説明

本発明の非平行形状フィールドを有するX線源

【課題】実質的に円柱形または球形処理装置に特に適している収束または発散放射パターンを生成するX線照射装置の実現。
【解決手段】X線照射装置であって、放射の収束パターンを有するX線を生成するための、連続な、実質的に凹面の放射素子909は電子を放射し、加速フィールドは、適切な電圧を、放射された電子が目標材料905に向かって加速して衝突するように加えることにより、放射素子909と目標材料905の間に確立される。そのような衝突から生成されたX線は、内部チューブ911内の目標体積913に向かって導かれる。このようにして、目標体積の内容物が効率よく照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般的には、X線の生成および使用法に関し、より特別には、連続源からの収束または発散X線放射パターンを生成するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
X線の形状での高エネルギー電磁放射は、幅広い分野および試みにおいて使用されている。医学的撮像におけるX線の使用は、多くの人にとっては、おそらく最も身近な例であるが、他の使用法も数多く存在する。例えば、X線は、撮像目的ではなく、医薬品または薬物などの活性化を目的とする医療的状況において使用できる。更に、石油の探索または表面下の撮像と関連してなどのように、地中および地質探査におけるX線放射の使用法が数多く知られている。X線放射の1つの有効的使用法は、生物的および他の汚染を削減するための薬物の処理にある。例えば、食品に照射することで微生物を殺し、食品を消費する際の安全性を高めることができる。廃水または排水は同じように照射して汚染を削減できる。
【0003】
しかし、これらの機能のある面においては、X線と同じように有益ではあるが、その放射を生成して導く効率は、現在のところ最適とはいえない。典型的なX線源は、点源電子生成器、加速器、および金属目標を備える。動作中は、点源により生成された電子は加速器を通して加速され、金属目標に衝突する。高エネルギー電子が目標に衝突すると、X線放射が発せられる。
【0004】
典型的には、発せられた放射は目標の組成および構成、衝突する電子のエネルギーおよび分散などに依存して、衝突の範囲を超えて円錐状のパターンで拡散する。この発散放射パターンから、衝突の範囲からの所定の距離rにおける放射の照射量は、ほぼ逆2乗(1/r2)で減衰することが分かる。この放射パターンを適切な照射量で効果的に採用するためには、距離と共におこる減衰を補う強い放射フィールドが生成されなければならず、関心の対象は、放射円錐の中に適切に置かれなければならない。ある放射源は、最適とはいえない放射パターンを補正するために、複数の点源、または1つまたは2つ以上の可動点源を使用するが、そのようなシステムは、それ自身の本質的な欠点と複雑さを有している。特に、源のタイミング、位置決めなどに関連する複雑さは通常のことである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の簡単な概要
本発明の実施形態により、X線の生成および使用法に対する新しい技術が提供される。ここで記述される技術は、点源ではなく、1つまたは2つ以上の放射表面を利用する。放射表面と目標表面の形状は、本発明の実施形態においては、放射表面からの電子が目標表面に衝突することより収束放射フィールドが生成されるようになっている。本発明の更なる実施形態においては、目標表面は、管状部材の外部表面に、収束放射フィールドが管状部材内で起きるように位置している。これは、液体、気体などの流動性材料の放射処理に対しては特に有効である。
【0006】
しかし、より一般的には、本発明は、実施形態において、部材の1つにおいて生成された電子が、収束または発散するような方法で部材間で加速し、第2部材において、またはその上で金属目標フィルムに衝突するように置かれ、かつ構成された、類似の凹面(角度に関しては必ずしも類似している必要はないが方向において類似する)を有する2つの部材の使用法に関連する。これらの衝突に応答して生成されるX線は、収束パターンで第2部材を通り、それを超えて放射し、または第2部材により反射される。
【0007】
本発明の1つの実施形態においては、複数の分離X線生成装置が、直列および/または平行に使用されて、それに制限されるわけではないが、液体を含む流動性材料を照射する。本発明の更なる実施形態においては、第1および第2部材間の空間は、電子損失および電子エネルギー損失を最小にするために排気され、それにより電子が、発生源の表面と、X線生成表面または素子の間を通るときに、効果的にエネルギーを取得できるようになる。
【0008】
本発明の追加的な特徴と優位点は、添付図を参照して進められる例示として実施形態の下記の詳細な記述から明白になろう。
【0009】
添付された請求項は、本発明の特徴を詳細に記述するが、本発明は、その目的と優位点と共に、添付図と連係して行われる下記の詳細の記述から最も良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態によるX線生成装置の側断面図である。
【図2】本発明の更なる実施形態によるX線生成装置の側断面図である。
【図3A】本発明の1つの実施形態による半球X線生成装置の透視側面図である。
【図3B】本発明の1つの実施形態に従う内部および外部曲面シートを備えるX線生成装置の透視側面図である。
【図4】本発明の1つの実施形態によるX線生成装置の一部の、明確にするために凹面を省略した簡略化した概略図である。
【図5】本発明の1つの実施形態に従うマルチパスフロースルー処理システムおよび構成要素X線生成装置の概略図である。
【図6】本発明の1つの実施形態に従うデュアルX線生成装置を備える、シングルパス平行処理システムの概略図である。
【図7】本発明の1つの実施形態によるプロトタイプのX線生成装置の写真である。
【図8】本発明の1つの代替実施形態に従うX線生成装置の側断面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態における線Aのレベルでの、図8の方向Bに沿う端部断面図である。
【図10】本発明の別の代替実施形態によるX線生成装置の側断面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態による装置内の40kV電子エネルギーでのX線スペクトルのプロットである。
【図12】本発明の更なる代替実施形態によるX線生成装置の側断面図である。
【図13】図12の装置に対する、本発明の1つの実施形態による使用環境の略図である。
【図14】本発明の1つの実施形態によるX線放射装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、X線の生成および使用法に関し、本発明の実施形態においては、収束放射フィールドを生成する新しいシステムと技術を含み、特に媒体を通る流れの照射に適しているが、他の使用にもまた適している。概観において、本発明の例としての実施形態による構成は、内部チューブと外部チューブを備えている。電子は外部チューブの内部表面上のエミッター層から抽出され、内部チューブに向けて加速される。内部チューブの外部表面上の目標層との衝突によりX線放射が発せられる。衝突点は、内部チューブの表面について実質的に一様に存在するため、結果としての放射フィールドは、本質的に軸対称であり、内部チューブの中心軸に向けて収束する。
【0012】
本発明の実施形態を、添付図を参照してより詳細に記述する。図1を参照して、本発明の実施形態によるX線生成装置の側断面図が示されている。X線生成装置100は、中空管状内部部材103と実質的に同軸関係にある、中空管状外部部材101を備える。内部管状部材103と外部管状部材101は、それぞれの場所に保持され、第1環状絶縁端部キャップ105と、第2環状絶縁端部キャップ107によりお互いに電気的に絶縁されて維持されている。端部キャップ105、107は、内部管状部材103と外部管状部材101と、ネジ止めまたはすべり接触などにより、直接接触していてもよい。または、管状シールまたはガスケット109、111を、図示されたように、端部キャップ105、107と内部管状部材103および外部管状部材101の間に内挿してもよい。適切なシールおよびガスケットには、Viton、または銅ガスケットなどのようなゴムシールがあり、これはこの技術に精通した者には理解されよう。
