説明

板状体の反転装置及び方法

【課題】板状体が大型かつ重量物の場合であっても、反転処理を容易かつ効率よく行うことができる板状体の反転装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明の板状体Sの反転装置1は、台座T上に載置された板状体Sを跨ぐように配置された門型の支柱2と、板状体Sの表面又は裏面に密着して板状体Sを把持する一対の把持部3,3と、各把持部3を回動可能に支持する一対のアーム部4,4と、支柱2の上部を走行可能な一対の台車5,5と、各台車5に接続されアーム部4を昇降可能に支持する一対の昇降装置6,6と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状体の表裏を反転させる板状体の反転装置及び方法に関し、特に、切断機やマーキング機等の加工機の台座上に載置された平板状の板状体の反転に適した板状体の反転装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナ船や商船等の船舶の建造には、種々の形状・大きさの鋼板部品が使用されている。これらの鋼板部品は、5m×20m程度の大きな板状体の鋼板から切り出されて所望の加工が施される。例えば、船舶の外殻に使用される厚板の鋼板部品は、板状体の鋼板を定盤やコンベア等の台座上に載置した状態でマーキング機に移動し、板状体の鋼板の表面にマーキングを施し、板状体の鋼板を切断機に移動し、所望の形状に切り出される。かかる鋼板部品の加工において、従来は板状体を反転する必要はなかった。
【0003】
しかしながら、近年の造船作業の合理化により、板状体の鋼板の裏面へのマーキングや加工が必要とされるようになってきている。例えば、後工程における鋼板部品の組立て時に鋼板部品に取り付けられる機器類の場所を正確に示すために表裏両面にマーキングを行うことが要求されたり、鋼板部品の切断面からの塗装の剥離を防ぐために切断面の表裏両面側から面取りが要求されたりしている。これらの処理を効率的に行うには、板状体の鋼板を反転する必要がある。板状体を反転させる装置には、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されたものが提案されている。
【0004】
特許文献1に記載された反転装置は、板状体であるディスクを吊下搬送して反転部材の回転部に載置し、ディスク押圧機構の油圧シリンダを作動させて押圧部でディスクをクランプし、回転部を回転させてディスクを反転する装置である。また、特許文献2に記載された反転装置は、スイングアームを下降させてビーム及び腕部を搬送装置の下方に位置させておき、その直上へ板状体である鋼板を搬送したらスイングアームを上方へ揺動させつつ電磁石に通電し、磁力によって鋼板を下面側から吸着保持してスイングアームをさらに上昇させることで鋼板を搬送装置の上方へ持ち上げ、ビームを180度回転させて鋼板の表裏を反転させ、スイングアームを下降させて、鋼板を搬送装置上に載置して電磁石を脱磁する装置である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−252564号公報
【特許文献2】特開平8−73027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された反転装置では、板状体を反転装置まで搬送しなければならない、板状体を反転装置に搬出入する出入口の向きも反転してしまう等の問題がある。一般に、船舶の建造に用いられる板状体は大型かつ重量物であるため、板状体の搬送に労力と時間を要し、板状体の搬送処理は作業効率を低下させる要因となる。また、板状体の出入口が反転してしまうと、反転した板状体を元の位置に戻すためには、板状体の搬送処理が発生し、作業効率が低下してしまう。さらに、板状体の出入口を元の方向に戻すために、反転装置を水平方向面内で回転させることも考えられるが、板状体は大型であるため作業スペースの確保が困難であり、現実的でない。
【0007】
また、特許文献2に記載された反転装置では、アームで板状体を片持した状態で反転させているため、アームの駆動装置に過大な負荷が生じ、装置が大型化・高価格化してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、板状体が大型かつ重量物の場合であっても、反転処理を容易かつ効率よく行うことができる板状体の反転装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、板状体の表裏を反転させる板状体の反転装置において、台座上に載置された前記板状体を跨ぐように配置された門型の支柱と、前記板状体の表面又は裏面に密着して前記板状体を把持する一対の把持部と、該把持部を回動可能に支持する一対のアーム部と、前記支柱の上部を走行可能な一対の台車と、該台車に接続され前記アーム部を昇降可能に支持する一対の昇降装置と、を有し、一方の前記把持部により前記板状体を把持して起立させ、他方の前記把持部により前記板状体を持ち替えて前記台座上に載置することにより前記板状体の表裏を反転させる、ことを特徴とする板状体の反転装置が提供される。
