説明

板状体の欠陥検出方法及び装置

【課題】透明又は半透明の板状体の欠陥を、板状体の裏面の状況を反映することなく高精度で検出できる板状体の欠陥検出方法を提供する。
【解決手段】互いに直交するA面、B面を有する透明又は半透明の板状体Wに、光源12からの光を照射し、その反射光をCCDカメラ16によって撮像する。光源12からの光の入射角度θ1をB面に対して全反射となる角度以上とする。また、A面に入射した光が板状体Wの裏面W3によって反射される反射光を含むことになる裏面反射光領域W2を除く検査領域W1のみを、CCDカメラ16によって撮像することで、映像に裏面W3の粗さ等が反映されるのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明又は半透明の板状体に光を照射して欠陥を検出する板状体の欠陥検出方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
板状体の欠陥を判別する方法として、人手で行なう方法、検査装置を用いて行なう方法があった。人手で行なう方法に関しては、製品の高精度化に伴い、微小な欠陥を発見する必要があり、そのために長時間集中しなければならない根気のいる作業となり、精神的な負担も大きくなり疲労も倍増することになる。また、視覚による検査は、検査員の主観的な検査判定であって、検査員の判断に依存し、検査員が異なる場合や極端な場合において、同じ検査員であっても、検査時間の推移によって、検査水準が変化する可能性がある。
上記検査員に代わる方法として、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されたように、CCDカメラを用いた電子撮像装置による外観検査手法も知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平2−257007号公報
【特許文献2】特開平4−305144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術は、透明な製品に欠陥があった場合には、その欠陥部分で光の乱反射が起こることを利用し、それら反射光を撮像手段により撮影し、映像信号化し、欠陥部分を検出するものである。
【0005】
しかしながら、製品表面部に存在する欠陥に対し外観を正確に検査できるのは板状体が透明でない部材のときである。板状体が透明又は半透明の場合は、投光手段よりの光が表面部で全反射せず板状体内部に入射し、その光が板状体裏面で反射し、裏面の状態を反映した映像になってしまう。このように、板状体の裏面を反映した映像になってしまうため、製品検査を正確に行うのが難しいという課題があった。
【0006】
本発明は、透明又は半透明の板状体の欠陥を、裏面の状態を反映することのない映像によって高精度に検出することのできる板状体の欠陥検出方法及び装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の板状体の欠陥検出方法は、透明又は半透明の板状体の第1面に投光手段からの光を入射させ、その反射光を撮像して得られた映像を画像処理することで、前記板状体の欠陥を検出する板状体の欠陥検出方法において、前記板状体の、前記第1面に直交する第2面に対して全反射となる入射角度以上で前記投光手段からの光を前記板状体に入射させる工程と、前記板状体の前記第1面の裏面からの反射光を受光しないように配置された撮像手段によって、前記板状体の前記第1面からの反射光を撮像し、映像を得る工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の板状体の欠陥検出装置は、透明又は半透明の板状体の第1面に光を入射させ、その反射光を撮像して得られた映像を画像処理することで、前記板状体の欠陥を検出する板状体の欠陥検出装置において、前記板状体の、前記第1面に直交する第2面に対して全反射となる入射角度以上で前記板状体に光を入射させる投光手段と、前記板状体の前記第1面からの反射光を撮像し、映像を得るための撮像手段と、を有し、前記撮像手段が、前記板状体の前記第1面の裏面からの反射光を受光しないように配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
