説明

板状体整列設備

【課題】搬送経路の上流側から複数列で搬送されてきた板状体に対して、向きと位置との調整を同時動作によって行える板状体整列設備を提供する。
【解決手段】回転整列装置10は、複数列の板状体5,6を搬送可能なコンベア部11と、搬送経路9の方向に対して直交状の横方向に各別に正逆移動自在な複数の移動体31A,31B,31Cを有する。各移動体に、昇降自在でかつ縦軸心53の周りに旋回自在な板状体支持部55を設けた。板状体支持部は昇降によって、コンベア部の搬送面11aに対して出退動自在に構成した。板状体支持部を搬送面に対して突出させて板状体を持ち上げ支持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行うことで、向きと位置との調整を同時動作により行える。搬送経路終端における板状体の個々の搬送を高速化(高能力化)するときでも、回転整列装置での動作を速くすることなく対処でき、振動(衝撃)が生じることなく、板状体群に対する向きと位置との調整を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば搬送経路の上流側から複数列で搬送されてきたガラス基板(プラズマディスプレイパネル)などの板状体に対して、向きの調整と位置の調整とを行う板状体整列設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとしては、架台側の摺動面上において左右方向に移動自在な移動台が設けられ、この移動台上の固定板には、一端に回転台が設けられ、他端には、移動案内部に沿って左右方向に摺動可能な間隔調整台を介して移動回転台が設けられている。そして回転台と移動回転台には、それぞれ2個のトレイを載せる載置盤が設けられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来構成によると、次のように動作される。すなわち、移動台を原点位置にするとともに、回転台に対して移動回転台を接近動させた状態で、吸着盤形式の供給装置によって、回転台と移動回転台との載置盤にトレイを載置させる。次いで、回転台に対して移動回転台を遠ざかる方向に移動させて、トレイ相互がぶつからないで回転できる間隔に調整したのち、回転台と移動回転台とを、トレイの配列姿勢を揃える方向にそれぞれ回転させる。この回転によりトレイの向きを揃えた状態で、移動台を原点位置から離れる方向に移動して移載装置の下に位置させる。次いで吸着盤を下降して各トレイを吸着したのち、吸着盤を上昇させる。そして、移動台を原点位置に復帰させるとともに、回転台に対して移動回転台を接近動させる。
【特許文献1】特開平8−258970号公報(第3−4頁、図3)
【特許文献2】特開2003−86659号公報
【特許文献3】特開2004−256191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来構成によると、移動台の移動や、移動台上での移動回転台の移動を行うとともに、昇降機能を有する供給装置や移載装置との間での受け渡し動を行う構成であることから、同時動作は行い難いものとなる。したがって、搬送経路終端におけるトレイの個々の搬送を高速化(高能力化)するとき、各作動部での動作を速くしなければならず、機械の速度を上げることにより振動、すなわち衝撃の問題が生じることになる。
【0005】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、搬送経路の上流側から複数列で搬送されてきた板状体に対して、向きと位置との調整を同時動作によって行える板状体整列設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の板状体整列設備は、搬送経路の上流側から複数列で搬送されてきた板状体に対して、向きと位置との調整を行う板状体整列設備であって、搬送経路中には回転整列装置が設けられ、この回転整列装置は、複数列の板状体を搬送可能なコンベア部と、搬送経路の方向に対して直交状の横方向に各別に正逆移動自在な複数の移動体とを有し、各移動体には、昇降自在でかつ縦軸心の周りに旋回自在な板状体支持部が設けられ、板状体支持部は昇降によって、コンベア部の搬送面に対して出退動自在に構成されていることを特徴としたものである。
【0007】
したがって請求項1の発明によると、板状体の供給前に回転整列装置においては、複数の移動体が所定ピッチを置いて位置しており、そして各移動体の板状体支持部は、下降して搬送面下に位置している。このような状態で、搬送経路の上流側から複数列で同時に搬送されてくる板状体群を、コンベア部により受け取って支持搬送することで、それぞれ板状体支持部の上方に位置し得る。次いで、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持し得る。そして、各板状体支持部による板状体の持ち上げ支持を維持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行う。
【0008】
すなわち、板状体支持部を縦軸心の周りに旋回させるとともに、所定の移動体を横方向に移動させる。このとき、板状体支持部の旋回は所定の角度に行われ、以て板状体の向きを変更し得る。また移動体の移動は、向きを変更した板状体間に所定の隙間が生じる状態に行われる。このような旋回動と横方向動とによって板状体群の向きと位置との調整を行ったのち、各移動体の板状体支持部群を下降して搬送面下に位置させることにより、板状体支持部によって支持していた板状体群をコンベア部に戻し得る。このように回転整列装置においては、搬送経路の上流側から複数列で搬送してきた板状体に対して、向きと位置との調整を同時動作によって行える。
【0009】
また本発明の請求項2記載の板状体整列設備は、上記した請求項1記載の構成において、複数の板状体支持部の上昇が、同じレベルで行われることを特徴としたものである。
したがって請求項2の発明によると、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持し得、その際に持ち上げは、板状体群を同じレベルとして行える。
【0010】
そして本発明の請求項3記載の板状体整列設備は、上記した請求項1記載の構成において、複数の板状体支持部の上昇が、隣接間で段差が生じる状態で行われることを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項3の発明によると、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持し得、その際に持ち上げは、隣接した板状体間で段差が生じた状態として行える。この段差によって旋回動と横方向動とは、たとえ長尺寸法かつ幅広寸法の板状体であったとしても、これら板状体どうしが衝突や接触などすることなく行える。
【0012】
さらに本発明の請求項4記載の板状体整列設備は、上記した請求項1記載の構成において、複数の板状体支持部の上昇が、同じレベルで行われる同量昇降作用と、隣接間で段差が生じる状態で行われる異量昇降作用とに切り換え可能に構成されていることを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項4の発明によると、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持し得る。その際に持ち上げは、同量昇降作用によって板状体群を同じレベルとして、また異量昇降作用への切り換えによって隣接した板状体間で段差が生じた状態として行える。この同じレベルによって旋回動と横方向動とは、短尺寸法かつ幅狭寸法の板状体を、互いに衝突や接触などすることなく行える。また段差によって旋回動と横方向動とは、たとえ長尺寸法かつ幅広寸法の板状体であったとしても、これら板状体どうしが衝突や接触などすることなく行える。
【0014】
しかも本発明の請求項5記載の板状体整列設備は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、搬送経路中には、上流側から下流側へと順に、1枚ずつ供給されてきた板状体を複数列にする複数配列装置と、この複数配列装置から複数列で搬送されてきた各板状体を横方向で位置決めするセンタリング装置と、このセンタリング装置からの複数列の板状体を回転整列させる回転整列装置と、この回転整列装置からの板状体群を受け入れる送り出し装置とが設けられていることを特徴としたものである。
【0015】