【0013】
ゲート制御されたフィールドエミッター源のような環状電子エミッター源113が、外部管状部材101の内部壁に沿って位置している。同様に、環状金属目標層115が、内部管状部材103の外部表面上に位置しており、図示されていない絶縁層により、内部管状部材103から絶縁されていても、いなくてもよい。金属目標層115およびゲート制御されたフィールドエミッター源113のゲートは、端部キャップ107の外部から電気的にアクセス可能である。本発明の1つの実施形態においては、それぞれのリード121と119は、この技術において精通した者には理解されるように、高電圧供給スルーなどを介してのように、端部キャップ107を通して構成要素に接続されている。また、ゲート制御されたエミッター源113のエミッターフィルムは、高電圧供給スルーまたは類似の機構を介してのように、端部キャップ107を通してリード117を介して電気的にアクセス可能である。
【0014】
最後に、外部管状部材101は、外部管状部材101の外部から、外部管状部材101と、内部管状部材103と、端部キャップ105、107により画定される内部空間125へのポータル123を有している。このポータルは、主に内部空間125を、装置100の動作中に排気して真空(10-6Torr未満のような)にし、加速された電子が、エミッターフィルムから飛び去り、金属目標層115に衝突する前に、外部分子または粒子との衝突を最小限に抑える。また、ポータル123は、装置100が使用されていないときに、内部空間125を、窒素ガスまたは他の不活性ガスなどで充填し直すために使用される。
【0015】
種々の材料を、内部管状部材103および外部管状部材101の構築に使用できる。しかし、内部管状部材103および外部管状部材101の両者が、内部空間125内で維持される真空レベルを維持し、それに耐えることができるということが重要である。また、内部管状部材103の厚さと材料は、加速電子が金属目標層115と衝突することにより生成された内部に向けられたX線のいずれもが、内部管状部材103の壁を実質的に通過して、その内部空間127に入ることができるように、内部管状部材103が実質的にX線放射に対して透明になるようなものであることが望ましい。十分なX線透過率の材料の例としては、ガラス、プラスチック、薄い金属、ベリリウム、水晶、グラファイト、窒化硼素などがある。
【0016】
また、外部管状部材101に関しては、この部材が、装置により生成されたX線に対して実質的に不透明であるか、またはそのようなX線に対して実質的に不透明な材料によりコーティングされていることが望ましい。これは、装置内で生成されたX線の一部が、外部に向けられるか、または散乱されるからである。外部管状部材103のシールディング特性は、すぐ近くの人員および/または材料を放射による損傷から保護することが所望される場合は、このように重要である。好ましくは、外部管状部材103は、合理的な厚さ、例えば、3.048mm(0.12インチ)の、管状ステンレス鋼またはアルミニウムから構築されるが、他のいかなる材料または複数の材料を、上述した原理内で使用することができる。
【0017】
金属目標層115に関しては、この層は、使用される特別な電圧および間隔により生成される電子エネルギーが、材料からX線放射を引き起こすのに十分であると好ましい。適切な材料としては、例えば、Cu、W、Moなどがある。この層は、蒸着、スパタリングなどにより堆積してもよく、またはフォイルのような形状で配置してもよい。
【0018】
この技術において精通した者には理解されるように、そのようなシステム内で使用できる加速電圧は、誘電破壊が問題になるくらいに高い。典型的な電圧は、10−500kVのオーダーである。更に、電界は、上述した管状部材に端部のような、突出部または不規則部に集中する傾向がある。従って、誘電破壊を未然に防ぐには、電子放射表面と目標X線生成表面または素子の間の露出部および不規則部を最小限に抑えることが一般的に望ましい。
【0019】
図2は、凹面の電子放射およびX線放射表面であって、実質的に同じ方向の凹面の表面を有するX線生成装置の断面図である。図2は、図3Aに示されている構成の装置から得られた側断面図を表現していることが分かるが、それはまた球形または半球形の凹面ではなく、円柱形の凹面を有する装置にも適用される。
【0020】
外部管状部材の壁203は、内部管状部材の壁201と同様に、断面図で見ることができる。エミッターフィルムおよびゲートは、それぞれの素子205と207により示されている。金属目標層は、素子209により同様に表現されている。加えられた電圧も同様に概略が図示されているが、組み立てられたシステムにおいては、リード209により供給されるようないかなる高電圧も典型的には、単純なリードではなく、高電圧供給スルーを介して加えられるということが理解されよう。
【0021】
エミッターフィルム205は、接地電圧または基準電圧VREFに維持されていることが分かる。エミッター抽出格子(ゲート)207は、電位VE−VREFが、エミッターフィルム205から電子を抽出するのに十分であるように、エミッター抽出電圧VEに維持される。金属目標層209は、加速電圧VAに維持される。動作中、エミッターフィルム205から抽出された電子は、ゲート207と目標層209の間の領域でいったん加速し始める。加速は加えられた静電加速力に実質的に比例するが、それ自身も電圧差VA−VEに比例し、ゲート207と目標層209間の半径方向距離に逆比例する。より高い加速電圧は、より高い電子エネルギーを生み出すが、そのような電圧の最大値は、アークまたは誘電破壊の発生により制限されるのと同様に、端部キャップ、供給スルーなどの絶縁限界により制限される。
【0022】
上記のシステムのいくつかは、同心管状部材を利用しているが、多くの他の幾何学形状も同じ原理を採用して、円柱状にまたは球形状に収束するX線フィールドを生成できるということは理解されるであろう。そのような配置の選択の例が、図3A−Bに示されている。特に、図3Aにおいては、半球状のX線生成装置301が示されている。内部シェル305および外部シェル303は、上記の実施形態の、内部および外部管状部材と同じ機能を実行する。特に、シェル303と305の間の空間は、電子加速領域であり、目標層(図示せず)は、内部シェル305の外部に位置し、ゲート制御されるなどの電子エミッター(図示せず)は、外部シェル303の内部に位置している。電子加速領域を排気するために、シェル303と305のエッジを、絶縁端部リングによるように一緒に密封するか、または装置を単に、分離された排気チャンバ内で使用する。
【0023】
内部シェル305は、凹面状なので、生成された放射フィールドは、同心球形シェル303と305の中心近くにおける領域において実質的に収束するということは理解されるであろう。追加的非収束放射フィールドもまた生成されるが、それはここでは関心の対象ではないということは理解されるであろう。図示したように、本発明の1つの実施形態においては、同心球形シェル303と305の焦点は、内部シェル305により画定される部分的に囲まれた目標体積内またはその上に存在する。
【0024】
内部シェル305と外部シェル303の凹面は、装置により生成される放射の収束パターンを画定するように制御できる。例えば、よりよく焦点の合った凹面は、放射パターンを引き締め、または狭くする傾向があるが、あまり焦点の合っていない凹面は、パターンを広げる傾向がある。このように、放射の収束パターンの断面は、10度、45度、90度、180度、270度などの、または、制限なしにその中間のいかなる値などの所望のいかなる範囲にも大部分を閉じ込めることができる。球形または部分的球形形状に関して、放射の収束パターンを同じように閉じ込めることができる、つまり、πステラジアン、2πステラジアンなど、またはその中間のいかなる値にも、大部分を閉じ込めることができる。