板状体の第2面に対して全反射となる入射角度以上で板状体に光を入射させるとともに、第1面に入射した光が裏面側で反射光となる裏面反射光領域を除いて、第1面からの反射光による光学情報を取得する。透明又は半透明の板状体の裏面の粗さや反射率の差に関わらず、板状体のエッジ部近傍の微細な凹凸や、凹凸がスジ状に伸びている表面欠陥を高精度で検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1に示すように、検査ステージ11上の、透明又は半透明の板状体Wの被測定面(第1面)をA面とし、この面に直交する側面をB面(第2面)とし、光源12からの光を、B面に対して全反射となる入射角度以上で、板状体Wに入射させる。
【0012】
そして、A面に入射した光が裏面側で反射された反射光を除いて受光するように配置された撮像手段により、A面の反射光を撮像し、光学情報を得る。
【0013】
光源12、集光レンズ13、周波数カットフィルタ14aからなる投光手段は、板状体WのB面側より外側に配置し、投光する光がB面で全反射する位置に設置する。
【0014】
撮像手段は、板状体WのA面からの反射光を撮像できる上記の位置に配置する。
【0015】
投光手段よりの光を板状体WのB面側において全反射させることにより、B面から板状体内部に入射した光が裏面側で反射し裏面状態を反映する映像となるのを防ぎ、高精度の欠陥検査が可能となる。
【0016】
また、撮像手段は、板状体のA面からの反射光を撮像できる位置に配置する必要がある。例えば、CCDカメラを使用し、撮影範囲を板状体表面の検査対象範囲内に設置する。
【0017】
CCDカメラはカメラの画素配置が2次元平面のものとなっている2次元用のカメラを用いる。カメラは1画像に付き約30万画素のもので、1画像に含まれる約30万の画素は各々アナログ階調となっており256段階の光量に分割されているものを選択する。しかし、透明又は半透明の板状体表面の欠陥を検出可能であればこのカメラ仕様に限定するものではない。
【0018】
検査時には板状体を検査ステージにより移動させることにより、CCDカメラが板状体の検査対象範囲に対して逐次撮影を行い、検査対象範囲全域を撮影する。取り込んだ画像より、画像処理を行い、欠陥がある場合には、検査ステージより出されているトリガをもとに取り込み画像の画像番号を算出する。同時に欠陥が発見された画像における画像内部での位置情報を算出し、これらを組み合わせることによって検査物における不良箇所の位置情報を得る。同時に、欠陥の大きさ、1回の検査における欠陥の数等も記憶して表示可能としておく。
【0019】
光の反射率の差が軽減できるような条件として、投光手段にフィルタを設けている。このフィルタは、周波数カットフィルタであり、波長480nm以上の光を透過させるものを用い、光源が黄色に映るものを使用する。しかし、製品表面部の微細な凹凸を認識できるものであれば、周波数カット領域を限定するものではない。
【0020】
このフィルタは、投光手段の先端部、すなわち集光レンズ先端部に配置する。また、光の反射率の差が軽減できるような条件として、撮像手段側に偏光フィルタを設けている。このフィルタは、光の乱反射が撮像手段へ入射するのを抑えるために設置したが、A面の微細な凹凸を認識できるものであれば、このフィルタに限定するものではない。このフィルタは、撮像手段の先端部、すなわちカメラレンズ先端部に配置する。
【0021】
この条件において、画像取り込み、エッジ位置の抽出、検査領域の抽出を行い、輝度変換をし、ノイズ軽減のために平滑化処理を行い、表面部の凹凸の検出が可能となる。
【0022】
取り込み画像の輝度変換の調整値は256階調中の好きな数値に設定可能である。好ましくは、製品の公差に左右されにくい輝度にするという観点より160付近が望ましいが、A面を良好に撮影可能であれば、この数値に限定するものではない。
【0023】
平滑化処理に関しては、データの伝送時に発生する外因的な影響によるノイズ、カメラの画素欠けによるノイズ等を低減させるため、製品の表面粗さの影響を軽減させるように設定している。検出条件、設置状況の違いにより対応可能なよう設定値の数値変更は可能にしておく。
【0024】
取り込み画像の平滑化処理の画素調整値、つまり平均化する際の隣合う画素の範囲は、取り込み画素数内において好きな数値に設定可能である。好ましくは、表面粗さを軽減し、且つ凹凸を検出可能にさせるという観点より3〜5付近が望ましいが、製品表面部を良好に撮影可能であれば、この数値に限定するものではない。
【0025】
透明又は半透明の板状体は、例えば、画像形成装置に用いられる電子写真用クリーニングブレードである。
【実施例1】
【0026】