したがって請求項5の発明によると、複数配列装置においては、たとえば、製造工程(製造ライン)から1枚ずつ供給されてきた板状体を複数列に配列して支持し得、そしてセンタリング装置においては、複数配列装置から複数列で搬送されてきた板状体を、それぞれ横方向で位置決めし得る。次いで、センタリング装置において位置決めした複数列の板状体を回転整列装置へと供給し得、この回転整列装置においては板状体に対し、それぞれ向きと位置との調整を行ったのち並列し得る。そして複数列の板状体を送り出し装置へと供給し得、この送り出し装置において、受け入れた板状体群を送り出し供給し得る。
【0016】
また本発明の請求項6記載の板状体整列設備は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の構成において、移動駆動部が設けられた移動体には、昇降駆動部を介して旋回駆動部が昇降自在に設けられ、この旋回駆動部の上向き旋回軸に板状体支持部が設けられていることを特徴としたものである。
【0017】
したがって請求項6の発明によると、板状体群を、それぞれ板状体支持部の上方に位置させた状態で、各移動体によって板状体の持ち上げが行われる。すなわち、まず昇降駆動部を上昇作動させることにより、旋回駆動部や上向き旋回軸を介して板状体支持部を上昇し得る。この上昇により、板状体支持部を搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持し得る。そして、各板状体支持部による板状体の持ち上げ支持を維持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行う。すなわち、板状体支持部を旋回駆動部の作動によって縦軸心の周りに旋回させるとともに、所定の移動体を移動駆動部の作動によって移動させる。このとき、板状体支持部の旋回は所定の角度に行われ、以て板状体の向きを変更し得る。また移動体の移動は、向きを変更した板状体間に所定の隙間が生じる状態に行われる。
【0018】
そして本発明の請求項7記載の板状体整列設備は、上記した請求項1〜6のいずれか1項に記載の構成において、コンベア部は、搬送経路の方向の複数箇所に、その回転軸心を横方向として配設された回転軸と、各回転軸の長さ方向の複数箇所に外嵌して設けられたローラ体とにより構成されるとともに、ローラ体群によって搬送面が形成され、板状体支持部は、回転軸間を通る部材を介して移動体側に設けられるとともに、下降時には回転軸上と搬送面下との間に位置されるように構成されていることを特徴としたものである。
【0019】
したがって請求項7の発明によると、複数枚の板状体をコンベア部のローラ体群により受け取って支持搬送することで、それぞれ板状体支持部の上方に位置し得る。次いで、板状体支持部を上昇して搬送面に対して突出させることで、ローラ体群によって支持していた板状体を持ち上げ支持し得る。このように、各板状体支持部による板状体の持ち上げ支持を維持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行うことで、板状体群の向きと位置との調整を行える。その際に、回転軸間を通した部材を介して板状体群の旋回動と横方向動とを行える。そして、板状体支持部群を下降して回転軸上と搬送面下との間に位置させることにより、板状体支持部によって支持していた板状体群をローラ体群に戻し得る。
【発明の効果】
【0020】
上記した本発明の請求項1によると、板状体の供給前に回転整列装置においては、複数の移動体が所定ピッチを置いて位置しており、そして各移動体の板状体支持部は、下降して搬送面下に位置している。このような状態で、搬送経路の上流側から複数列で同時に搬送されてくる板状体群を、コンベア部により受け取って支持搬送することで、それぞれ板状体支持部の上方に位置できる。次いで、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持できる。そして、各板状体支持部による板状体の持ち上げ支持を維持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行うことができる。
【0021】
すなわち、板状体支持部を縦軸心の周りに旋回させるとともに、所定の移動体を横方向に移動させる。このとき、板状体支持部の旋回は所定の角度に行われ、以て板状体の向きを変更できる。また移動体の移動は、向きを変更した板状体間に所定の隙間が生じる状態に行うことができる。このような旋回動と横方向動とによって、板状体群の向きと位置との調整を行ったのち、各移動体の板状体支持部群を下降して搬送面下に位置させることにより、板状体支持部によって支持していた板状体群をコンベア部に戻すことができる。
【0022】
このように回転整列装置においては、搬送経路の上流側から複数列で搬送してきた板状体に対して、向きと位置との調整を同時動作によって行うことができる。したがって、搬送経路の終端における板状体の個々の搬送を高速化(高能力化)するときでも、回転整列装置での動作を速くすることなく対処でき、以て振動、すなわち衝撃が生じることなく、板状体群に対して向きと位置との調整を行うことができる。
【0023】
また上記した本発明の請求項2によると、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持でき、その際に持ち上げは、板状体群を同じレベルとして行うことができる。
【0024】
そして上記した本発明の請求項3によると、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持でき、その際に持ち上げは、隣接した板状体間で段差が生じた状態として行うことができる。この段差によって旋回動と横方向動とは、たとえ長尺寸法かつ幅広寸法の板状体であったとしても、これら板状体どうしが衝突や接触などすることなく、常に安定して円滑に行うことができる。
【0025】
さらに上記した本発明の請求項4によると、板状体支持部を上昇させて搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持できる。その際に持ち上げは、同量昇降作用によって板状体群を同じレベルとして行うことができ、また異量昇降作用への切り換えによって隣接した板状体間で段差が生じた状態として行うことができる。この同じレベルの持ち上げによって、旋回動と横方向動とは、短尺寸法かつ幅狭寸法の板状体を互いに衝突や接触などすることなく、迅速にかつ常に安定して円滑に行うことができる。また段差によって旋回動と横方向動とは、たとえ長尺寸法かつ幅広寸法の板状体であったとしても、これら板状体どうしが衝突や接触などすることなく、常に安定して円滑に行うことができる。このように持ち上げを、同量昇降作用、または異量昇降作用に切り換えて行うことで、板状体の寸法(形状)に応じて好適に使い分けることができる。
【0026】
しかも上記した本発明の請求項5によると、複数配列装置においては、1枚ずつ受け入れた板状体を複数列に配列して支持でき、そしてセンタリング装置においては、複数配列装置から複数列で搬送されてきた板状体を、それぞれ横方向で位置決めできる。次いで、センタリング装置において位置決めした複数列の板状体を回転整列装置へと供給でき、この回転整列装置においては板状体に対し、それぞれ向きと位置との調整を行ったのち並列できる。そして複数列の板状体を送り出し装置へと供給でき、この送り出し装置において、受け入れた板状体群を送り出し供給できる。このように、たとえば製造工程(製造ライン)から1枚ずつ供給されてきた板状体を、搬送経路で搬送しながら、複数列として向きと位置との調整を行ったのち、送り出すことができる。
【0027】
また上記した本発明の請求項6によると、板状体群を、それぞれ板状体支持部の上方に位置させた状態で、各移動体によって板状体の持ち上げを行うことができる。すなわち、まず昇降駆動部を上昇作動させることにより、旋回駆動部や上向き旋回軸を介して板状体支持部を上昇できる。この上昇により、板状体支持部を搬送面に対して突出させることで、コンベア部によって支持していた板状体を、板状体支持部を介して持ち上げ支持できる。そして、各板状体支持部による板状体の持ち上げ支持を維持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行うことができる。すなわち、板状体支持部を旋回駆動部の作動によって縦軸心の周りに旋回できるとともに、所定の移動体を移動駆動部の作動によって移動できる。このとき、板状体支持部の旋回は所定の角度に行うことができ、以て板状体の向きを変更できる。また移動体の移動は、向きを変更した板状体間に所定の隙間が生じる状態に行うことができる。
【0028】
