説明

板バネおよびレンズ駆動装置

【課題】耐衝撃性をより向上させた、板バネおよびレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】円環状の内周側端部(241)と、この内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた外周側端部(242)と、内周側端部と外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本のアーム部(243)と、内周側端部から半径方向外側に突設して内周側端部とN本のアーム部とを連結するN個の内周側連結部(244)と、外周側端部から半径方向内側に突設して外周側端部とN本のアーム部とを連結するN個の外周側連結部(245)と、を有する板バネ(24)において、内周側端部(241)は、隣接する内周側連結部(244)間の少なくとも一箇所に緩衝変位部(241a)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ駆動装置に関し、特に、レンズアセンブリ(レンズバレル)を保持するレンズホルダ(柱状の可動部)の光軸方向両側に設けられ、レンズホルダを、ベース部材を含む固定部に対して径方向に位置決めした状態で、光軸方向に変位可能に支持する板バネ(支持部材;弾性部材)に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付携帯電話機には携帯型小型カメラが搭載されている。この携帯型小型カメラには、オートフォーカス用レンズ駆動装置が用いられる。従来から、種々のオートフォーカス用レンズ駆動装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2009−210055号公報)は、耐衝撃性を向上させたレンズ駆動装置を開示している。
【0004】
このようなレンズ駆動装置に使用される駆動源(駆動方法)には、一般的に、ボイス・コイル・モータ(VCM)を使用したVCM方式が採用される。VCM方式のレンズ駆動装置においては、レンズを含む柱状の可動部(レンズ+レンズホルダ)を、固定部に対して径方向に位置決めした状態で、光軸方向(中心軸方向)に変位可能に支持する支持部材(弾性部材)が使用される。そのような支持部材(弾性部材)としては、一般的に、レンズアセンブリ(レンズバレル)を保持するレンズホルダ(柱状の可動部)の光軸方向両側に設けられる、一対の板バネが使用される。一対の板バネは、レンズホルダ(柱状の可動部)をその周囲に配置されたハウジング(筒状の固定部)に対して径方向に位置決めした状態で、光軸方向に変位可能に支持する。一対の板バネのうち、一方は上側板バネと呼ばれ、他方は下側板バネと呼ばれる。
【0005】
耐衝撃性を向上させた板バネが種々提案されている。
【0006】
例えば、上記特許文献1は、耐衝撃性を向上させた、安価な板バネを開示している。板バネは、各々円環状に形成された内周側端部(内輪部)および外周側端部(外輪部)と、これらの間を連結するために周方向に沿って設けられたN本のアーム部とから構成されている。各アーム部は周方向に沿って延出している。内周側端部と各アーム部との間の内周側連結部は、内周側端部から半径方向外側に突設している。外周側端部と各アーム部との間の外周側連結部は、外周側端部から半径方向内側に突設している。アーム部の内周側根本部の板幅及び外周側根本部の板幅の少なくとも一方が、アーム部の長手方向中央部の板幅よりも広くなっている。
【0007】
また、特許文献2(特開2007−322540号公報)は、衝撃による板バネの架橋部(アーム部)の基部(根本部)への応力集中を防止し、耐衝撃性に優れたカメラモジュールを開示している。
【0008】
特許文献2に開示された板バネは、外環部と、この外環部に対して変位する内環部と、内環部を外環部に対して支持している3本の架橋部(アーム部)とを有する。架橋部は、外環部と内環部の間に形成されているリング状の間隙内において、外環部の内周縁と内環部の外周縁に沿うように延在している。架橋部は、応力集中防止手段であるスリットを有している。
【0009】
さらに、特許文献3(特開2008−116622号公報)は、レンズを保持するホルダを弾性支持する板バネに作用する衝撃時の応力を緩和して上記板バネの塑性変形を防止するようにしたレンズ駆動装置を開示している。
【0010】
特許文献3に開示されたレンズ駆動装置は、レンズを保持するホルダと、このホルダの外側に配置された固定部材と、ホルダと固定部材とをその上部側と下部側にてそれぞれ連結する一対のバネ部材(板バネ)とを備える。板バネは、一端がホルダ側に固定されたホルダ側円弧部(内周側固定環部)と、一端が固定部材に固定された固定部材側円弧部(外周側固定環部)と、ホルダ側円弧部(内周側固定環部)と固定部材側円弧部(外周側固定環部)とを連結する複数本の腕部とから構成される。各腕部は、第1の円弧部と、第2の円弧部と、略U字状の湾曲部とから構成される。第1の円弧部は、内周側固定環部に接続される内周側突出片から略周方向に沿って、外周側固定環部に接続される外周側突出片方向に向かって延長する。第2の円弧部は、外周側突出片から略周方向に沿って内周側突出片方向に向かって延長する。湾曲部は、第1の円弧部と第2の円弧部とを連結し、ホルダ径方向外側に突出する。湾曲部は、腕部の駆動方向の撓みに対する曲げモーメントがほぼゼロとなる位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−210055号公報(図3)
【特許文献2】特開2007−322540号公報(図1)
