合物を熱分解すると、基材の特性を考慮して許容する下では、或いは高分子の含有量があまり高くない状況下では、より高い快速効果を追求するために、処理の温度を向上でき、熱分解の効率がより速くなり(温度が高いほど反応が速くなるためである)、温度が高すぎることを防止するために、熔融塩の冷却方法(水気の引入)を増加でき、熔融塩の温度上昇を抑制し、更に安全処理モードをも取得できる。
【0023】
(八)熔融無機塩を利用して有機高分子混合物を熱分解する反応は、手順反応で、反応後に反応炉から反応生成物を移出する必要があり、反応に量の制限があり、そして反応の手順に、加熱,分解,反応,排気などの手順があり、その分解反応時間が短くなり、気体量の変化が大きくなり、掌握が困難で、操作の安全性を増加するために、気体膨脹伸縮系統を設立し、反応プログラムの中の気体生成量が適当な空間を有して吸収して所定の圧力出力を維持でき、安全処理の目的を達成し、設備の処理量を向上でき、投資の効果と利益を増加し、生産性を向上し、且つ設備の安全性も併せて配慮できる。
【0024】
(九)垂直移入系統を設立し、反応炉内の熱気が下から上向きに押し出すべきで、反応物を移入する時に、反応用ホルダーが一部分の空気を持ち込んで反応炉へ移入しやすくなり、水気を介して装置に引入する。水気,不活性気体または窒素ガスを引入して反応炉の表面に加熱し、膨張により上昇気流および気流誘導通路を生成し、反応物を移入できる過程中に、反応用ホルダーの中に滞留する空気を押して寄せてもよく、ひいては酸素除去の機能を達成する。
【0025】
(十)熔融塩から反応物を移出する活動式密封扉系統を設立し、熔融塩から反応物を移出する時に、沢山の気体が反応物の溢出に連れて操作のリスクを招くべきで、活動式密封扉系統を利用し、熔融塩から反応物を移出でき、有機気体を排出した後まで待ち、更に再び反応炉から移出し、且つ水気引入装置を結合して水気,不活性気体または窒素ガスにより反応物を冷却でき、更に有機気体を反応炉の外へ強制的に押し出してもよく、操作の安全を向上する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の提供する、有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置は、他の慣用の技術と互いに比較すると、下記の利点を更に有する。
【0027】
<イ>.本発明は、熱分解過程の安全性を有効に確保でき、本装置にて燃焼の現象を免除できることにより、操作人員の操作処理の安全性を達成し、これにより、危険因子の発生を避けるように提供するものである。
【0028】
<ロ>.本発明は、有機気体の部分に対し、より濃縮・失活して利用可能な燃料または化学工業原料を形成でき、処理コストを大幅に低減できる以外に、回収の価値をも有効に増加でき、更に安全処理装置などの多重の効果と利益を創造でき、極めて産業利用価値を具し、多元化の目的を兼ね備えるように提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】慣用の熱分解の有機高分子を熱分解するフローチャートである。
【図2】本発明の提供する、有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解回収フローチャートである。
【図3】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応系統制御図である。
【図4】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の気体自動膨張装置の構造模式図である。
【図5】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の気体自動膨張装置の他の構造模式図である。
【図6】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応装置の全体構築模式図である。
【図7A】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7B】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7C】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7D】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【図7E】該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明に関するより好ましい実施例の詳細な説明およびその添付図を参照することで、本発明の技術内容およびその目的・効果をより理解できる。該実施例に関する添付図が上記の通りである。