【0010】
前記把持部は、例えば、電磁石又は吸着パッドにより前記板状体を把持する。また、前記把持部は、前記板状体の少なくとも側面部を支持する複数のストッパを有していてもよい。前記ストッパは、前記把持部の背面に退避可能に構成されていてもよいし、前記板状体の側面部に向かって移動可能に構成されていてもよいし、前記板状部の側面部に沿って移動可能に構成されていてもよい。
【0011】
前記アーム部は、例えば、前記把持部の略中心部に配置された回動軸を枢支するアーム本体部と、該アーム本体部及び前記把持部の前記回動軸から離間した位置に接続されたアクチュエータと、を有する。また、前記支柱は、床面に配置されたレール上を移動可能に構成されていてもよい。
【0012】
また、本発明によれば、板状体の表裏を反転させる板状体の反転方法であって、台座上に載置された前記板状体の表面を把持する表面把持工程と、表面を把持した板状体を前記台座から持ち上げて起立させることにより前記板状体の裏面を露出させる起立工程と、起立された板状体の裏面を把持して前記板状体を持ち替える裏面把持工程と、裏面を把持した板状体を前記台座上に載置する載置工程と、を有する、ことを特徴とする板状体の反転方法が提供される。なお、前記板状体から切り出される部品の溶接予定部を切断しない状態で前記板状体の表裏を反転させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明の板状体の反転装置によれば、板状体の表面又は裏面を把持可能な一対の把持部を設けたことにより、一方の把持部により板状体の表面を把持して起立させ、他方の把持部により板状体の裏面を把持して持ち替えることにより、板状体の表裏を反転させることができる。したがって、反転した板状体を元の位置に容易に戻すことができ、板状体の反転処理時に板状体の搬送工程を必要とせず、作業の省力化及び省スペース化を図ることができ、反転処理を効率よく行うことができる。また、板状体を把持した把持部は略90°だけ回動できればよく、板状体を180°反転させる装置と比較して駆動装置の負荷を低減することができ、装置を小型化することができる。
【0014】
また、把持部に所定のストッパを設けることにより、板状体を確実に保持することができる、板状体の把持時及び持ち替え時にストッパを退避させることができる、板状体の大きさに適した位置にストッパを配置することができる等の効果を奏する。
【0015】
上述した本発明の板状体の反転方法によれば、板状体の表面を把持して起立させ、板状体の裏面を把持して持ち替えることにより、板状体の表裏を反転させることができる。したがって、反転した板状体を元の位置に容易に戻すことができ、板状体の反転処理時に板状体の搬送工程を必要とせず、作業の省力化及び省スペース化を図ることができ、反転処理を効率よく行うことができる。
【0016】
また、板状体の切断面の表裏両面側から面取りを行う場合には、面取りをする必要がない溶接部を切断せずに残しておくことで、板状体から切り出される部品が反転時に脱落することがなく、しかも板状体の切断面における表裏両面の面取りを容易に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図1〜図12を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係る板状体の反転装置を示す側面図である。また、図2は、本発明に係る板状体の反転装置を示す上面図である。また、図3は、把持部を示す拡大図であり、(A)は側面図、(B)は図3(A)におけるB−B矢視図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、本発明の板状体Sの反転装置1は、台座T上に載置された板状体Sを跨ぐように配置された門型の支柱2と、板状体Sの表面又は裏面に密着して板状体Sを把持する一対の把持部3,3と、各把持部3を回動可能に支持する一対のアーム部4,4と、支柱2の上部を走行可能な一対の台車5,5と、各台車5に接続されアーム部4を昇降可能に支持する一対の昇降装置6,6と、を有する。
【0019】
前記台座Tは、マーキング機や切断機等の加工機7の定盤や搬送装置のコンベアベルト等である。ここでは、床面上に配置されたレール7r上に走行可能に配置された加工機7の定盤を示している。加工機7は、板状体Sの反転処理中は、図2に示すように、板状体Sと接触しない位置に退避している。なお、図1においては、加工機7の図を省略してある。
【0020】
前記支柱2は、図1に示すように、加工機7と接触しないように門型に形成されており、台座Tの略中心部に配置されている。また、図2に示すように、一対の支柱2,2が平行に配置されており、各支柱2の上部にレール2rが配置されている。この一対のレール2r,2rにより台車5を走行可能に支持している。なお、レール2rは、必ずしも支柱2の上面に配置されている必要はなく、支柱2の上部の内面や下面に配置されていてもよいし、台車5を吊り下げて移動させるものであってもよい。