そして上記した本発明の請求項7によると、複数枚の板状体をコンベア部のローラ体群により受け取って支持搬送することで、それぞれ板状体支持部の上方に位置できる。次いで、板状体支持部を上昇して搬送面に対して突出させることで、ローラ体群によって支持していた板状体を持ち上げ支持でき、この持ち上げ支持を維持した状態で、板状体群の旋回動と横方向動とを同時状に行うことで、板状体群の向きと位置との調整を行うことができる。その際に、回転軸間を通した部材を介して板状体群の旋回動と横方向動とを安定して行うことができる。そして、板状体支持部群を下降して回転軸上と搬送面下との間に位置させることにより、板状体支持部によって支持していた板状体群をローラ体群に戻すことができる。したがって板状体群の向きと位置との調整を、板状体支持部の昇降量を小さくして迅速にかつ安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、大型の板状体と小型の板状体との使い分け形式に採用した状態として、図に基づいて説明する。
【0030】
図2において、板状体整列設備8は、搬送経路9の上流側から複数列で搬送されてきた板状体に対して、向きと位置との調整を行うものであって、搬送経路9中に、1枚ずつ供給されてきた板状体を複数列にする複数配列装置60と、この複数配列装置60から複数列で搬送されてきた各板状体を横方向で位置決めするセンタリング装置80と、このセンタリング装置80からの複数列の板状体を回転整列させる回転整列装置10と、この回転整列装置10からの板状体群を受け入れる送り出し装置100とが、上流側から下流側へとこの順に設けられることで構成されている。ここで板状体としては、長尺寸法Lかつ幅広寸法Mで長方形状の大型ガラス基板(板状体の一例)5と、短尺寸法lかつ幅狭寸法mで長方形状の小型ガラス基板(板状体の一例)6とが、一例として示されている。
【0031】
図1、図2、図7〜図9において、前記回転整列装置10は、複数列のガラス基板5,6を支持搬送可能なコンベア部11と、搬送経路9の方向に対して直交状の横方向である横方向経路30上において各別に正逆移動自在な3個(複数)の移動体31A,31B,31Cなどにより構成されている。
【0032】
すなわち、コンベア部11はローラコンベア形式であって、コンベアフレーム12と、搬送経路9の方向の複数箇所に、その回転軸心を横方向として配設された回転軸13と、各回転軸13の長さ方向の複数箇所に外嵌して設けられたローラ体14と、前記回転軸13群に連動する駆動手段15などにより構成されている。ここで回転軸13群はコンベアフレーム11側に回転自在に支持され、そしてローラ体14群によってコンベア部11の搬送面11aが形成されている。
【0033】
前記駆動手段15は、コンベヤフレーム12の下部側に設けられたフレーム体16と、このフレーム体16に搭載された減速機付きのモータ17と、このモータ17の出力軸に設けられた駆動輪体18と、モータ17の近くに設けられた一対の位置調整自在なテンション案内輪体19と、1箇所または複数箇所の回転軸13間に設けられた押圧用輪体20と、各回転軸13に外嵌固定された受動輪体21と、輪体18〜21間に巻回された無端状の駆動ベルト22などにより構成されている。ここで駆動ベルト22は、受動輪体21群に亘って上方から掛けられるとともに、押圧用輪体20に下方から当接され、そして、両テンション案内輪体19に掛けられたのち、駆動輪体18に掛けられて配設され、以て回転軸13群に回動力が付与される構成になっている。
【0034】
以上の12〜22により、コンベア部11の一例が構成される。そしてコンベア部11は箱枠状の保持枠体25上に配設され、また保持枠体25は、レベル調整自在な複数の脚部材26を介して床1上に設置される。
【0035】
前記移動体31A,31B,31Cは、同様な構成であり、以下においては同様構成物には同一符号を付して説明する。すなわち、移動体31A,31B,31Cは矩形板状であって、保持枠体25の下部に配設された共通のガイドレール27に摺動部材32を介して支持案内されることで、横方向経路30上で移動自在に構成されている。各移動体31A,31B,31Cには移動駆動部33が設けられ、この移動駆動部33は、減速機付きのモータ34と、このモータ34の下向きモータ軸に取り付けられたピニオン35などからなり、レール27に沿って横向きに配設されたラック28にピニオン35が噛合されている。したがって移動体31A,31B,31Cは、モータ34を正逆駆動してピニオン35を正逆回転させることで、横方向経路30上で各別に正逆移動自在となる。
【0036】
このように移動駆動部33が設けられた移動体31A,31B,31Cには、昇降駆動部36を介して旋回駆動部47が昇降自在に設けられている。すなわち、昇降駆動部36は、減速機付きのモータ37と、このモータ37の横向きモータ軸に連結された搬送経路9に沿った方向の駆動軸38と、この駆動軸38の長さ方向の2箇所に基端が連結された上向き傾斜状態のアーム体39と、これらアーム体39の遊端に遊転自在に設けられたガイドローラ40などにより、一例が構成される。ここでガイドローラ40は、昇降体41に形成された横方向経路30に沿った方向のガイド溝42に嵌合されている。さらに、移動体31A,31B,31Cの4箇所からガイド筒44が立設されるとともに、昇降体41の下部からは、ガイド筒44に昇降自在に嵌合されるロッド体45が垂設されている。そして昇降体41上に前記旋回駆動部47が設けられている。
【0037】
したがって昇降体41、すなわち旋回駆動部47は、モータ37を正逆駆動してアーム体39を上下揺動させることで、ガイドローラ40とガイド溝42を介して昇降自在となる。その際に昇降体41の昇降は、ロッド体45がガイド筒44に案内されることで、安定して行われる。
【0038】
前記旋回駆動部47は、昇降体41上に設けられたモータ48と、このモータ48の横向きのモータ軸に巻き掛け伝動機構49を介して減速連動された回転伝動体50と、この回転伝動体50からの上向きの出力軸に連結具51を介して下端が連結された上向き旋回軸52などにより、一例が構成される。ここで回転伝動体50は、回転の減速や回転方向の正逆切り換えなどの機能を有している。
【0039】
前記上向き旋回軸52は、回転軸13間を通る部材の一例であって、その上端には板状体支持部55が設けられている。すなわち板状体支持部55は、隣接したローラ体14間よりも幅が狭い中央の長方形板体56と、この長方形板体56の側面を利用するなどして井型状に形成された横方向材57、ならびに縦方向材58と、これら横方向材57や縦方向材58の上面適所(複数箇所)に固定された受止め材59などにより、一例が構成される。そして上向き旋回軸52の上端に、長方形板体56の中央部下面が連結されている。
【0040】
したがって、各移動体31A,31B,31Cには板状体支持部55が、昇降駆動部36の作動によって昇降自在でかつ旋回駆動部47の作動によって上向き旋回軸52の軸心である縦軸心53の周りに正逆旋回自在に構成される。その際に板状体支持部55は、長方形板体56が隣接したローラ体14間に位置されたとき、横方向材57や縦方向材58も隣接したローラ体14間に位置されるように構成されている。さらに板状体支持部55は、受止め材59も含めた厚さ(高さ)hが、回転軸13の上端面と搬送面11aとの間の高さHに対して低く、すなわちh<Hに設定されている。これにより板状体支持部55は、下降時には回転軸13上と搬送面11a下との間に位置されるとともに、昇降によって搬送面11aに対して出退動自在に構成されている。
【0041】
なお、各移動体31A,31B,31Cの昇降駆動部36は、その作動による板状体支持部55の上昇が同じレベルNで行われる同量昇降作用を行うように構成されている。そして、少なくとも中央に位置される移動体31Bの昇降駆動部36は、その作動による板状体支持部55の上昇が、同じレベルNで行われる同量昇降作用と、このレベルNよりも高くして隣接間で段差nが生じる状態で行われる異量昇降作用とに切り換え可能に構成されている。その際に段差nは、ガラス基板5,6の厚さよりも大きく設定されている。
【0042】
前記ガイドレール27の外側には、各移動体31A,31B,31Cに対応して給電体29が設けられ、これら給電体29は屈曲自在な配線支持形式とされている。以上の11〜59などにより、回転整列装置10の一例が構成される。
【0043】
図2〜図4において、前記複数配列装置60は、複数枚のガラス基板5,6を支持搬送可能な縦送りコンベア部61と、搬送経路の方向に対して直交状の横方向にガラス基板5,6を支持搬送可能な横送りコンベア部71とにより構成されている。すなわち、縦送りコンベア部61は、前述したコンベア部11と同様のローラコンベア形式であって、コンベアフレーム62、回転軸63、ローラ体64、駆動手段65などにより構成され、ローラ体64群によって搬送面61aが形成されている。
【0044】