【0031】
図2のように、これが本発明の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解回収フローチャートであるが、有機高分子混合物を投入する熔融無機塩は、硝酸塩または亜硝酸塩の中に、該密封液態を熔融・形成する熱分解反応装置が高分子に対して加熱し、そして高分子が熱により分解して炭素滓,コールタール,有機気体などを形成でき、高分子中のハロゲン元素も熱分解に連れて釈放でき、そして熔融塩中の高活性金属、例えばリチウム,ナトリウム,カリウム,ルビジウム,セシウム,フランシウムも熱分解すると同時にハロゲン元素、例えばフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,アスタチンと結合してハロゲン化塩および窒素酸化物を形成できることを、指す。熱分解反応時に高分子材料の構造を破壊できるだけではなく、有機高分子混合物が有機気体と炭素埃となるように分解し、同時にハロゲン元素を捕獲して再回収する。そして熱分解反応後に、無機塩とハロゲン化塩が水に速く溶解でき、そして炭素滓と基材が水に溶解できないので、分類回収の目的を簡単に達成でき、且つ取得された基材が元の基材、例えば金属繊維,ガラスファイバ,炭素繊維,金属,ガラスとセラミックス等で、その熱分解温度があまり高くないので、基材に如何なる破壊・影響を及ぼすことが出来ず、基材のリサイクルの効果と利益を向上できる。そして有機気体は、凝縮圧縮方式を利用し、凝縮可能な大分子の燃焼油と凝縮不可能な小分子の燃焼ガスを形成して分離でき、それぞれ回収してリサイクルする。ハロゲン化塩および無機塩の融点と比重は、非常に大きな差異があり、分離・応用が困難ではなく、そして分離されたハロゲン化塩が更に工業原料となるように転化して再応用できる。
【0032】
図3のように、これが該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応系統制御図であるが、熔融無機塩を利用して有機高分子混合物を熱分解することにより混合材料中の基材を分離して分類回収を達成する方法中では、本発明者は、下記のように、熱分解反応系統に対し、安全・迅速および省エネルギーの熱分解の新たな方法を設立する。
【0033】
(1)正圧酸素隔離操作系統の設立:その目的は、空気(酸素ガス)の侵入を阻止・隔離して安定的な熱分解環境を形成し、有機気体が燃焼現象(例えば発火とガス爆発)を生成することを、防止し、熱分解過程中に大量の気体を形成でき、正圧を生成し、熱分解しない時(反応物が反応炉を進出する時)に圧力が降下すれば、反応炉の前後端の通路を閉鎖でき、空気の引入を防止し、且つ水気の引入を利用して操作時に必要な正圧系統を提供し、本当の正圧操作環境を設立するものである。
【0034】
(2)水気(少量の水)引入定圧反応系統:水を利用して加熱して水蒸気を形成して膨張推力を生成し、反応炉から反応炉中の有機気体を強制的に押し出すことが出来、且つ水気を利用して推力を生成でき、反応物を移入する時に、上昇気流を利用して引入可能な空気(酸素ガス)を排除して優先的な酸素除去作用を有し、更に水気を利用して反応物と熔融塩を低減でき、熔融塩の過激な反応(反応温度が高すぎる時に、大量の放熱現象があり、操作リスクがあるためである)を防止し、操作の安全を確保し、反応の安定性を増加し、霧化水気,水滴,少量の水を応用できる以外に、更に水蒸気,不活性気体または窒素ガスを利用して交替してもよい。
【0035】
3)気体自動平衡システムの設立:気体自動膨張装置を利用して熱分解曲線気体生成変化量を安定化し、気体量が大きくなる時に、充分な空間を有して移出・貯蔵し、圧力の上昇を低減して操作の安全に影響を及ぼし、該装置が圧力の上昇を利用する時に、空間を自動的に移出してシステムの操作圧力を維持でき、そして気体生成量が縮小する時に、空間を自動的に回復して縮小でき、システムの圧力を平衡でき、反応の過程を安定化することが出来、水封または油封システムを利用してその圧力の上限を制限し、操作の圧力を低減でき、その設計原理がスプリングの引力を利用して構造の重量を平衡でき、その敏感度を向上し(例:図4)、或いは重量平衡原理を利用して自動膨脹装置の敏感度を向上でき、動作の信頼性を増加する(例:図5)。
【0036】