【0021】
前記把持部3は、図3に示すように、板状体Sと密着する平板部31と、I型鋼により構成され平板部31を補強する複数の補強材32と、を溶接した構造体により構成されている。平板部31には、板状体Sを把持するための複数の電磁石33が配置されている。なお、電磁石33に磁力を発生させる機構については省略してある。板状体Sが軽量な場合や導電体でない場合には、電磁石33に替えて、真空引きして板状体Sを把持する吸着パッドを配置するようにしてもよい。また、平板部31の背面の略中心部には、アーム部4により枢支される回動軸34が配置されている。この回動軸34は把持部3の把手に相当する部材である。
【0022】
また、把持部3には、板状体Sの把持時に板状体Sの側面部及び裏面部を支持する複数のストッパ35が設けられている。ストッパ35は、例えば、図3(A)に示したように、略L字状の形状なしており、板状体Sの側面部及び裏面部を支持できる構成になっている。このストッパ35は、板状体Sを起立させたときに、自重により板状体Sが移動するのを防止する部材である。したがって、ストッパ35は、少なくとも板状体Sの側面部のみを支持できるI字状であってもよい。かかるストッパ35は、一対の把持部3,3の両方に設けられているが、板状体Sの持ち替え時に干渉しないように位置をずらして配置される。また、ストッパ35は、ストッパ回動装置36により把持部3の背面に退避可能に構成され、ストッパ移動装置37により板状体Sの側面部に向かって移動可能に構成されている。なお、図2において、電磁石33、ストッパ35、ストッパ回動装置36及びストッパ移動装置37の図を省略してある。
【0023】
前記ストッパ回動装置36は、平板部31の背面に配置されたレール31r上に載置されたスライダ36sと、スライダ36s上に配置された駆動モータ36mと、駆動モータ36mにより作動されるアクチュエータ36aと、を有する。ストッパ35は、スライダ36s及びアクチュエータ36aに回動可能に連結されており、リンク機構を形成している。したがって、駆動モータ36mを作動させてアクチュエータ36aを伸縮させることにより、ストッパ35を回動させることができ、板状体Sをストッパ35で支持したり、把持部3の背面に退避させたりすることができる。
【0024】
前記ストッパ移動装置37は、平板部31の背面に配置された駆動モータ37mと、駆動モータ37mにより作動されるアクチュエータ37aと、を有し、アクチュエータ37aは、スライダ36sに連結されている。したがって、駆動モータ37mを作動させてアクチュエータ37aを伸縮させることにより、スライダ36sを移動させることができる。特に、板状体Sの把持時にスライダ36sを引き込むことにより、ストッパ35に負荷される荷重を支持することができる。また、ストッパ35の退避時にスライダ36sを引き込むことにより、ストッパ35の全体を把持部3の背面に退避させることもできる。
【0025】
前記補強材32は、例えば、図3(B)に示すように、平板部31の背面にストッパ回動装置36及びストッパ移動装置37に沿って略平行に配置される第一段目の補強材32と、図3(A)に示すように、第一段目の補強材32と略垂直に配置される第二段目の補強材32と、を有する。この補強材32の配置は、把持する板状体Sの大きさや重量により適宜変更されるものであり、図示した構成に限定されるものではない。また、補強材32の一部には、後述するアーム部4のアクチュエータ4aが連結される連結部材32cが配置されている。なお、把持部3の軽量化のために、平板部31又は補強材32に複数の開口部を形成するようにしてもよい。
【0026】
前記アーム部4は、図1に示すように、把持部3の回動軸34を枢支するアーム本体部41と、アーム本体部41及び把持部3の回動軸34から離間した位置に接続されたアクチュエータ42と、を有する。具体的には、アーム本体部41は、把持部3の回動軸34を枢支するアーム41aと、アーム41aを支持する本体部41bと、から構成されており、本体部41bにアクチュエータ42が配置されている。また、アクチュエータ42の先端部は把持部3の連結部材32cに連結されている。したがって、把持部3、アーム本体部41(アーム41a及び本体部41b)及びアクチュエータ42によりリンク機構が構成され、アクチュエータ42を伸縮させることにより把持部3を回動軸34中心に回動させることができる。なお、本体部41bは、平板状の鋼板やI型鋼等の複数の鋼材を溶接して形成される構造体であり、図示した構成に限定されるものではない。
【0027】
前記台車5は、把持部3及びアーム部4を板状体S上に接近又は離間させる機能を有する。具体的には、台車5は、一対の支柱2,2上に配置されたレール2r,2rに掛け渡された構造体であり、付設された駆動モータ5mによりレール2r上を走行可能に構成されている。台車5の走行機構は、ラックとピニオンの組み合わせにより駆動される機構であってもよいし、転動する車輪により駆動される機構であってもよいし、伸縮するアクチュエータにより駆動される機構であってもよい。また、台車5には、支柱2とアーム4との間にアーム部4を保護するカバー部材5cを設けるようにしてもよい。
