板材
【課題】曲面を備えた間仕切壁または型枠を形成する場合に、熟練の型枠工などを必要とせずに誰でも簡単に曲面が形成できる板材を提供することである。
【解決手段】板材1は、発泡樹脂製の板材本体2の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリット3が適宜間隔をもって形成され、該表面側スリット3と交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリット4が形成され、これら表面側スリット3と裏面側スリット4とは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸6よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリット3または裏面側スリット4には補強材5が取外自在に設けられたことである。
【解決手段】板材1は、発泡樹脂製の板材本体2の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリット3が適宜間隔をもって形成され、該表面側スリット3と交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリット4が形成され、これら表面側スリット3と裏面側スリット4とは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸6よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリット3または裏面側スリット4には補強材5が取外自在に設けられたことである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は発泡樹脂製の板材、すなわち型枠や間仕切壁として使用される板材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の間仕切壁は天井側に設置した断面コ字形の天井側ランナーと、床側に設置した断面コ字形の床側ランナーとの間に下地柱を建て込み、この下地柱の表面に石膏ボードなどの壁材を張り付けて構成していた。しかし、この間仕切壁に曲面をもたせる場合、すなわち間仕切壁全体を湾曲状に形成する場合は、石膏ボードなどの壁材では曲面が形成できないため、合板を湾曲状に折り曲げて形成していた。一方、型枠においても合板を堰板として使用しているが、曲面のある型枠の場合は、合板を湾曲状に折り曲げて形成していた。また、その他の間仕切壁としては、特開2005−9263号公報の発明がある。
【特許文献1】特開2005−9263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の間仕切壁や型枠は壁材および堰板として合板を使用し、曲面を形成する場合は、これを折り曲げて形成していたために繁雑な作業となり、熟練の型枠工を必要としていた。
【0004】
本願発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲面を備えた間仕切壁または型枠を形成する場合に、熟練の型枠工などを必要とせずに誰でも簡単に曲面が形成できる板材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための板材は、発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置して湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットには補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする。また板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部には接合用スリットが表面側スリットまたは裏面側スリットと同じ方向で形成されたことを含むものである。
また板材は、発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットの間の表面または裏面に嵌合用スリットが形成され、該嵌合用スリットに補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする。
また板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部には接合用スリットが表面側スリットまたは裏面側スリットと同じ方向で形成されたことを含むものである。
【発明の効果】
【0006】
発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成されたことにより、板材を自由に曲げて任意の湾曲形状を形成することができる。また板材を、例えば半円形または波形に折り曲げることができるので、型枠および間仕切壁において曲面を簡単に形成することができる。また表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成されたことにより、このV字形のスリットの大きさで曲率が決定されると共に、V字形のスリットが開いた場合でも先端部が引き裂かれない。また表面側スリットまたは裏面側スリットに補強材が取外自在に設けられたことにより、型枠または間仕切壁として使用できる強さを得ることができる。また板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部に形成された接合用スリットにより、板材同士を簡単に繋ぎ合わせて型枠または間仕切壁を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本願発明の板材の実施の形態について説明する。また各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付して説明し、異なった構成は異なった符号を付して説明する。この板材は曲面を有する型枠または湾曲状の間仕切壁を形成するときに使用されるものである。