図1は実施例1による板状体の欠陥検出装置を示す。この装置は、板状体Wを載置する検査ステージ11、光源12、集光レンズ13、周波数カットフィルタ14a、偏光フィルタ14b、カメラレンズ15、CCDカメラ16、処理装置17、表示装置18、駆動装置19、記憶装置20等を有する。また、処理装置17、表示装置18、駆動装置19、記憶装置20、CCDカメラ16は、図示しない制御部によって制御される。
【0027】
透明又は半透明の板状体Wに入射する光の反射と、光の回折及び光路について図2を用いて説明する。
【0028】
集光レンズ13及び周波数カットフィルタ14aを通り、周波数がカットされた光は、板状体Wに入射角度θ1で照射される。CCDカメラ16は板状体Wの第1面であるA面の検査領域W1の反射光を受光し、裏面反射光領域W2の第1面の裏面からの反射光を受光しない(除く)位置に光軸角度θ2で配置される。
【0029】
裏面反射光領域W2について説明すると、透明また半透明の板状体Wの第1面であるA面に照射された光R1は、表面において反射する光と、内部に入射する光とに大別される。内部に入射する光は、板状体Wの裏面W3において反射された反射光R2となり、板状体Wの表面側に戻り、A面において反射光と合流する。このように、板状体Wの反射光が第1面の裏面による反射光を含む領域である裏面反射光領域W2を除く検査領域W1をCCDカメラ16によって撮像する。
【0030】
入射角度θ1は、板状体Wの第2面であるB面において全反射となる角度以上であり、B面へ入射する光は内部に入射せず、従って板状体Wの裏面によって反射することがない。
【0031】
本実施例では、投光手段の焦点位置は、撮像手段の焦点位置と異なる場所に設定している。
【0032】
投光手段よりの光を板状体WのB面において全反射させることにより、投光手段の光がB面から板状体内部に入射し、板状体裏面で反射して裏面状態を反映した映像になってしまうのを防ぐ。このようにして、板状体裏面の反射の影響を受けることなく、板状体裏面の粗さや反射率の差に関わらず、高精度な欠陥検査を可能にする。このためには、投光手段の焦点位置は、板状体Wのエッジ位置Weを中心とするのがよい。
【0033】
入射角度θ1は、取り込み画像においてA面の欠陥箇所を認識できる角度として38°に設定したが、この角度に限定するものではない。
【0034】
撮像手段の焦点位置は、エッジ位置Weより、撮像範囲の1/3内側に位置するように設定した。撮像手段の光軸角度θ2は、板状体Wの検査領域W1より反射する光を取り込み可能な角度に設定する必要があるという観点より、本実施例においては42°に設定したが、A面の欠陥箇所を認識できる角度であればよいので、この角度に限定するものではない。
【0035】
CCDカメラ16の被写界深度は、板状体Wの表面を十分にカバーできる幅に設定した。
【0036】
本実施例による検査方法を以下に説明する。
【0037】
集光レンズ13よりの光が、周波数カットフィルタ14aを通り、周波数がカットされた光が板状体Wに入射し、検査領域W1の反射光が偏光フィルタ14b、カメラレンズ15を通り結像し、CCDカメラ16によって撮影される。
【0038】
撮影された画像(映像)は処理装置17に転送される。その際転送された画像番号は記憶装置20に記憶するようにしておく。
【0039】
電源供給を受けて集光レンズ13へ均一化された光量の可視光が入射されると、この可視光を集光レンズ13はスポット形状に集光させると同時に光量を増幅させる。
【0040】
集光された可視光は周波数カットフィルタ14aによって設定された周波数のみの光となる。
【0041】
フィルタを透過した光のビーム径は、カメラレンズ倍率と撮像視野の観点からφ15mm程度とした。このスポット光が板状体Wに照射される。
【0042】
このスポット光は、板状体WのA面に欠陥がある場合、欠陥によって影となる。その欠陥によって形成された光が、偏光レンズ14b及びカメラレンズ15を通過して結像し、CCDカメラ16によって撮影され、記憶装置20に画像データとして転送され、その後処理装置17にて画像処理を行なうものである。
【0043】
カメラレンズ15は、近接撮影時に最良な光学性能が得られるような近接撮影専用レンズを用い、フォーカス機能及びアイリス絞り機能を有し光量を調節可能なものを使用する。これにより、像がハレーションを起こすことなく、CCDカメラ16に精度よく結像できる。
【0044】
撮像された映像は記憶装置20に電気信号で転送され、画像データとして収納される。
【0045】
