説明

有段上昇装置及び有段リフタ装置

【課題】有段で昇降体を昇降(特に上昇)させることができる、構造が簡易で操作性に優れた安価なリフタ装置(有段上昇装置)を得る。
【解決手段】基部への枢着部と昇降体への枢着部を有する昇降リンク10;上記基部と昇降体のいずれか一方に枢着されていて、該枢着軸を中心とする円弧上に位置するリンクラチェットとリンクピニオン15を有し、上記昇降リンク10と連動して揺動する有歯リンク;上記昇降体と基部のうち、上記有歯リンクの枢着軸を有する側の部材に、中立位置と上昇位置との間で揺動操作可能に支持された、上記リンクピニオン15と噛み合う入力ピニオン22を有する入力部材;及び上記入力部材の中立位置では上記リンクラチェットと噛み合って上記有歯リンクの上昇揺動を阻止し、該入力部材が上昇方向に揺動操作されるときに上記有歯リンクの上昇揺動を許容する上昇防止ラッチ機構;を有する有段上昇装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力部材の往復揺動運動で昇降体(例えばシート座面)を有段で上昇させることができる有段上昇装置に関し、さらに同昇降体を下降方向にも有段で下降させることができる有段リフタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両のシート座面を昇降させる装置は、同座面を無段階で昇降させる無段階リフタ装置と、有段で昇降させる有段リフタ装置に大別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-195969号公報
【特許文献2】特開2000-190762号公報
【特許文献3】米国特許第5466047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このうち、無段階リフタ装置は、体重の影響を受けず操作性に優れるという利点があるが、機構が複雑でコストが高い。一方、有段リフタ装置は、構成が比較的単純であるが、操作性(使用感)に問題があり、殆ど実用化されていないのが実情である。
【0005】
本発明は、特に有段で昇降体を昇降(特に上昇)させることができる、構造が簡易で操作性に優れた安価なリフタ装置(有段上昇装置)を得ることを目的とする。すなわち、無段階リフタ装置のような複雑な構造を持たず、金属板材の組み合わせによって構成されるためコストが安く、確実に動作するリフタ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、有段上昇装置の態様では、基部への枢着部と昇降体への枢着部を有する昇降リンク;上記基部と昇降体のいずれか一方に枢着されていて、該枢着軸を中心とする円弧上に位置するリンクラチェットとリンクピニオンを有し、上記昇降リンクと連動して揺動する有歯リンク;上記昇降体と基部のうち、上記有歯リンクの枢着軸を有する側の部材に、中立位置と上昇位置との間で揺動操作可能に支持された、上記リンクピニオンと噛み合う入力ピニオンを有する入力部材;及び上記入力部材の中立位置では上記リンクラチェットと噛み合って上記有歯リンクの上昇揺動を阻止し、該入力部材が上昇方向に揺動操作されるときに上記有歯リンクの上昇揺動を許容する上昇防止ラッチ機構;を有することを特徴としている。
【0007】
昇降リンクと有歯リンクは、別部材とすることも同一部材とすることもできる。
【0008】
上昇防止ラッチ機構は、具体的には、上記リンクラチェットと噛み合う噛合爪部を有し、上記有歯リンクを枢着した側の部材に枢着された上昇防止ラッチと、この上昇防止ラッチを上記入力部材の揺動操作に連動させてリンクラチェットとの噛合位置と非噛合位置に移動させる上昇連動部とを有することが好ましい。
【0009】
本発明の有段上昇装置において、さらに、上記入力部材の揺動軸と同軸に該入力部材との相対回動を可能に支持した上昇方向運動伝達ラチェットと;この上昇方向運動伝達ラチェットに噛み合い、上記入力部材が中立位置から上昇揺動操作されたとき、該上昇方向運動伝達ラチェットを一緒に回動させる、上記入力部材に支持した運動伝達ラッチと;上記上昇方向運動伝達ラチェットと連動して回動する、上記有歯リンクのリンクピニオンと噛み合う入力ピニオンと;を有する上昇方向有段回動伝達機構を備えることが好ましい。
【0010】
本発明の有段上昇装置は、その一態様では、入力部材が中立位置から上昇方向に揺動操作され、上記上昇方向有段回動伝達機構の運動伝達ラッチが上昇方向運動伝達ラチェットの隣り合う歯の間の空走区間を移動している間に、上昇防止ラッチ機構の上昇防止ラッチの噛合爪部をリンクラチェットとの非噛合位置に位置させる。
【0011】