【0008】
図1〜図4は第1の実施の形態の板材1である。この板材1は熱可塑性発泡樹脂からなる板材本体(適宜厚さの長方形)2の表面に表面側スリット3が長辺方向に沿って形成されるとともに、該表面側スリット3と交互に位置する裏面に裏面側スリット4が長辺方向に沿って形成され、該裏面側スリット4にコ字形の補強材5が嵌合されて構成されている。
【0009】
この熱可塑性発泡樹脂としては高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体などからなる密度が8〜40g/lの発泡形成体が使用される。これらの表面側スリット3と裏面側スリット4とはV字形で、その先端部が板厚の中心軸6よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成されている。
【0010】
この先端部を板厚の中心軸6よりも奥側に位置させて、互いに重ね合わせるようにすると、図3の(1)に示すように、板材本体2が平面波形になるため任意の方向に自由に曲げることができる。
【0011】
そのため板材1を一方側、すなわち表面側が膨らむ方向に折り曲げると、図3の(2)に示すように、裏面側スリット4が閉じて、表面側スリット3が大きく開くが、先端部は(湾曲であるため)引き裂かれない。このスリット3、4のV字形の開口の広さ8と、深さ9とにより板材1の折り曲げの程度、すなわち曲率が決定され、これら二つが大きいと曲率も大きくなり、これら二つが小さいと曲率も小さくなる。
【0012】
しかし、表面側スリット3と裏面側スリット4との先端部が板厚の中心軸6よりも手前側に位置すると、図4に示すように、これらのスリット3、4間に軸芯部7が形成されるため折り曲げが困難になる。
【0013】
また裏面側スリット4には補強材5が嵌合されて、湾曲した板材1の強度を保持している。したがって、表面側が膨らむ方向に折り曲げる場合には、図5の(1)に示すように、裏面側スリット(閉じる側のスリット)4に補強材5が嵌合され、波形に折り曲げる場合は、同図の(2)に示すように、表面側スリット3と裏面側スリット4とに補強材5が嵌合される。この補強材5によって湾曲した板材1が所定の強度を保持するため、曲面を有する堰板または間仕切壁の形成が可能になる。
【0014】
また板材本体2の両側面、表面および裏面における両側端部には、接合用スリット10が長辺方向(表面側および裏面側スリット3、4と同じ方向)に沿って形成されている。そのため接合用スリット10にコ字形の連結材11を嵌合すると、図6に示すように、板材1同士を側面で繋ぐことができ、二枚の板材1を繋ぐと大きな型枠12または間仕切壁13が形成できる。
【0015】
これらは連結材11を両側端部の接合用スリット10に嵌合して接合したが、図7の(1)に示すように、I形の連結材14を両側面の接合用スリット10に嵌合して接合することもできる。さらに、同図の(2)に示すように、これらの接合用スリット10を利用することなく、H形の連結材15を用いて接合することもできる。このH形の連結材15に板材の端部を嵌合するとき、接合用スリット10が形成されていると、端部が縮め易くなり、かつ嵌合された後はバネ作用で元に戻るため抜けにくくなる。
【0016】
また図8および図9は、天井における断面コ字形の天井側ランナー16と、床における断面コ字形の床側ランナー17とに板材1を差し込んで湾曲状の間仕切壁13を形成したものであり、これら湾曲状のランナー16、17に沿って板材1が折り曲げられるので湾曲の間仕切壁13が形成される。そのためランナー16、17がこれ以外の湾曲形状であっても、それに沿って板材1が湾曲するため任意の形状の間仕切壁13を形成することが可能となる。
【0017】
また図10は第2の実施の形態の板材18である。この板材18は補強材19を平面T字形にしたものであり、これ以外は第1の実施の形態の板材1と同じ構成である。これは表面側スリット3および裏面側スリット4の間の表面および裏面に嵌合用スリット20が形成され、この嵌合用スリット20に補強材の垂直片21を嵌合したものである。この補強材19は湾曲して膨らむ側とは反対側に設置されて、板材18の強度を保持するものであり、第1の実施の形態と同じように、型枠12または間仕切壁13として使用する。
【0018】
上記の実施の形態において補強材5、19は取外自在であるため、例えば板材1、18を型枠の堰板として使用した場合、型枠内に打設されたコンクリートの硬化後に、補強材5、19を嵌合用スリット20から引き抜くと断熱材として使用することができる。
【0019】
また図11は補強材5を表面側スリット3に嵌合した板材1を示したものであり、どちらのスリット3、4にも嵌合することができる。さらに図12は補強材5が図11のように、スリット3、4に沿った一本もの(長尺状のもの)ではなく、複数に分割した短尺状のものであり、長さ方向に適宜間隔をもって設けることもできる。このように分割することにより縦方向の必要な箇所のみに補強材5を設置することができる。
【0020】
また上記の実施の形態においては、表面側スリット3および裏面側スリット4を板材本体2の長辺方向(図1の(2)において縦方向)に沿って形成したが、この表面側スリット3および裏面側スリット4を短辺方向(図1の(2)において横方向)に沿って形成することもでき、この方向は必要に応じて決定するものとする。