画像データは、2次元カメラを用い2次元平面のものとなっており、1画像に付き約30万画素のものであり、各々の画素はアナログ階調となっており256段階の光量に分割できるよう設定されているものを選択した。透明又は半透明の板状体の欠陥を検出可能であればこのカメラ仕様に限定されるものではない。
【0046】
処理装置17は、記憶装置20の画像データをもとに、画像処理を行なう所であり、画像処理の流れとしては、取り込んだ画像を、まず初めにノイズ等を取り除くため、画像フィルタ処理を行っている。これは、1つの画素が突発的に周囲の隣り合う画素と大きく異なる光量の場合など、画素の突発的なノイズを除去させ、さらに、製品の表面粗さの影響を軽減させるために設定している処理である。
【0047】
この画像を基に、板状体WのA面の微細な凹凸、凹凸がスジ状に伸びている箇所を認識させ、欠陥検出を可能にしている。
【0048】
その際には、カメラレンズ15の倍率、CCDカメラ16の光軸角度θ2、撮像可能範囲の位置などの設定はあらかじめ処理装置17へ登録しておく。これらの情報を基に、欠陥の位置情報、大きさを記憶装置上で算出し、その結果は記憶装置20に記録を行い、同時に表示装置18へ出力する。
【0049】
また処理装置17は、駆動装置19と連動させ、設定した計測分解能に従い検査ステージ11を制御し、板状体Wの検査位置を順次変えていくことで、A面を検査することが可能なようになっている。
【0050】
動作については、図3に示すようなフローで処理される。
【0051】
本実施例による板状体の欠陥検出方法は、ハンド部工程と、ステージ部工程と、画像処理部工程より構成されている。
【0052】
ワークとは、透明又は半透明の板状体(被検査物)Wを指す。
【0053】
ハンド部は、ワークを検査ステージ11のワーク台に載せる機能と、画像処理部の結果を受けてワーク台よりワークをそれぞれのコンベアに載せる機能を有するものである。
【0054】
ステージ部は、駆動部が検査ステージ11にワークを載せた際にワークを一定位置に把持可能なようにするための突き当て機能と、移動中にワークがずれないようにするチャック機構と有する。
【0055】
画像処理部は、処理装置17、表示装置18、駆動装置19、記憶装置20、CCDカメラ16から構成され、ステージ部の移動の制御と、画像処理により、製品表面部の欠陥箇所を認識できるようにする。
【0056】
ハンド部工程は、ワークをワーク台に着脱させることを目的とする(ステップ1〜12)。
【0057】
ステージ部工程では、CCDカメラが撮像すべきワークの検査領域全てを撮影する。
【0058】
初めに、ハンド部工程(ステップ1〜4)によりワークがステージ部に搬送され、ワーク台にセットされる(ステップ13、14)。
【0059】
セットされたワークは、位置ずれしないように、突き当てを前進させワークの位置を固定する(ステップ14〜16)。その後、チャック機構で把持することにより、ワークを固定し、同時に移動中にワークがずれないようにしている(ステップ17)。
【0060】
チャック機構が閉となり、ワークを把持している状況になったら、チャック機構以外において、無理な方向からの力が働かないようにするという観点より、突き当ては後退する(ステップ19)。
【0061】
突き当てが後退したら、駆動装置により制御された検査ステージが移動を開始する(ステップ20)。
【0062】
ワークを載せたワーク台が、CCDカメラが撮像すべき領域、つまり検査領域全てを移動した後(ステップ21、22)、検査ステージは移動終了する(ステップ23)。
【0063】
検査ステージが完全に移動終了した後に(ステップ24)、チャック機構が開きワーク取り出しを可能にさせ(ステップ25)、画像処理部の結果を待ってワークはハンドによりワーク台から取り外される(ステップ26)。
【0064】
ワーク台からワークが取り出された後、ワーク台はステージ開始位置に戻り(ステップ27)、別のワークを載せられるよう待機する(ステップ28)。
【0065】
ワーク台から取り出されたワークは、画像処理部の結果を待ってハンド部工程のステップ8〜11によりそれぞれのコンベアに分別される。
【0066】
次に、画像処理部工程について説明する。
【0067】
画像処理部は、製品A面部の微細な凹凸、凹凸がスジ状に伸びている箇所を認識させることを目的とした機構である。同時にハンド部、ステージ部の制御機能も兼ねている。
【0068】
画像処理部は、ステップ101でステージ部にワークを載せられた際、発信されるトリガ信号を受けて、画像処理のためのメモリの初期化、ウインドウの設定等の初期設定を開始する。
