説明

本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するための方法及び装置

本物の乳固形分を含む液体飲料が、周囲の温度に維持される無菌のディスペンサ10を使用して濃縮物及び水から作られる。たとえば、本物の乳固形分を含む温かいカプチーノ、チョコレート、及び紅茶の飲料は、本物の乳濃縮物を周囲温度で少なくとも30日間、約4〜6ヶ月まで安定して維持する、無菌の濃縮物容器21を使用して計量分配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年9月25日に出願された米国特許出願第10/254118号の一部継続出願であり、その出願は、2001年5月8日に出願された米国特許出願第09/850983号の一部継続出願であり、その出願は、1999年11月3日に出願された米国特許出願第09/443365号の継続出願である。これらの出願の開示の全ては、本明細書に参照によって援用される。
【0002】
本発明は、水で希釈するための無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物を利用することによって、本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配し、本物の乳固形分を含む調合された飲料として計量分配するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
上記の出願は、約3〜4体積分の水で希釈したときに、乳固形分が分離せず、希釈された濃縮物が受け入れられる新鮮なミルクのような味の特徴を有する、少なくとも30日の貯蔵寿命を有する超高温殺菌された(UHT)液体の乳濃縮物を開示する。約10重量%までのUHT乳濃縮物が、香料、甘味料、又は果汁濃縮物を含むことができることも上記の出願に開示された。これらの製品では、新鮮なミルクの味は、製品に加えられる、香りをつけた、甘味をつけた、又は果汁のノート(note)を使用して還元したときの製品よりも優れている。飲料ディスペンサを使用して計量分配するための、UHT乳濃縮物、及び香りをつけた又は甘味をつけた濃縮物の両方の無菌のパッケージも開示された。これらの先願の開示は、本明細書に参照によってその全てが援用される。
【0004】
本出願は、本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するための方法及び装置でのさらなる改善に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するための方法及び装置に関する。飲料の計量分配用容器が、本物の乳固形分を含む無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物を保持して、周囲温度のもとでハウジングに装着されている。UHT濃縮物は、乳固形分が粒状化及び/又は分離することなく少なくとも約30日の延長された貯蔵性を有し、水で希釈すると、飲むことができる飲料を提供するために乳固形分が分離しない。無菌の飲料の濃縮物の一部分は、飲料を調合するために、容器から無菌的にポンプ給送され、予め設定された割合で水と混合され、一方で容器内の残りの量の濃縮物を無菌状態のもとに維持する。
【0006】
とりわけ、カプチーノ、チョコレート、紅茶などの飲料は、本物の乳固形分を含みながら、その乳固形分が焦げ付き及び分離することのない超高温(UHT)殺菌が可能であることが確認されている。本明細書で使用される用語「本物の乳固形分」は、哺乳類の乳腺によって生成されたミルクのたんぱく質、脂肪、ラクトース、並びに様々なビタミン及びミネラル、さらに詳細には、ヒトによって食料として使用されるウシ又はヤギのミルクを意味する。水で希釈した後でも固形分が粒状化及び/又は分離することなく、周囲温度で少なくとも約30日の、4〜6ヶ月までの延長された貯蔵性を提供するために、濃縮物内で安定剤が使用される。UHT飲料の濃縮物の無菌容器は、周囲温度のもとで貯蔵され、本物の乳固形分を含む、水と調合された飲料を生成するのに使用できる。濃縮物を計量分配し、水と混合する際に、本発明は容器内の残りの濃縮物の無菌の質を維持し、そうすることで、その濃縮物の部分が引き続き計量分配されて、申し分の無い飲料を生成する。
【0007】
高温の液体飲料は、本発明の方法及び装置を使用して計量分配される。たとえば、本物の乳固形分を含むカプチーノ、チョコレート、及び紅茶の濃縮物は、濃縮物の容器が約15.56〜43.34℃(約60〜110°F)の周囲温度に維持されるディスペンサを使用して計量分配される。濃縮物は、約65.56〜73.89℃(約150〜165°F)で高温の液体飲料を計量分配するために、約71.12〜98.9℃(約160〜210°F)に加熱された水と混合される。さらに、本物の乳固形分を含む飲料は、たとえば水と混合するための濃縮物を周囲温度で無菌的にポンプ送出することによって、低温又は室温で計量分配することもできる。たとえば、ピーチ、ベリー、ラズベリー、カラメルなどの香りをつけた固形分も同様に、本物の乳固形分を含む濃縮物に調合され、香りをつけた飲料を生成するために水と共に計量分配できる。