(4)垂直原料供給システムの設立:主として熱気上昇原理を利用して熱対流を防止し、反応物を反応炉に移入する時に、真上方から移入すると反応炉の熱気上昇が対流状況を招かず、更に水気の引入を利用して大量の水蒸気を生成でき、強力な推力を提供することにより、反応物の移入による持ち込み可能な空気を反応炉の外へ押し出し、操作のシステムがより安全になり、且つ煙突効果により下方から空気を引入することがない(例:図7B)。
【0037】
(5)垂直反応用ホルダー及び炭素膜移出系統の設立:有機高分子混合物を熱分解する時に、組合せの差異および温度の関係に基づいて有機気体と炭素埃を形成でき、そして炭素埃量が大きくなる時に、熔融塩の表面に浮き出して積み上げることが出来、そして反応物を取り出す時に、炭素膜の存在の可能性があり、次回の操作条件に影響を及ぼすことが出来、同時に活動式反応用ホルダーの上方に設けられた炭素膜移出網を移出して除去する必要があり、反応物を取り出す時に、同時に炭素膜を取り出し、そして活動式反応用ホルダーが主として反応物の比重・密度問題を克服することを必要とし、比重が低すぎる時に、反応物が熔融塩の表面に浮き出してもよく、そして反応の効果が不安全となるべきで、比重が大きくなる時に、熔融塩の底部に沈降すべきで、好ましくは反応物が熔融塩の所定位置に制限され且つ熔融塩の移出に寄与し、反応物が活動式反応用ホルダーの内に固定するように設計することにより、反応物が固定位置に反応でき、比重の関係により浮き出し或いは沈殿することがなく、反応物が所定位置に制限され、反応条件の一致に達する。
【0038】
(6)反応炉の開放・閉鎖の排気システムの設立:熱分解反応時に大量の気体を生成でき、反応炉から気体を迅速に排出する必要があり、圧力の上昇を防止すれば、排気の通路を開放する必要があり、熱分解反応が完成する時に、気体生成量が中止し、後段の気体の戻り流れを防止するために、排気システムを開放・閉鎖する必要がある。水位の上昇を利用して水封を形成し、制御作用を簡単に取得できる。
【0039】
(7)有機気体凝縮圧縮回収システムの設立:熱分解の有機気体を凝縮・圧縮した後に、油状有機物(大分子)を形成して凝縮でき、そして高発火点の物質が炭素埃と共にコールタール(燃焼油)を形成できる。凝縮不可能な有機気体が気体状で、燃焼可能な気体(小分子)の発火点が低くなる。その分離回収が回収のリサイクルを向上でき、回収の効果と利益を増進し、省エネルギー・二酸化炭素排出削減の効果を更に有し、油と気体とを燃料に転化してリサイクルできる以外に、更に再加工して工業化学品に転化して利用できる。凝縮圧縮方式の利用が直接水冷または油冷方式を利用できる以外に、更に熱交換方法をも利用して間接に冷却することにより、凝縮圧縮の目的を達成できる。
【0040】
(8)活動式密封扉の制御システムの設立:反応物を取り出す時に、反応物を移動すると気体の漏出を招くので、操作人員に対し、リスクが存在して安全に影響を及ぼし、特に活動式密封扉を一つ利用し、水封または油封原理を利用して反応物を移出する時に、依然として密封効果を有し、そして有機気体を完全に排除した後(水気の引入を利用して有機気体と冷却反応物を強制的に排出できる)に、つまり反応物を取り出すのが安全な操作モードである(例:図7D)。
【0041】
(9)反応圧力追跡システムの設立:熱分解時に、気体を生成すれば、圧力が上昇でき、反応が完成した後に、気体量が減少かつ中止する時に、圧力が降下すれば、システムの熱分解状況や、熱分解が終了するかどうか,熱分解反応が過激するかどうか,量が多すぎるかどうか、また反応システムが安全であるかどうかをはっきりと了解でき、追跡を設立して操作の安全を確保できる。
【0042】
図6のように、これが該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応装置の全体構築模式図で、熔融無機塩を利用して有機高分子混合物を熱分解し、これにより、混合物中の基材を分離して分類回収装置を達成するが、これは、反応炉100、反応物輸送固定架106、水気引入装置111、反応炉廃気出口112、反応炉圧力制御器117、活動式反応用ホルダー110、気体自動膨張装置118、安全排出装置119、廃気凝縮回収装置200、凝縮圧縮管201、凝縮噴霧装置202、コールタール出口207と廃気処理装置400を含む。
【0043】
反応炉100は、その底部およびその周囲の下方に反応炉ヒーター101を一つ設け、且つ反応炉100の内の下半部に熔融無機塩102を詰め込み、該熔融無機塩102が硝酸塩または亜硝酸塩であってもよく、反応炉ヒーター101を介して熔融無機塩102が熔融状を呈し、そして反応炉100の中間が反応炉気体緩衝区103となり、且つ反応炉100の真上方に一つの活動式密封扉104と上蓋105を設け、該反応炉ヒーター101が電気エネルギーによる加熱または燃料による加熱であってもよい。