【特許文献3】特開2008−116622号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、下側板バネは、内周側端部(内輪部)が樹脂製のレンズホルダの下側に固定され、外周側端部(外輪部)は、ヨークとベース部材(アクチュエータ・ベース)との間に挟持されて固定されている。詳述すると、樹脂製のレンズホルダの下端に設けられた支持部を熱溶着することによって、下側板バネの内周側端部(内輪部)をレンズホルダの下端に固定(支持)している。したがって、この熱溶着により、下側板バネは、レンズホルダが昇降する光軸方向に対して固定されている。
【0013】
しかしながら、横方向(径方向)については、下側板バネにガタ(あそび)が存在している。その為、携帯型小型カメラの落下衝撃試験により、下側板バネの内輪部の各支持部間において、内輪部にはその長手方向に歪みが発生してしまう。その結果、内輪部の一部がレンズホルダの下端から浮き上がる方向に変形し、下側板バネと対向する位置に配置されているベース部材(アクチュエータ・ベース)と干渉してしまう。その為、ベース部材(アクチュエータ・ベース)を含む固定部に対して、レンズホルダの姿勢が傾くという不具合が発生するおそれがある。
【0014】
また、レンズホルダの姿勢が傾くことにより、レンズ駆動装置の特性が劣化するという不具合や、下側板バネがベース部材に接触することにより、発塵するという不具合も発生するおそれもある。
【0015】
上述した特許文献1〜3には、上述した不具合についての認識(記載)が全くなく、上記特許文献1〜3に開示されている板バネには、上述した不具合を防止する対策が何ら施されていない。
【0016】
本発明の課題は、耐衝撃性をより向上させた、板バネおよびレンズ駆動装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の課題は、特性劣化を抑制することができる、レンズ駆動装置を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の課題は、発塵を防止することができる、レンズ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様によれば、中央部に配置された柱状の可動部(14,16)を、この可動部の外周囲に配置された固定部(12,18,20,28)に対して、径方向に位置決めした状態で中心軸(O)方向に変位可能に支持する板バネ(24)であって、板バネ(24)は、円環状の内周側端部(241)と、この内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた外周側端部(242)と、内周側端部と外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本(Nは2以上の整数)のアーム部(243)と、内周側端部から半径方向外側に突設して内周側端部とN本のアーム部とを連結するN個の内周側連結部(244)と、外周側端部から半径方向内側に突設して外周側端部とN本のアーム部とを連結するN個の外周側連結部(245)と、を有し、内周側端部(241)は、隣接する内周側連結部(244)間の少なくとも一箇所に緩衝変位部(241a)を有することを特徴とする板バネ(24)が得られる。
【0020】
上記本発明の第1の態様による板バネ(24)において、内周側連結部(244)は、内周側端部(241)を可動部(14,16)に取り付けるための開口(244a)を持ってよい。緩衝変位部(241a)は、例えば、略U字状、Ω状、S字状の形状のいずれか1つから選択されてよい。板バネ(24)の材料は、高硬度ステンレス鋼からなること好ましい。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、レンズアセンブリを保持するための筒状部(140)を有するレンズホルダ(14)と、このレンズホルダの外周囲に配置された固定部(12,18,20,28)と、レンズホルダと固定部とをその上部側で連結する上側板バネ(22)と、レンズホルダと固定部とをその下部側で連結する下側板バネ(24)と、を備えたレンズ駆動装置(10)において、下側板バネ(24)は、レンズホルダの下端に固定された円環状の下側内周側端部(241)と、固定部に固定され、下側内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた下側外周側端部(242)と、下側内周側端部と下側外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本(Nは2以上の整数)の下側アーム部(243)と、下側内周側端部から半径方向外側に突設して、下側内周側端部とN本の下側アーム部とを連結するN個の下側内周側連結部(244)と、下側外周側端部から半径方向内側に突設して、下側外周側端部とN本の下側アーム部とを連結するN個の下側外周側連結部(245)と、を有し、下側内周側端部(241)は、隣接する下側内周側連結部間の少なくとも一箇所に緩衝変位部(241a)を有することを特徴とするレンズ駆動装置が得られる。
【0022】
