説明

材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットの生成方法、及びその使用

【課題】マスクを用いた堆積を含む方法によって基材上に材料の組み合わせライブラリを構築する方法に関し、ライブラリに含まれる個々の材料の組成範囲を任意に設定できる命令セット生成方法を提供する。
【解決手段】マスクを用いた堆積を含む方法によって基材上に材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットの生成方法であって、(a)コンピューターが、材料を構成する3つの成分群の堆積速度を入力等されるステップ、(b)コンピューターが、3つの成分群のそれぞれを頂点とする三角組成図30において、ライブラリを構築する組成範囲を、三角組成図における所定形状31の位置及び大きさとして入力されるステップ、及び(c)コンピューターが、三角組成図における所定形状の位置及び大きさ等に基づいて、マスクの移動速度に関する命令セットを生成するステップ、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットを生成する方法に関し、特にマスクを用いた堆積を含む方法によって材料の組み合わせライブラリを基材上に構築するための命令セットを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の成分を含有する材料の開発は、組成を変えた材料を1種類ずつ作製し、そして試験することによって行われてきた。しかしながら特に、望まれる材料の組成が複雑であり、また広い範囲の組成について検討しなければならない場合、この方法は、長い期間を有するようになり、また高いコストを伴うようになってきた。
【0003】
この問題を解決するために、コンビナトリアルケミストリー(Combinatorial Chemistry)と呼ばれる分野が存在する。コンビナトリアルケミストリーは、多様な化合物又は材料の集合体又はライブラリを一度に構築し、且つ/又は所望の性質を有する化合物又は材料を、このライブラリから選別する技術である(特許文献1及び2)。このような多数な化合物又は材料のライブラリの構築は、研究者に多様な化合物又は材料についての情報を提供し、それによって開発の速度を増加させる。また、コンビナトリアルケミストリーは広義には、実際に化合物又は材料を作らずに、コンピューター上で作製した構造式に基づいて化合物の特性を評価すること、材料を構成する個々の成分の特性に基づいて、材料の特性をコンピューターで評価すること等も含む。
【0004】
このようなコンビナトリアルケミストリーの使用に関し、全ての可能な化合物又は材料についてのライブラリを構築すること、又はコンピューター上で評価することは一般的ではなく、化合物の構造又は材料の組成の範囲を予め定めておくことが一般に行われる(特許文献1〜4)。
【0005】
上記のようなコンビナトリアルケミストリーの適用範囲は多岐にわたり、例えば特許文献2では、堆積を含む方法のためにコンビナトリアルケミストリーによるライブラリ構築方法を適用することを提案している。
【0006】
【特許文献1】特許3665741号
【特許文献2】特許3893152号
【特許文献3】特開2004−86892号
【特許文献4】特開2004−158008号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2で示されているように、コンビナトリアルケミストリーと呼ばれる多様な化合物又は材料の集合体又はライブラリを一度に構築する技術を、スパッタリング等の堆積を含む方法によって製造される材料に適用することが知られている。しかしながら、ライブラリを構築する範囲の指定、及び指定された範囲の材料の製造に関し、従来技術は完全に満足のできるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は下記の第(1)項〜第(4)項に示すようなものである:
【0009】
(1)マスクを用いた堆積を含む方法によって基材上に材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットの生成方法であって、下記のステップ(a)〜(c)を含む、命令セットの生成方法:
(a)コンピューターが、上記材料を構成する3つの成分群の堆積速度を入力されるステップ、又はコンピューターが、上記材料を構成する3つの成分群を入力され、そして入力された上記3つの成分群の堆積速度を、複数の成分群の堆積速度を有するデータ記録手段から抽出するステップ、
(b)コンピューターが、上記3つの成分群のそれぞれを頂点とする三角組成図において、上記ライブラリを構築する組成範囲を、三角組成図における所定形状の位置及び大きさとして入力されるステップであって、上記所定形状が、上記堆積において使用される上記マスクの形状、上記基材に対して上記マスクが移動可能な軌道、及びライブラリに含まれる個々の材料の基材上における配置に依存している、ステップ、及び
