説明

板状部材接合体の製造方法、透明基板付き電子部材の製造方法及び透明基板付き電子部材

【課題】 空気介在部の発生を抑制する。
【解決手段】 板状部材接合体の製造方法は、一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、第一板状部材の一方の面における突出領域と重ならない領域に、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、第一板状部材との間に透光性膜が介在した状態で、突出領域と重なる位置から突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、第一板状部材との間に透光性膜及び固定部材が介在した状態で、突出領域と重なる位置から突出領域と重ならない位置にかけて第二板状部材を配置する第二部材配置工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状部材接合体の製造方法、透明基板付き電子部材の製造方法及び透明基板付き電子部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の板状部材が積層された板状部材接合体としては、例えば携帯機器等の電子機器に搭載される透明基板付き電子部材が知られている。透明基板付き電子部材は、例えば開口部を有する筐体と、開口部内に配置され接着剤或いは両面テープにより筐体に貼り付けられた保護用の透明基板と、表示面が透明基板に重なるように筐体の内部に配置された電子部材としての表示装置とを備えている(例えば特許文献1参照)。透明基板付き電子部材においては、透明基板と表示装置とが透明接着剤等の固定部材によって、当該固定部材が介在した状態で固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−90053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、透明基板付き電子部材には、透明基板における表示装置に対向する対向面の一部に印刷が施されているものが知られている。透明基板のうち印刷が施された領域は、その印刷の厚みのために僅かながら対向面から突出している。以下、透明基板に施された印刷領域を突出領域と称す。このような透明基板の対向面に、突出領域と重なる位置から突出領域に重ならない位置にかけて固定部材を配置する際、固定部材と透明基板との間に空気が介在する空気介在部が形成されてしまう。空気介在部のサイズが大きいと、表示装置の表示内容を阻害してしまって、表示品位を低下させてしまう。
本発明の課題は、空気介在部の発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面における前記突出領域と重ならない領域に、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、
前記第一板状部材との間に前記透光性膜が介在した状態で、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記第一板状部材との間に前記透光性膜及び前記固定部材が介在した状態で、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて第二板状部材を配置する第二部材配置工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法が提供される。
【0006】
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記透光性膜形成工程では、前記第一板状部材の前記一方の面における前記突出領域と重ならない領域から前記突出領域に重なる領域にかけて連続的に前記透光性膜を形成する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記透光性膜形成工程では、前記突出領域と重なる領域に形成された前記透光性膜を、前記突出領域とは重ならない領域に形成された前記透光性膜よりも薄く形成する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記透光性膜を形成した後に、前記透光性膜のうち、前記透光性膜に対して前記第一板状部材が配置された側とは反対側の面であって、少なくとも前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第一板状部材に向けて加圧する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記透光性膜を形成した後に、前記突出領域と重なる領域に形成された前記透光性膜の少なくとも一部を、当該透光性膜の厚みが薄くなるように除去する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記透光性膜を形成した後に、前記第一板状部材及び前記透光性膜を加熱する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記固定部材は、前記固定部材配置工程の前に常温常圧の条件下において弾性及び粘着性を有する固体であり、前記固定部材配置工程の後にも弾性及び粘着性を有する固体状を維持する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記固定部材配置工程では、前記透光性膜の前記反対側の面に前記固定部材を大気中で配置する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記第一板状部材又は前記第二板状部材のうち一方の板状部材はタッチパネル又は表示パネルであり、他方の板状部材は前記一方の板状部材のうち当該他方の板状部材との対向面を保護する透明基板である。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記第一板状部材は前記透明基板であり、前記透明基板の前記一方の面のうち印刷が施された領域が前記突出領域である。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記印刷領域は枠状であり、前記透光性膜は枠状の前記印刷領域の内側の領域全体及び前記印刷領域の内周部全体を含む領域と重なるように形成される。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記透光性膜はハードコート剤から形成されている。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記固定部材配置工程の後であって前記第二部材配置工程の前に、前記第一板状部材、前記透光性膜及び前記固定部材の接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記第二部材配置工程の後に、前記第一板状部材、前記透光性膜、前記固定部材及び前記第二板状部材の接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面に、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記第一板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第一板状部材に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
前記第一板状部材との間に前記固定部材が介在した状態で、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて第二板状部材を配置する第二部材配置工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法が提供される。
【0008】
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記固定部材は、前記固定部材配置工程の前に常温常圧の条件下において弾性及び粘着性を有する固体であり、
前記加圧加熱工程では、前記固定部材を塑性変形させる。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記固定部材配置工程では、真空中にて前記第一板状部材の前記一方の面に前記固定部材を配置する。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記固定部材配置工程の後であって前記第二部材配置工程の前に、前記第一板状部材と前記固定部材との接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