【0044】
反応物輸送固定架106は、反応炉100の外上方に架設され、反応物120の輸送運動の提供を担当し、そして該反応物輸送固定架106の上方に、一つの反応用ホルダー輸送ドライバー107と反応用ホルダー移入ドライバー108を設け、反応用ホルダー輸送ドライバー107が左右移動を提供でき、そして反応用ホルダー移入ドライバー108が上下移動を提供でき、該反応用ホルダー移入ドライバー108の上に1セットの反応用ホルダー接続器109を設けてもよく、一つの活動式反応用ホルダー110と互いに接続または分離してもよく、且つ活動式反応用ホルダー110の内に反応物120の収納に供することが出来、該反応物120が有機高分子混合物であってもよく、該反応用ホルダー接続器109が機械を利用して連結し或いは電磁石の引力を利用して達成でき、該反応用ホルダー輸送ドライバー107が油圧、気圧方式により駆動でき、更に電動ボルトをも利用して駆動でき、該反応用ホルダー移入ドライバー108が油圧、気圧方式により駆動でき、更に電動ボルトをも利用して駆動できる。
【0045】
水気引入装置111は、反応炉100の反応炉酸素ガス緩衝区103の上方側辺位置に設けられ、主としてノズルが熔融無機塩102の表面へ向かって水気を吐出できるように提供され、反応物120が反応炉100を進出する時に、吐出された水気が熱膨張により生成された上昇の推力を直接に受け入れてもよく、活動式密封扉104と結合し、これにより、外部の空気が反応炉100の内に入り込むことを阻止し、ひいては酸素阻止作用を達成し、同時に随時に熔融無機塩102の表面に冷却作用を提供でき、反応温度が高すぎることにより危険を生成することを予防する。
【0046】
反応炉廃気出口112は、反応炉気体緩衝区103の他の側辺に設けられて反応炉活水封止バルブ113と接続し、主として反応物120に熱分解廃気流動出口の方向誘導を提供し、反応炉活水封止バルブ113を経て廃気緩衝区114に入り込み、そして反応炉活水封止バルブ113が主として熱分解反応過程中に水位を自動的に降下できるように提供され、排水制御バルブ116により水を利用して開放機能を制御して実行し、反応が中止する時に、水を補充して水封作用を形成し、後段の気体が反応炉100の内に導入して戻すことを防止し、閉鎖作用を達成し、進水制御バルブ115を一つ利用して実行し、該廃気が窒素・酸素ガスであってもよく、該廃気が有機気体であってもよい。
【0047】
反応炉圧力制御器117は、反応炉廃気出口112の上方に設けられることにより、反応炉100の内の圧力を検出し、圧力が上昇する時に熱分解し始め、降下する時に熱分解反応が終了すれば、反応が終了するかどうかをはっきりと了解でき、且つ反応物120を安全に移出できるかどうかをはっきりと了解でき、時間の確認と温度の変化に対応してより確実になってもよく、熱分解が完成するかどうかを判断する。
【0048】
活動式反応用ホルダー110は、反応用ホルダー移入ドライバー108の前端に接続してもよく、或いはその反応用ホルダーから脱離してもよく、反応物120に熱分解反応空間を提供し、且つ反応物120の比重問題を排除し、反応物120が熔融無機塩の中に滞留して熱分解を行い、且つ気体排出通路を保留でき、その上方に炭素滓浮出網があり、反応物を移出すると同時に熔融無機塩102の上方表面の炭素滓を移出する。
【0049】
気体自動膨張装置118は、廃気緩衝区114の側辺に置かれ、提供される気体量が大きい時に、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵でき、気体量が減少する時に、空間の気体を自動的に押して出してその構造を閉鎖すべきで、水封または油封とスプリング装置を利用して敏感度を強化し、或いは水封および配重平衡輪を利用して重量の差により敏感度を制御し(例えば図4、図5に示すように)、圧力が大きくなる時に自動的に開放でき、圧力が小さくなる時に自動的に閉鎖し、相補的な効果を生成できる。
【0050】
安全排出装置119は、廃気緩衝区114の側辺に設けられ、気体の圧力が水封圧力よりも大きくなる時に気体が脱出して排出できることを利用し、構造安全の目的を達成し、反応炉100および操作人員の安全を有効に確保でき、且つ外部の気体が反応炉100に滲入することを防止できる。
【0051】