また横送りコンベア部71は、平面視において回転軸13間に対として位置される第1横送り体72Aと第2横送り体72Bとからなる。すなわち、第1横送り体72Aと第2横送り体72Bとは、それぞれ横方向の支持部材73A,73Bと、支持部材73A,73Bを昇降させる昇降駆動部74A,74Bと、支持部材73A,73Bの両端に設けられた輪体75A,75Bと、輪体75A,75B間に巻回されたベルト76A,76Bと、ベルト76A,76B上に固定された受け材77A,77Bと、片側の輪体75A,75Bに連動された減速機付きのモータ78A,78Bなどにより構成されている。ここで受け材77A,77Bは、たとえばウレタン製からなり、それぞれ1枚のガラス基板5,6を支持可能な長さに設定されている。
【0045】
このように構成された横送りコンベア部71は、第1横送り体72Aと第2横送り体72Bとが各別に作動される。その際に昇降駆動部74A,74Bにより支持部材73A,73Bを昇降させることで、受け材77A,77Bの上面が搬送面61aに対して出退動自在に構成されている。そして上昇させて、受け材77A,77Bの上面を搬送面61aに対して突出させることで、ガラス基板5,6を支持可能に構成されている。以上の61〜78A,78Bなどにより、複数配列装置60の一例が構成される。
【0046】
図2、図5、図6において、前記センタリング装置80は、複数配列装置60から複数列で搬送されてきたガラス基板5,6を支持搬送可能なコンベア部81と、このコンベア部81上のガラス基板5,6を横方向で位置決めするために、搬送経路9の方向に対して直交状の横方向で3箇所(複数箇所)に設けられたセンタリング部86A,86B,86Cなどにより構成されている。すなわち、コンベア部81は、前述したコンベア部11と同様のローラコンベア形式であって、コンベアフレーム82、回転軸83、ローラ体84、駆動手段85などにより構成され、ローラ体84群によって搬送面81aが形成されている。
【0047】
また、センタリング部86A,86B,86Cは同様な構成であって、各別に作動自在に構成されている。すなわち、センタリング部86A,86B,86Cは、それぞれ、昇降駆動手段87により昇降枠88を介して昇降動される持ち上げ体89と、接近離間手段90により横方向で互いに接近離間動される一対のクランプ体91などにより構成される。その際に、昇降駆動手段87により昇降枠88を昇降させることで、持ち上げ体89の上面が搬送面81aに対して出退動自在に構成され、そして上昇させて上面を搬送面81aに対して突出させることで、ガラス基板5,6を支持可能に構成されている。以上の81〜91などにより、センタリング装置80の一例が構成される。
【0048】
図2、図10、図11において、前記送り出し装置100は、前記回転整列装置10からのガラス基板5,6群を受け入れるものであって、回転整列装置10から複数枚のガラス基板5(または複数枚のガラス基板6)を同時に受け入れたのち同方向(搬送経路9の方向)に送り出す直送ゾーン100Aと、この直送ゾーン100Aから横方向経路30に沿った方向に搬送される複数枚のガラス基板5(または複数枚のガラス基板6)を受け入れたのち直送ゾーン100Aと同方向に送り出す分岐送ゾーン100Bとが形成されている。そして両ゾーン100A,100Bには、それぞれ複数枚のガラス基板5,6を支持搬送可能な縦送りコンベア部101A,101Bが設けられるとともに、両ゾーン100A,100B間には横送りコンベア部111が設けられている。
【0049】
すなわち、縦送りコンベア部101A,101Bは、前述した縦送りコンベア部61と同様のローラコンベア形式であって、それぞれ、コンベアフレーム102、回転軸103、ローラ体104、駆動手段105などにより構成され、ローラ体104群によって搬送面101a,101bが形成されている。また横送りコンベア部111も前述した横送りコンベア部71と同様の構成であって、第1横送り体112Aと第2横送り体112B、支持部材113A,113B、昇降駆動部114A,114B、輪体115A,115B、ベルト116A,116B、受け材117A,117B、減速機付きのモータ118A,118Bなどにより構成されている。ここで受け材117A,117Bは、それぞれ複数枚(3枚または2枚)のガラス基板5,6を支持可能な長さに設定されている。
【0050】
このように構成された横送りコンベア部111は、第1横送り体112Aと第2横送り体112Bとが各別に作動される。その際に昇降駆動部114A,114Bにより支持部材113A,113Bを昇降させることで、受け材117A,117Bの上面が搬送面101a,101bに対して出退動自在に構成されている。そして上昇させて、受け材117A,117Bの上面を搬送面101a,101bに対して突出させることで、ガラス基板5,6を支持可能に構成されている。以上の101A,101B〜118A,118Bなどにより、送り出し装置100の一例が構成される。
【0051】
図2において、複数配列装置60とセンタリング装置80と回転整列装置10と送り出し装置100とは、前記搬送経路9の方向に対する一側部(左側面)が直線状に揃えられた状態で配設されている。そして複数配列装置60の上手には、その一側部(左側面)が揃えられた状態で、たとえば製造されたガラス基板5,6を1枚ずつ搬送する搬入コンベア2が配設されている。ここで搬入コンベア2は、ベルト形式やローラ形式などからなる。なお直送ゾーン100Aや分岐送ゾーン100Bの送り出し側の外側には、複数列のガラス基板5,6を、上下方向に間隔を置いて複数段に収納可能なボックス体(カセットケース)3が位置される。
【0052】
以下に、上記した実施の形態1において、大型ガラス基板5を取り扱う作用を、図1〜図13に基づいて説明する。
たとえば、製造工程(製造ライン)からの大型ガラス基板5は、その長尺寸法Lの方向を搬送方向として搬入コンベア2によって搬送され、そして、搬入コンベア2の終端から複数配列装置60へ1枚ずつ供給(搬出)される。このとき複数配列装置60においては、図2に示すように、横送りコンベア部71の両横送り体72A,72Bともに、受け材77A,77Bを一側部(左側)へ移動させるとともに、下降動させている。すなわち、受け材77A,77Bを、搬入コンベア2による供給方向の下流でかつ搬送面61a下に位置させている。
【0053】
このような状態で、搬入コンベア2による供給動に連動して縦送りコンベア部61の駆動手段65を駆動させることにより、搬入コンベア2から切り出し供給される大型ガラス基板5を、ローラ体64群によって支持搬送し得る。そして大型ガラス基板5が縦送りコンベア部61上に完全に乗り移ったことを検出するなどして、この駆動手段65の駆動を停止させることで、大型ガラス基板5を受け材77A,77B群の上方に位置し得る。
【0054】
次いで、第1横送り体72Aにおける昇降駆動部74Aの駆動により支持部材73Aを上昇して、受け材77Aの上面を搬送面61aに対して突出させることで、図3の実線に示すように、ローラ体64群によって支持していた大型ガラス基板5を受け材77A群によって持ち上げ支持し得る。この状態で、モータ78Aの駆動によりベルト76Aを回動させることで、受け材77A群によって支持している大型ガラス基板5を横方向、すなわち幅広寸法Mの方向に搬送し得る。そして図3の仮想線に示すように、大型ガラス基板5が搬入コンベア2の前方から外れたときに横方向への搬送を停止させる。
【0055】
このような第1横送り体72Aによる大型ガラス基板5の持ち上げ支持を維持した状態で、次の大型ガラス基板5を、搬入コンベア2から切り出し供給するとともに、駆動させた縦送りコンベア部61のローラ体64群によって支持搬送する。そして駆動手段65の駆動を停止させることで、大型ガラス基板5を、第2横送り体72Bにおける受け材77B群の上方に位置し得る。
【0056】
次いで、第2横送り体72Bにおける昇降駆動部74Bの駆動により支持部材73Bを上昇して、受け材77Bの上面を搬送面61aに対して突出させることで、ローラ体64群によって支持していた大型ガラス基板5を受け材77B群によって持ち上げ支持し得る。この状態で、両横送り体72A,72Bのモータ78A,78Bの同時駆動により、それぞれのベルト76A,76Bを回動させることで、受け材77A,77B群によって支持している大型ガラス基板5,5を幅広寸法Mの方向に同時に搬送し得る。そして第2横送り体72Bの,77B群によって支持している大型ガラス基板5が搬入コンベア2の前方から外れたときに、両横送り体72A,72Bによる横方向への搬送を停止させる。
【0057】
このような両横送り体72A,72Bによる大型ガラス基板5,5の持ち上げ支持を維持した状態で、次の大型ガラス基板5を、搬入コンベア2から切り出し供給するとともに、駆動させた縦送りコンベア部61のローラ体64群によって支持搬送する。そして駆動手段65の駆動を停止させることで、図4に示すように、大型ガラス基板5を、搬入コンベア2の前方に位置し得る。
