説明

木製成形体およびその製造方法

【課題】曲率の大きな形状や複雑な形状を容易に加工でき、強度が高く、表面に木目が現れ、木目の風合いがある木製成形体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】木製成形体1aは、木材チップ31からなる基材層3と、基材層3の表面上に積層され、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層2と、基材層3と表面層2とに設けられ、基材層3の木材チップ31同士を接着するとともに、基材層3と表面層2とを接着する樹脂部5と、基材層3の裏面上に積層された裏面層4とを備え、表面層2の表面側の樹脂充填量が、基材層3と接する表面層2の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、表面層2に樹脂部5が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として木材で形成された木製成形体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自然の木材を用いた製品は、家具、室内照明などの様々な用途に用いられている。また、最近では、家電製品の筐体やスピーカの素材に木を用いる場合もある。室内環境をより自然に近くすることで、おちつき、ゆとりを得る空間となることから、木材製品の重要性がますます増加してきている。
【0003】
一般に、立体形状の木材加工品は、無垢の木材を削り出して加工することで作製される。しかしながら、この削り出し加工する方法では、多くの木材を使用することになり、森林資源の維持の観点から好ましくない。
【0004】
また、削り出し加工では、1個ずつ加工するので、加工コストを低減することは難しく、特にその形状が複雑であれば、ろくろ、旋盤などではなく、NC加工機などを用いる必要があるため、さらにコストが増大する。そのため、薄くスライスした木材を丸めたり、立体形状にプレス加工する方法などが提案されている。
【0005】
薄い木材を立体的にプレス加工する技術の1つとして、木材を用いたスピーカの振動板を、薄い突き板で加工する技術が開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。特許文献1および2では、突き板の曲面成形における割れを防止するために、木と紙とを張り合わせたシートに潤滑材を含浸させて木を柔らかくし、プレス成形時の割れを防止している。
【0006】
具体的には、柔軟材(日本酒など)で軟化させた木をプレスで成形し、水分を蒸発させるとともに仮成形する。その後、木の形状をより安定化させるために、木に熱硬化性樹脂を含浸させ、複数回に分けて高温プレス成形を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−158798号公報
【特許文献2】特開2004−254013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、複数回に分けて含浸や高温プレス成形を行う技術では、製造に時間やコストを要するため、生産性の向上が困難な場合がある。また、柔軟材による軟化にも限度がある場合があり、曲率の大きな形状を加工する際には、木の割れを生じさせる可能性もある。作製する製品の意匠によっては、木材の厚みを薄くし、曲率の大きな形状、複雑な形状を加工する必要があることから、加工技術のさらなる検討が望まれてきていた。
【0009】
木材加工品における木材の厚みを薄くし、曲率の大きな形状、複雑な形状をも加工可能とするためには、木製シートを薄くする方法が考えられる。しかしながら、木製シートを薄くした木材加工品の加工技術として特許文献1および2の方法を用いると、木製シートに含浸させた熱硬化性樹脂がプレス成形時に金型側へ染み出し、金型に貼り付く場合がある。その結果、生産性が低下する場合がある。
【0010】
また、特許文献1および2の方法では、薄い木材の木製シートを立体成形することしかできず、例えば主に木材でできた強度が十分にある筐体などを作製することは困難であった。
【0011】
従来、厚くて強度のある木材の積層材の1つに、パーティクルボードがある。これは、2枚の薄い木材の間に木材チップを細かく砕いて接着剤で集成しつつ張り合わせた木材合板である。しかしながら、このようなパーティクルボードは、一般的には平板で用いるものであり、曲面状に曲げるとしても、2次元的に一方向に曲げるのが限度であった。また、パーティクルボード表面は、木材チップの集成材であるため、木材独特のつやや杢目の模様が現れず、木材ならではの風合いがでないため、意匠的にも良くない。表面に薄いツキ板を張り合わせ、木材の風合いを出すことが望ましいが、平面もしくは一方向の曲面への貼り合せが限度であり、立体形状で木目を表現することは困難であった。
【0012】