【0025】
1つの代替としての配置が図3Bに示されている。特に、X線生成装置は、内部曲面シート311と外部曲面シート309を備える。上記の本発明の実施形態と類似して、内部シート311と外部シート309は、内部および外部管状部材と同じ機能を実行する。シート309と311の間の空間は、電子加速領域であり、図示されていない目標層は、内部シート311の外部に位置し、図示されていないゲート制御される、またはゲート制御されないエミッターは、外部シート309の内部に位置している。ここでも、電子加速領域を排気するために、シート309と311のエッジは、絶縁エッジ備品によるように一緒に密封されるか、または装置を単に、排気チャンバ内で使用する。更に、内部シート311は凹面状なので、生成された放射フィールドは、内部シート311の内部に画定された体積内またはその近くで、実質的に半径方向に収束する。
【0026】
読者に便利なように、電子抽出および加速処理の簡単な説明を、X線放射処理の説明と共に図4を参照して行う。図4は、X線生成装置の一部の簡略化した概略図を示しており、凹面は理解を容易にするために省略してある。外部壁のセクション401は、その上にエミッターフィルムのセクション403と抽出ゲート405を有する。内部壁のセクション409は、その上に目標金属フィルムとまたはフォイルのセクション407を有する。動作中、単一電子の経路を見ると、その電子411は、抽出電圧VEによりエミッターフィルム403から抽出され、加速電圧VAにより、内部壁407に向かって加速される。
【0027】
壁間空間413を横切り、その中で加速した後、電子は、点415において金属目標フィルム407に衝突する。衝突により、X線範囲のエネルギーを有する1つまたは2つ以上のフォトンが生成される。例示されたX線417は、装置の中心に向けて導かれるように示されているが、あるX線418はまた、外部壁に向けて逆方向に散乱する(または管状アセンブリでは、内部管状部材の遠端部を通り、外部管状部材上の対向する点に向けて進み続ける)。このようにして、上に記したように、外部壁はシールディング特性を有するか、シールディング層を含むべきである。
【0028】
本発明の例としての実施形態による多くのX線生成装置を記述してきたので、本発明の更なる実施形態によるそのようなシステムの例としての使用法のいくつかをここで検討する。図5は、上述したマルチパスフロースルー処理システム500と構成要素としてのX線生成装置を、より高いレベルの図で示している。システム500は、入口503と出口505を有し、図1を参照して上述したような第1X線生成装置507と第2X線生成装置509を通過するパイプまたは導管501を備える。共有ポンプ513と電源511は、各X線生成装置507と509に接続されて示されている。
【0029】
液体物質が入口503に流入した後、それは最初に第1X線生成装置507を通り、その後、流れは第2X線生成装置509を通って戻り、物質は出口505から放出される。X線生成装置をそれぞれが通過する間、液体は、上述した方法で生成され導かれたX線放射により照射される。このようにして、このタイプの放射に影響を受け易いいかなる生物的成分または化学的元素成分は死滅、破壊、または所望の形状に修正される。必要とされる放射の強度およびエネルギー範囲は、影響を受ける微生物、目標材料などの濃度と共に、そのX線吸収特性、所望する最終結果を含めた、照射を所望する材料に基づいて計算されるということに留意されたい。例えば、PCBの破壊を引き起こすことが所望される場合もある。分子の塩素原子が、X線放射によりその結合が切断されることにより除去されると、HCL、水およびCO2などの無害の最終生成物という結果になる。上記の例が示すように、X線放射を調整することにより特別な反応を目標とすることができる。
【0030】
これの別の例は、バッチや重合ではなく、フロースルーを容易にすることにある。適切なモノマーおよび/またはオリゴマーは、上述のシステムのいずれをも通過することができる。システムにより生成されたX線は、イオン化を引き起こし、自由基の重合を誘発する。そのような連続処理により提供される多くの利点に加えて、本システムはまた従来のUV重合を、X線がより低い吸光度を有するという点において改良する。この明細書において他の場所で記載した電子ビーム装置もまた、高エネルギー電子は典型的に吸光度が増大するという事実を補償するために許容誤差が必要となるが、このようにして使用できる。
【0031】
材料のより多くの量を処理する必要がある、または所与の材料の量を非常に急速に処理する必要がある本発明の別の実施形態においては、対象となる材料は、高い処理効率で、図6に示された平行処理法により処理できる。特に、図6のシングルパス平行処理システム600は、共有ポンプ613と電源611と共に、図5を参照して上述したような、デュアルX線生成装置607と609を備える。しかし、図5に示す装置とは異なり、処理システム600は廃水を単一の工程で処理するが、効率を向上するためにマルチパスを提供する。このように、入口601に流入する液体材料は、X線生成装置607と609のいずれかを、但し、両方ではなく、通過することができる。X線生成装置607と609における処理の後、液体は組み合わされて、出口603において排出される。
【0032】
本発明の1つの実施形態において、図5と6による処理システムが、メンテナンス、格納、または輸送のために分解できることは望ましい。このようにして、入口、出口、および接続パイプ、導管などは、標準真空状態、配管、および電気的ハードウェアを介して、取外しができ、再インストールできることが好ましい。
【0033】
上述の処理システムは単に例であり、素子のいかなる組合せおよび構成は本発明内で可能であることに留意されたい。例えば、各経路において複数のX線生成装置を含む平行システムが可能であり、同時に平行サブシステムを直列に備える直列処理システムも可能である。更に、共有構成要素が示されているが、その点に関しては、本発明には何ら制限が加えられるものではなく、X線生成装置は、所望の専用または共有支持装置を使用できる。
【0034】
本発明の1つの実施形態によるプロトタイプの装置の構成と動作を、下記により詳細に記述する。装置は、生成されたX線がチューブの中心において、約1000グレイの照射量で材料が処理されるように構成および操作されることが好ましい。この照射量レベルは、一般的に、食料品における細菌を殺すのに十分であり、また一般的に、例えば廃水化合物内の元素結合を解離するのに十分なエネルギーである。
【0035】
プロトタイプ装置701は図7に示されている。装置は約914.4mm(36インチ)の長さで、高さは1524mm(60インチ)であるが、両者の測定値は厳密なものではなく、いずれかまたは両者共、本発明の範囲から逸脱することなくもっと大きくまたは小さくてもよい。装置の、見ることのできる外部容器703は、図1のチューブ101のような、装置の外部チューブに対応する。装置は、図1に図示されたものと類似しているが、プロトタイプのエミッター層はゲート制御されない、つまり、プロトタイプのX線源は、ダイオードモードで操作される。装置701は、12.5μmの厚さの銅箔がその上にラッピングされて半田付けされた直径76.2mm(3インチ)の水晶チューブを取り囲むように同心円状に位置された、直径84.201mm(3.315インチ)のグラファイトシリンダーの、50.8mm(2インチ)の長さのセクションから構成されている。このように、グラファイトチューブは図1のエミッター層113(ゲートは省略してある)に対応し、一方、銅箔は環状金属目標層115に対応する。直径76.2mm(3インチ)の内部水晶チューブは、図1の中空管状内部部材103に対応する。
【0036】
この技術に精通した者には理解されるように、高および超高真空度レベルは、典型的に多段ポンピングのみにより達成できる。例えば、高真空度(1.33322×10-4Pa(10-6torr)のオーダー)は、機械的または「荒引き」ポンプの支援で、ターボ分子ポンプによるチャンバのポンピングにより達成できる。超高真空度は、最初は、上述のシステムによるのと同様に高真空度までポンピングし、その後、イオンポンプのようなUHVが可能なポンプに切り替えることにより達成できる(適切なチャンバ内において)。本発明のほとんどの実施形態においては、高真空度レベルで十分であり、超高真空度は不要である。このように、プロトタイプは、図示しない機械的荒引きポンプによる支援のターボ分子ポンプ705を利用する。