上記本発明の第2の態様によるレンズ駆動装置(10)において、レンズホルダ(14)は、その下端に下側バネの下側内周側端部を支持するためのN個の支持部(144)を有してよい。この場合、N個の下側内周側連結部(244)は、下側内周側端部をレンズホルダのN個の支持部で取り付けるための開口(244a)を持つ。緩衝変位部(241a)は、例えば、略U字状、Ω状、S字状の形状のいずれか1つから選択されてよい。上側板バネ(22)は、レンズホルダ(14)の上端に固定された円環状の上側内周側端部(221)と、固定部に固定され、上側内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた上側外周側端部(222)と、上側内周側端部と上側外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本(Nは2以上の整数)の上側アーム部(223)と、上側内周側端部から半径方向外側に突設して、上側内周側端部とN本の上側アーム部とを連結するN個の上側内周側連結部(224)と、上側外周側端部から半径方向内側に突設して、上側外周側端部とN本の上側アーム部とを連結するN個の上側外周側連結部(225)と、を有し、N個の上側外周側連結部(225)は、上側外周側端部(222)からN本の上側アーム部(223)の根本部へ湾曲した形状を有することが好ましい。下側板バネ(24)および上側板バネ(22)の材料が、高硬度ステンレス鋼からなることが望ましい。
【0023】
尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、板バネの内周側端部に、隣接する内周側連結部間の少なくとも1箇所に緩衝変位部を設けたので、内周側端部およびアーム部が変形するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態によるレンズ駆動装置を示す図で、(A)はレンズ駆動装置の平面図であり、(B)はレンズ駆動装置の正面図であり、(C)はレンズ駆動装置の右側面図である。
【図2】図1に示したレンズ駆動装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る下側板バネの平面図である。
【図4】図3に示した下側板バネの要部を拡大して示す部分拡大平面図である。
【図5】関連する下側板バネの下側内周側端部をレンズホルダの下端側への取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】図4に示した緩衝変位部の変形例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る上側板バネの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1および図2を参照して、本発明の一実施の形態によるレンズ駆動装置10について説明する。図1(A)はレンズ駆動装置10の平面図であり、図1(B)はレンズ駆動装置10の正面図であり、図1(C)はレンズ駆動装置10の右側面図である。図2はレンズ駆動装置10の分解斜視図である。
【0028】
ここでは、図1および図2に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。図1および図2に図示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)において、X軸は前後方向(奥行方向)であり、Y軸は左右方向(幅方向)であり、Z軸は上下方向(高さ方向)である。そして、図1および図2に示す例においては、上下方向Zがレンズの光軸O方向である。
【0029】
但し、実際の使用状況においては、光軸O方向、すなわち、Z軸方向が前後方向となる。換言すれば、Z軸の上方向が前方向となり、Z軸の下方向が後方向となる。
【0030】
図示のレンズ駆動装置10は、駆動源(駆動方法)として、ボイス・コイル・モータ(VCM)を使用したVCM方式のレンズ駆動装置である。
【0031】
図示のレンズ駆動装置10は、オートフォーカス可能なカメラ付き携帯電話機に備えられる。レンズ駆動装置10は、レンズアセンブリ(レンズバレル)(図示せず)を光軸O方向に移動させるためのものである。従って、光軸Oは駆動軸(中心軸)である。レンズ駆動装置10はアクチュエータとも呼ばれる。レンズ駆動装置10は、Z軸方向(光軸O方向)の下側(後側)に配置されたベース部材(アクチュエータ・ベース)12を有する。このベース部材(アクチュエータ・ベース)12の下部(後部)に、センサ基板(図示せず)が配置される。センサ基板は、撮像素子やクロック発生源などの電子部品を搭載する。レンズ駆動装置10およびセンサ基板は、シールドケース(図示せず)で覆われる。シールドケースは、センサ基板から発生する電磁ノイズを遮蔽するためのものである。
【0032】
レンズ駆動装置10と、センサ基板と、撮像素子と、シールドケースとの組み合わせによって、カメラモジュールが構成される。
【0033】
撮像素子は、レンズアセンブリにより結像された被写体像を撮像して電気信号に変換する。撮像素子は、例えば、CCD(charge coupled device)型イメージセンサ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。
【0034】
レンズ駆動装置10は、レンズアセンブリ(レンズバレル)を保持するための筒状部140を有するレンズホルダ14と、このレンズホルダ14に筒状部140の周囲に位置するように固定された駆動コイル16と、この駆動コイル16と対向して配置された永久磁石18と、この永久磁石18を保持するヨーク20と、レンズホルダ14の筒状部140の光軸O方向両側に設けられた一対の板バネ22、24とを備える。一対の板バネ22、24は、レンズホルダ14を径方向に位置決めした状態で光軸O方向に変位可能に支持する。一対の板バネ22、24のうち、一方の板バネ22は上側板バネと呼ばれ、他方の板バネ24は下側板バネと呼ばれる。