上記問題点を鑑み、本発明にあっては、曲率の大きな形状や複雑な形状を容易に加工でき、強度が高く、表面に木目が現れ、木目の風合いがある木製成形体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の態様は、木材チップからなる基材層と、基材層の表面上に積層され、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層と、基材層と表面層とに設けられ、基材層の木材チップ同士を接着するとともに、基材層と表面層とを接着する樹脂部と、基材層の裏面上に積層された裏面層とを備え、表面層の表面側の樹脂充填量が、基材層と接する表面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、表面層に樹脂部が配置されていることを特徴とする木製成形体であることを要旨とする。
【0014】
本発明の他の態様は、木材チップに樹脂を含浸させる工程と、含浸後の木材チップを乾燥させる工程と、両面を貫通する木材繊維の隙間を有し、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層と、シート状の裏面層との間に、乾燥後の木材チップを挟みこんで積層する工程と、積層した表面層、木材チップからなる基材層、および裏面層を水蒸気雰囲気下に晒して軟化させる工程と、軟化後の表面層、基材層、および裏面層を熱プレスし、表面層の表面側の樹脂充填量が、基材層と接する表面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、基材層中の樹脂を表面層へ充填させ、樹脂を介して基材層と表面層とを接着するとともに基材層と裏面層とを接着する工程と、接着後の基材層、表面層、および裏面層を所定の形状に成形する工程とを備えることを特徴とする木製成形体の製造方法であることを要旨とする。
【0015】
本発明の他の態様は、木材チップに樹脂を含浸させる工程と、含浸後の木材チップを乾燥させる工程と、両面を貫通する木材繊維の隙間を有し、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層および裏面層の間に乾燥後の木材チップを挟みこんで積層する工程と、積層した表面層、木材チップからなる基材層、および裏面層を水蒸気雰囲気下に晒して軟化させる工程と、軟化後の表面層、基材層、および裏面層を熱プレスし、表面層の表面側の樹脂充填量が、基材層と接する表面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、基材層中の樹脂を表面層へ充填させるとともに、裏面層の表面側の樹脂充填量が、基材層と接する裏面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、基材層中の樹脂を裏面層へ充填させ、樹脂を介して基材層と表面層とを接着するとともに基材層と裏面層とを接着する工程と、接着後の基材層、表面層、および裏面層を所定の形状に成形する工程とを備えることを特徴とする木製成形体の製造方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、曲率の大きな形状や複雑な形状を容易に加工でき、強度が高く、かつ表面に木目が現れ、木目の風合いがある木製成形体およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る木製成形体を示す断面斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の第1変形例に係る木製成形体を示す断面斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2変形例に係る木製成形体を示す断面斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る木製成形体の製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載においては、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る木製成形体(木製シート)1aを作製した場合の例を示す断面斜視図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る木製成形体1aは、木材チップからなる基材層3と、基材層3の表面上に積層された表面層2と、基材層3の裏面上に積層された裏面層4と、基材層3および表面層2の内部に埋設され、基材層3と表面層2と裏面層4とを接着する樹脂部5とを備える。
【0021】
表面層2としては、天然木の無垢材を1枚のシート状にスライスした材料が用いられる。天然木としては、針葉樹、広葉樹のほとんどが使用可能である。
【0022】