【0021】
なお表面側スリット3と裏面側スリット4とは同じ方向に沿って形成され、これらがそれぞれ異なった方向(両者が交差する方向)、すなわち表面側スリット(または裏面側スリット)3が長辺方向で、裏面側スリット(または表面側スリット)4が短辺方向に沿って形成されることはない。
【0022】
また上記の実施の形態においては、表面側スリット3または裏面側スリット4に補強材5、19を嵌合した板材1、18について説明したが、この補強材5、19を嵌合しない板材も形成することができる。この補強材5、19を嵌合しない板材は、補強材5、19を嵌合しない以外は、第1の実施の形態の板材1と同じ構成である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態の板材であり、(1)は平面図、(2)は正面図である。
【図2】第1の実施の形態の板材の斜視図である。
【図3】(1)は第1の実施の形態の板材の要部の拡大平面図、(2)は同折り曲げた平面図である。
【図4】板材の要部の拡大平面図である。
【図5】(1)および(2)は第1の実施の形態の板材を折り曲げた平面図である。
【図6】(1)は湾曲した板材を接合した平面図、(2)は同正面図である。
【図7】湾曲したランナーに板材を嵌め込んだ平面図である。
【図8】湾曲したランナーに板材を嵌め込んだ断面図である。
【図9】第2の実施の形態の板材であり、(1)は要部の拡大平面図、(2)は同折り曲げた平面図である。
【図10】(1)および(2)は板材の接合部の拡大平面図である。
【図11】他の実施の形態の板材であり、(1)は平面図、(2)は同正面図である。
【図12】他の実施の形態の板材であり、(1)は平面図、(2)は同正面図である。
【符号の説明】
【0024】
1、18 板材
2 板材本体
3 表面側スリット
4 裏面側スリット
5、19 補強材
6 中心軸
7 軸芯部
8 開口の広さ
9 開口の深さ
10 接合用スリット
11、14、15 連結材
12 型枠
13 間仕切壁
16 天井側ランナー
17 床側ランナー
20 嵌合用スリット
21 垂直片
【技術分野】
【0001】
本願発明は発泡樹脂製の板材、すなわち型枠や間仕切壁として使用される板材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の間仕切壁は天井側に設置した断面コ字形の天井側ランナーと、床側に設置した断面コ字形の床側ランナーとの間に下地柱を建て込み、この下地柱の表面に石膏ボードなどの壁材を張り付けて構成していた。しかし、この間仕切壁に曲面をもたせる場合、すなわち間仕切壁全体を湾曲状に形成する場合は、石膏ボードなどの壁材では曲面が形成できないため、合板を湾曲状に折り曲げて形成していた。一方、型枠においても合板を堰板として使用しているが、曲面のある型枠の場合は、合板を湾曲状に折り曲げて形成していた。また、その他の間仕切壁としては、特開2005−9263号公報の発明がある。
【特許文献1】特開2005−9263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の間仕切壁や型枠は壁材および堰板として合板を使用し、曲面を形成する場合は、これを折り曲げて形成していたために繁雑な作業となり、熟練の型枠工を必要としていた。
【0004】
本願発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲面を備えた間仕切壁または型枠を形成する場合に、熟練の型枠工などを必要とせずに誰でも簡単に曲面が形成できる板材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための板材は、発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置して湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットには補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする。また板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部には接合用スリットが表面側スリットまたは裏面側スリットと同じ方向で形成されたことを含むものである。
また板材は、発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットの間の表面または裏面に嵌合用スリットが形成され、該嵌合用スリットに補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする。
また板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部には接合用スリットが表面側スリットまたは裏面側スリットと同じ方向で形成されたことを含むものである。
【発明の効果】
【0006】