【0058】
次いで両横送り体72A,72Bにおける昇降駆動部74A,74Bの逆駆動により支持部材73A,73Bを下降して、受け材77A,77Bの上面を搬送面61aに対して退入させることで、受け材77A,77B群によって支持していた大型ガラス基板5,5をローラ体64群によって支持し得る。すなわち図12(a)に示すように、複数配列装置60において、搬入コンベア2によって1枚ずつ供給されてきた大型ガラス基板5を、その幅広寸法Mの方向で3列(複数列)に配列して支持し得る。
【0059】
このように、大型ガラス基板5を3列として支持している複数配列装置60を搬送動作させることで、大型ガラス基板5群をセンタリング装置80へと供給し得る。このときセンタリング装置80においては、図5に示すように、各センタリング部86A,86B,86Cにおける昇降駆動手段87により昇降枠88を下降動させることで、各持ち上げ体89を下降させて搬送面81a下に位置させている。さらに接近離間手段90の作動によって、クランプ体91を横方向で互いに離間動させている。
【0060】
このような状態で、複数配列装置60における縦送りコンベア部61による供給動に連動して、コンベア部81の駆動手段85を駆動させることにより、縦送りコンベア部61のローラ体64群によって同時に支持搬送される3列の大型ガラス基板5を、コンベア部81のローラ体84群によって受け取って支持搬送し得る。そして大型ガラス基板5群がコンベア部81に乗り移ったことを検出するなどして、複数配列装置60における縦送りコンベア部61の駆動手段65と、センタリング装置80におけるコンベア部81の駆動手段85の駆動を停止させることで、3枚の大型ガラス基板5を、それぞれ持ち上げ体89の上方でかつ互いに離間動しているクランプ体91間に位置し得る。
【0061】
次いで、各センタリング部86A,86B,86Cにおいてセンタリング作用が行われる。すなわち、まず昇降駆動手段87の作動により昇降枠88を上昇させ、持ち上げ体89の上面を搬送面81aに対して突出させることで、図6の実線に示すように、ローラ体84群によって支持していた大型ガラス基板5を持ち上げ体89によって持ち上げ支持し得る。このような持ち上げ体89による大型ガラス基板5の持ち上げ支持を維持した状態で、接近離間手段90の作動により両クランプ体91を横方向で互いに接近動させることによって、いずれかのクランプ体91が大型ガラス基板5の側面に先行当接して横押しするなどし、以て図6の仮想線に示すように、大型ガラス基板5を幅広寸法Mの方向においてセンタリングし得る。その際に、持ち上げ体89をフリーローラ形式にすることで、横押し移動によるセンタリング時の摺接を軽減し得る。
【0062】
その後に、接近離間手段90の逆作動により両クランプ体91を横方向で互いに離間動させたのち、昇降駆動手段87の逆作動により昇降枠88を下降させ、持ち上げ体89の上面を搬送面81aに対して退入させることで、持ち上げ体89によって支持していた大型ガラス基板5をローラ体84群に戻し得る。すなわちセンタリング装置80において、複数配列装置60から3列(複数列)で搬送されてきた大型ガラス基板5を、それぞれ横方向(幅広寸法Mの方向)で位置決め(センタリング)し得る。
【0063】
なお複数配列装置60においては、両横送り体72A,72Bにおける昇降駆動部74A,74Bの逆駆動により支持部材73A,73Bを下降して、受け材77A,77Bの上面を搬送面61aに対して退入させたのちに、これら受け材77A,77Bを一側部(左側)へ移動させて、搬入コンベア2による供給方向の下流でかつ搬送面61a下に位置させた最初の状態に復帰動させている。そして、上述したようにセンタリング装置80がセンタリング作用を行っている間に、前述と同様にして、搬入コンベア2によって1枚ずつ供給されてきた大型ガラス基板5を、図12(b)に示すように、その幅広寸法Mの方向で3列(複数列)として配列する作業が行われる。
【0064】
前述したように、センタリング装置80において、横方向(幅広寸法Mの方向)で位置決めした3列(複数列)の大型ガラス基板5は、コンベア部81を搬送動作させることで回転整列装置10へと供給し得る。このとき回転整列装置10においては、図1、図2、図7に示すように、各移動体31A,31B,31Cが、各センタリング部86A,86B,86Cによるセンタリング中心の下流に、所定のピッチPを置いて振り分けて位置されている。そして各移動体31A,31B,31Cの板状体支持部55は、下降して回転軸13上と搬送面11a下との間に位置されている。
【0065】
このような状態で、センタリング装置80におけるコンベア部81の供給動に連動して、コンベア部11の駆動手段15を作動させることにより、コンベア部81のローラ体84群によって同時に支持搬送されてくる3列の大型ガラス基板5を、コンベア部11のローラ体14群により受け取って支持搬送し得る。そして大型ガラス基板5群がコンベア部11に乗り移ったことを検出するなどして、センタリング装置80におけるコンベア部81の駆動手段85と、回転整列装置10におけるコンベア部11の駆動手段15の駆動を停止させることで、図1の実線、図7の仮想線、図8の実線、図13(a)に示すように、センタリング済みの3枚の大型ガラス基板5を、それぞれ板状体支持部55の上方に位置し得る。
【0066】
次いで、各移動体31A,31B,31Cによって大型ガラス基板5の持ち上げが行われる。すなわち、まず昇降駆動部36の作動により昇降体41を上昇させることにより、旋回駆動部47や上向き旋回軸52を介して板状体支持部55を上昇し得る。この上昇により、板状体支持部55を搬送面11aに対して突出させることで、ローラ体14群によって支持していた大型ガラス基板5を、受止め材59群を介して持ち上げ支持し得る。その際に持ち上げは、図1の仮想線、図8の仮想線に示すように、両側に位置した移動体31A,31Cの昇降駆動部36を同量上昇作用させることで、その板状体支持部55の上昇を同じレベルNとして行える。また中央に位置した移動体31Bの昇降駆動部36を、切り換えにより異量上昇作用させることで、その板状体支持部55の上昇を、このレベルNよりも高くして隣接間で段差nが生じた状態として行える。
【0067】
このように、各板状体支持部55による大型ガラス基板5の持ち上げ支持を維持した状態で、大型ガラス基板5群の旋回動と横方向動とが同時状に行われる。すなわち図9の仮想線、図13(b)に示すように、板状体支持部55を旋回駆動部47の作動によって縦軸心53の周りに旋回させるとともに、両側に位置した移動体31A,31Cを、移動駆動部33の作動によって中央の移動体31Bに接近移動させる。このとき、板状体支持部55の旋回は180度に行われ、以て大型ガラス基板5の向きを前後に入れ換えた状態に変更し得る。また移動体31A,31Cの接近移動は、向きを変更した大型ガラス基板5を接近させた状態に行われる。
【0068】
その際に旋回動と横方向動とは、両側に位置した移動体31A,31Cに対して中央に位置した移動体31Bを段差nが生じた状態にしていることで、長尺寸法Lかつ幅広寸法Mの大型ガラス基板5でありながら、これら大型ガラス基板5どうしが衝突や接触などすることなく、常に安定して円滑に行える。
【0069】
上述したような旋回動と横方向動とにより、大型ガラス基板5群の向きと位置との調整を行ったのち、各移動体31A,31B,31Cの昇降駆動部36を下降作用させることで、板状体支持部55群を下降して回転軸13上と搬送面11a下との間に位置し得る。これにより、図9の実線、図12(c)、図13(c)に示すように、板状体支持部55によって支持していた大型ガラス基板5をローラ体14群に戻し得る。すなわち回転整列装置10においては、センタリング装置80から3列(複数列)で搬送されてきた大型ガラス基板5に対し、それぞれ向きと位置との調整を行え、以て大型ガラス基板5群を小さい隙間Sを置いて並列し得る。
【0070】
前述したように、回転整列装置10において、向き(前後)と位置(幅広寸法Mの方向)との調整を行った3列の大型ガラス基板5は、コンベア部11を搬送動作させることで、図13(d)に示すように、送り出し装置100へと供給し得る。このとき送り出し装置100においては、図2に示すように、横送りコンベア部111の両横送り体112A,112Bともに、受け材117A,117Bを一側部(左側)へ移動させるとともに、下降動させている。すなわち、受け材117A,117Bを、回転整列装置10による供給方向の下流の直送ゾーン100Aでかつ搬送面101a下に位置させている。
【0071】
