説明

有機EL素子の製造方法

【課題】少なくとも発光層と電子注入層が一対の電極間に挟持されている有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物と、有機物の加熱蒸発物とを原料とする共蒸着膜を電子注入層とする有機EL素子の製造方法であって、基板の上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極の上に有機化合物層を形成する工程と、前記有機化合物層の上に上部電極を形成する工程とを有し、前記有機化合物層の一つである電子注入層を作成する工程で、前記金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物に対してイオン化処理を施すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも発光層と電子注入層が一対の電極間に挟持されている有機EL素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機EL素子は、自発光型の薄型表示素子として注目を集めている。この有機EL素子の技術的課題として、低駆動電圧化、高効率化が挙げられている。この課題に対して、特許文献1は、有機EL素子を構成する電子輸送層内でアルカリ金属の少なくとも一部がカチオン状態で分散している有機EL素子を提案している。この文献で開示されている電子輸送層は、電子輸送性材料(有機物)とNa(アルカリ金属)との共蒸着膜である。この膜の蒸着時においてNaに対するカチオン化処理は施していないが、得られる膜中のNaの殆どがカチオン状態にあると記述されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−100482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記特許文献1で開示されている先行技術は、以下のような問題点があった。電子輸送層内におけるアルカリ金属のカチオン化を制御し難い場合がある。即ち、ロットごとにカチオン化の程度が大きくばらつく場合がある。このため有機EL素子の特性(駆動電圧、効率)がロットごとにばらつき、有機EL素子製造の歩留まりに影響する場合がある。
【0005】
そこで本発明は、このような問題点を解決できる有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、
金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物と、有機物の加熱蒸発物とを原料とする共蒸着膜を電子注入層とする有機EL素子の製造方法であって、
基板の上に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極の上に有機化合物層を形成する工程と、
前記有機化合物層の上に上部電極を形成する工程とを有し、
前記有機化合物層の一つである電子注入層を作成する工程で、前記金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物に対してイオン化処理を施すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、有機EL素子の低駆動電圧化と高効率化、及び製造時のばらつきを抑制できる。また、アルカリ金属等の利用効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に関する有機EL素子の製造方法について、図1〜図4を用いて説明する。
【0009】
本発明の有機EL素子の製造方法は、金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物と、有機物の加熱蒸発物とを原料とする共蒸着膜を電子注入層とする有機EL素子を製造する方法に好適に実施される。電子注入層は、電子輸送層と同様に、陰極から発光層への電子輸送現象に関わる層である。そして電子注入層は、有機EL素子の特性に大きな影響を及ぼす。
【0010】
図1は、有機EL素子の構成例を示す模式図である。図1において、110は基板、120は陽極、130は正孔輸送層、140は発光層、150は電子輸送層、160は電子注入層、170は陰極である。
【0011】
このような構成の有機EL素子を製造するべく、本発明に関する有機EL素子の製造方法は、基板110上に陽極(下部電極)120を形成する工程を有する。前記陽極120上に有機化合物層である正孔輸送層130、発光層140、電子輸送層150、電子注入層160を形成する工程を有する。さらに、前記有機化合物層上に陰極(上部電極)170を形成する工程を有する。
【0012】
つまり、基板110上より公知の方法(例えば真空蒸着法)により、陽極120、正孔輸送層130、発光層140、電子輸送層150、電子注入層160、陰極170を順次積層する。特に、本発明では前記有機化合物層の一つである電子注入層160を作成する工程で、金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物に対してイオン化処理を施すことを特徴とする。
【0013】
以下、本発明の特徴とする電子注入層の作成工程を実施形態に分けて説明する。
【0014】
<実施形態1>