表面層2は、丸太状の木材を回転させながら切削刃をあて、ロータリスライス、所謂、かつらむきを行うことで作ることができる。また、表面層2は、板目板材もしくは柾目板材からのスライス加工により作製してもよい。
【0023】
表面層2として広葉樹を用いる場合は、心材を用いるよりも辺材が用いることが好ましい。辺材は、肌理が細かく成型時に割れにくい特徴があり、ある程度の強度(剛性)および耐久性が必要とされる製品に対しては、特に好適である。
【0024】
曲率の大きな立体形状、複雑な立体形状を有する木製成形体の作製を可能とするためには、超仕上げかんな盤を用いて加工を行うことによって、極薄のシートを作製するのが好ましい。
【0025】
表面層2は、天然木が有する導管や仮導管などを含む細胞組織(木材繊維)21と、細胞組織21の内部および細胞組織21間に形成された図1の断面方向に不連続な隙間22aとを有している。表面層2を一定以下の厚みにすると、厚み方向の木材繊維(導管)21の個数が少なくなり、木材繊維21間の微小な隙間22aが、図1に示すように、一定以上の確率で表面から裏面を貫通する隙間(貫通孔)22bとなって現れる。木の材質による程度の差はあるが、例えば、表面層2の厚みを140μm以下とすると、表面層2の至る所に貫通孔22bが発生してくるため、大きく曲げたときにこの貫通孔が緩衝作用をもたらし、曲げ応力を吸収しつ変形するので、大きな曲げに対しても割れにくく柔軟な構造になる。
【0026】
例えば、本実施の形態に係る表面層2として、カバ材を厚さ約80μmとなるようにシート状にスライスした場合には、表面層2の表面上に現れた貫通孔22bの長さは、長くても約500μm以下となる。しかしながら、表面層2の全体の表面積に対する貫通孔22bの面積の割合を考慮すれば、表面層2上に500μmの貫通孔22bが複数個形成されていたとしても、木材繊維21同士が繋がっている部分の方が大きいので、本実施の形態に係る表面層2としてのシート状の形状は、十分に維持できる。
【0027】
なお、木材は天然物のため、繊維密度は必ずしも一定ではない。そのため、例えばカバ材の厚みを50μm以下まで薄くすると、表面層2のある場所によっては木材繊維21同士がばらばらになり、シート状の形状が維持できなくなる。木材の種類による木材繊維21の大きさの影響もあり、材料ごとに最適な厚みはそれぞれ異なるが、表面層2としての厚みは、一般的には、厚さ50μm〜140μm、さらには80〜120μm程度とするのが好ましい。
【0028】
これにより、シート形状を維持しながらも、木材繊維21同士の間に表面層2の両面を貫通する貫通孔22bを複数有する表面層2が形成できる(図1参照)。この貫通孔22bが、木製成形体1aの成形時に緩衝作用をもたらすとともに、貫通孔22bおよび隙間22aの一部を樹脂部5が埋めることによって、木製成形体1aが大きく裂けることなく補強され、シート状もしくは立体状に成形可能となるものである。
【0029】
また、表面層2の天然木の無垢材の厚さが、例えば50〜120μmであれば、木材繊維21間の隙間22aの割合が増えるので、隙間22aに充填された樹脂部5の透明度が高ければ、後述の基材層3の木材チップ31間の隙間の中の樹脂部5とともに、光を透過しやすくなり、木製成形体1aを例えば照明器具のランプシェードなどに用いると、厚くて十分強度があるにもかかわらず、光を透過しやすい木目照明器具などを作ることができる。
【0030】
基材層3は、木材チップ31からなる。基材層3においては、ばらばらの木材チップ31同士が、樹脂部5を構成する樹脂を介して接着されて繋がっている。このため、立体状に成形されていても、異方性的な力が働かないので、成形後の変形も少ない。また、木材チップ31の間は、プレスなどの圧力によって空間がつぶされているとともに、その空間内には樹脂が埋め込まれてそれぞれの木材チップ31が接着されているので、十分な強度も得られている。異なる厚さの木製成形体1aを作製する際には、基材層3の木材チップ31の量を変えれば厚みも変わり、表面層2としての天然木シートは上述した材料と同様のものを用いることができるので、天然木シートの在庫管理が簡単となる。基材層3の厚みは、数mm程度とすることができる。
【0031】
裏面層4は、たとえば厚さ数十〜数百μm程度の不織紙等からなるが、曲げやすい材質であれば特に規定はない。プラスチックなどの樹脂材料、金属材料でもよい。
【0032】
樹脂部5としては、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。樹脂部5は、基材層3の木材チップ31の繊維の内部(隙間)、および木材チップ31間の隙間に分散して入り込んでいるとともに、表面層2の木材繊維21の内部および木材繊維21間に形成された隙間22aおよび貫通孔22bに埋設された構成となっており、基材層3と表面層2とが樹脂部5を介して一体化するように接着されている。また、樹脂部5の樹脂により裏面層4が基材層3に接着されている。
【0033】