本発明は、有段リフタ装置の態様では、入力部材は、さらに中立位置から下降方向への揺動操作が可能である。そして、入力部材の中立位置では上記リンクラチェットと噛み合って上記有歯リンクの下降揺動を阻止し、該入力部材が下降方向に揺動操作されるときに上記有歯リンクの下降揺動を許容する第1下降防止ラッチ機構;及び第1下降防止ラッチ機構により下降揺動を許容された昇降リンクの下降揺動を、上記リンクラチェット一歯分許すとともに、それ以上の昇降リンクの下降揺動を防止するために同リンクラチェットと噛み合う第2下降防止ラッチ機構;を有する。
【0012】
第2下降防止ラッチ機構は、具体的には、入力部材に回動可能に支持された第2下降防止ラッチと;この第2下降防止ラッチをリンクラチェットとの噛合方向に回動付勢する付勢ばねと;この付勢ばねによる第2下降防止ラッチの入力部材に対する単独の回動を規制する入力部材と第2下降防止ラッチとの間に設けた下降連動部と;から構成することができる。
【0013】
本発明の有段リフタ装置は、入力部材が中立位置から上昇方向へ揺動操作されるとき、第1下降防止ラッチ機構は有歯リンクの回動を許し、同入力部材が中立位置から下降方向へ揺動操作されるとき、上昇防止ラッチ機構は有歯リンクの回動を許す。
【0014】
第1下降防止ラッチ機構と噛み合うリンクラチェットと、上昇防止ラッチ機構と噛み合うリンクラチェットの一方と他方は、小型化を図るため、有歯リンクに形成した段差に同一歯形で形成された凸リンクラチェットと凹リンクラチェットとするが好ましい。
【0015】
同様に、有歯リンクのリンクピニオンとリンクラチェットの中心軸からの径は異ならせるのがよい。
【0016】
本発明の有段リフタ装置は、入力部材が中立位置から上昇位置へ揺動操作された後、中立位置に戻るときは、第1下降防止ラッチ機構が上記有歯リンクの下降揺動を阻止した上で、上記上昇防止ラッチ機構がリンクラチェットに噛み合う。
【0017】
本発明の有段リフタ装置は、入力部材に対する操作力を開放したとき該入力部材を中立位置に復帰させる中立位置復帰手段を備えることが好ましい。
【0018】
昇降リンクと有歯リンクは同一部材とすることで、部品点数の削減ができる。
【0019】
一方、昇降リンクと有歯リンクを別部材とし、連結リンクを介して連動させることで配置の自由度を高めることができる。
【0020】
さらに別の態様では、昇降リンクと有歯リンクを別部材とした上で、該昇降リンクの上記基部側の軸または昇降体側の軸に軸方向に位置を異ならせて一体に結合する態様も可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、入力部材の中立位置と上昇位置との間の往復揺動により、昇降体を有段で上昇させることができる有段上昇装置を簡易な構造で安価に得ることができる。入力部材を中立位置から下降位置へ往復揺動可能とすれば、有段の下降装置(有段リフタ装置)も同時に得ることができる。本発明によれば、無段階リフタ装置のような複雑な構造を持たず、金属板材の組み合わせによって構成される安価で確実に動作する装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による有段上昇装置を有する有段リフタ装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同有段リフタ装置の組立状態における、図4のII-II線に沿う断面図である。
【図3】同組立状態における図4のIII-III線に沿う断面図である。
【図4】同有段リフタ装置の特定高さ位置のロック状態を示す側面図である。
【図5】同有段リフタ装置の上昇操作の第1段階を示す側面図である。
【図6】同上昇操作の第2段階を示す側面図である。
【図7】同上昇操作の第3段階(終了段階)を示す側面図である。
【図8】同有段リフタ装置の図4の状態からの下降操作の第1段階を示す側面図である。
【図9】同下降操作の第2段階を示す側面図である。
【図10】同下降操作の第3段階(終了段階)を示す側面図である。
【図11】本発明による有段リフタ装置の他の実施形態を示す側面図である。
【図12】本発明による有段リフタ装置の可動部分の詳細を示す、全要素を実線で描いた詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図示実施形態は、本発明を車両のシート高さ調整装置に適用した実施形態を示している。図1の分解斜視図は本シート高さ調整装置の全構成要素を示しているが、部材の前後(表裏)関係は正確ではない。図2、図3は、異なる断面位置での組立状態における断面図であり、部材の上下(表裏)関係は正確に描かれている。最初に主に図1ないし図3について、全体の構成を説明する。
【0024】