【実施例】
【0008】
本発明の利点及び目的は、下記の説明を参照してさらに理解されよう。
【0009】
本発明の目的及び利点は、図面を参照することによってより明白になるであろう。
【0010】
無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物
本発明の方法に従って飲料を作るのに使用される無菌のUHT濃縮物は、本明細書に参照によって完全に援用される首題の関連出願に記載される蒸気注入法によって製造される。手短に言えば、本方法によって、蒸気が本物の乳固形分及び安定剤を含む飲料の配合物の連続した流れに直接的に注入されて、殺菌された濃縮物を形成し、次いでそれは無菌的にパッケージされる。無菌のUHT液体飲料の濃縮物は、(a)粒状化及び/又は分離することなく少なくとも約30日の、4〜6ヶ月までの延長された貯蔵性、(b)水で希釈すると分離しない乳固形分を有するように安定化され、(c)水で希釈すると本物の乳固形分を含む飲料を提供する。さらに詳細には、たとえば、UHT殺菌用のTetra−Pak VTISの直接蒸気注入システムが以下に説明する下記の実施例で使用され、UHT濃縮物が無菌的にパッケージされる。蒸気注入に基づいたTetra Therm Aseptic VちS Direct UHT treatment moduleを参照されたい。(著作権)1996年、スエーデン、Lund Tetra Pak Processing Systems AB。
【0011】
下記のものは、本物の乳固形分を含む液体飲料を作るために使用される代表的な無菌の飲料の濃縮物である。
【0012】
(A)カプチーノ濃縮物
本発明の方法及びディスペンサで使用するためのカプチーノ濃縮物は、約2〜12%のコーヒー固形分、約0.5〜28%の無脂乳固形分(MSNF)、及び約0〜20%の乳脂を含む。約0.3〜1重量%の範囲の安定剤固形分、好ましくは、ヘキサメタン酸ナトリウム(97〜99%)及びカッパ型カラゲナン(1〜3%)が使用される。カプチーノ濃縮物は、飲料を作るために、濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で水と混合する目的で調合される。より好ましくは、カプチーノが甘味をつけられない場合、それは約5%のコーヒー固形分、約19%のMSNF、及び約16%の乳脂を含み、飲料を作るために、濃縮物に対する水が約4:1で、濃縮物が混合される。カプチーノが甘味をつけられた場合、それは約2〜12%のコーヒー固形分、約0.5〜28%のMSNF、約0〜20%の乳脂、及び約5〜40%の甘味料固形分を含み、飲料を作るために、濃縮物に対する水の比率が約3:1で濃縮物が混合される。より好ましくは、甘味をつけられたカプチーノ濃縮物は、約4%のコーヒー固形分、約11%のMSNF、約8%の乳脂、及び約30%の高果糖コーンシロップ固形分を含み、飲料を作るために、濃縮物に対する水の比率が約3:1で濃縮物が混合される。
【0013】
(B)チョコレート濃縮物
本発明の方法及びディスペンサで使用するためのチョコレート濃縮物は、約0.1〜10%のチョコレート固形分、約0.5〜28%の無脂乳固形分(MSNF)、約5〜40%の甘味料固形分、及び約0〜20%の乳脂を含み、飲料を作るために、濃縮物に対する水の比率が約3:1から4:1で、濃縮物が混合される。安定剤は、上記(A)に述べたように同じ量で使用される。より好ましいチョコレート濃縮物は、約3%のチョコレート固形分、約8%のMSNF、約35%の高果糖コーンシロップ固形分、及び約8%の乳脂を含み、飲料を作るために、濃縮物に対する水の比率が約3:1で、濃縮物が混合される。
【0014】
(C)紅茶濃縮物
本発明の方法及びディスペンサで使用するための紅茶濃縮物は、約2〜10%の紅茶固形分、約0.5〜28%の無脂乳固形分(MSNF)、約0〜40%の甘味料固形分、及び約0〜20%の乳脂を含み、飲料を作るために、混合物に対する水の比率が約3:1から4:1で、濃縮物が混合される。安定剤は、(A)で上記に述べられたように同じ量で使用される。より好ましい形式では、紅茶濃縮物は、約2%のチョコレート固形分、約12%のMSNF、約28%の高果糖コーンシロップ固形分、及び約8%の乳脂を含み、飲料を作るために、濃縮物に対する水の比率が約3:1で、濃縮物が混合される。
【0015】
(D)その他の香りをつけた飲料
その他の香りをつけた飲料の濃縮物が、本発明の方法及びディスペンサで使用される。一般に、その濃縮物は、上記(A)に述べたように様々な種類のうちの任意の1つの約0.1〜10%の香料固形分、約0.5〜28%の無脂乳固形分(MSNF)、約0〜40%の甘味料固形分、約0〜20%の乳脂、及び約0.3%から1%の安定剤を含む。濃縮物用の香料固形分は、たとえば、カラメル、バニラ、ヘーゼルナッツ、ピーチ、苺、スクラロース、アスパルテーム、コーンシロップ、フルクトースからなる群、及び/又はピーチ、オレンジ、苺、ラズベリー、ブルーベリー、葡萄などからなる群から選択される果実/果汁の濃縮物の香料固形分から選択される。
【0016】