【0037】
40kV電子エネルギーの空間127内で得られた典型的なX線スペクトルが図11に示されている。図に示されたプロットの縦軸は光子総数を表わし、横軸は光子エネルギーを表わしている。装置701の底面圧は6.7994×10-4Pa(5.1×10-7torr)で安定させてある。
【0038】
本発明の1つの実施形態においては、銅箔ではなく、堆積銅フィルムが金属目標層として使用される。本発明の別の実施形態においては、モリブデン目標層が使用される。タングステンも使用されるが、コーティングが容易なため、モリブデンが好ましい。
【0039】
プロトタイプは透過モード装置であるが、下記により詳細を検討する、同様に構成されている反射モードでも作動するということに注意されたい。本発明の1つの実施形態においては、フィールドエミッターは、熱イオンエミッターにより置き換えられている。熱イオン装置もまた、反射または透過モードのいずれでも作動する。
【0040】
この点に関して記述される本発明の実施形態においては、内部チューブ103に近接するX線放射という結果になる、外部チューブ101に近接する例としての電子放射が使用される。しかし、このモードにおいては、透過モードと言及され(X線は、それが生成された深度によっては、少なくとも部分的には金属目標層を通過しなければならないため)、X線強度は、目標層(例えば、層115)における再吸収のため、ある程度は減少する。この問題を緩和するためには、反射モードもまた使用できる。反射モードにおいて作動可能な装置の例は、図8と図9を参照して記述される。
【0041】
図8は、図1に示したものに類似した、円柱形X線生成装置の側断面図を示している。しかし、図8の装置は、2点の主要な態様において図1のものとは異なっている。第1に、図8の装置は、電子生成素子813が内部チューブ803の外部表面にあり、電子目標(X線生成)素子815が外部チューブ801の内部表面にあるという点で逆構成である。第2に、図8に示される装置は、図1に示される三極管装置ではなく、ダイオード装置(ゲート制御されない電子エミッター813のため)である。後者の違いは、重要ではなく、透過および反射装置は両者とも、製作者の好みにより、ダイオードまたは三極管モードのいずれのモードでも構成でき、作動できるということに注意されたい。例えば、この技術に精通した者には、図1の装置のような装置は、フィールドエミッター層113の代わりに、熱イオンエミッター層を使用してもよいということを理解できるであろう。更に、図8の反射装置は、熱イオンダイオードモード装置と同様に構成されているが、ゲート制御されるエミッター層を、素子813の代わりに使用してもよいということは理解されるであろう。
【0042】
図8に示される電子放射素子813は、絶縁内部チューブ803の周りをワイヤでラッピングされている。ワイヤーラッピングの間隔は、図示されているように約50%であるが、もっと大きいまたは小さな間隔を使用してもよい。ワイヤ813の電子生成特性およびX線吸収特性は、所望される場合は、最適な間隔を決定するために使用できる。熱イオン放射素子は、作動中に非常に高温になる場合があり、内部チューブおよび/または外部チューブの材料によっては、熱イオン放射措置を、絶縁スペーサロッドなどを使用して、チューブの1つまたは両者から距離を置くように維持することが望ましい。配置の例は、図10を参照して下記で検討される。
【0043】
目標層815は、透過モードと同様に、銅フィルムまたは銅箔であってよいが、層を通してのX線透過は望ましくなく、または必要ないので、もっと厚くてもよい。モリブデン、タングステンなどの他の材料を、この層815の代わりに使用してもよい。目標層815の所望の量は、十分に高いエネルギーの電子が衝突したときにそれがX線を発するような量である。
【0044】
目標層815は、リード821を介して電圧源に接続されており、一方、電子生成素子813は、リード817aと817bを介して電圧源に接続されている。この場合、ワイヤ813の端部における相対電圧は、ワイヤを流れる電流を確立するが、一方、目標層815とワイヤ813上の点の間の電圧差は、放射電子の衝突エネルギーを確立する。
【0045】
示されたように、熱イオンダイオードモードで操作されると、ある電圧が電子生成素子813に加えられ、また、ある電圧が目標層815に加えられる。結果としてのフィールド強度は、放射電子を目標層815に向けて加速するのに十分であり、それにより、目標層815内でX線の生成を引き起こすのに十分な衝突エネルギーを電子が得ることになる。目標層はX線に対してそれほど透過性がよくないので、生成されたX線の大半は反射され、または装置の内部に向けられる。この放射のほとんどは、生成素子813に衝突するか、素子813のコイルの間を通過して、内部空間827に入り、その内容物を照射する。電圧は、装置の幾何学形状、構成、および材料が与えられれば、所望の放射レベルを達成するように設定することができる。
【0046】
図9は、電子およびX線放射処理をより詳細に示している。図9は、図8の線Bに沿う、およそ線Aあたりの薄いスライスの上面の断面図を示している。装置901は、内部に向かう同心円の順に、外部チューブ903(801)、電子目標およびX線放射層905(815)、電子/X線横方向空間907(825)、電子放射素子909(813)、内部チューブ911(803)、および、材料を通過する流れを照射するための目標体積913(827)を備えている。作動中、ある電圧が電子放射素子909に加えられ、平均電圧V1もまた、素子909上の点において確立され、電圧V2が電子目標およびX線放射層905に加えられる。電圧差V2−V1は典型的には、先に検討したように、10〜500kVのオーダーであるが、より大きなまたは小さな電圧を使用してもよい。
【0047】
加えられた電圧差の結果として、電子が電子放射素子909から放射され、電子目標およびX線放射層905に向けて加速される。簡潔に表現するために3個の電子のみを示しているが、動作電圧において、莫大な数の電子が典型的に生成されるということは理解されよう。このように加速された電子は、衝突ゾーン915において電子目標およびX線放射層905に衝突し、多くのそのようなゾーン915からのX線放射の生成という結果になる。図示された各ゾーン915はX線放射を示しているが、X線放射は各衝突ゾーンで不変的に起こるのではないことは理解されよう。更に、X線放射は、内部に向かうようにして図示されているが、ある生成されたX線放射は、異なる方向に向けることもできるということは理解されよう。
【0048】
図示されたように、生成されたX線放射の一部は、目標体積913に向けて導かれる。本発明の図示された実施形態においては、電子放射素子909はスパイラル状に巻かれたワイヤであることに注意すると、目標体積913に向けて導かれた放射の一部は、電子放射素子909により止められ、一方、別の一部は、素子909のコイルと内部チューブ911間を通過し、目標体積913に入り込み、その現在の内容物を照射する。
【0049】
図示された反射モード装置は、本発明の範囲内で、非常に幅広く変形され得ることは理解されよう。例えば、電子放射素子909は、ワイヤの代わりに、シート、リボン、フィルム、またはフォイルであってよい。更に、熱イオン放射のために、素子909の材料は、それに制限されるわけではないが、グラファイト、金属、または金属合金、または非金属合金、またはこれらの組合せを含む、適切な材料ならいずれでもよい。例えば、トリウムタングステン、および六ホウ化ランタンは適切な材料である。更に、電子放射の機構は、それに制限されるわけではないが、熱イオン放射、フィールド放射などの適切な機構のいずれであってもよい。更に、電子目標およびX線放射層905は、適切な材料および構成であればいずれでもよい。例えば、銅、タングステン、モリブデン、または他の適切な材料いずれも使用でき、層905の構成は、部分的または連続的であり、X線シールドとして作用しても、しなくてもよい。更に、図8と図9に示された反射装置の形状は円柱形であるが、上述したような、またはその他の適切な形状が、本発明の範囲内でいずれも使用できるということは理解されよう。