昇降リンク10は、上下に枢着孔11と12を有し、上方の枢着孔11が軸11Sによりシート(座面)が支持されるシートブラケット(昇降体)13に枢着され、下方の枢着孔12が軸12Sにより床面と一体の床面ブラケット(基部)14に枢着されている。従って枢着孔11あるいは枢着孔12を中心に昇降リンク10が正逆に揺動すると、シートブラケット13が昇降する。昇降リンク10には、この実施形態では、シートブラケット13側の枢着孔11を中心とする円弧上に位置するリンクピニオン15と、このリンクピニオン15より小径のリンクラチェット16(凸リンクラチェット16Xと凹リンクラチェット16Y)が一体に形成されている。この実施形態では、昇降リンク10は同時にリンクピニオン15とリンクラチェット16を有する有歯リンクである。
【0025】
シートブラケット13(リンクピニオン15とリンクラチェット16の円弧中心となる軸11Sを有する部材)上には、該シートブラケット13の表裏に固定される第一、第二の補助ブラケット17と18を介して、軸21が回動可能に支持されており、この軸21にスリーブ21Sを介してコントロールレバー(入力部材)20が相対回動自在に支持されている。軸21には、その両端部にセレーション部21a、21bが形成されており、このセレーション部21a、21bに、昇降リンク10のリンクピニオン15に噛み合う入力ピニオン22と、コントロールレバー20上に軸27aで枢着された運動伝達ラッチ27と係合する上昇方向運動伝達ラチェット23が同軸一体に結合されている。つまり、入力ピニオン22及び上昇方向運動伝達ラチェット23を一体に結合した軸21と、コントロールレバー20は相対回動可能である。このコントロールレバー20は、その中立突起20dに、軸21回りに設けた中立位置復帰ばね20aの一対の脚部20a1が係止されていて、該レバー20が常時は中立位置に保持されている。すなわち、コントロールレバー20は、操作力を加えない状態では中立位置に保持されていて、上下に揺動操作可能であり、操作力を開放すると、中立位置復帰ばね20aの力により中立位置に復帰する。
【0026】
昇降リンク10には、枢着孔11を中心とする円弧ガイド10Pが穿設されており、この円弧ガイド10Pには、シートブラケット13と第一補助ブラケット17とに両端を固定したガイドピン10Qが相対移動自在に嵌まっている。
【0027】
シートブラケット13と第一補助ブラケット17の間には、凸リンクラチェット16Xと係合する第1下降防止ラッチ24と、凸リンクラチェット16Xに対応する凹形状の凹リンクラチェット16Yに係合する上昇防止ラッチ26が同一の軸46で枢着されている。すなわち、昇降リンク10の凸リンクラチェット16Xは、図2、図3に示すように、リンクピニオン15に対して軸方向に段差を持って形成されており、リンクピニオン15の径方向の内方には、凸リンクラチェット16Xと同一歯形(同一のピッチ円、ピッチ、モジュール)の凹リンクラチェット16Yが形成されていて、凸リンクラチェット16Xに第1下降防止ラッチ24の噛合爪部(先端爪部、係合爪部)24cが係合し、凹リンクラチェット16Yに上昇防止ラッチ26の噛合爪部(先端爪部、係合爪部)26aが係合する。図1では、凸リンクラチェット16Xのみが表れており、図4ないし図10では、図示の便宜上、凸リンクラチェット16Xと凹リンクラチェット16Yを1本の線で示している。
【0028】
第1下降防止ラッチ24と上昇防止ラッチ26は、両者の間に張設したラッチ付勢ばね(トーションばね)46aによって、第1下降防止ラッチ24の噛合爪部24cが凸リンクラチェット16Xの歯と係合し、上昇防止ラッチ26の噛合爪部26aが凹リンクラチェット16Yの歯と係合する方向に付勢されている。すなわち、自由状態では、第1下降防止ラッチ24と上昇防止ラッチ26はともにリンクラチェット16に噛み合う。
【0029】
第1下降防止ラッチ24と凸リンクラチェット16Xは、昇降リンク10が枢着孔11を中心に上昇方向(図1の時計方向、図4ないし図10の反時計方向)に揺動するときには、ラッチ付勢ばね46aの力に抗して噛合爪部24cが凸リンクラチェット16X(リンクラチェット16)の歯を乗り越えてその揺動を許し、逆に下降方向(同時計方向)に揺動するときには、噛合爪部24cが凸リンクラチェット16X(リンクラチェット16)の歯に係合してその揺動を阻止する一方向回動許容有段ストッパ機構を構成する。
【0030】
上昇防止ラッチ26と凹リンクラチェット16Y(リンクラチェット16)は、逆に、昇降リンク10が枢着孔11を中心に下降方向(図1の反時計方向、図4ないし図10の時計方向)に揺動するときには、ラッチ付勢ばね46aの力に抗して噛合爪部26aが凹リンクラチェット16Y(リンクラチェット16)の歯を乗り越えてその揺動を許し、逆に上昇方向に揺動するときには、噛合爪部26aが凹リンクラチェット16Y(リンクラチェット16)の歯に係合してその揺動を阻止する一方向回動許容有段ストッパ機構を構成する。別言すると、凸リンクラチェット16X(と第1下降防止ラッチ24の噛合爪部24c)、及び凹リンクラチェット16Y(と上昇防止ラッチ26の噛合爪部26a)は、以上の一方向回動許容有段ストッパ機構を構成できるような歯形状で、等ピッチで形成されている。