後述する製造方法により詳細に説明するが、表面層2の中の樹脂部5は、基材層3となる木材チップ31に樹脂を予め含浸させ、この木材チップ31を表面層の上に例えばペースト状に敷き詰め、裏面層4で挟んで熱プレスすることで、表面層2の隙間22a、22bの一部へ徐々に浸透させて形成されるものである。このため、表面層2の内部は、表面層2の裏面側(図1の下側の面)から、その一面に対向する表面層2の表面側(図1の上側の面)に向かって樹脂部5の樹脂充填量が漸減している。
【0034】
本実施の形態に係る木製成形体1aの断面観察結果によれば、表面層2の裏面側(基材層3と接する側の表面)の樹脂充填量(重量比)を100%とした場合に、表面層2の表面側の樹脂充填量が60%以下、より好ましくは10〜50%程度であるのが好ましい。
【0035】
表面層2の表面側の樹脂充填量が60%より大きいと、貫通孔22bに入り込んだ樹脂が表面層2の表面に回り込み、表面層2の表面全体が樹脂で覆われるおそれがある。その結果、表面層2の表面全体に回り込んだ樹脂がプレス加工時に金型に付着し、木製成形体1aが割れたり破れたりする場合がある。あるいは、樹脂部5で表面層2の表面全体が覆われることにより人工的な光沢が表れ、天然木をそのまま用いたような外観が得られない場合がある。逆に、10%より少ないと、表面層の最表面の木が樹脂で十分に固められない場合があり、長期使用において表面が擦れることによる木の剥がれや割れが発生する場合がある。
【0036】
表面層2の表面の樹脂充填量を60%より大きく(例えば70%程度)しても、木製成形体1aを少数だけ成形する場合には、不可能ではない。しかしながら、量産によりプレス回数が増えると、金型面へ硬化した樹脂が付着していくため、木製成形体1aの最終形状に影響を及ぼすおそれがある。また、木製成形体1aの金型面への貼り付きが起こりやすくなるため、木製成形体1aが破損する場合もある。
【0037】
従来、曲面形状を有する立体状の木材加工品を得るためには、無垢の木を切り出して作製していた。また、円筒形などの簡単な曲率の小さい曲面形状の木材加工品は、例えばプラスチックなどの筐体の表面に薄くスライスされた板(突き板)を貼り付ける等の方法で、加工コストおよび木材使用量を低減させてきていた。
【0038】
しかしながら、無垢の木材を削り出す方法は加工に時間が掛かるうえ、木材を大量に使用するため、生産性が低い。また、木材を大量に消費するとともに、削り出した木屑が大量に発生するため、環境上好ましくない。
【0039】
また、一般的に突き板と呼ばれる材料でも厚さ150μm〜500μmの範囲にあり、140μm以下に薄くスライスすることは、歩留まりや加工精度においても一般的ではない。140μm以上の厚さの木材に対し、曲面が急な形状や複雑な形状にプレス成形すると、割れが生じてしまうこともあった。
【0040】
薄くスライスした木のシートと接着性の樹脂からなる不織布との複合シートを複数枚重ねて積層することで、曲面加工時の割れを防止する方法もある(特開平5−83792号公報)。しかしながら、接着層が増えて接着剤の重量により重量が増加するとともに、木のシートを複数枚重ね合わせて積層することにより、木の繊維方向による強度差も出るため、割れが発生しやすくなるとともに、曲面形状が大きな三次元形状の成形は困難であった。
【0041】
これに対し、本実施の形態に係る木製成形体1aは、厚さ140μm以下の天然木からなる表面層2と、表面層2と基材層3とに存在する隙間に埋め込まれ、表面層2および基材層3と一体化した樹脂部5とを具備する。これにより、全体の大部分が天然木でありながらも軽量で強度の高い成形体が得られるため、曲率の大きな形状、複雑な形状が容易に加工できる。
【0042】
さらに、木製成形体1aの表面層2に浸透した樹脂の樹脂部5は、表面(基材層3と反対側の面)に向かうほど樹脂充填量が低下(もしくは、表面層2の基材層3側よりも表面側の方が樹脂充填量が低下)しているため、表面層2の表面全体にわたって樹脂の染み出しが少なくなっている。そのため、プレス加工時の樹脂部5の金型への焼き付きが抑制され、加工性が向上する。また、樹脂部5で表面全体が覆われることによる表面層2の人工的な光沢の発生も抑制されるため、天然木により近い外観も得られる。
【0043】
また、本実施の形態に係る木製成形体1aは、プレス成形によって樹脂部5が基材層3側から表面層2側へ埋め込まれることにより、基材層3および表面層2間に樹脂部5が絡み合うような構造を有しており、基材層3と表面層2とが強固に結合されている。よって、木製成形体1aは、複数の層を樹脂フィルムを介して接着する従来の複合シート等に比べて剥離が生じにくくなるとともに、樹脂部5の埋設により強度が増すため、破れにくくなる。
【0044】
(第1変形例)