無菌のUHT飲料の濃縮物を作る方法
以下の実施例は、本発明の方法及びディスペンサで使用する目的で作られた特定の濃縮物を示す。これらの実施例では、超高温殺菌される配合物を形成するための飲料の濃縮物に加えるための安定剤が最初に用意される。これらの実施例では、ヘキサメタン酸ナトリウムからなる453グラム(1ポンド)の安定剤及びカラゲナン(カッパ型)が、906グラム(2ポンド)の湯(最低21.11℃(70°F))と混合される。次に、生じる混合物は、高せん断力の配合器内で15分間、共に配合されて、安定剤スラリを形成し、次いでそれは最初の飲料混合物と少なくとも15分間、混合されて、乳固形分を含む濃縮された液体飲料の配合物を生成し、それはUHT殺菌される。実施例での安定剤は、後に詳述するようなカプチーノ、チョコレート、紅茶、又はその他の飲料の香料の飲料固形物を含む配合物の総重量の約1〜2%(0.5〜1%の固形分)の水におけるスラリである。次いで下記の実施例の安定剤、濃縮された液状乳の形での本物の乳固形分、及びその他の成分を伴う飲料固形分の配合物は、Tetra Pak VTISの直接蒸気注入UHT殺菌システム(上述の1996年、スエーデン、テトラパック社)を通って連続的に流れ、そのシステムは、約30〜36秒間、約82.23℃(約180°F)の予熱工程を使用し、次いで飲料の配合物を約142.23℃から145.57℃(約288°Fから294°F)の温度範囲に2.5から5秒間、加熱する。これらの実施例では、超低音殺菌の温度は、約145.57℃(約294°F)である。次いでUHT飲料の濃縮物は、濃縮物を約2から5秒以内に、約26.67℃から約32.22℃(約80°Fから90°F)の温度に冷却する冷却凝縮器に送られる。次いでUHT飲料の濃縮物は、好ましくは約3500から5000psi、又は1500psiと同程度の低さで、高圧のホモジナイザを通って流れ、それが殺菌されたUHT飲料の濃縮物で満たされる前に蒸気を使用してバッグを殺菌する無菌バッグ充填機に送られる。バッグの内側の縁部のノズルは、Hを使用して噴霧される。最終生成物は、適切な固形物及び脂肪の含有率、並びに約6〜8の適切なpHレベルについて検査される。こうした実施例の飲料の濃縮物は、それらが直接蒸気注入システム、ホモジナイザ、冷却凝縮器を通って流れ、無菌バッグ充填装置に送られるとき、約40%から60%の固形分を含む。
【0017】
【表1】

【0018】
【表2】

【0019】
【表3】

【0020】
【表4】

【0021】
【表5】

【0022】
【表6】

【0023】
【表7】

【0024】
【表8】

【0025】
飲料を計量分配するための方法及び装置
図面の図1〜図3を参照すると、本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するための方法が、周囲温度のもとでハウジング11内に移動可能な飲料計量分配用容器10を取り付けることによって実施される。この容器は、(a)乳固形分が粒状化及び/又は分離することなく、少なくとも30日、通常は約4ヶ月から6ヶ月の濃縮物の延長された貯蔵性、及び(b)飲料を形成するために水で希釈したときに分離しない乳固形分を提供するために有効な量で本物の乳固形分を含む(たとえば例1〜例8の)無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物及び安定剤を収容する。したがって、無菌の飲料の濃縮物は、通常、室温又は約15.56〜43.34℃(約60〜110°F)の周囲温度の周囲環境で維持される。この機構では、本物の乳固形分を含むUHT濃縮物が、その無菌のパッケージでそのような周囲温度及び圧力のもとで安定するように特別に調合されるので、濃縮物に対して冷却された環境を提供する必要がない。
【0026】
水の供給源が、水と無菌の飲料の濃縮物を混合するために容器10と連通して配置されている。一般に、水は家庭用又は商用の水道から水タンク12に供給され、その水タンクは、図示されないが水を入れるリザーバに給水するための水タンクアセンブリで一般的に見られる安全のためのオーバーフロー・バルブ及び充填バルブを有する。方法及び装置は周囲温度で飲料を計量分配するのに適しているが、水タンク12は、約65.56〜73.89℃(約150〜165°F)の飲むことの可能な温度でディスペンサから高温の液体飲料を計量分配するとき、約71.12から98.90℃(約160から210°F)に水を加熱するために、適切な電圧によって動作する加熱コイル13を備える。水タンク12の体積は、容量が変化する可能性があるが、一般的なディスペンサは、前もって設定した所望の温度に電子制御で維持される13.25リットル(3.5ガロン)の水タンクを用いる。ディスペンサの電子機器は、水道管からの飲用水の標準的な加圧された連続した流れと共に、110〜440ボルトのコンセントに接続することによって動作される。
【0027】