図2は、本発明に関する有機EL素子の製造方法における実施形態1の電子注入層の作成工程を示す模式図である。図2において、10は電子注入層である。この電子注入層10は、大きく分けて2種類の原料の共蒸着膜である。第1の原料は、有機物の加熱蒸発物である。第2の原料は、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物のうちの少なくとも1種類の物質の加熱蒸発物である。
【0015】
さらに図2において、20は電子注入層の成膜用基板である。30は有機物の加熱蒸着物を生成する蒸着源である。40は前記アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物のうちの少なくとも1種類の物質の加熱蒸発物を生成する蒸着源である。60は蒸着源30から基板20に向かう有機物の加熱蒸発物である。50は蒸着源40から基板20に向かうアルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物のうちの少なくとも1種類の物質の加熱蒸発物である。70は加熱蒸発物に対するイオン化処理手段である。
【0016】
図2に示したイオン化処理手段70は、同イオン化処理手段70に加熱蒸発物50を接触させて前記加熱蒸発物50をイオン化する構成とされている。
【0017】
イオン化処理手段70の加熱蒸発物50が接触する部位は、高融点な物質で、アルカリ金属よりも仕事関数の大きい物質が好ましい。さらに、この加熱蒸発物50が接触する部位は、加熱されていることが望ましい。
【0018】
前記高融点物質の形状に制限はない。フィラメント形状や、その表面に微細な孔が形成されていても構わない。高融点物質としては、レニウム、タングステン、タンタル、白金等を挙げることができる。加熱されている高融点物質に加熱蒸発物50が接触すると、この加熱蒸発物50中に含まれるアルカリ金属等はイオン化する。特に加熱蒸発物50にイオン化エネルギーの小さいアルカリ金属蒸気が含まれていると、このアルカリ金属はイオン化処理手段70により確実にイオン化される。従って、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を加熱する場合には、加熱分解によりアルカリ金属やアルカリ土類金属を生成させることが望ましい。例えば炭酸カリウムを600℃以上で加熱すれば、この炭酸塩中のカリウムは全て金属カリウムになり、カリウム蒸気が得られる。
【0019】
図2に示した蒸着源等は真空チャンバー内に配置されている。また、イオン化処理手段70は、加熱蒸発物50が接触可能な位置に配置していれば、真空チャンバー内における位置に制限はない。例えば、イオン化処理手段70と蒸着源40とを一体化させてもよい。
【0020】
<実施形態2>
図3は、本発明に関する有機EL素子の製造方法における実施形態2の電子注入層の作成工程の模式図である。図3において、80はイオン化処理手段であり、加熱蒸発物50に光又は荷電粒子を照射することにより加熱蒸発物50をイオン化する構成とされている。90はイオン化処理手段80より加熱蒸発物50に照射する光(電磁波)、又は接触させる荷電粒子を模式的に示したものである。
【0021】
加熱蒸発物50に照射する光の波長域は、所望のイオン化処理を施すことができれば制限はない。紫外線域や可視光域あるいはX線域でも構わない。例えば真空中のアルカリ金属は、可視光照射による光電効果でイオン化させることが可能である。また、イオン化用の光源としては、ランプやレーザーを挙げることができる。光源からの光をレンズで集光させて加熱蒸発物50に照射しても良い。
【0022】
一方、加熱蒸発物50に接触させる荷電粒子としては、電子線やα線を挙げることができる。
【0023】
図3に示した蒸着源等は真空チャンバー内に配置されている。但し、イオン化処理手段80がイオン化のために光を用いる場合には、加熱蒸発物50に光を照射できる光路を確保できれば、真空チャンバー外に配置していても構わない。
【0024】
<実施形態3>
図4は、本発明に関する有機EL素子の製造方法における実施形態3の電子注入層の作成工程を示す模式図である。図4において、100は電子注入層を作成する工程において、電子注入層に電位を印加して前記電子注入層の電位を制御する電位制御手段である。この他のイオン化処理手段70等は図2に示しているものと同じである。
【0025】
イオン化処理手段70によりプラスに帯電しているイオンが形成される場合、電位制御手段100により電子注入層の電位をマイナスにすると、前記イオン化処理手段70により形成されたイオンは電子注入層側に着弾しやすくなる。なお、電位制御手段100は、図3に示す電子注入層の電位を制御するために設置しても構わない。
【0026】
上述した有機EL素子の製造方法は、加熱蒸発物50に対するイオン化処理を効率的に且つ確実に行うことができる。この特性により、電子注入層の形成ロット間での加熱蒸発物50に対するイオン化処理度の変動を抑えることができる。このため電子注入層特性のロット間のばらつきは抑えられ、結果的に素子特性のロット間のばらつきの発生を抑えることができる。
【0027】