【0035】
また、前述したように、実際の使用状況においては、Z軸方向(光軸O方向)の上方向が前方向、Z軸方向(光軸O方向)の下方向が後方向となる。したがって、上側板バネ22は前側スプリングとも呼ばれ、下側板バネ24は後側スプリングとも呼ばれる。
【0036】
上側板バネ(前側スプリング)22および下側板バネ(後側スプリング)24は、例えば、ステンレス鋼やベリリウム銅などの金属製からなる。そして、上側板バネ(前側スプリング)22および下側板バネ(後側スプリング)24は、所定の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により製造される。尚、プレス加工よりもエッチング加工の方が好ましい。その理由は、エッチング加工では、板バネに残留応力が残らないからである。
【0037】
また、板バネの材料としては、ベリリウム銅よりもステンレス鋼、特に、高硬度ステンレス鋼を用いることが好ましい。その理由は、ベリリウムの化合物は毒性が強いことが知られており、環境上の観点から、板バネの材料としてベリリウム銅以外の材料を使用すること(ベリリウムフリー)が望まれているからである。尚、高硬度ステンレス鋼としては、例えば、日本金属工業株式会社製のNTK S−4や、NTK 301(SUS301)を使用することができる。
【0038】
ヨーク20は略四角筒状をしている。すなわち、ヨーク20は、略四角筒形状の外筒部202と、この外筒部202の上端(前端)で、外筒部202の内側へ延出する四角形のリング状端部204と、このリング状端部204の内側の前後方向Xで対向する両端で、光軸Oと平行に垂直下方へ延在する2個の内側垂直延在部206と、から構成される。外筒部202はシールドヨークと呼ばれ、2個の内側垂直延在部206の各々はバックヨークと呼ばれる。外筒部(シールドヨーク)202は、左右方向Yで対向する一対の辺の中央部分202−1が半径方向の外側に突出している。
【0039】
従って、駆動コイル16も、四角筒状のヨーク20の形状に合わせた、略四角筒状をしている。レンズホルダ14の筒状部140は、駆動コイル16の左右方向Yで対応した位置で、半径方向外側へ突出する2つの接触部140−1を持つ。これら2つの接触部140−1に、駆動コイル16の2つの平坦部162が接着される。すなわち、駆動コイル16は、筒状部140の2つの接触部140−1で接着されている。
【0040】
一方、永久磁石18は、ヨーク20の四隅に配置される断面三角形の4つの永久磁石片182と、駆動コイル16の上記2つの平坦部162に対向する2つの断面矩形状永久磁石片184とから構成される。詳述すると、2つの断面矩形状永久磁石片184は、ヨーク20の外筒部202の上記一対の辺の中央部分202−1の内壁に取り付けられている。すなわち、永久磁石18は、ヨーク20の四角筒形状の外筒部202の四隅と2側辺とに配置された、合計6個の永久磁石片182、184から成る。
【0041】
ヨーク20の外筒部(シールドヨーク)202の内周面に、駆動コイル16と間隔を置いて、永久磁石18が配置されている。
【0042】
上側板バネ(前側スプリング)22はレンズホルダ14における光軸O方向上側(前側)に配置され、下側板バネ(後側スプリング)24はレンズホルダ14における光軸O方向下側(後側)に配置される。上側板バネ(前側スプリング)22と下側板バネ(後側スプリング)24とは、略同一構成をしている。
【0043】
上側板バネ(前側スプリング)22は、レンズホルダ14の上端に後述のようにして取り付けられる上側内周側端部221と、ヨーク20のリング状端部204に後述のようにして取り付けられる上側外周側端部222とを有する。上側内周側端部221と上側外周側端部222との間には、4本の上側アーム部223が設けられている。各上側アーム部223は、上側内周側端部221と上側外周側端部222とを繋いでいる。
【0044】
同様に、下側板バネ(後側スプリング)24は、レンズホルダ14の下端に後述するように取り付けられる下側内周側端部241と、アクチュエータ・ベース(ベース部材)12に後述のようにして取り付けられる下側外周側端部242とを有する。下側内周側端部241と下側外周側端部242との間には、4本の下側アーム部243が設けられている。各下側アーム部243は、下側内周側端部241と下側外周側端部242とを繋いでいる。
【0045】
尚、内周側端部(222;242)は内輪部(内環部)とも呼ばれ、外周側端部(224;244)は外輪部(外環部)とも呼ばれる。
【0046】
また、上側板バネ(前側スプリング)22のより詳細な構成(構造)については、後で図7を参照して説明し、下側板バネ(後側スプリング)24のより詳細な構成(構造)については、後で図3および図4を参照して説明する。
【0047】
次に、上側板バネ(前側スプリング)22の取り付け方法について説明する。
【0048】
上側板バネ(前側スプリング)22の上側内周側端部221は、レンズホルダ14とストッパ26に挟持されて固定されている。換言すれば、ストッパ26は、上側板バネ(前側スプリング)22の上側内周側端部221を、レンズホルダ14の上端との間で挟持するように、レンズホルダ14と嵌合する。
【0049】
ストッパ26には、次に述べるような機能がある。すなわち、ストッパ26は、上側板バネ(前側スプリング)22の上側内周側端部221をレンズホルダ14にバラツキなく高精度に密着させる機能を持つ。これにより、VCM(ボイス・コイル・モータ)特性のバラツキを改善できる。また、ストッパ26は、上側板バネ(前側スプリング)22の接着強度を向上させる機能をもつ。これにより、レンズ駆動装置10の耐衝撃性を向上させている。さらに、ストッパ26は、レンズ駆動装置10の落下衝撃の際の上側板バネ(前側スプリング)22の変形を防止する機能を持つ。これによっても、レンズ駆動装置10の耐衝撃性を向上させている。また、ストッパ26は、レンズ駆動装置10の機械的ストロークを決める機能を持つ。