図2に示すように、第1変形例に係る木製成形体1bは、図1に示す木製成形体1aに対し、裏面層4を、1枚のシート状にスライスされた天然木の無垢材を材料とする裏面層6に置き換えた構成である。つまり、裏面層6は、表面層2と同様の材料からなり、細胞組織(木材繊維)61と、細胞組織61の内部および細胞組織61間に形成された隙間62aと、裏面層6の表面から裏面を貫通する隙間(貫通孔)62bとを有する。裏面層6の厚みは、表面層2と同様に、厚さ50μm〜140μm、さらには80〜120μm程度とするのが好ましい。
【0045】
樹脂部5は、表面層2の表面(紙面最上側の面)および裏面層6の表面(紙面最下側の面)の全体に染み出さないように、表面層2および裏面層6へ浸透した樹脂が、表面(基材層3と反対側の面)から基材層3側に向かうほど樹脂の充填量が増加(もしくは、表面層2および裏面層6の基材層3側の方が表面側よりも樹脂充填量が増加)するように、表面層2の隙間22a,22b、基材層3の内部全体、および裏面層6の隙間62a,62bに埋設され、表面層2と基材層3と裏面層6とを一体化して接着する。
【0046】
木製成形体1bは、加熱プレス工程などを経ることにより、樹脂が熱で変形、硬化し、曲面形状、立体形状を保持することが可能となる。また、表面層2および裏面層6に形成された繊維同士の断続的な隙間が、木製成形体1bを曲げたときに緩衝作用を与えるため大きく裂けることがない。さらに、樹脂部5が、表面層2、基材層3、および裏面層6の隙間に埋め込まれ、各層の内部深くまで浸透しているので、樹脂部5により硬化される部分は木製成形体1bのほぼ全体にわたる。そのため、立体形状がより強固となり、変形にも強い。
【0047】
木製成形体1bは、表裏とも表面が木材であるため、あたかも無垢の木を削り出し加工したもののごとく、両面に美しい木の模様が表れるので、意匠的に価値が高くなる。例えば、立体形状の両面に視覚的効果が必要なもの(器など)に好適である。
【0048】
(第2変形例)
図3に示すように、第2変形例に係る木製成形体1cは、図2に示す木製成形体1bに対し、基材層3と表面層2との間に補強層7を追加し、基材層3と裏面層6との間に補強層8を追加した構成である。補強層7,8は、不織紙等の繊維質の材料からなる。
【0049】
樹脂部5は、補強層7,8の繊維の内部(隙間)にも浸透し、表面層2、補強層7、基材層3、補強層8、および裏面層6を一体化して接着する。
【0050】
後述する製造方法で示すが、補強層7,8を表面層2、基材層3、および裏面層6と積層して熱プレスを行う前に、予め樹脂を補強層7,8に含浸しておくことにより、補強層7,8内部に樹脂部5を形成する樹脂を浸透させることができる。もしくは、熱プレス時に基材層3を構成する木材チップ31に含浸された樹脂が染み出して補強層7,8内部に浸透し、さらに木材シートからなる表面層2および裏面層6にもその樹脂が浸透するようにしてもよい。
【0051】
基材層3の木材チップ31の粉砕サイズが大きい場合などでは特に、木材チップ31の角が尖っていることがあるため、基材層3に表面層2、裏面層6を積層したときに、表面層2や裏面層6が木材チップ31の角で破れるおそれがある。そこで、図3の木製成形体1cのように、例えば繊維密度が高い不織紙等のシートを補強層7,8として基材層3と表面層2との間、および基材層3と裏面層6との間に挟むと、木材チップ31の角から表面層2および裏面層6を保護するので、表面層2や裏面層6が破れることを防止することができる。
【0052】
なお、図1に示す木製成形体1aに、図3の木製成形体1cと同様に補強層7,8を設けてもよい。
【0053】
また、補強層7,8の両方を備えることが好ましいが、一方を省略してもよい。
【0054】
次に、本発明の実施の形態に係る木製成形体1aの製造方法について、図4を参照して説明する。
【0055】
まず、図4(a)に示すように、シート状の表面層2と、基材層3の元となる木材チップ31と、シート状の裏面層4とを用意する。
【0056】
表面層2としては、両面を貫通する木材繊維の隙間を有し、厚さ140μm以下、さらに好ましくは厚さ50〜120μm程度の、無垢材の広葉樹(カバ材)をスライスした1枚のシートが用いられる。
【0057】
木材チップ31は、表面層2の樹種と同じでもよいが、他の種類でもよい。特に、木材の端材、間伐材、研削くずなどを用いれば、環境に対しても好適である。また、木材チップ31の大きさは、パーティクルボードやMDFなどの集成材に用いられるサイズと同等でもよい。ただし、木材チップ31の角が表面層2の木材シート部分を突き破るおそれがあるので、細かいか、もしくは角がより丸まった形状を有するものがより好適である。
【0058】
裏面層4としては、例えば不織紙が用いられる。
【0059】
図4(b)に示すように、用意した表面層2、木材チップ31、および裏面層4のうち、木材チップ31のみを、樹脂溶液12を収容した容器9の中に一定期間(例えば10分〜1時間、30℃以下の室温で)浸し、樹脂を木材チップ31の内部まで十分に含浸させる。なお、表面層2を含浸すると樹脂が表面全体に付着して、プレス成型時に表面層2と金型10の間で硬化した樹脂がはりつき、金型10と表面層2との離型ができなくなるため、表面層2には含浸しないのが好ましい。