このような状態で、コンベア部11による供給動に連動して縦送りコンベア部101Aの駆動手段105を駆動させることにより、コンベア部11から切り出し供給される3列の大型ガラス基板5を、ローラ体104群によって支持搬送し得る。そして大型ガラス基板5が縦送りコンベア部101A上に完全に乗り移ったことを検出するなどして、回転整列装置10におけるコンベア部11の駆動手段15と、送り出し装置100における縦送りコンベア部101Aの駆動手段105の駆動を停止させることで、図10の実線に示すように、3枚の大型ガラス基板5を、共通の受け材117A,117B群の上方に位置し得る。
【0072】
このようにして、大型ガラス基板5を送り出し装置100に供給したのちに回転整列装置10においては、両側に位置した移動体31A,31Cの板状体支持部55を上昇させ、そして図13(e)に示すように、両移動体31A,31Cを中央の移動体31Bに対して離間移動させたのち、両移動体31A,31Cの板状体支持部55を下降して、回転軸13上と搬送面11a下との間に位置させることで、最初の所定のピッチPを置いた状態に戻し得る。
【0073】
前述したように、直送ゾーン100Aで受け材117A,117B群の上方に位置された大型ガラス基板5群は、この直送ゾーン100Aから直接にボックス体3に供給されるか、または直送ゾーン100Aから分岐送ゾーン100Bを介して別のボックス体3に供給される。すなわち直送ゾーン100Aで、受け材117A,117B群の上方においてローラ体104群により支持されている大型ガラス基板5群は、縦送りコンベア部101Aの駆動させたローラ体104群によって支持搬送し得、以てボックス体3に供給し得る。
【0074】
また分岐送ゾーン100Bを使用するとき、直送ゾーン100Aでローラ体104群により支持されている3枚の大型ガラス基板5を、第1横送り体112Aにおける昇降駆動部114Aの駆動により支持部材113Aを上昇して、受け材117Aの上面を搬送面101aに対して突出させることで、図10の仮想線に示すように、受け材117A群によって同時に持ち上げ支持し得る。この状態で、モータ118Aの駆動によりベルト116Aを回動させることで、受け材117A群によって支持している大型ガラス基板5群を横方向、すなわち分岐送ゾーン100Bの方向に搬送し得る。そして図11の実線に示すように、大型ガラス基板5群が分岐送ゾーン100Bに入ったときに横方向への搬送を停止させる。
【0075】
次いで第1横送り体112Aにおける昇降駆動部114Aの逆駆動により支持部材113Aを下降して、受け材117Aの上面を搬送面101bに対して退入させることで、図11の仮想線に示すように、受け材117A群によって支持していた大型ガラス基板5群を、縦送りコンベア部101Bのローラ体104群によって支持し得る。すなわち直送ゾーン100Aから搬送してきた大型ガラス基板5を、その幅広寸法Mの方向で3列(複数列)に配列した状態で分岐送ゾーン100Bに供給し得る。これにより、分岐送ゾーン100Bで受け材117A群の上方においてローラ体104群によって支持されている大型ガラス基板5群は、縦送りコンベア部101Bの駆動したローラ体104群によって支持搬送し得、以てボックス体3に供給し得る。
【0076】
このように、分岐送ゾーン100Bにおいて大型ガラス基板5群をボックス体3に供給しているときに、直送ゾーン100Aにおいては、図12(d)に示すように、回転整列装置10から次の大型ガラス基板5群が供給され、第2横送り体112Bの受け材117B群の上方に位置されている。そして、直送ゾーン100Aでローラ体104群により支持されている3枚の大型ガラス基板5を、昇降駆動部114Bの駆動により支持部材113Bを上昇して、受け材117Bの上面を搬送面101aに対して突出させることで、受け材117B群によって同時に持ち上げ支持し得る。
【0077】
この状態で、モータ118Bの駆動によりベルト116Bを回動させることで、受け材117B群によって支持している大型ガラス基板5群を分岐送ゾーン100Bの方向に搬送し得る。このとき、第1横送り体112Aでは、モータ118Aの逆駆動によりベルト116Aを逆回動させることで、搬送面101a,101bの下方に位置している受け材117A群を、分岐送ゾーン100Bから直送ゾーン100Aへと復帰移動し得る。
【0078】
次に、上記した実施の形態1において、小型ガラス基板6を取り扱う作用を、図14〜図16に基づいて説明する。
たとえば、製造工程(製造ライン)からの小型ガラス基板6は、その短尺寸法lの方向を搬送方向として搬入コンベア2によって搬送され、そして、搬入コンベア2の終端から複数配列装置60へ1枚ずつ供給(搬出)される。この複数配列装置60においては、図15(a)に示すように、上述した大型ガラス基板5のときと同様に作用させることによって、1枚ずつ供給されてきた小型ガラス基板6を、その幅狭寸法mの方向で2列(複数列)に配列して支持し得る。
【0079】
このように、小型ガラス基板6を2列として支持している複数配列装置60を搬送動作させることで、小型ガラス基板6群をセンタリング装置80へと供給し得る。このときセンタリング装置80においては、図15(b)に示すように、一対のセンタリング部86A,86Bを、上述した大型ガラス基板5のときと同様に作用させることによって、複数配列装置60から2列(複数列)で搬送されてきた小型ガラス基板6を、それぞれ横方向(幅狭寸法mの方向)で位置決め(センタリング)し得る。
【0080】
前述したように、センタリング装置80において、横方向(幅狭寸法mの方向)で位置決めした2列(複数列)の小型ガラス基板6は、コンベア部81を搬送動作させることで回転整列装置10へと供給し得る。このとき回転整列装置10においては、図14に示すように、一対の移動体31A,31Bが、それぞれセンタリング部86A,86Bによるセンタリング中心の下流に、所定のピッチPを置いて振り分けて位置されるとともに、残り1つの移動体31Cは、他側部(右側)に移動され、不使用として待機されている。そして両移動体31A,31Bの板状体支持部55は、下降して回転軸13上と搬送面11a下との間に位置されている。
【0081】
このような状態で、コンベア部81のローラ体84群によって同時に支持搬送されてくる2列の小型ガラス基板6を、コンベア部11のローラ体14群により受け取って支持搬送することで、図14の実線、図16(a)に示すように、センタリング済みの2枚の小型ガラス基板6を、それぞれ板状体支持部55の上方に位置し得る。
【0082】
次いで、各移動体31A,31Bによって小型ガラス基板6の持ち上げが行われる。すなわち、まず昇降駆動部36の作動により昇降体41を上昇させることにより、旋回駆動部47や上向き旋回軸52を介して板状体支持部55を上昇し得る。この上昇により、板状体支持部55を搬送面11aに対して突出させることで、ローラ体14群によって支持していた小型ガラス基板6を、受止め材59群を介して持ち上げ支持し得る。その際に持ち上げは、図14の仮想線に示すように、一対の移動体31A,31Bの昇降駆動部36を同量上昇作用させることで、その板状体支持部55の上昇を同じレベルNとして行える。
【0083】
このように、各板状体支持部55による小型ガラス基板6の持ち上げ支持を維持した状態で、小型ガラス基板6群の旋回動と横方向動とが同時状に行われる。すなわち図14の仮想線、図16(b)に示すように、板状体支持部55を旋回駆動部47の作動によって縦軸心53の周りに旋回させるとともに、両移動体31A,31Bを、移動駆動部33の作動によって中央部側に移動させる。このとき、板状体支持部55の旋回は90度に行われ、以て小型ガラス基板6の向きを、幅狭寸法mを前後方向とした状態に変更し得る。また移動体31A,31Bの移動は、向きを変更した小型ガラス基板6を接近させた状態に行われる。
【0084】
その際に旋回動と横方向動とは、短尺寸法lかつ幅狭寸法mの小型ガラス基板6であることで、段差nが生じない持ち上げ支持(上昇)でありながら、これら小型ガラス基板6どうしが衝突や接触などすることなく、常に安定して円滑に行える。
【0085】
上述したような旋回動と横方向動とにより、小型ガラス基板6群の向きと位置との調整を行ったのち、各移動体31A,31Bの昇降駆動部36を下降作用させることで、板状体支持部55群を下降して回転軸13上と搬送面11a下との間に位置し得る。これにより、図15(c)、図16(c)に示すように、板状体支持部55によって支持していた小型ガラス基板6をローラ体14群に戻し得る。すなわち回転整列装置10においては、センタリング装置80から2列(複数列)で搬送されてきた小型ガラス基板6に対し、それぞれ向きと位置との調整を行える。
【0086】