発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成されたことにより、板材を自由に曲げて任意の湾曲形状を形成することができる。また板材を、例えば半円形または波形に折り曲げることができるので、型枠および間仕切壁において曲面を簡単に形成することができる。また表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成されたことにより、このV字形のスリットの大きさで曲率が決定されると共に、V字形のスリットが開いた場合でも先端部が引き裂かれない。また表面側スリットまたは裏面側スリットに補強材が取外自在に設けられたことにより、型枠または間仕切壁として使用できる強さを得ることができる。また板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部に形成された接合用スリットにより、板材同士を簡単に繋ぎ合わせて型枠または間仕切壁を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本願発明の板材の実施の形態について説明する。また各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付して説明し、異なった構成は異なった符号を付して説明する。この板材は曲面を有する型枠または湾曲状の間仕切壁を形成するときに使用されるものである。
【0008】
図1〜図4は第1の実施の形態の板材1である。この板材1は熱可塑性発泡樹脂からなる板材本体(適宜厚さの長方形)2の表面に表面側スリット3が長辺方向に沿って形成されるとともに、該表面側スリット3と交互に位置する裏面に裏面側スリット4が長辺方向に沿って形成され、該裏面側スリット4にコ字形の補強材5が嵌合されて構成されている。
【0009】
この熱可塑性発泡樹脂としては高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体などからなる密度が8〜40g/lの発泡形成体が使用される。これらの表面側スリット3と裏面側スリット4とはV字形で、その先端部が板厚の中心軸6よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成されている。
【0010】
この先端部を板厚の中心軸6よりも奥側に位置させて、互いに重ね合わせるようにすると、図3の(1)に示すように、板材本体2が平面波形になるため任意の方向に自由に曲げることができる。
【0011】
そのため板材1を一方側、すなわち表面側が膨らむ方向に折り曲げると、図3の(2)に示すように、裏面側スリット4が閉じて、表面側スリット3が大きく開くが、先端部は(湾曲であるため)引き裂かれない。このスリット3、4のV字形の開口の広さ8と、深さ9とにより板材1の折り曲げの程度、すなわち曲率が決定され、これら二つが大きいと曲率も大きくなり、これら二つが小さいと曲率も小さくなる。
【0012】
しかし、表面側スリット3と裏面側スリット4との先端部が板厚の中心軸6よりも手前側に位置すると、図4に示すように、これらのスリット3、4間に軸芯部7が形成されるため折り曲げが困難になる。
【0013】
また裏面側スリット4には補強材5が嵌合されて、湾曲した板材1の強度を保持している。したがって、表面側が膨らむ方向に折り曲げる場合には、図5の(1)に示すように、裏面側スリット(閉じる側のスリット)4に補強材5が嵌合され、波形に折り曲げる場合は、同図の(2)に示すように、表面側スリット3と裏面側スリット4とに補強材5が嵌合される。この補強材5によって湾曲した板材1が所定の強度を保持するため、曲面を有する堰板または間仕切壁の形成が可能になる。
【0014】
また板材本体2の両側面、表面および裏面における両側端部には、接合用スリット10が長辺方向(表面側および裏面側スリット3、4と同じ方向)に沿って形成されている。そのため接合用スリット10にコ字形の連結材11を嵌合すると、図6に示すように、板材1同士を側面で繋ぐことができ、二枚の板材1を繋ぐと大きな型枠12または間仕切壁13が形成できる。
【0015】
これらは連結材11を両側端部の接合用スリット10に嵌合して接合したが、図7の(1)に示すように、I形の連結材14を両側面の接合用スリット10に嵌合して接合することもできる。さらに、同図の(2)に示すように、これらの接合用スリット10を利用することなく、H形の連結材15を用いて接合することもできる。このH形の連結材15に板材の端部を嵌合するとき、接合用スリット10が形成されていると、端部が縮め易くなり、かつ嵌合された後はバネ作用で元に戻るため抜けにくくなる。
【0016】
また図8および図9は、天井における断面コ字形の天井側ランナー16と、床における断面コ字形の床側ランナー17とに板材1を差し込んで湾曲状の間仕切壁13を形成したものであり、これら湾曲状のランナー16、17に沿って板材1が折り曲げられるので湾曲の間仕切壁13が形成される。そのためランナー16、17がこれ以外の湾曲形状であっても、それに沿って板材1が湾曲するため任意の形状の間仕切壁13を形成することが可能となる。
【0017】
また図10は第2の実施の形態の板材18である。この板材18は補強材19を平面T字形にしたものであり、これ以外は第1の実施の形態の板材1と同じ構成である。これは表面側スリット3および裏面側スリット4の間の表面および裏面に嵌合用スリット20が形成され、この嵌合用スリット20に補強材の垂直片21を嵌合したものである。この補強材19は湾曲して膨らむ側とは反対側に設置されて、板材18の強度を保持するものであり、第1の実施の形態と同じように、型枠12または間仕切壁13として使用する。
【0018】
上記の実施の形態において補強材5、19は取外自在であるため、例えば板材1、18を型枠の堰板として使用した場合、型枠内に打設されたコンクリートの硬化後に、補強材5、19を嵌合用スリット20から引き抜くと断熱材として使用することができる。
【0019】