【0060】
図4(b)の樹脂溶液12としては、例えば熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂が利用できる。樹脂の量が多すぎる場合は、例えばメタノールなどの溶液に溶かして希釈して用いればよい。樹脂の最適な濃度は、木材チップ31の量および表面層2の厚みにより異なるが、一般的には含浸させる木材チップ31の量が少ない(完成した木製成形体の厚さが薄い)ほど、濃度が薄いほうが好ましい。
【0061】
次いで、図4(c)に示すように、容器9の中から木材チップ31を取り出し、温風により乾燥させる、もしくは自然乾燥させる。一旦木材チップ31を乾燥させることにより、乾燥させない場合に比べて木材チップ31の取り扱いが容易となり、製造作業の能率の向上が図れる。なお、樹脂含浸後の木材チップ31を表面層2または裏面層4の上に敷いてから乾燥させて、次工程に進めてもよい。
【0062】
次いで、図4(d)に示すように、裏面層4の上に乾燥した木材チップ31を敷き、その上に表面層2を重ねて積層し、これらを所定の温度に設定したプレス金型10内に配置する。なお、表面層2の上に木材チップ31を敷いて裏面層4を重ねてもよい。木材チップ31の量は、成形で圧縮された後の厚み応じて調整される。
【0063】
プレス金型10は、雄型10aと雌型10bとを有する。この際、雄型10aと雌型10bの表面には、表面層2、樹脂溶液12、裏面層4が金型10に貼り付きにくいように、離型処理をしておくのが望ましい。離型処理としては、たとえば金型10の表面に離型剤を塗布しておく、テフロン(登録商標)などのフィルムを貼り付けておく、などの方法が挙げられる。これにより、例えば、表面層2の両面を貫通する天然木の微小の隙間(図1の隙間22b)から表面へ染み出した樹脂が、金型10の表面にはりつくことを防止することができる。なお、前述のように、最表面に樹脂が染み出しすぎた場合は、離型処理を行ったとしても、硬化した樹脂がはりついてくるので、数枚のプレスごとに離型処理をやり直す必要があり、生産性が悪くなる。前述のように、表面層の最表面での樹脂が、内側の層に対し10〜50%となるような条件にてプレスを行えば、1回の離型処理に対し、100枚以上のプレス回数が可能になる。金型10の温度は、樹脂が十分に硬化する温度が必要であり、例えば160〜220℃程度が適当である。
【0064】
引き続き、表面層2、木材チップ31、および裏面層4を水蒸気雰囲気下に晒し、全体を軟化させる。「水蒸気雰囲気化に晒す」とは、例えば、水蒸気または霧状の水を噴霧することで金型10に蒸気を吹き付ける、あるいは、表面層2、木材チップ31、および裏面層4に水分を含ませ、金型10の熱で水蒸気化させるなどの方法により、作り出すことができる。曲率の大きい成形体への加工容易性を考慮すれば、含水率は多ければ多いほど、膨張させることができるので好ましい。
【0065】
次いで、図4(e)に示すように、積層した表面層2、木材チップ31により形成される基材層3、および裏面層4を所定の圧力でプレスし、変形させる。
【0066】
図4(e)のようにして、天然木である表面層2が曲げられるとき、水蒸気による木の軟化とともに、表面層2の両面を貫通する隙間部分が緩衝領域として作用するため、木材部分が大きく裂けることがなく、曲面形状を成形しやすくなる。また、基材層3は、ばらばらの木材チップ31が成形形状にプレス圧縮、樹脂硬化されるので、曲面形状応力が生じにくく、安定した形状が得られる。
【0067】
なお、プレス条件としては、例えば、温度、時間、圧力条件を相互に調整するのが好ましい。例えば温度を220℃、時間を30秒と固定したときには、圧力を0.2〜1.5MPaとするのが好ましい。上述の条件において圧力を1.5MPaより高くすると、金型面に離型処理を行えども、表面層2上に樹脂が染み出すぎて金型10にはりつき、成形はできても、金型10からの離型ができず、破れてしまう場合がある。一方で、圧力を0.2MPaより小さくすると、樹脂が表面層2の内部へ十分浸透せず成形後の変形が生じやすい傾向にあることが本発明者らの検討により確認された。なお、加工温度を220℃より低くする場合には、圧力の上限は1.5MPaより小さく、下限は0.2MPaより大きく制御することにより、表面層2上の表面全体に樹脂が染み出さないようにするように制御することができた。
【0068】
一度プレスして所定の時間が経過すると、図4(f)に示すように、金型10(雄型10a、雌型10b)を開いて水蒸気を開放させる。これにより、基材層3、表面層2および裏面層4の中に封じ込まれた水分および樹脂の溶剤成分のガスが開放される。その結果、各層の中にガスが溜まるのを抑制できる。開放時間は、圧力値や金型温度により最適値が異なるが、具体的には、例えば金型10の温度を200℃とし、圧力を0.5MPaとした場合には、約10秒プレスした後に約10秒間、1回だけ開放したところ、各層内の水分および溶剤成分は十分に蒸発した。