【0028】
前記昇降装置6は、把持部3及びアーム部4を台座T上で昇降させる機能を有する。具体的には、昇降装置6は、図1及び図2に示すように、台車5に配置された昇降軸61と、昇降軸61に接続された駆動モータ62と、アーム部4に接続されたバランサ63と、を有する。例えば、昇降軸61はスクリューネジにより構成され、駆動モータ62は昇降軸61を回転させるように構成されている。そして、アーム部4の本体部41bは、昇降軸61のスクリューネジに螺合されており、スクリューネジの回転によって昇降軸61に沿って送り移動される。また、昇降軸61の両脇には、アーム部4の姿勢を維持するバランサ63が配置されている。バランサ63は、いわゆるカウンタバランサであり、空気シリンダ式やスプリング式のものが使用される。かかる昇降機構は、単なる一例であり、往復駆動可能なアクチュエータによりアーム部4を昇降させてもよいし、チェーンやベルトを巻取り又は巻戻しすることによりアーム部4を昇降させてもよい。
【0029】
続いて、上述した板状体Sの反転装置1により板状体Sの表裏を反転させる方法について説明する。ここで、図4〜図7は、本発明に係る板状体の反転方法を示す図である。図4は表面把持工程を示す図であり、(A)は初期状態、(B)は移動状態、(C)は表面把持状態、を示している。また、図5は起立工程及び裏面把持工程を示す図であり、(A)は移動状態、(B)は起立状態、(C)は裏面把持状態、を示している。また、図6は載置工程を示す図であり、(A)は準備状態、(B)は移動状態、(C)は載置状態、を示している。また、図7は退避工程を示す図であり、(A)は移動状態、(B)は退避状態、を示している。なお、各図において、加工機7の図は省略してある。
【0030】
図4〜図7に示した板状体Sの反転方法は、台座T上に載置された板状体Sの表面を把持する表面把持工程と、表面を把持した板状体Sを台座Tから持ち上げて起立させることにより板状体Sの裏面を露出させる起立工程と、起立された板状体Sの裏面を把持して板状体Sを持ち替える裏面把持工程と、裏面を把持した板状体Sを台座T上に載置する載置工程と、反転装置1の把持部3を退避させる退避工程と、を有する。
【0031】
前記表面把持工程は、図4(A)〜(C)に示したように、図1及び図2に示した反転装置1の把持部3を移動させて板状体Sを把持する工程である。図4(A)の初期状態に示したように、板状体Sは台座T上に載置されており、板状体Sの表面側に所定の加工を施してある。このとき、反転装置1の把持部3は、加工機7と接触しないように、支柱2の両側に退避されている。また、把持部3のストッパ35は、把持部3の移動時に邪魔にならないように、把持部3の背面に退避されている。まず、一方の把持部3を移動させて板状体Sの表面を把持させる。具体的には、図4(B)の移動状態に示したように、台車5をレール2r上で移動させることにより把持部3を板状体S上に移動させ、昇降装置6を作動させることにより把持部3を降下させ、アーム部4のアクチュエータ42を作動させることにより把持部3を回動させる。かかる処理により、把持部3を板状体S上に移動させて把持部3を板状体Sの表面と対峙させることができる。なお、把持部3の水平移動、降下及び回動は、同時に処理してもよいし、交互に処理してもよい。続いて、図4(C)の表面把持状態に示したように、把持部3を板状体Sの表面に配置した後、電磁石33に磁力を発生させて板状体Sを把持する。さらに、退避していたストッパ35を駆動させて板状体Sの側面部及び裏面を支持する。
【0032】
前記起立工程は、図5(A)及び(B)に示したように、把持した板状体Sを持ち上げる工程である。図5(A)の移動状態に示したように、台車5をレール2r上で移動させることにより板状体Sが台座Tと接触しない位置に移動させ、昇降装置6を作動させることにより把持部3を台座Tと接触しない位置まで上昇させ、アーム部4のアクチュエータ42を作動させることにより把持部3を回動させる。かかる処理により、把持部3を板状体S上で略90°だけ回動させた起立状態にすることができ、板状体Sの裏面を他方の把持部3で把持できるように露出させることができる。なお、把持部3の水平移動、上昇及び回動は、同時に処理してもよいし、交互に処理してもよい。また、図5(B)では、起立させた板状体Sを反転装置1の略中央部に移動させた状態を図示しているが、図5(A)に示した位置で台車5を固定して板状体Sを起立させた起立状態としてもよい。
【0033】
前記裏面把持工程は、図5(C)に示したように、他方の把持部3で板状体Sを持ち替える工程である。図5(C)の裏面把持工程に示したように、退避していた他方の把持部3を移動させ、起立した板状体Sの露出した裏面を把持部3で把持する。このとき、台車5、昇降装置6及びアーム部4のアクチュエータ42は、把持部3が板状体Sの裏面と対峙するように制御される。そして、他方の把持部3を板状体Sの裏面と対峙するように配置した後、電磁石33に磁力を発生させて板状体Sを把持し、退避していたストッパ35を駆動させて板状体Sの側面部及び表面を支持する。そして、板状体Sの表面を把持していた把持部3のストッパ35を把持部3の背面に移動させて退避させ、電磁石33の磁力を解除して板状体Sを把持部3から離脱できるようにする。かかる処理により、他方の把持部3により板状体Sの裏面を把持して持ち替えることができ、板状体Sの表面を露出させた状態にすることができる。