【0050】
一方、上側板バネ(前側スプリング)22の上側外周側端部222は、ヨーク20のリング状端部204とカバー28との間に挟持され固定されている。詳述すると、カバー28は、中央部に円形開口部28aを持つ、四角リング形状をしている。カバー28は、その四隅で下方へ突出する4つの突起282を持つ。上側板バネ22の上側外周側端部222は、これら4つの突起282が貫通する4つの貫通孔222aを持つ。そして、ヨーク20のリング状端部204は、その四隅に、4つの突起282が嵌入される4つの嵌入孔204aを持つ。したがって、カバー28の4つの突起282は、上側板バネ22の上側外周側端部222の4つの貫通孔222aを介して、ヨーク20のリング状端部204の4つの嵌入孔204aに嵌入される。
【0051】
尚、上側板バネ22の上側外周側端部222とカバー28との間には、バネ定数を調整するためのリング状プレート34が配置されている。
【0052】
次に、下側板バネ(後側スプリング)24の取り付け方法について説明する。
【0053】
下側板バネ(後側スプリング)24の下側外周側端部242は、環状のスペーサ30を介してヨーク20に固定されている。換言すれば、スペーサ30と下側板バネ(後側スプリング)24の下側外周側端部242とは、ヨーク20とベース部材(アクチュエータ・ベース)12との間に挟持されて固定されている。詳述すると、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12は、中央部に円形開口部12aを持つ、四角リング形状をしている。ベース部材(アクチュエータ・ベース)12は、その四隅に、上方へ突出する4つの突起122を持つ。下側板バネ24の下側外周側端部242は、これら4つの突起122が貫通する4つの貫通孔242aを持つ。スペーサ30は、これら4つの突起122が嵌入される嵌入孔30aを持つ。したがって、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12の4つの突起122は、下側板バネ24の下側外周側端部242の4つの貫通孔242aを介して、スペーサ30の4つの嵌入孔30aに嵌入される。
【0054】
後で、図5を参照して説明するように、下側板バネ(後側スプリング)24の下側内周側端部241は、レンズホルダ14の下端(後端)側に固定(支持)される。
【0055】
レンズホルダ14の下端部は、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12の円形開口部12aに遊嵌される。換言すれば、レンズホルダ14の下端部は、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12と、その円形開口部12aで、クリアランスを持って対向する。
【0056】
ベース部材(アクチュエータ・ベース)12は、図示しないIRカットフィルタを搭載している。ベース部材(アクチュエータ・ベース)12は、射出成形により製造される。ベース部材(アクチュエータ・ベース)12の材料は、例えば、液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチックから成る。周知のように、LCPは、比較的弾性のない樹脂である。
【0057】
ベース部材(アクチュエータ・ベース)12は、リング状のベース部120と、ヨーク20の外筒部202の上記一対の辺の中央部分202−1を挟むように、左右方向Yで対向して四隅でベース部120から上下方向Zの上方へ突出する4つの突出部124とを有する。
【0058】
4つの突出部124は、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12の四隅に形成された突起部124−1を持つ。各突起部124−1は、上下方向Zに延在する略円柱状をしている。図示の例では、各突起部124−1の直径は0.1mm程度である。各突起部124−1は、その上部に略円錐状の先端部124−1aを持つ。また、各突起部124−1の下端124−1bは、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12の基板当接面より上部に位置している。
【0059】
レンズホルダ14の筒状部140の内周壁には雌ネジ142が切られている。一方、図示しないが、レンズアセンブリ(レンズバレル)の外周壁には、上記雌ネジ142に螺合される雄ネジが切られている。従って、レンズアセンブリ(レンズバレル)をレンズホルダ14に装着するには、レンズアセンブリ(レンズバレル)をレンズホルダ14の筒状部140に対して光軸O周りに回転して光軸O方向に沿って螺合することにより、レンズアセンブリ(レンズバレル)をレンズホルダ14内に収容し、接着剤などによって互いに接合する。
【0060】
レンズ駆動装置10は、下側板バネ(後側スプリング)24とベース部材(アクチュエータ・ベース)12との間に配置された電力供給部材32を備える。この電力供給部材32は、駆動コイル16に電力を供給するためのものである。
【0061】