また図11は補強材5を表面側スリット3に嵌合した板材1を示したものであり、どちらのスリット3、4にも嵌合することができる。さらに図12は補強材5が図11のように、スリット3、4に沿った一本もの(長尺状のもの)ではなく、複数に分割した短尺状のものであり、長さ方向に適宜間隔をもって設けることもできる。このように分割することにより縦方向の必要な箇所のみに補強材5を設置することができる。
【0020】
また上記の実施の形態においては、表面側スリット3および裏面側スリット4を板材本体2の長辺方向(図1の(2)において縦方向)に沿って形成したが、この表面側スリット3および裏面側スリット4を短辺方向(図1の(2)において横方向)に沿って形成することもでき、この方向は必要に応じて決定するものとする。
【0021】
なお表面側スリット3と裏面側スリット4とは同じ方向に沿って形成され、これらがそれぞれ異なった方向(両者が交差する方向)、すなわち表面側スリット(または裏面側スリット)3が長辺方向で、裏面側スリット(または表面側スリット)4が短辺方向に沿って形成されることはない。
【0022】
また上記の実施の形態においては、表面側スリット3または裏面側スリット4に補強材5、19を嵌合した板材1、18について説明したが、この補強材5、19を嵌合しない板材も形成することができる。この補強材5、19を嵌合しない板材は、補強材5、19を嵌合しない以外は、第1の実施の形態の板材1と同じ構成である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態の板材であり、(1)は平面図、(2)は正面図である。
【図2】第1の実施の形態の板材の斜視図である。
【図3】(1)は第1の実施の形態の板材の要部の拡大平面図、(2)は同折り曲げた平面図である。
【図4】板材の要部の拡大平面図である。
【図5】(1)および(2)は第1の実施の形態の板材を折り曲げた平面図である。
【図6】(1)は湾曲した板材を接合した平面図、(2)は同正面図である。
【図7】湾曲したランナーに板材を嵌め込んだ平面図である。
【図8】湾曲したランナーに板材を嵌め込んだ断面図である。
【図9】第2の実施の形態の板材であり、(1)は要部の拡大平面図、(2)は同折り曲げた平面図である。
【図10】(1)および(2)は板材の接合部の拡大平面図である。
【図11】他の実施の形態の板材であり、(1)は平面図、(2)は同正面図である。
【図12】他の実施の形態の板材であり、(1)は平面図、(2)は同正面図である。
【符号の説明】
【0024】
1、18 板材
2 板材本体
3 表面側スリット
4 裏面側スリット
5、19 補強材
6 中心軸
7 軸芯部
8 開口の広さ
9 開口の深さ
10 接合用スリット
11、14、15 連結材
12 型枠
13 間仕切壁
16 天井側ランナー
17 床側ランナー
20 嵌合用スリット
21 垂直片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットには補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする板材。
【請求項2】
発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットの間の表面または裏面に嵌合用スリットが形成され、該嵌合用スリットに補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする板材。
【請求項3】
板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部には接合用スリットが表面側スリットまたは裏面側スリットと同じ方向で形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の板材。
【請求項1】
発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットには補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする板材。
【請求項2】
発泡樹脂製の板材本体の表面に長辺方向または短辺方向に沿った表面側スリットが適宜間隔をもって形成され、該表面側スリットと交互になる位置の裏面に長辺方向または短辺方向に沿った裏面側スリットが形成され、これら表面側スリットと裏面側スリットとは平面V字形で、その先端部が板厚の中心軸よりも奥側に位置し、かつ湾曲に形成され、表面側スリットまたは裏面側スリットの間の表面または裏面に嵌合用スリットが形成され、該嵌合用スリットに補強材が取外自在に設けられたことを特徴とする板材。
【請求項3】
板材本体の両側面、表面および裏面の両側端部には接合用スリットが表面側スリットまたは裏面側スリットと同じ方向で形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の板材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−41302(P2009−41302A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209118(P2007−209118)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(303059990)油化三昌建材株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(303059990)油化三昌建材株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
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