上記板状部材接合体の製造方法において、好ましくは、前記第二部材配置工程の後に、前記第一板状部材、前記固定部材及び前記第二板状部材の接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
【0009】
また、本発明の他の態様によれば、
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面における前記突出領域と重ならない領域に、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、
一方の面に、該一方の面から突出した第二突出領域が形成された第二板状部材を準備する第二部材準備工程と、
前記第二板状部材の前記一方の面に、前記第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記第二板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも前記第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第二板状部材に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
前記透光性膜と前記固定部材とが重なるように、前記第一板状部材及び前記透光性膜の接合体と、前記第二板状部材及び前記固定部材の接合体とを固定して配置する固定工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明の他の態様によれば、
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面に、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記第一板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第一板状部材に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
一方の面に、該一方の面から突出した第二突出領域が形成された第二板状部材を準備する第二部材準備工程と、
前記第二板状部材の前記一方の面に、前記第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続的に第二固定部材を配置する第二固定部材配置工程と、
前記第二固定部材のうち当該第二固定部材に対して前記第二板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第二板状部材に向けて加圧すると同時に、前記第二固定部材を加熱する第二加圧加熱工程と、
前記固定部材と前記第二固定部材とが重なるように、前記第一板状部材及び前記固定部材の接合体と、前記第二板状部材及び前記第二固定部材の接合体とを固定して配置する固定工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法が提供される。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、
一方の面側に枠状の印刷が施された印刷領域を有する透明基板を準備する基板準備工程と、
前記透明基板の前記一方の面における前記印刷領域の内側の領域及び前記印刷領域の内周部全体を含む領域と重なるように、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、
前記透明基板との間に前記透光性膜が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記透明基板との間に前記透光性膜及び前記固定部材が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて、タッチパネル又は表示パネルである電子部材を配置する電子部材配置工程とを備えることを特徴とする透明基板付き電子部材の製造方法が提供される。
【0012】
また、本発明の他の態様によれば、
一方の面側に枠状の印刷が施された印刷領域を有する透明基板を準備する基板準備工程と、
前記透明基板の前記一方の面に、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記透明基板が配置された側とは反対側の面における少なくとも前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記透明基板に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
前記透明基板との間に前記固定部材が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて、タッチパネル又は表示パネルである電子部材を配置する電子部材配置工程とを備えることを特徴とする透明基板付き電子部材の製造方法が提供される。
【0013】
一方の面側に枠状の印刷が施された印刷領域を有する透明基板と、
前記透明基板の前記一方の面における前記印刷領域の内側の領域及び前記印刷領域の内周部全体を含む領域と重なるように形成された透光性を有する透光性膜と、
前記透明基板との間に前記透光性膜が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続的に配置された固定部材と、
前記透明基板との間に前記透光性膜及び前記固定部材が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて配置されたタッチパネル又は表示パネルである電子部材と、を備えることを特徴とする透明基板付き電子部材が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空気介在部のサイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1の透明基板付き電子部材に備わる透明基板の全体形状を示す背面図である。
【図3】図1の透明基板付き電子部材に備わるタッチパネルの配線構造を模式的に示す正面図である。
【図4】図1の透明基板付き電子部材の製造方法の流れを示す工程図である。
【図5】図4の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図6】図4の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図7】図4の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図8】図4の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図10】図9の透明基板付き電子部材の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図11】図9の透明基板付き電子部材の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図12】図9の透明基板付き電子部材の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図13】第3の実施の形態の透明基板付き電子部材に備わるタッチパネルの配線構造を模式的に示す正面図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV切断線からみた第3の実施の形態の透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図15】第4の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図16】第5の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の流れを示す工程図である。