【0031】
第1下降防止ラッチ24には、その側面に、強制解除ピン24dが植設されている。コントロールレバー20には、該レバー20を中立位置から下方に揺動操作したとき、この第1下降防止ラッチ24の強制解除ピン24dと係合して、第1下降防止ラッチ24とリンクラチェット16との係合を外す強制解除突起20bが形成されている。リンクラチェット16、第1下降防止ラッチ24、強制解除ピン24d及びコントロールレバー20の強制解除突起20bは、コントロールレバー20の中立位置では昇降リンク10の下降揺動を阻止し、該レバー20が下降方向に揺動操作されるときには昇降リンク10の下降揺動を許容する第1下降防止ラッチ機構を構成する。
【0032】
シートブラケット13(補助ブラケット17、18)上の軸21には、第2下降防止ラッチ25と連動レバー29が相互の相対回動及びコントロールレバー20との相対回動を自在にして枢着されている。この第2下降防止ラッチ25と連動レバー29は、両者の間に張設したラッチ付勢ばね(トーションばね)59により、第2下降防止ラッチ25の噛合爪部(先端爪部、係合爪部)25bが凸リンクラチェット16X(リンクラチェット16)と噛み合い、連動レバー29の係合突起29aが上昇防止ラッチ26の被押圧面26bに当接する方向に回動付勢されている。連動レバー29の係合突起29aと、上昇防止ラッチ26の被押圧面26bと規制ピン20cは、コントロールレバー20と上昇防止ラッチ26の上昇連動部を構成している。
【0033】
コントロールレバー20上に植設された規制ピン20cは、ラッチ付勢ばね59によって回動付勢された第2下降防止ラッチ25の位置規制面25cに当接し、さらに、連動レバー29の二股連動部29b内に挿入されていて、コントロールレバー20の動きに第2下降防止ラッチ25と連動レバー29が追従(連動)するように構成されている。そして、コントロールレバー20が中立位置にあるときには、第2下降防止ラッチ25は、その噛合爪部25bが凸リンクラチェット16Xとの噛合を解く非噛合位置に保持され(図4)、コントロールレバー20を中立位置から下降方向に回動させたときには、ラッチ付勢ばね59の力による第2下降防止ラッチ25の回動を許し、噛合爪部25bと凸リンクラチェット16Xとを当接させあるいは噛み合わせる。第2下降防止ラッチ25がリンクラチェット16に当接してその回動が阻止された状態で、さらにコントロールレバー20が下降方向に揺動操作されると、コントロールレバー20は第2下降防止ラッチ25に対して相対回動し、この相対回動の間に、ラッチ付勢ばね59が蓄力される。
【0034】
一方、連動レバー29の二股連動部29bは、コントロールレバー20の規制ピン20cと常時係合(連動)しており、コントロールレバー20の中立位置では、連動レバー29の係合突起29aは、上昇防止ラッチ26の被押圧面26bに実質的に力を及ぼすことはない。このため、上昇防止ラッチ26の噛合爪部26aは、ラッチ付勢ばね46aの力により凹リンクラチェット16Yとの噛合が維持されている(図4)。これに対し、コントロールレバー20を上昇方向に揺動させると、コントロールレバー20と連動して回転する連動レバー29の係合突起29aが上昇防止ラッチ26の被押圧面26bを押し、噛合爪部26aと凹リンクラチェット16Yとの噛合を解く(図5、図6)。コントロールレバー20を下降方向に揺動させたときには、連動レバー29の係合突起29aと上昇防止ラッチ26の被押圧面26bとが離間する(図8、図9)。
【0035】
以上のコントロールレバー20、連動レバー29、上昇防止ラッチ26及び凹リンクラチェット16Yは、コントロールレバー20が中立位置にあるときには、上昇防止ラッチ26の噛合爪部26aと凹リンクラチェット16Yとが噛合を保持して昇降リンク10の上昇揺動(シートブラケット13の上昇運動)を妨げ、コントロールレバー20を中立位置から上昇方向に揺動させたときには、上昇防止ラッチ26の噛合爪部26aと凹リンクラチェット16Yとの噛合を解き、昇降リンク10の上昇揺動(シートブラケット13の上昇運動)を許す上昇防止ラッチ機構を構成する。
【0036】