本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配することに関する重要な機能は、無菌状態のもとに濃縮物を維持し、飲料を調合するために容器10から濃縮物の一部分を無菌でポンプ送出し、たとえば1:3の予め設定された分量で水と混合することである。これらの目的を達成するために、好ましい形式では、計量分配用容器10は、容器10の濃縮物の無菌状態を維持しながら、混合チャンバ16内に濃縮物の一部分を無菌的に送るために、ポンプ15に動作的に係合するように配置された導管14に取り付けられている。好ましい形式では、図3に、より明白に示されるように、計量分配用容器は使い捨ての折りたたみ式バッグ21用のキャリア20を備え、導管14は可撓管である。計量分配用容器10は、可撓管を通る濃縮物を送るための導管14と連通する放出ポート22を有する。導管14に動作的に係合する蠕動ポンプ15、又は線形波又はその他のポンプは、容器の濃縮物の無菌状態を維持しながら、容器10から濃縮物を無菌で送る。折りたたみ式バッグ21は、ハウジング11内に容器10を支えるためのキャリア20に配置され、充填ポート23及び放出ポート22を有する。箱に入ったバッグなどのその他の機構がキャリア20及び容器10の代わりに用いることができる。図2を参照すると、キャリア20及び折りたたみ式バッグ21が示され、そこでは、バッグ21の充填ポート23がキャリア20のスロット内に配置され、混合チャンバ16内に濃縮物を無菌で送るためのポンプ15を動作的に係合することができるように、放出ポート22が同様にスロット内に配置され、それは図3により明白に示される。無菌の貯蔵性のある濃縮物は、収容バッグを外側の周囲から封止して維持し、汚染されないようにすることによって無菌の質を維持する目的で、蠕動ポンプに連結されていることが理解されよう。
【0028】
本発明の方法及び装置で使用するための好ましいディスペンサ機構が米国特許第5353963号に示され、その発明の全体の開示が参照によって本発明に援用される。ポンプ15は、モータ(図示せず)によって駆動される2ローラポンプであり、そのポンプは、起動ボタン19が押されたとき、濃縮物の所定の分量を混合チャンバ内に正確に送り、一方で送出バッグ21内の濃縮物の残りの部分をさらなる使用のために無菌状態に維持する。水は混合チャンバ16内に重力によって流れる。ポンプ15を始動し、濃縮物をたとえば濃縮物に対する水が1:1から4:1の様々な比率で送り、混合するのに必要な電子機器は、上記特許に開示される液体の計量分配用容器、及び商標CAFEMATIC(商標)のもとでKamara社によって製造されるディスペンサでよく知られている。水及び濃縮物の両方の流量は、水と濃縮物の所望の混合比率を生成するために電子制御で測定される。水の流れは、流れの一定の速度に設定され、ディスペンサの電子機器は、混合比率を調整するために蠕動ポンプ15の速度を上昇させ、又は低下させる。図1を参照すると、温水及び無菌の濃縮物の両方が混合チャンバ16内に計量分配され、そこでは2つの生成物が共に混合され、完成した飲料に多量の泡立ちを形成するために、約10,000rpmでモータ32によって駆動されるホイッパ・ブレード31によって少しの間泡立てられる。次いで完成した飲料は、計量分配ノズル33を通って所望の飲料容器に重力によって流入する。次いで混合チャンバ16は、蠕動ポンプ15が混合チャンバ16内に濃縮物を計量分配するのを止めた後に、約82.23〜98.90℃(約180〜210°F)の温水を短時間、オーバーランさせることによって少しの間洗い流され、衛生処理される。ディスペンサの電子機器は、追加の水を少しの間オーバーランさせることに対して補償し、起動ボタン19を放した後に蠕動ポンプを少しの間、加速することによって、追加の濃縮物が加えられるように前もって調整することができる。これらの特徴は、上記の特許に開示されKamara社によって販売されるタイプのような、従来の液体濃縮物を計量分配する機械で知られている。ディスペンサは、82.23から100℃(180〜212°F)の水を数秒間の間、混合チャンバ内に計量分配することによってそれ自体を洗い流し、衛生処理するように設定できる。この手順は、1時間の間、生成物が全く計量分配されなかった場合、ディスペンサによって自動的に遂行され、次の飲料が計量分配されるまで再び行われることはない。上記に示されるように、カプチーノ、チョコレート、又は紅茶の種類の高温の飲料は、約65.56〜73.89℃(約150〜165°F)の所望の飲む温度にする必要がある。上記の実施例に詳述されるように、混合比率は、水が濃縮物に対して約3:1から約4:1である。
【0029】
その他の飲料ディスペンサが、ディスペンサを提供し、本発明の方法を遂行するようになされることができることが理解されよう。したがってその他の、たとえば商標Quantum4000(商標)を付したWilshire製の飲料ディスペンサが、本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するために、本発明のUHT飲料の濃縮物を含むプラスチック・バッグ・パッケージを備えて動作される。ディスペンサでは、蠕動ポンプが濃縮物をパッケージから引き出し、計量分配ノズルを通して放出して、濃縮物に対する水が約3:1から約4:1の混合比で濃縮物を還元するのに有効な比率で流れる水と濃縮物を混合して、本物の乳固形分を含むカプチーノ、ホットチョコレート、及び紅茶などの飲料を提供する。