【0069】
検査ステージが移動開始し、ワークがCCDカメラが撮像すべき領域の付近に接近してきた際に発信されるトリガを受けて(ステップ102、103)、画像の取り込みを開始する(ステップ104)。
【0070】
CCDカメラが撮像すべき領域、つまり検査領域全てを撮影し、画像処理を行ない、結果を集計する(ステップ105)。集計した結果を出力し(ステップ106)、ハンド部に結果別のコンベアに運ばせるための信号を送る(ステップ107)。
【0071】
ハンド部・ステージ部・画像処理部工程がそれぞれ連携し繰り返すことにより、複数本のワークを短時間に撮像することを可能にしている。
【0072】
(実験例1)
板状体のサンプルとして、透明又は半透明の板状体のA面にスジ状の凹凸があるもので、製品平坦部の粗さも、製品の透明度も、各々のサンプルにより違うものを選択した。スジ状にある凹凸形状の高さ方向の高低差はレーザー測長機による測定により、高さ方向5〜10μm程度ものを100本選択した。実施例1の方法を用いて、検査を行なったところ、製品の表面粗さの違い、製品の透明度の違いに関わらず100本中98本のサンプルの検出が可能であった。
【0073】
(実験例2)
図4の(a)に示すように、図1に示した実施例1の装置と同様の構成でθ1、θ2をそれぞれ38°、42°に設定し、周波数カットフィルタ、偏光レンズを設置せずに実験例1と同じサンプルを用いて検査を行なった。
【0074】
製品の表面粗さに関わらず100本中62本のサンプルの検出が可能であった。
【0075】
比較のために、図4の(b)に示すように、図1の装置の投光手段と撮像手段を板状体の長手方向に配置する構成にて検査を行なったところ、100本中47本のサンプルが検出された。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1による板状体の欠陥検出装置を示すブロック図である。
【図2】実施例1による板状体の欠陥検出方法を説明する図である。
【図3】実施例1による板状体の欠陥検出方法を示すフローチャート図である。
【図4】実験例及び比較例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
11 検査ステージ
12 光源
13 集光レンズ
14a 周波数カットフィルタ
14b 偏光フィルタ
15 カメラレンズ
16 CCDカメラ
17 処理装置
18 表示装置
19 駆動装置
20 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明又は半透明の板状体の第1面に投光手段からの光を入射させ、その反射光を撮像して得られた映像を画像処理することで、前記板状体の欠陥を検出する板状体の欠陥検出方法において、
前記板状体の、前記第1面に直交する第2面に対して全反射となる入射角度以上で前記投光手段からの光を前記板状体に入射させる工程と、
前記板状体の前記第1面の裏面からの反射光を受光しないように配置された撮像手段によって、前記板状体の前記第1面からの反射光を撮像し、映像を得る工程と、を有することを特徴とする板状体の欠陥検出方法。
【請求項2】
前記投光手段は、波長480nm以上の光を透過させる周波数カットフィルタを有することを特徴とする請求項1記載の板状体の欠陥検出方法。
【請求項3】
前記板状体は、電子写真用クリーニングブレードであることを特徴とする請求項1又は2記載の板状体の欠陥検出方法。
【請求項4】
透明又は半透明の板状体の第1面に光を入射させ、その反射光を撮像して得られた映像を画像処理することで、前記板状体の欠陥を検出する板状体の欠陥検出装置において、
前記板状体の、前記第1面に直交する第2面に対して全反射となる入射角度以上で前記板状体に光を入射させる投光手段と、
前記板状体の前記第1面からの反射光を撮像し、映像を得るための撮像手段と、を有し、
前記撮像手段が、前記板状体の前記第1面の裏面からの反射光を受光しないように配置されたことを特徴とする板状体の欠陥検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−309494(P2008−309494A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154674(P2007−154674)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】