また、コントロールレバー20、第2下降防止ラッチ25及びリンクラチェット16は、第1下降防止ラッチ機構が昇降リンク10の下降揺動を許容した後、コントロールレバー20が下降端に揺動される迄に、該リンクラチェット16の一歯分の昇降リンク10の下降揺動を許し、その後、リンクラチェット16と噛み合って該昇降リンク10の下降揺動を防止する第2下降防止ラッチ機構を構成する。また、コントロールレバー20上の規制ピン20cと、第2下降防止ラッチ25の位置規制面25cは、コントロールレバー20を中立位置から下降方向に揺動させるときには第2下降防止ラッチ25を該レバー20と一緒に揺動させ、第2下降防止ラッチ25がリンクラチェット16と係合(当接)した後さらにコントロールレバー20が下降方向に揺動したときには、ラッチ付勢ばね59を蓄力しながらコントロールレバー20だけを下降方向に揺動させる下降連動部を構成する。
【0037】
コントロールレバー20上に軸27aで枢着された運動伝達ラッチ27は、その自由端部に上昇方向運動伝達ラチェット23に噛み合う噛合爪部27cを備えている。この運動伝達ラッチ27は、ラッチ付勢ばね27bで、その噛合爪部27cが上昇方向運動伝達ラチェット23の歯と噛み合う方向に回動付勢されている。この運動伝達ラッチ27と上昇方向運動伝達ラチェット23は、コントロールレバー20が軸21を中心に上昇方向(図4以下の時計方向)に揺動するときには、噛合爪部27cがストッパ面23bを介して上昇方向運動伝達ラチェット23(及び入力ピニオン22)を一緒に回動させ、逆に下降方向(図4以下の反時計方向)に揺動するときには、噛合爪部27cが上昇方向運動伝達ラチェット23の円弧面23aを乗り越えてその回動を許す上昇方向有段回動伝達機構を構成する。上昇方向運動伝達ラチェット23の円弧面23aとストッパ面23bを有する歯のピッチは、リンクラチェット16の歯のピッチに対応している。また、隣り合う歯(円弧面23aとストッパ面23b)の間には、空走円弧面(空走区間)23c(図12等)が形成されている。
【0038】
運動伝達ラッチ27上には、強制解除ピン27dが植設されており、この強制解除ピン27dは、シートブラケット13上に固定されている第二補助ブラケット18に形成した位置規制カム孔28内に嵌まっている。位置規制カム孔28は、強制解除ピン27dと接触せず、運動伝達ラッチ27のラッチ付勢ばね27bによる回動端を規制しない開放部28aと、強制解除ピン27dと干渉して、ラッチ付勢ばね27bの力に抗して運動伝達ラッチ27をロック解除位置に移動させるロック解除面28bとを有する。以上の運動伝達ラッチ27上の強制解除ピン27dと、第二補助ブラケット18の位置規制カム孔28は、コントロールレバー20の中立位置では運動伝達ラッチ27を上昇方向運動伝達ラチェット23との噛合位置に保持し、コントロールレバー20が中立位置から下降方向に揺動操作されるとき、該運動伝達ラッチ27と上昇方向運動伝達ラチェット23との噛合を外す下降許容機構を構成する。
【0039】
図4ないし図10は、上記構成の本有段リフタ機構の動作を説明するための図である。図4ないし図10では、部材の上下関係を無視して全要素を実線で描いている。可動のレバー部材であるコントロールレバー20、第1下降防止ラッチ24、第2下降防止ラッチ25、上昇防止ラッチ26、運動伝達ラッチ27及び連動レバー29のうち、上昇防止ラッチ26と連動レバー29については薄墨を付し、第1下降防止ラッチ24は破線で描き、第2下降防止ラッチ25は一点鎖線で描き、コントロールレバー20と運動伝達ラッチ27は互いに方向の異なるハッチングを付して描いた。規制ピン20cは、コントロールレバー20上の部材であり、運動伝達ラッチ27は、コントロールレバー20上に軸27aで枢着された部材である。図12には、軸21、軸46、及び軸27a回りの部材を、薄墨やハッチングを付すことなく、全て実線で描いた詳細を示した。
【0040】
最初に図4から図6について、上昇動作を説明する。図4は、コントロールレバー20が中立位置にあるときを示している。このとき、上昇防止ラッチ26の噛合爪部26aは凹リンクラチェット16Yと噛み合い、第1下降防止ラッチ24の噛合爪部24cは凸リンクラチェット16Xと噛み合って昇降リンク10の上昇揺動及び下降揺動を阻止している。一方、第2下降防止ラッチ25の噛合爪部25bは、凸リンクラチェット16Xとの非係合位置にある。また、運動伝達ラッチ27は上昇方向運動伝達ラチェット23の円弧面23aに沿っている。
【0041】
この状態において、軸21を中心にコントロールレバー20を上昇方向に揺動させると、規制ピン20cと二股連動部29bの係合関係により、連動レバー29が同方向に揺動し、該連動レバー29の係合突起29aが上昇防止ラッチ26の被押圧面26bを押し、噛合爪部26aと凹リンクラチェット16Yとの噛合を解く。この間に、運動伝達ラッチ27の噛合爪部27cは、上昇方向運動伝達ラチェット23の空走円弧面23cを空送して、次のストッパ面23bに当接する(図5)。運動伝達ラッチ27の強制解除ピン27dは、位置規制カム孔28の開放部28a内に位置しているので、運動伝達ラッチ27の以上の動きを妨げることがない。