【図17】図16の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図18】図16の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図19】図16の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図20】図16の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図21】図16の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図22】第6の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。
【図23】第6の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。
【図24】第6の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。
【図25】第7の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図26】第8の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図27】第8の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の流れを示す工程図である。
【図28】図27の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図29】図27の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図30】図27の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図31】第9の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図32】第9の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の流れを示す工程図である。
【図33】図32の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図34】図32の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図35】図32の製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。透明基板付き電子部材1は、図1に示すように、第一板状部材である透明基板2と、第二板状部材であるタッチパネル3と、透光性膜4と、固定部材5とを備えている。
【0018】
透明基板2は、タッチパネル3のうち透明基板2との対向面を保護するものである。図2は透明基板2の全体形状を示す背面図である。図2に示すように、透明基板2は、強化ガラス又は高強度の透明樹脂板により略矩形状に形成されている。透明基板2の一方の面(背面21)には、その周縁部の全周にわたって枠状の印刷領域22が形成されている。印刷領域22はタッチパネル3の操作領域Gを阻害しない大きさに形成されている。つまり、印刷領域22の内側の領域23内に、タッチパネル3の操作領域Gが収まっている。また、印刷領域22は、図1に示すように背面21に対して透明基板2の厚み方向に僅かに突出している。例えば印刷領域22を黒により形成する場合にはその厚みを10〜15μmとすることが好ましい。また、印刷領域22を白により形成する場合にはその厚みを30〜40μmとすることが好ましい。ここで、この印刷領域22が突出領域である。
【0019】
透光性膜4は、透光性を有する樹脂膜である。具体的に透光性膜4は、ハードコート剤として使用されるアクリル系UV硬化型樹脂(例えばソニーケミカル製:LCR1000)をコートすることにより形成されている。なお、UV硬化型接着剤をコーティングすることや、UV硬化型インクを印刷することにより透光性膜4を形成してもよい。図1に示すように透光性膜4は、透明基板2の背面21における印刷領域22の内側の領域23の全体及び印刷領域22の全体に重なるように形成されている。なお、透光性膜4は、印刷領域22の全体に重なっていなくとも、少なくとも印刷領域22の内周部全体を含む領域に重なっていればよい。
【0020】
固定部材5は、透光性を有する透明粘着シートにより形成されている。固定部材5は、透明基板2との間に透光性膜4が介在した状態で配置されている。固定部材5は、透光性膜4のうち透光性膜4に対して透明基板2が配置された側とは反対側の面41に、印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて連続的に配置されている。
この固定部材5は、常温常圧の条件下では弾性及び粘着性を有する固体であり、透光性膜4に固定された後においても弾性及び粘着性を有する固体状を維持している。このような固定部材5として、例えば日東電工製・LUCIACS(登録商標)CS9622Tや、3M製3M Contrast Enhancement Film CEF0807といった透明粘着シートを用いることができる。
【0021】
タッチパネル3は、二層式静電容量型タッチパネルであり、リラクゼーションオシレーター方式や、チャージトランスファー方式などの検知方式によってタッチパネル3の表面に触れた指先等の位置情報を検知する。
【0022】
図3はタッチパネル3の配線構造を模式的に示す正面図である。図1,図3に示すように、タッチパネル3は、樹脂フィルム311,312と、上層電極32と、下層電極33と、配線フィルム34とを備えている。
【0023】
樹脂フィルム311,312は、例えばPETなどの透光性を有する樹脂により略矩形状に形成されている。樹脂フィルム311,312は重ね合わされていて、一方の樹脂フィルム311が表面側、他方の樹脂フィルム312が裏面側に配置されている。
【0024】
上層電極32は、ITOから形成された透明電極であり、樹脂フィルム311の表面側に多数配置されている。また、多数の上層電極32は、タッチパネル3の操作領域G内に収まるように、互いに所定の間隔を空けて配列されている。多数の上層電極32の一端部には、それぞれ引き回し配線321が接続されている。引き回し配線321はITOから形成されていて配線フィルム34内の配線に接続されている。
【0025】
下層電極33は、ITOから形成された透明電極であり、樹脂フィルム312の裏面側に多数配置されている。また、多数の下層電極33は、上層電極32の延在方向とは直交する方向に延在している。そして、多数の下層電極33は、タッチパネル3の操作領域G内に収まるように互いに所定の間隔を空けて配列されている。多数の下層電極33の一端部には、それぞれ引き回し配線331が接続されている。引き回し配線331はITOから形成されていて配線フィルム34内の配線に接続されている。
【0026】
そして、図1に示すように、タッチパネル3は、透明基板2との間に透光性膜4及び固定部材5が介在した状態で配置されている。タッチパネル3は、固定部材5のうち当該固定部材5に対して透明基板2が配置された側とは反対側の面51の全体に亘って重ねられ固定されている。これにより、タッチパネル3は、反対側の面51の印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて固定して配置されている。
【0027】
次いで、本実施形態の透明基板付き電子部材1の製造方法について説明する。図4は、透明基板付き電子部材1の製造方法の流れを示す工程図である。また、図5〜図8は、各工程を模式的に示す説明図である。
【0028】
まず、第一部材準備工程である基板準備工程S1では、透明基板2を準備する。ここでは、透明基板2の背面21となる一方の面側に枠状の印刷領域22を形成している(図5参照)。
【0029】
次いで透光性膜形成工程S2では、透明基板2の背面21に、印刷領域22と重ならない領域から印刷領域22に重なる領域にかけて連続的に、ハードコート剤をコートすることで透光性膜4を形成する(図6参照)。透光性膜4を形成した後に、印刷領域22と重なる領域が印刷領域22と重ならない領域よりも薄くなるように、透光性膜4における少なくとも印刷領域22と重なる領域に対して所定の処理を施し、透光性膜4の反対側の面41を平坦にする(図7参照)。この透光性膜4の一部を薄くする処理としては、例えば加圧処理や、除去処理などが挙げられる。
【0030】