【0034】
前記載置工程は、図6(A)〜(C)に示したように、持ち替えた板状体Sを台座T上の載置する工程である。図6(A)の準備状態に示したように、板状体Sの表面を把持していた把持部3を台車5により退避させる。続いて、図6(B)の移動状態に示したように、台車5をレール2r上で移動させることにより板状体Sが台座Tと接触しない位置に移動させ、昇降装置6を作動させることにより把持部3を降下させ、アーム部4のアクチュエータ42を作動させることにより把持部3を回動させる。そして、図6(C)の載置状態に示したように、板状体Sを略水平状態として台座T上に降ろし、ストッパ35を把持部3の背面に移動させて退避させ、電磁石33の磁力を解除して板状体Sを把持部3から離脱できるようにする。かかる処理により、所定の加工が終了した板状体Sの表面を下にして台座T上に載置させることができる。
【0035】
前記退避工程は、図7(A)及び(B)に示したように、板状体Sを反転させた把持部3を退避させる工程である。図7(A)の移動状態に示したように、台車5をレール2r上で移動させることにより板状体Sが台座Tと接触しない位置に移動させ、昇降装置6を作動させることにより把持部3を台座Tと接触しない位置まで上昇させ、アーム部4のアクチュエータ42を作動させることにより把持部3を回動させる。そして、最終的に、図7(B)の退避状態に示したように、板状体Sの裏面の加工に邪魔にならない位置に把持部3を移動させる。この退避状態は、図4(A)に示した初期状態でもある。かかる処理により、板状体Sの未加工の裏面を上にして台座T上に載置して加工機7の作業スペースを確保することができ、板状体Sの裏面の加工を速やかに施すことができる。
【0036】
上述した本発明の板状体Sの反転方法によれば、板状体Sの表面を把持して起立させ、板状体Sの裏面を把持して持ち替えることにより、板状体Sの表裏を反転させることができる。したがって、反転した板状体Sを元の位置に容易に戻すことができ、板状体Sの反転処理時に板状体Sの搬送工程を必要とせず、作業の省力化及び省スペース化を図ることができ、反転処理を効率よく行うことができる。
【0037】
ここで、図8は、裏面把持工程の変形例を示す図であり、(A)は裏面把持待機状態、(B)は裏面把持完了状態、を示している。この変形例は、裏面把持工程において、把持部3の接近又は離間を待つ関係上、板状体Sの起立状態が長く続き易いことに鑑み、把持部3の負担を軽減して板状体Sが落下し難くするための処理である。
【0038】
図8(A)に示したように、板状体Sの表面を把持した把持部3は、90°以上回動されるように鉛直軸に対して角度αだけ傾動されており、板状体Sの自重の一部を把持部3の接触面で支持できる状態になっている。角度αは、例えば、5°〜10°程度である。そして、板状体Sの裏面を把持する他方の把持部3が接近するのを待機する。図8(A)は、他方の把持部3が、板状体Sの裏面に到達した状態を示している。その状態で、他方の把持部3の電磁石33に磁力を発生させて板状体Sを把持し、退避していたストッパ35を駆動させて板状体Sの側面部及び表面を支持する。その後、両方の把持部3,3を同じ方向に角度2αだけ回動させて、板状体Sを他方の把持部3側に鉛直軸に対して角度αだけ傾動された状態にする。そして、板状体Sの表面を把持していた把持部3のストッパ35を把持部3の背面に移動させて退避させ、電磁石33の磁力を解除して板状体Sを把持部3から離脱できるようにする。この状態が図8(B)に示した裏面把持完了状態である。かかる処理により、板状体Sの表面を把持していた把持部3が退避するまでの間、板状体Sの自重の一部を把持部3の接触面で支持することができる。なお、ここでは、両方の把持部3,3で板状体Sを把持したまま板状体Sを傾動させているが、どちらか一方の把持部3で保持した状態で板状体Sを傾動させるようにしてもよい。
【0039】
次に、本発明に係る反転装置1及び方法を用いて板状体Sの表裏を加工する場合について説明する。図9は、板状体の表裏を加工する手順を示す図であり、(A)は表面切断工程、(B)は表面切断部面取り工程、(C)は反転工程、(D)は裏面切断部面取り工程、を示している。なお、各図において、反転装置1及び加工機7の図は省略してある。
【0040】