ちなみに、電子注入層を構成する有機物としては、電子輸送性を有し、且つ真空加熱処理により蒸着膜を形成できるものを使用することができる。例えば公知のアルミキノリノール錯体やフェナントロリン化合物等を用いることができる。また、上記アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs等)の酸化物、炭酸塩、塩化物、フッ化物、硫化物を挙げることができる。上記アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba等)の酸化物、炭酸塩、塩化物、フッ化物、硫化物を挙げることができる。また、アルミノケイ酸塩とアルカリ金属酸化物(例えば酸化Li)との混合焼結体をアルカリ金属化合物として用いてもよい。
【0028】
なお、本発明に関するイオン化処理手段は加熱蒸発物50をイオン化できれば上記手段に限定されるものではない。例えば、加熱蒸発物50をプラズマ化する手段を利用することも可能である。
【実施例】
【0029】
以下、実施例に沿って本発明を説明する。
【0030】
<実施例1>
本実施例では、図1に示す構成の有機EL素子を製造する。
【0031】
基板110上にクロムからなる陽極120をスパッタ法で成膜(膜厚:200nm)する。この陽極120は光反射機能を有する。
【0032】
陽極120を形成した基板に対してUV/オゾン洗浄処理を施す。続いて真空蒸着装置のチャンバー内に洗浄済みの基板と蒸着用の材料とを設置し、チャンバー内を1×10-6Torrまで排気する。
【0033】
所定の真空度に到達した後、陽極120上に正孔輸送層130を成膜(膜厚:60nm)する。正孔輸送層130の材質は、N,N’−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)である。正孔輸送層130上に発光層140を成膜(膜厚:30nm)する。発光層140は、クマリン6(1.0wt%)とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)との共蒸着膜である。この発光層140上に電子輸送層150を成膜(膜厚:10nm)する。電子輸送層150の材質は、フェナントロリン化合物である。
【0034】
電子輸送層150上に電子注入層160を成膜(膜厚:40nm)する。電子注入層160は、フェナントロリン化合物の加熱蒸発物と炭酸カリウムの加熱蒸発物とを原料にする共蒸着膜である。なお、本実施例では、炭酸カリウムを600℃以上に加熱して得られる加熱蒸発物に対して、図2を用いて前述したイオン化処理を施している。
【0035】
一般的に炭酸カリウムは、600℃以上に加熱されると、熱分解によりカリウム金属になる。従って、本実施例における炭酸カリウムの加熱蒸発物はカリウム金属蒸気である。一方、本実施例におけるイオン化処理手段は、1200℃に加熱されているタンタルフィラメントである。このタンタルフィラメントに炭酸カリウムから得られるカリウム蒸気が接触すると、カリウムはカリウムイオンとなる。カリウムイオンが形成されていることは、質量分析装置により確認できる。なお、電子注入層中のカリウム濃度は約3wt%である。
【0036】
電子注入層160上に発光層140からの光取り出しが可能な陰極170をスパッタ法にて成膜(膜厚:150)する。陰極170の材質はITO(インジウム錫酸化物)である。
【0037】
その後、基板をグローブボックスに移し、窒素雰囲気中で乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止する。
【0038】
上記手順で製造された有機EL素子に直流電圧を印加して本有機EL素子の発光特性を調べる。その結果、本有機EL素子は、印加電圧が6.0Vの時の電流密度が70.5mA/cm2であり、6.0V印加時の発光効率は4cd/Aである。
【0039】
また、連続して有機EL素子を製造しても、得られる各有機EL素子の特性は上述のものと殆ど同じ(印加電圧が6.0Vの時の電流密度:70.5mA/cm2、6.0V印加時の発光効率:4cd/A)であることを確認できた。
【0040】
<比較例1>
本比較例の有機EL素子は、イオン化処理を施さないこと以外、実施例1と同じ方法で製造する。得られる複数の有機EL素子の特性を調べると、印加電圧が6.0Vの時の電流密度が50〜65mA/cm2範囲でばらつき、6.0V印加時の発光効率は2.7〜3.8cd/Aの範囲でばらつく。また、実施例1と同程度の電流密度や発光効率を得るには、6.5V以上の電圧印加が必要である。
【0041】
<実施例2>
本実施例の有機EL素子は、イオン化処理手段として高圧水銀ランプを用いる以外、実施例1と同じ方法で製造する。この高圧水銀ランプからの紫外光はアルカリ金属化合物の加熱蒸発物にもれなく照射される。
【0042】
得られた有機EL素子に直流電圧を印加して本有機EL素子の発光特性を調べる。その結果、本有機EL素子は、印加電圧が6.0Vの時の電流密度が70.1mA/cm2であり、6.0V印加時の発光効率は4cd/Aである。
【0043】
また、連続して有機EL素子を製造しても、得られる各有機EL素子の特性は上述のものと殆ど同じ(印加電圧が6.0Vの時の電流密度:70.1mA/cm2、6.0V印加時の発光効率:4cd/A)であることを確認できた。
【0044】
<比較例2>
本比較例の有機EL素子は、イオン化処理を施さないこと以外、実施例2と同じ方法で製造する。得られた複数の有機EL素子の特性を調べると、印加電圧が6.0Vの時の電流密度が49〜65mA/cm2範囲でばらつき、6.0V印加時の発光効率は2.6〜3.8cd/Aの範囲でばらつく。また、実施例1と同程度の電流密度や発光効率を得るには、6.5V以上の電圧印加が必要である。
【0045】
<実施例3>