加圧処理では、透光性膜4を形成した後に、透光性膜4の反対側の面41であって、少なくとも印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて連続した領域を、透明基板2に向けて加圧することで、透光性膜4の反対側の面41を平坦にする。
除去処理では、透光性膜4を形成した後に、印刷領域22と重なる領域に形成された透光性膜4の少なくとも一部を、当該透光性膜4の厚みが薄くなるように除去することで、透光性膜4の反対側の面41を平坦にする。
【0031】
また、透光性膜4の形成後においては透明基板2を加熱し、透光性膜4の反対側の面41をなだらかにするレベリングを行う。
【0032】
固定部材配置工程S3では、透明基板2との間に透光性膜4が介在した状態で、透光性膜4の反対側の面41に、印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて連続的に固定部材5を配置する(図7,図8参照)。この固定部材配置工程S3では、透光性膜4の反対側の面41に固定部材5を大気中で配置している。
【0033】
オートクレーブ工程S4では、透明基板2、透光性膜4及び固定部材5の接合体に対してオートクレーブ処理を施す。オートクレーブ処理とは熱と圧力とを一定時間接合体に付与する処理である。
【0034】
第二部材配置工程である電子部材配置工程S5では、固定部材5の反対側の面51に対してタッチパネル3を貼り合わせる(図8参照)。この際、透明基板2との間に透光性膜4及び固定部材5が介在した状態で、固定部材5の反対側の面51に、印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて、タッチパネル3を固定して配置する。これにより、透明基板付き電子部材1が完成する(図1参照)。なお、貼り合わせによる加圧により、固定部材5は弾性変形して収縮している。
【0035】
以上のように、第1の実施の形態に係る透明基板付き電子部材1によれば、透明基板2の背面21における印刷領域22と重ならない領域に透光性膜4が形成されているので、印刷領域22と、印刷領域22の内側の領域23との段差を低減することができる。これにより、固定部材5と透明基板2との間に空気介在部が発生することを抑制でき、表示品位を高めることができる。
【0036】
また、透光性膜形成工程S2では、透明基板2の背面21における印刷領域22と重ならない領域から印刷領域22に重なる領域にかけて連続的に透光性膜4が形成されているので、透光性膜4が印刷領域22及び印刷領域22の内側の領域23を覆うことになる。例えば、透光性膜4が印刷領域22の内側の領域23にだけ形成する場合には、透光性膜4の厚みを印刷領域22の厚みに合わせておくことが好ましい。しかしながら、上述したように透光性膜4が印刷領域22及び印刷領域22の内側の領域23を覆っていると、透光性膜4の厚みを印刷領域22の厚みに合わさなくとも、加圧処理や除去処理といった後処理により透光性膜4の反対側の面41を平坦に形成すれば段差を抑制することができる。
【0037】
また、透光性膜4を形成した後に、透明基板2を加熱してレベリングを行っているので、透光性膜4の反対側の面41をよりなだらかにすることができる。
また、固定部材5が、固定部材配置工程S3の前に常温常圧の条件下において弾性及び粘着性を有する固体であり、固定部材配置工程S3の後にも弾性及び粘着性を有する固体状を維持しているので、電子部材配置工程S5の後に弾性復帰することも考えられる。しかしながら、透光性膜4によって印刷領域22と、印刷領域22の内側の領域23との段差が抑制されているので、固定部材5が弾性復帰したとしても空気介在部が発生しにくくなっている。
【0038】
また、固定部材5は大気中で透光性膜4の反対側の面41に配置されているので、真空にして固定部材5を配置する場合よりも製造工程を簡素化することができる。
また、透光性膜4がハードコート剤から形成されているので、透明基板2の背面21をハードコートすることができる。
【0039】
また、オートクレーブ工程S4では、透明基板2、透光性膜4及び固定部材5の接合体に対してオートクレーブ処理が施されているので、気泡が透光性膜4や固定部材5内に溶解することとなり、空気介在部をより小さくすることができる。
なお、上記実施形態では、オートクレーブ工程S4を固定部材配置工程S3の後であって電子部材配置工程S5の前に実行しているが、電子部材配置工程S5の後にのみ、あるいは追加でオートクレーブ工程を施してもよい。この場合、透明基板2、透光性膜4、固定部材5及びタッチパネル3の接合体に対してオートクレーブ処理を施すこととなる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。以下、他の実施の形態について説明するが以降の説明において上記実施形態と同一部分においては同一符号を付してその説明を省略する。
【0041】
例えば、上記実施形態ではタッチパネル3として静電容量方式を適用したものを例示したが、タッチパネル3としては、抵抗膜方式、光学方式、電磁誘導方式又は超音波方式のいずれかを適用したものであってもよい。
また、上記実施形態では透光性膜形成工程S2において、透明基板2の背面21における印刷領域22と重ならない領域から印刷領域22に重なる領域にかけて連続的に透光性膜4を形成したが、厚みを透光性膜4の厚みを印刷領域22の厚みに合わせた上で、透光性膜4を印刷領域22の内側の領域23にだけ形成してもよい。この場合、加圧処理や除去処理といった、透光性膜4の一部を薄くする処理や、透光性膜4の反対側の面41をなだらかにするレベリング処理を省略してもよい。さらに、上記実施形態では透光性膜形成工程S2において、透光性膜4における少なくとも印刷領域22と重なる領域に対して所定の処理を施すことにより透光性膜4の反対側の面41を平坦にしたが、透光性膜4の反対側の面41の、印刷領域22と重なる領域と印刷領域22と重ならない領域との間の段差を低減するようにしてもよい。
【0042】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、電子部材がタッチパネル3である透明基板付き電子部材1を例示して説明したが、第2の実施の形態では、電子部材が表示パネルである透明基板付き電子部材を例示して説明する。図9は、電子部材として表示パネルを適用した透明基板付き電子部材1Aの概略構成を模式的に示す断面図である。図9に示すように透明基板付き電子部材1Aは、第一板状部材である表示パネル7と、第二板状部材である透明基板2aと、透光性膜4aと、固定部材5aと、光源ユニット8とを備えている。
【0043】
表示パネル7は、液晶表示パネルであり、一対の透明基板71,72と、光学シート73と、第二光学シート74とを備えている。
【0044】
一対の透明基板71,72は、予め定めた間隙を設けて対向配置されている。これら透明基板71,72間の間隙には液晶層(図示省略)が封入されている。また、一対の透明基板71,72の互いに向き合う内面には、電圧の印加により液晶層の液晶分子の配向状態を変化させて光の透過を制御する複数の画素を形成するための第1と第2の透明電極(図示省略)がそれぞれ設けられている。
光学シート73は、観察側の透明基板71の観察側の面711に貼り付けられた偏光板である。この光学シート73が、観察側の透明基板71の観察側の面711から突出した突出領域となる。
第二光学シート74は、背面側の透明基板72の背面721に貼り付けられた第二の偏光板である。
【0045】
この表示パネル7は、TFT(薄膜トランジスタ)をアクティブ素子としたアクティブマトリックス液晶素子である。図では省略しているが、一対の透明基板71,72のうちの一方の透明基板(例えば背面側の透明基板72)の内面には、行及び列方向にマトリクス状に配列させた複数の画素電極が形成されている。また、一方の透明基板の内面には、複数の画素電極にそれぞれ対応させて配置され、対応する画素電極に接続された複数のTFT(スイッチング素子)が設けられている。一方の透明基板の内面には、各行の複数のTFTにそれぞれゲート信号を供給する複数の走査線と、各列の複数のTFTにそれぞれデータ信号を供給する複数の信号線とが設けられている。
そして、他方の透明基板(例えば観察側の透明基板71)の内面には、複数の画素電極の配列領域全体に対向した対向電極が形成されている。また、他方の透明基板の内面には、複数の画素電極と対向電極とが互いに対向する領域からなる複数の画素にそれぞれ対応した赤、緑、青の3色のカラーフィルタが形成されている。
【0046】
透光性膜4aは、透明基板71の観察側の面711における光学シート73の全体及び光学シート73に重ならない領域の全体に重なるように形成されている。