図9(A)の表面切断工程は、加工機7により板状体Sから部品A〜Dの一部を切断する工程である。各部品A〜Dの一点鎖線で示した部分は、各部品A〜Dの使用時に溶接する部分であり、面取りが不要な部分である。一方、各部品A〜Dの実線で示した部分は、面取りが必要な部分であり、加工機7により切断された部分である。図9(B)の表面切断部面取り工程は、各部品A〜Dの切断部を面取りする工程である。例えば、図9(B)に破線で示した部分が面取りされる。図9(C)の反転工程は、表面部の加工が終了した板状体Sの表裏を反転させる工程である。板状体Sの反転には、上述した反転装置1及び反転方法を使用する。図9(C)は、板状体Sを反転させた状態を示している。図9(D)の裏面切断部面取り工程は、反転した板状体Sの各部品A〜Dにおける切断部を面取りする工程である。例えば、図9(D)に破線で示した部分が面取りされる。かかる手順により、板状体Sの表裏に必要な加工を効率よく施すことができる。なお、面取りの方法としては、加工機7に併設させた面取用の切削工具により加工する方法や、加工機7がプラズマ切断機の場合にはそのトーチを使ってエッジを溶融させる方法等が考えられるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0041】
続いて、把持部3の変形例について説明する。ここで、図10は、把持部の変形例を示す図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、である。なお、各図は、図3(B)に示したB−B矢視図に相当するものである。また、上述した実施形態と同じ構成部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0042】
図10(A)に示した把持部3の第一変形例は、把持部3の軽量化を図るために平板部31の形状を小さくしたものである。この場合、電磁石33の磁力が不足する可能性もあるため、平板部31から側方に突出した補強材32の下面に電磁石33を配置しておくことが好ましい。なお、補強材32を伸縮可能に構成したり、ストッパ35を補強材32から側方に向かって突出可能に構成したりすることにより、板状体Sの幅に対応させてストッパ35を作用させることもできる。
【0043】
図10(B)に示した把持部3の第二変形例は、ストッパ35を板状体Sの側面部に沿って移動可能に構成したものである。具体的には、把持部3の平板部31の背面にレール100を配置し、このレール100上に、ストッパ35、ストッパ回動装置36及びストッパ移動装置37を移動可能に載置し、これらを移動させるアクチュエータ101を平板部31の背面に配置している。かかる構成により、ストッパ35、ストッパ回動装置36及びストッパ移動装置37を板状体Sの側面部に沿って図の矢印方向に移動させることができ、板状体Sの大きさに適した位置でストッパ35を作用させることができる。なお、ここでは、平板部31の両端に配置されたストッパ35を板状体Sの側面部に沿って移動させる場合を図示したが、全てのストッパ35を板状体Sの側面部に沿って移動できるように構成してもよい。また、移動機構は図示した構成に限定されるものではなく、ラック・ピニオン機構やベルト機構等を採用してもよい。
【0044】
次に、ストッパ35の変形例について説明する。ここで、図11は、ストッパの変形例を示す図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、(C)は第三変形例、である。なお、各図は、図3(A)に示した側面図に相当するものである。また、上述した実施形態と同じ構成部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。上述した実施形態では、ストッパ35は、ストッパ回動装置36及びストッパ移動装置37により退避可能に構成されているが、必ずしもかかる構成に限定されるものではなく、図11(A)〜(C)に示した変形例を採用するようにしてもよい。
【0045】
図11(A)に示したストッパ35の第一変形例は、ストッパ35を把持部3の側面部に固定したものである。板状体Sの把持時に略正確な位置決めができる場合には、ストッパ35を退避させずに常時突出した状態となるように固定してもよい。かかる構成によれば、ストッパ回動装置36及びストッパ移動装置37を不要とすることができ把持部3を軽量化することができる。
【0046】
図11(B)に示したストッパ35の第二変形例は、ピン110を突出可能なアクチュエータ111により構成したものである。アクチュエータ111は支持部材112により把持部3に固定されている。かかる構成によれば、板状体Sの側面部をピン110で支持することができる。
【0047】
図11(C)に示した第三変形例は、ストッパ35を省略したものである。板状体Sが軽量である場合や電磁石33の磁力により板状体Sを強固に保持できる場合には、ストッパ35を省略してもよい。
【0048】
最後に、反転装置1の変形例について説明する。ここで、図12は、反転装置の変形例を示す図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、である。なお、各図は、図2に示した上面図に相当するものである。また、上述した実施形態と同じ構成部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0049】