【0030】
本発明の方法及び装置を詳細に示し、説明してきたが、本発明は開示されたそのままの形式に限定されるとは見なされず、その趣旨から離れることなく本発明の範囲内で細部の変更及び解釈をすることができることが明白である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】無菌の濃縮物の計量分配用容器、濃縮物のポンプ、混合チャンバ、及び水タンクを示すために、前面扉を取り外し、下方の側面パネルを部分的に取り外した、飲料ディスペンサの正面斜視図である。
【図2】ホイッパ・ブレード及び計量分配用ノズルを備える混合チャンバの分解図である。
【図3】ディスペンサ・ハウジングに取り付けるためのキャリアに設置される、濃縮物用の折りたたみ式バッグの容器の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するための方法にして、
周囲温度のもとでハウジング内に飲料の計量分配用容器を装着する工程であって、前記容器が、(a)乳固形分が粒状化及び/又は分離することのない、少なくとも約30日の前記濃縮物の延長された貯蔵性、及び(b)水で希釈したとき分離しない乳固形分を提供するために有効な量で、本物の乳固形分を含む無菌の超高温(UHT)液体飲料濃縮物、及び安定剤を収容する工程と、
水と前記無菌飲料濃縮物を混合するための水の供給源を提供する工程と、
前記無菌飲料濃縮物の一部分を前記容器から無菌的にポンプ送出し、前記飲料を調合するために前記水を予め設定された比率で混合する工程と、
前記容器内の無菌飲料濃縮物の残りの量を無菌状態のもとに維持する工程と、
本物の乳固形分を含む前記調合された飲料を計量分配する工程とを含む方法。
【請求項2】
前記濃縮物が周囲温度のもとに維持され、前記水が高温の液体飲料を計量分配するために加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記周囲温度が約15.56〜43.34℃(約60〜110°F)であり、前記水が約71.12〜98.90℃(約160〜210°F)に加熱され、高温の液体飲料が約65.56〜73.89℃(約150〜165°F)で計量分配される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記濃縮物が、約2%〜約12%のコーヒー固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、及び約0%〜約20%の乳脂を含むカプチーノ濃縮物である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記カプチーノ濃縮物が、濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で水と混合される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カプチーノ濃縮物が、約5%のコーヒー固形分、約19%のMSNF、及び約16%の乳脂を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約4:1で、前記濃縮物が混合される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記カプチーノ濃縮物が、約2%〜約12%のコーヒー固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、及び約0%〜約20%の乳脂、及び約5%〜約40%の甘味料固形分を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記カプチーノ濃縮物が、約4%のコーヒー固形分、約11%のMSNF、約8%の乳脂、及び約30%の高果糖コーンシロップ固形分を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記濃縮物が、約0.1%〜約10%のチョコレート固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、約5%〜約40%の甘味料固形分、及び約0%〜約20%の乳脂を含むチョコレート濃縮物であり、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で、前記濃縮物が混合される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記チョコレート濃縮物が、約3%のチョコレート固形分、約8%のMSNF、約35%の高果糖コーンシロップ固形分、及び約8%の乳脂を含み、前記濃縮物に対する水の比率が3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記濃縮物が、約2%〜約10%の紅茶固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、約0%〜約40%の甘味料固形分、及び約0%〜約20%の乳脂を含む紅茶