【0047】
固定部材5aは、表示パネル7との間に透光性膜4aが介在した状態で配置されている。固定部材5aは、透光性膜4aのうち透光性膜4aに対して表示パネル7が配置された側とは反対側の面41aに、光学シート73と重なる位置から光学シート73と重ならない位置にかけて連続的に配置されている。
【0048】
透明基板2aは、表示パネル7との間に透光性膜4a及び固定部材5aが介在した状態で配置されている。透明基板2aは、固定部材5aのうち当該固定部材5aに対して表示パネル7が配置された側とは反対側の面51aの全体に亘って重ねられ固定されている。これにより、透明基板2aは、反対側の面51aの光学シート73と重なる位置から光学シート73と重ならない位置にかけて固定して配置されている。
【0049】
光源ユニット8は、面光源であり、表示パネル7の観察側とは反対側に配置されている。
【0050】
次いで、第2の実施の形態の透明基板付き電子部材1Aの製造方法について説明する。
図10〜図12は、透明基板付き電子部材1Aの製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。なお、各工程の流れは図4に示したものに準ずる。
【0051】
まず、第一部材準備工程である基板準備工程S1では、第一板状部材である表示パネル7を準備する。
【0052】
次いで透光性膜形成工程S2では、表示パネル7の一方の面に、光学シート73と重ならない領域から光学シート73に重なる領域にかけて連続的に、ハードコート剤をコートすることで透光性膜4aを形成する(図10参照)。透光性膜4aを形成した後に、光学シート73と重なる領域が光学シート73と重ならない領域よりも薄くなるように、透光性膜4aにおける光学シート73と重なる領域に対して所定の処理を施して、透光性膜4aの反対側の面41aの、光学シート73と重なる領域と光学シート73に重ならない領域との段差を低減するか、または、透光性膜4aの反対側の面41aを平坦にする(図11参照)。
【0053】
固定部材配置工程S3では、表示パネル7との間に透光性膜4aが介在した状態で、透光性膜4aの反対側の面41aに、光学シート73と重なる位置から光学シート73と重ならない位置にかけて連続的に固定部材5aを配置する(図12参照)。
【0054】
オートクレーブ工程S4では、表示パネル7、透光性膜4a及び固定部材5aの接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
【0055】
第二部材配置工程である電子部材配置工程S5では、固定部材5aの反対側の面51aに対して透明基板2aを貼り合わせる。この際、表示パネル7との間に透光性膜4a及び固定部材5aが介在した状態で、固定部材5aの反対側の面51aに、光学シート73と重なる位置から光学シート73と重ならない位置にかけて、透明基板2aを固定して配置する。
その後、表示パネル7の観察側とは反対側に光源ユニット8を配置することにより、透明基板付き電子部材1Aが完成する(図9参照)。
【0056】
このように電子部材側に段差がある場合においても、突出領域(光学シート73)と重ならない領域に透光性膜4aが形成されているので、突出領域と、突出領域と重ならない領域との段差を低減することができる。これにより、固定部材5aと表示パネル7との間に空気介在部が発生することを抑制でき、表示品位を高めることができる。
【0057】
[第3の実施の形態]
第2の実施の形態では、表示パネル7に突出領域が形成されている場合を例示して説明したが、第3の実施の形態ではタッチパネルに突出領域が形成されている場合について説明する。
【0058】
図13は、第3の実施の形態の透明基板付き電子部材に備わるタッチパネルの配線構造を模式的に示す正面図である。図14は、図13におけるXIV−XIV切断線からみた第3の実施の形態の透明基板付き電子部材1Bの概略構成を模式的に示す断面図である。図13,図14に示すようにタッチパネル3bの表面及び背面には、引き回し配線321,331を個別に少なくとも一部覆うように複数の金属層35が成膜されている。この金属層35は、Agペースト印刷により形成されており、その層厚は10〜20μmとなっている。このため、タッチパネル3bの表面側に配置された金属層35が突出領域となる。
なお、第3の実施の形態における透明基板付き電子部材1Bの製造工程の流れは、図4に示したものに準ずる。
【0059】
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態では、透明基板付き電子部材1が電子部材としてタッチパネル3のみを搭載している場合を例示して説明したが、この第4の実施の形態ではタッチパネル3と表示パネル7との両者を搭載した透明基板付き電子部材について説明する。図15は、第4の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。図15に示すように、第4の実施の形態に係る透明基板付き電子部材1Cは、透明基板2と、透光性膜4と、固定部材5と、タッチパネル3と、表示パネル7と、光源ユニット8とを備えている。表示パネル7は、透明基板2との間に透光性膜4、固定部材5及びタッチパネル3が介在した状態で配置されている。
なお、第4の実施の形態における透明基板付き電子部材1Cの製造工程の流れは、図4に示したものに準ずる。また、本実施形態においては、第1の実施の形態と同様、透明基板2の一方の面(背面21)に、その周縁部の全周にわたって形成された枠状の印刷領域22が突出領域である。
【0060】
[第5の実施の形態]
第1の実施の形態では、空気介在部の発生を抑制するため透光性膜4を備えた透明基板付き電子部材1を例示して説明したが、透光性膜4を省略したとしても空気介在部の発生を抑えることは可能である。この第5の実施の形態では、透光性膜4を用いない場合の透明基板付き電子部材の製造方法について説明する。
【0061】
図16は、第5の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の流れを示す工程図である。また、図17〜図21は各工程を模式的に示す説明図である。
【0062】
まず、第一部材準備工程である基板準備工程S21では、透明基板2を準備する。ここでは、透明基板2の背面21となる一方の面側に枠状の印刷領域22を形成している(図17参照)。
【0063】
次いで固定部材配置工程S22では、透明基板2の背面21に、印刷領域22と重ならない領域から印刷領域22に重なる領域にかけて固定部材5を配置する。この固定部材配置工程S22では、透明基板2の背面21に固定部材5を真空中で配置している。固定部材5の配置後においては、図18に示すように印刷領域22と重なった領域が突出する。ここで真空として例えば30Pa(2.961×10−4atm)以下程度にまで真空引きを行うことが好ましい。しかしながら、空気介在部が発生することを抑制できれば、必ずしも30Pa以下まで真空引きしなくてもよい。
【0064】
加圧加熱工程S23では、固定部材5のうち当該固定部材5の反対側の面51における少なくとも印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて連続した領域を、透明基板2に向けて加圧すると同時に、固定部材5を加熱する。これにより固定部材5が塑性変形して、固定部材5の反対側の面51が平坦となる(図19参照)。
【0065】
オートクレーブ工程S24では、透明基板2及び固定部材5の接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
【0066】
第二部材配置工程である電子部材配置工程S25では、固定部材5の反対側の面51に対してタッチパネル3を貼り合わせる(図20参照)。この際、透明基板2との間に固定部材5が介在した状態で、固定部材5の反対側の面51に、印刷領域22と重なる位置から印刷領域22と重ならない位置にかけて、タッチパネル3を固定して配置する。これにより、透明基板付き電子部材1Dが完成する(図21参照)。
【0067】
以上のように、第5の実施の形態に係る透明基板付き電子部材1Dの製造方法によれば、加圧加熱工程S23によって、固定部材5の反対側の面51が平坦化されているので、固定部材5と透明基板2との間に空気介在部が発生することを抑制でき、表示品位を高めることができる。
【0068】