(c)コンピューターが、上記3つの成分群の堆積速度、上記三角組成図における上記所定形状の位置及び大きさ、並びにライブラリに含まれる個々の材料の基材上における配置に基づいて、上記マスクの移動速度に関する命令セットを生成するステップ。
【0010】
(2)上記堆積が、パルスレーザー堆積、スパッタリング、又は電子ビーム堆積によって行われる、上記第(1)項に記載の命令セットの生成方法。
【0011】
(3)ステップ(c)が、コンピューターは、ライブラリを構築する組成範囲を、ライブラリに含まれる個々の材料の数に合わせて分割し、個々の材料の組成を得、これを出力するサブステップを含む、上記第(1)又は(2)項に記載の命令セットの生成方法。
【0012】
(4)マスクを用いた堆積を含む方法によって材料の組み合わせライブラリを基材上に構築する方法であって、
上記第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載の方法によって得られる命令セットに従って上記マスクを移動させて、上記3つの成分群によって構成される材料の層を、上記基材上に堆積させることを含む、材料の組み合わせライブラリを基材上に構築する方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<ライブラリを構築するための命令セットを生成する本発明の方法>
マスクを用いた堆積を含む方法によって基材上に材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットを生成する本発明の方法によれば、3成分又はそれよりも多くの成分からなる材料に関して、ライブラリに含まれる個々の材料の組成範囲を任意に設定することができる。したがって例えば、三角組成図における所定形状の大きさを大きくすることによって、広い組成範囲にわたって大まかな組成変化についてのライブラリを構築することができ、また三角組成図における所定形状の大きさを小さくすることによって、狭い組成範囲にわたって詳細な組成変化についてのライブラリを構築することができる。また、三角組成図における所定形状の位置を移動させることによって、異なる組成範囲についてのライブラリを構築することができる。
【0014】
マスクを用いた堆積を含む方法によって基材上に材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットを生成する本発明の方法に関して、マスクを用いた堆積を含む材料の製造方法としては、基材上の所望の位置に、所望の化合物又は元素の薄膜を堆積させることができる任意の物理的マスキング法を挙げることができる。したがってマスクを用いた堆積を含む材料の製造方法としては例えば、マスクを用いた物理的気相堆積法、化学的気相堆積法、及び化学的液相堆積法を挙げることができ、より具体的にはスパッター法、スパッタリング法、パルスレーザー堆積法、電子ビーム堆積法、熱堆積法、イオン注入又はドーピング法等、特にパルスレーザー堆積法、スパッタリング法、又は電子ビーム堆積法を挙げることができる。
【0015】
このうちパルスレーザー堆積法では、真空チャンバー内にセットしたターゲット材料に、パルスレーザーを照射することによって、ターゲット材料を瞬時に超高温にして蒸発させ、この蒸気を基材表面で凝縮させて堆積させる。このパルスレーザー堆積法は、様々なターゲット材料に適用でき、例えば複数の成分を含有するターゲット材料に適用して、ターゲット材料と同じ組成の膜を基材上に堆積させることができる点で好ましいことがある。
【0016】
マスクを用いた堆積において材料を堆積させる基材は、所望の材料を堆積させることができる任意の基材であり、堆積工程及びライブラリを用いた材料の評価工程が可能となるように選択することができる。またこの基材は、堆積によって得られたライブラリに含まれる個々の材料が互いに混じらないようにするために、格子状の領域を有することができる。
【0017】
命令セットを生成する本発明の方法のステップ(a)では、コンピューターが、材料を構成する3つの成分群の堆積速度を入力され、又はコンピューターが、材料を構成する3つの成分群を入力され、そして入力された3つの成分群の堆積速度を、複数の成分群の堆積速度を有するデータ記録手段から抽出する。
【0018】
すなわち、材料を構成する3つの成分群の堆積速度は、その場でコンピューターに入力すること、又は予めコンピューターに備えられたデータ記録手段に記録しておき、材料を構成する3つの成分群の堆積速度をデータ記録手段から必要に応じて抽出することができる。
【0019】
命令セットを生成する本発明の方法のステップ(b)では、コンピューターが、3つの成分群のそれぞれを頂点とする三角組成図において、ライブラリを構築する組成範囲を、三角組成図における所定形状の位置及び大きさとして入力される。ここで、この所定形状は、堆積において使用されるマスクの形状、基材に対してマスクが移動可能な軌道、及びライブラリに含まれる個々の材料の基材上における配置に依存している。