前述したように、回転整列装置10において、向きと位置との調整を行った2列の小型ガラス基板6は、コンベア部11を搬送動作させることで、図16(d)に示すように、送り出し装置100へと供給し得る。このとき送り出し装置100においては、受け材117A,117Bを直送ゾーン100Aでかつ搬送面101a下に位置させている。このような状態で、縦送りコンベア部101Aの駆動手段105を駆動させることにより、コンベア部11から切り出し供給される2列(2枚)の小型ガラス基板6を、ローラ体104群によって支持搬送し得、以て共通の受け材117A,117B群の上方に位置し得る。
【0087】
このようにして、小型ガラス基板6を送り出し装置100に供給したのちに回転整列装置10においては、両移動体31A,31Bの板状体支持部55を上昇させ、そして図16(e)に示すように、両移動体31A,31Bを一側部へと移動させるとともに、板状体支持部55を縦軸心53の周りに90度旋回させたのち、両移動体31A,31Bの板状体支持部55を下降して、回転軸13上と搬送面11a下との間に位置させることで、最初の所定のピッチPを置いた状態に戻し得る。
【0088】
前述したように、直送ゾーン100Aで受け材117A,117B群の上方に位置された小型ガラス基板6群は、この直送ゾーン100Aから直接にボックス体3に供給されるか、または直送ゾーン100Aから分岐送ゾーン100Bを介して別のボックス体3に供給される。そして、分岐送ゾーン100Bにおいて小型ガラス基板6群をボックス体3に供給しているときに、直送ゾーン100Aにおいては、図15(d)に示すように、回転整列装置10から次の大型ガラス基板5群が供給されている。
【0089】
上記した実施の形態1によると、ガラス基板5,6の供給前に回転整列装置10においては、複数の移動体31A,31B,31Cが所定ピッチPを置いて位置しており、そして各板状体支持部55は、下降して搬送面11a下に位置している。このような状態で、搬送経路9の上流側から複数列で同時に搬送されてくるガラス基板5,6群を、コンベア部11により受け取って支持搬送することで、それぞれ板状体支持部55の上方に位置できる。次いで、板状体支持部55を上昇させて搬送面11aに対して突出させることで、コンベア部11によって支持していたガラス基板5,6を、板状体支持部55を介して持ち上げ支持できる。そして、各板状体支持部55によるガラス基板5,6の持ち上げ支持を維持した状態で、ガラス基板5,6群の旋回動と横方向動とを同時状に行える。
【0090】
すなわち、板状体支持部55を縦軸心53の周りに旋回させるとともに、所定の移動体31A,31B,31Cを横方向に移動させる。このとき、板状体支持部55の旋回は所定の角度に行われ、以てガラス基板5,6の向きを変更できる。また移動体31A,31B,31Cの移動は、向きを変更したガラス基板5,6間に所定の隙間Sが生じる状態に行える。このような旋回動と横方向動とによって、ガラス基板5,6群の向きと位置との調整を行ったのち、各移動体31A,31B,31Cの板状体支持部55群を下降して搬送面11a下に位置させることにより、板状体支持部55によって支持していたガラス基板5,6群をコンベア部11に戻すことができる。
【0091】
このように回転整列装置10においては、搬送経路9の上流側から複数列で搬送してきたガラス基板5,6に対して、向きと位置との調整を同時動作によって行える。したがって、搬送経路9の終端におけるガラス基板5,6の個々の搬送を高速化(高能力化)するときでも、回転整列装置10での動作を速くすることなく対処し得、以て振動、すなわち衝撃が生じることなく、ガラス基板5,6群に対して向きと位置との調整を行える。
【0092】
上記した実施の形態1によると、板状体支持部55を上昇させて搬送面11aに対して突出させることで、コンベア部11によって支持していた小型ガラス基板6を、板状体支持部55を介して持ち上げ支持でき、その際に持ち上げは、小型ガラス基板6群を同じレベルLとして行える。
【0093】
上記した実施の形態1によると、板状体支持部55を上昇させて搬送面11aに対して突出させることで、コンベア部11によって支持していた大型ガラス基板5を、板状体支持部55を介して持ち上げ支持でき、その際に持ち上げは、隣接した大型ガラス基板5間で段差nが生じた状態として行える。この段差nによって旋回動と横方向動とは、たとえ長尺寸法Lかつ幅広寸法Mの大型ガラス基板5であったとしても、これら大型ガラス基板5どうしが衝突や接触などすることなく、常に安定して円滑に行える。
【0094】
上記した実施の形態1によると、板状体支持部55を上昇させて搬送面11aに対して突出させることで、コンベア部11によって支持していたガラス基板5,6を、板状体支持部55を介して持ち上げ支持できる。その際に持ち上げは、同量昇降作用によってガラス基板5,6群を同じレベルNとして行え、また異量昇降作用への切り換えによって隣接したガラス基板5,6間で段差nが生じた状態として行える。この同じレベルNの持ち上げによって、旋回動と横方向動とは、短尺寸法lかつ幅狭寸法mのガラス基板6を互いに衝突や接触などすることなく、迅速にかつ常に安定して円滑に行える。また段差nによって旋回動と横方向動とは、たとえ長尺寸法Lかつ幅広寸法Mのガラス基板5であったとしても、これらガラス基板5どうしが衝突や接触などすることなく、常に安定して円滑に行える。このように持ち上げを、同量昇降作用、または異量昇降作用に切り換えて行うことで、ガラス基板5,6の寸法(形状)に応じて好適に使い分けることができる。
【0095】
上記した実施の形態1によると、複数配列装置60においては、1枚ずつ受け入れたガラス基板5,6を複数列に配列して支持し、そしてセンタリング装置80においては、複数配列装置60から複数列で搬送されてきたガラス基板5,6を、それぞれ横方向で位置決めする。次いで、センタリング装置80において位置決めした複数列のガラス基板5,6を回転整列装置10へと供給し、この回転整列装置10においてはガラス基板5,6に対し、それぞれ向きと位置との調整を行ったのち並列させる。そして複数列のガラス基板5,6を送り出し装置100へと供給し、この送り出し装置100において、受け入れたガラス基板5,6群を送り出し供給する。このように、たとえば製造工程(製造ライン)から1枚ずつ供給されてきたガラス基板5,6を、搬送経路9で搬送しながら、複数列として向きと位置との調整を行ったのち、送り出すことができる。
【0096】
上記した実施の形態1によると、ガラス基板5,6群を、それぞれ板状体支持部55の上方に位置させた状態で、各移動体31A,31B,31Cによってガラス基板5,6の持ち上げを行える。すなわち、まず昇降駆動部36を上昇作動させることにより、旋回駆動部47や上向き旋回軸52を介して板状体支持部55を上昇させる。この上昇により、板状体支持部55を搬送面11aに対して突出させることで、コンベア部11によって支持していたガラス基板5,6を、板状体支持部55を介して持ち上げ支持できる。そして、各板状体支持部55によるガラス基板5,6の持ち上げ支持を維持した状態で、ガラス基板5,6群の旋回動と横方向動とを同時状に行える。すなわち、板状体支持部55を旋回駆動部47の作動によって縦軸心53の周りに旋回させるとともに、所定の移動体31A,31B,31Cを移動駆動部33の作動によって移動させる。このとき、板状体支持部55の旋回は所定の角度に行い、以てガラス基板5,6の向きを変更できる。また移動体31A,31B,31Cの移動は、向きを変更したガラス基板5,6間に所定の隙間Sが生じる状態に行うことができる。
【0097】
上記した実施の形態1によると、複数枚のガラス基板5,6をコンベア部11のローラ体14群により受け取って支持搬送することで、それぞれ板状体支持部55の上方に位置できる。次いで、板状体支持部55を上昇して搬送面11aに対して突出させることで、ローラ体14群によって支持していたガラス基板5,6を持ち上げ支持でき、この持ち上げ支持を維持した状態で、ガラス基板5,6群の旋回動と横方向動とを同時状に行うことで、ガラス基板5,6群の向きと位置との調整を行える。そして、板状体支持部55群を下降して回転軸13上と搬送面11a下との間に位置させることにより、板状体支持部55によって支持していたガラス基板5,6群をローラ体14群に戻せる。したがってガラス基板5,6群の向きと位置との調整を、板状体支持部55の昇降量を小さくして迅速にかつ安定して行うことができる。
【0098】
上記した実施の形態1では、板状体としてガラス基板5,6が示されているが、これは金属板や樹脂板などであってもよい。
上記した実施の形態1では、板状体として大型ガラス基板5と小型ガラス基板6との2種類が示されているが、これは3種類以上であってもよく、この場合に、移動体31A,31B,31Cの移動方向や移動量、板状体支持部55の旋回角度、板状体支持部55の上昇量などが、適宜に設定、制御される。