特に、加圧加熱工程S23では固定部材5を塑性変形させているので、組立後に固定部材5が元の形状に復帰しようとすることを防止できる。したがって、長期に亘って固定部材5と透明基板2との間に空気介在部が発生することを抑制することができる。
また、固定部材配置工程S22では、透明基板2の背面21に固定部材5を真空中で配置しているので、固定部材5と透明基板2との間に空気が侵入することを防止できる。
【0069】
また、オートクレーブ工程S24では、透明基板2及び固定部材5の接合体に対してオートクレーブ処理が施されているので、気泡が固定部材5内に溶解することとなり、空気介在部をより小さくすることができる。
なお、上記実施形態では、オートクレーブ工程S24を固定部材配置工程S22の後であって電子部材配置工程S25の前に実行しているが、電子部材配置工程S25の後にのみ、あるいは追加でオートクレーブ工程を施してもよい。この場合、透明基板2、固定部材5及びタッチパネル3の接合体に対してオートクレーブ処理を施すこととなる。
【0070】
[第6の実施の形態]
第5の実施の形態では、電子部材がタッチパネル3である透明基板付き電子部材1Dの製造方法を例示して説明したが、第6の実施の形態では、電子部材が表示パネルである透明基板付き電子部材の製造方法を例示して説明する。
なお、本実施形態においては、第2の実施の形態と同様、観察側の透明基板71の観察側の面711に貼り付けられた光学シート73が突出領域である。
【0071】
図22〜図24は、第6の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。なお、各工程の流れは図16に示したものに準ずる。
【0072】
まず、第一部材準備工程である基板準備工程S21では、第一板状部材である表示パネル7を準備する。
【0073】
次いで固定部材配置工程S22では、表示パネル7の一方の面に、光学シート73と重ならない領域から光学シート73に重なる領域にかけて固定部材5を配置する。固定部材5の配置後においては、図22に示すように光学シート73と重なった領域が突出する。
【0074】
加圧加熱工程S23では、固定部材5のうち当該固定部材5の表示パネル7が配置された側とは反対側の面51dにおける少なくとも光学シート73と重なる位置から光学シート73と重ならない位置にかけて連続した領域を、表示パネル7に向けて加圧すると同時に、固定部材5を加熱する。これにより固定部材5が塑性変形して、固定部材5の反対側の面51dが平坦となる(図23参照)。
【0075】
オートクレーブ工程S24では、透明基板2及び固定部材5の接合体に対してオートクレーブ処理を施す。
【0076】
第二部材配置工程である電子部材配置工程S25では、固定部材5の反対側の面51dに対して透明基板2を貼り合わせる。この際、透明基板2との間に固定部材5が介在した状態で、固定部材5の反対側の面51dに、光学シート73と重なる位置から光学シート73と重ならない位置にかけて、透明基板2を固定して配置する。
その後、表示パネル7の観察側とは反対側に光源ユニット8を配置することにより、透明基板付き電子部材1Eが完成する(図24参照)。
【0077】
このように電子部材側に段差がある場合においても、加圧加熱工程S23によって、固定部材5の反対側の面51dが平坦化されているので、固定部材5と透明基板2との間に空気介在部が発生することを抑制でき、表示品位を高めることができる。
【0078】
[第7の実施の形態]
第5の実施の形態では、透明基板付き電子部材1Dが電子部材としてタッチパネル3のみを搭載している場合を例示して説明したが、この第7の実施の形態ではタッチパネル3と表示パネル7との両者を搭載した透明基板付き電子部材について説明する。図25は、第7の実施の形態に係る透明基板付き電子部材の概略構成を模式的に示す断面図である。図25に示すように、第7の実施の形態に係る透明基板付き電子部材1Fは、透明基板2と、固定部材5と、タッチパネル3と、表示パネル7と、光源ユニット8とを備えている。表示パネル7は、透明基板2との間に固定部材5及びタッチパネル3が介在した状態で配置されている。
なお、第7の実施の形態における透明基板付き電子部材1Fの製造工程の流れは、図16に示したものに準ずる。また、本実施形態においても、第1の実施の形態と同様、透明基板2の一方の面(背面21)に、その周縁部の全周にわたって形成された枠状の印刷領域22が突出領域である。
【0079】
[第8の実施の形態]
上記実施形態では、透明基板若しくは電子部材のいずれか一方に突出領域が設けられている場合を例示して説明したが、この第8の実施の形態では、透明基板及び電子部材のどちらにも突出領域が形成されている場合について説明する。
【0080】
図26は、第8の実施の形態の透明基板付き電子部材1Gの概略構成を模式的に示す断面図である。図26に示すように、透明基板付き電子部材1Gは、透明基板2と、固定部材5と、透光性膜4a、タッチパネル3bとを備えている。
【0081】
透明基板2は、第二板状部材であり、この背面21に形成されている印刷領域22が第二突出領域となる。
固定部材5は、透明基板2の背面21における印刷領域22の内側の領域23の全体及び印刷領域22の全体に重なるように形成されている。
【0082】
タッチパネル3bは、第一板状部材であり、この表面に形成されている金属層35が突出領域となる。
透光性膜4aは、タッチパネル3bの表面側に重ねられている。具体的に透光性膜4aは、タッチパネル3bにおける表面側の金属層35と重なる位置から、表面側の金属層35と重ならない位置にかけて連続的に配置されている。
そして、固定部材5と透光性膜4aとは、タッチパネル3bの操作領域が印刷領域22の内側の領域23内に収まるように、重ねられている。
【0083】
次いで、本実施形態の透明基板付き電子部材1Gの製造方法について説明する。図27は、透明基板付き電子部材1Gの製造方法の流れを示す工程図である。図28〜図30は、各工程を模式的に示す説明図である。なお、基板準備工程S33、固定部材配置工程S34及び加圧加熱工程S35は、第5の実施の形態の基板準備工程S21、固定部材配置工程S22及び加圧加熱工程S23と同工程であるのでその説明は省略する。
【0084】
まず、第一部材準備工程である電子部材準備工程S31では、タッチパネル3bを準備する。ここでは、タッチパネル3bの表面である一方の面側に、突出領域である金属層35を形成している(図28参照)。
【0085】
次いで透光性膜形成工程S32では、タッチパネル3bの表面側の金属層35と重ならない領域から表面側の金属層35に重なる領域にかけて連続的に、ハードコート剤をコートすることで透光性膜4aを形成する(図29参照)。透光性膜4aを形成した後に、表面側の金属層35と重なる領域が表面側の金属層35と重ならない領域よりも薄くなるように、透光性膜4における金属層35と重なる領域に対して所定の処理を施し、透光性膜4aの表面44を平坦にする(図30参照)。
【0086】
固定工程S36では、透光性膜4aの表面44と固定部材5の反対側の面51とが重なるように、タッチパネル3b及び透光性膜4aの接合体90と、透明基板2及び固定部材5との接合体91とを固定して配置する。この際、タッチパネル3bの操作領域が印刷領域22の内側の領域23内に収まるように、接合体90及び接合体91を位置合わせしている。
【0087】
その後、オートクレーブ工程S37では、透明基板2、固定部材5、透光性膜4a及びタッチパネル3bの接合体に対してオートクレーブ処理を施す。これにより、透明基板付き電子部材1Gが完成する(図26参照)。
【0088】
以上のように、第8の実施の形態によれば、透明基板2及びタッチパネル3bのどちらにも突出領域が形成されていたとしても、固定部材5と、透光性膜4aとのそれぞれの接合面(表面44、反対側の面51)が平坦化されて重ねられているので、タッチパネル3bと透明基板2との間に空気介在部が発生することを抑制でき、表示品位を高めることができる。
【0089】
[第9の実施の形態]
第8の実施の形態では、空気介在部の発生を抑制するため透光性膜4aを備えた透明基板付き電子部材1Gを例示して説明したが、透光性膜4aを省略したとしても空気介在部の発生を抑えることは可能である。この第9の実施の形態では、透光性膜4aを用いない場合の透明基板付き電子部材の製造方法について説明する。
【0090】
図31は、第9の実施の形態の透明基板付き電子部材1Hの概略構成を模式的に示す断面図である。図31に示すように、透明基板付き電子部材1Hは、透明基板2と、固定部材5と、固定部材5hと、タッチパネル3bとを備えている。