廃気凝縮回収装置200は、廃気緩衝区114の後端に設けられ、後方廃気処理装置400に接続されることにより、後で安全に排出でき、環境保護処理の要求を達成する。凝縮圧縮管201は、反応炉の廃気緩衝区114と互いに接続し、且つその接続端部の内に凝縮噴霧装置202を一つ設けることにより、水気を直接に利用して廃気と混合し、凝縮圧縮管201を通過して凝縮して液態のコールタール(油と炭素埃の混合物を指す)を形成し、後段の凝縮水封槽203に導入して更に気水分離槽208の中に入り込むことにより、コールタール204と気化物質を分離し、つまりコールタール204の回収目的を簡単に達成でき、そして後で気化部分の気体が気体出口205を経て気体一時存在区210へ排出され、そして気体一時存在区210の後段に管路300を一つ接続し、且つ後段の廃気処理装置400と互いに接続し、更に廃気処理装置400の上に廃気安全排出口500を一つ設置することにより、処理された後の廃気を外部へ排出する。
【0052】
凝縮噴霧装置202は、凝縮圧縮管201の前端内に設けられ、その凝縮が直接冷却方式であっても、更に間接冷却方式であってもよく、凝縮を実行する装置で、そしてその前端に増圧ポンプ206を一つ設けて気水分離槽208の下方水部分と接続し、つまり完備のシステムを完成し、そして水温度の上昇が強制風冷方式または液冷方式を利用して補償できる。コールタール出口207は、気液分離装置に設けられ、水液209の上方に油のみを排出でき、水を気水分離槽208の中に滞留し、前述の凝縮水および水封部分も、油封方式を利用して交替できる。廃気処理装置400は、気体一時存在区210の気体出口300に設けられ、市販の有機気体および窒素ガスの気体処理装置を利用して処理でき、或いは直接燃焼方式を採用して廃気の熱エネルギーを回収し、或いは発電方式を変換してリサイクルし、後で安全に排出できる。
【0053】
更に図7A乃至図7Eを参照し、これらが該有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法およびその装置の熱分解反応の実施模式図である。予め反応物120を活動式反応用ホルダー110の内に垂直に詰め込み、更に反応用ホルダー輸送ドライバー107を駆動することにより、その上の反応用ホルダー接続器109が活動式反応用ホルダー110と互いに接続し、且つ反応炉の真上方の上蓋105(例:図7A、図7B)を開放することにより、活動式反応用ホルダー110を反応炉100の内に降下し、更に水の引入を利用して加熱・膨張して水蒸気を生成し、活動式反応用ホルダー110にて酸素ガスを持ち込んで先に反応炉100の外へ押し出すことにより、反応炉100が正圧の効果を有する。
【0054】
そして、活動式反応用ホルダー109の上の適当な箇所の活動式密封扉104が暫く反応炉100の上端箇所を閉鎖すべきで、酸素阻止作用を設立し、外部の空気が反応炉100の内に入り込むことを避け、そして活動式反応用ホルダー110の内の反応物120が熔融無機塩102に完全に浸漬する時に、熱分解反応の手順を行うことが出来(例:図7C)、そして熱分解反応の時間が約1ないし5分間程度で、そして熱分解反応過程中に生成された廃気を、反応炉廃気出口112を経由して反応炉活水封止バルブ113の内へ強制的に排出し、熱分解反応が完全に終了した後まで待ち、活動式反応用ホルダー110を上向きに移動でき、同時に水気により生成された水蒸気を利用し、反応炉100の内から反応後の廃気を移出し、更に反応物120を冷却でき(例:図7D)、且つ再び上蓋105を反応炉100の真上方の開口に蓋合し(例:図7E)、熱分解反応の過程を完成する。
【0055】
その中でも、該反応物120が熔融無機塩102に熱分解反応を行う時間は、3分間が最も好ましい。
【0056】
その中でも、熔融無機塩を利用して有機高分子混合物を熱分解することにより混合材料中の基材を分離して分類・回収を達成する方法中では、該熔融無機塩は、リチウム,ナトリウム,カリウム,ルビジウム,セシウム,フランシウム等を含む高活性の硝酸塩または亜硝酸塩であってもよく、或いは単一または混合の熔融塩方式により液態熱分解反応炉を設立でき、その熔融温度が180℃〜580℃の間に制御でき、異なる有機高分子材料に基づき異なる温度に熱分解を行うことが出来、反応物を直接に被覆し、加熱温度が均一で且つ快速なだけではなく、熔融塩が安全且つ安定的な熱分解環境を提供できる。
【0057】
その中でも、有機気体は、凝縮圧縮系統を利用して凝縮可能的に分離し、高発火点の燃料油(大分子)を形成し、溢れ出た炭素埃と共にコールタールを形成すべきで、燃料と看做すように使用し或いは工業原料に変換するようにリサイクルすることが出来る。凝縮不可能な気体が低発火点の燃焼ガス(小分子)で、燃焼装置に直接に引入して熱エネルギーを回収でき、或いは電気エネルギーに変換でき、或いは市販のVOCs廃気処理装置を利用して反応後の有機気体と窒素酸化物を処理でき、安全無害に排出でき、大量処理時にも燃焼ガスを高圧に圧縮して失活して利用できる。