【0099】
上記した実施の形態1では、複数列の板状体として、3枚の大型ガラス基板5と2枚の小型ガラス基板6が示されているが、これらの枚数は任意に設定されるものであり、その際に移動体などの数と、各装置の幅などが変更されることもある。
【0100】
上記した実施の形態1では、板状体支持部55を介してのガラス基板5,6の持ち上げを、ガラス基板6群を同じレベルNとして行う同量昇降作用と、隣接したガラス基板5間で段差nが生じる異量昇降作用とに切り換え可能とした形式としているが、これは、複数の板状体支持部55の上昇が常に同じレベルLで行われる形式や、複数の板状体支持部55の上昇が、常に隣接間で段差nが生じる状態で行われる形式などであってもよい。
【0101】
上記した実施の形態1では、搬送経路9中に、複数配列装置60とセンタリング装置80と回転整列装置10と送り出し装置100とが、上流側から下流側へとこの順に設けられた形式が示されているが、これは搬入コンベアからの複数列のガラス基板5,6を回転整列装置10が受け入れる形式など、複数配列装置60とセンタリング装置80と送り出し装置100の3つのうち、いずれか1つ〜全てが省略された形式や、回転整列装置10の前後に別の装置が組み込まれた形式などであってもよい。
【0102】
上記した実施の形態1では、移動駆動部33が設けられた移動体31A,31B,31Cに、昇降駆動部36を介して旋回駆動部47が昇降自在に設けられ、この旋回駆動部47の上向き旋回軸52に板状体支持部55が設けられた形式としているが、これは、移動駆動部33が設けられた移動体31A,31B,31Cに、旋回駆動部47を介して昇降駆動部36が旋回自在に設けられ、この昇降駆動部36の上向き昇降軸に板状体支持部55が設けられた形式などであってもよい。
【0103】
上記した実施の形態1では、コンベア部は、搬送経路の方向の複数箇所に、その回転軸心を横方向として配設された回転軸と、各回転軸の長さ方向の複数箇所に外嵌して設けられたローラ体とにより構成されるとともに、ローラ体群によって搬送面が形成され、板状体支持部55は、回転軸13間を通る部材(上向き旋回軸52)を介して移動体31A,31B,31C側に設けられるとともに、下降時には回転軸13上と搬送面11a下との間に位置されるように構成された形式としているが、これは板状体支持部を、回転軸13間を通る形状として、下降時には回転軸13下に位置されるように構成された形式などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、板状体整列設備における回転整列装置部分の正面図である。
【図2】同板状体整列設備の平面図である。
【図3】同板状体整列設備における複数配列装置部分の受け入れ開始時の正面図である。
【図4】同板状体整列設備における複数配列装置部分の受け入れ終了時の正面図である。
【図5】同板状体整列設備におけるセンタリング装置部分のセンタリング前の正面図である。
【図6】同板状体整列設備におけるセンタリング装置部分のセンタリング時の正面図である。
【図7】同板状体整列設備における回転整列装置部分の一部切り欠き平面図である。
【図8】同板状体整列設備における回転整列装置部分の一部切り欠き側面図である。
【図9】同板状体整列設備における回転整列装置部分の回転整列後の正面図である。
【図10】同板状体整列設備における送り出し装置部分の受け入れ終了時の正面図である。
【図11】同板状体整列設備における送り出し装置部分の横送り時の正面図である。
【図12】同板状体整列設備において大型の板状体を取り扱っている時の説明平面図である。
【図13】同板状体整列設備において大型の板状体を取り扱っている時の回転整列装置部分の概略平面図である。
【図14】同板状体整列設備において小型の板状体を取り扱っている時の回転整列装置部分の正面図である。
【図15】同板状体整列設備において小型の板状体を取り扱っている時の説明平面図である。
【図16】同板状体整列設備において小型の板状体を取り扱っている時の回転整列装置部分の概略平面図である。
【符号の説明】
【0105】
2 搬入コンベア
3 ボックス体
5 大型ガラス基板(板状体)
6 小型ガラス基板(板状体)
8 板状体整列設備
9 搬送経路
10 回転整列装置
11 コンベア部
11a 搬送面
13 回転軸
14 ローラ体
15 駆動手段
27 ガイドレール
30 横方向経路
31A 移動体
31B 移動体
31C 移動体
32 摺動部材
33 移動駆動部
36 昇降駆動部
41 昇降体
44 ガイド筒
45 ロッド体
47 旋回駆動部
52 上向き旋回軸(部材)
53 縦軸心
55 板状体支持部
59 受止め材
60 複数配列装置
61 縦送りコンベア部
61a 搬送面
64 ローラ体
71 横送りコンベア部
72A 第1横送り体
72B 第2横送り体
74A 昇降駆動部
74B 昇降駆動部
77A 受け材
77B 受け材
80 センタリング装置
81 コンベア部
81a 搬送面
84 ローラ体
86A センタリング部
86B センタリング部
86C センタリング部
89 持ち上げ体
90 接近離間手段
91 クランプ体
100 送り出し装置
100A 直送ゾーン
100B 分岐送ゾーン
101A 縦送りコンベア部
101a 搬送面
101B 縦送りコンベア部
101b 搬送面
111 横送りコンベア部
112A 第1横送り体
112B 第2横送り体
117A 受け材
117B 受け材
L 長尺寸法
M 幅広寸法
l 短尺寸法
m 幅狭寸法
h 板状体支持部55の厚さ(高さ)
H 回転軸13の上端面と搬送面11Aとの間の高さ
N 同じレベル
n 段差
P ピッチ
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路の上流側から複数列で搬送されてきた板状体に対して、向きと位置との調整を行う板状体整列設備であって、搬送経路中には回転整列装置が設けられ、この回転整列装置は、複数列の板状体を搬送可能なコンベア部と、搬送経路の方向に対して直交状の横方向に各別に正逆移動自在な複数の移動体とを有し、各移動体には、昇降自在でかつ縦軸心の周りに旋回自在な板状体支持部が設けられ、板状体支持部は昇降によって、コンベア部の搬送面に対して出退動自在に構成されていることを特徴とする板状体整列設備。
【請求項2】
複数の板状体支持部の上昇が、同じレベルで行われることを特徴とする請求項1記載の板状体整列設備。
【請求項3】
複数の板状体支持部の上昇が、隣接間で段差が生じる状態で行われることを特徴とする請求項1記載の板状体整列設備。
【請求項4】
複数の板状体支持部の上昇が、同じレベルで行われる同量昇降作用と、隣接間で段差が生じる状態で行われる異量昇降作用とに切り換え可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の板状体整列設備。
【請求項5】
搬送経路中には、上流側から下流側へと順に、1枚ずつ供給されてきた板状体を複数列にする複数配列装置と、この複数配列装置から複数列で搬送されてきた各板状体を横方向で位置決めするセンタリング装置と、このセンタリング装置からの複数列の板状体を回転整列させる回転整列装置と、この回転整列装置からの板状体群を受け入れる送り出し装置とが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状体整列設備。
【請求項6】
移動駆動部が設けられた移動体には、昇降駆動部を介して旋回駆動部が昇降自在に設けられ、この旋回駆動部の上向き旋回軸に板状体支持部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状体整列設備。
【請求項7】
コンベア部は、搬送経路の方向の複数箇所に、その回転軸心を横方向として配設された回転軸と、各回転軸の長さ方向の複数箇所に外嵌して設けられたローラ体とにより構成されるとともに、ローラ体群によって搬送面が形成され、板状体支持部は、回転軸間を通る部材を介して移動体側に設けられるとともに、下降時には回転軸上と搬送面下との間に位置されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状体整列設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−19009(P2008−19009A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189908(P2006−189908)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】