【0050】
図10は、図8の装置にある点において類似している、熱イオンダイオードモード透過X線生成装置の、側断面図を示している。熱イオン電子放射ワイヤまたはフィラメント1013は、水晶支持ロッド1021の円柱形配置の周りに巻かれている。電気リード1017aと1017bにより、電流が素子1013を通過することが可能になる。外部チューブ1001は、内部チューブ1003と共に、電子放射フィラメント1013と水晶支持ロッド1021を取り囲み、その上には、電子の衝撃に応答してX線を生成する金属目標材料1015が位置している。端部キャップ1029もまた設けられており、内部チューブ1003と外部チューブ1001の間の空間1025を排気できるように位置している。
【0051】
作動中、電子放射フィラメント1013は、電流がそこを流れるときに抵抗として加熱され、結果として電子を放射する。加速フィールドは、適切な電圧を、放射された電子が目標材料1015に向かって加速して衝突するように、これらの素子に加えることにより、フィラメント1013と目標材料1015の間に確立される。そのような衝突から生成されたX線は、多くの方向に向けられるが、かなりの数は、内部チューブ1003内の目標体積1027に向かって導かれる。このX線放射の一部は、目標材料1015と内部チューブ1003を通過して、目標体積1027に入る。このようにして、目標体積の内容物が効率よく照射される。
【0052】
上記に教示された原理が与えられれば、動作の他の多くのモードが本発明内で利用できる。一般的に、本発明に従うX線生成装置は、電子放射に関して、フィールド放射または熱イオン放射モードのいずれにおいて作動できる。これらのモードにおいて、装置はダイオードまたは三極管モードで作動し、更に、反射または透過モードで作動する。ダイオードモードにおいて、電子エミッターはゲート制御されないが、三極管モードでは、エミッターはゲート制御される。更に、反射モードでは、X線の目標体積は、X線エミッター表面または素子の、電子衝突と同じ側に存在し、透過モードにおいては、X線の目標体積は、X線エミッター表面または素子の、電子衝突から反対の側に存在する。
【0053】
このように、一般的には、いくつかの動作モードの例としては、(1)フィールド放射(ダイオード/透過)、(2)フィールド放射(ダイオード/反射)、(3)フィールド放射(三極管/透過)、(4)フィールド放射(三極管/反射)、(5)熱イオン放射(ダイオード/透過)、(6)熱イオン放射(ダイオード/反射)、(7)熱イオン放射(三極管/透過)、および(8)熱イオン放射(三極管/反射)がある。上記で検討した図1、2、および4は、フィールド放射(三極管/透過)装置の例を示し、一方、図8と9は、熱イオン放射(ダイオード/反射)装置の例を示している。図10は、熱イオン放射(ダイオード/透過)装置の例を示している。これらの図は、透過および反射動作と、ダイオードおよび三極管動作と、熱イオンおよびフィールド放射動作を図示しているので、これらの図の素子は、上記の原理により配置することができ、他のタイプの装置いずれをもまた構築することができる。
【0054】
上述した本発明の実施形態は、大規模な水純化処理および廃水処理のような、産業界での適用という状況において検討されたが、上述した本発明の実施形態はまた、非商業的状況においても適切であるということは理解されよう。例えば、本発明の1つの実施形態においては、上述した原理による小さな装置は、純化機能を提供する家庭の台所の電化製品と関連付けられる。例えば、そのような装置は、蛇口における飲料水源、冷蔵庫、コーヒーメーカーなどと繋げて配置してもよい。また、本発明の1つの実施形態においては、上述したようなフロースルー処理装置が、腐敗槽や都市下水システムに流れ込む前に、廃水を家庭で処理するために使用される。
【0055】
上述した本発明の実施形態においては、X線放射が装置の外まで広がらないように装置を遮蔽することが望ましかった。しかし、本発明の1つの代替実施形態においては、材料を装置の内部ではなく、外部で照射することが望ましい。例えば、X線放射は、パイプまたは導管のような狭い空間の内部から使用され、ひび割れや他の問題となる状況をチェックする。導管が無傷であることは、核パワープラントの冷却システムのような特別な適用と共に、産業界または家庭での配管において極めて重要である。
【0056】
X線を生成してそれを外側に導く装置が図12に示されている。この装置は、図8の装置と類似しているが、もっと小さくてもよく、軸方向のフロースルー開口部を有していない。より詳細には、装置1200は、その内部表面上に目標材料1203を有する円柱形外部シェル1201を備えている。目標材料は、上記で検討した目標材料のいずれでもよく、生成されたX線を遮蔽しないように十分薄く、または十分に拡散性がある。同様に、外部シェルは、ポリマー材料、グラファイト、ベリリウム、または薄い金属材料のような、十分なX線透過を可能にする材料および構成を備えている。
【0057】
外部シェル1201内には、水晶支持ロッド1205aと1205bが配置され、端部キャップ1207aおよび1207bにより定位置に維持される。端部キャップ1207aと1207bはまた、外部シェル1201により画定される内部空間1209を密封するように機能する。熱イオン電子放射素子1211は、水晶支持ロッド1205aと1205bの周りにラッピングされている。2本のそのような支持ロッドが簡略化のために示されているが、4本または5本以上の、より多くの、等間隔に配置された支持ロッドにより、より均一な電子パターンが可能になり、その結果、X線の生成も均一となる。リード1213aと1213bは、電子放射素子1211に電力を供給し、一方、リード1215は、電圧を目標材料1203に加える。孔1217が、装置の動作のために、空間1209を排気するために使用できる。作動中、ポンピングは続けられ、または孔1217は密封される。
【0058】
装置の動作は、概略、上述と同様である。特に、電圧差が熱イオン電子放射素子1211と目標材料1203の間に加えられる。熱イオン電子放射素子1211により放射された電子は、加えられたフィールドの影響のもとで目標材料1203に向けて加速して、目標材料1203に衝突する。この電子の衝撃に応答して、目標材料1203はX線放射を発する。目標材料1203とシェル1201の両者は、実質的にそのような放射を遮蔽しないので、生成された放射の一部は装置の外側に出て行き、装置の現在の環境を照射する。
【0059】
この装置を使用する方法は、図13に関して、これ以降に記述する。特に、装置1301は、分析されるパイプ1303の内部で低く下げられて図示されている。装置は、好ましくは支持のために線1305に取り付けられる。装置を作動するために使用されるリード1307もまた装置1301に取り付けられている。電源が投入されると、装置は、パイプ1303の壁に衝突するX線1309を放射する。パイプ1303が完全無傷であること分析するために、パイプ1303を透過するX線の変動が、パイプ1303の外側に設置されたX線検出器1311により検出される。または、X線感知フィルムを装置1301に外側にラッピングし、画像強度の変化により、パイプ内の欠陥を検出するのに使用される。
【0060】
装置はある特別な環境において使用されるように図示されているが、その環境は何ら制限されないことに注意されたい。例えば、図示された装置は、サイズが適切であれば、医療目的のために使用することもできる。例えば、そのような装置は、静脈や腔などの体内構造を分析するために、またはそのような構造に放射を加えるために使用できる。例えば、そのような装置は、特別な部位を照射するために使用できる。
【0061】