図12(A)及び(B)に示した変形例は、床面にレール120を敷設し、このレール120上に支柱2を移動可能に配置したものである。支柱2の移動機構には、ラックとピニオンの組み合わせにより駆動される機構、転動する車輪により駆動される機構、伸縮するアクチュエータにより駆動される機構等、種々のものを採用することができる。図12(A)に示した第一変形例は、板状体Sの加工機7の台座Tに隣接した位置に板状体Sの搬出入口Eが併設されている場合を図示している。かかる第一変形例においては、以下の手順により板状体Sが処理され、反転装置1は加工ライン中の搬送装置としても使用される。
(1)搬出入口Eに加工したい板状体Sを搬送して載置する。
(2)支柱2をレール120上で移動させることにより、図の一点鎖線で示したように、反転装置1を搬出入口Eに移動させる。
(3)把持部3を作動させて搬出入口Eの板状体Sを把持する。
(4)支柱2をレール120上で移動させることにより、図の実線で示したように、反転装置1を台座T上に移動させる。
(5)台座T上に板状体Sを載置して把持部3を退避させる。
(6)板状体Sの表面に所定の加工を施し、把持部3を作動させて台座T上で板状体Sを反転し、板状体Sの裏面に所定の加工を施す。
(7)再び、把持部3を作動させて台座T上の板状体Sを把持する。
(8)支柱2をレール120上で移動させることにより、図の一点鎖線で示したように、反転装置1を搬出入口Eに移動させる。
(9)搬出入口Eに板状体Sを載置して把持部3を退避させる。
【0050】
図12(A)に示した第一変形例では、搬出入口E及び加工機7がそれぞれ1つずつ配置されており、板状体Sを搬出入口Eと台座Tとの間で反転装置1により搬送する場合について説明した。一方、図12(B)に示した第二変形例では、加工ラインの上流側から下流側に向かって、搬入口E1、表面加工機71、裏面加工機72、搬出口E2が個別に配置されている。かかる加工ラインの配置であっても、レール120を搬入口E1から搬出口E2まで敷設することによって、反転装置1により板状体Sを順次搬送させることができる。具体的には、以下の手順により板状体Sを処理する。
(1)搬入口E1に加工したい板状体Sを搬送して載置する。
(2)支柱2をレール120上で移動させることにより、反転装置1を搬入口E1に移動させる。
(3)把持部3を作動させて搬入口E1の板状体Sを把持する。
(4)支柱2をレール120上で移動させることにより、図の一点鎖線で示したように、反転装置1を表面加工機71の台座T上に移動させる。
(5)台座T上に板状体Sを載置して把持部3を退避させる。
(6)表面加工機71により板状体Sの表面に所定の加工を施す。
(7)把持部3を作動させて台座T上の板状体Sを把持する。
(8)支柱2をレール120上で移動させることにより、図の実線で示したように、反転装置1を下流側の裏面加工機72の台座T上に移動させ、板状体Sを反転させる。なお、板状体Sの反転処理は、上流側の表面加工機71の台座T上で処理してもよいし、搬送中に処理してもよい。
(9)裏面加工機72の台座T上に板状体Sを載置して把持部3を退避させる。
(10)裏面加工機72により板状体Sの裏面に所定の加工を施す。
(11)再び、把持部3を作動させて台座T上の板状体Sを把持する。
(12)支柱2をレール120上で移動させることにより、反転装置1を搬出口E2に移動させる。
(13)搬出口E2に板状体Sを載置して把持部3を退避させる。
【0051】
なお、図12(B)に示した第二変形例では、加工ライン中に表面加工機71と裏面加工機72の2台の加工機7が配置されている場合について説明したが、板状体Sの表裏を加工する1台の加工機7であってもよい。この場合には、加工機7の台座T上で板状体Sの表面を加工した後、反転装置1により板状体Sを反転させて、加工機7の台座T上で板状体Sの裏面を加工すればよい。
【0052】
本発明は上述した実施形態に限定されず、鋼板以外の板状部材(例えば、アルミ板、木板、ガラス基板等)にも適用することができる、把持部3にセンサを配置して把持部3の位置決めやストッパ35の駆動等を制御してもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る板状体の反転装置を示す側面図である。
【図2】本発明に係る板状体の反転装置を示す上面図である。
【図3】把持部を示す拡大図であり、(A)は側面図、(B)は図3(A)におけるB−B矢視図である。
【図4】表面把持工程を示す図であり、(A)は初期状態、(B)は移動状態、(C)は表面把持状態、を示している。
【図5】起立工程及び裏面把持工程を示す図であり、(A)は移動状態、(B)は起立状態、(C)は裏面把持状態、を示している。
【図6】載置工程を示す図であり、(A)は準備状態、(B)は移動状態、(C)は載置状態、を示している。
【図7】退避工程を示す図であり、(A)は移動状態、(B)は退避状態、を示している。
【図8】裏面把持工程の変形例を示す図であり、(A)は裏面把持待機状態、(B)は裏面把持完了状態、を示している。
【図9】板状体の表裏を加工する手順を示す図であり、(A)は表面切断工程、(B)は表面切断部面取り工程、(C)は反転工程、(D)は裏面切断部面取り工程、を示している。