【0042】
図5の状態からさらに、コントロールレバー20を上昇方向に揺動させると、運動伝達ラッチ27の噛合爪部27cがストッパ面23bを押す結果、軸21を介して入力ピニオン22が一体に回動し、該入力ピニオン22と噛み合うリンクピニオン15を有する昇降リンク10が一歯分上昇方向に揺動する(図6)。このとき、コントロールレバー20は、第2下降防止ラッチ25を共に揺動させるが、噛合爪部25bと凸リンクラチェット16Xの噛合は、最初から外れており、以上の上昇動作に影響を与えない。つまり、第2下降防止ラッチ25は、コントロールレバー20の上昇動作に際しては、何らの働きをしない。また、第1下降防止ラッチ24の噛合爪部24cは、凸リンクラチェット16Xとの噛合を維持しているが、凸リンクラチェット16Xの上昇方向の相対揺動は許す。また、コントロールレバー20の強制解除突起20bは、第1下降防止ラッチ24の強制解除ピン24dから離れる方向に移動するから、第1下降防止ラッチ24にも何ら力が作用しない。
【0043】
図6の状態において、コントロールレバー20を開放すると、該コントロールレバー20は中立位置復帰ばね20aの力により中立位置に復帰する。すると、上昇防止ラッチ26の噛合爪部26aは、一歯分ずれた位置において凹リンクラチェット16Yと再び噛み合い、昇降リンク10の上昇揺動が阻止される。また、下降揺動は、第1下降防止ラッチ24の噛合爪部24cと凸リンクラチェット16Xとの噛合によって阻止される(図7)。
【0044】
従って、コントロールレバー20を中立位置から上昇方向に1回揺動させる度に、昇降リンク10は上昇方向運動伝達ラチェット23及びリンクラチェット16(凸リンクラチェット16X)の一歯分ずつ上昇する上昇方向有段回動伝達動作が行われる。
【0045】
次に下降動作を説明する。図4の状態において、軸21を中心にコントロールレバー20を下降方向に揺動させると、コントロールレバー20上の運動伝達ラッチ27の強制解除ピン27dの位置規制カム孔28内での位置が変化し始める(図8)。強制解除ピン27dが開放部28aからロック解除面28bに係合位置を変化させると、運動伝達ラッチ27はラッチ付勢ばね27bの力に抗して上昇方向運動伝達ラチェット23との非係合位置に揺動する(図8、図9)。また、コントロールレバー20の強制解除突起20bは、強制解除ピン24dを押して、軸46を中心に第1下降防止ラッチ24を揺動させ、噛合爪部24cをリンクラチェット16(凸リンクラチェット16X)との非係合位置に移動させる(図9)。
【0046】
一方、第2下降防止ラッチ25の噛合爪部25bは、コントロールレバー20が下降方向へ揺動すると、やがて、リンクラチェット16(凸リンクラチェット16X)の歯に当接係合して、その揺動が阻止される(図8)。この当接位置は、リンクラチェット16(凸リンクラチェット16X)の円弧面16aの次のストッパ面16b寄りに設定されている。この状態で、コントロールレバー20の下降揺動が継続すると、該コントロールレバー20上の規制ピン20cが第2下降防止ラッチ25の位置規制面25cから離れ、ラッチ付勢ばね59の力に抗して(ラッチ付勢ばね59の付勢力を蓄えながら)、コントロールレバー20が第2下降防止ラッチ25に対して相対回動する(図7、図8)。そして、図9のように、第1下降防止ラッチ24とリンクラチェット16(凸リンクラチェット16X)との噛合が外れて昇降リンク10の回動規制が解かれると、その瞬間に、シートブラケット13が自重(及び着座者の体重)によって下降する。シートブラケット13が下降して昇降リンク10が下降方向揺動すると、ラッチ付勢ばね59による付勢力で円弧面16aに接触している第2下降防止ラッチ25の噛合爪部25bは、そのまま円弧面16aに沿って滑り込み、次のストッパ面16bに係合して昇降リンク10の下降方向揺動を阻止する(図9)。つまり、凸リンクラチェット16Xの一歯分だけ、昇降リンク10が下降方向に揺動することになる。
【0047】
この一歯分の有段下降操作の終了後、コントロールレバー20の操作力を開放すると、中立位置復帰ばね20aの力によりコントロールレバー20は中立位置に復帰する(図10)。コントロールレバー20が中立位置に復帰する過程で、その規制ピン20cが第2下降防止ラッチ25の位置規制面25cを押して、その噛合爪部25bを凸リンクラチェット16Xから離間させるが、このとき迄には、第1下降防止ラッチ24の噛合爪部24cが凸リンクラチェット16Xに噛み合い、シートブラケット13の下降が防止される。
【0048】