【0091】
透明基板2は、第二板状部材であり、この背面21に形成されている印刷領域22が第二突出領域となる。
固定部材5は、第二固定部材であり、透明基板2の背面21における印刷領域22の内側の領域23の全体及び印刷領域22の全体に重なるように形成されている。
【0092】
タッチパネル3bは、第一板状部材であり、この表面に形成されている金属層35が突出領域となる。
固定部材5hは、タッチパネル3bの表面側に重ねられている。具体的に固定部材5hは、タッチパネル3bにおける表面側の金属層35と重なる位置から、表面側の金属層35と重ならない位置にかけて連続的に配置されている。
そして、固定部材5と固定部材5hとは、タッチパネル3bの操作領域Gが印刷領域22の内側の領域23内に収まるように、重ねられている。
【0093】
次いで、本実施形態の透明基板付き電子部材1Hの製造方法について説明する。図32は、透明基板付き電子部材1Hの製造方法の流れを示す工程図である。図33〜図35は、各工程を模式的に示す説明図である。なお、基板準備工程S44、第二固定部材配置工程S45及び第二加圧加熱S46は、第5の実施の形態の基板準備工程S21、固定部材配置工程S22及び加圧加熱工程S23と同工程であるのでその説明は省略する。
【0094】
まず、第一部材準備工程である電子部材準備工程S41では、タッチパネル3bを準備する。(図33参照)。
【0095】
次いで固定部材配置工程S42では、タッチパネル3bの表面側の金属層35と重ならない領域から金属層35に重なる領域にかけて固定部材5hを配置する。この固定部材配置工程S42では、タッチパネル3bに対して固定部材5hを真空中で配置している。固定部材5hの配置後においては、図34に示すように表面側の金属層35と重なった領域が突出する。
【0096】
加圧加熱工程S43では、固定部材5hのうち当該固定部材5hに対してタッチパネル3bが配置された側とは反対側の面51hにおける少なくとも表面側の金属層35と重なる位置から当該金属層35と重ならない位置にかけて連続した領域を、タッチパネル3bに向けて加圧すると同時に、固定部材5hを加熱する。これにより固定部材5hが塑性変形して、固定部材5hの反対側の面51hが平坦となる(図35参照)。
【0097】
固定工程S47では、固定部材5の反対側の面51と、固定部材5hの反対側の面51hとが重なるように、タッチパネル3b及び固定部材5hの接合体92と、透明基板2及び固定部材5との接合体91とを固定して配置する。この際、タッチパネル3bの操作領域Gが印刷領域22の内側の領域23内に収まるように、接合体92及び接合体91を位置合わせしている。
【0098】
その後、オートクレーブ工程S48では、透明基板2、固定部材5、固定部材5h及びタッチパネル3bの接合体に対してオートクレーブ処理を施す。これにより、透明基板付き電子部材1Hが完成する(図31参照)。
【0099】
以上のように、第9の実施の形態によれば、透明基板2及びタッチパネル3bのどちらにも突出領域が形成されていたとしても、固定部材5,5hのそれぞれの接合面(反対側の面51,51h)が平坦化されて重ねられているので、タッチパネル3bと透明基板2との間に空気介在部が発生することを抑制でき、表示品位を高めることができる。
【0100】
なお、上記実施形態で例示した表示パネル7は液晶表示パネルであるが、これ以外にも表示パネルとしては、プラズマ表示パネル、有機エレクトロルミネセンス表示パネル、フィールドエミッション表示パネルなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0101】
1 透明基板付き電子部材
2 透明基板
3 タッチパネル(電子部材)
4 透光性膜
5 固定部材
21 背面(一方の面)
22 印刷領域(突出領域)
23 領域
41 反対側の面
51 反対側の面
G 操作領域
S1 基板準備工程(第一部材準備工程)
S2 透光性膜形成工程
S3 固定部材配置工程
S4 オートクレーブ工程
S5 電子部材配置工程(第二部材準備工程)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面における前記突出領域と重ならない領域に、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、
前記第一板状部材との間に前記透光性膜が介在した状態で、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記第一板状部材との間に前記透光性膜及び前記固定部材が介在した状態で、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて第二板状部材を配置する第二部材配置工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記透光性膜形成工程では、前記第一板状部材の前記一方の面における前記突出領域と重ならない領域から前記突出領域に重なる領域にかけて連続的に前記透光性膜を形成することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記透光性膜形成工程では、前記突出領域と重なる領域に形成された前記透光性膜を、前記突出領域とは重ならない領域に形成された前記透光性膜よりも薄く形成することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項4】
請求項2又は3記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記透光性膜を形成した後に、前記透光性膜のうち、前記透光性膜に対して前記第一板状部材が配置された側とは反対側の面であって、少なくとも前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第一板状部材に向けて加圧することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項5】
請求項2又は3記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記透光性膜を形成した後に、前記突出領域と重なる領域に形成された前記透光性膜の少なくとも一部を、当該透光性膜の厚みが薄くなるように除去することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記透光性膜を形成した後に、前記第一板状部材及び前記透光性膜を加熱することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記固定部材は、前記固定部材配置工程の前に常温常圧の条件下において弾性及び粘着性を有する固体であり、前記固定部材配置工程の後にも弾性及び粘着性を有する固体状を維持することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記固定部材配置工程では、前記透光性膜の前記反対側の面に前記固定部材を大気中で配置することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記第一板状部材又は前記第二板状部材のうち一方の板状部材はタッチパネル又は表示パネルであり、他方の板状部材は前記一方の板状部材のうち当該他方の板状部材との対向面を保護する透明基板であることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記第一板状部材は前記透明基板であり、前記透明基板の前記一方の面のうち印刷が施された領域が前記突出領域であることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項11】
請求項10記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記印刷領域は枠状であり、前記透光性膜は枠状の前記印刷領域の内側の領域全体及び前記印刷領域の内周部全体を含む領域と重なるように形成されることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記透光性膜はハードコート剤から形成されていることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記固定部材配置工程の後であって前記第二部材配置工程の前に、前記第一板状部材、前記透光性膜及び前記固定部材の接合体に対してオートクレーブ処理を施すことを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記第二部材配置工程の後に、前記第一板状部材、前記透光性膜、前記固定部材及び前記第二板状部材の接合体に対してオートクレーブ処理を施すことを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項15】