【図10】把持部の変形例を示す図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、である。
【図11】ストッパの変形例を示す図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、(C)は第三変形例、である。
【図12】反転装置の変形例を示す図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、である。
【符号の説明】
【0054】
1 反転装置
2 支柱
2r レール
3 把持部
4 アーム部
5 台車
5c カバー部材
5m 駆動モータ
6 昇降装置
7 加工機
7r レール
31 平板部
31r レール
32 補強材
32c 連結部材
33 電磁石
34 回動軸
35 ストッパ
36 ストッパ回動装置
36a アクチュエータ
36m 駆動モータ
36s スライダ
37 ストッパ移動装置
37a アクチュエータ
37m 駆動モータ
41 アーム本体部
41a アーム
41b 本体部
42 アクチュエータ
61 昇降軸
62 駆動モータ
63 バランサ
71 表面加工機
72 裏面加工機
100 レール
101 アクチュエータ
110 ピン
111 アクチュエータ
112 支持部材
120 レール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状体の表裏を反転させる板状体の反転装置において、台座上に載置された前記板状体を跨ぐように配置された門型の支柱と、前記板状体の表面又は裏面に密着して前記板状体を把持する一対の把持部と、該把持部を回動可能に支持する一対のアーム部と、前記支柱の上部を走行可能な一対の台車と、該台車に接続され前記アーム部を昇降可能に支持する一対の昇降装置と、を有し、
一方の前記把持部により前記板状体を把持して起立させ、他方の前記把持部により前記板状体を持ち替えて前記台座上に載置することにより前記板状体の表裏を反転させる、ことを特徴とする板状体の反転装置。
【請求項2】
前記把持部は、電磁石又は吸着パッドにより前記板状体を把持する、ことを特徴とする請求項1に記載の板状体の反転装置。
【請求項3】
前記把持部は、前記板状体の少なくとも側面部を支持する複数のストッパを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の板状体の反転装置。
【請求項4】
前記ストッパは、前記把持部の背面に退避可能に構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の板状体の反転装置。
【請求項5】
前記ストッパは、前記板状体の側面部に向かって移動可能に構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の板状体の反転装置。
【請求項6】
前記ストッパは、前記板状部の側面部に沿って移動可能に構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の板状体の反転装置。
【請求項7】
前記アーム部は、前記把持部の略中心部に配置された回動軸を枢支するアーム本体部と、該アーム本体部及び前記把持部の前記回動軸から離間した位置に接続されたアクチュエータと、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の板状体の反転装置。
【請求項8】
前記支柱は、床面に配置されたレール上を移動可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の板状体の反転装置。
【請求項9】
板状体の表裏を反転させる板状体の反転方法であって、台座上に載置された前記板状体の表面を把持する表面把持工程と、表面を把持した板状体を前記台座から持ち上げて起立させることにより前記板状体の裏面を露出させる起立工程と、起立された板状体の裏面を把持して前記板状体を持ち替える裏面把持工程と、裏面を把持した板状体を前記台座上に載置する載置工程と、を有する、ことを特徴とする板状体の反転方法。
【請求項10】
前記板状体から切り出される部品の溶接予定部を切断しない状態で前記板状体の表裏を反転させる、ことを特徴とする請求項8に記載の板状体の反転方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−24013(P2010−24013A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189783(P2008−189783)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(502422351)株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド (159)
【出願人】(503223223)株式会社IHIエスキューブ (27)
【Fターム(参考)】