従って、コントロールレバー20を中立位置から下降方向に1回揺動させる度に、昇降リンク10は上昇方向運動伝達ラチェット23及び凸リンクラチェット16Xの一歯分ずつ下降する。
【0049】
以上の実施形態では、昇降リンク10を、リンクピニオン15とリンクラチェット16を形成した有歯リンクとしたが、図11に示すように、シートブラケット13と基部14に上下の枢着孔11と12が枢着される昇降リンク10Xと、リンクピニオン15とリンクラチェット16を有し、軸11Xでシートブラケット13上に枢着された有歯リンク10Tとを別に設け、両リンク10Xと20Tを連結リンク10Cで結合して、有歯リンク10Tと昇降リンク10Xが連動して揺動するようにしても、本発明は成立する。あるいは、有歯リンクと昇降リンクを別部材とし、有歯リンクを昇降リンクの枢着軸11Sに軸方向位置をずらせて一体に結合する態様も可能である。
【0050】
また、以上の実施形態では、入力部材として軸を中心に揺動操作可能なコントロールレバー20を用いたが、回動ハンドルも使用可能である。また、以上は上昇下降ともに有段なリフタ装置に本発明を適用したものであるが、下降方向には有段とせず、有段上昇装置のみを用いる態様も可能である。有段上昇装置のみの態様では、第1下降防止ラッチ24及び第2下降防止ラッチ25を省略することができる。
【0051】
また、以上の実施形態では、昇降リンク10に、シートブラケット13側の軸11Sを中心とする円弧上に位置するリンクラチェット16を形成したが、昇降リンク10に、基部14側の軸12Sを中心とする円弧上に位置するリンクラチェットを形成しても本発明は成立する。この態様では、図示実施形態においてシートブラケット13に搭載した、昇降リンク(有歯リンク)10、コントロールレバー20、上昇防止ラッチ26、連動レバー29を含む上昇防止ラッチ機構、第1下降防止ラッチ24とリンクラチェット16を含む第1下降防止ラッチ機構、第2下降防止ラッチ25とリンクラチェット16を含む第2下降防止ラッチ機構、及び上昇方向運動伝達ラチェット23と運動伝達ラッチ27を含む上昇方向回動伝達機構を、基部14側に設置すればよい。
【0052】
以上の実施形態は、本発明を車両用シートの昇降装置に適用したものであるが、通常の椅子や作業台(昇降体)の昇降装置としても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 昇降リンク(有歯リンク)
10X 昇降リンク
10T 有歯リンク
10C 連結リンク
11 12 枢着孔
11S 12S 枢着軸
13 シートブラケット(昇降体)
14 床面ブラケット(基部)
15 リンクピニオン
16 リンクラチェット
16X 凸リンクラチェット
16Y 凹リンクラチェット
17 第一補助ブラケット
18 第二補助ブラケット
20 コントロールレバー(入力部材)
20a 中立位置復帰ばね
20b 強制解除突起
20c 規制ピン(連動部)
21 軸
22 入力ピニオン
23 上昇方向運動伝達ラチェット
23c 空走円弧面(空走区間)
24 第1下降防止ラッチ
24c 噛合爪部
24d 強制解除ピン
25 第2下降防止ラッチ
25b 噛合爪部
25c 位置規制面(連動部)
26 上昇防止ラッチ
26a 噛合爪部
27 運動伝達ラッチ
27a 軸
27b ラッチ付勢ばね
27c 噛合爪部
27d 強制解除ピン
28 位置規制カム孔
28a 開放部
28b ロック解除面
29 連動レバー
29a 係合突起
29b 二股連動部
46 軸
46a ラッチ付勢ばね
59 第2ラッチ付勢ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部への枢着部と昇降体への枢着部を有する昇降リンク;
上記基部と昇降体のいずれか一方に枢着されていて、該枢着軸を中心とする円弧上に位置するリンクラチェットとリンクピニオンを有し、上記昇降リンクと連動して揺動する有歯リンク;
上記昇降体と基部のうち、上記有歯リンクの枢着軸を有する側の部材に、中立位置と上昇位置との間で揺動操作可能に支持された、上記リンクピニオンと噛み合う入力ピニオンを有する入力部材;及び
上記入力部材の中立位置では上記リンクラチェットと噛み合って上記有歯リンクの上昇揺動を阻止し、該入力部材が上昇方向に揺動操作されるときに上記有歯リンクの上昇揺動を許容する上昇防止ラッチ機構;
を有することを特徴とする有段上昇装置。
【請求項2】