濃縮物であり、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で、前記濃縮物が混合される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記紅茶濃縮物が、約2%のチョコレート固形分、約12%のMSNF、約28%の高果糖コーンシロップ固形分、及び約7%の乳脂を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記濃縮物が、約0.1%〜約10%の香料固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、約0%〜約40%の甘味料固形分、及び約0%〜約20%の乳脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記安定剤が基本的にヘキサメタン酸ナトリウム及びカラゲナンからなる、請求項6、7、8、9、10、11、12又は13に記載の方法。
【請求項15】
本物の乳固形分を含む高温の液体飲料を計量分配するための方法にして、
周囲温度のもとでハウジング内に飲料の計量分配用容器を装着する工程であって、前記容器が、(a)乳固形分が粒状化及び/又は分離することのない、少なくとも約30日の前記濃縮物の延長された貯蔵性、及び(b)水で希釈したとき分離しない乳固形分を提供するために有効な量で、本物の乳固形分を含む無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物、及び安定剤を収容する工程と、
温水を前記無菌飲料濃縮物と混合するための温水の供給源を提供する工程と、
前記無菌飲料濃縮物の一部分を前記容器から無菌的にポンプ送出し、前記飲料を調合するために前記温水を予め設定された比率で混合する工程と、
前記容器内の無菌飲料濃縮物の残りの量を無菌状態のもとに維持する工程と、
本物の乳固形分を含む前記調合された飲料を計量分配する工程とを含む方法。
【請求項16】
前記濃縮物が、約2%〜約12%のコーヒー固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、及び約0%〜約20%の乳脂を含むカプチーノ濃縮物であり、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で、前記濃縮物と水が混合される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記カプチーノ濃縮物が、約5%のコーヒー固形分、約19%のMSNF、及び約16%の乳脂を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約4:1で前記濃縮物が混合される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記カプチーノ濃縮物が、約2%〜約12%のコーヒー固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、約0%〜約20%の乳脂、及び約5%〜約40%の甘味料固形分を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記濃縮物が、約0.1%〜約10%のチョコレート固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、約5%〜約40%の甘味料固形分、及び約0%〜約20%の乳脂を含むチョコレート濃縮物であり、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で、前記濃縮物が水と混合される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記チョコレート濃縮物が、約3%のチョコレート固形分、約8%のMSNF、約35%の高果糖コーンシロップ固形分、及び約8%の乳脂を含み、前記濃縮物に対する水の比率が3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記濃縮物が、約2%〜約10%の紅茶固形分、約0.5%〜約28%の無脂乳固形分(MSNF)、約0%〜約40%の甘味料固形分、及び約0%〜約20%の乳脂を含む紅茶濃縮物であり、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で、前記濃縮物が混合される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記紅茶濃縮物が、約2%の紅茶固形分、約12%のMSNF、約28%の高果糖コーンシロップ固形分、及び約7%の乳脂を含み、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1で、前記濃縮物が混合される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記濃縮物が、ピーチ、ベリー、ラズベリー、及びカラメルからなる群からの約0.1%〜約10%の香料固形分、約0.5%〜約28%のMSNF、及び約0%〜約20%の乳脂を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記安定剤が基本的にヘキサメタン酸ナトリウム及びカラゲナンからなる、請求項15、16、17、18、19、20、21、22、又は23に記載の方法。