【0058】
その中でも、熔融無機塩を利用して有機高分子を熱分解することにより混合材料中の基材を分離して分類・回収を達成する方法中では、反応後の反応物の分類は、水洗方式により分離でき、熔融塩とハロゲン化塩が水に簡単に溶解でき、炭素滓と基材が水に溶解できないので、炭素滓と基材が簡単に分離でき、比重が異なることにより簡単に分離できる訳である。基材表面の炭化物を除去する必要がある時に、酸素環境中に400℃以上に達するように加熱すると、炭素が分解して基材の表面から離れることを可能とし、高純度の基材を取得できる。回収後の炭素滓は、燃料とすることが出来、更に利用価値を有する工業原料、例えばカーボンブラック,活性炭などに形成するように再加工でき、無機塩およびハロゲン化塩の融点と比重に、非常に大きな差異があり、分離が困難ではなく、工業原料に簡単に転化してリサイクルすることが出来る。
【0059】
以上の詳細な説明は、本発明に対して実行可能な実施例の具体的な説明で、但し該実施例が本発明の特許の請求範囲を限定するために用いられるものではなく、例えば本発明の技術精神を逸脱しない下で完成された同様の実施または変更が、何れも本発明の特許の請求範囲中に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0060】
100 反応炉
101 反応炉ヒーター
102 熔融無機塩
103 反応炉気体緩衝区
104 活動式密封扉
105 上蓋
106 反応物輸送固定架
107 反応用ホルダー輸送ドライバー
108 反応用ホルダー移入ドライバー
109 反応用ホルダー接続器
110 活動式反応用ホルダー
111 水気引入装置
112 反応炉廃気出口
113 反応炉活水封止バルブ
114 廃気緩衝区
115 進水制御バルブ
116 排水制御バルブ
117 反応炉圧力制御器
118 気体自動膨張装置
119 安全排出装置
120 反応物
200 廃気凝縮回収装置
201 凝縮圧縮管
202 凝縮噴霧装置
203 凝縮水封槽
204 コールタール
205 気体出口
206 増圧ポンプ
207 コールタール出口
208 気水分離槽
209 水液
210 気体一時存在区
300 管路
400 廃気処理装置
500 気体安全排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法であって、下記の工程を含み、
工程1:反応物を活動式反応用ホルダーの内に投入し、更に反応用ホルダー輸送ドライバーを駆動してその上の反応用ホルダー接続器が活動式反応用ホルダーと互いに接続し、且つ反応炉の真上方の上蓋を開放し、活動式反応用ホルダーを反応炉の内に降下すること、
工程2:更に水の引入を利用して加熱・膨張して水蒸気を生成し、活動式反応用ホルダーにより持ち込まれた酸素ガスを、予め反応炉の外へ押し出すことにより、反応炉が正圧の効果を有し、そして活動式反応用ホルダーの上に適当な箇所の活動式密封扉が反応炉の上端箇所を暫く閉鎖すべきで、酸素阻止の作用を達成し、外部の空気が反応炉内に入り込むことを避け、そして活動式反応用ホルダー内の反応物が熔融無機塩に完全に浸漬する時に、つまり熱分解反応の手順を行うことが出来、そして熱分解反応の時間が約1ないし5分間ほどであること、
工程3:熱分解反応の過程中に、生成された廃気が反応炉廃気出口を経由して反応炉活水封止バルブの内へ強制的に排出させ、熱分解反応が完全に終了した後まで待ち、つまり活動式反応用ホルダーを上向きに移動でき、同時に水気により生成された水蒸気を利用し、反応後の廃気を反応炉内から移出し、且つ反応物を冷却できること、
工程4:最後に再び上蓋を反応炉の真上方の開口に蓋合し、つまり熱分解反応の過程を完成することを特徴とする、有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法。
【請求項2】
更に単独で有機高分子の炭素回収方法にも応用でき、且つ関連する有機物を熱分解すると同時にハロゲン元素を処理・運用することを特徴とする、請求項1に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収方法。
【請求項3】
有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置であって、