上記の例において、目標材料1203とシェル1201の両者は実施的にX線放射に対して透過的であったが、それは必要条件ではない。特に、目標材料1203とシェル1201のいずれか、または両者は、所望の出力パターンを生成するために、選択された場所においてX線放射に対して不透明であってもよい。例えば、透過がリング状の場合、ドーナッツ状の放射パターンが生成され、一方、透過がストライプ状の場合、面状またはシート状パターンが生成される。
【0062】
電子衝撃装置は、同じ原理、つまり、電子エミッター、電子エミッターを取り囲む管状部材、および電子エミッターからの放射電子を管状部材に向けて加速するフィールドを作り出すための電圧源を使用して構築できるということに注意されたい。管状部材を通過し、装置から出て行く電子は、外部材料を照射するために使用できる。
【0063】
上記の検討は、反射または透過モードのいずれかで動作する装置に焦点を置いていたが、動作の両者のモードを同時に利用する装置も可能である。図14は、本発明の1つの実施形態によるそのような装置の1つを、側断面図で例示している。装置1400は図12の装置と類似しているが、動作の別個のモードをより明確に記述するために分離して示されている。
【0064】
装置1400は、その内部表面上に目標材料1403を有する円柱形外部シェル1401を備える。ここでは再び、目標材料は、実質的に生成されたX線を遮蔽しないように薄く、十分に拡散性がある。同様に、外部シェル1401は、上記に検討したように、十分なX線の透過を可能にする材料および構成を備える。端部キャップ1407aと1407bは、外部シェル1401により画定された内部空間1409を遮蔽するように機能する。熱イオン電子放射装置1411は、外部シェル1401に内部に、ほぼそれと同心円状に位置している。熱イオン電子放射素子1411は、構造的に自立的であってよく、または、図示していないアーム、ロッドなどにより支持されてもよい。
【0065】
リード1413aと1413bは、電子放射素子1411に電力を供給し、リード1415は、電圧を目標材料1403に加える。上記で検討した図12の装置と同様に、孔1417が、装置1400の動作のために空間1409を排気するために使用され、装置1400の使用のため、ポンピングが中断されるときは密封される。
【0066】
動作中、電圧差が熱イオン電子放射素子1411と目標材料1403の間に加えられる。熱イオン電子放射素子1411により放射された電子は、加えられたフィールドの影響のもとで目標材料1403に向けて加速し、そこに衝突する。結果として、目標材料1403は、X線放射を発する。上記したように、目標材料1403とシェル1401の両者は、そのような放射を実質的に遮蔽しない。このようにして、生成された放射の一部は装置1400の外側へと通過する。また、生成された放射の別の一部は、外部シェル1401の反対側の壁に向けて内部方向に反射される。外部シェル1401内の空隙を横切ると、反射された放射の一部は、外部シェル1401の反対側の壁を通過して、装置1400から出て行く。動作のこの修正モードは、最初に反射されたX線が依然として装置1400から出て行くのであれば、反対側でも、効率を増大させるということは理解できる。
【0067】
図14に示された実施形態に関連する、本発明の1つの代替実施形態においては、装置は更に、これもまたX線放射目標材料でコーティングされた内部管状部材を備える。加速フィールドは更に、電子エミッターと両方の管状部材の間で、電子が、電子エミッターから内部と外部の両方に向けて加速して両方の目標表面に衝突するように維持される。外部表面は、上述したように機能する。内部表面は、より厚くてよく、内部チューブに対して反射モードで動作する。つまり、内部チューブ上のX線放射目標材料において生成されたX線は、外部チューブに向けて導かれ、外部チューブを実質的に通過する。
【0068】
新しく、有効なX線生成技術および装置がここにおいて記述されたことは理解されよう。本発明の原理が適用できる多くの可能な実施形態を考慮すると、図に関して、ここで記述された実施形態は、例示のみのための意味であると認識されるべきであり、本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。例えば、この技術に精通した者は、示された正確な構成および形状は例としてのものであり、例示された実施形態は、配置と詳細において、本発明の精神から逸脱することなくこのように修正され得るということを認識するであろう。例えば、例示された形状またはその他の何れもが、1つまたは2つ以上のエッジにおけるフレアまたはフランジのような、非凹面部または素子を含むように修正でき、それにより影響受ける部材の重要な凹面が無効にならないということは理解されよう。
【0069】
ある数の例をここに記載したが、本発明は、制限なく、これよりはるかに大きなまた小さな規模の装置およびシステムにも等しく適用されるということは理解されよう。同様に、全体的に滑らかな部材がここにおいて例示されたが、全体的に凹面状の部材もそれ自身が、矩形または多角形のような多くの個々の平坦な要素から構成され得るということは理解されよう。例えば、多角形の断面を有するチューブは、円形の断面を有する部材の代わりに、図の1の装置内で使用することもできる。最後に、流体(液体および気体を含む)ばかりでなく固体も、ここで記述したようなシステムを通過し、それにより処理されるということが想定される。システムを流れるのではなく、固体は好ましくは、ベルトまたはシェーカーのようなものにより運搬される。更に、記述した本発明の実施形態は、X線生成に焦点を置いたが、本発明の原理は、X線を生成することなく、材料の電子放射を提供するためにも使用できるということは理解されよう。例えば、図1の装置において、目標層115が電子に対して実質的に透明に、そして内部チューブ103が電子に対して相対的に透明に構成されている場合は、装置は、体積127の内容物の電子照射を提供するために使用できる。従って、ここで記述された本発明は、これに続く請求項とその等価物の範囲にあるような実施形態のすべてを想定している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線生成装置であって、
内部経路と外部表面を有する第1管状部材であって、前記外部表面は、前記表面の少なくとも一部上に、電子衝撃に応答してX線放射を発するX線発生材料を有する第1管状部材と、
実質的に同心円状の関係で前記第1管状部材を取り囲む第2管状部材であって、前記第1および第2管状部材の間に空隙があり、前記第1円柱形チューブの前記外部表面に面する内部表面を有し、前記内部表面はその少なくとも一部上に電子エミッター素子を備える第2管状部材と、を備えるX線生成装置。
【請求項2】
加速フィールドが前記電子エミッター素子と、前記第1管状部材の前記外部表面の間に維持される、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項3】
前記電子エミッター素子は、ゲート制御される電子エミッターである、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項4】
前記電子エミッター素子は、熱イオン電子エミッターである、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項5】
前記電子エミッター素子から発せられた電子は、前記内部管状部材の前記外部表面に向かって加速し、その上の前記X線放射材料に衝突し、それにより前記X線放射を引き起こす、請求項2に記載のX線生成装置。
【請求項6】
前記発せられたX線放射の少なくとも一部は、前記第1管状部材の前記内部経路に入る、請求項5に記載のX線生成装置。
【請求項7】
前記内部管状部材の外部表面と、前記外部管状部材の前記内部表面は空隙を画定し、前記空隙は密封され、周囲の圧力未満に排気される、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項8】
前記空隙は、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満の圧力に排気される、請求項7に記載のX線生成装置。
【請求項9】