電力供給部材32は、下側板バネ24とベース部材(アクチュエータ・ベース)12との間に挟まれて、駆動コイル16の一対の引出し線(図示せず)と電気的に接続されるフレキシブルプリント基板322と、このフレキシブルプリント基板322から上記センサ基板まで下方に延出するばね性を持つ一対の板金端子324とを有する。
【0062】
電力供給部材32を介して駆動コイル16に通電することで、永久磁石18の磁界と駆動コイル16に流れる電流による磁界との相互作用によって、レンズホルダ14(レンズアセンブリ)を光軸O方向に位置調整することが可能である。
【0063】
上記レンズ駆動装置10において、レンズアセンブリを保持するレンズホルダ14と駆動コイル16との組み合わせは、中央部に配置された柱状の可動部(14,16)として働く。また、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12、永久磁石18、ヨーク20、およびカバー28の組み合わせは、可動部(14,16)の外周囲に配置された固定部(12,18,20,28)として働く。
【0064】
次に、図3および図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る下側板バネ24の構成について詳細に説明する。図3は下側板バネ24の平面図であり、図4は下側板バネ24の要部を拡大して示す部分拡大平面図である。
【0065】
下側板バネ(後側スプリング)24は、レンズホルダ14の下端に後述するように固定される下側内周側端部241と、固定部であるベース部材(アクチュエータ・ベース)12に前述したように固定された下側外周側端部242と、下側内周側端部241と下側外周側端部242との間を連結するために周方向に沿って設けられた4本の下側アーム部243とを有する。下側内周側端部241は、実質的に円環状をしている。下側外周側端部242は、この下側内周側端部241から半径方向外側に離間して設けられている。換言すれば、下側外周側端部242は、下側内周側端部241よりも大きな半径を持つ。各下側アーム部243は、周方向に沿って延出している。下側内周側端部241と4本の下側アーム部243とを連結する4個の下側内周側連結部244は、下側内周側端部241から半径方向外側に突設している。下側外周側端部242と4本の下側アーム部243とを連結する4個の下側外周側連結部245は、下側外周側端部242から半径方向内側に突設している。
【0066】
図5に示されるように、レンズホルダ14は、その下端に下側バネ24の下側内周側端部241を支持するための4個の支持部144を有する。
【0067】
4個の下側内周側連結部244は、下側内周側端部241をレンズホルダ14の4個の支持部144で取り付けるための開口244aを持つ。
【0068】
本実施の形態に係る下側板バネ24においては、下側内周側端部241は、隣接する下側内周側連結部244間の一箇所に緩衝変位部241aを有する。
【0069】
図4に示されるように、図示の緩衝変位部241aは、Ω状の形状をしている。
【0070】
これに対して、関連する下側板バネ24’(図5参照)には、緩衝変位部241aがない。そのため、関連する下側板バネ24’では、携帯型小型カメラの落下試験で、下側内周側端部241や下側アーム部243が変形していた。本実施の形態に係る下側板バネ24は、4個の緩衝変位部241aを有しているので、携帯型小型カメラの落下試験で、下側内周側端部241や下側アーム部243が変形するのを防止することができる。
【0071】
次に、図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る下側板バネ24の効果をより理解するために、関連する下側板バネ24’の問題点ついて説明する。図3は、関連する下側板バネ24’の下側内周側端部242をレンズホルダ13の下端側への取り付けた状態を示す斜視図である。
【0072】
関連する下側板バネ24’は、緩衝変位部241aがない点を除いて、図3に示した下側板バネ24と同様の構成を有する。
【0073】
関連する下側板バネ24’の下側内周側端部241は、次のようにして、レンズホルダ14の下端に固定される。まず、レンズホルダ14の下端に設けられた4個の支持部144を、4個の下側内周側連結部244に設けられた開口244aに嵌入する。その後、4個の支持部144を熱溶着する。これにより、関連する下側板バネ24’の下側内周側端部241は、レンズホルダ14の下端に固定される。
【0074】
したがって、この熱溶着により、関連する下側板バネ24’は、レンズホルダ14が昇降する光軸O方向に対して固定されている。
【0075】
しかしながら、横方向(径方向)については、関連する下側板バネ24’にガタ(あそび)が存在している。携帯型小型カメラの落下衝撃試験により、レンズホルダ14に図5の矢印Aで示される方向の衝撃が加わったとする。この衝撃に対して、関連する下側板バネ24’の下側内周側端部(内輪部)241の支持部144で、下側アーム部243が図5の矢印Bで示される方向に引っ張られる。その為、下側内周側端部(内輪部)241にはその長手方向に歪みが発生する。その結果、下側内周側端部(内輪部)241の一部が、図5の矢印Cで示されるように、レンズホルダ14の下端から浮き上がる方向に変形し、下側板バネ24’と対向する位置に配置されているベース部材(アクチュエータ・ベース)12と干渉する。このことにより、ベース部材(アクチュエータ・ベース)12を含む固定部に対してレンズホルダ14の姿勢が傾くという不具合が発生するおそれがある。
【0076】
また、レンズホルダ14の姿勢が傾くことにより、関連する下側板バネ24’を有するレンズ駆動装置の特性が劣化するという不具合や、下側板バネ24’がベース部材12に接触することにより、発塵するという不具合も発生するおそれがある。