本実施例の有機EL素子は、炭酸カリウムの替わりに金属セシウムを用い、タンタルフィラメントの替わりにタングステンフィラメントを用いる以外、実施例1と同じ方法で製造する。なお、電子注入層中のセシウム濃度は、約3wt%である。
【0046】
得られた有機EL素子に直流電圧を印加して本有機EL素子の発光特性を調べる。その結果、本有機EL素子は、印加電圧が5.0Vの時の電流密度が79.5mA/cm2であり、5.0V印加時の発光効率は4cd/Aである。
【0047】
また、連続して有機EL素子を製造しても、得られる各有機EL素子の特性は上述のものと殆ど同じ(印加電圧が5.0Vの時の電流密度:79.5mA/cm2、5.0V印加時の発光効率:4cd/A)であることを確認できた。
【0048】
<比較例3>
本比較例の有機EL素子は、イオン化処理を施さないこと以外、実施例3と同じ方法で製造する。得られた複数の有機EL素子の特性を調べると、印加電圧が5.0Vの時の電流密度が59〜70mA/cm2範囲でばらつき、5.0V印加時の発光効率は2.9〜3.8cd/Aの範囲でばらつく。また、実施例1と同程度の電流密度や発光効率を得るには、6.0V以上の電圧印加が必要である。
【0049】
<実施例4>
本実施例の有機EL素子は、電子注入層の成膜時に陽極120に対して電位制御手段によりマイナス100Vの電位を印加しておく以外、実施例3と同じ方法で製造する。なお、本実施例においては蒸着源からのセシウムが蒸発速度のみ、実施例3の場合の8割程度で、電子注入層中のセシウム濃度が、約3wt%となる。この結果は生成したセシウム蒸気が、電位印加しない場合よりも、電子注入層に回収されやすいことを示している。
【0050】
直流電圧を印加した本有機EL素子の発光特性は、実施例3とほぼ同じである。また、連続して有機EL素子を製造しても、得られる各有機EL素子の特性も、実施例3とほぼ同じである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に関する有機EL素子の構成を示す模式図である。
【図2】本発明に関する有機EL素子の製造方法における実施形態1の電子注入層の作成工程を示す模式図である。
【図3】本発明に関する有機EL素子の製造方法における実施形態2の電子注入層の作成工程を示す模式図である。
【図4】本発明に関する有機EL素子の製造方法における実施形態3の電子注入層の作成工程を示す模式図である。
【符号の説明】
【0052】
10 電子注入層
20 電子注入層成膜用の基板
30、40 蒸着源
50、60 加熱蒸発物
70、80 イオン化処理手段
90 イオン化処理手段からの光又は荷電粒子
100 電子制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物と、有機物の加熱蒸発物とを原料とする共蒸着膜を電子注入層とする有機EL素子の製造方法であって、
基板の上に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極の上に有機化合物層を形成する工程と、
前記有機化合物層の上に上部電極を形成する工程とを有し、
前記有機化合物層の一つである電子注入層を作成する工程で、前記金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物に対してイオン化処理を施すことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
【請求項2】
前記金属は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属であり、
前記金属化合物は、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物、又はアルカリ金属化合物若しくはアルカリ土類金属化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
【請求項3】
前記イオン化処理は、前記金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物を、高融点物質に接触させることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
【請求項4】
前記イオン化処理は、前記金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物に、電磁波を照射することを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
【請求項5】
前記イオン化処理は、前記金属及び金属化合物、又は金属若しくは金属化合物の加熱蒸発物に、荷電粒子を接触させることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
【請求項6】
前記電子注入層を作成する工程において、前記電子注入層に電位を印加することを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−282652(P2008−282652A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125304(P2007−125304)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】