有機EL装置
【課題】有機EL素子自体、とくにその一部を構成する電子注入層が劣化しにくく、また、高いガスバリア性を備え、フィルムを屈曲させたときにもガスバリア性が低下しにくく、簡易な工程で短時間で形成することが可能なフィルムを備える有機EL装置を提供する。
【解決手段】有機EL素子と、第1のフィルムとを有する有機EL装置であって、前記電子注入層はイオン性ポリマーを含み、前記第1のフィルムは、珪素、酸素及び炭素を含有するガスバリア層を有しており、前記ガスバリア層は、珪素原子の量の比率(珪素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)と、膜厚方向における前記ガスバリア層の一方の表面からの距離との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線が条件(i)〜(iii)を満たす、有機EL装置に関する。
【解決手段】有機EL素子と、第1のフィルムとを有する有機EL装置であって、前記電子注入層はイオン性ポリマーを含み、前記第1のフィルムは、珪素、酸素及び炭素を含有するガスバリア層を有しており、前記ガスバリア層は、珪素原子の量の比率(珪素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)と、膜厚方向における前記ガスバリア層の一方の表面からの距離との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線が条件(i)〜(iii)を満たす、有機EL装置に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極、前記電極間に設けられる発光層、および前記電極間に設けられる電子注入層を有する有機EL素子と、第1のフィルムとを有する有機EL装置であって、
前記電子注入層はイオン性ポリマーを含み、
前記第1のフィルムは、珪素、酸素及び炭素を含有するガスバリア層を有しており、
前記ガスバリア層は、珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する珪素原子の量の比率(珪素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)と、膜厚方向における前記ガスバリア層の一方の表面からの距離との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線が下記条件(i)〜(iii)を満たす、有機EL装置。
(i)ガスバリア層の膜厚方向の90%以上の領域において、珪素、酸素および炭素の原子比のうちで、珪素の原子比が2番目の値であること
(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有すること
(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であること
【請求項2】
前記有機EL素子を介在させて前記第1のフィルムと貼合され、前記第1のフィルムともに前記有機EL素子を封止する第2のフィルムをさらに有する、請求項1記載の有機EL装置。
【請求項3】
一対の電極と、前記電極間に設けられる発光層と、前記電極間に設けられる電子注入層とを有する有機EL素子を形成する工程と、
珪素、酸素及び炭素を含有するガスバリア層を有する第1のフィルムを形成する工程と、
前記有機EL素子を介在させて、前記第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程とを有し、
前記有機EL素子を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む電子注入層を形成し、
前記第1のフィルムを形成する工程では、珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する珪素原子の量の比率(珪素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)と、前記膜厚方向における前記保護膜の一方の表面からの距離との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線が下記条件(i)〜(iii)を満たすガスバリア層を形成する、有機EL装置の製造方法。
(i)保護膜の膜厚方向の90%以上の領域において、珪素、酸素および炭素の原子比のうちで、珪素の原子比が2番目の値であること
(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有すること
(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であること
【請求項4】
前記貼合する工程では、前記有機EL素子を介して前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを重ねた状態で、これを二つのロール間を通過させることにより前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを貼合する、請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項5】
前記貼合する工程を大気中にて行う、請求項3または4記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項6】
前記有機EL素子を形成する工程では、第1のフィルムおよび第2のフィルムのいずれか一方のフィルム上に有機EL素子を形成し、有機EL素子が形成されたフィルムをロール状に巻き取り、保管する、請求項3〜5のいずれか1つに記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを貼合した後、貼合したフィルムをロール状に巻き取り、保管する、請求項3〜6のいずれか1つに記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項8】
前記保管を大気中で行う請求項6または7記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項1】
一対の電極、前記電極間に設けられる発光層、および前記電極間に設けられる電子注入層を有する有機EL素子と、第1のフィルムとを有する有機EL装置であって、
前記電子注入層はイオン性ポリマーを含み、
前記第1のフィルムは、珪素、酸素及び炭素を含有するガスバリア層を有しており、
前記ガスバリア層は、珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する珪素原子の量の比率(珪素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)と、膜厚方向における前記ガスバリア層の一方の表面からの距離との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線が下記条件(i)〜(iii)を満たす、有機EL装置。
(i)ガスバリア層の膜厚方向の90%以上の領域において、珪素、酸素および炭素の原子比のうちで、珪素の原子比が2番目の値であること
(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有すること
(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であること
【請求項2】
前記有機EL素子を介在させて前記第1のフィルムと貼合され、前記第1のフィルムともに前記有機EL素子を封止する第2のフィルムをさらに有する、請求項1記載の有機EL装置。
【請求項3】
一対の電極と、前記電極間に設けられる発光層と、前記電極間に設けられる電子注入層とを有する有機EL素子を形成する工程と、
珪素、酸素及び炭素を含有するガスバリア層を有する第1のフィルムを形成する工程と、
前記有機EL素子を介在させて、前記第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程とを有し、
前記有機EL素子を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む電子注入層を形成し、
前記第1のフィルムを形成する工程では、珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する珪素原子の量の比率(珪素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)と、前記膜厚方向における前記保護膜の一方の表面からの距離との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線が下記条件(i)〜(iii)を満たすガスバリア層を形成する、有機EL装置の製造方法。
(i)保護膜の膜厚方向の90%以上の領域において、珪素、酸素および炭素の原子比のうちで、珪素の原子比が2番目の値であること
(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有すること
(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であること
【請求項4】
前記貼合する工程では、前記有機EL素子を介して前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを重ねた状態で、これを二つのロール間を通過させることにより前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを貼合する、請求項3に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項5】
前記貼合する工程を大気中にて行う、請求項3または4記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項6】
前記有機EL素子を形成する工程では、第1のフィルムおよび第2のフィルムのいずれか一方のフィルム上に有機EL素子を形成し、有機EL素子が形成されたフィルムをロール状に巻き取り、保管する、請求項3〜5のいずれか1つに記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとを貼合した後、貼合したフィルムをロール状に巻き取り、保管する、請求項3〜6のいずれか1つに記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項8】
前記保管を大気中で行う請求項6または7記載の有機EL装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−84306(P2012−84306A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228321(P2010−228321)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
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