前記第1および第2管状部材の少なくとも1つは、実質的に滑らかな断面を有する、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項10】
前記第1および第2管状部材の少なくとも1つは、滑らかでない断面を有する、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項11】
前記第1および第2管状部材の少なくとも1つは、実質的に円形の断面を有する、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項12】
前記第1および第2管状部材の少なくとも1つは、多角形の断面を有する、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項13】
前記第1および第2管状部材の間の前記空隙内に、1つまたは2つ以上の絶縁スペーサを、前記スペーサが、お互いに関して非導電配置にある前記第1および第2管状部材を維持するように備える、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項14】
前記第2管状部材は、X線放射に対して実質的に不透明である、請求項1に記載のX線生成装置。
【請求項15】
目標材料のX線処理方法であって、
前記目標材料を、主要本体と、電子衝撃に応答してX線放射を発する金属層でコーティングされた外部表面と、を有する格納チューブ内に配置するステップであって、前記格納チューブの前記主要本体はX線に対して実質的に透明であって、前記格納チューブは、エミッターチューブの前記内部表面に取り囲まれ、前記エミッターチューブの前記内部表面は、電子エミッター表面を備える、前記目標材料を配置するステップと、
前記エミッター表面から電子を抽出するステップと、
加速電位を、前記エミッター表面と前記格納チューブの前記金属層の間に加えるステップであって、それにより、前記抽出された電子は前記金属層に向かって加速して衝突し、そこからのX線放射の放出を促進し、そのX線放射の少なくとも一部は、前記格納チューブの前記本体を透過し、その中に配置された目標材料に衝突する、加速電位を加えるステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記目標材料は液体材料である、請求項15に記載のX線処理方法。
【請求項17】
前記目標材料はガス状またはプラズマ材料である、請求項15に記載のX線処理方法。
【請求項18】
前記目標材料は固体またはスラリー材料である、請求項15に記載のX線処理方法。
【請求項19】
前記格納チューブと前記エミッターチューブの間の空間を排気して、前記空間内の圧力を周囲の圧力未満に減少することを更に含む、請求項15に記載のX線処理方法。
【請求項20】
前記格納チューブと前記エミッターチューブの間の前記空間を、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満に排気することを更に含む、請求項19に記載のX線処理方法。
【請求項21】
前記格納チューブは、入口と出口を備え、前記目標材料を前記格納チューブ内に配置する前記ステップは、前記材料を前記入口に導き、前記材料を、前記チューブを通して移動し、前記材料を前記出口において取り除くことを含む、請求項15に記載のX線処理方法。
【請求項22】
X線照射装置であって、
放射の収束パターンを有するX線を生成するための、連続な、実質的に凹面の放射素子と、
所定の目標体積であって、前記発せられた放射の少なくともかなりの部分は、前記所定の目標体積に集中するような、所定の目標体積と、を備えるX線照射装置。
【請求項23】
前記放射の収束パターンは、πステラジアンに実質的に焦点を合わせられる、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項24】
前記放射の収束パターンは、2πステラジアンに実質的に焦点を合わせられる、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項25】
前記放射の収束パターンは、10度、90度、180度、および270度から構成されるグループから選択された断面角内で実質的に焦点を合わせられる、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項26】
前記連続凹面放射素子は全体的に凹面であるが、複雑な表面を有する、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項27】
前記連続凹面放射素子は全体的に凹面であり、滑らかな表面を有する、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項28】
凹面電子エミッター素子を備え、前記X線放射素子と、前記電子エミッター素子のそれぞれは、それぞれの焦点を有し、前記電子エミッター素子と、前記X線放射素子の焦点は、前記所定の目標体積と同じ側にある、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項29】
加速フィールドが、前記電子エミッター素子と、前記X線放射素子の間に維持される、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項30】
前記電子エミッター素子は、ゲート制御される電子エミッター層を備える、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項31】
前記電子エミッター素子は、フィールド放射を介して電子を発する、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項32】
前記電子エミッター素子は、熱イオン放射を介して電子を発する、請求項22に記載のX線照射装置。
【請求項33】
前記電子エミッター素子から発せられた電子は、前記加速フィールドの影響のもとで前記X線放射素子に向かって加速し、前記X線放射素子に衝突し、それにより、前記X線放射を引き起こす、請求項29に記載のX線照射装置。
【請求項34】
発せられたX線放射は、前記目標体積に到達するためには、前記X線放射素子を通過しなければならない、請求項33に記載のX線照射装置。
【請求項35】
発せられたX線放射は、前記目標体積に到達するためには、前記電子エミッター素子を通過または通り抜けなければならない、請求項33に記載のX線照射装置。
【請求項36】
前記電子エミッター素子は、その中に空間を有する不連続表面であり、放射は、その中の前記空間を主に通過することにより前記素子を通過する、請求項35に記載のX線照射装置。
【請求項37】
前記電子エミッター素子と前記X線放射素子は、その間に空隙を画定し、前記空隙は密封され、周囲の圧力未満に排気される、請求項28に記載のX線照射装置。
【請求項38】
前記空隙は、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満に排気される、請求項28に記載のX線照射装置。
【請求項39】
前記電子エミッター素子と前記X線放射素子の間の前記空隙内に、1つまたは2つ以上の絶縁スペーサを、前記スペーサが、お互いに関して非導電配置にある前記電子エミッター素子とX線放射素子を維持するように備える、請求項28に記載のX線照射装置。
【請求項40】
X線生成装置であって、
内部経路と外部表面を有する第1管状部材であって、前記外部表面はその上に、電子エミッター素子を有する第1管状部材と、
実質的に同心円状の関係で前記第1管状部材を取り囲む第2管状部材であって、前記第1および第2管状部材の間に空隙があり、前記第1円柱形チューブの前記外部表面に面する内部表面を有し、前記内部表面は、電子衝撃に応答してX線放射を発する目標層を備える、第2管状部材と、を備えるX線生成装置。
【請求項41】
加速フィールドが、前記電子エミッター素子と前記第1管状部材の前記外部表面の間に維持される、請求項40に記載のX線生成装置。
【請求項42】
前記電子エミッター素子は、ゲート制御される電子エミッター素子である、請求項40に記載のX線生成装置。