【0020】
3つの成分群は、ライブラリに含まれる材料の組成に応じて決定される。
【0021】
例えば、ライブラリに含まれる材料が、成分A、B及びCの3成分の材料である場合、3つの成分群はそれぞれ、成分A、B及びCとなる。この場合、図1に示すように、成分A、B及びCはそれぞれ、三角組成図30の3つの頂点として定義される。またこの三角組成図30における中心Pの組成は、Aが33%、Bが33%、及びCが33%となる。
【0022】
また例えば、ライブラリに含まれる材料が、成分A、B、C及びDの4成分の材料である場合、3つの成分群はそれぞれ、成分A及びBの組み合わせ、単独の成分C、並びに単独のDであってよい。この場合、図2に示すように、成分A及びBの組み合わせ、単独の成分C、並びに単独のDはそれぞれ、三角組成図31の3つの頂点として定義される。またこの三角組成図31における中心Pの組成は、A及びBの組み合わせが33%、単独のCが33%、及び単独のDが33%となる。
【0023】
また更に、例えばライブラリに含まれる材料が、成分A、B、C、D及びEの5成分の材料である場合、3つの成分群はそれぞれ、成分A及びBの組み合わせ、成分C及びDの組み合わせ、並びに単独の成分Eであってよく、又は成分A、B及びCの組み合わせ、単独の成分D、並びに単独の成分Eであってよい。
【0024】
すなわち、ライブラリに含まれる材料は、3成分の材料に限定されず、堆積が可能な範囲で3よりも多くの成分を含有している材料であってよい。したがってライブラリに含まれる材料は、3〜10、例えば3〜6の成分を含有する材料であってよい。
【0025】
堆積を含む方法によって製造される材料は、例えば特許文献2でのようにYBCOタイプ(YBaCuOタイプ)の酸化物導電体として使用される材料であってよく、この場合には、3つの成分群はそれぞれ、Y23、Ba2O及びCuOであってよい。
【0026】
ライブラリを構築する組成範囲の形状は、堆積において使用されるマスクの形状、基材に対してマスクが移動可能な軌道、及びライブラリに含まれる個々の材料の基材上における配置に依存している。
【0027】
例えば三角組成図における所定形状が、図3に示すように三角組成図32の1つの辺に対して平行な辺を有する長方形35である場合、図4に示すようなライブラリに含まれる個々の材料(1〜15)の基材40上における配置、図5に示すような開口部51を有するマスク50の形状、及び図6で示すようなマスク軌道(61〜63)に対応している。なお、図3及び4における数字1〜15は、それぞれ対応する個々の材料を示している。また、図6において、図6(1)は、成分Aを堆積させる工程でのマスク軌道61を示しており、図6(2)は、成分Bを堆積させる工程でのマスク軌道62を示しており、且つ図6(3)は、成分Cを堆積させる工程でのマスク軌道63を示している。すなわち例えば、図6(1)で示される成分Aを堆積させる工程では、マスク50を、基材40に対して、図7の(1)〜(3)、そして図8の(4)〜(5)で示す順に移動させる。
【0028】
また、例えば三角組成図における所定形状が、図9に示すように三角組成図90の3つの辺のそれぞれに対して平行な辺を有する三角形91である場合、図10に示すようなライブラリに含まれる個々の材料(1〜10)の基材100上における配置に対応している。ここでは、成分Aを堆積させる工程では、マスク軌道101aで示すようにしてマスク101を移動させ、成分Bを堆積させる工程では、マスク軌道102aで示すようにしてマスク102を移動させ、且つ成分Cを堆積させる工程では、マスク軌道103aで示すようにしてマスク103を移動させる。
【0029】
コンピューターは、上記のようにして決定される所定形状の位置及び大きさとして、組成範囲を入力される。すなわち例えば、この所定形状によって規定される組成範囲は、図11に示すようにして、三角組成図110において組成範囲111から組成範囲111a、組成範囲111b等へと移動させること、且つ/又は図12に示すようにして、三角組成図120において組成範囲112から組成範囲112a等へとその大きさを変更することができる。
【0030】
コンピューターが、3つの成分群のそれぞれを頂点とする三角組成図において、ライブラリを構築する組成範囲を所定形状の位置及び大きさとして入力されるステップでは、コンピューターが、三角組成図を表示しているグラフィカルインターフェイスを提供することもできる。これは、ユーザーが感覚的に組成範囲の位置及び大きさを決定するために好ましいことがある。
【0031】
その後、コンピューターは、3つの成分群の堆積速度、三角組成図における所定形状の位置及び大きさ、並びにライブラリに含まれる個々の材料の基材上における配置に基づいて、マスクの移動速度に関する命令セットを生成する。このステップでは、個々の材料の組成を算出及び出力することは必須ではなく、直接にマスクの移動速度に関する命令セットを生成することもできる。
【0032】