【0077】
これに対して、本実施の形態に係る下側板バネ24では、下側内周側端部(内輪部)241に、隣接する隣接する下側内周側連結部244間の一箇所に緩衝変位部241a(従って、合計4個の緩衝変位部241a)を設けている。本発明者らは、携帯型小型カメラの落下衝撃試験において、下側内周側端部(内輪部)241が変形することがないことを確認した。そのため、下側内周側端部(内輪部)241がベース部材(アクチュエータ・ベース)12と接触するのを防止することができる。その結果、レンズ駆動装置の特性劣化が改善され、発塵も防止できる。
【0078】
尚、上述した実施の形態に係る下側板バネ24は、図3に示されるように、下側内周側端部(内輪部)241に、隣接する下側内周側連結部244間の一箇所にのみ緩衝変位部241a(本例の場合、4個の緩衝変位部241a)を設けているが、隣接する下側内周側連結部244間の複数個所に緩衝変位部241aを設けてもよい。例えば、隣接する下側内周側連結部244間の二箇所に緩衝変位部241aを設けた場合、緩衝変位部241aの合計は8個となる。
【0079】
また、緩衝変位部241aの形状も、図4に示されるような、Ω状の形状に限定されないのは勿論である。すなわち、緩衝変位部自体が変形しない形状であれば良い。
【0080】
図6(A)〜(L)に、緩衝変位部241aの変形例を示す。例えば、図6(A)、(E)、および(I)に示された緩衝変位部241aは、略U字状の形状をしている。また、図6(C)および(D)に示された緩衝変位部241aは、S字状の形状をしている。図6(H)に示された緩衝変位部241aは、V字状の形状をしており、図6(K)に示された緩衝変位部241aは、W字状の形状をしている。図6(B)に示された緩衝変位部241aは、ミアンダ形状をしている。図6(F)に示された緩衝変位部241aは、菱形の形状をしており、図6(G)に示された緩衝変位部241aは、三角形の形状をしており、図6(J)に示された緩衝変位部241aは、リング(円環)の形状をしている。図6(L)に示された緩衝変位部241aは、白抜きV字状の形状をしている。
【0081】
次に、図7を参照して、本発明の一実施の形態に係る上側板バネ22の構成について詳細に説明する。図7は上側板バネ22の平面図である。
【0082】
上側板バネ(前側スプリング)22は、レンズホルダ14の上端に上述のようにして固定された上側内周側端部221と、ヨーク20である固定部に上述したように固定された上側外周側端部222と、上側内周側端部221と上側外周側端部222との間を連結するために周方向に沿って設けられた4本の上側アーム部223と、を有する。上側内周側端部221は、実質的に円環状をしている。上側外周側端部222は、上側内周側端部221から半径方向外側に離間して設けられている。すなわち、上側外周側端部222は、上側内周側端部221よりも大きい半径を持つ。各アーム部223は周方向に沿って突出している。上側内周側端部221と4本の上側アーム部223とを連結する4個の上側内周側連結部224は、上側内周側端部221から半径方向外側に突設している。上側外周側端部222と4本の上側アーム部223とを連結する4個の上側外周側連結部225は、上側外周側端部222から半径方向内側に突設している。
【0083】
本実施の形態に係る上側板バネ22においては、4個の上側外周側連結部225は、上側外周側端部222から4本の上側アーム部223の根本部へ湾曲した形状を有している。
【0084】
本実施の形態に係る上側板バネ22は、湾曲した形状を持つ上側外周側連結部225を有しているので、携帯型小型カメラの落下衝撃試験において発生した応力を逃すことができる。詳述すると、上側アーム部223の付け根部に集中する応力を分散することができる。換言すれば、上側アーム部223の付け根部に曲げ応力が集中するのを軽減することができる。
【0085】
上述したように、本実施の形態によれば、上側板バネ22および下側板バネ24、およびレンズ駆動装置10の耐衝撃性をより向上させることができる。
【0086】
以上、本発明についてその好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、種々の変形が当業者によって可能であるのは明らかである。例えば、上述した実施の形態では、内周側端部(221;241)と外周側端部(222;242)との間を4本のアーム部(223;243)で連結しているが、一般的には、内周側端部(221;241)と外周側端部(222;242)との間をN本(Nは2以上の整数)のアーム部で連結する板バネにも適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
10 レンズ駆動装置
12 ベース部材(アクチュエータ・ベース)
12a 円形開口部
120 ベース部
122 突起
124 突出部
124−1 突起部
124−1a 先端部
124−1b 下端
14 レンズホルダ
140 筒状部
140−1 接触部
142 雌ネジ
144 支持部
16 駆動コイル
162 平坦部
18 永久磁石
182 断面三角形の永久磁石片
184 断面矩形状永久磁石片
20 ヨーク
202 外筒部(シールドヨーク)
202−1 中央部分
204 リング状端部
204a 嵌入孔
206 内側垂直延在部(バックヨーク)
22 上側板バネ(前側スプリング)
221 上側内周側端部(内輪部)
222 上側外周側端部(外輪部)
222a 貫通孔
223 上側アーム部
224 上側内周側連結部