【0069】
次いで、図4(g)に示すように、再度プレスを行い、樹脂が表面層2へ徐々に浸透しつつ硬化するまで、所定の時間および圧力を保つ。例えば、上記の温度、圧力であれば、約30秒で十分に樹脂が硬化する。プレスの圧力により基材層3の木材チップ31は圧縮されるとともに隙間の空間がつぶされ、残った空間には樹脂が浸透して木材チップ31同士が接着されるとともに、表面層2へ樹脂が浸透して硬化する。また、樹脂により基材層3と裏面層4とが接着される。プレスの温度および圧力条件は、基材層3の木材チップ31に含浸した樹脂が表面層2の表面側全体に染み出さないようにして、樹脂を表面層2が有する隙間の一部に埋設させるように制御するのが好ましい。
【0070】
表面層2に最初から樹脂を浸透させる場合、表面層2の裏面から表面にかけて樹脂濃度を変えることは困難であり、また、表面側の樹脂成分がプレス時の金型にはりつき、破れてしまうおそれがある。本実施の形態では、上記のように、基材層3内の樹脂を表面層2側へ徐々に浸透させるようにプレス成形時の温度、圧力、時間を適切に制御することにより、天然木からなる表面層2内部の樹脂の充填量が、基材層3と接する側の面から基材層3と接しない側の面に向かうに従って低下するような勾配を設けることができ、かつ、表面全体への樹脂の染み出しを制御し、表面層2の樹脂の充填量を一定範囲に制御することができる。これにより、金型10に付着する樹脂の量も低減できるため、樹脂の付着を防ぐことができ、加工性が向上する。木材シートからなる表面層2の内部で樹脂濃度の勾配を設ける方法としては、熱プレスが最も容易に実現できる。
【0071】
次いで、図4(h)に示すように、金型10から成形体11を取り出し、冷却する。その後、図4(i)に示すように、枠からはみだした部分を切削して所定の形状を形成することにより、本実施の形態に係る木製成形体1aが製造できる。
【0072】
本実施の形態に係る木材成形体の製造方法によれば、表面層2を水蒸気で軟化させると同時に、プレス加熱で基材層3の木材チップ31を圧縮成形しつつ、表面層2、基材層3、および裏面層4のはりつけおよび成型ができるので、プレス工程が簡略化され、非常に生産性が良くなる。また、図4(d)〜図4(g)に示すプレス工程において、樹脂部5が、表面層2の表面側全体(図1の紙面上側の面全体)に染み出さないように制御しながら基材層3に含浸された樹脂を表面層2の両面を貫通する隙間22bに埋設するため、プレス加工時に樹脂部5が金型に付着せず、成形品が割れたり破れたりすることなく加工でき、かつ作業の効率化が図れる。さらに、製造後の木製成形体1aの表面層2は表面全体が樹脂により被覆されていないので、木が本来備える有利な特性をより効果的に発揮させることが可能となる。
【0073】
なお、図4に示す例においては、樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合で説明したが、熱可塑性樹脂を用いる場合は、たとえば加熱した金型10でプレスした状態で一定時間保ち、その状態のままで金型10を冷却して成形体11を取り出せばよい。
【0074】
また、図4では、図1に示す木製成形体1aを製造する場合を例に説明したが、図2に示す木製成形体1bを製造する場合は、図4において裏面層4のかわりに、表面層2と同様の材料からなる裏面層6を用いればよい。
【0075】
この場合、裏面層6にも表面層2と同様に樹脂が浸透し、表面層2と基材層3と裏面層6とが一体化して接着され、裏面層6内部には、基材層3と接する側の面から基材層3と接しない側の面に向かうに従って低下するような樹脂濃度の勾配が形成される。
【0076】
また、図3に示す木製成形体1cを製造する場合は、不織紙等の繊維質の材料からなる補強層7,8にも木材チップ31と同様に、熱プレスを行う前に樹脂を含浸して乾燥させておく。そして、上から表面層2、補強層7、基材層3(木材チップ31)、補強層8、裏面層6の順で積層し、図4(d)〜図4(g)と同様のプレス工程を行うことにより、木製成形体1cが得られる。
【0077】
なお、補強層7,8に予め樹脂を含浸して乾燥させる工程を省略し、図4(d)〜図4(g)と同様のプレス工程により、基材層3を構成する木材チップ31に含浸された樹脂が染み出して補強層7,8内部に浸透し、さらに表面層2および裏面層6にもその樹脂が浸透するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1a,1b,1c…木製成形体
2…表面層
3…基材層
4,6…裏面層
5…樹脂部
7,8…補強層
31…木材チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材チップからなる基材層と、