また、このステップでは、コンピューターは、ライブラリを構築する組成範囲を、ライブラリに含まれる個々の材料の数に合わせて分割し、個々の材料の組成を得、随意にこれを出力することもできる。例えば図4に示すように、ライブラリに含まれる材料(1〜15)が、3行×5列のマトリクス状で基材40上に配置されている場合、図3に示すように、三角組成図32上に規定された長方形の所定形状35の領域を縦に2等分且つ横に4等分して、この所定形状の辺と線分との交点及び線分同士の交点である15箇所の点で示される組成を得る。この組成に基づいて、各材料のためのそれぞれの成分群の供給量を決定することができる。
【0033】
このステップで得られる命令セットは例えば、マスクを基材に対して移動させる動作の量、所定位置でのそれぞれの成分群の供給量等を含む。
【0034】
<ライブラリを基材上に構築する本発明の方法>
マスクを用いた堆積を含む方法によって材料の組み合わせライブラリを基材上に構築する本発明の方法は、本発明の方法によって得られる命令セットに従ってマスクを移動させて、3つの成分群によって構成される材料の層を、基材上に堆積させることを含む。またこの方法では、堆積させた層を更に熱処理することによって、3つの成分群を層内で拡散及び/又は反応させることもできる。
【実施例】
【0035】
実施例では、Mg−Si−Geの3成分系のライブラリを、パルスレーザー堆積法を用いて構築した。
【0036】
(a)堆積速度の入力
Mg、Si及びGeのそれぞれの堆積速度の値として、0.2Å/パルス、0.07Å/パルス及び0.07Å/パルスを、コンピューターに入力した。
【0037】
(b)組成範囲の位置及び大きさの入力
図13(1)で示すように、Mg、Si及びGeのそれぞれを頂点とする三角組成図130において、組成範囲を規定する長方形131の左上の点132を、Mg:55%、Si:20%、及びGe:25%の点とし、また右下の点133を、Mg:20%、Si:43%、及びGe:37%の点として、ライブラリを構築する組成範囲の位置及び大きさを、コンピューターに入力した。
【0038】
この実施例では、図14に示すように、4行×6列でライブラリに含まれる個々の材料(1〜24)を基材140上に配置した。したがって、図13(1)の組成範囲を規定する長方形131を、縦に3等分且つ横に5等分することによって、図13(b)に示すような4×6個、すなわち24個の点(1〜24)を得た。それぞれの点で規定される組成を計算した結果を、下記の表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
なお、図13に示すような長方形の組成範囲131、及び図14に示すような基材140上における個々の材料(1〜24)の配置は、図5に示すような形状のマスク50を用い、且つ図6に示すような軌道(61、62及び63)でマスク50を移動させることに対応している。
【0041】
(c)命令セットの生成
基材上に堆積させる個々の材料(1〜24)の厚さ、すなわちMg、Si及びGeの合計の厚さを50nmとすると、表1の材料番号1の材料(Mg:55%、Si:20%、及びGe:25%)の各成分の厚さは、Mg:28nm、Si:9nm、及びGe:13nmである。同様にして、材料番号1〜24の全ての材料について、各成分の厚さを計算した。Mg、Si及びGeについての結果をそれぞれ、表2〜4、及び図15〜17に示す。ここで図15〜17におけるそれぞれの材料の位置は、図14の基材140上におけるそれぞれの材料の位置に対応しており、従って左奥が材料番号1番の材料であり、右手前側が材料番号24番の材料である。
【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
Mg、Si及びGeを、表2〜4及び図15〜17に示したように堆積させるために、マスクを固定する座標、所定量の成分を堆積させるためのパルス照射回数を指示する命令セットを、コンピューターによって生成する。パルスレーザー堆積法では、1つのパルスレーザーにより堆積する膜厚が一定であるので、パルス照射回数を制御して、膜厚を制御することができる。1つのライブラリを構築するための命令セットは、自動合成装置の動作を記述する命令コードの集合体である。命令セットの一部の例を下記に示す:
【0046】
Select target D
Shoot laser 200 pulses f=20[Hz]
Set Mask Potition Left=163.47
Set Mask Potition Right=1.5
Shoot laser 6219 pulses f=20[Hz]
Set Mask Potition Left=167.2
Set Mask Potition Right=1.5
Shoot laser 52 pulses f=20[Hz]
Set Mask Potition Left=171.2
Set Mask Potition Right=−1
Shoot laser 53 pulses f=20[Hz]
【0047】