請求項1記載の有段上昇装置において、上記上昇防止ラッチ機構は、上記リンクラチェットと噛み合う噛合爪部を有し、上記有歯リンクを枢着した側の部材に枢着された上昇防止ラッチと、この上昇防止ラッチを上記入力部材の揺動操作に連動させてリンクラチェットとの噛合位置と非噛合位置に移動させる上昇連動部とを有する有段上昇装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の有段上昇装置において、さらに、上記入力部材の揺動軸と同軸に該入力部材との相対回動を可能に支持した上昇方向運動伝達ラチェットと;この上昇方向運動伝達ラチェットに噛み合い、上記入力部材が中立位置から上昇揺動操作されたとき、該上昇方向運動伝達ラチェットを一緒に回動させる、上記入力部材に支持した運動伝達ラッチと;上記上昇方向運動伝達ラチェットと連動して回動する、上記有歯リンクのリンクピニオンと噛み合う入力ピニオンと;を有する上昇方向有段回動伝達機構が備えられている有段上昇装置。
【請求項4】
請求項3記載の有段上昇装置において、上記入力部材が中立位置から上昇方向に揺動操作され、上記上昇方向有段回動伝達機構の運動伝達ラッチが上昇方向運動伝達ラチェットの隣り合う歯の間の空走区間を移動している間に、上記上昇防止ラッチ機構の上昇防止ラッチの噛合爪部をリンクラチェットとの非噛合位置に位置させる有段上昇装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の有段上昇装置において、上記入力部材は、さらに中立位置から下降方向への揺動操作が可能であり、
上記入力部材の中立位置では上記リンクラチェットと噛み合って上記有歯リンクの下降揺動を阻止し、該入力部材が下降方向に揺動操作されるときに上記有歯リンクの下降揺動を許容する第1下降防止ラッチ機構;及び
上記第1下降防止ラッチ機構により下降揺動を許容された昇降リンクの下降揺動を、上記リンクラチェット一歯分許すとともに、それ以上の昇降リンクの下降揺動を防止するために同リンクラチェットと噛み合う第2下降防止ラッチ機構;
を有する有段リフタ装置。
【請求項6】
請求項5記載の有段リフタ装置において、上記第2下降防止ラッチ機構は、上記入力部材に回動可能に支持された第2下降防止ラッチと;この第2下降防止ラッチをリンクラチェットとの噛合方向に回動付勢する付勢ばねと;この付勢ばねによる第2下降防止ラッチの入力部材に対する単独の回動を規制する、上記入力部材と第2下降防止ラッチとの間に設けた下降連動部と;を備えている有段リフタ装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の有段リフタ装置において、上記入力部材が中立位置から上昇方向へ揺動操作されるとき、第1下降防止ラッチ機構は有歯リンクの回動を許し、同入力部材が中立位置から下降方向へ揺動操作されるとき、上記上昇防止ラッチ機構は有歯リンクの回動を許す有段リフタ装置。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、第1下降防止ラッチ機構と噛み合うリンクラチェットと、上記上昇防止ラッチ機構と噛み合うリンクラチェットは、有歯リンクに形成した段差に同一歯形で形成された凸リンクラチェットと凹リンクラチェットである有段リフタ装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、上記有歯リンクのリンクピニオンとリンクラチェットの中心軸からの径は異なっている有段リフタ装置。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、上記入力部材が中立位置から上昇位置へ揺動操作された後、中立位置に戻るときは、第1下降防止ラッチ機構が上記有歯リンクの下降揺動を阻止した上で、上記上昇防止ラッチ機構がリンクラチェットに噛み合う有段リフタ装置。
【請求項11】
請求項5ないし10のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、上記入力部材に対する操作力を開放したとき該入力部材を中立位置に復帰させる中立位置復帰手段を備えている有段リフタ装置。
【請求項12】
請求項5ないし11のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、上記昇降リンクと有歯リンクは同一部材である有段リフタ装置。
【請求項13】
請求項5ないし11のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、上記昇降リンクと有歯リンクは別部材であり、連結リンクを介して連動している有段リフタ装置。
【請求項14】
請求項5ないし11のいずれか1項記載の有段リフタ装置において、上記昇降リンクと有歯リンクは別部材であり、該昇降リンクの上記基部側の軸または昇降体側の軸に軸方向に位置を異ならせて一体に結合されている有段リフタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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