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面に、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記第一板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第一板状部材に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
前記第一板状部材との間に前記固定部材が介在した状態で、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて第二板状部材を配置する第二部材配置工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記固定部材は、前記固定部材配置工程の前に常温常圧の条件下において弾性及び粘着性を有する固体であり、
前記加圧加熱工程では、前記固定部材を塑性変形させることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項17】
請求項15又は16記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記固定部材配置工程では、真空中にて前記第一板状部材の前記一方の面に前記固定部材を配置することを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記固定部材配置工程の後であって前記第二部材配置工程の前に、前記第一板状部材と前記固定部材との接合体に対してオートクレーブ処理を施すことを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項19】
請求項15〜17のいずれか一項に記載の板状部材接合体の製造方法において、
前記第二部材配置工程の後に、前記第一板状部材、前記固定部材及び前記第二板状部材の接合体に対してオートクレーブ処理を施すことを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項20】
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面における前記突出領域と重ならない領域に、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、
一方の面に、該一方の面から突出した第二突出領域が形成された第二板状部材を準備する第二部材準備工程と、
前記第二板状部材の前記一方の面に、前記第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記第二板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも前記第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第二板状部材に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
前記透光性膜と前記固定部材とが重なるように、前記第一板状部材及び前記透光性膜の接合体と、前記第二板状部材及び前記固定部材の接合体とを固定して配置する固定工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項21】
一方の面に、該一方の面から突出した突出領域が形成された第一板状部材を準備する第一部材準備工程と、
前記第一板状部材の前記一方の面に、前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記第一板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも前記突出領域と重なる位置から前記突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第一板状部材に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
一方の面に、該一方の面から突出した第二突出領域が形成された第二板状部材を準備する第二部材準備工程と、
前記第二板状部材の前記一方の面に、前記第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続的に第二固定部材を配置する第二固定部材配置工程と、
前記第二固定部材のうち当該第二固定部材に対して前記第二板状部材が配置された側とは反対側の面における少なくとも第二突出領域と重なる位置から前記第二突出領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記第二板状部材に向けて加圧すると同時に、前記第二固定部材を加熱する第二加圧加熱工程と、
前記固定部材と前記第二固定部材とが重なるように、前記第一板状部材及び前記固定部材の接合体と、前記第二板状部材及び前記第二固定部材の接合体とを固定して配置する固定工程とを備えることを特徴とする板状部材接合体の製造方法。
【請求項22】
一方の面側に枠状の印刷が施された印刷領域を有する透明基板を準備する基板準備工程と、
前記透明基板の前記一方の面における前記印刷領域の内側の領域及び前記印刷領域の内周部全体を含む領域と重なるように、透光性を有する透光性膜を形成する透光性膜形成工程と、
前記透明基板との間に前記透光性膜が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記透明基板との間に前記透光性膜及び前記固定部材が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて、タッチパネル又は表示パネルである電子部材を配置する電子部材配置工程とを備えることを特徴とする透明基板付き電子部材の製造方法。
【請求項23】
一方の面側に枠状の印刷が施された印刷領域を有する透明基板を準備する基板準備工程と、
前記透明基板の前記一方の面に、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続的に固定部材を配置する固定部材配置工程と、
前記固定部材のうち当該固定部材に対して前記透明基板が配置された側とは反対側の面における少なくとも前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続した領域を、前記透明基板に向けて加圧すると同時に、前記固定部材を加熱する加圧加熱工程と、
前記透明基板との間に前記固定部材が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて、タッチパネル又は表示パネルである電子部材を配置する電子部材配置工程とを備えることを特徴とする透明基板付き電子部材の製造方法。
【請求項24】
一方の面側に枠状の印刷が施された印刷領域を有する透明基板と、
前記透明基板の前記一方の面における前記印刷領域の内側の領域及び前記印刷領域の内周部全体を含む領域と重なるように形成された透光性を有する透光性膜と、
前記透明基板との間に前記透光性膜が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて連続的に配置された固定部材と、
前記透明基板との間に前記透光性膜及び前記固定部材が介在した状態で、前記印刷領域と重なる位置から前記印刷領域と重ならない位置にかけて配置されたタッチパネル又は表示パネルである電子部材と、を備えることを特徴とする透明基板付き電子部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−113054(P2011−113054A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272054(P2009−272054)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】