(d)ライブラリの構築方法
自動合成装置の記憶部に、上記(c)で生成した命令セットを記憶させ、それによって自動合成装置を命令セットに従って動作させて、ライブラリを構築する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ライブラリに含まれる材料が、成分A、B及びCの3成分の材料である場合の三角組成図である。
【図2】ライブラリに含まれる材料が、成分A、B、C及びDの4成分の材料である場合の三角組成図である。
【図3】所定形状が長方形である場合の三角組成図である。
【図4】図3の所定形状に関してライブラリに含まれる個々の材料が配置されている基材を示す図である。
【図5】使用可能なマスクの形状を示す図である。
【図6】ライブラリに含まれる個々の材料が配置されている基材に対するマスクの軌道を示す図である。
【図7】マスクの軌道の例を示す詳細な図である。
【図8】マスクの軌道の例を示す詳細な図である(図7の続き)。
【図9】所定形状が三角形である場合の三角組成図である。
【図10】図9の所定形状に関してライブラリに含まれる個々の材料が配置されている基材、及びマスクを示す図である。
【図11】三角組成図において所定形状の組成範囲を移動させる例を示す図である。
【図12】三角組成図において所定形状の大きさを変更する例を示す図である。
【図13】(1)Mg、Si及びGeのそれぞれを頂点とする三角組成図、及び(2)所定形状によって規定される組成範囲の24個の点を示す図である。
【図14】図13の所定形状に関してライブラリに含まれる個々の材料が配置されている基材を示す図である。
【図15】材料番号1〜24の材料のMg膜厚さを示す図である。
【図16】材料番号1〜24の材料のSi膜厚さを示す図である。
【図17】材料番号1〜24の材料のGe膜厚さを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1〜24 ライブラリに含まれる個々の材料
30、31、32、90、110、120、130 三角組成図
P 三角組成図の中心点
35、91、111、111a、111b、112、112a、131 三角組成図における所定形状
40、100、140 基材
50、101、102、103 マスク
51 マスク開口部
61、62、63、101a、102a、103a マスク軌道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを用いた堆積を含む方法によって基材上に材料の組み合わせライブラリを構築するための命令セットの生成方法であって、下記のステップ(a)〜(c)を含む、命令セットの生成方法:
(a)コンピューターが、前記材料を構成する3つの成分群の堆積速度を入力されるステップ、又はコンピューターが、前記材料を構成する3つの成分群を入力され、そして入力された前記3つの成分群の堆積速度を、複数の成分群の堆積速度を有するデータ記録手段から抽出するステップ、
(b)コンピューターが、前記3つの成分群のそれぞれを頂点とする三角組成図において、前記ライブラリを構築する組成範囲を、前記三角組成図における所定形状の位置及び大きさとして入力されるステップであって、前記所定形状が、前記堆積において使用される前記マスクの形状、前記基材に対して前記マスクが移動可能な軌道、及びライブラリに含まれる個々の材料の前記基材上における配置に依存している、ステップ、及び
(c)コンピューターが、前記3つの成分群の堆積速度、前記三角組成図における前記所定形状の位置及び大きさ、並びにライブラリに含まれる個々の材料の基材上における配置に基づいて、前記マスクの移動速度に関する命令セットを生成するステップ。
【請求項2】
前記堆積が、パルスレーザー堆積、スパッタリング、又は電子ビーム堆積によって行われる、請求項1に記載の命令セットの生成方法。
【請求項3】
ステップ(c)が、コンピューターは、ライブラリを構築する組成範囲を、ライブラリに含まれる個々の材料の数に合わせて分割し、個々の材料の組成を得るサブステップを含む、請求項1又は2に記載の命令セットの生成方法。
【請求項4】
マスクを用いた堆積を含む方法によって材料の組み合わせライブラリを基材上に構築する方法であって、
請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって得られる命令セットに従って前記マスクを移動させて、前記3つの成分群によって構成される材料の層を、前記基材上に堆積させることを含む、材料の組み合わせライブラリを基材上に構築する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−179877(P2009−179877A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22866(P2008−22866)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】