【請求項43】
前記電子エミッター素子は、エミッター材料のらせん状巻線から形成される、請求項40に記載のX線生成装置。
【請求項44】
前記エミッター素子から発せられた電子は、前記第2管状部材の前記内部表面に向かって加速し、その上の前記目標素子に衝突し、それにより前記X線放射を引き起こす、請求項41に記載のX線生成装置。
【請求項45】
前記発せられたX線放射の少なくとも一部は、前記第1管状部材の前記内部経路に向けて導かれてそこに入る、請求項44に記載のX線生成装置。
【請求項46】
前記発せられたX線放射の少なくとも一部は、前記第2管状部材を通過して、装置から出て行く、請求項44に記載のX線生成装置。
【請求項47】
前記第1管状部材の外部表面と、前記第2管状部材の前記内部表面は空隙を画定し、前記空隙は密封され、周囲の圧力未満に排気される、請求項40に記載のX線生成装置。
【請求項48】
前記空隙は、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満に排気される、請求項47に記載のX線生成装置。
【請求項49】
前記第2管状部材は、X線放射に対して実質的に不透明である、請求項40に記載のX線生成装置。
【請求項50】
目標材料のX線処理方法であって、
前記目標材料を、その上に電子エミッター素子を有する外部表面を有する格納チューブ内に配置するステップであって、前記格納チューブはX線に対して実質的に透明であって、前記格納チューブは、X線チューブの前記内部表面により取り囲まれており、前記X線チューブの前記内部表面は、電子衝撃に応答して、X線放射を発する目標層を備える、ステップと、
前記エミッター素子から電子を抽出するステップと、
前記抽出された電子を前記目標層に向けて加速し、それにより、前記加速された電子は前記目標層に衝突して、そこからのX線放射の放出を促進し、そのX線放射の少なくとも一部は、前記格納チューブを通過し、その中に配置された前記目標材料に衝突する、前記抽出電子加速ステップと、を含む、目標材料のX線処理方法。
【請求項51】
前記格納チューブと前記X線エミッターチューブの間の空間を排気して、前記空間内の圧力を周囲の圧力未満に減少することを更に含む、請求項50に記載のX線処理方法。
【請求項52】
前記格納チューブと前記X線エミッターチューブの間の前記空間を、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満に排気することを更に含む、請求項51に記載のX線処理方法。
【請求項53】
前記格納チューブは入口と出口を備え、前記目標材料を前記格納チューブ内に配置する前記ステップは、前記材料を前記入口に導き、前記材料を、前記チューブを通して移動し、前記材料を前記出口において取り除くことを含む、請求項50に記載のX線処理方法。
【請求項54】
目標材料を処理する電子衝撃装置であって、
前記目標材料を収納する第1管状部材と、
前記第1管状部材を取り囲むような同心円状の関係にある第2管状部材であって、環状空間が前記第1および第2管状部材の間に画定され、電子放射材料である、第2管状部材と、
前記第2管状部材からの放射電子を、前記第1管状部材に向けて加速するための電圧供給手段と、を備える電子衝撃装置。
【請求項55】
前記第2管状部材は熱イオン電子放射材料である、請求項54に記載の電子衝撃装置。
【請求項56】
前記第2管状部材はフィールド電子放射材料である、請求項54に記載の電子衝撃装置。
【請求項57】
前記第2管状部材からの電子放射率を制御するためのゲートを更に備える、請求項54に記載の電子衝撃装置。
【請求項58】
目標材料を処理する電子衝撃装置であって、
電子エミッター部材と、
前記エミッター部材を取り囲むような関係にある管状部材と、
前記電子エミッター部材からの放射電子を前記管状部材に向けて加速して、前記電子の少なくとも一部が、前記管状部材を通過して、前記装置から出て、前記目標材料に衝突するようにする電圧供給手段と、を備える電子衝撃装置。
【請求項59】
X線生成装置であって、
電子エミッター素子と、
前記電子エミッター素子を実質的に同心円状の関係で取り囲む管状部材であって、前記電子エミッター素子に面する内部表面を有し、前記内部表面は、電子衝撃に応答してX線放射を発する目標層を備え、X線放射に対して実質的に透明である管状部材と、を備えるX線生成装置。
【請求項60】
前記電子エミッター素子を取り囲む前記管状部材の内部にあり、それと実質的に同心円状である内部管状部材を更に備え、前記電子エミッター素子は、前記内部環状部材と、前記電子エミッター素子を取り囲む前記管状部材の間に存在し、前記内部管状素子の前記外部表面は、電子衝撃に応答してX線放射を発する第2目標層を備える請求項59に記載のX線生成装置。
【請求項61】
加速フィールドは、前記電子エミッター素子と、前記目標層と前記第2目標層の両者の間に維持される、請求項59に記載のX線生成装置。
【請求項62】
加速フィールドは、前記電子エミッター素子と、前記目標層の間に維持される、請求項59に記載のX線生成装置。
【請求項63】
前記電子エミッター素子は、ゲート制御される電子エミッター素子である、請求項62に記載のX線生成装置。
【請求項64】
前記電子エミッター素子は、エミッター材料のらせん状巻線から形成される、請求項62に記載のX線生成装置。
【請求項65】
前記エミッター素子から発せられる電子は、前記目標層に向かって加速して衝突し、それにより、X線放射が引き起こされる、請求項62に記載のX線生成装置。
【請求項66】
前記管状部材は、前記電子エミッター素子が存在する空隙を画定し、前記空隙は密封され、周囲の圧力未満に排気される、請求項59に記載のX線生成装置。
【請求項67】
前記空隙は、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満に排気される、請求項66に記載のX線生成装置。
【請求項68】
ポータブルハウジングから、広角X線放射を生成する方法であって、
内部空間を画定し、更に電子衝撃に応答してX線放射を製造する前記ハウジング内に電子を生成し、
前記生成された電子を前記ハウジングに向けて加速し、
前記生成された電子の少なくとも一部を前記ハウジングに衝突させ、それによりX線放射を生成し、
前記生成されたX線放射の一部を、前記ハウジングを通過させ、及び前記ハウジングからの前記生成されたX線放射の一部を反射し、
前記生成されたX線放射の前記反射された一部を、前記内部空間を通って通過させ、前記生成されたX線放射の前記反射された一部の少なくともある部分を、前記ハウジングを通って通過させる、広角X線放射の生成方法。
【請求項69】
前記電子を生成するステップは、ゲート操作される電子エミッターを使用することを備える、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記電子を生成するステップは、熱イオン電子エミッターを使用することを備える、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記内部空間は密封され、周囲の圧力未満に排気される、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記内部空間は、1.33322×10-3Pa(10-5torr)未満に排気される、請求項71に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−243579(P2011−243579A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144599(P2011−144599)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【分割の表示】特願2007−515251(P2007−515251)の分割
【原出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(500397411)キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】