225 上側外周側連結部
24 下側板バネ(後側スプリング)
241 下側内周側端部(内輪部)
241a 緩衝変位部
242 下側外周側端部(外輪部)
242a 貫通孔
243 下側アーム部
244 下側内周側連結部
244a 開口
245 下側外周側連結部
26 ストッパ
28 カバー
28a 円形開口部
282 突起
30 スペーサ
30a 嵌入孔
32 電力供給部材
322 フレキシブルプリント基板
324 板金端子
34 リング状プレート
O 光軸(中心軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に配置された柱状の可動部を、該可動部の外周囲に配置された固定部に対して、径方向に位置決めした状態で中心軸方向に変位可能に支持する板バネであって、該板バネは、
円環状の内周側端部と、
該内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた外周側端部と、
前記内周側端部と前記外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本(Nは2以上の整数)のアーム部と、
前記内周側端部から半径方向外側に突設して前記内周側端部と前記N本のアーム部とを連結するN個の内周側連結部と、
前記外周側端部から半径方向内側に突設して前記外周側端部と前記N本のアーム部とを連結するN個の外周側連結部と、
を有し、
前記内周側端部は、隣接する前記内周側連結部間の少なくとも一箇所に緩衝変位部を有することを特徴とする板バネ。
【請求項2】
前記内周側連結部は、前記内周側端部を前記可動部に取り付けるための開口を持つことを特徴とする、請求項1に記載の板バネ。
【請求項3】
前記緩衝変位部は、略U字状、Ω状、S字状の形状のいずれか1つから選択される、請求項1に記載の板バネ。
【請求項4】
前記板バネの材料が、高硬度ステンレス鋼からなる、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の板バネ。
【請求項5】
レンズアセンブリを保持するための筒状部を有するレンズホルダと、該レンズホルダの外周囲に配置された固定部と、前記レンズホルダと前記固定部とをその上部側で連結する上側板バネと、前記レンズホルダと前記固定部とをその下部側で連結する下側板バネと、を備えたレンズ駆動装置において、
前記下側板バネは、
前記レンズホルダの下端に固定された円環状の下側内周側端部と、
前記固定部に固定され、該下側内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた下側外周側端部と、
前記下側内周側端部と前記下側外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本(Nは2以上の整数)の下側アーム部と、
前記下側内周側端部から半径方向外側に突設して、前記下側内周側端部と前記N本の下側アーム部とを連結するN個の下側内周側連結部と、
前記下側外周側端部から半径方向内側に突設して、前記下側外周側端部と前記N本の下側アーム部とを連結するN個の下側外周側連結部と、
を有し、
前記下側内周側端部は、隣接する前記下側内周側連結部間の少なくとも一箇所に緩衝変位部を有することを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記レンズホルダは、その下端に前記下側バネの下側内周側端部を支持するためのN個の支持部を有し、
前記N個の下側内周側連結部は、前記下側内周側端部を前記レンズホルダの前記N個の支持部で取り付けるための開口を持つことを特徴とする、請求項5に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記緩衝変位部は、略U字状、Ω状、S字状の形状のいずれか1つから選択される、請求項5に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記上側板バネは、
前記レンズホルダの上端に固定された円環状の上側内周側端部と、
前記固定部に固定され、該上側内周側端部から半径方向外側に離間して設けられた上側外周側端部と、
前記上側内周側端部と前記上側外周側端部との間を連結するために周方向に沿って設けられたN本(Nは2以上の整数)の上側アーム部と、
前記上側内周側端部から半径方向外側に突設して、前記上側内周側端部と前記N本の上側アーム部とを連結するN個の上側内周側連結部と、
前記上側外周側端部から半径方向内側に突設して、前記上側外周側端部と前記N本の上側アーム部とを連結するN個の上側外周側連結部と、
を有し、
前記N個の上側外周側連結部は、前記上側外周側端部から前記N本の上側アーム部の根本部へ湾曲した形状を有することを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか1つに記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記下側板バネおよび前記上側板バネの材料が、高硬度ステンレス鋼からなる、請求項5乃至8のいずれか1つに記載のレンズ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−112489(P2012−112489A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263602(P2010−263602)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】