反応炉、反応物輸送固定架、水気引入装置、反応炉廃気出口、反応炉圧力制御器、活動式反応用ホルダー、気体自動膨張装置、安全排出装置、廃気凝縮回収装置、凝縮圧縮管、凝縮噴霧装置、コールタール出口、廃気処理装置を含み、
反応炉は、その下方の適当な箇所に反応炉ヒーターを設け、且つ反応炉内の下半部に熔融無機塩を詰め込み、反応炉ヒーターを介して熔融無機塩が熔融状を呈し、そして反応炉の中間が反応炉気体緩衝区となり、且つ反応炉の真上方に活動式密封扉と上蓋を設け、
反応物輸送固定架は、反応炉の外上方に架設され、反応物輸送運動の提供を担当し、そして反応物輸送固定架の上方に、反応用ホルダー輸送ドライバーと反応用ホルダー移入ドライバーを設け、反応用ホルダー輸送ドライバーが左右移動を提供でき、そして反応用ホルダー移入ドライバーが上下移動を提供でき、
水気引入装置は、反応炉の反応炉気体緩衝区の上方側辺箇所に設けられ、ノズルが熔融無機塩の表面へ向かって水気を吐出できるように提供され、反応物が反応炉を進出する時に、吐出された水気が熱膨張により生成された上昇の推力を直接に受け入れてもよく、活動式密封扉と結合し、これにより、外部の空気が反応炉内に入り込むことを阻止し、同時に随時に熔融無機塩の表面に冷却作用を提供でき、反応温度が高すぎることにより危険を生成することを予防し、
反応炉廃気出口は、反応炉気体緩衝区の他の側辺に設けられて反応炉活水封止バルブと接続し、主として反応物に熱分解廃気流動出口の方向誘導を提供し、反応炉活水封止バルブを経て廃気緩衝区に入り込み、そして反応炉活水封止バルブが主として熱分解反応過程中に水位を自動的に降下できるように提供され、排水制御バルブにより水を利用して開放機能を制御して実行し、反応が中止する時に、水を補充して水封作用防止後段の気体を形成して反応炉内に導入して戻すことにより、閉鎖作用を達成し、進水制御バルブを利用して実行し、
反応炉圧力制御器は、反応炉廃気出口の上方に設けられることにより、反応炉内の圧力を検出し、圧力が上昇する時に熱分解し始め、降下する時に熱分解反応が終了すれば、反応が終了するかどうかをはっきりと了解でき、且つ反応物を安全に移出できるかどうかをはっきりと了解でき、時間の確認と温度の変化に対応してより確実になってもよく、熱分解が完成するかどうかを判断し、
活動式反応用ホルダーは、反応用ホルダー移入ドライバーの前端に接続してもよく、或いはその反応用ホルダーから脱離してもよく、反応物に熱分解反応空間を提供し、且つ反応物の比重問題を排除し、反応物が熔融無機塩の中に滞留して熱分解を行い、且つ気体排出通路を保留でき、その上方に炭素滓浮出網があり、反応物を移出すると同時に熔融無機塩の上方表面の炭素滓を移出し、
気体自動膨張装置は、廃気緩衝区の側辺に置かれ、提供される気体量が大きい時に、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵でき、気体量が減少する時に、空間の気体を自動的に押して出してその構造を閉鎖すべきであり、
安全排出装置は、廃気緩衝区の側辺に設けられ、気体の圧力が水封圧力よりも大きくなる時に気体が脱出して排出できることを利用し、構造安全の目的を達成し、反応炉および操作人員の安全を有効に確保でき、且つ外部の気体が反応炉に滲入することを防止でき、
廃気凝縮回収装置は、廃気緩衝区の後端に設けられ、後方廃気処理装置に接続されることにより、後で安全に排出でき、環境保護処理の要求を達成し、
凝縮圧縮管は、反応炉の廃気緩衝区と互いに接続し、且つその接続端部の内に凝縮噴霧装置を一つ設けることにより、水気を直接に利用して廃気と混合し、凝縮圧縮管を通過して凝縮して液態のコールタールを形成し、後段の凝縮水封槽に導入して更に気水分離槽の中に入り込むことにより、コールタールと気化物質を分離し、つまりコールタール回収の目的を簡単に達成でき、そして後で気化部分の気体が気体出口を経て気体一時存在区へ排出され、そして気体一時存在区の後段に管路を一つ接続し、且つ後段の廃気処理装置と互いに接続し、更に廃気処理装置の上に廃気安全排出口を一つ設置することにより、処理された後の廃気を外部へ排出し、また気体一時存在区の気体を液化燃料ガスとなるように直接に圧縮し、
凝縮噴霧装置は、凝縮圧縮管の前端内に設けられ、その凝縮が直接冷却方式又は間接冷却方式であって、凝縮を実行する装置で、そしてその前端に増圧ポンプを一つ設けて気水分離槽の下方水部分と接続し、つまり完備の系統を完成し、
コールタール出口は、前述の通りで、気液分離装置に設けられ、水液の上方に油のみを排出でき、水を気水分離槽の中に滞留し、