【請求項25】
本物の乳固形分を含む液体飲料を計量分配するためのディスペンサにして、
(a)周囲温度及び圧力のもとでハウジング内に移動可能に装着された飲料の計量分配用容器であって、前記容器が、本物の乳固形分を含む無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物を保持している、飲料の計量分配用容器と、
(b)水と前記無菌濃縮物を混合するための前記計量分配用容器と連通して配置されている水の供給源と、
(c)前記水及び濃縮物のための混合チャンバと、
(d)予め設定された分量の前記無菌の濃縮物を前記水と混合するために前記混合チャンバ内に送るためのポンプと、
(e)前記容器内の前記濃縮物の無菌状態を維持しながら、前記混合チャンバ内に前記濃縮物の一部分を無菌的に送るために、前記計量分配用容器に取り付けられ、前記ポンプに動作可能に係合するように配置された導管と、
(f)本物の乳固形分を含む前記液体飲料を計量分配するために前記混合チャンバと連通する計量分配用ノズルとを有する、ディスペンサ。
【請求項26】
前記計量分配用容器が使い捨てである、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項27】
前記計量分配用容器が折りたたみ式バッグであり、前記導管が可撓管である、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項28】
前記計量分配用容器が、前記濃縮物を送るための前記導管と連通する放出ポートを有する、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項29】
前記ポンプが、前記容器から前記濃縮物を無菌的に送るために、前記導管に動作的に係合する蠕動ポンプである、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項30】
前記計量分配用容器が、キャリア内に配置された使い捨ての折りたたみ式バッグである、請求項25に記載のディスペンサ。
【請求項31】
前記折りたたみ式バッグが、前記ハウジング内に前記容器を支えるための前記キャリアに配置され充填ポート及び放出ポートを有する、請求項30に記載のディスペンサ。
【請求項32】
液体飲料を計量分配するために、温水を供給するための水の供給源としての加熱されたタンクを有する、請求項30に記載のディスペンサ。
【請求項33】
本物の乳固形分を含む高温の液体飲料を計量分配するためのディスペンサにして、
(a)周囲温度及び圧力のもとでハウジング内に移動可能に装着された、飲料の計量分配用容器であって、前記容器が、本物の乳固形分を含む無菌の超高温(UHT)液体飲料の濃縮物を保持している飲料の計量分配用容器と、
(b)水と前記無菌の濃縮物を混合するために前記計量分配用容器と連通して配置された、加熱された水の容器と、
(c)前記水及び濃縮物のための混合チャンバと、
(d)前記水と混合するために、予め設定された分量の前記無菌の濃縮物を前記混合チャンバ内に送るための蠕動ポンプと、
(e)前記容器から前記混合チャンバ内に前記濃縮物の一部分を無菌的に送るために、前記計量分配用容器に取り付けられ、前記蠕動ポンプに動作可能に係合するように配置された可撓管と、
(f)本物の乳固形分を含む前記高温の液体飲料を計量分配するために前記混合チャンバと連通する計量分配用ノズルとを有するディスペンサ。
【請求項34】
前記計量分配用容器が、キャリア内に配置された使い捨ての折りたたみ式バッグである、請求項33に記載のディスペンサ。
【請求項35】
前記折りたたみ式バッグが、前記ハウジング内に前記容器を支えるための前記キャリアに配置され充填ポート及び放出ポートを有する、請求項34に記載のディスペンサ。
【請求項36】
前記計量分配用容器、ポンプ、及び加熱された水の容器が、前記濃縮物に対する水の比率が約3:1から約4:1で水と前記濃縮物を計量分配するように構成された、請求項33に記載のディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−525303(P2007−525303A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501761(P2007−501761)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/021133
【国際公開番号】WO2005/094642
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505259491)ムー テクノロジーズ、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】