前記基材層の表面上に積層され、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層と、
前記基材層と前記表面層とに設けられ、前記基材層の前記木材チップ同士を接着するとともに、前記基材層と前記表面層とを接着する樹脂部と、
前記基材層の裏面上に積層された裏面層と
を備え、
前記表面層の表面側の樹脂充填量が、前記基材層と接する前記表面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、前記表面層に前記樹脂部が配置されていることを特徴とする木製成形体。
【請求項2】
前記表面層が、シート状にスライスされた厚さ50〜120μmの天然木の無垢材を材料とすることを特徴とする請求項1に記載の木製成形体。
【請求項3】
前記樹脂部が、前記基材層中の樹脂を熱プレスにより前記表面層へ充填させて得られることを特徴とする請求項1または2に記載の木製成形体。
【請求項4】
前記裏面層は、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とし、
前記基材層と前記裏面層とが前記樹脂部を介して接着されているとともに、前記裏面層の表面側の樹脂充填量が、前記基材層と接する前記裏面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、前記裏面層に前記樹脂部が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の木製成形体。
【請求項5】
前記基材層と前記表面層との間、および前記基材層と前記裏面層との間の少なくとも一方に設けられた繊維材料からなる補強層をさらに備え、
前記補強層に前記樹脂部が配置され、前記基材層、前記補強層、前記表面層、および前記裏面層が前記樹脂部を介して接着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の木製成形体。
【請求項6】
木材チップに樹脂を含浸させる工程と、
含浸後の前記木材チップを乾燥させる工程と、
両面を貫通する木材繊維の隙間を有し、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層と、シート状の裏面層との間に、乾燥後の前記木材チップを挟みこんで積層する工程と、
積層した前記表面層、前記木材チップからなる基材層、および前記裏面層を水蒸気雰囲気下に晒して軟化させる工程と、
軟化後の前記表面層、前記基材層、および前記裏面層を熱プレスし、前記表面層の表面側の樹脂充填量が、前記基材層と接する前記表面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、前記基材層中の前記樹脂を前記表面層へ充填させ、前記樹脂を介して前記基材層と前記表面層とを接着するとともに前記基材層と前記裏面層とを接着する工程と、
接着後の前記基材層、前記表面層、および前記裏面層を所定の形状に成形する工程と
を備えることを特徴とする木製成形体の製造方法。
【請求項7】
木材チップに樹脂を含浸させる工程と、
含浸後の前記木材チップを乾燥させる工程と、
両面を貫通する木材繊維の隙間を有し、シート状にスライスされた厚さ140μm以下の天然木の無垢材を材料とする表面層および裏面層の間に乾燥後の前記木材チップを挟みこんで積層する工程と、
積層した前記表面層、前記木材チップからなる基材層、および前記裏面層を水蒸気雰囲気下に晒して軟化させる工程と、
軟化後の前記表面層、前記基材層、および前記裏面層を熱プレスし、前記表面層の表面側の樹脂充填量が、前記基材層と接する前記表面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、前記基材層中の前記樹脂を前記表面層へ充填させるとともに、前記裏面層の表面側の樹脂充填量が、前記基材層と接する前記裏面層の裏面側の樹脂充填量よりも少なくなるように、前記基材層中の前記樹脂を前記裏面層へ充填させ、前記樹脂を介して前記基材層と前記表面層とを接着するとともに前記基材層と前記裏面層とを接着する工程と、
接着後の前記基材層、前記表面層、および前記裏面層を所定の形状に成形する工程と
を備えることを特徴とする木製成形体の製造方法。
【請求項8】
前記接着する工程が、温度160〜220℃、圧力0.2〜1.5MPaで熱プレスする工程を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の木製成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−234716(P2010−234716A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86576(P2009−86576)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】