廃気処理装置は、気体一時存在区の気体出口に設けられ、市販の有機気体および窒素ガスの気体処理装置を利用して処理でき、或いは直接燃焼方式を採用して廃気の熱エネルギーを回収し、或いは発電方式を変換してリサイクルし、後で安全に排出できることを特徴とする、有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項4】
該熔融無機塩は、リチウム,ナトリウム,カリウム,ルビジウム,セシウム,フランシウムの高活性金属の硝酸塩または亜硝酸塩であってもよく、且つ該熔融塩が単一または混合の塩を利用して処理を行ってもよく、その熔融温度が180℃〜580℃の間にあってもよく、有機高分子材料の熱分解条件に応用できることを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項5】
該有機高分子混合物中の高分子材料は、プラスチック,ゴム,繊維,粘着剤,塗料などであってもよいことを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項6】
該基材は、ガラスファイバ,金属繊維,炭素繊維,金属,ガラス,セラミックスなどであってもよいことを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項7】
該反応炉ヒーターは、電気エネルギーによる加熱または燃料による加熱であってもよいことを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項8】
該反応用ホルダー移入ドライバーの上に1セットの反応用ホルダー接続器を設けてもよく、機械を利用して連結し或いは電磁石の引力を利用して一つの活動式反応用ホルダーと互いに接続または分離してもよく、且つ活動式反応用ホルダーの内に反応物の収納に供することが出来ることを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項9】
該反応物は、有機高分子混合物または他の高分子材料であってもよいことを特徴とする、請求項1または3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項10】
該気体自動膨張装置は、重量差平衡方法およびスプリング引力吸収装置方式を利用して感度を強化して制御することにより、気体生成量の大きさによって充分な空間を伸縮して操作の圧力を均一化することが出来、操作条件の単一化が平衡作用を達成し、ロット反応が確実かつ均一な効果を有することを可能とすることを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項11】
該水封の水冷却方式も、油封の油冷却方式を利用して交替できることを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項12】
該凝縮噴霧装置の中に、噴霧が直接に凝縮して圧縮し、更に間接凝縮方式をも採用でき、液態水(油)を経て炭素埃と大分子油類を直接に捕獲して気液分離槽の中に貯蔵し、液化できない部分を更に排出して処理を行い、2段式処理方法に分けて密閉式水封系統を設立でき、空気阻止作用があり、安全を強化し、且つエネルギーの浪費を減少し、回収・リサイクルの効率を向上し、省エネルギー・二酸化炭素排出削減の良好な方法を達成し、その凝縮方式も間接熱交換方式を利用して有機気体を捕獲して油となるように凝結でき、更に油気分離が分段式回収を達成できることを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項13】
該気体自動膨張装置は、水封および配重平衡輪を利用し、重量の差により、自動的に調整して空間を移動して気体を貯蔵するように達成することを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。
【請求項14】
該凝縮噴霧装置の水温度の上昇は、強制風冷方式または液冷方式を利用して補償できることを特徴とする、請求項3に記載の有機高分子混合物を熱分解する基材分類回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【公開番号】特開2011−1550(P2011−1550A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137794(P2010−137794)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(510169583)
【Fターム(参考)】